JP2010213990A - 連結クリップパッケージ及びクリップ装填方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】操作ワイヤと連発式のクリップユニットの連結時に生じる、クリップの変形、クリップ同士の連結不良を防止する。
【解決手段】装填に際しては、クリップケース81に収容された連結クリップユニット13が、装填治具82のスカート閉じ通路88に送り込まれる。連結クリップユニット13は、後端に連結部材48を備える。連結クリップユニット13の中心軸とシース11の中心軸をほぼ直交させた状態で、シース11の先端を、連結部材48の軸回りの周面に対向させる。この状態で、シース11の先端から突出させた操作ワイヤ12のフック57を押し込んで連結部材48に係合させる。そして、フックが係合した状態で、連結クリップユニット13の中心軸とシース11の中心軸が一致する同軸位置に向けて、シースを回転させ、同軸位置において収容ユニットから連結クリップユニット13をシース11に引き込む。
【選択図】図12

Description

本発明は、複数のクリップが連結されたクリップユニットと、クリップユニットを収容する収容ユニットとからなる連結クリップパッケージ、及び操作ハンドルのシースにクリップユニットを装填するクリップ装填方法に関する。
クリップ処置具(操作ハンドル)は、内視鏡の鉗子チャンネルを通じて生体内に挿入され、その先端からクリップを突出させ、出血部や病変組織を除去した部位といった患部をクリップで挟み、止血や傷口の閉塞等を行うクリップ処置に用いられる。特許文献1には、クリップとクリップの後端と係合する連結部材とからなるクリップユニットを用い、このクリップユニットをケースに収容した状態でシースに挿通された操作ワイヤと連結させて、クリップユニットをシースに装填する方法が記載されている。操作ワイヤの先端にはクリップユニットの連結部材と連結するフックが設けられている。
連結部材の後端部には、操作ワイヤのフックを挟み込んで、フックと係合する一対の弾性アームが設けられている。操作ワイヤと連結部材を連結させる際には、クリップユニットの中心軸とシースの中心軸を一致させた状態で、シースの先端から突出する操作ワイヤのフックを、弾性アームの自由端となる後端に突き当てる。そして、クリップユニットの軸方向に沿ってフックを前進させて、一対の弾性アームの隙間に押し込むことにより、フックと弾性アームを係合させる。フックが押し込まれると、一対の弾性アームは、弾性変形し、一対の弾性アームの隙間は、フックの外径の大きさまで押し広げられる。フックが適切な係合位置まで押し込まれると、一対の弾性アームは弾性変形が終了し初期状態に復帰し、フックとクリップユニットの連結が完了する。フックとクリップユニットの連結が完了すると、操作ワイヤが牽引されて、フックと連結されたクリップユニットがシース内に装填される。
特許文献1のクリップ処置具は、クリップ処置を行うごとに新たなクリップの装填を行わなければならない単発式クリップ処置具である。この欠点を解消するため、連続的なクリップ処置を可能にした連発式クリップ処置具が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特許文献2の連発式クリップ処置具は、クリップの後端部分に、そのクリップの後方に配された別のクリップの先端の爪部を係合させることにより、複数のクリップを連結させ、これを円筒状のシース内に装填している。そして、シースの牽引操作により、シースの先端からクリップを1つずつ送り出し、最後尾のクリップに連結された操作ワイヤの牽引操作により、先頭のクリップを閉じてクリップ処置を行えるようにしている。
連発式クリップ処置具では、複数のクリップを連結させた状態でシースに装填しなければならない。しかし、ユーザが各クリップを1つ1つ連結させながらシースに装填するのは難しく、装填に時間を要するという問題がある。
特開2002−191609号公報 特開2006−187391号公報
そこで、本出願人は、複数のクリップを予め連結状態とした連発式のクリップユニットを作成し、これをケースに収容して提供することを検討している。連発式のクリップユニットには、単発式のクリップユニットと同様に、後端に操作ワイヤのフックと連結するための連結部材が設けられる。しかしながら、このような連発式のクリップユニットにおいては、上記特許文献1記載の単発式のクリップユニットとフックの連結方法のように、クリップユニットの軸方向に沿ってフックを連結部材に押し込むという方法で連結を行うと、以下のような問題が生じることが懸念されている。
連結部材の後端にフックを突き当てて、クリップユニットの軸方向にフックの押し込みを行う場合、フックの先端の突き当て位置が適切な位置から外れると、フックの押し込み力が作用する位置や方向がずれて、連結部材の前方に接続されたクリップに対して無用な力が伝わってしまう。クリップは、非常に薄い板状の金属で形成されているので、不適切な方向から外力が加わると簡単に変形してしまう。また、連発式のクリップユニットの場合には、複数のクリップが1列に連結されているので、フックの押し込み力が不適切な位置や方向から作用すると、クリップの変形に加えて、クリップ同士の連結不良を招くおそれもあるため、特に問題となる。
