JP2010214673A - 片面段ボール生産装置 - Google Patents

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Tomoaki Hirai
友明 平井
Tadao Kamimura
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Abstract

【課題】一対の段ロールと中芯用プレヒータロールとを近接させた状態で、中芯を段成形することができ、その段成形の際に中芯の段割れを確実に防止する。
【解決手段】中芯用プレヒータロール621は、中芯用スプライサ5から供給された中芯40を加熱し、一対の段ロール622、623に向けて供給する。回転可能なタッチロール66が、揺動可能な支持レバー67により支持される。エアーシリンダ68の作動子68aが、支持レバー67に連結され、タッチロール66を中芯用プレヒータロール621のロール周面に対して押し付ける。エアー駆動制御装置180が、押圧情報に従って、タッチロール66をロール周面に押し付ける押圧力の大きさを制御する。中芯40は、タッチロール66と中芯用プレヒータロール621との間に挟持され、ロール周面から搬送力を付与される。これにより、中芯40の張力が一定に保たれ、段割れの発生が防止される。
【選択図】図10

Description

本発明は、中芯を段成形してライナと貼合する片面段ボール生産装置に関し、詳細には、段成形する際に中芯に段割れが発生することを防止する機構を備えた片面段ボール生産装置に関する。
一般に、コルゲートマシンのシングルフェーサは、中芯供給装置から供給された中芯を段成形する一対の段ロールと、その段成形された中芯とライナ供給装置から供給されたライナとを貼合する貼合装置とを備え、中芯とライナとの貼合により片面段ボールを生産する。中芯は、段成形される際に、一対の段ロールの各段部との摩擦接触により大きな張力を受け、その張力が大きすぎると中芯が部分的に破断する現象、いわゆる段割れが発生する。この段割れが生じた片面段ボールは、強度が低下することから、不良品となる。
従来、中芯の段割れを防止するために、段成形される中芯の張力を一定の張力に保つ装置が色々提案されている。たとえば、本出願人は、中芯の張力を一定の張力に保つために、特許文献1に開示された片面段ボール生産装置を提案した。この特許文献1に開示された装置では、一対の駆動ロールが、中芯の供給方向において、上段ロールおよび下段ロールより上流側に配置されている。一対の駆動ロールは、中芯の張力を一定に保つために、上段ロールおよび下段ロールと同期して回転するように制御される。また、一対の駆動ロールの回転は、検出装置により検知された中芯の張力変化に応じて制御される。
実開昭55−146224号公報
特許文献1に開示された装置では、一対の駆動ロールが、両段ロールとモイスナとの間の中芯供給経路に配置されている。モイスナは、中芯を段成形し易くするために中芯を所定の湿度に保つ処理を行う。また、中芯を段成形し易くするために中芯を所定の温度に保つ処理を行う加熱手段が、モイスナの近傍に配置されるのが一般的である。両段ロールに供給される直前の中芯が、周囲の環境の変化に拘わらず、所定の温度および湿度に保たれるためには、モイスナおよび加熱手段が両段ロールに可能な限り近接して配置されることが必要である。しかし、特許文献1に開示された装置では、一対の駆動ロールおよびその動力伝達機構が、両段ロールとモイスナとの間に配置されることから、モイスナから両段ロールまでの中芯供給経路が、駆動ロールなどの比較的大きなスペースを必要とする機構の配置により、長くなる。両段ロールに供給される直前の中芯の温度および湿度は、中芯供給経路が長くなるほど、周囲の環境変化に応じて変動し易くなる。一対の駆動ロールの回転が、検出された中芯の張力変化に応じて制御される構成であっても、中芯の温度および湿度が変動し易い状況では、段成形の際に段割れおよび段の皺が中芯に発生するおそれがある。
そこで、本発明は、中芯を搬送する特別の駆動ロールを設けることなく、一対の段ロールとプレヒータロールとを近接させた状態で、中芯を段成形することができ、その段成形の際に中芯の段割れを確実に防止することができる片面段ボール生産装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明態様は、中芯供給装置から供給された中芯を加熱しながら搬送するために回転駆動されるプレヒータロールと、前記プレヒータロールにより加熱された中芯を段成形する一対の段ロールと、ライナ供給装置から供給されたライナと前記段成形された中芯とを貼合する貼合装置と、前記プレヒータロールのロール周面との間で中芯を挟持して搬送するために回転可能であり、前記ロール周面に対して回転中心が接近および離隔可能に支持された補助ロールと、前記ロール周面に対して前記補助ロールを押圧するための押圧力を前記補助ロールに付与する押圧機構と、前記押圧機構により前記補助ロールに付与される押圧力の大きさを制御する制御部とを備えた構成である。
発明態様において、補助ロールがプレヒータロールの周面方向において配置される位置は、中芯を挟持して搬送することができる位置であれば、いずれの位置であっても良い。
発明態様において、補助ロールは、プレヒータロールから独立した駆動部により駆動される構成、またはプレヒータロールの駆動部により動力伝達機構を介して駆動される構成でも、プレヒータロールの回転に従動して回転される構成であっても良い。
発明態様において、補助ロールは、ロール周面に対する押圧力の大きさが変化するように支持される構成であれば良いことから、補助ロールの回転中心がロール周面に対して離隔可能である構成は、補助ロールの周面が、プレヒータロールの周面から間隔を置いて離れる状態まで移動可能である必要はなく、両ロールの少なくとも一方が弾性変形して両ロールが常に接触した状態で、押圧力が小さくなるように補助ロールの回転中心がロール周面から離れる方向に移動可能であっても良い。
発明態様において、制御部は、押圧力の大きさを制御することにより、一対の段ロールに向かって供給される中芯の張力を、段割れを起こさない所定の張力に制御する構成であればよいことから、計測器により中芯の張力に影響を与える要因を計測して押圧力の大きさを制御する構成でも、中芯を段成形する際の条件に対応して予め記憶された押圧指令値になるように押圧力の大きさを制御する構成であっても良い。たとえば、計測器により計測される影響要因として、ライナの供給長さに対する中芯の供給長さの比率である段繰り率が考えられる。また、中芯を段成形する際の条件として、中芯の供給速度、幅および厚さなどの中芯のサイズ、坪量、中芯の強化の状態および表面摩擦係数などの中芯の物性、補助ロールの材質などが考えられ、これらの条件に対応する押圧指令値を表す情報が予め記憶される。
請求項2に記載の具体的態様は、押圧力の大きさを制御する態様であり、前記制御部は、少なくとも中芯の供給速度と中芯の供給方向と直交する幅方向における中芯の幅とに基づいて前記押圧力の大きさを制御する構成である。
本具体的態様において、制御部は、中芯の供給速度と中芯の幅と基づいて押圧力の大きさを制御する構成であるが、中芯の張力に大きく影響を与える中芯の供給速度および中芯の幅以外に、中芯の物性などの他の条件をも基にして押圧力の大きさを制御しても良い。中芯の供給速度は、検出手段により検出された中芯の実際の供給速度でも、プレヒータロールのために指令される回転速度に相当する周速度であっても良い。
請求項3に記載の具体的態様は、押圧力の大きさを制御する構成を更に具体化した態様であり、前記制御部が、中芯の供給速度が速くなるほど、前記押圧力の大きさが小さくなり、中芯の幅が大きくなるほど、前記押圧力の大きさが大きくなるように制御する構成である。
請求項4に記載の具体的態様は、押圧情報に従って押圧力の大きさを制御する態様であり、前記制御部が、前記中芯の供給速度と前記中芯の幅とに対応して予め定められた前記押圧力の大きさに関する押圧情報を記憶する記憶部と、前記押圧情報に従って前記押圧機構を駆動する押圧駆動部とを有する構成である。
請求項5に記載の具体的態様は、補助ロールの接近および離隔を制御する態様であり、前記制御部が、中芯の単位面積当たりの質量が所定値より小さい中芯を段成形するときに、前記補助ロールが前記ロール周面から離れるように前記押圧機構を制御し、中芯の単位面積当たりの質量が所定値以上の中芯を段成形するときに、前記押圧力の大きさを制御するために前記補助ロールが前記ロール周面との間で中芯を挟持するように前記押圧機構を制御する構成である。
本具体的態様において、中芯の単位面積当たりの質量は、一般に、坪量と称されるもので、中芯の物性に関係するが、坪量が大きくなれば、中芯の厚さも大きくなることから、中芯のサイズにも関係する。従って、本具体的態様において、制御部が、中芯の厚さが所定値より小さい中芯を段成形するとき、補助ロールをプレヒータロールのロール周面から離隔させ、中芯の厚さが所定値以上の中芯を段成形するとき、ロール周面に対して補助ロールを押圧して押圧力の大きさを制御する構成であっても良い。
請求項6に記載の具体的態様は、補助ロールのロール幅および直径に関する態様であり、前記補助ロールが、中芯の供給方向と直交する幅方向における中芯の幅より大きなロール幅を有し、前記プレヒータロールの直径より小さな直径を有する構成である。
請求項7に記載の具体的態様は、補助ロールとプレヒータロールとの間で中芯を挟持する構成に関する態様であり、前記補助ロールの周面が、弾性材料により形成され、前記幅方向における前記補助ロールの両側部分が、中芯の両側端を越えてそれぞれ延び、中芯が前記プレヒータロールと前記補助ロールとの間に挟持されたとき、前記補助ロールの両側部分が前記ロール周面と接触する構成である。
本具体的態様において、中芯がプレヒータロールと補助ロールとの間に挟持されたとき、補助ロールの両側部分が弾性変形してロール周面と接触することができるように、補助ロールの少なくとも周面が弾性を有する構成であれば、補助ロール全体が弾性材料で構成される必要はない。また、中芯がプレヒータロールと補助ロールとの間に挟持されたとき、補助ロールの両側部分がロール周面と接触する構成であれば、ロール幅に関して、補助ロールとプレヒータロールとの大小関係は問わない。
請求項8に記載の具体的態様は、補助ロールがロール周面に対して押圧する位置に関する態様であり、前記中芯供給装置から供給された中芯が前記ロール周面と接触する領域において、中芯が前記ロール周面との接触を開始する上流側位置よりも、中芯が前記ロール周面から解離する下流側位置に近い所定位置で、前記補助ロールが、前記押圧機構により前記ロール周面に対して押圧される構成である。
本具体的態様において、前記上流側位置よりも前記下流側位置に近い位置であれば、いずれの位置において、補助ロールがロール周面に対して押圧される構成であっても良い。ただ、一対の段ロールに供給される中芯の張力を正確に制御するためには、中芯がロール周面から解離する前記下流側位置に可能限り近い上流側の所定位置で、補助ロールがロール周面に対して押圧される構成が、好ましい。
請求項9に記載の具体的態様は、補助ロールがロール周面に対して押圧する角度位置に関する態様であり、前記プレヒータロールと前記一対の段ロールとの間の中芯供給経路が、前記ロール周面の上方に位置する領域からほぼ水平方向に延び、前記中芯供給装置から前記ロール周面の下方に位置する領域に供給された中芯が前記ロール周面と接触する領域において、中芯が前記ロール周面から解離して前記中芯供給経路に向かって供給される下流側位置から、前記プレヒータロールの回転中心の回りに鋭角をなす上流側の所定位置で、前記補助ロールが、前記押圧機構により前記ロール周面に対して押圧される構成である。
本具体的態様において、前記下流側位置から、プレヒータロールの回転中心の回りに鋭角をなす上流側の所定位置であれば、いずれの位置において、補助ロールがロール周面に対して押圧される構成であっても良い。すなわち、前記上流側の所定位置が、前記下流側位置よりも、中芯がロール周面との接触を開始する上流側位置に近い位置であっても良い。
請求項10に記載の具体的態様は、プレヒータロールを一対の段ロールから独立して駆動する構成に関する態様であり、前記一対の段ロールから独立して前記プレヒータロールを駆動するヒータ駆動制御部を備え、前記制御部が、前記押圧力の大きさを制御して中芯を段成形するときに前記補助ロールが前記ロール周面との間で中芯を挟持する接近状態となるように前記押圧機構を制御し、前記押圧力の大きさを制御しないで中芯を段成形するときに前記補助ロールが前記ロール周面から離れる離隔状態となるように前記押圧機構を制御し、前記ライナ供給装置から供給されるライナの供給長さに対する前記中芯供給装置から供給される中芯の供給長さの比率である段繰り率が前記接近および離隔の両状態において同じである場合に、前記補助ロールが前記接近状態にあるときの前記プレヒータロールの回転速度が、前記補助ロールが前記離隔状態にあるときの前記プレヒータロールの回転速度よりも低くなるように、前記ヒータ駆動制御部が、前記プレヒータロールを駆動する構成である。
請求項11に記載の具体的態様は、補助ロールを回転駆動する構成に係る具体的態様であり、前記制御部が、前記押圧力の大きさを制御するときに前記補助ロールが前記ロール周面との間で中芯を挟持するように前記押圧機構を制御し、前記押圧力の大きさを制御しないときに前記補助ロールが前記ロール周面から離れるように前記押圧機構を制御し、前記補助ロールが前記ロール周面から離れているときに、前記補助ロールが所定の周速度で回転するように前記補助ロールを駆動する補助駆動制御部を備える構成である。
請求項12に記載の具体的態様は、補助ロールを回転駆動する構成をさらに具体化した態様であり、前記補助駆動制御部が、前記補助ロールが前記プレヒータロールと同じ周速度で回転するように駆動する構成である。
本具体的態様において、補助ロールがロール周面との間で中芯を挟持するときにプレヒータロールの周速度と補助ロールの周速度とが同じになるように、補助ロールが駆動される構成であれば良い。プレヒータロールの周速度が目標の指令速度まで加速されている途中である場合には、補助ロールが、プレヒータロールの加速途中の周速度と同じ周速度となるように駆動される構成であっても良い。
請求項13に記載の具体的態様は、中芯が継ぎ合わされたときに、補助ロールがロール周面との間で中芯を挟持するタイミングに関する態様であり、前記中芯供給装置により中芯が継ぎ合わされた紙継ぎ部分が、前記補助ロールが前記ロール周面との間で中芯を挟持する位置に基づいて予め決められた所定の位置に到達したことを検出する到達検出部と、前記補助ロールが前記プレヒータロールと同じ周速度まで前記補助駆動制御部により加速されたことを検出する速度検出部とを備え、前記制御部が、前記到達検出部により前記紙継ぎ部分が所定の位置に到達したことが検出され、且つ前記速度検出部により前記補助ロールが前記プレヒータロールと同じ周速度に達したことが検出されたときに、前記補助ロールが前記ロール周面との間で中芯を挟持するように前記押圧機構を制御する構成である。
[発明態様の効果]
