JP2010215435A - 圧電セラミックス、及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract


【課題】 バリウム、スズ、及びチタンを含み、鉛を含有しない圧電セラミックスは1300℃以上の高温で焼成する必要があり、この結果、量産が困難であると云う欠点があった。
【解決手段】バリウム、スズ、及びチタンを含む酸化物粉末に、リチウムを添加することにより、1200℃以下の温度で焼成できる圧電セラミックスが得られる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、振動子、アクチュエータ、センサ等の圧電デバイスに使用される圧電セラミックス、及びその製造方法に関する。
圧電セラミックスや圧電結晶などの圧電材料は、歪みを加えると電気分極が発生し、逆に、電界を加えると歪みが発生する物質であり、電気的信号と機械的信号との可逆的な変換が可能である性質を利用し、各種のセンサやフィルタ、アクチュエータなどの圧電デバイスに用いられている。
特に、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Ti,Zr)O)を始めとする含鉛圧電材料は、優れた圧電特性のみならず、良好な温度特性を有し、また低温で焼成が可能といった利点があり、現在最も広い領域で利用されている。しかしながら、鉛は有害物質とされているため、上記のような含鉛圧電材料に実用上代替可能となる、鉛を含有しない非鉛圧電材料の開発が世界的規模で行われている。
このような背景の中で、現在開発されている非鉛圧電材料の一つにチタン酸バリウム(BaTiO)が挙げられるが、含鉛圧電材料に比較して圧電特性が低く、実用化に耐えるに充分とはいえないのが現状である。
このようなBaTiOの圧電特性を向上させるために、Baを一部Snで置換した(Ba、Sn)TiO系材料が提案されている。特許文献1によれば、SnTiO3、及び、(Ba,Sr,Sn)TiO3の各材料について、パルスレーザー堆積法による薄膜合成を行い、含鉛圧電材料と同等の圧電特性を得たことが報告されている。
しかしながら、(Ba、Sn)TiOについては、大量生産が可能な圧電セラミックスとしての生成例が過去に存在しない。図1は、本発明者が行った(Ba、Sn)TiO粉末の焼成実験において、焼成温度と焼成品相対密度の関係を示すものである。1300℃で焼成しても、相対密度が95%以上の緻密化した(Ba、Sn)TiOセラミックスは得られないことが分かる。そのため、積層セラミックデバイスとして製品化しようとするときは、内部電極として融点が高く耐熱性のあるパラジウムや白金といった高価な貴金属を使用しなければならず、コストの高騰が懸念される。
特開2003−146660号公報
上述したように、BaTiOにおいてBaをSnで一部置換した(Ba、Sn)TiO系圧電材料は含鉛圧電材料の代替として有力であると考えられるが、実用化に耐えるに十分な圧電特性を保持しつつ、焼成温度の低温化を同時に実現した(Ba、Sn)TiO系圧電セラミックスの開発技術は示されていなかった。
このような状況に鑑み、本発明の課題は、圧電特性を損なうことなく、1200℃以下での低温焼成が可能な(Ba、Sn)TiO系の圧電セラミックス及びその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明による圧電セラミックスは、(Ba1−x、Sn)TiO(但し、0.01≦x≦0.25)の化学式で表される圧電材料において、(Ba1−x、Sn)TiOに対して副成分としてリチウム酸化物をLiOに換算してu重量%(但し0.04≦u≦0.12)、添加して焼成されて作製されたことを特徴とする。
また、本発明による圧電セラミックスは、(Ba1−x、Sn)TiO(但し、0.01≦x≦0.25)の化学式で表される圧電材料において、(Ba1−x、Sn)TiOに対して副成分としてリチウム酸化物をLiOに換算してu重量%、かつ同副成分としてバナジウム酸化物をVに換算してv重量%(但し0.04≦u≦0.12、0.01≦v≦0.10)、それぞれ添加して焼成されて作製されたことを特徴とする。
