JP2010215705A - 超高分子量ポリエチレンフイルム - Google Patents

超高分子量ポリエチレンフイルム Download PDF

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直樹 松岡
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Abstract

【課題】引張特性が良好で形状安定性に優れた超高分子量ポリエチレンフイルムの提供。
【解決手段】固体触媒成分および有機金属化合物成分からなる有機アルミニウム化合物を混合して得られたオレフィン重合触媒を用いて重合した、粘度平均分子量が150万〜1000万の超高分子量ポリエチレン。この超高分子量ポリエチレンと流動パラフィンやパラフィンワックス等の可塑剤とを溶融混練して成形する超高分子量ポリエチレンフイルム。引張特性が良好で形状安定性に優れる。
【選択図】なし

Description

本発明は超高分子量ポリエチレンフイルムに関する。さらに詳しくは、引張特性が良好で形状安定性に優れた超高分子量ポリエチレンフイルムに関する。
ポリエチレンは、融点が比較的低いために成形加工性に優れ、酸性やアルカリ性の化学薬品に対する耐性が大きく、また防湿性にも優れている。この特徴を利用して、ポリエチレンを主成分とするポリオレフィンを無孔質の膜に成形したものは防湿性の包装材料などとして広く使用されており、またポリエチレンを主成分とするポリオレフィンを多孔化したフイルムや中空糸に成形加工したポリオレフィン膜は、電池セパレータやフィルターなどに使用されている。
一方、汎用のポリエチレンに比較して遥かに分子量が高い超高分子量ポリエチレンはその溶融粘度が極めて高いために、通常のポリエチレンを主成分とするポリオレフィン膜を製造する装置では、超高分子量ポリエチレンを主成分とするポリオレフィン膜を製造することは難しい。しかし、超高分子量ポリエチレンは耐衝撃性、耐摩耗性に優れ、また自己潤滑性も有するなど特徴のあるエンジニアリングプラスチックとして各種の分野で使用されており、フイルム状に加工することができれば様々な用途への応用が期待される。
特許文献1には、超高分子量ポリエチレンを主成分とするポリオレフィンを溶媒と混合して粘度を低下させて膜に成形する方法が記載されている。また、特許文献2には、高い粘弾性状態で高分子材料を押出成形する方法が記載されている。これらの特許文献に代表されるように、超高分子量ポリエチレンの物性値としては主に分子量が用いられており、いかに超高分子量ポリエチレンを成形するかという点に力が注がれていた。
特公平5−54495号公報 特公平4−42176号公報
本発明は、引張特性が良好で形状安定性に優れた超高分子量ポリエチレンフイルムの提供を目的とする。
本発明者は、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定のオレフィン重合触媒を用いて重合した、粘度平均分子量が150万〜1000万の超高分子量ポリエチレンをフイルム状に成形することによって、引張特性が良好で形状安定性に優れた超高分子量ポリエチレンフイルムが得られることを見出し、本発明を完成させるなすに至った。すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)固体触媒成分[A]および有機金属化合物成分[B]からなるオレフィン重合触媒において、固体触媒成分[A]が下記一般式(1)
Mg ・・・・・(1)
(上記一般式(1)中、Mは周期律表第1族、第2族、第3族、第12族および第13族からなる群に含まれる金属原子、RおよびRは炭素数2〜20の炭化水素基、XおよびYは同一または異なるOR、OSiR、NR、SR、ハロゲンから選ばれた官能基、RおよびRは炭素数1〜20の炭化水素基、R、R、R、R、およびRは水素原子または炭素数1〜20の炭化水素基、E、G、p、q、r、およびsは、E≧0、G>0、p≧0、q≧0、r≧0、s≧0、p+q>0、0≦(r+s)/(E+G)≦2、kE+2G=p+q+r+s(kはMの原子価)を満たす数である。)
で示される炭化水素溶媒に可溶な有機マグネシウム化合物と、下記一般式(2)
Ti(OR104−w・・・・・(2)
(上記一般式(2)中、R10は炭化水素基、Zはハロゲン、wは0≦w≦4を満たす数である。)
で示されるチタン化合物とを反応させた後、得られた固体粒子に対して機械的な剪断応力を加えることによって調製され、これに前記有機金属化合物成分[B]として、下記一般式(3)
AlR11 3−f・・・・・(3)
(上記一般式(3)中、R11は炭素数1〜12の炭化水素基、Tは水素、ハロゲン、アルコキシ、アリロキシ、シロキシ基より選ばれた基であり、fは2〜3の数である。)