本発明の目的は、操作ワイヤと連発式のクリップユニットの連結時に生じる、クリップの変形、クリップ同士の連結不良を防止することにある。
本発明の連結クリップパッケージは、複数のクリップが1列に並べられて連結されたクリップユニットであり、操作ハンドルのシースに挿通された操作ワイヤのフックと連結される連結部材が後端に配されたクリップユニットと、前記クリップユニットが収容され、後端から前記クリップユニットを前記シースに向けて引き出し可能な収容部を有する収容ユニットと、前記収容ユニットの後端に設けられ、前記収容部に収容されたクリップユニットの中心軸とシースの中心軸とをほぼ直交させた状態で、シースの先端を連結部材にアクセスさせるための連結用開口と、前記連結部材に設けられ、シースの先端から突出した操作ワイヤのフックが押し込まれて係合し、フックが係合した状態で、クリップユニットの中心軸とシースの中心軸とが一致する同軸位置に向けて、シースを回転させることが可能な連結部と、前記収容ユニットに設けられ、フックが連結部に押し込まれたときに、フックの押し込み力を受ける連結部材を背面から支持する支持部とを備えたことを特徴とする。
前記収容ユニットには、連結用開口に進入するシースと係合して、シースの回転方向をガイドするガイド部が設けられていることが好ましい。
ガイド部は、シースの回転をガイドする回転ガイド部と、回転ガイド部に沿った回転が終了し同軸位置に達したシースの先端が収容部の後端に突き当てられるように、シースの直進をガイドする直進ガイド部とを有することが好ましい。
ガイド部は、さらに、連結用開口に進入するシースを、前記連結部にフックを押し込む押し込み位置に向けてガイドする挿入部を有することが好ましい。
前記連結部は、後端が自由端である一対の弾性アームであり、一対の弾性アームによってフックを挟み込んで係合することが好ましい。
前記一対の弾性アームは、フックを挟み込む第1凹部と、第1凹部の後端に連接され、第1凹部よりも小径の第2凹部とを有することが好ましい。
前記一対の弾性アームには、フックを第1凹部へ誘い込むための傾斜面が形成されていることが好ましい。
さらに、前記収容ユニットとは別に、前記クリップユニットを収容し保管するためのケースを備えており、前記収容ユニットは、クリップユニットをシースへ装填する際に、前記ケースから引き出されたクリップユニットを一時的に収容する装填治具であることが好ましい。
また、前記収容ユニットを、前記クリップユニットを収容し保管するためのケースとし、クリップユニットをシースへ装填する際には、クリップユニットは、前記ケースからシースへ直接装填されるようにしてもよい。
本発明のクリップ装填方法は、複数のクリップが1列に並べられて連結されたクリップユニットであり、操作ハンドルのシースに挿通された操作ワイヤのフックと連結される連結部材が後端に配されたクリップユニットを、操作ハンドルのシースに装填するクリップ装填方法において、収容ユニットに収容されたクリップユニットの中心軸とシースの中心軸とを直交させた状態で、収容ユニットに設けられた連結用開口を通じて、シースの先端を前記連結部材にアクセスさせ、操作ワイヤのフックを突き出して前記連結部材に押し込むことにより、フックと連結部材を係合させる工程と、フックを係合させた状態で、クリップユニットの中心軸とシースの中心軸とが一致する同軸位置に向けて、シースを回転させる工程と、操作ワイヤをシースに対して牽引して、前記クリップユニットを収容ユニットからシースへ引き込む工程とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、収容ユニットに収容されたクリップユニットの中心軸とシースの中心軸をほぼ直交させた状態で、クリップユニットの連結部材に対して、シースの先端から突出させた操作ワイヤのフックを押し込んで係合させる。そして、フックが係合した状態で、クリップユニットの中心軸とシースの中心軸が一致する同軸位置に向けて、シースを回転させ、同軸位置においてクリップユニットが収容ユニットからシースに引き込まれる。フックの押し込み力を、クリップユニットの中心軸とほぼ直交する方向に作用させることができるので、クリップユニットのクリップの変形やクリップ同士の連結不良を防止することができる。
連発式クリップシステムの一例を示す斜視図である。 連発式操作ハンドルのシース先端側の断面図である。 クリップ及び連結リングの斜視図である。 連結リングの断面図である。 最後尾の止血クリップ体と、連結用クリップ体、操作ワイヤの連結状態を示す斜視図である。 連発式操作ハンドルのクリップ処置操作における段階的な状態を示す部分断面図である。 連結クリップパッケージの斜視図である。 装填治具及びシースの斜視図である。 連結クリップパッケージの断面図である。 連結クリップパッケージの分解斜視図ある。 連結クリップユニット分解斜視図、及びクリップケース、クリップ引込み部材の斜視図である。 クリップケースから装填治具に連結クリップユニットを引き込み、装填治具からクリップケースを抜き取った状態を示す断面図である。 シース等を装填治具に保持させ、連結クリップユニットと操作ワイヤとを連結させた状態を示す断面図である。 シースを装填治具に挿入し、装填治具からシース内に連結クリップユニットを引き込んだ状態を示す断面図である。 装填治具とシースとの位置関係を示す説明図である。 クリップシースを収容ユニットに適用した一例の斜視図である。 クリップケースを収容ユニットに適用した一例の構成を示す分解斜視図である。 シースをクリップケースに対して軸回りに回転し、スカート部が閉じられて連結クリップユニットの移動を妨げない状態を示す断面図である。