第1の発明態様において、中芯がプレヒータロールと補助ロールとの間に挟持されて搬送され、補助ロールに付与される押圧力の大きさが制御部により制御される。この結果、従来装置のように中芯の張力を制御するための一対の駆動ロールの設置により、一対の段ロールとプレヒータロールとの間の中芯供給経路が長くなることはないことから、周囲の環境変化に関係なく、中芯が適切な温度に保たれた状態で段成形される。また、補助ロールに付与される押圧力の大きさが制御されることにより、段成形の際に中芯の段割れが確実に防止される。
[具体的態様の効果]
中芯の供給速度は、片面段ボールの生産速度に段繰り率を乗じた速度に等しく制御されるため、片面段ボールの生産速度が高速になれば、中芯の供給速度も高速となる。しかし、中芯の供給速度が高速になればなるほど、段成形時に段ロールの段部と中芯との摺動抵抗が大きくなり、また中芯とプレヒータロールのロール周面との間で滑りが生じ、高速化された一対の段ロールとプレヒータロールとの間に存在する中芯の張力が異常に大きくなり、段割れの発生の頻度が高くなる。このため、従来装置では、段割れを起こさない中芯の供給速度が比較的低い速度に制限されていた。そこで、請求項2の具体的態様においては、押圧力の大きさが少なくとも中芯の供給速度と中芯の幅とに基づいて制御されることにより、プレヒータロールと補助ロールとによる挟持圧が中芯の幅方向の全域で所定値以上になり、両ロールにより搬送される中芯の実際の供給速度が、中芯の供給速度の指令値に従って正確に制御される。この結果、段割れを起こさない中芯の供給速度を高速化することが可能になる。
補助ロールがロール周面に対して中芯を押圧しない場合、中芯はロール周面に対して滑りながら搬送される。この滑りの影響を考慮して、補助ロールが離隔状態にある場合にはプレヒータロールの周速度は、ライナの供給速度を基準に計算される理論上の供給速度より数%高い速度に指令される。このため、補助ロールがロール周面に対して中芯を押圧する場合に、中芯の供給速度の指令値が、補助ロールが中芯を押圧しない場合と同じ値に維持されたままでは、中芯の実際の供給速度が速くなりすぎて、段成形時に中芯に段の皺が生ずることがある。一方、中芯の幅が大きくなれば、補助ロールがロール周面に対して中芯を押圧する平均の押圧力、すなわち、補助ロールに付加する総押圧荷重を補助ロールと中芯との接触面積で割った単位面積当たりの力が同じであっても、中芯の幅方向の領域において押圧力がばらつくことがある。この場合、中芯に必要な搬送力を与えるには不充分な押圧力が、中芯の幅方向の領域において局部的に生ずる。そこで、請求項3の具体的態様において、制御部は、中芯の供給速度が速くなるほど、押圧力の大きさが小さくなり、中芯の幅が大きくなるほど、押圧力の大きさが大きくなるように制御する。この結果、中芯の供給速度および中芯の幅が変更された場合でも、一対の段ロールに供給される中芯の張力が所定の張力に制御され、段割れおよび段の皺が中芯に発生することを防止することができる。
請求項4の具体的態様において、中芯の供給速度と中芯の幅とが指令されると、供給速度と中芯の幅とに対応する押圧情報が記憶部から読み出され、押圧情報に従って押圧機構が駆動され、押圧力の大きさが制御される。押圧力の大きさに関する押圧情報は、中芯の供給速度および中芯の幅が異なる条件の下で行われた中芯の段成形実験を通して、予め決定される。本具体的態様において、中芯の段成形の際に、中芯の張力に影響を与える要因が実際に計測される構成ではないことから、一対の段ロールとプレヒータロールとの間の中芯供給経路が、特別の計測器の設置のために長くなったり、屈曲したりすることがなく、プレヒータロールが両段ロールに接近した状態で配置される。また、中芯の張力の影響要因を常時計測する処理が不要となることから、押圧力の大きさを制御する制御処理が簡易になる。
一般に、中芯の単位面積当たりの質量が小さくなれば、中芯の剛性が小さくなり、中芯は変形し易くなる。このため、単位面積当たりの質量が小さい中芯は、段成形の際に段割れを起こすおそれが低い。そこで、請求項5の具体的態様において、中芯の単位面積当たりの質量が所定値より小さい中芯を段成形するとき、補助ロールがプレヒータロールのロール周面から離隔され、ロール周面に対して中芯を押圧することがない。この結果、単位面積当たりの質量が所定値より小さい中芯を段成形している間、押圧力の大きさの制御処理が行われないことから、中芯の単位面積当たりの質量に関係なく押圧力の大きさが常に制御される構成に比べ、片面段ボール生産装置の制御処理が簡易になる。
請求項6の具体的態様において、補助ロールが、中芯の幅より大きなロール幅を有し、プレヒータロールの直径より小さな直径を有する。このため、大きなロール幅を有する補助ロールは、中芯の幅方向の領域全体を押圧することができる。また、小さな直径を有する補助ロールと中芯との接触面積は小さいことから、同じ総押圧荷重が補助ロールに加わる場合、大きな直径の補助ローラに比べ単位面積当たりの力である押圧力が大きくなる。この結果、中芯は、補助ロールとプレヒータロールとの挟持により、幅方向の全域において搬送力を確実に付与され、段割れを起こさない張力に制御される。
補助ロールとプレヒータロールとは、駆動部または動力伝達機構の相違や動力伝達ロスなどにより、異なる速度で回転することがあり、この場合には各ロールと中芯との間の滑りが大きい。そこで、請求項7の具体的態様において、中芯がプレヒータロールと補助ロールとの間に挟持されたとき、補助ロールの両側部分が弾性変形してロール周面と直接に接触することにより、補助ロールとプレヒータロールとが同じ周速度で回転する。この結果、各ロールと中芯との間の滑りが小さくなり、中芯が、指令された供給速度で搬送され、段割れを起こさない張力に制御される。特に、本具体的態様は、補助ロールがプレヒータロールに従動して回転する構成である場合に、両ロールが中芯に搬送力を確実に付与することができる点で、効果的である。
中芯は、プレヒータロールのロール周面に対して接触してから解離するまでの間に、段成形に適した温度まで徐々に加熱処理される。このため、ロール周面と接触を開始する初期の時点では、中芯は段成形に適した温度に達しておらず、その後の加熱処理により、中芯の水分が蒸発して中芯は幅方向のみならず、供給方向においても縮み、中芯の張力が変化する。そこで、請求項8の具体的態様において、中芯がロール周面との接触を開始する上流側位置よりも、中芯がロール周面から解離する下流側位置に近い所定位置で、補助ロールがロール周面に対して押圧される。この結果、中芯が段成形に適した温度に達した状態で、押圧力の大きさが制御され、中芯の張力が、段割れを起こさない張力に正確に制御される。
請求項9の具体的態様において、プレヒータロールと一対の段ロールとの間の中芯供給経路がロール周面の上方領域からほぼ水平方向に延び、中芯がロール周面から解離して中芯供給経路に向かって供給される下流側位置から、プレヒータロールの回転中心の回りに鋭角をなす上流側の所定位置で、補助ロールがロール周面に対して押圧される。この結果、中芯がロール周面の上方領域から解離する下流側位置において、中芯はその自重によりプレヒータロールと接触する状態にあることから、中芯はプレヒータロールから搬送力を確実に付与される。また、補助ロールはその自重によりロール周面の上方領域に対して押圧される状態にあることから、補助ロールに付与される押圧力の大きさが小さい場合でも、補助ロールとプレヒータロールとの挟持状態が確保され、中芯は両ロールの安定した挟持状態により搬送力を確実に付与される。
中芯はロール周面に対して滑ることから、補助ロールが離隔状態にあるときに、中芯の実際の供給速度は、プレヒータロールの周速度よりも遅くなる。補助ロールが接近状態にあり、プレヒータロールからの搬送力が中芯に確実に伝達されるときには、プレヒータロールの周速度が離隔状態のときと同じ周速度であると、中芯の実際の供給速度が上昇し、中芯の張力が所定の張力よりも小さくなり、段の皺が中芯に生ずることがある。そこで、中芯の実際の供給速度を一定に保つために、請求項10の具体的態様において、段繰り率が前記接近および離隔の両状態において同じである場合に、補助ロールが接近状態にあるときのプレヒータロールの周速度が、補助ロールが離隔状態にあるときのプレヒータロールの周速度よりも低くなるように、プレヒータロールが駆動される。この結果、補助ロールの接続状態および離隔状態に関係なく中芯の張力が所定の張力に保たれ、中芯の段割れおよび段の皺が確実に防止される。
請求項11の具体的態様において、補助ロールがロール周面から離れているときに、補助駆動制御部は、補助ロールが所定の周速度で回転するように補助ロールを駆動する。この結果、補助ロールがロール周面との間で中芯の挟持を開始するときに、補助ロールはすでに所定の周速度で回転していることから、プレヒータロールの周速度を変動させることが抑えられ、中芯の張力が、段割れを起こさない張力に正確に制御される。
請求項12の具体的態様において、補助駆動制御部は、補助ロールがプレヒータロールと同じ周速度で回転するように補助ロールを駆動する。この結果、補助ロールがロール周面との間で中芯の挟持を開始するときに、補助ロールはすでに、プレヒータロールと同じ周速度で回転していることから、プレヒータロールの周速度を変動させることがなく、中芯の張力が、段割れを起こさない張力に精度良く制御される。
請求項13の具体的態様において、到達検出部により紙継ぎ部分が所定の位置に到達したことが検出され、且つ速度検出部により補助ロールがプレヒータロールと同じ周速度に達したことが検出されたときに、補助ロールがロール周面との間で中芯を挟持する。この結果、新たな中芯が継ぎ合わされた場合に、補助ロールは、押圧力の大きさを制御するために、ロール周面との間で新たな中芯を確実に挟持することができ、その挟持の際にプレヒータロールの周速度を変動させることがないため、新たな中芯の張力が、その中芯に適した段割れを起こさない張力に精度良く制御される。
本発明の第1の実施形態に係る片面段ボール生産装置1の外観的構成を示す正面図である。 第1の実施形態に係るシングルフェーサ6を拡大して示す正面図である。 第1の実施形態に係る中芯用計測装置NSSの構成を拡大して示す説明図である。 第1の実施形態に係る中芯用プレヒータロール621およびタッチロール機構TRMを拡大して示す正面図である。 上記中芯用プレヒータロール621およびタッチロール機構TRMを拡大して示す側面図である。 上記片面段ボール生産装置1の電気的構成を示すブロック図である。 第1の実施形態に係る押圧情報メモリ140の記憶内容を説明するための説明図である。 第1の実施形態に係る下位管理装置110の主制御ルーチンの一部の処理を示すフローチャートである。 上記主制御ルーチンの残りの処理を示すフローチャートである。 第1の実施形態に係るタッチロール66が中芯用プレヒータロール621に対して押し付けられた状態を拡大して示す説明図である。 第2の実施形態に係る片面段ボール生産装置1のシングルフェーサ6を拡大して示す正面図である。 上記片面段ボール生産装置1の電気的構成を示すブロック図である。 第2の実施形態に係る限界情報メモリ240の記憶内容を説明するための説明図である。 第2の実施形態に係る下位管理装置210の主制御ルーチンの一部の処理を示すフローチャートである。 上記主制御ルーチンの残りの処理を示すフローチャートである。
[第1の実施形態]
片面段ボールを生産する片面段ボール生産装置に本発明を適用した第1の実施形態について、添付図面を参照して以下に説明する。なお、本実施形態の片面段ボール生産装置は、片面段ボールを生産する機能のみを有する装置であるが、この片面段ボールに表ライナを貼合して両面段ボールを生産し、この両面段ボールに溝切り加工を施して所定長さに裁断するコルゲートマシンにも本発明を適用することができる。なお、本実施形態において、上下方向、左右方向および前後方向は、図面に矢印で示された方向を表す。
《外観的構成》
図1は、本実施形態の片面段ボール生産装置1の外観的構成を示す正面図である。図1において、片面段ボール生産装置1は、ライナ用ミルロールスタンド2と、ライナ用スプライサ3と、中芯用ミルロールスタンド4と、中芯用スプライサ5と、シングルフェーサ6と、テイクアップコンベア7とから主に構成される。
ライナ用ミルロールスタンド2は、公知の構成のスイングタイプのミルロールスタンドであり、ライナ20がロール状に巻かれた2つのライナロール21a、21bを左右両側に保持し得るように構成されている。ライナ用スプライサ3は、公知の構成のオートスプライサであり、ライナの紙継ぎのためにライナ用ミルロールスタンド2の上方に配置され、両ライナロール21a、21bの一方のロールからライナ20を供給されている。ライナ用スプライサ3は、一方のライナロールが残り少なくなると、一方のライナロールからのライナに他方のライナロールからのライナを繋ぐためのもので、内部に公知のダンサーロールを有している。ライナを繋ぐ時にライナロールからのライナの供給速度が減速されることから、ダンサーロールは、スプライサ3から送出されるライナの供給速度を一定速度に維持するために動作するものである。ライナ用スプライサ3から送出されたライナ20は、片面段ボール生産装置1の装置フレームに支持された送出ガイドロール22を介してシングルフェーサ6に供給される。本実施形態のライナ用ミルロールスタンド2およびライナ用スプライサ3は、本発明のライナ供給装置の一例である。
中芯用ミルロールスタンド4は、ライナ用ミルロールスタンド2と同様な構成であり、中芯40がロール状に巻かれた2つの中芯ロール41a、41bを左右両側に保持し得るように構成されている。中芯用スプライサ5は、ライナ用スプライサ3と同様な構成であり、中芯の紙継ぎのために中芯用ミルロールスタンド4の上方に配置され、両中芯ロール41a、41bの一方のロールから中芯40を供給されている。中芯用スプライサ5は、一方の中芯ロールが残り少なくなると、一方の中芯ロールからの中芯に他方の中芯ロールからの中芯を繋ぐためのもので、内部に公知のダンサーロールを有している。このダンサーロールは、スプライサ5から送出される中芯の供給速度を一定速度に維持するために動作するものである。中芯用スプライサ5から送出された中芯40は、装置フレームに支持された送出ガイドロール42a、42bを介してシングルフェーサ6に供給される。紙継ぎ検出器NCSが、送出ガイドロール42bの近傍に配置されている。紙継ぎ検出器NCSは、中芯ロールが消費されて新たな中芯ロールと継ぎ合わされた場合に、紙継ぎ部分に貼られる検出用テープを検出するものである。本実施形態の中芯用ミルロールスタンド4および中芯用スプライサ5は、本発明の中芯供給装置の一例である。
〈シングルフェーサの構成〉
図2は、シングルフェーサ6を拡大して示す正面図である。図2において、シングルフェーサ6は、ライナ用プレヒータスタンド60と、中芯用プレヒータスタンド61と、シングルフェーサ本体62とから主に構成される。
(ライナ用プレヒータスタンドの構成)