で示される有機アルミニウム化合物を混合して得られることを特徴とするオレフィン重合触媒を用いて重合した、粘度平均分子量が150万〜1000万の超高分子量ポリエチレンからなる超高分子量ポリエチレンフイルム。
(2)該超高分子量ポリエチレンを可塑剤と溶融混練してから成形することを特徴とする上記(1)に記載の超高分子量ポリエチレンフイルム。
本発明の超高分子量ポリエチレンフイルムは、引張特性が良好で形状安定性に優れた超高分子量ポリエチレンフイルムとして有用である。
本発明における触媒の構成を示すフローシート図。
本発明について、以下具体的に説明する。
本発明における超高分子量ポリエチレンとは、粘度平均分子量が150万〜1000万のエチレン単独重合体であり、成形性と最終物性の兼ね合いから、粘度平均分子量が160万〜700万の範囲にあることが好ましく、180万〜500万の範囲にあることがより好ましく、200万〜400万であることが特に好ましい。なお、本発明における粘度平均分子量は、ポリマー溶液の比粘度から求めた極限粘度を粘度平均分子量に換算した値を指す。
本発明における超高分子量ポリエチレンは、重合によって得られた樹脂パウダーをそのまま用いてもよいし、分級して用いてもよい。また、パウダー以外の形状に賦形した物であってもよいし、それらを機械粉砕、冷凍粉砕、化学粉砕等の公知の方法によって粉砕した物であってもよい。
本発明における超高分子量ポリエチレンがパウダーである場合の形状について特に制限はない。真球状でも不定形でもよく、一次粒子からなるものでも、一次粒子が複数個凝集し一体化した二次粒子でも、二次粒子をさらに粉砕したものでも構わない。
本発明における炭化水素溶媒は不活性であることが重要であり、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、または、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素等が挙げられる。
本発明に用いられる炭化水素溶媒に可溶な有機マグネシウム化合物としては、下記一般式(1)で示される有機マグネシウム化合物が用いられる。
Mg ・・・・・(1)
(上記一般式(1)中、Mは周期律表第1族、第2族、第3族、第12族および第13族からなる群に含まれる金属原子、RおよびRは炭素数2〜20の炭化水素基、XおよびYは同一または異なるOR、OSiR、NR、SR、ハロゲンから選ばれた官能基、RおよびRは炭素数1〜20の炭化水素基、R、R、R、R、およびRは水素原子または炭素数1〜20の炭化水素基、E、G、p、q、r、およびsは、E≧0、G>0、p≧0、q≧0、r≧0、s≧0、p+q>0、0≦(r+s)/(E+G)≦2、kE+2G=p+q+r+s(kはMの原子価)を満たす数である。)
なお、周期律表の族番号は、IUPAC(国際純正および応用化学連合)無機化学命名法で1989年に定められた命名法を用いた。
この化合物は、炭化水素溶媒に可溶な有機マグネシウムの錯化合物の形として示されているが、ジヒドロカルビルマグネシウム化合物、およびこの化合物と他の金属化合物との錯体の全てを包含するものである。記号E、G、p、q、r、およびsの関係式kE+2G=p+q+r+sは、金属原子の原子価と置換基との化学量論性を示している。 全金属原子に対するXとYのモル組成比(r+s)/(E+G)の範囲は0≦(r+s)/(E+G)≦2であり、特に0≦(r+s)/(E+G)≦1が好ましい。
上記の式中R、R、R、およびRで表される炭化水素基は、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、シクロヘキシル基、フェニル基等が挙げられ、Rはアルキル基であることが好ましい。また、R、R、R、R、およびRが炭化水素基である場合は、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であり、アルキル基またはアリール基が好ましい。
E>0の場合、金属原子Mとしては、周期律表第1族、第2族、第3族、第12族、および第13族からなる群に含まれる金属元素を使用することができ、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ベリリウム、亜鉛、ホウ素、アルミニウム等が挙げられるが、特にアルミニウム、ホウ素、ベリリウム、亜鉛が好ましい。金属原子Mに対するマグネシウムの比G/Eは、任意に設定可能であるが、0.1〜30の範囲が好ましく、特に0.5〜10の範囲が好ましい。