以下、本発明の連発式クリップシステムについて説明する。図1に示すように、連発式クリップシステム2は、連発式操作ハンドル(以下、操作ハンドルと呼ぶ)10と、連結クリップパッケージ80とからなる。連結クリップパッケージ80は、クリップケース81と、装填治具82とを備えている。クリップケース81は、図2に示す複数のクリップを連結した連結クリップユニット13を収容して保持するクリップホルダとしての機能を有している。装填治具82は、連結クリップパッケージ80の本体であり、クリップケース81から連結クリップユニット13を引き込んで操作ハンドル10に装填可能な状態にし、操作ハンドル10に連結クリップユニット13を装填させるための治具としての機能を有している。
操作ハンドル10は、装填治具82から連結クリップユニット13が装填される円筒状のシース11と、シース11内に挿通され、連結クリップユニットの後端に連結される操作ワイヤ12と、シース11と操作ワイヤ12との牽引操作に用いる操作部14を備えている。
図2に示すように、連結クリップユニット13は、1列に連結された複数個の止血クリップ体17(17A〜17C)と、最後尾の止血クリップ体17Cに連結された連結用クリップ体18から構成されている。止血クリップ体17は、クリップ19(19A〜19C)と、クリップ19の外側に装着された筒状の連結リング20(20A〜20C)とを備えている。
図3に示すように、クリップ19は、一枚の細長い板を180度湾曲させて閉塞端を作った後、その両片を交差させ、かつ2つの開放端が対向するように屈曲させて爪部23,23を形成している。クリップ19は、細長い板を交差させた交差部24を境にして、開放端側が腕部25,25であり、閉塞端側がターン部26である。腕部25,25の中央部分には、部分的に広幅とされた凸部27,27が形成されている。
腕部25,25は、外力が加えられていないときに、爪部23,23が離れた開放状態となり、互いに接近するように弾性変形したときに爪部23,23が噛合し、クリップ処置の対象となる患部を挟む閉じ状態となる。爪部23,23は、患部を確実に挟むために、V字のオス型とメス型に形成されている。クリップ19には、生体適合性のある金属を用いることができ、例えば、ばね用ステンレス鋼であるSUS631を用いることができる。
筒状部材である連結リング20は、略円筒形状であり、先端側に配された金属製の締付部30と、後端側に配されたプラスチック製の保持部31とを備えている。止血クリップ体17は、締付部30に形成された締付穴30aに、クリップ19がターン部26側から挿入され、連結リング20がクリップ19の外側に装着されることにより形成される。締付部30は、交差部24の外周を覆う初期位置にセットされ、クリップ19の腕部25,25は、開いた状態となる。
締付穴30aは、クリップ19が連結リング20内に引き込まれたときに、腕部25,25を締め付けて爪部23,23を閉じる。爪部23,23は、腕部25,25が締め付けられることにより、所定の噛合力を発揮する。締付穴30aの径は、クリップ19の凸部27の幅よりも小さいので、クリップ19の凸部27から先は連結リング20内に挿入されない。
図4に示すように、保持部31には、締付穴30aに連なる保持穴31aが形成されている。締付穴30aから挿入されたターン部26は、保持穴31a内に収容される。保持部31の外周面には、中心軸に対して対称に、2つのスカート部38,38が形成されている。スカート部38,38は、保持部31の先端側から後端側に向かって半径方向に広がるように形成されており、外力が加えられていないときに自身の弾性で開き、外側から押されたときに保持部31内に入り込むようにして閉じる。
連結リング20は、爪部23,23の開閉方向と、スカート部38,38の開閉方向とが90°ずれるように、クリップ19の外側に装着される。スカート部38,38は、連結クリップユニット13がシース11内に装填されて閉じたときに、保持穴31a内に収容されているターン部26を挟み込み、連結リング20をクリップ19と一体化させる。
複数個の止血クリップ体17は、前方に配されているクリップ19のターン部26に後方のクリップ19の爪部23,23を係合することによって1列に連結している。連結リング20は、後方のクリップ19の爪部23,23の外側を覆い、爪部23,23が開かないようにして、クリップ19の連結を維持する。クリップ19の凸部27は、保持穴31aの径よりも大きな幅寸法を有しており、連結リング20の後方に配されたときに、その連結リング20の後端に当接する。これにより、連結リング20は、上述した初期位置から、連結クリップユニット13の後端側への移動が規制される。