多数のガイドロール63a〜63eが、ライナ20の供給方向DLにおいて、ライナ用プレヒータスタンド60の前段に配置され、装置フレームに支持されている。ライナ用プレヒータスタンド60は、第1のプレヒータロール601と、そのロール601の上方に配置された第2のプレヒータロール602とを備えている。両プレヒータロール601、602は、中芯40と貼合される前にライナ20を予熱するものであり、片面段ボール生産装置1に設けられた図示しない駆動モータにより駆動される。ガイドロール603が、ライナ用プレヒータスタンド60のフレームに支持され、多数のガイドロール63a〜63eを介して供給されたライナ20を第1のプレヒータロール601に案内するものである。第1のプレヒータロール601により一方の面から予熱されたライナ20は、第2のプレヒータロール602により他方の面から予熱される。ラップロール604が、第2のプレヒータロール602により予熱されるライナ20の長さを調整するために第2のプレヒータロール602の回転軸を中心に揺動可能に支持され、予熱されたライナ20をシングルフェーサ本体62に向けて送出する。
(中芯用プレヒータスタンドの構成)
中芯用プレヒータスタンド61は、第1のプレヒータロール611と、そのロール611の下方に配置された第2のプレヒータロール612とから主に構成されている。第1のプレヒータロール611は、中芯40の供給方向DNにおいて、第2のプレヒータロール612の前段に配置されている。両プレヒータロール611、612は、中芯40を予熱するもので、片面段ボール生産装置1に設けられた図示しない駆動モータにより駆動される。ガイドロール613が、中芯用プレヒータスタンド61のフレームに支持され、第2のプレヒータロール612から送出された中芯40をシングルフェーサ本体62に向けて案内する。
(シングルフェーサ本体の構成)
シングルフェーサ本体62は、中芯用プレヒータロール621と、一対の段ロール622、623と、糊付装置624と、プレスロール625と、ガイドロール626とから主に構成される。
中芯用プレヒータロール621は、段成形前の中芯40を予熱するためのもので、主駆動モータM1とは独立したヒータロール駆動モータM2により駆動される。ガイドロール627が、シングルフェーサ本体62のフレームの下方に支持され、ガイドロール613から供給された中芯40を中芯用プレヒータロール621のロール周面の下方領域に案内する。中芯40は、中芯用プレヒータロール621のロール周面の下方領域から上方領域までの範囲で、ロール周面に巻き付けられている。中芯用プレヒータロールのロール周面は、スチールから構成されている。本実施形態の中芯用プレヒータロール621が、本発明のプレヒータロールの一例である。
一対の段ロール622、623は、外周面に波形段部が形成された上部段ロール622および下部段ロール623からなり、主駆動モータM1により駆動される。主駆動モータM1は、中芯用プレヒータロール621を除くシングルフェーサ本体62の全体を駆動する駆動モータである。一対の段ロール622、623は、中芯用プレヒータロール621から中芯40を供給され、その中芯40を段成形する。本実施形態の一対の段ロール622、623は、本発明の一対の段ロールの一例であり、中芯用プレヒータロール621から一対の段ロール622、623までの中芯の供給経路は、本発明の中芯供給経路の一例である。
糊付装置624は、グルーロール624aと、ドクターロール624bとからなり、主駆動モータM1により駆動される。グルーロール624aは、一対の段ロール622、623により段成形された中芯40の段頂部に糊付けを行うものである。ドクターロール624bは、グルーロール624aに塗布された糊の厚さを均一に調整するものである。
プレスロール625は上部段ロール622の左側に配置された、ガイドロール626は上部段ロール622の右側に配置され、両ロール625、626は主駆動モータM1により駆動される。プレスロール625は、ライナ20を上部段ロール622に押し付けるものである。ガイドロール628およびガイドロール629が、ライナ20の供給方向において、プレスロール625の前段に配置されている。そのガイドロール628は、ガイドロール629の回転軸を中心に揺動可能に支持されている。プレスロール625は、ラップロール604から送出されたライナ20を、ガイドロール628およびガイドロール629を介して供給される。プレスロール625は、糊付けされた中芯40にライナ20を押し付けるために、上部段ロール622に向かって付勢されている。ガイドロール626は、貼合された中芯40とライナ20とからなる片面段ボールSDに張力を加えて片面段ボールSDを巻き上げ、装置フレームに支持されたガイドロール630を介して、図1に示すテイクアップコンベア7に向けて送出する。なお、テイクアップコンベア7は、片面段ボールSDを次段の生産装置に供給するために主駆動モータM1により駆動される。
本実施形態の糊付装置624、プレスロール625、ガイドロール626および上部段ロール622の組み合わせは、本発明の貼合装置の一例である。本実施形態のシングルフェーサ本体6は、プレスロール625およびガイドロール626を使用する方式であり、いわゆるベルトレス方式であるが、これらのロールに代えて、ベルトを使用するベルト圧着方式を採用することも可能である。
〈中芯供給長さ計測装置の構成〉
本実施形態は、中芯40の供給長さを計測するための中芯用計測装置NSSを備えている。中芯用計測装置NSSは、中芯用プレヒータスタンド61のガイドロール613と、シングルフェーサ本体62のガイドロール627との間において、装置フレームに支持されている。
中芯用計測装置NSSの詳細な構成について、図3を参照して説明する。図3(a)は、中芯用計測装置NSSの全体的構成を示す正面図であり、図3(b)は、その全体的構成を示す平面図である。中芯用計測装置NSSは、支持枠63と、計測ロール64と、中芯用ロータリーエンコーダ65とから主に構成されている。
支持枠63は、一対の支持板63a、63bの間に支持軸63cおよび取付軸63dを挟持して構成されている。支持軸63cは、支持枠63の一方の端部に配置され、計測ロール64を回転可能に支持するとともに、計測ロール64に連結された中芯用ロータリーエンコーダ65を回転可能に支持する。取付軸63dは、支持枠63の他方の端部に配置され、片面段ボール生産装置1の装置フレームに回動可能に支持される。計測ロール64が中芯40に接触する接触圧を調整するために、取付軸63dは装置フレームに対する回動角度が調整可能となるように装置フレームに取り付けられる。中芯用ロータリーエンコーダ65は、計測ロール64の回転速度に比例した周波数のパルス信号を発生する公知の構成のものである。
〈タッチロール機構の構成〉
本実施形態は、中芯40の段割れを未然に防止するために、タッチロール機構TRMを備えている。図4および図5を参照して、タッチロール機構TRMの構成について説明する。図4および図5は、中芯用プレヒータロール621およびタッチロール機構TRMを拡大して示す正面図および側面図である。
図4に示すように、中芯40は、ガイドロール627を介して中芯用プレヒータロール621に供給されてロール621の周面に巻き付けられる。中芯40は、ガイドロール627に近接するロール周面上の上流側位置PUから、テンションロール631がロール周面に対して押し付けられる下流側位置PDまでの領域に巻き付けられる。テンションロール631は、シングルフェーサ本体62の装置フレーム69に揺動可能に支持されている。中芯40が段成形されているときに、中芯用プレヒータロール621から送出される中芯40が上下方向に揺動することがあることから、テンションロール631は弱い押圧力で中芯40を押圧し、中芯40の上下方向の揺動を抑制して中芯40の張力を安定化させている。このため、テンションロール631は、中芯40に積極的な搬送力を付与する機能を有していない。テンションロール631から送出される中芯40は、ほぼ水平な中芯供給経路を通って一対の段ロール622、623に供給される。
タッチロール機構TRMは、タッチロール66と、支持レバー67と、エアーシリンダ68と、タッチロール駆動モータM3とから主に構成されている。図5に示すように、シングルフェーサ本体62は、前後に互いに対向して配置された装置フレーム69を有する。支持レバー67は、前後に配置された各装置フレーム69に揺動可能に取り付けられている。タッチロール66は、中芯用プレヒータロール621より小さな直径を有し、前後方向に細長い形状であり、中芯用プレヒータロール621と並列した状態で支持レバー67の自由端に回転可能に支持されている。タッチロール66および中芯用プレヒータロール621は、本実施形態で使用される中芯40の幅、すなわち前後方向における中芯40の寸法よりも充分に長い幅を有している。エアーシリンダ68は、その上端において前後に配置された各装置フレーム69に揺動可能に取り付けられている。エアーシリンダ68は、空気圧が供給されると作動子68aが下方に突出し、空気圧の供給が停止され不作動になると作動子68aが図5に示すように上方に退避する構成である。各作動子68aは、各支持レバー67の自由端部分に回動可能に連結されている。なお、説明の便宜上、図1、図2および図4において、前方に配置された装置フレーム69が取り除かれて各部分の構成が示され、図5において、テンションロール631が取り除かれて各部の構成が示されている。
タッチロール66は、空気圧がエアーシリンダ68に供給されたときに中芯用プレヒータロール621との間で中芯40を挟持して回転し、エアーシリンダ68が不作動のときに中芯用プレヒータロール621のロール周面から離隔する。タッチロール66が中芯用プレヒータロール621に対して押し付けられたときに、タッチロール66の慣性により中芯用プレヒータロール621の周速度が大きく変動することがないように、タッチロール66は慣性の小さいものが望ましい。タッチロール66のコア部分は、スチールから構成され、タッチロール66の周面は、耐熱性のシリコンゴムにより被覆されている。シリコンゴムの被覆膜は、タッチロール66の中央部分が厚くなるように形成され、これによりタッチロール66はクラウンロールの形状になっている。タッチロール66が中芯40を介して中芯用プレヒータロール621に対して押し付けられたとき、図5に示すようにタッチロール66の前後方向の寸法は中芯40の幅より長いことから、タッチロール66の両側部分は弾性変形して中芯用プレヒータロール621のロール周面と直接に接触することが可能である。本実施形態のタッチロール66は、本発明の補助ロールの一例である。また、本実施形態のエアーシリンダ68は、本発明の押圧機構の一例である。
タッチロール駆動モータM3が、図5に示すように後方に配置された装置フレーム69に固定されている。タッチロール駆動モータM3の出力軸70は、タッチロール66と平行に前方に向かって延びている。回転伝達ローラ71は、出力軸70の先端部に固定され、タッチロール駆動モータM3の回転に伴い回転する。回転伝達ローラ71は、タッチロール66が中芯用プレヒータロール621のロール周面から離隔した状態に位置するとき、図5に示すように、タッチロール66の周面に接触し、タッチロール駆動モータM3の回転をタッチロール66に伝達する。
《電気的構成》
本実施形態の片面段ボール生産装置1の電気的構成について、添付図面を参照して以下に説明する。図6は、本実施形態の片面段ボール生産装置1の電気的構成を示すブロック図である。図6において、上位管理装置100は、両面段ボールシートを生産するために、本実施形態の片面段ボール生産装置1とともに、両面段ボールに溝切りを行う公知のスリッタスコアラ装置、両面段ボールを裁断して両面段ボールシートを生産する公知のカットオフ装置などの生産装置について、生産管理制御を行う装置である。本実施形態では、上位管理装置100は、多数の連続するオーダに関して予め決められた生産管理計画に従って、主駆動モータM1の回転速度、片面段ボールSDのフルートの種類、片面段ボールSDの生産長さなどに関する制御指令情報を、下位管理装置110に送る。
下位管理装置110は、上位管理装置100から送られる制御指令情報に従って、本実施形態の片面段ボール生産装置1について、生産管理制御を行う装置である。下位管理装置110は、プログラムメモリ120と、作業メモリ130と、押圧情報メモリ140とに接続され、これらのメモリとともに、本実施形態の片面段ボール生産装置1を制御するコンピュータを構成している。
〈メモリの構成〉
プログラムメモリ120は、片面段ボール生産装置1の全体を制御する図8および図9に示す主制御ルーチンプログラム、並びに所定の設定値などを固定記憶するメモリである。作業メモリ130は、主制御ルーチンプログラムを実行する際に、上位管理装置100から送られる種々の情報および演算処理結果を一時記憶するメモリである。
押圧情報メモリ140は、電源遮断時でも記憶内容を保持できる不揮発性の読み書き可能なメモリから構成されている。押圧情報メモリ140は、図7に示すように、中芯40の供給方向DNと直交する幅方向における中芯40の幅と、中芯用プレヒータロール621の周速度とに対応して、予め決められた押圧情報P11〜P59を記憶している。具体的には、中芯40の幅に関する5段階の幅範囲の各範囲と、中芯用プレヒータロール621の周速度に関する9段階の周速範囲の各範囲とに対応して、各押圧情報が記憶されている。たとえば、中芯40の幅が800mmまでの範囲と、周速度が30m/分までの範囲とに対応する情報は、押圧情報P11である。また、中芯40の幅が1400〜1800mmの範囲と、周速度が240〜260m/分の範囲とに対応する情報は、押圧情報P59である。
押圧情報により表わされる押圧力の大きさは、周速度が同じ周速度である場合には、中芯40の幅が広くなるほど、大きくなる。たとえば、押圧情報P41により表わされる押圧力の大きさは、押圧情報P51により表わされる押圧力の大きさよりも大きな値である。また、押圧情報により表わされる押圧力の大きさは、中芯40の幅が同じサイズである場合には、周速度が速くなるほど、小さくなる。たとえば、押圧情報P19により表わされる押圧力の大きさは、押圧情報P18により表わされる押圧力の大きさよりも小さな値である。ただ、各押圧情報により表わされる押圧力の大きさが、中芯40の幅または周速度の変化に応じて徐々に変化するとは限らない。たとえば、中芯40の幅の範囲が同じ場合に、周速度の範囲が変化しても、押圧力の大きさが同じとなる押圧情報も存在する。
図7に示す押圧情報のテーブルは、単位面積当たりの質量である坪量が所定値以上である中芯40であって、強化されていない中芯について、予め実験を行った結果に基づいて作成される。たとえば、坪量160g/平方メートル以上の強化されていない複数種類の中芯の各中芯に関して、押圧情報のテーブルが作成され、押圧情報メモリ140に記憶されている。本実施形態の押圧情報メモリ140は、本発明の記憶部の一例である。
〈中芯供給長さ計測部の構成〉
下位管理装置110は、中芯用ロータリーエンコーダ65および紙継ぎ検出器NCSにそれぞれ接続されている。紙継ぎ検出器NCSは、中芯40の紙継ぎ部分に貼られた検出用テープを検出して検出信号を下位管理装置110に供給する。下位管理装置110は、中芯用ロータリーエンコーダ65からのパルス信号をカウントする中芯供給長さ計測用の内部カウンタ150を備えている。この内部カウンタ150は、紙継ぎ検出器NCSから検出信号が発生されたとき主制御ルーチンの制御動作により発生される計測指令に従ってカウンド動作を開始し、主制御ルーチンの制御動作により発生される停止指令に従ってカウント動作を停止する。
〈駆動制御部の構成〉