また、本発明による上記圧電セラミックスの製造方法は、バリウム塩、スズ塩、及びチタン塩を、アンモニア水溶液あるいは水酸化カリウム水溶液中で混合し、オートクレーブ中で加熱、乾燥させて得た粉末に、LiCOあるいはLiOから選択された少なくとも一種のリチウム酸化物粉末、及びバナジウム酸化物粉末を添加して、混合した原料を成形した後、900℃以上1200℃以下の温度範囲で焼成することを特徴とする。
また、本発明による上記圧電セラミックスの製造方法は、塩化バリウム粉末、塩化スズ粉末、酸化チタン粉末、及び、水酸化カリウム粉末あるいは水酸化ナトリウム粉末から選択された少なくとも一種の粉末を調整し混合した後、密閉下で熱処理して得た粉末に、その粉末の総量に対して副成分としてLiCOあるいはLiOから選択された少なくとも一種のリチウム酸化物粉末、及びバナジウム酸化物粉末を、添加して混合した原料を成形した後、900℃以上1200℃以下の温度範囲で焼成することを特徴とする。
BaTiOにおけるBaに対するSnの置換量xの範囲を0.01≦x≦0.25としたのは、Snの置換量が0.01より小さい場合は、顕著な効果が現れず、0.25より多く置換した場合は、圧電特性が劣化してしまうためである。
図2は、本発明による圧電セラミックスの主成分である(Ba1−x、Sn)TiOのX線回折パターンを示すものである。このX線回折パターンから算出した格子定数と置換量xの関係を図3に示す。BaをSnで置換すると、Baのイオン半径がSnのイオン半径に比較して大きいことから、Snの置換量xに応じて格子定数は減少するが、xが0.25よりも大きくなると、格子定数は増加し圧電特性が劣化する。
副成分としてのリチウム酸化物添加量を(Ba1−x、Sn)TiOに対しLiO換算で0.04重量%以上0.12重量%以下の範囲としたのは、リチウム酸化物添加量をLiO換算で0.04重量%未満とした場合、セラミックスの緻密化のためには1200℃よりも高温で焼成しなければならず、一方、0.12重量%を超えて添加した場合、圧電特性が劣化してしまうためである。
また、リチウム酸化物とバナジウム酸化物を(Ba1−x、Sn)TiOに添加することで、リチウム酸化物を単体で添加する場合と比較して、圧電特性を更に向上させることができる。バナジウム酸化物の添加量を0.01重量%以上0.10重量%以下の範囲としたのは、添加量がV換算で0.01重量%未満の場合、リチウム酸化物を単体で添加する場合と比較して圧電特性が劣化し、0.10重量%を超えた場合は、セラミックスの緻密化のために1200℃よりも高温で焼成しなければならないためである。
上述したように、本発明によれば、圧電特性を損なうことなく、1200℃以下での低温焼成が可能な(Ba1−x、Sn)TiO系圧電セラミックス及びその製造方法が得られる。このことは、環境適応型の非鉛圧電材料を利用した圧電セラミックスとして広い応用が期待できる。
本発明の主成分組成である(Ba1−x、Sn)TiO(x=0、0.01、0.25)における焼成温度と焼成品相対密度の関係を示す図である。 本発明の主成分組成である(Ba1−x、Sn)TiO(0≦x≦1)におけるX線回折パターンを示す図である。 図2に示されたデータから算出された本発明の主成分組成である(Ba1−x、Sn)TiO(0≦x≦0.30)における格子定数と置換量xの関係を示す図である。
以下、実施例に基づき本発明による圧電セラミックス及びその製造方法を具体的に説明する。
(実施例1)
本発明の実施例1における圧電セラミックスは、以下に示す製造工程により作製した。まず、BaCl水溶液、SnCl水溶液、及びTi(i−CO)エタノール溶液を、化学式(Ba1−x、Sn)TiO(但し、0≦x≦0.30)となるように所定比で混合し充分に攪拌した。この混合溶液に水酸化カリウム溶液を溶媒として加えたものをオートクレーブへ移し、200℃で1時間のマイクロ波加熱を伴うソルボサーマル合成を行った後、ろ過・水洗を行い、乾燥することにより、本発明の主成分である(Ba1−x、Sn)TiO粉末を得た。
上述したように、図2及び図3から、BaTiOにおけるBaに対するSnの置換可能量xは0.01≦x≦0.25であることがわかる。