本発明においてこれらの有機マグネシウム化合物は、一般式RMgZおよびR Mg(式中、Rは前述の意味であり、Zはハロゲンである)からなる群に属する有機マグネシウム化合物と一般式M およびM k−1H(式中、M、R、およびkは前述の意味である)からなる群に属する有機金属化合物とを不活性炭化水素溶媒中、室温〜150℃の間で反応させ、必要な場合には続いて、これをさらにアルコール、水、シロキサン、アミン、イミン、メルカプタン、またはジチオ化合物等の追加成分と反応させることによって合成される。反応の順序については、有機マグネシウム化合物中に追加成分を加えていく方法、追加成分に有機マグネシウム化合物を加えていく方法、または両者を同時に加えていく方法のいずれの方法も用いることができる。
さらに、これらの有機マグネシウム化合物は、一般式MgXおよびRMgXからなる群に属する有機マグネシウム化合物と、一般式M およびM k−1Hからなる群に属する有機金属化合物との反応、または、一般式RMgXおよびR Mgからなる群に属する有機マグネシウム化合物と一般式R k−tからなる群に属する有機金属化合物との反応、または、一般式RMgXおよびR Mgからなる群に属する有機マグネシウム化合物と一般式Yk−t(式中、M、R、R、X、およびYは前述の意味であって、XおよびYがハロゲンである場合を含み、tは0〜kの数である。)からなる群に属する有機金属化合物との反応によっても合成することができる。
本発明において一般式(1)で示される有機マグネシウム化合物としては、一般式(1)においてr=s=0となる有機マグネシウム化合物、一般式(1)においてs=0、X=ORとなる有機マグネシウム化合物、あるいは一般式(1)においてr=s=0となる有機マグネシウム化合物と、下記一般式(4)で示される鎖状または環状のシロキサン化合物との反応物を用いることが特に好ましい。
Figure 2010215705
(上記一般式(4)中、R12、R13は水素または炭素数1〜10の炭化水素基、eは2〜40の整数である。)
一般式(1)においてs=0、X=ORとなる有機マグネシウム化合物のRで表される炭化水素基としては、炭素原子数1〜12のアルキル基またはアリール基が好ましく、特に3〜10のアルキル基またはアリール基が好ましい。具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、1−メチルエチル基、ブチル基、1−メチルプロピル基、1,1−ジメチルエチル基、ペンチル基、ヘキシル基、2−メチルペンチル基、2−エチルブチル基、2−エチルペンチル基、2−エチルヘキシル基、2−エチル−4−メチルペンチル基、2−プロピルヘプチル基、2−エチル−5−メチルオクチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、フェニル基、ナフチル基等が挙げられ、ブチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルペンチル基および2−エチルヘキシル基が特に好ましい。
一般式(4)においてR12およびR13で表される炭化水素基は、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、シクロヘキシル基、フェニル基、2−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基等が挙げられる。メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等の炭素数1〜3のアルキル基および炭素数7以下の芳香族炭化水素基が好ましく、メチル基およびフェニル基が特に好ましい。シロキサン化合物としてはポリヒドロメチルシロキサン、ポリヒドロフェニルシロキサンが好ましい。また、eは2〜40の整数であるが、4〜20が好ましく、7〜15が特に好ましい。
一般式(1)においてr=s=0となる有機マグネシウム化合物と、一般式(4)で表される鎖状または環状のシロキサン化合物との反応は、不活性炭化水素溶媒中で行われることが好ましい。反応温度は10℃〜150℃が好ましく、40℃〜90℃が特に好ましい。反応時間について特に制限はないが、3時間以上であることが好ましい。また、一般式(4)で表される鎖状または環状のシロキサン化合物の使用量は、一般式(1)においてr=s=0となる有機マグネシウム化合物中の全金属原子に対するモル比で0.3〜5の範囲が好ましく、0.5〜2の範囲が特に好ましい。
本発明において一般式(1)で示される有機マグネシウム化合物は、不活性炭化水素溶媒に不活性であり、E>0であるところの有機マグネシウム化合物は可溶性である。また、E=0となる有機マグネシウム化合物を用いる場合、例えば、Rが1−メチルプロピル等の場合には炭化水素溶媒に可溶性であり、このような化合物も本発明に好ましい結果を与える。
一般式(1)において、E=0の場合のR、Rは、以下に示す三つの群(i)、(ii)、(iii)のいずれか一つであることが推奨される。