連結リング20の後端部44、すなわち、スカート部38よりも後方部分には、周方向においてスカート部38,38から90°ずれた2箇所に、スリット44a,44aが形成されている。スリット44a,44aは、連結リング20の軸方向に沿って形成されており、後端部44が弾性変形してその内径が広がるようになっている。このスリット44aは、内視鏡の湾曲に合わせて連結クリップユニット13が湾曲するように、連結リング20のフレキシブル性を向上させる。また、スリット44aによって、後端部44の内径が広がるため、組立時において、2つのクリップ19の係合作業が行いやすい。
保持部31には、生体適合性があり、かつ、スカート部38に要求される弾性および剛性を満たす材料が用いられる。このような保持部31の材料としては、例えば、PPSU(ポリフェニルサルホン、polyphenylsulfone)が用いられる。
図2に示すように、連結クリップユニット13は、先頭のクリップ19Aのターン部26に次のクリップ19Bの爪部23,23が係合し、その係合部分を連結リング20Aが保持している。連結リング20A(その第2及び第3領域35,36)の内壁によって、クリップ19Bの爪部23,23は閉じた状態に保持されている。これにより、クリップ19Aとクリップ19Bの連結状態が維持される。同様に、クリップ19Bとクリップ19Cとの連結状態は、連結リング20Bによって維持される。また、クリップ19Cと連結用クリップ体18との連結状態は、連結リング20Cによって維持される。
図5に示すように、連結用クリップ体18は、最後尾のクリップ19Cのターン部26に係合するダミークリップ47と、ダミークリップ47を保持する連結部材48とから構成されている。ダミークリップ47は、金属製の薄板を屈曲して形成されており、ターン部26と係合する爪部47b,47bと、連結リング20Cの後端に当接する凸部47a,47aを有している。爪部47b,47bは、クリップ19と同様に、外力が加えられていないときに自身の弾性で開き、外側から押されたときに弾性変形して閉じる。
連結部材48は、プラスチックで形成された略円柱形状であり、連結リング20と同程度の外径を有している。連結部材48の後端側には、操作ワイヤ12と連結するための連結部52が設けられている。
連結部52は、後端が自由端となる一対の弾性アーム53,53で構成される。一対の弾性アーム53,53は、連結部材48の半径方向において弾性自在に形成されており、操作ワイヤ12のフック57と係合する。
操作ワイヤ12は、生体適合性を有する金属で形成された金属ワイヤであり、シース11に挿通される。フック57は、操作ワイヤ12の先端に取り付けられた前フック58と、前フック58の後方に間隔を空けて設けられた後フック59とを備えている。前フック58は、先端が先細の略砲弾形状をしている。後フック59は、先端から後端に向けて径が小さくなる逆円錐径をしている。前フック58と後フック59の間には、前フック58、59よりも小径の操作ワイヤ12の軸が配設されている。フック57は、シース11の先端から突出可能である。
弾性アーム53,53には、前フック58を受け入れてこれを挟み込む凹部(第1凹部に相当する)53a,53aが形成されている。凹部53a,53aは、前フック58の形状に対応した略砲弾形状をしている。後述するように、前フック58は、凹部53a,53aと係合した状態で、回転する。凹部53a,53aは、その内部で前フック58を回転させることが可能な大きさを有している。
また、弾性アーム53,53には、凹部53a,53aの後端に連接される溝54a,54a(第2凹部に相当する)が形成された一対の挟持部54,54が設けられている。一対の挟持部54,54は、前フック58と後フック59の間の軸を溝54a,54aに受け入れてこれを挟み込むためのもので、溝54a,54aは、前フック58を受け入れる凹部53a,53aよりも小径になっている。
前フック58が凹部53a,53aに、前フック58,後フック59の間の軸が溝54a,54aにそれぞれ収容されると、フック57と連結部材48の連結が完了する。溝54a,54aの軸方向の長さは、前フック58と後フック59の間の軸の長さとほぼ同じ長さであり、連結が完了した状態では、前フック58の後端と後フック59の前端が、挟持部54,54の前後の各端面にそれぞれ当接する。これにより、操作ワイヤ12を押し引きすると、前フック58と後フック59のそれぞれの端面と一対の挟持部54,54の端面を通じて、操作ワイヤ12の操作力が連結部材48に伝達される。また、操作ワイヤ12の軸を回転させると、前フック58及び後フック59と、弾性アーム53,53との摩擦力によって操作ワイヤ12の回転力が連結部材48に伝達される。
また、後述するように、フック57の連結部材48への押し込みは、連結クリップユニット13の中心軸とシース11の中心軸とを略直交させた状態で行われる。この状態で、シース11からフック57を突出させて、前フック58を弾性アーム53,53に形成された凹部53a,53aに向けて押し込む。このため、弾性アーム53,53の軸回りの周面には、前フック58を凹部53a,53aに、前フック58と後フック59の軸を溝54a,54aに、それぞれ誘い込むための傾斜面55,55が形成されている。