次に、得られた(Ba1−x、Sn)TiO(但し、0.01≦x≦0.25)の粉末に対し、副成分として0.05重量%以上0.35重量%以下のLiCO(LiO換算で0.020重量%以上0.14重量%以下)を添加し、エタノールを加え、ボールミルにより24時間の湿式混合を行った。
乾燥後、得られた粉末について、ポリビニルアルコールをバインダーとして混合することによって造粒し、圧力1.0t/cmの一軸加圧成形により、直径20mm、厚さ5mmの円板状試料を成形した。この成形体を900℃以上1200℃以下の温度で3時間焼成し、圧電セラミックスの焼成品を作製した。
作製した円板状セラミックスはアルキメデス法により密度を計測した後、1mmの厚さに加工して、その両面に銀電極を焼き付けた。このようにして得られた各試料について、80℃のシリコンオイル中で1kV/mmの直流電界を30分間印加することによって分極処理を行った。
分極処理した試料については、室温で24時間放置することによって圧電特性を安定化させた後、インピーダンスアナライザを用いて共振−反共振法により、圧電特性の一つの指標となる径方向振動モードの電気機械結合係数kを測定した。また、比誘電率の温度変化について評価することで、キュリー温度Tcを評価した。作製した実施例及び比較例の圧電セラミックスの組成、焼成温度、相対密度、電気機械結合係数k、及びキュリー温度の値を表1に示す。表1には、比較例としてLiを添加しない(Ba1−x、Sn)TiO(但し、0≦x≦0.25)の特性についても合わせて示した。得られた試料の緻密性は、相対密度が95%以上である場合には緻密化したものと判断できる。また、電気機械結合係数およびキュリー温度は、試料番号2の0.24、125℃を基準とし、これらより大きい値の場合には、リチウムを添加することにより特性が改善したものと判断できる。なお、「測定不能」とは、試料が緻密化されなかった(相対密度が95%未満)ために、電気機械結合係数を正確に測定できなかったことをさす。
Figure 2010215435
※印は比較例であり、本発明の請求範囲外である。
表1から明らかなように、(Ba1−x、Sn)TiO(但し、0.01≦x≦0.25)において、副成分としてLiCOをLiOに換算して0.04重量%以上0.12重量%以下の範囲でそれぞれ添加した実施例の試料は、焼成温度が900℃以上1200℃以下の範囲でも十分に緻密化し、電気機械結合係数kp、及びキュリー温度が、x=0の無添加品に比較して同等以上の特性となることを確認できた。
(実施例2)
本発明の実施例2における圧電セラミックスは、以下に示す製造工程により作製した。まず、BaCl水溶液、SnCl水溶液、及びTi(i−CO)エタノール溶液を化学式(Ba0.95、Sn0.05)TiOとなるように所定比で混合し充分に攪拌した。この混合溶液に水酸化カリウム溶液を溶媒として加えたものをオートクレーブへ移し、200℃で1時間のマイクロ波加熱を伴うソルボサーマル合成を行った後、ろ過・水洗を行い、乾燥することにより、本発明の主成分である(Ba0.95、Sn0.05)TiO粉末を得た。
次に、副成分として0.05重量%以上0.35重量%以下のLiCO(LiO換算で0.020重量%以上0.14重量%以下)を添加し、エタノールを加え、ボールミルにより24時間の湿式混合を行った。
乾燥後、得られた粉末について、実施例1と同様の手順で成形した後、850℃以上1300℃以下の温度で3時間焼成し、圧電セラミックスの焼成品を作製した。
作製した円板状セラミックスはアルキメデス法により密度を計測した後、実施例1と同様に加工・分極を行い、径方向振動モードの電気機械結合係数k、及びキュリー温度Tcを評価した。作製した実施例及び比較例の圧電セラミックスの組成、焼成温度、相対密度、電気機械結合係数k、及びキュリー温度の値を表2に示す。表1と同様、得られた試料の緻密性は、相対密度が95%以上である場合には緻密化したものと判断できる。また、電気機械結合係数およびキュリー温度は、それぞれ試料番号23の0.24、125℃を基準として、これらより大きい値の場合には、リチウムを添加したことにより特性が改善したものと判断できる。
Figure 2010215435
※印は比較例であり、本発明の請求範囲外である。