(i)R、Rの少なくとも一方が炭素原子数4〜6である二級または三級のアルキル基であること、好ましくはR、Rがともに炭素原子数4〜6であり、少なくとも一方が二級または三級のアルキル基であること。
(ii)R、Rが、炭素原子数の互いに相異なるアルキル基であること、好ましくはRが炭素原子数2または3のアルキル基であり、Rが炭素原子数4以上のアルキル基であること。
(iii)R、Rの少なくとも一方が炭素原子数6以上の炭化水素基であること、好ましくはR、Rに含まれる炭素原子数を加算すると12以上になるアルキル基であること。
以下、これらの基を具体的に示す。
(i)において炭素原子数4〜6である二級または三級のアルキル基としては、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1,1−ジメチルエチル基、2−メチルブチル基、2−エチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、2−メチルペンチル基、2−エチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、2−メチル−2−エチルプロピル基等が用いられ、1−メチルプロピル基が特に好ましい。
次に(ii)において炭素原子数2または3のアルキル基としては、エチル基、1−メチルエチル基、プロピル基等が挙げられ、エチル基が特に好ましい。また炭素原子数4以上のアルキル基としては、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等が挙げられ、ブチル基、ヘキシル基が特に好ましい。
さらに、(iii)において炭素原子数6以上のアルキル基としては、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、フェニル基、2−ナフチル基等が挙げられ、炭化水素基の中ではアルキル基が好ましく、アルキル基の中でもヘキシル基、オクチル基が特に好ましい。
一般に、アルキル基に含まれる炭素原子数が増えると炭化水素溶媒に溶けやすくなるが、溶液の粘性が高くなるため、溶解性を満足させる範囲で炭素原子数の少ないアルキル基を用いることが好ましい。なお、上記有機マグネシウム化合物は炭化水素溶液として使用されるが、該溶液中に微量のエーテル、エステル、アミン等のコンプレックス化剤がわずかに含有されあるいは残存していても差し支えなく用いることができる。なお、本発明に用いられる炭化水素溶媒に可溶な有機マグネシウム化合物は、固体触媒成分[A]の触媒機能を工業的なレベルにまで増幅させる点において極めて重要な役割を果たしている。
本発明に用いられるチタン化合物としては下記一般式(2)で示されるチタン化合物が用いられる。
Ti(OR104−w・・・・・(2)
(上記一般式(2)中、R10は炭化水素基、Zはハロゲン、wは0≦w≦4を満たす数である。)
10で表される炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、アリル基等の脂肪族炭化水素基、シクロヘキシル基、2−メチルシクロヘキシル基、シクロペンチル基等の脂環式炭化水素基、フェニル基、ナフチル基等の芳香族炭化水素基等が挙げられるが、脂肪族炭化水素基が特に好ましい。Zで表されるハロゲンとしては、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられるが、塩素が特に好ましい。また、上記から選ばれたチタン化合物を2種以上混合した形で用いることも可能である。
本発明において一般式(2)で示されるチタン化合物の総使用量は、一般式(1)で示される有機マグネシウム化合物中に含まれるマグネシウム原子1モルに対して、0.05〜20モルの範囲が好ましく、0.2〜10モルの範囲がより好ましく、0.5〜5モルの範囲が特に好ましい。一般式(1)で示される有機マグネシウム化合物と一般式(2)で示されるチタン化合物との反応は不活性炭化水素溶媒中で行われるが、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素溶媒を用いることが好ましい。
本発明において炭化水素溶媒に可溶な有機マグネシウム化合物とチタン化合物の添加方法としては、炭化水素溶媒に可溶な有機マグネシウム化合物に続いてチタン化合物を添加する方法、チタン化合物に続いて炭化水素溶媒に可溶な有機マグネシウム化合物を添加する方法、両方を同時に添加する方法、のいずれの方法も可能であるが、炭化水素溶媒に可溶な有機マグネシウム化合物とチタン化合物の両方を同時に添加する方法が、析出する固体粒子の均一性および取扱い性の点で好ましい。接触させる温度について特に制限はないが、−80℃〜150℃の範囲で行うことが好ましく、−40℃〜100℃の範囲で行うことが特に好ましい。