シース11は、先端のパイプ部11aと、このパイプ部11aに接続された可撓性シース部11bとを備える。可撓性シース部11bは、例えば、金属ワイヤを密着巻きした可撓性を有するコイルシースからなる。シース11の内径は、先のクリップ19のターン部26と、次のクリップ19の爪部23,23との係合が解除される寸法である。すなわち、シース11の内径は、2つの爪部23,23の長さと、ターン部26の爪部23,23が係合する部分の幅とを足し合わせた長さよりも大きい。
パイプ部11aは、2つの凸部56,56を有する。凸部56,56は、シース11の中心軸に対して互いに線対称な位置に配され、軸方向と直交する方向に突出するように形成されている。凸部56,56は、後述するように、連結クリップユニット13を装填治具82からシース11に装填する際に、装填治具82と係合する。
図1に示すように、操作部14は、シース11と操作ワイヤ12とをそれぞれ牽引するシース操作部63と、ワイヤ操作部62とを有している。シース操作部63は、略円筒形状であり、先端に可撓性シース部11bの後端が固定されている。シース操作部63は、ワイヤ操作部62の先端に設けられたパイプ64の外側にスライド自在に装着されており、パイプ64に沿ってワイヤ操作部62側にスライドすることにより、シース11が操作ワイヤ12に対して後端側に牽引される。符合69は、シース11が操作ワイヤ12に対して後退するときに、その後退量を術者に対して触知させるためのノッチである。ノッチ69の間隔は、連結クリップユニット13のクリップ19を、1つずつシース11から押し出すための後退量に対応して設定されている。
ワイヤ操作部62は、略円筒形状であり、スライド自在な操作レバー66を内蔵した貫通窓65を有している。操作ワイヤ12は、シース操作部63内を通って、操作レバー66に後端が係止されている。操作レバー66をスライドすると、連結リング20によるクリップ19の締め付けに必要な量だけ、操作ワイヤ12がシース11に対して牽引される。
次に、操作ハンドル10の作用について、簡単に説明する。図6(A)に示すように、連結クリップユニット13は、先頭のクリップ19Aの先端がシース11の先端に一致するようにシース11内に装填されている。シース11は、生体内に挿入された内視鏡の鉗子チャンネルに挿入される。シース11の先端は、内視鏡先端の鉗子出口から突出して患部に近付けられる。
シース操作部63を所定量だけ牽引すると、シース11が操作ワイヤ12に対して、所定量だけ後退する。操作ワイヤ12と連結クリップユニット13は連結されているので、連結クリップユニット13がシース11に対して前進し、シース11の先端から、先頭のクリップ19Aと連結リング20Aとが送り出される。
この際に、シース11の内壁面と接触している連結リング20A〜20Cに対しては、シース11との間に生じる摩擦力によって、シース11とともに後端側へ移動する力が働く。しかし、連結リング20A〜20Cは、閉じたスカート部38,38によってクリップ19A〜19Cと一体化されており、また、後方のクリップ19B,19Cの凸部27と、ダミークリップ47の凸部47aとにより後端側への移動が規制されている。このため、連結リング20A〜20Cが後退することはなく、クリップ19A〜19Cとともにシース11に対して前進する。
シース11から出たクリップ19Aは、自身の弾性による爪部23,23を開く(図2(B)に示す状態)、また、図2(A)に示すように、連結リング20Aは、スカート部38,38がシース11の内径よりも広幅に開き、連結リング20Aがシース11内に戻らないように係合する。
操作ハンドル10を移動させて、開放状態にあるクリップ19Aの爪部23,23を患部に押し付ける。この状態で、ワイヤ操作部62の操作レバー66を引くと、操作ワイヤ12が所定量だけ引っ張られ、連結用クリップ体18から順に係合している全クリップ19A〜19Cが、一様に引っ張られる。
図6(B)に示すように、シース11から送りだされたクリップ19Aは、連結リング20Aのスカート部38,38が開いているので、スカート部38,38による押圧保持が解除されている。また、連結リング20Aは、スカート部38,38によりシース11内への後退が阻止されている。そのため、先頭のクリップ19Aは、操作ワイヤ12が引かれることにより、連結リング20Aに対して後退する。締付部30がクリップ19Aの凸部27の直下まで押し込まれることにより、連結リング20Aによるクリップ19Aの締め付けが完了する。
クリップ19Aの締め付け完了と同時に、クリップ19Aと次のクリップ19Bの係合部が連結リング20Aの後端から抜け出る。クリップ19Bの腕部25,25は、自身の弾性力によってシース11の内壁に当たるまで拡開し、爪部23,23の間がクリップ19Aのターン部26の幅よりも広く開いて、クリップ19Aとクリップ19Bとの連結が解除される。図6(C)に示すように、シース11の先端を患部から離すと、止血クリップ体17Aがシース11の先端から抜け出る。