表2から明らかなように、(Ba0.95、Sn0.05)TiOにおいて、副成分としてLiCOをLiOに換算して0.04重量%以上0.12重量%以下の範囲でそれぞれ添加した実施例の試料は、焼成温度が900℃以上1200℃以下の範囲でも十分に緻密化し、電気機械結合係数kp、及びキュリー温度がx=0の無添加品に比較して同等以上の特性となることを確認できた。
(実施例3)
本発明の実施例3における圧電セラミックスは、以下に示す製造工程により作製した。まず、実施例2と同様の方法により(Ba0.95、Sn0.05)TiO粉末を得た。
次に、副成分として0.10重量%以上0.30重量%以下のLiCO(LiO換算で0.04重量%以上0.12重量%以下)及び0.005重量%以上0.15重量%以下のVを添加し、エタノールを加え、ボールミルにより24時間の湿式混合を行った。
乾燥後、得られた粉末について、実施例1と同様の手順で成形した後、900℃以上1300℃以下の温度で3時間焼成し、圧電セラミックスの焼成品を作製した。
作製した円板状セラミックスはアルキメデス法により密度を計測した後、実施例1と同様に加工・分極を行い、径方向振動モードの電気機械結合係数k、及びキュリー温度Tcを評価した。作製した実施例及び比較例の圧電セラミックスの組成、焼成温度、相対密度、電気機械結合係数k、及びキュリー温度の値を表3に示す。表1、2と同様、得られた試料の緻密性は、相対密度が95%以上である場合には緻密化したものと判断できる。また、電気機械結合係数およびキュリー温度は、試料番号43の0.44、135℃を基準として、これより大きい値の場合には、リチウムに加えてバナジウムを添加することにより特性がさらに改善したものと判断できる。
Figure 2010215435
表3から明らかなように、(Ba0.95、Sn0.05)TiOにおいて、副成分としてLiCO及びVを添加した実施例の試料は、焼成温度が900℃以上1200℃以下の範囲でも十分に緻密化し、電気機械結合係数kp、及びキュリー温度がx=0の無添加品に比較して同等以上の特性となることを確認できた。
(実施例4)
本発明の実施例4における圧電セラミックスは、以下に示す製造工程により作製した。まず、出発原料としてBaCl2粉末、TiO2粉末、及びSnCl2粉末を化学式(Ba0.95、Sn0.05)TiOとなるように所定比で秤量し、KOH粉末及びのNaOH粉末と混合した。この混合粉末を密閉容器へ移し、200℃で24時間の熱処理行った後乾燥することにより、本発明の(Ba0.95、Sn0.05)TiOを得た。
次に、副成分として0.05重量%以上0.35重量%以下のLiCO(LiO換算で0.020重量%以上0.14重量%以下)を添加し、エタノールを加え、ボールミルにより24時間の湿式混合を行った。
乾燥後、得られた粉末について、実施例1と同様の手順で成形した後、850℃以上1300℃以下の温度で3時間焼成し、圧電セラミックスの焼結体を作製した。
作製した円板状セラミックスはアルキメデス法により密度を計測した後、実施例1と同様に加工・分極を行い、径方向振動モードの電気機械結合係数k、及びキュリー温度Tcを評価した。作製した実施例及び比較例の圧電セラミックスの組成、焼成温度、相対密度、電気機械結合係数k、及びキュリー温度の値を表4に示す。得られた試料の緻密性は、相対密度が95%以上である場合には緻密化したものと判断できる。また、電気機械結合係数およびキュリー温度は、試料番号75の0.24、125℃を基準として、これより大きい値の場合には、リチウムを添加することにより特性が改善したものと判断できる。
Figure 2010215435
※印は比較例であり、本発明の請求範囲外である。
表4から明らかなように、(Ba0.95、Sn0.05)TiOにおいて、副成分としてLiCOをLiOに換算して0.04重量%以上0.12重量%以下の範囲でそれぞれ添加した実施例の試料は、焼成温度が900℃以上1200℃以下の範囲でも十分に緻密化し、電気機械結合係数kp、及びキュリー温度がx=0の無添加品に比較して同等以上の特性となることを確認できた。
(実施例5)
本発明の実施例5における圧電セラミックスは、以下に示す製造工程により作製した。まず、実施例4と同様の方法により(Ba0.95、Sn0.05)TiO粉末を得た。
