JP2010217101A - 燃料レベルセンサの回路基板及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料レベルセンサの回路基板において、基板パターンの抵抗値の調整幅を広げる技術を提供する
【解決手段】燃料タンク内に設置される抵抗板10は、絶縁体からなる基板11上に、抵抗体12と、IG側導体パターンである第1の検知用導体13と、GND側導体パターンである第2の検知用導体14とが形成されている。第1の検知用導体13と第2の検知用導体14は、それぞれ複数の短冊状の形状(セグメント41)で配置され形成されている。また、隣接するセグメント41同士の略中央部分を渡すようにブリッジが形成されている。そして、セグメント41間に抵抗値を設定すべく、ブリッジがトリミングされる。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えば、車輌の燃料レベルセンサに利用される燃料センサ用の回路基板及びその製造方法に関する。
車輌の燃料レベルセンサとして、抵抗体を基板に形成した回路基板が用いられることがある。図1に一般的に用いられている回路基板の標準パターンの例を示す。具体的には、図1(a)は導体パターンに抵抗パターンが形成されている標準パターンの例を示し、図1(b)は抵抗パターンが形成される前の導体パターンのみが形成されている状態を示す。
一般には、IG(イグニション)側導体パターン113の各セグメント間に抵抗パターン112が形成され、抵抗パターン112をレーザ等でトリミングすることで抵抗値を調整し、所望の要求性能を満足させている。
ところで、トリミング等により抵抗値を調整する技術は様々提案されている。例えば、抵抗体膜に抵抗値調整のためにレーザ工法によりトリミング溝を形成する技術がある(例えば特許文献1や特許文献2参照)。これらの技術では、抵抗体にトリミングを施すことで、その抵抗体の抵抗値を増加させている。
特開2002−231505号公報 特開昭63−21801号公報
ところで、トリミングによる抵抗値調整は、一般には初期抵抗の10倍程度までが限界であり、図1に示した燃料レベルセンサの回路基板に提供する場合、抵抗値の調整幅が狭いという課題があった。例えば、各セグメント141間の初期抵抗値が4Ωの場合、トリミング等による調整範囲は約4〜40Ωであり、調整幅を広げる技術が求められていた。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、燃料レベルセンサの回路基板において、基板パターンの抵抗値の調整幅を広げる技術を提供することを目的とする。
本発明のある態様は、燃料レベルセンサの回路基板の製造方法に関する。この製造方法は、絶縁体の基板上に所定の複数の導体セグメントを、それら導体セグメント間を連絡するブリッジにより電気的に短絡させた形状で形成する導体セグメント形成工程と、前記導体セグメントのそれぞれの一部又は全面を覆って、前記導体セグメント間をわたして抵抗体を形成する抵抗体形成工程と、前記ブリッジをトリミングするトリミング工程とを備え、前記トリミング工程において、複数の前記ブリッジのうち一部のブリッジがトリミングにより切除されない。
また、前記トリミング工程は、前記抵抗体をトリミングする処理を含んでもよい。
また、前記抵抗体形成工程は、前記ブリッジの上面を覆って前記抵抗体を形成し、前記トリミング工程は、前記ブリッジをトリミングする際に、前記ブリッジの上面に形成された前記抵抗体とともにトリミングしてもよい。
本発明のある態様は燃料レベルセンサの回路基板に関する。この回路基板は、絶縁体の基板上に形成される複数の導体セグメントが配置されて形成された導体パターンと、前記導体パターンの上面に形成された抵抗体パターンと、を備え、前記導体パターンは、隣あう導体セグメント間がトリミング可能に導体の結合部により電気的に連通している。
本発明によれば、燃料レベルセンサの回路基板において、基板パターンの抵抗値の調整幅を広げる技術を提供することができる。
従来技術に係る、回路基板の標準パターン例を示した図である。 本発明の実施形態に係る、回路基板の標準パターン例を示した図である。 本発明の実施形態に係る、第1の検知用導体の一部を拡大して示した状態を示した図である。 本発明の実施形態に係る、抵抗体がセグメントの上面を覆って形成された状態を示した図である。 本発明の実施形態に係る、セグメントの上面を覆って形成された抵抗体がトリミングされた状態を示した図である。 本発明の実施形態に係る、抵抗板のセグメント及びブリッジにより形成される回路の等価回路を示した図である。 本発明の実施形態の変形例に係る、抵抗体がセグメントの上面を覆って形成された状態を示した図である。