本発明における固体触媒成分[A]は、一般式(1)で示される炭化水素溶媒に可溶な有機マグネシウム化合物と、一般式(2)で示されるチタン化合物とを反応させた後、機械的に剪断応力を加えてもよい。ここで、本発明における機械的な剪断応力とは、衝撃とキャビテーションをもつ摩擦荷重を与えることによって生じるずれの応力である。なお、本発明における機械的な剪断応力は、固体粒子の析出反応が完了した後に加える。
本発明において炭化水素溶媒に可溶な有機マグネシウム化合物とチタン化合物とを反応させた後に加える機械的な剪断応力は、固体粒子が不活性炭化水素溶媒中に分散したスラリー状態で加えることが好ましく、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素溶媒を用いることが特に好ましい。また、スラリー濃度としては、1〜150グラム/リットルの範囲にあることが好ましく、5〜100グラム/リットルの範囲にあることが特に好ましい。
一般に、固体粒子が液中に分散したスラリー状態で機械的な剪断応力が加わると、粒子が粉砕され、微粒子化される、均一な粒度分布になる、粒子の分散性が向上する、あるいは粒子の形状が整う等の効果が得られるが、本発明では、機械的な剪断応力を加えることによって、固体触媒成分[A]の粒子形状を嵩高くすることに特徴がある。ガス法またはスラリー法によってエチレンを重合する場合には、固体触媒成分[A]の形状が超高分子量ポリエチレンパウダーの形状に直接反映されるため、嵩高い固体触媒成分[A]を用いてエチレンを重合することによって、成形性に優れた超高分子量ポリエチレンパウダーを得ることができる。
本発明において一般式(1)で示される炭化水素溶媒に可溶な有機マグネシウム化合物と、一般式(2)で示されるチタン化合物とを反応させて得られる固体粒子は、平均粒径が0.5〜20マイクロメートルの範囲が好ましく、より好ましくは1〜20マイクロメートルの範囲にあり、特に不活性炭化水素溶媒中において凝集しやすい特徴を有している。一方で、上記固体粒子は、外部エネルギーによる形状変化を受けやすいという特徴も有している。つまり、これら両方の特徴に起因する現象として、上記固体粒子に機械的な剪断応力が加えられることで形状変化と凝集が繰り返され、非常に嵩高い粒子が形成されることになる。なお、上記固体粒子の平均粒径が上記の範囲にない場合には、機械的な剪断応力による嵩高い粒子の形成が十分に進行しないことがある。ここで、本発明における平均粒径とは、累積重量が50%となる粒子径、すなわちメディアン径である。
本発明において、機械的に剪断応力を加えるための装置としては、粉砕装置であることが好ましい。また、粉砕装置としては、ボールミル、ビーズミル、チューブミル、ロッドミル、振動ミル、あるいはロータ/ステータ方式のホモジナイザー等の湿式で使用可能な粉砕装置が例示されるが、ボールミルまたはロータ/ステータ方式のホモジナイザーが、過度な微細化を抑えながら嵩高い粒子が得られる点で好ましい。
本発明におけるボールミルとは、硬質ボールと原料粉体を円筒形の缶体に入れて回転させることにより原料粉体をすりつぶす装置である。硬質ボールとしては、ジルコニア、アルミナ、天然ケイ石、ガラス等のセラミックスボール、鋼、ステンレス等の金属ボール、鉄芯入りナイロン球、鉄芯入りテフロン(登録商標)球等の金属被覆ボール、ナイロン、テフロン(登録商標)、ポリプロピレン等の樹脂製ボール等が例示される。
本発明におけるロータ/ステータ方式のホモジナイザーとは、二つの歯形リングからなる遠心力を利用した分散装置である。外側の固定された歯形リングをステータ(固定刃)、ステータの内側で回転する歯型リングをロータ(回転刃)といい、シャフトを介しモーターによって駆動する。原料粉体は、回転するロータとステータとの間で発生する剪断応力によってすりつぶされる。
本発明におけるビーズミルとは、中央に回転軸を有するベッセル(容器)の中にビーズ(メディア)を充填して回転軸の回転による動きを与え、ここに送り込んだ原料粉体をビーズですりつぶす装置である。
本発明におけるチューブミルとは、チューブ型の缶体の一端より原料粉体を供給し、他端より取り出す連続式のボールミルである。
本発明におけるロッドミルとは、円筒形の缶体内面の長さよりやや短い棒状のロッドと原料粉体を円筒形の缶体に入れて回転させることにより原料粉体をすりつぶす装置である。構造的にはボールミルとほぼ同じあるが、ボール間は点で接触するのに対し、ロッド間は線で接触するため、ボールミルよりも粗粒を優先的にすりつぶす特徴を有している。
本発明における振動ミルとは、原料粉体を挿入した粉砕筒を高速円振動させることによって、原料粉体をすりつぶす装置である。