操作レバー66の牽引操作をやめると、操作レバー66は図示しないバネの付勢力によって元の位置に復帰する。これにともない、操作ワイヤ12がシース11内で先端側に移動し、連結用クリップ体18、クリップ19B,19Cが押されるので、2発目のクリップ19Bの先端は、シース11の先端にほぼ一致する位置に移動する。以降、一発目の止血クリップ体17Aと同様に、操作部14を操作して、2発目、3発目の止血クリップ体17B,17Cでクリップ処置を行うことができる。
次に、図7〜図10を参照しながら、連結クリップパッケージ80について説明する。装填治具82には、クリップケース81から装填治具82内に連結クリップユニット13を引き込む際に連結クリップユニット13をガイドするクリップ列ガイド部材であるクリップ引き込み部材83が組み込まれている。
クリップケース81は、内側に円柱状の空間であるクリップ収容部87が設けられている。クリップケース81の外径、及びクリップ収容部87の内径は、シース11の外径及び内径とほぼ同じである。クリップ収容部87内には、先頭のクリップ19Aがクリップケース81の先端側(装填治具82側)に配されるように連結クリップユニット13が収容されている。
装填治具82は、クリップケース81から引き込まれた連結クリップユニット13の各スカート部38を閉じ、シース11内に連結クリップユニット13を装填するための治具である。この装填治具82は、内側にスカート閉じ通路88と、ケース接続部89とが形成されている。スカート閉じ通路88は、連結クリップユニット13を収容する円柱状の空間であり、連結クリップユニット13を後端から引き込み及び引き出し可能とする。
図8に示すように、装填治具82の後端部は、クリップケース81の先端が接続されるケース接続部89となっている。ケース接続部89は、円弧状の上部から下方に向けて、一対の板状の舌片90が突き出した形状をしており、内部には、スカート閉じ通路88に連続する、断面が略U字型をした凹部が形成される。この凹部の内径は、クリップケース81及びシース11の外径よりもわずかに大きい。クリップケース81からスカート閉じ通路88に引き込まれた連結クリップユニット13は、連結部材48がケース接続部89の位置で停止する。
連結クリップユニット13をスカート閉じ通路88に移送した後は、クリップケース81は、ケース接続部89から抜き取られる。ケース接続部89の下端は、シース11の先端を連結部材48にアクセスさせるための連結用開口91となっている。クリップケース81がケース接続部89から抜き取られると、連結用開口91から連結部材48の軸回りの周面が露呈される。また、ケース接続部89の上部内周面は、下端の連結用開口91と対面する位置に配置されており、フック57からの押し込み力を受ける連結部材48を背面から支持する支持部として機能する。
ケース接続部89の両側の舌片90には、シース11の凸部56,56と嵌合して、シース11の進行方向をガイドするガイド部が設けられている。ガイド部は、挿入溝92、回転ガイド溝93、直進ガイド溝94からなる。挿入溝92は、装填治具82の舌片90の後端からスカート閉じ通路88の軸方向に沿って前方に延びるように形成された溝であり、シース11を連結用開口91に挿入させる挿入口となる。挿入溝92は、連結用開口91に進入したシース11の先端が、フック57を連結部材48に押し込むための押し込み位置(図12(B)参照)に到達するように、シース11をガイドする。押し込み位置では、シース11の中心軸と連結クリップユニット13の中心軸とが直交する状態で、シース11の先端が弾性アーム53,53の軸回りの周面と対面する。
回転ガイド溝93は、一端側が挿入溝92に連続する円弧状をしたガイドである。回転ガイド溝93は、フック57と連結部材48が係合した状態で、押し込み位置にあるシース11を回転させて、シース11の中心軸と連結クリップユニット13の中心軸とが一致する同軸位置(図13(B)参照)に向かうように、シース11をガイドする。同軸位置においては、シース11の先端がケース接続部89の凹部に収容される。
直進ガイド溝94は、回転ガイド溝93の他端側と連続し、スカート閉じ通路88に収容された連結クリップユニット13の中心軸に沿って前方に延びるように形成されている。直進ガイド溝94は、回転ガイド溝93に沿った回転が終了し同軸位置に達したシース11の前進をガイドする。直進ガイド溝94に沿ってシース11を前進させると、シース11の先端がケース接続部89の奥へ進入して、スカート閉じ通路88の後端に突き当てられる。
ケース接続部89の上部には、回転規制溝95,95が形成されている。クリップケース81の先端には、左右方向に突出したリブ116、116が設けられており、クリップケース81の先端がケース接続部89に挿入されるときに、回転規制溝95,95とリブ116、116(図7参照)が係合する。これにより、クリップケース81の軸回りの回転が規制される。