以下、発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という)を、図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、車輌などの燃料タンク内に燃料レベルセンサ(残量計)として設置される抵抗板の標準パターン(回路パターン)について説明する。
図2は、本実施形態に係る抵抗板10の外観を示す平面図である。具体的には、図2(a)は導体パターンと抵抗パターンが形成されている標準パターンの例を示し、図2(b)は抵抗パターンが形成される前の導体パターンのみが形成されている状態を示す。本実施形態では、抵抗パターンの下に形成されている導体パターンに特徴があり、図2(a)では導体パターンが隠れており、外観上は図1(a)と略同一である。
まず、この抵抗板10は、燃料タンク(図示せず)内に設置される。そして、抵抗板10は、絶縁体からなる基板11上に、本図において中央左側の領域に上から、抵抗体12と、IG側導体パターンである第1の検知用導体13と、GND(グランド)側導体パターンである第2の検知用導体14とが形成されている。第1の検知用導体13と第2の検知用導体14は、それぞれ複数の短冊状の形状で配置され形成されている。第1の検知用導体13には第2の引出導体24が、更にフューズ抵抗体30を介して第2のフューズ抵抗引出導体22が形成されており、さらにまた第2の検知用導体14には第3の引出導体26が形成されている。
そして、燃料タンク内の燃料液面に浮かぶフロート(図示せず)に連動する指針19に併設されている接点19a、19bが、第1の検知用導体13と第2の検知用導体14に接触し、電気的に回路形成されることで、フロート位置に応じた抵抗値信号を出力する。つまり、抵抗板10及び指針19で可変抵抗として機能する。この抵抗値を見ることで、燃料の残量が判別される。
つぎに図3に第1の検知用導体13の一部を拡大して示した状態を示す。図3(a)は本実施形態の第1の検知用導体13の拡大図であり、図3(b)は従来技術(図1)の第1の検知用導体113の拡大図である。
従来の第1の検知用導体113は、図3(b)に示すように、細長く形成された短冊状のセグメント141が複数並列に配置された状態で構成されている。より詳細には、長手方向の辺が対向するように配置されている。そして、図1(a)のように、セグメント141の図示下側部分を露出させて、上側部分を覆うように抵抗体112が形成される。
一方、本実施形態では、図3(a)に示すように、細長い短冊状(矩形状)に形成された導体のセグメント41(41a〜41e)が複数並列に配置されて形成されるとともに、隣接するセグメント41(41a〜41e)同士の略中央部分を渡すようにブリッジ42(42a〜42d)が形成されている。なお、ブリッジ42(42a〜42d)の形成位置は、指針19の接点19aの摺動部分以外の位置であれば中央部分に限らず、適宜設定することができ、例えば、セグメント41(41a〜41e)の上端部分や下端部分であってもよい。ここでは、5本のセグメント41(41a〜41e)が示されている。また、ブリッジ42(42a〜42d)は、上記のセグメント41(41a〜41e)と同様に導体であって、セグメント41(41a〜41e)及びブリッジ42(42a〜42d)は一体で形成される。そして、セグメント41(41a〜41e)の図示下側部分を露出させて、上側部分を覆うように抵抗体12が形成されている。ここでは、便宜的に図示左から「第1のセグメント41a」「第2のセグメント41b」・・・「第5のセグメント41e」と呼び、特にそれらを区別しないときは、「セグメント41」と呼ぶ。また、第1のセグメント41aと第2のセグメント41bとをわたすブリッジ42を「第1のブリッジ42a」、第2のセグメント41bと第3のセグメント41cとをわたすブリッジ42を「第2のブリッジ42b」、第3のセグメント41cと第4のセグメント41dとをわたすブリッジ42を「第3のブリッジ42c」、第4のセグメント41dと第5のセグメント41eとをわたすブリッジ42を「第4のブリッジ42d」といい、これらを特に区別しないときは「ブリッジ42」という。またさらに、抵抗体12のうち、第1のセグメント41aと第2のセグメント41bとの間に形成されている領域を「第1の抵抗領域12a」、第2のセグメント41bと第3のセグメント41cとの間に形成されている領域を「第2の抵抗領域12b」、第3のセグメント41cと第4のセグメント41dとの間に形成されている領域を「第3の抵抗領域12c」、第4のセグメント41dと第5のセグメント41eとの間に形成されている領域を「第4の抵抗領域12d」という。なお、図3及び後述する図4、5、7において、セグメント41の配列は、模式的にそれらの上端及び下端を揃えて図示しているが、実際には、図2に示すように、指針19の揺動及び指針19の接点19aの摺動位置に対応して円弧状に配列されている。