次に、副成分として0.05重量%以上0.30重量%以下のLiCO(LiO換算で0.04重量%以上0.12重量%以下)及び0.005重量%以上0.15重量%以下のVを添加し、エタノールを加え、ボールミルにより24時間の湿式混合を行った。
乾燥後、得られた粉末について、実施例1と同様の手順で成形した後、900℃以上1300℃以下の温度で3時間焼成し、圧電セラミックスの焼成品を作製した。
作製した円板状セラミックスはアルキメデス法により密度を計測した後、実施例1と同様に加工・分極を行い、径方向振動モードの電気機械結合係数k、及びキュリー温度Tcを評価した。作製した実施例及び比較例の圧電セラミックスの組成、焼成温度、相対密度、電気機械結合係数k、及びキュリー温度の値を表5に示す。得られた試料の緻密性は、相対密度が95%以上である場合には緻密化したものと判断できる。また、電気機械結合係数およびキュリー温度は、試料番号95の0.45、135℃を基準として、これより大きい値の場合には、リチウムおよびバナジウムを添加することにより特性が改善したものと判断できる。
Figure 2010215435
※印は比較例であり、本発明の請求範囲外である。
表5から明らかなように、(Ba0.95、Sn0.05)TiOにおいて、副成分としてLiCO及びVを添加した実施例の試料は、焼成温度が900℃以上1200℃以下の範囲でも十分に緻密化し、電気機械結合係数kp、及びキュリー温度がx=0の無添加品に比較して同等以上の特性となることを確認できた。
以上詳述したように、本発明による圧電セラミックス、及びその製造方法により、圧電特性を損なうことなく、1200℃以下での低温焼成が可能となる(Ba0.95、Sn0.05)TiO系圧電セラミックスが得られた。
本発明の製造方法は非鉛系圧電セラミックスの製造に適用することができ、これにより得られる本発明の圧電セラミックスは非鉛系の環境適応型の低コスト圧電セラミックスとして圧電デバイスへの広い応用が期待できる。

Claims (5)

  1. (Ba1−x、Sn)TiO(但し、0.01≦x≦0.25)の化学式で表される圧電材料において、(Ba1−x、Sn)TiOに対して副成分としてリチウム酸化物をLiOに換算してu重量%(但し0.04≦u≦0.12)、添加して焼成されて作製されたことを特徴とする圧電セラミックス。
  2. (Ba1−x、Sn)TiO(但し、0.01≦x≦0.25)の化学式で表される圧電材料において、(Ba1−x、Sn)TiOに対して副成分としてリチウム酸化物をLiOに換算してu重量%、かつ同副成分としてバナジウム酸化物をVに換算してv重量%(但し0.04≦u≦0.12、0.01≦v≦0.10)、それぞれ添加して焼成されて作製されたことを特徴とする圧電セラミックス。
  3. 請求項1、及び2に記載した圧電セラミックスの製造方法において、バリウム塩、スズ塩、及びチタン塩を、アンモニア水溶液あるいは水酸化カリウム溶液の溶媒中で混合した溶液を調整し、反応させた後、乾燥・熱処理して得た粉末に、その粉末の総量に対してLiCOあるいはLiOから選択された少なくとも一種のリチウム酸化物粉末、及びバナジウム酸化物粉末を、添加して混合した原料を成形した後、900℃以上1200℃以下の温度範囲で焼成することを特徴とする圧電セラミックスの製造方法。
  4. 請求項1、及び2に記載した圧電セラミックスの製造方法において、塩化バリウム粉末、塩化スズ粉末、酸化チタン粉末、及び、水酸化カリウム粉末あるいは水酸化ナトリウム粉末から選択された少なくとも一種の粉末を調整し混合した後、密閉下で熱処理して得た粉末に、その粉末の総量に対して副成分としてLiCOあるいはLiOから選択された少なくとも一種のリチウム酸化物粉末、及びバナジウム酸化物粉末を、添加して混合した原料を成形した後、900℃以上1200℃以下の温度範囲で焼成することを特徴とする圧電セラミックスの製造方法。
  5. バリウム、スズ、及びチタンを含む酸化物粉末を用意し、当該粉末にリチウム酸化物を添加した後、900℃〜1200℃の温度範囲で焼成することにより、圧電セラミックスを得ることを特徴とする圧電セラミックスの製造方法。
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