下位管理装置110は、主駆動制御装置160と、ヒータロール駆動制御装置170と、エアー駆動制御装置180と、タッチロール駆動制御装置190とにそれぞれ接続されている。下位管理装置110は、上位管理装置100から送られる速度制御情報に従って、各駆動モータの起動および停止と、その回転速度とを各駆動制御装置に指令する。主駆動制御装置160は、主駆動モータM1の回転を制御するもので、下位管理装置110からの速度制御情報に従って主駆動モータM1を一定の回転速度で回転させる。これにより、シングルフェーサ本体62において主駆動モータM1に連結された各被駆動部分、たとえば、段ロール622、623およびプレスロール625などが、同期して駆動される。
ヒータロール駆動制御装置170は、ヒータロール駆動モータM2の回転を制御するもので、下位管理装置110からの速度制御情報に従って、ヒータロール駆動モータM2の回転速度を中芯40の段成形に適した速度に可変速制御する。速度検出器HSSが、ヒータロール駆動モータM2の回転軸に連結され、そのモータM2の回転速度を表す速度検出信号をヒータロール駆動制御装置170に供給する。これにより、ヒータロール駆動制御装置170は、速度制御情報により指令された目標指令速度となるようにヒータロール駆動モータM2の回転速度を制御する。本実施形態のヒータロール駆動制御装置170とヒータロール駆動モータM2とが、本発明のヒータ駆動制御部の一例である。
エアー駆動制御装置180は、エアーシリンダ68に供給される空気圧を制御するもので、下位管理装置110から供給される制御情報および押圧情報に従って、エアーシリンダ68の作動および不作動と、作動時の空気圧の制御とを行う。エアー駆動制御装置180は、公知の電空変換器から構成されている。具体的には、エアー駆動制御装置180は、エアーシリンダ68に空気を供給するパイロットバルブと、その供給される空気圧を検出する圧力センサと、圧力制御回路とから主に構成されている。圧力制御回路は、押圧情報により指示された押圧力と圧力センサにより検出された圧力との差分に応じて、パイロットバルブから供給される空気圧を制御する。本実施形態のエアー駆動制御装置180は、本発明の押圧駆動部の一例である。また、本実施形態の下位管理装置110と押圧情報メモリ140とエアー駆動制御装置180とが、本発明の制御部の一例である。
タッチロール駆動制御装置190は、タッチロール駆動モータM3の回転を制御するもので、下位管理装置110からの速度制御情報に従って、タッチロール66の周速度がプレヒータロール621の周速度と同じになるようにタッチロール駆動モータM3の回転速度を可変速制御する。速度検出器TSSが、タッチロール駆動モータM3の回転軸に連結され、そのモータM3の回転速度を表す速度検出信号をタッチロール駆動制御装置190に供給する。これにより、タッチロール駆動制御装置190は、速度制御情報により指令された目標指令速度となるようにタッチロール駆動モータM3の回転速度を制御する。本実施形態のタッチロール駆動制御装置190とタッチロール駆動モータM3とが、本発明の補助駆動制御部の一例である。
坪量が160g/平方メートルよりも小さい中芯、たとえば坪量125g/平方メートルの中芯は、段成形時に段割れが発生する危険性が低いことから、坪量の小さい中芯を段成形する場合には、タッチロール66が中芯用プレヒータロール621のロール周面から離隔するように、下位管理装置110は、エアーシリンダ68の不作動をエアー駆動制御装置180に指令する。坪量が160g/平方メートル以上であり強化されていない中芯、たとえば坪量160g/平方メートルのA級の中芯は、段成形時に段割れが発生する危険性が高いことから、坪量の大きい強化されていない中芯を段成形する場合には、タッチロール66が中芯用プレヒータロール621との間で中芯40を挟持するように、下位管理装置110は、エアーシリンダ68の作動および押圧制御をエアー駆動制御装置180に指令する。この押圧制御により、中芯40は、タッチロール66と中芯用プレヒータロール621との間で挟み込まれ、中芯用プレヒータロール621の回転に伴って確実に搬送される。タッチロール66がロール周面から離隔した状態にある場合、通常は、中芯40と中芯用プレヒータロール621との間で滑りが生じ、この滑り現象は中芯用プレヒータロール621の周速度が速くなる程、顕著に現れる。このため、タッチロール66が中芯用プレヒータロール621に対して押圧されることで、中芯40の搬送力が大きくなり、中芯40の供給速度が増速される。
下位管理装置110は、ライナ用プレヒータスタンド60のプレヒータロール601、602および中芯用プレヒータロール621の加熱温度の制御動作も行っているが、この温度制御に係る構成は公知であり、本発明と直接に関係する部分でないことから、その説明を省略する。
《動作および作用》
本実施形態の片面段ボール生産装置1の動作および作用について、図8および図9を参照して以下に説明する。図8および図9は、片面段ボール生産装置1の主制御ルーチンの制御動作を示すフローチャートである。本実施形態の動作の一例として、生産管理計画に従う多数の連続するオーダの中で、坪量125g/平方メートルの中芯を使用する複数のオーダが先に実行され、その後に坪量160g/平方メートルのA級の中芯を使用するオーダが実行される場合について説明する。先ず、上位管理装置100を含めて、片面段ボール生産装置1の電源が投入されると、下位管理装置110は、プログラムメモリ120から主制御ルーチンプログラムを読み出し、主制御ルーチンの実行を開始する。なお、図8および図9に示す各ステップの動作は、下位管理装置110により実行される。
〈坪量の小さい中芯の段成形〉
上位管理装置100が、坪量125g/平方メートルの中芯を使用するオーダの実行を下位管理装置110に指令した場合の動作を以下に説明する。内部カウンタ150および各種フラグのリセット動作などの初期設定が実行される(S1)。速度制御情報、紙サイズ情報および紙質情報が、上位管理装置100から取得され、作業メモリ130にそれぞれ一時記憶される(S2)。速度制御情報は、主駆動モータM1およびヒータロール駆動モータM2の回転速度を指令する情報である。紙サイズ情報は、供給方向に直交する幅方向におけるライナおよび中芯の幅などを表す情報である。紙質情報は、中芯の坪量および強化の有無、フルートの種類などを表す情報である。なお、本主制御ルーチンの実行が開始される前に、または主制御ルーチンの実行開始後であって主駆動モータM1が駆動される前に、一対の段ロール622、623が、生産する片面段ボールSDのフルートの種類に適した形状の段ロールに交換される。この段ロールの交換は、上位管理装置100から供給される紙質情報中のフルート種類に従って、自動的に実行されても、または使用者による作業により行われても良い。
消費フラグがセットされているか否かが判断される(S3)。消費フラグは、初期設定(S1)によりリセットされていることから、消費フラグはセットされていないと判断される(S3:NO)。消費フラグは、現在使用されている中芯ロールが所定の量まで消費されたときに、または、現在使用されている中芯ロールは残っているが、異なる紙質の中芯ロールに交換するために作業者が図示しない操作パネルを操作したときに、セットされる。そして、消費フラグは、中芯ロールが継ぎ合わされて中芯の供給長さが所定値に達した後に、リセットされる。通常、現在使用されている中芯ロールが所定の量まで消費されて消費フラグがセットされたときには、現在の中芯ロールと坪量などの紙質が同じ新たな中芯ロールに交換される場合である。一方、現在使用されている中芯ロールは残っているが、作業者が操作パネルを操作して消費フラグをセットしたときには、現在の中芯ロールと紙質が異なる新たな中芯ロールに交換される場合である。
消費フラグはセットされていないと判断されると(S3:NO)、主駆動モータM1およびヒータロール駆動モータM2の回転速度が、作業メモリ130に記憶された速度制御情報に従って、指令される(S4、S5)。これにより、主駆動モータM1は、速度制御情報に従って一定の主駆動速度で回転し、シングルフェーサ本体62の中で主駆動モータM1に連結された各被駆動部分が駆動される。ライナ用プレヒータスタンド60のプレヒータロール601、602は、主駆動モータM1に同期して駆動される図示しない駆動モータにより駆動されて回転し、ライナ20をシングルフェーサ本体62に供給する。中芯用プレヒータスタンド61のプレヒータロール611、612は、主駆動モータM1に同期して駆動される図示しない別の駆動モータにより駆動されて回転し、中芯40をシングルフェーサ本体62に供給する。また、ヒータロール駆動モータM2は、速度制御情報に従って所定のヒータ駆動速度で回転し、中芯用プレヒータロール621が駆動される。中芯用プレヒータロール621は、プレヒータロール611、612から供給された中芯40を予熱して段ロール622、623に供給する。本実施形態では、主駆動モータM1の回転速度は、ライナ20の供給速度に相当する片面段ボールSDの生産速度に応じた一定の主駆動速度に指令される。一方、片面段ボールSDの生産速度に応じた中芯40の生産用供給速度は、ライナ20の供給長さに対する中芯40の供給長さの比率である段繰り率をライナ20の供給速度に掛けた理論上の供給速度から、中芯40が段ロール622、623の段部の形状に完全に一致した形状には段成形されないことなどに起因する補正値だけを差し引いた速度である。ヒータロール駆動モータM2は、中芯用プレヒータロール621のロール周面と中芯40との間で滑りが生ずることから、中芯の実際の供給速度が中芯40の上記生産用供給速度となるように、上記理論上の供給速度より数%高い所定の周速度に相当するヒータ駆動速度に指令される。
坪量が所定値以上であるか否かが判断される(S6)。この判断は、上位管理装置100から供給される紙質情報により表わされる坪量と所定の坪量とを比較することで判断される。本実施形態では、所定の坪量は、160g/平方メートルに設定され、プログラムメモリ120に記憶されている。現在実行されるオーダにおける中芯40の坪量は、125g/平方メートルであることから、坪量が所定値より小さいと判断され(S6:NO)、中芯供給長さの計測の停止が内部カウンタ150に指令され、カウント内容がクリアされる(S7)。ステップS3において、消費フラグがセットされていると判断されない限り、中芯供給長さの計測の開始は指令されず、内部カウンタ150はカウント動作を行っていないことから、この時点では、ステップS7において内部カウンタ150はカウント動作を停止したままで、カウント内容がクリアされるのみである。ステップS7の実行後に、消費フラグがリセットされる(S8)。
坪量125g/平方メートルの中芯が段成形される場合には、エアーシリンダ68の押圧制御が一切指令されないことから、タッチロール66は、図5に示すように、プレヒータロール621のロール周面から離隔した状態で位置している。タッチロール66の離隔状態において主駆動モータM1およびヒータロール駆動モータM2が駆動されることにより、ライナ20および中芯40が一対の段ロール622、623に向かって供給される。中芯40は、一対の段ロール622、623により段成形された後に、糊付装置624により糊付けされ、ライナ20と貼合される。これにより、片面段ボールSDが生産される。
中芯40を繰り出している中芯ロール41aが全て消費されたか否かが判断される(S9)。中芯ロール41aが残っていると判断された場合(S9:NO)、生産管理処理が行われ(S10)、生産管理計画に従う生産が終了したか否かが判断される(S11)。生産管理処理は、ライナの消費量および中芯の消費量を監視し、また片面段ボールSDの生産長さが、生産管理計画に従う所定長さに達したか否かを監視する。これらの監視結果は、下位管理装置110から上位管理装置100に送られる。上位管理装置100は、監視結果に応じて、片面段ボールSDの生産が生産管理計画に従って実行されているか否かを管理し、片面段ボールSDの次の生産のための制御指令を下位管理装置110に供給する。生産が終了していないと判断された場合(S11:NO)、処理は、ステップS9に戻り、生産管理計画の生産が終了しない限り、現在使用されている中芯ロール41aが全て消費されるまで、ステップS9〜S10が繰り返し実行される。
現在実行中のオーダの生産が終了したと判断された場合(S11:YES)、押圧制御フラグがセットされているか否かが判断される(S12)。押圧制御フラグは、ステップS1の初期設定によりリセットされていることから、押圧制御フラグはセットされていないと判断され(S12:NO)、処理は、ステップS2に戻る。押圧制御フラグは、エアーシリンダ68の押圧制御動作が指令された後に、セットされ、エアーシリンダ68の不作動が指令されたときに、リセットされる。
ステップS2において、下位管理装置110は、先に指令されたオーダの生産が終了したことを上位管理装置100に通知し、次に実行するオーダに関する情報を上位管理装置100に要求する。下位管理装置110は、上位管理装置100から、次に実行するオーダに関する速度制御情報などの情報を供給され、作業メモリ130に記憶する。次に実行するオーダが、先回のオーダと同様に、坪量125g/平方メートルの中芯を使用するオーダである場合には、中芯ロール41aがそのまま使用され、消費フラグはリセットされた状態にあることから、消費フラグはセットされていないと判断され(S3:NO)、ステップS4〜S11が順次実行される。
現在使用されている中芯ロール41aが全て消費されたと判断された場合(S9:YES)、消費フラグがセットされ(S13)、押圧制御フラグがセットされているか否かが判断される(S14)。押圧制御フラグは、ステップS1の初期設定によりリセットされていることから、押圧制御フラグはセットされていないと判断され(S14:NO)、処理は、ステップS3に戻る。
中芯ロール41aが全て消費されていることから、消費フラグはセットされていると判断される(S3:YES)。プログラムメモリ120に予め記憶された低速制御情報が読み出され、この低速制御情報に従って、主駆動モータM1およびヒータロール駆動モータM2の回転速度が、所定の低速度に指令される(S15、S16)。低速制御情報により指令される速度は、中芯用スプライサ5において現在使用されている中芯ロール41aと新たな中芯ロール41bとを継ぎ合わせる動作が確実に実行されるように設定された一定の低い速度である。紙継ぎ検出器NCSが、低速度で供給される中芯40の紙継ぎ部分に貼られた検出用テープを検出したか否かが判断される(S17)。検出用テープが検出されないと判断された場合(S17:NO)、ステップS17の判断が繰り返し実行される。検出用テープが検出されたと判断された場合(S17:YES)、中芯供給長さの計測が内部カウンタ150に指令される(S18)。内部カウンタ150は、指令に従って、中芯用ロータリーエンコーダ65からのパスル信号のカウントを開始する。内部カウンタ150は、検出用テープが検出されてから中芯40が供給される長さを計測するためにカウント動作を行い、計測の停止が指令されるまでカウント動作を継続する。ステップS18の実行後に、処理はステップS4、S5に進む。ステップS4、S5の実行により、主駆動モータM1およびヒータロール駆動モータM2は、低速度から主駆動速度およびヒータ駆動速度に向かって加速される。