図4は、抵抗体12がセグメント41の上面を覆って形成された状態、つまり、図3(a)に示したセグメント41及びブリッジ42の上面に抵抗体12を形成した状態を模式的に示している。ここでは、抵抗体12に覆われているセグメント41の領域を破線で示している。なお、セグメント41の図示上側の一部が抵抗体12に覆われず露出しているが、全て覆われる形態であってもよい。
そして、セグメント41間に抵抗値を設定すべく、ブリッジ42がトリミングされる。より具体的には、セグメント41間の抵抗値を所望の値に設定すべく、抵抗体12及びブリッジ42がレーザ工法によってトリミング切除される。なお、ブリッジ42をトリミングする際には、ブリッジ42の上面に形成されている抵抗体12も一緒に切除される。
図5は、トリミングされた状態の抵抗体12を示している。図5(a)は、抵抗体12とセグメント41を示しており、また、図5(b)は、理解が容易になるように、抵抗体12を取り除いてセグメント41のみを示している。図示においては、第1のセグメント41aと第2のセグメント41bの間の領域Aにおいて、第1のブリッジ42aが、抵抗体12の領域のうち第1のブリッジ42aの上面に形成されていた抵抗体12とともにトリミングされている。また、第3のセグメント41cと第4のセグメント41dの間の領域Bにおいて、第3のブリッジ42cが、抵抗体12の領域のうち第3のブリッジ42cの上面に形成されていた抵抗体12とともにトリミングされている。さらに、この領域Bでは、第3のブリッジ42cの上面に形成されていた抵抗体12のみでなく、第3のブリッジ42cが形成されていない領域の抵抗体12においてもトリミングされて、第3のセグメント41cと第4のセグメント41dの間の抵抗値が所望の値に設定されている。一方、第2のセグメント41bと第3のセグメント41cの間の第2のブリッジ42b及び、第4のセグメント41dと第5のセグメント41eの間の第4のブリッジ42dは、トリミングされず残存している。つまり、第2のセグメント41bと第3のセグメント41cの間、及び第4のセグメント41dと第5のセグメント41eの間はそれぞれ電気的に短絡されている。
図6は、抵抗板10のセグメント41及びブリッジ42により形成される回路の等価回路を示した図である。図6(a)は、図4に示した状態、つまり、ブリッジ42(第1及び第3のブリッジ42a、42c)がトリミングされていない状態の等価回路を示している。また、図6(b)は、図5に示した状態にトリミングがされた状態の等価回路を示している。
図6(a)に示すように、図4では、第1及び第3のブリッジ42a、42cがトリミングされる前の状態であるため、第1〜第4の抵抗領域12a〜12dと並列に導通経路が形成されている。なお、各セグメント41間の抵抗Ra〜Rdは、トリミングにより抵抗値が調整可能であることから可変抵抗として表記し、また、導通経路であるブリッジ42は、適宜トリミングされることからスイッチ端子として表記している。
一方、図6(b)では、第1及び第3のブリッジ42a、42cをトリミングしているため、第1及び第3の抵抗領域12a、12cと並列に形成されていた導通経路(第1及び第3のブリッジ42a、42c)がオフになっている。第1及び第3の抵抗領域12a、12cの抵抗は、トリミング後の抵抗Ra’、Rc’として示している。
抵抗板10の製造方法を簡単にまとめると以下の通りである。
まず、導体セグメント形成工程として、絶縁体の基板11上に導体のセグメント41及びブリッジ42が所望の形状で一体に形成される。このセグメント41及びブリッジ42は、例えば、スクリーン印刷手法によって、導電性に優れかつ耐劣化・耐腐食性に優れた銀パラジウム等の材料によって形成される。この状態では、セグメント41は電気的に短絡した状態である。
つづいて、抵抗体形成工程として、前記セグメント41のそれぞれの一部又は全面を覆って、隣り合うセグメント41間をわたして抵抗体12が形成される。抵抗体12は、スクリーン印刷手法によって、耐劣化・耐腐食性に優れた酸化ルテニウム等の材料を用いて形成される。なお、セグメント41、ブリッジ42及び抵抗体12の材料は、上記の材料に限る趣旨ではなく、抵抗板10が設置される環境に好ましい材料が適宜選択可能である。