図9に示すように、スカート閉じ通路88は、シース11及びクリップ収容部87と同じ内径を有する。スカート閉じ通路88は、クリップケース81又はシース11がケース接続部89に接続されたときに、スカート閉じ通路88の中心軸と、クリップケース81又はシース11の中心軸が一致するように形成されており、スカート閉じ通路88の内径面がケース接続部89に挿入されたクリップケース81及びシース11の内径面と連接する。スカート閉じ通路88は、クリップ収容部87から引き込まれた連結クリップユニット13の各スカート部38を内径面によって押して閉じる。
図10及び図11に示すように、クリップ引き込み部材83は、装填治具82の長手方向の他端部側から外に突出された略楕円形の牽引部98と、牽引部98が一端に設けられた挿通部99と、挿通部99の他端に設けられた係合部100とを備えている。挿通部99は、スカート閉じ通路88を貫通する長さを有した棒状体であり、スカート閉じ通路88に挿通される。係合部100は、クリップ収容部87に挿入され、先頭のクリップ19Aと係合している。
挿通部99は、スカート閉じ通路88に挿入されており、牽引部98は、スカート閉じ通路88の端部に形成された牽引穴(図12〜14の符号103参照)を通して装填治具82の外に突出される。連結クリップユニット13は、牽引部98が装填治具82に対して牽引されたときに、係合部100により先頭のクリップ19Aが引っ張られ、クリップ収容部87からスカート閉じ通路88内に引き込まれる。
クリップ引き込み部材83の挿通部99は、ケース接続部89の反対側に位置する牽引穴103(図12〜14参照)に挿通される。図11に示すように、挿通部99の係合部100側の端部には、側面を貫通するようにスリット99aが設けられている。スリット99aの上下には、牽引部98から係合部100に向かって広がる逆止突起99bが設けられている。逆止突起99bは、挿通部99がスリット99a部分で弾性変形することにより、牽引穴103から装填治具82の外に飛び出る。逆止突起99bは、挿通部99が再びスカート閉じ通路88内に戻らないように、挿通部99を係止する。
係合部100は、略矩形柱状の係合片100aと、係合片100aの前端部及び挿通部99の後端部の間に位置する抜け止め部100bとからなる。係合片100aは、爪部23,23が係合する係合穴100c,100cが形成されている。抜け止め部100bは、クリップ収容部87の内径に合わせた外径となるように形成され、クリップ19Aが係合部100の前方へ離脱することを規制する。
係合部100は、連結クリップユニット13とともにクリップケース81のクリップ収容部87に収容されている。先頭のクリップ19Aは、クリップ収容部87に押されて閉じ状態となり、爪部23,23を係合穴100c,100cに係合している。牽引部98を装填治具82に対して牽引すると、挿通部99は、スカート閉じ通路88内を移動し、係合部100がクリップ収容部87からスカート閉じ通路88内に移動する。
連結クリップユニット13は、係合部100に引っ張られてスカート閉じ通路88内に引き込まれる。スカート閉じ通路88の牽引穴103近傍には、左右方向に張り出した解除溝104(図12〜14参照)が形成されている。この解除溝104を形成するために、装填治具82の前端部分は、図7及び図10に示すように、左右方向に幅広な形状となっている。解除溝104の左右方向は、先頭のクリップ19Aの腕部25,25が、クリップ引き込み部材83の係合部100との係合を解除する程度まで開くことができる幅寸法を有している。解除溝104は、連結用クリップ体18の連結部52が、連結用開口91に対面する位置に到達したときに、先頭のクリップ19Aが解除溝104内に到達するように配置されている。
先頭のクリップ19Aは、解除溝104内に到達すると自身の弾性によって開放状態に変位し、係合部100との係合を解除する。これにより、連結クリップユニット13は、連結用クリップ体18の連結部52が、連結用開口91に対面するように、スカート閉じ通路88の後部で停止される。
なお、止血クリップ体17は、爪部23,23の開閉方向と、スカート部38,38の開閉方向とが90°ずれているので、先頭のクリップ19Aが解除溝104内にあるときでも、先頭の連結リング20Aのスカート部38,38が開くことはない。
クリップ引き込み部材83を構成する牽引部98、挿通部99、係合部100は、例えば、適度な弾性を有するプラスチックによって一体に形成されている。なお、挿通部99と係合部100とを別体で形成し、装填治具82内で連結させてもよい。
クリップケース81は、半円筒形状の下ケース111と上ケース112とを互いに接合して形成されている。下ケース111及び上ケース112には、両者が接合されたときに円筒形状のクリップ収容部87を構成する、半円形の収容凹部111a,112aがそれぞれ設けられている。クリップ収容部87は、先頭のクリップ19Aが収容される先端側、連結用クリップ体18が収容される後端側ともに開口となっている。クリップ収容部87の先端側の開口は、連結クリップユニット13をその先頭側からクリップ収容部87の外に送り出す送出口である。
図11に示すように、上ケース112には、上記回転規制溝95と係合するリブ116,116が設けられている。リブ116,116は、上ケース112と一体に形成されている。リブ116,116は、上ケース112の先端から左右方向へ突出しており、その形状は、矩形の板状をしている。