現在実行されているオーダにおける中芯40の坪量は、125g/平方メートルであることから、坪量が所定値より小さいと判断され(S6:NO)、中芯供給長さの計測の停止が、内部カウンタ150に指令される(S7)。内部カウンタ150は、カウント動作を停止して、カウント内容をクリアする。本実施形態では、坪量が所定値以上で、且つ強化されていない中芯が使用されない場合には、内部カウンタ150が所定のカウント内容に達したか否かは判断されずにカウント動作が停止され、カウント内容がクリアされる。
以上説明したように、坪量が所定値である160g/平方メートルより小さい中芯40を使用するオーダが実行される場合には、段割れが中芯40に発生する危険性が低いことから、エアーシリンダ68は不作動のままで、タッチロール66は中芯用プレヒータロール621から離間した状態に位置している。この結果、中芯40は、中芯用プレヒータロール621との接触摩擦により搬送力を付与され、一対の段ロール622、623に向かって供給され、段成形される。
〈坪量の大きい強化されていない中芯の段成形〉
上位管理装置100が、坪量160g/平方メートルの中芯を使用するオーダの実行を下位管理装置110に指令した場合の動作を以下に説明する。片面段ボール生産装置1の電源が投入されると、下位管理装置110は、プログラムメモリ120から主制御ルーチンプログラムを読み出し、主制御ルーチンの実行を開始する。坪量160g/平方メートルの中芯を使用するためには、先回使用されていた坪量125g/平方メートルの中芯ロール41bに坪量160g/平方メートルの中芯ロール41aを継ぎ合わせる必要がある。このため、片面段ボール生産装置1の初期設定が実行される段階で(S1)、作業者は、図示しない操作パネルから消費フラグをセット状態に設定する。ステップS1において、内部カウンタ150がクリアされるとともに、消費フラグ以外の各種のフラグがリセットされる。
速度制御情報、紙サイズ情報および紙質情報が、上位管理装置100から取得され、作業メモリ130にそれぞれ一時記憶される(S2)。消費フラグがセットされているか否かが判断される(S3)。消費フラグは、初期設定(S1)の段階で作業者によりセットされていることから、消費フラグはセットされていると判断される(S3:YES)。プログラムメモリ120に予め記憶された低速制御情報が読み出され、この低速制御情報に従って、主駆動モータM1およびヒータロール駆動モータM2の回転速度が、所定の低速度に指令される(S15、S16)。紙継ぎ検出器NCSが、低速度で供給される中芯40の紙継ぎ部分に貼られた検出用テープを検出したか否かが判断される(S17)。検出用テープが検出されたと判断された場合(S17:YES)、中芯供給長さの計測が内部カウンタ150に指令される(S18)。内部カウンタ150は、指令に従って、中芯用ロータリーエンコーダ65からのパスル信号のカウントを開始する。ステップS18の実行後に、処理はステップS4、S5に進む。ステップS4、S5の実行により、主駆動モータM1およびヒータロール駆動モータM2は、低速度から主駆動速度およびヒータ駆動速度に向かって加速される。
坪量が所定値以上であるか否かが判断される(S6)。現在実行されているオーダにおける中芯40の坪量は、160g/平方メートルであることから、坪量が所定値以上であると判断され(S6:YES)、現在使用されている中芯40が強化された中芯であるか否かが判断される(S19)。強化された中芯であると判断される場合には(S19:YES)、処理は、ステップS7に進み、前述のように、中芯供給長さの計測の停止が内部カウンタ150に指令され、カウント内容がクリアされる(S7)。
現在使用されている中芯40は、強化されていない中芯であることから、強化された中芯でないと判断され(S19:NO)、処理は図9に示すステップS20に進む。ヒータロール駆動モータM2が、中芯40の前記理論上の供給速度よりも数%高い所定の周速度に相当するヒータ駆動速度から、前記理論上の供給速度よりも2〜3%低い所定の周速度に相当するヒータ駆動速度へ速度を変更するように指令される(S20)。ヒータロール駆動制御装置170は、下位管理装置110からの速度変更情報に従って、ヒータロール駆動モータM2の速度を変更する。タッチロール66が中芯用プレヒータロール621に対して中芯40を押圧する場合に、ステップS5において指令される高いヒータ駆動速度のままでは、中芯40が一対の段ロール622、623に向かって過剰に供給されることから、ステップS20においては低いヒータ駆動速度が指令される。これにより、中芯40の実際の供給速度は、タッチロール66がロール周面から離隔している状態と、ロール周面に押し付けられている状態とにおいて、前記生産用供給速度にほぼ維持される。
タッチロール駆動モータM3の速度が指令される(S21)。タッチロール駆動制御装置190は、下位管理装置110からの速度制御情報に従って、タッチロール駆動モータM3の速度を制御する。タッチロール駆動モータM3が駆動されると、回転伝達ローラ71が回転し、タッチロール66に回転を伝達する。タッチロール66が中芯用プレヒータロール621に対して中芯40を押圧するときに、タッチロール66の周速度が中芯用プレヒータロール621の周速度と大きく異なる場合には、中芯40の張力が大きく変動することから、タッチロール66の周速度が中芯用プレヒータロール621の周速度とほぼ同じ周速度になるようにタッチロール駆動モータM3の回転速度が制御される必要がある。このため、下位管理装置110は、ヒータロール駆動モータM2のために指令される速度に相当する速度を、タッチロール駆動制御装置190に指令する。
消費フラグがセットされているか否かが判断される(S22)。消費フラグは、初期設定(S1)の段階で作業者によりセットされていることから、消費フラグはセットされていると判断される(S22:YES)。中芯供給長さが所定値であるか否かが判断される(S23)。所定値でないと判断された場合(S23:NO)、所定値であると判断されるまでステップS23が繰り返し実行される。本実施形態において、ステップS23における所定値は、中芯が、紙継ぎ検出器NCSの配置位置から、プレスロール625がライナ20および中芯40を上部段ロール622に押し付ける位置まで供給される長さである。ステップS23における所定値は、プログラムメモリ120に記憶されている。内部カウンタ150のカウント内容が、ステップS23における所定値に相当する内容に達したとき、中芯供給長さが所定値であると判断される(S23:YES)。所定値であると判断されると、中芯供給長さの計測の停止が内部カウンタ150に指令される(S24)。内部カウンタ150は、カウント動作を停止して、カウント内容をクリアする。本実施形態の紙継ぎ検出器NCSと内部カウンタ150とステップS23とは、本発明の到達検出部の一例である。
タッチロール66の周速度と中芯用プレヒータロール621の周速度とが同じ周速度であるか否かが判断される(S25)。同じ周速度でないと判断された場合(S25:NO)、同じ周速度と判断されるまで、ステップS25が繰り返し実行される。下位管理装置110は、速度検出器HSSにより検出されたヒータロール駆動モータM2の回転速度に関する速度検出信号をヒータロール駆動制御装置170を介して供給され、速度検出器TSSにより検出されたタッチロール駆動モータM3の回転速度に関する速度検出信号をタッチロール駆動制御装置190を介して供給される。下位管理装置110は、両駆動制御装置170、190から供給される速度検出信号に基づいて、タッチロール66の周速度と中芯用プレヒータロール621の周速度とが同じ周速度であるか否かを、ステップS25において判断する。本実施形態の速度検出器HSS、TSSとステップS25とが、本発明の速度検出部の一例である。
タッチロール66の周速度と中芯用プレヒータロール621の周速度とが同じ周速度であると判断された場合(S25:YES)、押圧情報が押圧情報メモリ140から取得され、作業メモリ130に記憶される(S26)。図7に示すように、中芯用プレヒータロール621の現在の周速度と、現在使用されている中芯40の幅とに対応する押圧情報が、押圧情報メモリ140から読み出される。現在使用されている中芯40の幅は、ステップS2において作業メモリ130に記憶された紙サイズ情報により表わされる中芯の幅である。中芯用プレヒータロール621の現在の周速度は、速度検出器HSSからヒータロール駆動制御装置170を介して下位管理装置110に供給された速度検出信号により表わされる中芯用プレヒータロールの周速である。
エアーシリンダ68の押圧制御が指令される(S27)。下位管理装置110は、作業メモリ130に記憶された押圧情報をエアー駆動制御装置180に供給し、エアーシリンダ68の作動を指令する。エアー駆動制御装置180は、エアーシリンダ68に供給する空気圧が押圧情報により表わされる空気圧になるように制御動作を行う。この結果、エアーシリンダ68の作動子68aが、図10に示すように突出状態に移動し、支持レバー67が下方に回動する。タッチロール66は、回転伝達ローラ71から離隔して中芯用プレヒータロール621に対して押し付けられる。タッチロール66が中芯用プレヒータロール621に対して中芯40を押圧する押圧力の大きさは、押圧情報に従って決められる大きさである。中芯40は、タッチロール66と中芯用プレヒータロール621とに挟持され、中芯用プレヒータロール621のロール周面に対して滑り量が抑えられた状態でロール周面から搬送力を付与される。
中芯40は、中芯用プレヒータロール621に巻き付けられている間に加熱されることにより、段成形に適した温度に調整される。中芯40は、ロール621の加熱により水分が蒸発して縮み、張力が変動することがあることから、タッチロール66が中芯用プレヒータロール621に対して押し付けられるロール周面上の押付位置PTは、可能な限り、加熱処理が終了する下流側位置PDに近い位置が好ましい。このため、図10に示すように、押付位置PTは、上流側位置PUよりも下流側位置PDに近い位置に定められている。また、中芯用プレヒータロール621の回転中心の回りにおける下流側位置PDから押付位置PTまでの角度θは、鋭角になるように設定されている。
中芯用プレヒータロール621の周速度が目標指令速度に達したか否かが判断される(S28)。目標指令速度に達していない場合(S28:NO)、ステップS26に戻り、目標指令速度に達したと判断されるまで、ステップS26〜S28が繰り返し実行される。目標指令速度に達したと判断された場合(S28:YES)、押圧制御フラグがセットされ(S29)、処理は図8に示すステップS8に進む。ステップS28における目標指令速度は、ステップS20において指令された低いヒータ駆動速度に相当する中芯用プレヒータロール621の周速度である。
ステップS26〜S28の処理について具体的に説明する。たとえば、中芯40の幅が1600mmで、目標指令速度が、図7に示す中芯用プレヒータロール621の周速度の中で最高速度260m/分である場合に、中芯用プレヒータロール621の現在の周速度が230m/分であるとすれば、ステップS26において、押圧情報P58が押圧情報メモリ140から読み出されて作業メモリ130に記憶される。ステップS27において、エアーシリンダ68の空気圧は、押圧情報P58に従って制御される。ステップS28において、中芯用プレヒータロール621の現在の周速度が目標指令速度である260m/分に達したか否かが判断される。目標指令速度に達していなければ、ステップS26において、中芯用プレヒータロール621の現在の周速度と中芯40の幅とに対応する押圧情報が読み出される。中芯用プレヒータロール621の現在の周速度が250m/分まで上昇していれば、押圧情報P59が押圧情報メモリ140から読み出されて作業メモリ130に記憶される。ステップS27において、エアーシリンダ68の空気圧は、押圧情報P59に従って制御される。中芯用プレヒータロール621の現在の周速度が目標指令速度である260m/分まで上昇していれば、ステップS28において、中芯用プレヒータロール621の現在の周速度が目標指令速度に達したと判断される。
中芯用プレヒータロール621の現在の周速度が目標指令速度に達したと判断された後に、押圧制御フラグがセットされて処理がステップS8に進むと、ステップS9〜S11が前述したように実行される。現在実行されているオーダの生産が終了すると、生産終了と判断され(S11:YES)、押圧制御フラグがセットされているか否かが判断される(S12)。ステップS29において、押圧制御フラグはセットされていることから、押圧制御フラグはセットされていると判断され(S12:YES)、エアーシリンダ68の不作動がエアー駆動制御装置180に指令され(S30)、押圧制御フラグがリセットされる(S31)。
ステップS31の実行後、処理はステップS2に戻り、次に実行されるオーダに関する速度制御情報などが取得され、作業メモリ130に記憶される(S2)。次のオーダは、先回のオーダと同じ坪量160g/平方メートルの中芯ロール41aを使用して実行され、ステップS8において消費フラグはリセットされていることから、消費フラグはセットされていないと判断される(S3)。この結果、ステップS4、S5が前述したように実行され、坪量が所定値以上であるか否かが判断される(S6)。坪量は160g/平方メートルであることから、所定値以上であると判断され(S6:YES)、今回使用される中芯40が強化されている中芯であるか否かが判断される(S19)。今回使用される中芯40は強化されていないことから、強化されていない中芯であると判断され(S19:NO)、図9に示すステップS20、S21が前述したように実行される。消費フラグがセットされているか否かが判断される(S22)。消費フラグは、ステップS8においてリセットされたまま維持されていることから、消費フラグはセットされていないと判断され(S22:NO)、処理はステップS25に進む。
ステップS25〜S29は前述したように実行され、押圧制御フラグがセットされた後に(S29)、処理は図8に示すステップS8に進む。消費フラグがリセットされた後(S8)、ステップS9〜S11が前述したように繰り返し実行される。ここで、現在使用されている中芯ロール41aが所定の量まで消費された場合には、中芯ロールが消費されたと判断され(S9:YES)、消費フラグがセットされる(S13)。押圧制御フラグがセットされているか否かが判断される(S14)。ステップS29において、押圧制御フラグはセットされていることから、押圧制御フラグがセットされていると判断される(S14:YES)。エアーシリンダ68の不作動がエアー駆動制御装置180に指令され(S32)、押圧制御フラグがリセットされる(S33)。エアー駆動制御装置180は、下位管理装置110からの不作動指令に従って、エアーシリンダ68への空気圧の供給を停止する。この結果、エアーシリンダ68の作動子68aが突出状態から退避状態へ移動し、支持レバー67が上方に回動する。タッチロール66は、中芯用プレヒータロール621から離間して、回転伝達ローラ71と接触する。
ステップS33の実行後に、処理はステップS3に戻り、消費フラグがセットされているか否かが判断される(S3)。ステップS13において、消費フラグはセットされていることから、消費フラグはセットされていると判断され(S3:YES)、ステップS15〜S18が前述したように実行される。そして、ステップS4以降の各ステップが前述したように実行される。