本発明において機械的に剪断応力を加える温度については、固体触媒成分[A]の触媒活性が劣化しない−50〜100℃の範囲が好ましく、−20〜70℃の範囲が特に好ましい。また、本発明において機械的に剪断応力を加える時間については、所望の固体触媒成分[A]が得られる時間であれば特に制限はないが、嵩高い粒子の形成が十分に進行し、さらに重合によって得られる超高分子量ポリエチレンパウダーの流動性や輸送時の包装等、工業的な観点からも望ましいパウダーが得られることから、5分間〜100時間の範囲が好ましく、10分間〜30時間の範囲が特に好ましい。
かくして得られた固体触媒成分[A]は、不活性炭化水素溶媒を用いたスラリー溶液として使用される。本発明の固体触媒成分[A]は、有機金属化合物成分[B]と組み合わせることにより、さらに高活性な重合用触媒となる。
本発明における有機金属化合物成分[B]としては下記一般式(3)で示される有機アルミニウム化合物が用いられる。
AlR11 3−f・・・・・(3)
(上記一般式(3)中、R11は炭素数1〜12の炭化水素基、Tは水素、ハロゲン、アルコキシ、アリロキシ、シロキシ基より選ばれた基であり、fは2〜3の数である。)
なお、上記の有機アルミニウム化合物は、単独で用いてもよいし、複数の有機アルミニウム化合物からなる混合物として用いてもよい。
上記の式中R11で表される炭素数1〜20の炭化水素基は、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、脂環式炭化水素を包含するものである。これらの化合物を具体的に示すと、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリペンチルアルミニウム、トリス(3−メチルブチル)アルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリデシルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド等の水素化アルミニウム化合物、ジエチルアルミニウムクロリドクロライドクロライド、エチルアルミニウムジクロリドクロライド、ジイソブチルアルミニウムクロリドクロライド、エチルアルミニウムセスキクロリドクロライド、ジエチルアルミニウムブロミド等のハロゲン化アルミニウム化合物、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジイソブチルアルミニウムブトキシド等のアルコキシアルミニウム化合物、ジメチルヒドロシロキシアルミニウムジメチル、エチルメチルヒドロシロキシアルミニウムジエチル、エチルジメチルシロキシアルミニウムジエチル等のシロキシアルミニウム化合物およびこれらの混合物が好ましく、トリアルキルアルミニウム化合物、水素化アルミニウム化合物およびこれらの混合物が特に好ましい。
固体触媒成分[A]および有機金属化合物成分[B]の混合は、重合条件下で重合系内に添加する場合または重合に先立って組み合わせる場合のいずれも含む。また組み合わせる両成分の比率は、固体触媒成分[A]1gに対し有機金属化合物[B]が1〜3000ミリモルの範囲で行うのが好ましい。
本発明における超高分子量ポリエチレンの製造方法について特に制限はないが、超高分子量ポリエチレンパウダーを直接的に得る場合にはガス法またはスラリー法が好ましく、除熱効率に優れるスラリー法が特に好ましい。本発明における重合圧力について特に制限はなく、通常はゲージ圧として0.1MPa〜5MPaであるが、スラリー重合の場合には0.1MPa〜1MPaが好ましい。本発明における重合温度について特に制限はなく、通常は25℃〜300℃であるが、スラリー重合の場合には25℃〜120℃が好ましく、50℃〜100℃が特に好ましい。
本発明におけるスラリー重合の溶媒としては、通常使用される不活性炭化水素溶媒が用いられ、例えば、イソブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、または、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素等が挙げられる。
本発明によって得られる重合体の分子量は、重合系に存在させる水素の濃度を変化させるか、重合温度を変化させるか、または有機金属化合物[B]の濃度を変化させることによって調節することができる。また、二個以上の反応器を直列および/または並列につなぎこむことによって、分子量分布、側鎖分布等を制御することができる。
本発明における超高分子量ポリエチレンフイルムの製造方法について、特に制限はないが、均一なフイルムを得ることができることから、可塑剤と溶融混練してから成形することが好ましい。
本発明において使用する可塑剤としては、超高分子量ポリエチレンオレフィンと混合した際に超高分子量エチレンポリオレフィンの融点以上において均一溶液を形成しうる不揮発性溶媒であればよい。例えば、流動パラフィンやパラフィンワックス等の炭化水素類、フタル酸ジオクチルやフタル酸ジブチル等のエステル類、オレイルアルコールやステアリルアルコール等の高級アルコール等が挙げられる。特に超高分子量ポリオレフィンが超高分子量ポリエチレンの場合には、ポリエチレンと相溶性が高い流動パラフィンが好ましい。