つぎに、トリミング工程として、所望のブリッジ42がトリミングされる。上述したように、所望の抵抗値のパターンを設定するために、一部のブリッジ42がトリミングされなくてもよい。トリミング手法として、例えばレーザ工法がある。
また上記のトリミング工程において、各セグメント41間の抵抗値を調整する必要があれば、ブリッジ42のトリミングとともに抵抗体12の一部がトリミングされる。このような製造方法によって、所望の回路パターンが形成される。なお、図5では、トリミング処理において、セグメント41間の所望のブリッジ42や抵抗体12が、そのセグメント41間の領域全てで取り除かれているが、これに限る趣旨ではない。例えば、セグメント41間を電気的に離間した状態にするためには、ブリッジ42を取り除かず、線状の溝が形成されてもよい。抵抗体12についても同様に、線状の溝が所望の長さで形成され、所望の抵抗値に調整されればよい。より具体的には、領域Bにおけるトリミングでは、第3のブリッジ42cが全て削除される形態について例示しているが、これに限る趣旨ではなく、第3のセグメント41cと第4のセグメント41dの間を電気的にオフした状態になればよく、第3のブリッジ42cに図示で左右に分離する溝が線状に形成されてもよい。さらに、第3の抵抗領域12cにおいても、同様に、所望の長さだけ、線状の溝が形成されてもよい。
以上、本実施形態によるIG側の導体パターンである第1の検知用導体13の各セグメント41をブリッジ42で結合することで、抵抗値調整幅を拡大することができる。より具体的には、抵抗板10において、従来より低抵抗への調整が可能となり、その結果、幅広い様々な仕様要求に対応可能な標準パターンを有する抵抗板10を実現することができる。つまり、各セグメント41間がブリッジ42により結合された状態の抵抗板10をあらかじめ用意し、仕様に応じて所望のトリミング処理を施すことで、様々な仕様に対応することができ、その結果、抵抗板10を共通化することができる。また、その共通化において、パターンの設計工数の低減、第1の検知用導体13、第2の検知用導体14、抵抗体12等を印刷形成する際に使用されるマスクの設定費の低減等、コスト低減が実現される。
また、トリミング処理を施さないブリッジ42を必要に応じて所望数だけ残存させることで、ブリッジ42によりわたされる各ブリッジ42の抵抗値が0Ωに設定されるので、第1の検知用導体13の全体抵抗をより低くすることができる。また、残存させるブリッジ42の組み合わせを適宜設定することで、抵抗板10の分解能を所望の値に設定することができる。
以上、本発明を実施形態を基に説明した。この実施形態は例示であり、それらの各構成要素及びその組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。例えば、図7に変形例の抵抗体12がセグメント41の上面を覆って形成された状態を示した図を示す。図示のように、抵抗体12がセグメント41を覆う際に、ブリッジ42が覆われないようにしてもよい。
10 抵抗板
11 基板
12 抵抗体
13 第1の検知用導体
14 第2の検知用導体
41 セグメント
42 ブリッジ

Claims (4)

  1. 燃料レベルセンサの回路基板の製造方法であって、
    絶縁体の基板上に所定の複数の導体セグメントを、それら導体セグメント間を連絡するブリッジにより電気的に短絡させた形状で形成する導体セグメント形成工程と
    前記導体セグメントのそれぞれの一部又は全面を覆って、前記導体セグメント間をわたして抵抗体を形成する抵抗体形成工程と、
    前記ブリッジをトリミングするトリミング工程とを備え、
    前記トリミング工程において、複数の前記ブリッジのうち一部のブリッジがトリミングにより切除されないことを特徴とする燃料レベルセンサの回路基板の製造方法。
  2. 前記トリミング工程は、前記抵抗体をトリミングする処理を含むことを特徴とする請求項1に記載の燃料レベルセンサの回路基板の製造方法。
  3. 前記抵抗体形成工程は、前記ブリッジの上面を覆って前記抵抗体を形成し、
    前記トリミング工程は、前記ブリッジをトリミングする際に、前記ブリッジの上面に形成された前記抵抗体とともにトリミングすることを特徴とする請求項1また2に記載の燃料レベルセンサの回路基板の製造方法。
  4. 絶縁体の基板上に形成される複数の導体セグメントが配置されて形成された導体パターンと、
    前記導体パターンの上面に形成された抵抗体パターンと、
    を備え、
    前記導体パターンは、隣あう導体セグメント間がトリミング可能に導体の結合部により電気的に連通していることを特徴とする燃料レベルセンサの回路基板。
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