以上説明したように、坪量が所定値である160g/平方メートル以上で強化されていない中芯40を使用するオーダが実行される場合には、段割れが中芯40に発生する危険性が高いことから、エアーシリンダ68が作動して、タッチロール66は中芯用プレヒータロール621に対して押し付けられる状態に位置する。この結果、中芯40は、タッチロール66と中芯用プレヒータロール621との間に挟持されて比較的大きな搬送力を付与され、一対の段ロール622、623に向かって供給され、段成形される。また、タッチロール66が中芯用プレヒータロール621に対して押し付けられる押圧力の大きさは、現在使用されている中芯40の幅と、中芯用プレヒータロール621の現在の周速度とに対応する押圧情報に従って、制御される。このため、中芯用プレヒータロール621の周速度が、片面段ボールSDの生産速度を高速化するために高速に設定された場合でも、一対の段ロール622、623に向けて供給される中芯40の張力が、一定の張力に制御される。
[第2の実施形態]
片面段ボールを生産する片面段ボール生産装置に本発明を適用した第2の実施形態について、添付図面を参照して以下に説明する。第2の実施形態は、押圧力の大きさを制御するための構成において、第1の実施形態と相違する。すなわち、第1の実施形態では、エアーシリンダ68により発生される押圧力の大きさは、押圧情報メモリ140に記憶された押圧情報に従って制御される。これに対し、第2の実施形態では、エアーシリンダ68により発生される押圧力の大きさは、逐次計測される現在の段繰り率Rxが基準段繰り率Rsになるように制御される。第2の実施形態において、第1の実施形態と同一の構成部分は、同一の番号または記号を付されている。第2の実施形態は、段繰り率を算出するためにライナ20および中芯40の供給速度を計測する計測装置を備える構成以外は、第1の実施形態とほぼ同様な外観的構成であるので、その相違する計測装置の構成および電気的構成全体について説明する。
《外観的構成》
本実施形態の片面段ボール生産装置1の外観的構成について、図11を参照して以下に簡単に説明する。図11は、第2の実施形態に係る片面段ボール生産装置1のシングルフェーサ6を拡大して示す正面図であり、第1の実施形態を示す図2に相当する図面である。
第2の実施形態は、中芯40の段割れの危険性を検知するために、中芯用計測装置NSSのほかに、ライナ用計測装置LSSが設けられた点で、第1の実施形態と相違する。ライナ用計測装置LSSは、ライナ用プレヒータスタンド60のラップロール604と、シングルフェーサ本体62のガイドロール628との間において、片面段ボール生産装置1の装置フレームに支持されている。ライナ用計測装置LSSは、図3に示す中芯用計測装置NSSと同じ構成であり、中芯用計測装置NSSの中芯用ロータリーエンコーダ65と同じ構成のライナ用ロータリーエンコーダ72を備えている。
中芯用ロータリーエンコーダ65は、計測ロール64の回転速度、すなわち中芯40の供給速度に比例した周波数のパルス信号を発生する公知の構成のものである。ライナ用ロータリーエンコーダ72も、ライナ20の供給速度に比例する周波数のパルス信号を発生する。
《電気的構成》
本実施形態の片面段ボール生産装置1の電気的構成について、図12を参照して以下に説明する。図12は、本実施形態の片面段ボール生産装置1の電気的構成を示すブロック図である。図12において、上位管理装置200は、両面段ボールシートを生産するために、本実施形態の片面段ボール生産装置1とともに、両面段ボールに溝切りを行う公知のスリッタスコアラ装置、両面段ボールを裁断して両面段ボールシートを生産する公知のカットオフ装置などの生産装置について、生産管理制御を行う装置である。本実施形態では、上位管理装置200は、予め決められた生産管理計画に従って、主駆動モータM1の回転速度、片面段ボールSDのフルートの種類、片面段ボールSDの生産長さなどに関する制御指令情報を、下位管理装置210に送る。
下位管理装置210は、上位管理装置200から送られる制御指令情報に従って、本実施形態の片面段ボール生産装置1について、生産管理制御を行う装置である。下位管理装置210は、プログラムメモリ220と、作業メモリ230と、限界情報メモリ240とに接続され、これらのメモリとともに、本実施形態の片面段ボール生産装置1を制御するコンピュータを構成している。
〈メモリの構成〉
プログラムメモリ220は、片面段ボール生産装置1の全体を制御する図14および図15に示す主制御ルーチンプログラム、並びに所定の設定値などを固定記憶するメモリである。作業メモリ230は、主制御ルーチンプログラムを実行する際に、上位管理装置200から送られる種々の情報および演算処理結果を一時記憶するメモリである。
限界情報メモリ240は、電源遮断時でも記憶内容を保持できる不揮発性の読み書き可能なメモリから構成されている。限界情報メモリ240は、図13に示すように、中芯40に形成される段の種類、いわゆるフルートの種類と、各フルートの種類に対応する基準段繰り率Rsおよび限界段繰り率Rmとを記憶するメモリである。一般に、フルートの種類として、Aフルート、Bフルート、CフルートおよびEフルートの4種類のフルートが使用されることから、本実施形態では、限界情報メモリ240は、この4種類のフルートに対応して、基準段繰り率RsA〜RsEおよび限界段繰り率RmA〜RmEを記憶することができるように構成されている。ここで、段繰り率は、中芯の長さを片面段ボールの長さで除した値と定義されるのが一般的である。片面段ボールの長さは、段成形された中芯と貼合されるライナの長さと同じ長さと考えられることから、本実施形態では、段繰り率は、所定時間当たりの中芯の供給長さを所定時間当たりのライナの供給長さで除した値、または中芯の供給速度VNをライナの供給速度VLで除した値(VN/VL)を意味する。
基準段繰り率RsA〜RsEは、フルートの種類ごとに異なり、一例として、「1.58」、「1.38」、「1.45」および「1.27」程度の値である。限界段繰り率RmA〜RmEも、フルートの種類ごとに異なり、中芯の段割れが発生するときの中芯の伸び率に基づいて設定される。段割れが発生するときの中芯の伸び率は、中芯の紙質、段ロールの段部の形状および生産時の温度条件などに応じて変化するものの、ほぼ2〜3%の変動範囲に収まっている。限界段繰り率RmA〜RmEは、基準段繰り率RsA〜RsEから、中芯の伸び率の割合だけ減少した値に設定される。たとえば、Aフルートについて、基準段繰り率RsAは「1.58」であり、段割れが発生したときの中芯の伸び率が3%であれば、限界段繰り率RmAは「1.535」[1.58×(1−0.03)≒1.53より僅かに大きな値]となる。すなわち、中芯の段割れは、中芯の段繰り率が所定の限界値以下に減少したときに発生することから、限界段繰り率は、中芯に段割れの危険性がある状態での段繰り率を意味する。ただ、安全を見込んで、限界段繰り率が、中芯の段割れの危険性がある状態での段繰り率より僅かに大きな段繰り率に設定されても良い。
片面段ボール生産装置により、一例としてAフルートの段ボールが生産される場合に、発明者は、装置の運転速度、すなわち片面段ボールがシングルフェーサから送り出される速度(m/分)と、中芯の供給速度(VN)をライナの供給速度(VL)で除した段繰り率(VN/VL)とを変化させて、中芯の段割れの発生状況を検査した。この検査により、Aフルートの場合には、段繰り率が「1.53」より小さくなると、急激に段割れの発生が多くなることが分かった。この結果、限界段繰り率は、段割れが現実に発生する段繰り率より僅かに大きな段繰り率に設定される。この限界段繰り率の設定により、段割れの危険性のある状態が検知される。すなわち、段割れが現実に発生している状態ではないが、段繰り率が現状よりも更に減少すると段割れが現実に発生することになる状態(段割れの危険性のある状態)が検知される。
中芯の段割れが発生したときの中芯の伸び率が、フルートの種類ごとに、使用される中芯の紙質、段ロールの形状などに応じて、試験を通して予め正確に測定される場合には、限界段繰り率RmA〜RmEは、フルートの種類ごとに正確に測定された伸び率に基づいて設定されることが可能である。また、全ての種類のフルートについて、段割れの危険性があるときの中芯の伸び率が、便宜上から、最小の伸び率である2%と定められて、限界段繰り率が設定されることも可能である。本実施形態では、フルートの種類ごとに、使用者が図示しない操作入力部から段割れの危険性がある中芯の伸び率を入力設定した場合には、限界段繰り率RmA〜RmEが、その入力設定された伸び率と基準段繰り率RsA〜RsEとに基づいて算出される。このように算出された限界段繰り率RmA〜RmEは、生産開始前に、限界情報として、限界情報メモリ240に予め書き込まれて保存される。
限界段繰り率Rmは段割れの危険性があるときの中芯の伸び率に基づいて定められ、この伸び率の変動範囲は、段割れの危険性があるときの中芯の張力の変動範囲と比べると、極めて小さな変動範囲である。このため、変動の少ない中芯の伸び率、換言すれば、中芯が伸びることにより中芯が実際に供給される長さが減少する率に基づいて、限界段繰り率が設定されることが容易となる。
〈供給速度の計測部の構成〉
下位管理装置210は、ライナ用ロータリーエンコーダ72と、中芯用ロータリーエンコーダ65とにそれぞれ接続されている。下位管理装置210は、両ロータリーエンコーダからのパルス信号を、所定時間の間カウントするライナ速度計測用内部カウンタ250Lおよび中芯速度計測用内部カウンタ250Nを備えている。各内部カウンタ250L、250Nは、主制御ルーチンの制御動作と独立してカウント動作を行い、所定時間ごとのカウント動作を繰り返し実行するように構成されている。各内部カウンタ250L、250Nのカウント値が、所定時間当たりのライナの供給長さおよび所定時間当たりの中芯の供給長さを表す。
〈中芯供給長さ計測部の構成〉
下位管理装置210は、紙継ぎ検出器NCSに接続されている。紙継ぎ検出器NCSは、中芯40の紙継ぎ部分に貼られた検出用テープを検出して検出信号を下位管理装置210に供給する。下位管理装置210は、中芯用ロータリーエンコーダ65からのパルス信号をカウントする中芯供給長さ計測用の内部カウンタ150を備えている。この内部カウンタ150は、紙継ぎ検出器NCSから検出信号が発生されたとき主制御ルーチンの制御動作により発生される計測指令に従ってカウンド動作を開始し、主制御ルーチンの制御動作により発生される停止指令に従ってカウント動作を停止する。
〈駆動制御部の構成〉
下位管理装置210は、主駆動制御装置160と、ヒータロール駆動制御装置170と、エアー駆動制御装置280と、タッチロール駆動制御装置190とにそれぞれ接続されている。エアー駆動制御装置280以外の駆動制御装置160、170、190は、第1の実施形態と同じ構成であるので、その説明を省略する。
エアー駆動制御装置280は、エアーシリンダ68に供給される空気圧を制御するもので、下位管理装置210から供給される制御情報に従って、エアーシリンダ68の作動および不作動と、作動時の空気圧の制御とを行う。エアー駆動制御装置180は、第1の実施形態と同様に、公知の電空変換器から構成されている。下位管理装置210から供給される制御情報は、基準段繰り率Rsを表す基準情報と、現在の段繰り率Rxを表す情報とを含んでいる。エアー駆動制御装置280は、現在の段繰り率Rxが基準段繰り率Rsになるようにエアーシリンダ68に供給する空気圧を制御する。本実施形態のエアー駆動制御装置280は、本発明の押圧駆動部の一例である。また、本実施形態の下位管理装置210と限界情報メモリ240とエアー駆動制御装置280とが、本発明の制御部の一例である。
中芯40の段割れの危険性がない正常な状態において、タッチロール66が中芯用プレヒータロール621のロール周面から離隔するように、下位管理装置210は、エアーシリンダ68を不作動にする。中芯40の段割れの危険性がある異常な状態において、タッチロール66が中芯用プレヒータロール621に対して押し付けられるように、下位管理装置210は、エアーシリンダ68を作動させて押圧力の大きさを制御する。この制御により、中芯40は、タッチロール66と中芯用プレヒータロール621との間で挟み込まれ、中芯用プレヒータロール621の回転に伴って確実に搬送される。
下位管理装置210は、ライナ用プレヒータスタンド60のプレヒータロール601、602および中芯用プレヒータロール621の加熱温度の制御動作も行っているが、この温度制御に係る構成は公知であり、本発明と直接に関係する部分でないことから、その説明を省略する。
《動作および作用》
本実施形態の片面段ボール生産装置1の動作および作用について、図14および図15を参照して以下に説明する。図14および図15は、片面段ボール生産装置1の主制御ルーチンの制御動作を示すフローチャートである。先ず、上位管理装置200を含めて、片面段ボール生産装置1の電源が投入されると、下位管理装置210は、プログラムメモリ220から主制御ルーチンプログラムを読み出し、主制御ルーチンの実行を開始する。なお、図14および図15に示す各ステップの動作は、下位管理装置210により実行される。
〈現在の段繰り率Rxが限界段繰り率Rmより大きい場合の中芯の段成形〉
現在の段繰り率Rxが限界段繰り率Rmより大きい場合に中芯40が段成形される動作について説明する。内部カウンタ150、250L、250Nのクリアおよび各種フラグのリセットなどの初期設定が実行される(S101)。速度制御情報、紙サイズ情報および紙質情報が、上位管理装置200から取得され、作業メモリ230にそれぞれ一時記憶される(S102)。速度制御情報は、主駆動モータM1およびヒータロール駆動モータM2の回転速度を指令する情報である。紙サイズ情報は、供給方向に直交する幅方向におけるライナおよび中芯の幅などを表す情報である。紙質情報は、フルートの種類などを表す情報である。なお、本主制御ルーチンの実行が開始される前に、または主制御ルーチンの実行開始後であって主駆動モータM1が駆動される前に、一対の段ロール622、623が、生産する片面段ボールSDのフルートの種類に適した形状の段ロールに交換される。この段ロールの交換は、上位管理装置200から供給される紙質情報中のフルート種類に従って、自動的に実行されても、または使用者による作業により行われても良い。
消費フラグがセットされているか否かが判断される(S103)。消費フラグは、初期設定(S101)によりリセットされていることから、消費フラグはセットされていないと判断される(S103:NO)。消費フラグは、現在使用されている中芯ロールが所定の量まで消費されたときに、または、現在使用されている中芯ロールは残っているが、異なる紙質の中芯ロールに交換するために作業者が図示しない操作パネルを操作したときに、セットされる。そして、消費フラグは、中芯ロールが継ぎ合わされて中芯の供給長さが所定値に達した後に、リセットされる。