本発明における超高分子量ポリエチレンオレフィンの融点は、JIS K7121に基づきPERKIN ELMER社製示差走査熱量分析装置Pyris1(商品名)を用いて測定した値である。サンプル8.4mgを50℃で1分保持した後、10℃/分の速度で200℃まで昇温し、その際に得られる融解曲線において最大ピークを示す温度から求めることができる。
本発明における溶融混練の方法について特に制限はなく、超高分子量ポリエチレンオレフィンと可塑剤を加熱しながら溶融混練できる様式であればニーダーや二軸押出機、あるいはミキサー型樹脂混練設備等、いかなる方法であってもよい。なお、溶融混練時における超高分子量ポリエチレンの酸化を防止するために酸化防止剤を添加しておくことが好ましい。
本発明における超高分子量ポリエチレンフイルムとは、超高分子量ポリエチレンからなる厚さが0.1μm〜1mmの膜状組成物であり、0.3μm〜800μmであることが好ましく、0.5μm〜500μmであることが特に好ましい。
本発明における超高分子量ポリエチレンフイルムを膜状に成形する方法として、特に制限はなく、例えば、フイルム成形ダイを先端に取り付けた押出機を用いて押し出した溶融混練物を冷却ロールで引き取ることによって成形してもよいし、溶融混練物を冷却した金属板に挟んで急冷することによって成形してもよいし、溶融混練物を冷却させてから熱プレス機によって成形してもよいし、溶融混練物を支持体に流延してから水浴、空気浴、あるいは溶剤等でゲル化温度以下、好ましくは15〜25℃の温度に少なくとも50℃/分の速度で冷却して成形してもよい。
本発明において可塑剤を使用する場合には、膜状に成形した後、溶媒を用いて超高分子量ポリエチレンフイルムを洗浄することが好ましい。なお、溶媒としては、ヘキサンなどの低沸点炭化水素、ハイドロフルオロエーテルやハイドロフルオロカーボンなどの非塩素含有フッ素系有機溶剤やメチルエーテルケトンなどのケトンを用いることが好ましい。
本発明における超高分子量ポリエチレンフイルムは、多孔質であっても無孔質であってもよい。また、多孔質な超高分子量ポリエチレンフイルムをプレス成形等の処理によって無孔質化してもよい。
次に、実施例および比較例によって本発明を説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
本発明を実施例に基づいて説明する。
[粘度平均分子量の測定]
本発明の実施例および比較例における超高分子量ポリエチレンオレフィンパウダーの粘度平均分子量は、以下に示す方法によって求めた。まず、20ミリリットルのデカリン(デカヒドロナフタレン)にポリマー10mgをいれ、150℃で2時間攪拌してポリマーを溶解させた。その溶液を135℃の恒温槽で、ウベローデタイプの粘度計を用いて、標線間の落下時間(t)を測定した。同様に、ポリマー5mgの場合についても測定した。ブランクとしてポリマーを入れていない、デカリンのみの落下時間(t)を測定した。以下の式に従って求めたポリマーの比粘度(ηsp/C)をそれぞれプロットして濃度(C)とポリマーの比粘度(ηsp/C)の直線式を導き、濃度0に外挿した極限粘度(η)を求めた。
ηsp/C=(t/t−1)/0.1
この極限粘度(η)から以下の式に従い、粘度平均分子量(Mv)を求めた。
Mv=5.34×10η1.49
[実施例1]
(1)固体触媒成分[A]の調製
充分に窒素置換された200ミリリットルのステンレス製オートクレーブに組成式AlMg(C12(Cで表される有機マグネシウム化合物のヘキサン溶液40ミリリットル(アルミニウムとマグネシウムの総量として37.8ミリモル相当)を仕込み、25℃で攪拌しながらメチルヒドロポリシロキサン2.27グラム(37.8ミリモル)を含有するヘキサン40ミリリットルを30分かけて滴下した。滴下後、80℃に昇温し、3時間攪拌しながら反応させることにより、チタン化合物と接触させる有機マグネシウム化合物を得た。
充分に窒素置換された200ミリリットルのガラス製丸底フラスコにヘキサン40ミリリットルを仕込み、−10℃で攪拌しながら、上記有機マグネシウム化合物のヘキサン溶液40ミリリットル(マグネシウム16ミリモル相当)と、0.4モル/リットルの四塩化チタンヘキサン溶液50ミリリットルとを、2時間かけて同時に滴下した。滴下後、さらに1時間攪拌した。この際、最終的に10℃となるよう徐々に昇温させた。その後、上澄み液を除去し、ヘキサン70ミリリットルでの洗浄を4回行うことにより、固体触媒成分[A]を得た。得られた固体触媒成分[A]の平均粒径は3.6マイクロメートルであった。
(2)超高分子量ポリエチレンの重合
有機金属化合物成分[B]としてのトリイソブチルアルミニウム0.4ミリモルと上記の固体触媒成分[A]10ミリグラムを、脱水脱酸素したヘキサン0.8リットルとともに、内部を真空脱気し窒素置換した内容積1.5リットルのオートクレーブに入れた。 オートクレーブの内温を70℃に保ち、エチレンを添加して全圧を0.2MPaとすることにより重合を開始した。エチレンを補給することにより全圧を0.2MPaに保ちつつ30分間重合を行った。重合後、ろ過によってポリマーを回収し、メタノール洗浄および乾燥を経て超高分子量ポリエチレンパウダーを得た。この重合により得られた超高分子量ポリエチレンパウダーの粘度平均分子量は328万であった。
(3)超高分子量ポリエチレンフイルムの成形
上記の超高分子量ポリエチレンパウダー2.0g、(株)松村石油研究所製流動パラフィン(製品名:スモイルP−350P)37.6g、グレートレイクスケミカル日本(株)製テトラキス[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマート)]メタン(製品名:ANOX20)0.4gを200mlポリカップに加えてよく混合してから(株)東洋精機製作所製ラボプラストミルミキサー(本体型式:30C150、ミキサー形式:R−60)に仕込み、回転数を50rpmに設定して190℃で10分間混練した。溶融混練物を取り出して常温まで冷却した後、得られた固化物をポリイミドフィルムを介して金属板の間に挟み、120℃に設定した熱プレス機を用いて10MPaで圧縮し、ヘキサン洗浄を経て、厚さ18μmの超高分子量ポリエチレンフイルムを作製した。JIS K7127に基づき引張特性の試験を行った結果、引張弾性率が良好であった。
[比較例1]
超高分子量ポリエチレンパウダーとして、粘度平均分子量が334万であるTicona社製GUR(登録商標)4120を用いた以外は、実施例1と同様の操作で厚さ19μmの超高分子量ポリエチレンフイルムを作製した。JIS K7127に基づき引張特性の試験を行った結果、超高分子量ポリエチレンパウダーの粘度平均分子量がほとんど等しいにも関わらず、引張弾性率が実施例1の結果と比較して大きく劣っていた。
本発明の超高分子量ポリエチレンフイルムは、引張特性が良好で形状安定性に優れており、超高分子量ポリエチレンの特徴、特にエンジニアリングプラスチックとしての特徴をフイルム分野において活用することができる。

Claims (2)

  1. 固体触媒成分[A]および有機金属化合物成分[B]からなるオレフィン重合触媒において、固体触媒成分[A]が下記一般式(1)
    Mg ・・・・・(1)
    (上記一般式(1)中、Mは周期律表第1族、第2族、第3族、第12族および第13族からなる群に含まれる金属原子、RおよびRは炭素数2〜20の炭化水素基、XおよびYは同一または異なるOR、OSiR、NR、SR、ハロゲンから選ばれた官能基、RおよびRは炭素数1〜20の炭化水素基、R、R、R、R、およびRは水素原子または炭素数1〜20の炭化水素基、E、G、p、q、r、およびsは、E≧0、G>0、p≧0、q≧0、r≧0、s≧0、p+q>0、0≦(r+s)/(E+G)≦2、kE+2G=p+q+r+s(kはMの原子価)を満たす数である。)
    で示される炭化水素溶媒に可溶な有機マグネシウム化合物と、下記一般式(2)
    Ti(OR104−w・・・・・(2)
    (上記一般式(2)中、R10は炭化水素基、Zはハロゲン、wは0≦w≦4を満たす数である。)
    で示されるチタン化合物とを反応させた後、得られた固体粒子に対して機械的な剪断応力を加えることによって調製され、これに前記有機金属化合物成分[B]として、下記一般式(3)
    AlR11 3−f・・・・・(3)
    (上記一般式(3)中、R11は炭素数1〜12の炭化水素基、Tは水素、ハロゲン、アルコキシ、アリロキシ、シロキシ基より選ばれた基であり、fは2〜3の数である。)
    で示される有機アルミニウム化合物を混合して得られることを特徴とするオレフィン重合触媒を用いて重合した、粘度平均分子量が150万〜1000万の超高分子量ポリエチレンからなる超高分子量ポリエチレンフイルム。
  2. 該超高分子量ポリエチレンを可塑剤と溶融混練してから成形することを特徴とする請求項1に記載の超高分子量ポリエチレンフイルム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2021246401A1 (ja) * 2020-06-05 2021-12-09 東ソー株式会社 ヒートシール性ポリエチレン積層体

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