消費フラグはセットされていないと判断されると(S103:NO)、主駆動モータM1およびヒータロール駆動モータM2の回転速度が、作業メモリ230に記憶された速度制御情報に従って、指令される(S104、S105)。これにより、主駆動モータM1は、速度制御情報に従って一定の主駆動速度で回転し、シングルフェーサ本体62の中で主駆動モータM1に連結された各被駆動部分が駆動される。ライナ用プレヒータスタンド60のプレヒータロール601、602は、主駆動モータM1に同期して駆動される図示しない駆動モータにより駆動されて回転し、ライナ20をシングルフェーサ本体62に供給する。中芯用プレヒータスタンド61のプレヒータロール611、612は、主駆動モータM1に同期して駆動される図示しない別の駆動モータにより駆動されて回転し、中芯40をシングルフェーサ本体62に供給する。また、ヒータロール駆動モータM2は、速度制御情報に従って所定のヒータ駆動速度で回転し、中芯用プレヒータロール621が駆動される。中芯用プレヒータロール621は、プレヒータロール611、612から供給された中芯40を予熱して段ロール622、623に供給する。本実施形態では、主駆動モータM1の回転速度は、ライナ20の供給速度に相当する片面段ボールSDの生産速度に応じた一定の主駆動速度に指令される。一方、ヒータロール駆動モータM2は、中芯用プレヒータロール621のロール周面と中芯40との間で滑りが生ずることから、第1の実施形態と同様に、中芯の実際の供給速度が中芯40の前記生産用供給速度となるように、中芯40の前記理論上の供給速度より数%高い所定の周速度に相当するヒータ駆動速度に指令される。
限界段繰り率Rmに関する限界情報が、作業メモリ230に記憶された紙質情報中のフルート種類に従って、限界情報メモリ240から読み出され、作業メモリ230に一時記憶される(S106)。本実施形態において、フルート種類がAフルートを指示する情報である場合、Aフルートに対応する限界段繰り率RmAが、限界情報として限界情報メモリ240から読み出されることにより、取得される。
ライナ20がシングルフェーサ本体62に向かって供給されると、ライナ用ロータリーエンコーダ72は、ライナ20の供給速度に比例する周波数のパルス信号を下位管理装置210のライナ速度計測用内部カウンタ250Lに供給する。ライナ速度計測用内部カウンタ250Lは、所定時間の間、パルス信号の数をカウントする。また、中芯40がシングルフェーサ本体62に向かって供給されると、中芯用ロータリーエンコーダ65は、中芯40の供給速度に比例する周波数のパルス信号を下位管理装置210の中芯速度計測用内部カウンタ250Nに供給する。中芯速度計測用内部カウンタ250Nは、所定時間の間、パルス信号の数をカウントする。
両内部カウンタ250L、250Nのカウンタ内容が読み込まれ、そのカウント内容と所定時間とに基づいて単位時間当たりのライナの供給長さであるライナの供給速度VLと、単位時間当たりの中芯の供給長さである中芯の供給速度VNとが計測され、作業メモリ230に一時記憶される(S107)。
現在の段繰り率Rxが、作業メモリ230に記憶されたライナの供給速度VLと中芯の供給速度VNとに基づいて算出され、作業メモリ230に記憶される(S108)。現在の段繰り率Rxは、中芯の供給速度VNをライナの供給速度VLにより除することにより算出される。
作業メモリ230に記憶された現在の段繰り率Rxが作業メモリ230に記憶された限界段繰り率Rm以下に減少したか否かが、判断される(S109)。現在の段繰り率Rxが限界段繰り率Rmより大きいと判断された場合(S109:NO)、中芯供給長さの計測の停止が内部カウンタ150に指令され、カウント内容がクリアされる(S110)。ステップS103において、消費フラグがセットされていると判断されない限り、中芯供給長さの計測の開始は指令されず、内部カウンタ150はカウント動作を行っていないことから、この時点では、ステップS110において内部カウンタ150はカウント動作を停止したままで、カウント内容がクリアされるのみである。ステップS110の実行後、消費フラグがリセットされる(S111)。
現在使用されている中芯ロール41aが所定の量まで消費されたか否かが判断される(S112)。消費されていないと判断された場合(S112:NO)、片面段ボール生産装置1について生産管理処理が実行される(S113)。生産管理処理は、ライナの供給速度VLおよび中芯の供給速度VNに基づいてライナの消費量および中芯の消費量を監視し、また片面段ボールSDの生産長さが、生産管理計画に従う所定長さに達したか否かを監視する。これらの監視結果は、下位管理装置210から上位管理装置200に送られる。上位管理装置200は、監視結果に応じて、片面段ボールSDの生産が生産管理計画に従って実行されているか否かを管理し、片面段ボールSDの次の生産のための制御指令を下位管理装置210に供給する。ステップS113の実行が終了すると、生産管理計画に従う生産が終了したか否かが判断される(S114)。生産管理計画に従う生産が終了したと判断された場合(S114:YES)、処理は、ステップS102に戻る。下位管理装置210は、上位管理装置200から、新たなオーダに従う生産のために速度制御情報および紙質情報などの制御指令情報を取得する。生産が終了していないと判断された場合(S114:NO)、処理は、ステップS107に戻り、ステップS107〜S114が繰り返される。
現在使用されている中芯ロール41aが所定の量まで消費された場合、中芯ロール41aが消費されたと判断され(S112:YES)、消費フラグがセットされる(S115)。処理はステップS103に戻り、消費フラグがセットされているか否かが判断される(S103)。
中芯ロール41aが所定の量まで消費されていることから、消費フラグはセットされていると判断される(S103:YES)。プログラムメモリ220に予め記憶された低速制御情報が読み出され、この低速制御情報に従って、主駆動モータM1およびヒータロール駆動モータM2の回転速度が、所定の低速度に指令される(S116、S117)。低速制御情報により指令される速度は、中芯用スプライサ5において現在使用されている中芯ロール41aと新たな中芯ロール41bとを継ぎ合わせる動作が確実に実行されるように設定された一定の低い速度である。紙継ぎ検出器NCSが、低速度で供給される中芯40の紙継ぎ部分に貼られた検出用テープを検出したか否かが判断される(S118)。検出用テープが検出されないと判断された場合(S118:NO)、ステップS118の判断が繰り返し実行される。検出用テープが検出されたと判断された場合(S118:YES)、中芯供給長さの計測が内部カウンタ150に指令される(S119)。内部カウンタ150は、指令に従って、中芯用ロータリーエンコーダ65からのパスル信号のカウントを開始する。内部カウンタ150は、検出用テープが検出されてから中芯40が供給される長さを計測するためにカウント動作を行い、計測の停止が指令されるまでカウント動作を継続する。ステップS119の実行後に、処理はステップS104、S105に進む。ステップS104、S105の実行により、主駆動モータM1およびヒータロール駆動モータM2は、低速度から主駆動速度およびヒータ駆動速度に向かって加速される。
ステップS107、S108が前述したように実行され、作業メモリ230に記憶された現在の段繰り率Rxが作業メモリ230に記憶された限界段繰り率Rm以下に減少したか否かが、判断される(S109)。現在の段繰り率Rxが限界段繰り率Rmより大きいと判断された場合(S109:NO)、中芯供給長さの計測の停止が内部カウンタ150に指令され、カウント内容がクリアされる(S110)。本実施形態では、現在の段繰り率Rxが限界段繰り率Rmより大きい場合には、内部カウンタ150が所定のカウント内容に達したか否かは判断されずにカウント動作が停止され、カウント内容がクリアされる。以降、現在実行しているオーダの生産が終了するまで、ステップS107〜S114が繰り返し実行される。
以上説明したように、現在の段繰り率Rxが限界段繰り率Rmより大きい場合には、段割れが中芯40に発生する危険性が低いことから、エアーシリンダ68は不作動のままで、タッチロール66は中芯用プレヒータロール621のロール周面から離隔した状態に位置している。この結果、中芯40は、中芯用プレヒータロール621との接触摩擦により搬送力を付与され、一対の段ロール622、623に向かって供給され、段成形される。
〈現在の段繰り率Rxが限界段繰り率Rm以下である場合の中芯の段成形〉
現在の段繰り率Rxが限界段繰り率Rm以下に小さくなった場合に中芯40が段成形される動作について説明する。ステップ116〜S118が実行された後に、ステップS104〜S108が実行されている間に、ライナ20の供給速度に対して中芯40の供給速度が低下して現在の段繰り率Rxが小さくなった場合の動作について説明する。この場合には、現在の段繰り率Rxが限界段繰り率Rm以下であると判断される(S109:YES)。処理は、図15に示すステップS120に進む。
ヒータロール駆動モータM2が、前記理論上の供給速度よりも数%高い所定の周速度に相当するヒータ駆動速度から、前記理論上の供給速度よりも2〜3%低い所定の周速度に相当するヒータ駆動速度へ速度を変更するように指令される(S120)。ヒータロール駆動制御装置170は、下位管理装置210からの速度変更情報に従って、ヒータロール駆動モータM2の速度を変更する。タッチロール66が中芯用プレヒータロール621に対して中芯40を押圧する場合に、ステップS105において指令される高いヒータ駆動速度のままでは、中芯40が一対の段ロール622、623に向かって過剰に供給されることから、ステップ119においては低いヒータ駆動速度が指令される。
タッチロール駆動モータM3の速度が指令される(S121)。タッチロール駆動制御装置190は、下位管理装置210からの速度制御情報に従って、タッチロール駆動モータM3の速度を制御する。タッチロール駆動モータM3が駆動されると、回転伝達ローラ71が回転し、タッチロール66に回転を伝達する。タッチロール66が中芯用プレヒータロール621に対して中芯40を押圧するときに、タッチロール66の周速度が中芯用プレヒータロール621の周速度と大きく異なる場合には、中芯40の張力が大きく変動することから、タッチロール66の周速度が中芯用プレヒータロール621の周速度とほぼ同じ周速度になるようにタッチロール駆動モータM3の回転速度が制御される必要がある。このため、下位管理装置210は、ヒータロール駆動モータM2のために指令される速度に相当する速度を、タッチロール駆動制御装置190に指令する。
消費フラグがセットされているか否かが判断される(S122)。ステップS115において消費フラグはセットされていることから、消費フラグはセットされていると判断される(S122:YES)。中芯供給長さが所定値であるか否かが判断される(S123)。所定値でないと判断された場合(S123:NO)、所定値であると判断されるまでステップS123が繰り返し実行される。本実施形態において、ステップS123における所定値は、中芯が、紙継ぎ検出器NCSの配置位置から、プレスロール625がライナ20および中芯40を上部段ロール622に押し付ける位置まで供給される長さである。ステップS123における所定値は、プログラムメモリ220に記憶されている。内部カウンタ150のカウント内容が、ステップS123における所定値に相当する内容に達したとき、中芯供給長さが所定値であると判断される(S123:YES)。所定値であると判断されると、消費フラグがリセットされ(S124)、中芯供給長さの計測の停止が内部カウンタ150に指令される(S125)。内部カウンタ150は、カウント動作を停止して、カウント内容をクリアする。本実施形態の紙継ぎ検出器NCSと内部カウンタ150とステップS123とは、本発明の到達検出部の一例である。
タッチロール66の周速度と中芯用プレヒータロール621の周速度とが同じ周速度であるか否かが判断される(S126)。同じ周速度でないと判断された場合(S126:NO)、同じ周速度と判断されるまで、ステップS126が繰り返し実行される。下位管理装置210は、速度検出器HSSにより検出されたヒータロール駆動モータM2の回転速度に関する速度検出信号をヒータロール駆動制御装置170を介して供給され、速度検出器TSSにより検出されたタッチロール駆動モータM3の回転速度に関する速度検出信号をタッチロール駆動制御装置190を介して供給される。下位管理装置210は、両駆動制御装置170、190から供給される速度検出信号に基づいて、タッチロール66の周速度と中芯用プレヒータロール621の周速度とが同じ周速度であるか否かを、ステップS126において判断する。本実施形態の速度検出器HSS、TSSとステップS126とが、本発明の速度検出部の一例である。
タッチロール66の周速度と中芯用プレヒータロール621の周速度とが同じ周速度であると判断された場合(S126:YES)、基準情報が限界情報メモリ240から取得され、作業メモリ230に記憶される(S127)。図13に示すように、フルートの種類に対応する基準段繰り率Rsを表す基準情報が、限界情報メモリ240から読み出される。現在実行されているオーダに関するフルートの種類は、ステップS102において作業メモリ230に記憶された紙質情報により表わされるフルート種類である。本実施形態において、現在実行されているオーダに関するフルートがAフルートであれば、基準段繰り率RsAを表す基準情報が限界情報メモリ240から取得される。
両内部カウンタ250L、250Nのカウンタ内容が読み込まれ、そのカウント内容と所定時間とに基づいて単位時間当たりのライナの供給長さであるライナの供給速度VLと、単位時間当たりの中芯の供給長さである中芯の供給速度VNとが計測され、作業メモリ230に一時記憶される(S128)。現在の段繰り率Rxが、作業メモリ230に記憶されたライナの供給速度VLと中芯の供給速度VNとに基づいて算出され、作業メモリ230に記憶される(S129)。
エアーシリンダ68の押圧制御が指令される(S130)。下位管理装置210は、作業メモリ230に記憶された基準段繰り率RsAを表す基準情報と、現在の段繰り率Rxを表す情報とをエアー駆動制御装置280に供給し、エアーシリンダ68の作動を指令する。エアー駆動制御装置280は、現在の段繰り率Rxが基準段繰り率RsAに一致するように、両段繰り率の差分に応じて、エアーシリンダ68に供給する空気圧を制御する。この結果、エアーシリンダ68の作動子68aが突出状態に移動し、支持レバー67が下方に回動する。タッチロール66は、回転伝達ローラ71から離隔して中芯用プレヒータロール621に対して押し付けられる。タッチロール66が中芯用プレヒータロール621に対して中芯40を押圧する押圧力の大きさは、基準段繰り率RsAと現在の段繰り率Rxとに従って決められる大きさである。中芯40は、タッチロール66と中芯用プレヒータロール621とに挟持され、中芯用プレヒータロール621のロール周面に対して滑り量が抑えられた状態でロール周面から搬送力を付与される。
現在使用されている中芯ロール41aが所定の量まで消費されたか否かが判断される(S131)。消費されていないと判断された場合(S131:NO)、片面段ボール生産装置1について生産管理処理が実行される(S132)。ステップS132の実行が終了すると、生産管理計画に従う生産が終了したか否かが判断される(S133)。生産管理計画に従う生産が終了していないと判断された場合(S133:NO)、処理はステップS128に戻り、ステップS128〜S133が繰り返し実行される。生産管理計画に従う生産が終了していると判断された場合(S133:YES)、エアーシリンダ68の不作動が指令される(S134)。エアー駆動制御装置280は、下位管理装置210からの不作動指令に従って、エアーシリンダ68への空気圧の供給を停止し、エアーシリンダ68を不作動にする。この結果、エアーシリンダ68の作動子68aは退避状態に移動し、支持レバー67は上方に回動する。タッチロール66は、中芯用プレヒータロール621のロール周面から離隔して、回転伝達ローラ71と接触する。ステップS134の実行後に、処理は、図14に示すステップS102に戻り、下位管理装置210は、新たなオーダを実行するために、上位管理装置200から速度制御情報および紙質情報などの制御指令情報を取得する。
新たなオーダが先回のオーダと同じ中芯ロール41aを使用する場合には、消費フラグがセットされていないと判断され(S103:NO)、ステップS104〜S109が前述したように実行される。現在の段繰り率Rxが小さくなった場合には、現在の段繰り率Rxが限界段繰り率Rm以下であると判断され(S109:YES)、ステップS120、S121が実行された後に、消費フラグがセットされているか否かが判断される(S121)。ステップS111において消費フラグはリセットされていることから、消費フラグがセットされていないと判断され(S121:NO)、ステップS123〜S125は実行されずに、タッチロール66の周速度と中芯用プレヒータロール621の周速度とが同じ周速度であるか否かが判断される(S126)。以降、ステップS127〜S133が実行され、タッチロール66が中芯用プレヒータロール621に押し付けられて、中芯が一対の段ロール622、623に向かって供給される。
ステップS128〜S133が繰り返し実行されている間に、現在使用されている中芯ロール41aが所定の量まで消費された場合、中芯ロール41aが消費されたと判断され(S131:YES)、消費フラグがセットされ(S135)、エアーシリンダ68の不作動が指令される(S136)。処理は、図14に示すステップS103に戻り、消費フラグがセットされているか否かが判断される(S103)。
中芯ロール41aが所定の量まで消費されていることから、消費フラグはセットされていると判断される(S103:YES)。ステップS116〜S119が前述したように実行される。これにより、現在使用されている中芯ロール41aは新たな中芯ロール41bに継ぎ合わされ、片面段ボールSDの生産が実行される。
一方、先回のオーダの生産が終了し、新たなオーダのフルートの種類が、先回のオーダのAフルートと異なるBフルートに変更される場合には、一対の段ロール622、623が新たなBフルートに適合する段ロールに交換される。この場合には、ステップS102において、新たなオーダに関する紙質情報などが取得され、ステップS106において、Bフルートに対応する限界段繰り率RmBを表す限界情報が取得される。また、ステップS127において、Bフルートに対応する基準段繰り率RsBを表す基準情報が取得される。他のステップの処理は、先回のオーダと同様に実行され、Bフルートの片面段ボールSDが生産される。
以上説明したように、現在の段繰り率Rxが限界段繰り率Rm以下である場合には、段割れが中芯40に発生する危険性が高いことから、エアーシリンダ68が作動して、タッチロール66は中芯用プレヒータロール621に対して押し付けられる状態に位置する。この結果、中芯40は、タッチロール66と中芯用プレヒータロール621との間に挟持されて比較的大きな搬送力を付与され、一対の段ロール622、623に向かって供給され、段成形される。また、タッチロール66が中芯用プレヒータロール621に対して押し付けられる押圧力の大きさは、現在の段繰り率Rxと、現在実行されているオーダのフルートの種類に対応する基準段繰り率Rsとに従って、制御される。このため、中芯用プレヒータロール621の周速度が、片面段ボールSDの生産速度を高速化するために高速に設定された場合でも、一対の段ロール622、623に向けて供給される中芯40の張力が、一定の張力に制御される。
[変形例]
本発明の第1および第2の実施形態について以上説明したが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において当業者であれば種々の変形を加えることができる。
(1)両実施形態では、中芯用プレヒータロール621と一対の段ロール622、623との間の中芯供給経路において、中芯40が段成形の際に上下方向に揺動することを抑えるために、テンションロール631が、中芯用プレヒータロール621から送出される中芯40をロール621のロール周面に向かって押圧するようにロール周面に近接して配置されている。このテンションロール631に代えて、またはテンションロール631とともに、ガイドロールが、中芯40の揺動を抑えるために中芯用プレヒータロール621から離れて中芯供給経路上に配置される構成でも良い。すなわち、中芯40に積極的な搬送力を付与する駆動ロールでない限り、中芯40の供給経路を安定化するための部材が、中芯用プレヒータロール621と一対の段ロール622、623との間に配置される構成であっても良い。
(2)両実施形態では、エアー駆動制御装置180、280は、中芯用プレヒータロール621のロール周面に対して、タッチロール66の周面を接近させて押し付けるか、またはタッチロール66の周面を離隔させるかの制御と、ロール周面に対するタッチロール66の押圧力の大きさを変化させる制御とを行う構成である。この構成に代えて、エアー駆動制御装置は、ロール周面に対してタッチロールの周面を接近させて一定の大きさの押圧力で押し付ける制御動作と、ロール周面からタッチロールの周面を離隔させる動作とを行い、中芯の供給速度などに応じて押圧力の大きさを変化させる制御を行わない構成であっても良い。すなわち、エアー駆動制御装置は、ロール周面に対してタッチロールの周面を接近させたときに押圧力が一定の大きさとなる状態と、ロール周面からタッチロールの周面を離隔させたときに押圧力の大きさがゼロになる状態とを切り換える制御を行う構成であっても良い。反対に、段成形されている間、タッチロールが中芯用プレヒータロールとの間で中芯を挟持して押圧し、その押圧力の大きさが常に制御される構成であっても良い。
(3)両実施形態では、ステップS25、S126において、タッチロール66の現在の周速度と中芯用プレヒータロール621の現在の周速度とが同じか否かが、速度検出器TSS、HSSからの速度検出信号に基づいて判断される。駆動モータが、指令速度に対して応答性良く追従して速度を変化させることができれば、指令速度と実際の速度とがほぼ一致すると考えられることから、本実施形態における速度検出器を使用する構成に代えて、下位管理装置からヒータロール駆動制御装置およびタッチロール駆動制御装置にそれぞれ指令される両指令速度が同じであるか否かが判断されても良い。
(4)両実施形態では、ステップS23、S123において、中芯供給長さが所定値であるか否かが判断される。この所定値は、中芯40が、紙継ぎ検出器NCSの配置位置から、プレスロール625がライナ20および中芯40を上部段ロール622に押し付ける位置まで供給される長さである。所定値は、紙継ぎ検出器NCSの配置位置から、プレスロール625の押付位置までの長さに限定されず、タッチロール66が中芯40を中芯用プレヒータロール621に押し付ける押付位置PTより下流側の位置であれば、いずれの位置までの長さであっても良い。
(5)第1の実施形態では、ステップS6、S19において、坪量の値および中芯強化の有無について判断され、坪量が所定値以上で、強化されていない中芯についてのみ押圧制御が実行される。押圧制御が実行されるためには、坪量の値と中芯強化の有無との両者が満足される場合に限定されず、坪量が所定値以上か否かだけが判断される構成であっても良い。
(6)両実施形態では、1個のタッチロール66が中芯用プレヒータロール621のロール周面に対して押し付けられる構成である。この構成に代えて、複数のタッチロールが中芯用プレヒータロールに対してロール周面方向における同じ位置または異なる位置で押し付けられる構成であっても良い。この場合、中芯用プレヒータロールに押し付けられるタッチロールの数を異ならせることにより、中芯が中芯用プレヒータロールのロール周面に押し付けられる押圧力の大きさが制御される構成を採用することもできる。
範囲内に入る。
1 片面段ボール生産装置
3 ライナ用スプライサ
5 中芯用スプライサ
20 ライナ
40 中芯
66 タッチロール
68 エアーシリンダ
140 押圧情報メモリ
170 ヒータロール駆動制御装置
180、280 エアー駆動制御装置
190 タッチロール駆動制御装置
240 限界情報メモリ
621 中芯用プレヒータロール
622、623 一対の段ロール
624 糊付装置
PU 上流側位置
PD 下流側位置
PT 押付位置
M2 ヒータロール駆動モータ
M3 タッチロール駆動モータ
NCS 紙継ぎ検出器
HSS 速度検出器
TSS 速度検出器

Claims (13)

  1. 中芯供給装置から供給された中芯を加熱しながら搬送するために回転駆動されるプレヒータロールと、
    前記プレヒータロールにより加熱された中芯を段成形する一対の段ロールと、
    ライナ供給装置から供給されたライナと前記段成形された中芯とを貼合する貼合装置と、
    前記プレヒータロールのロール周面との間で中芯を挟持して搬送するために回転可能であり、前記ロール周面に対して回転中心が接近および離隔可能に支持された補助ロールと、
    前記ロール周面に対して前記補助ロールを押圧するための押圧力を前記補助ロールに付与する押圧機構と、
    前記押圧機構により前記補助ロールに付与される押圧力の大きさを制御する制御部とを備えた片面段ボール生産装置。
  2. 前記制御部は、少なくとも中芯の供給速度と中芯の供給方向と直交する幅方向における中芯の幅とに基づいて前記押圧力の大きさを制御する請求項1に記載の片面段ボール生産装置。
  3. 前記制御部は、中芯の供給速度が速くなるほど、前記押圧力の大きさが小さくなり、中芯の幅が大きくなるほど、前記押圧力の大きさが大きくなるように制御する請求項2に記載の片面段ボール生産装置。
  4. 前記制御部は、
    前記中芯の供給速度と前記中芯の幅とに対応して予め定められた前記押圧力の大きさに関する押圧情報を記憶する記憶部と、
    前記押圧情報に従って前記押圧機構を駆動する押圧駆動部とを有する請求項2または請求項3に記載の片面段ボール生産装置。
  5. 前記制御部は、中芯の単位面積当たりの質量が所定値より小さい中芯を段成形するときに、前記補助ロールが前記ロール周面から離隔されるように前記押圧機構を制御し、中芯の単位面積当たりの質量が所定値以上の中芯を段成形するときに、前記押圧力の大きさを制御するために前記補助ロールが前記ロール周面との間で中芯を挟持するように前記押圧機構を制御する請求項1〜4のいずれかに記載の片面段ボール生産装置。
  6. 前記補助ロールは、中芯の供給方向と直交する幅方向における中芯の幅より大きなロール幅を有し、前記プレヒータロールの直径より小さな直径を有する請求項1〜5のいずれかに記載の片面段ボール生産装置。
  7. 前記補助ロールの周面は、弾性材料により形成され、
    前記幅方向における前記補助ロールの両側部分は、中芯の両側端を越えてそれぞれ延び、
    中芯が前記プレヒータロールと前記補助ロールとの間に挟持されたときに、前記補助ロールの両側部分は前記ロール周面と接触する請求項1〜6のいずれかに記載の片面段ボール生産装置。
  8. 前記中芯供給装置から供給された中芯が前記ロール周面と接触する領域において、中芯が前記ロール周面との接触を開始する上流側位置よりも、中芯が前記ロール周面から解離する下流側位置に近い所定位置で、前記補助ロールは、前記押圧機構により前記ロール周面に対して押圧される請求項1〜7のいずれかに記載の片面段ボール生産装置。
  9. 前記プレヒータロールと前記一対の段ロールとの間の中芯供給経路は、前記ロール周面の上方に位置する領域からほぼ水平方向に延び、
    前記中芯供給装置から前記ロール周面の下方に位置する領域に供給された中芯が前記ロール周面と接触する領域において、中芯が前記ロール周面から解離して前記中芯供給経路に向かって供給される下流側位置から、前記プレヒータロールの回転中心の回りに鋭角をなす上流側の所定位置で、前記補助ロールは、前記押圧機構により前記ロール周面に対して押圧される請求項1〜8のいずれかに記載の片面段ボール生産装置。
  10. 前記一対の段ロールから独立して前記プレヒータロールを駆動するヒータ駆動制御部を備え、
    前記制御部は、前記押圧力の大きさを制御して中芯を段成形するときに前記補助ロールが前記ロール周面との間で中芯を挟持する接近状態となるように前記押圧機構を制御し、前記押圧力の大きさを制御しないで中芯を段成形するときに前記補助ロールが前記ロール周面から離れる離隔状態となるように前記押圧機構を制御し、
    前記ライナ供給装置から供給されるライナの供給長さに対する前記中芯供給装置から供給される中芯の供給長さの比率である段繰り率が前記接近および離隔の両状態において同じである場合に、前記補助ロールが前記接近状態にあるときの前記プレヒータロールの回転速度が、前記補助ロールが前記離隔状態にあるときの前記プレヒータロールの回転速度よりも低くなるように、前記ヒータ駆動制御部は、前記プレヒータロールを駆動する請求項1〜9のいずれかに記載の片面段ボール生産装置。
  11. 前記制御部は、前記押圧力の大きさを制御するときに前記補助ロールが前記ロール周面との間で中芯を挟持するように前記押圧機構を制御し、前記押圧力の大きさを制御しないときに前記補助ロールが前記ロール周面から離隔されるように前記押圧機構を制御し、
    前記補助ロールが前記ロール周面から離隔されているときに、前記補助ロールが所定の周速度で回転するように前記補助ロールを駆動する補助駆動制御部を備える請求項1〜10のいずれかに記載の片面段ボール生産装置。
  12. 前記補助駆動制御部は、前記補助ロールが前記プレヒータロールと同じ周速度で回転するように前記補助ロールを駆動する請求項11に記載の片面段ボール生産装置。
  13. 前記中芯供給装置により中芯が継ぎ合わされた紙継ぎ部分が、前記補助ロールが前記プレヒータロールとの間で中芯を挟持する位置に基づいて予め決められた所定の位置に到達したことを検出する到達検出部と、
    前記補助ロールが前記プレヒータロールと同じ周速度まで前記補助駆動制御部により加速されたことを検出する速度検出部とを備え、
    前記制御部は、前記到達検出部により前記紙継ぎ部分が所定の位置に到達したことが検出され、且つ前記速度検出部により前記補助ロールが前記プレヒータロールと同じ周速度に達したことが検出されたときに、前記補助ロールが前記ロール周面との間で中芯を挟持するように前記押圧機構を制御する請求項12に記載の片面段ボール生産装置。
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JP2019043062A (ja) * 2017-09-04 2019-03-22 株式会社Isowa シングルフェーサ

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