クリップケース81は、クリップ収容部87内に収容した連結クリップユニット13をクリップケース81の外側から視認できるように、例えば、透明なプラスチックで形成されている。下ケース111と上ケース112との接合には、例えば、接着剤を用いた接着、あるいは超音波等を用いた溶着、係合爪による係合等を用いることができる。また、下ケース111と上ケース112とを合せた状態で、外周に透明なプラスチックフイルムを巻き付けてもよい。
連結クリップユニット13は、先頭のクリップ19Aの爪部23,23が水平方向で開閉するように、クリップ収容部87に収容される。クリップ19Aは、クリップ収容部87の内壁に押されて閉じ状態となる。上述のとおり、止血クリップ体17A〜17Cは、爪部23,23の開閉方向が交互に90°回転するように連結し、爪部23,23とスカート部38,38との開閉方向も90°ずれている。よって、連結リング20A,20Cは、スカート部38が上下方向で開閉し、連結リング20Bは、スカート部38が左右方向で開閉する。
下ケース111と上ケース112には、連結リング20A,20Cのスカート部38を開いた状態で収容するスカート用開口114が形成されている。また、下ケース111と上ケース112との合せ目には、両者が接合されたときに、連結リング20Bのスカート部38を収容するスカート用開口となる切欠115がそれぞれ形成されている。これにより、ケース81内でスカート部38が閉じ方向に押された状態で保管されることによる、スカート部38の開き方向への復元力(弾性力)の低下を防止することができる。なお、開口に代えて、凹部を設けてもよい。
装填治具82は、連結クリップユニット13、ケース81、クリップ引き込み部材83、等が外側から視認できるように、例えば、透明なプラスチックで形成されている。
図12〜15を参照して、連結クリップパッケージ80から、シース11に連結クリップユニット13を装填する方法について説明する。まず、連結クリップユニット13の装填作業をする前、未使用状態の連結クリップパッケージ80では、装填治具82のケース接続部89に、クリップケース81の先端が接続されている。この状態では、図8に示すように、クリップケース81のリブ116,116が回転規制溝95,95の奥まで係合されており、クリップケース81の回転が規制されている。また、この状態では、連結クリップユニット13とクリップ引き込み部材83が係合している。
次に、クリップケース81と装填治具82とが一緒に保持された状態で、牽引部98が牽引されて、装填治具82に対してクリップ引き込み部材83が引っ張られる。このとき、例えばケース接続部89周辺を指で掴んでクリップケース81を装填治具82に固定しておくと、クリップ引き込み部材83の移動につられて、装填治具82やクリップケース81が動いてしまうことがない。牽引部98が牽引されると、挿通部99は、装填治具82から引き出され、係合部100がこれに追随してスカート閉じ通路88に移動する。連結クリップユニット13は、係合部100に引っ張られてクリップ収容部87からスカート閉じ通路88に引き込まれる。
図12(A)に示すように、スカート閉じ通路88内に引き込まれた連結クリップユニット13は、各連結リング20の各スカート部38がスカート閉じ通路88の内壁に押されて閉じていく。先頭のクリップ19Aが解除溝104に到達すると、クリップ19Aの腕部25,25が解放状態となり、爪部23,23と係合部100との係合が解除される。連結クリップユニット13は、スカート閉じ通路88内の所定位置で停止する。この停止位置では、連結用クリップ体18の連結部材48が、連結用開口91に対応する位置に到達する。クリップ引き込み部材83は、逆止突起99bが装填治具82の外に突き出るまで牽引される。
図12(B)に示すように、クリップケース81は、ケース接続部89から軸方向に抜き取られる。クリップケース81が抜き取られると、ケース接続部89の内部に連結部材48が残される。このとき、連結部52は、連結用開口91から露呈し、傾斜面は、連結用開口91に対面する。
クリップケース81が抜き取られた後、図12(B)及び図15(A)に示すように、シース11の先端の凸部56,56が挿入溝92に係合されて、シース11の先端が、連結用開口91へ挿入される。挿入溝92の奥まで凸部56が挿入されると、シース11の先端は、押し込み位置に到達する。
図13(A)に示すように、押し込み位置では、シース11の中心軸と連結クリップユニット13の中心軸とが略直交した状態で、シース11の先端が、連結部52を構成する一対の弾性アーム53,53の周面と対面する。シース操作部63の牽引操作によりシース11の先端から操作ワイヤ12とフック57とが突出し、連結部52の内部、すなわち一対の弾性アーム53,53の凹部53a,53aに前フック58が押し込まれる。前フック58は、弾性アーム53,53には傾斜面55,55が形成されているので、前フック58は、比較的スムーズに凹部53a,53aに進入することができる。
前フック58は、一対の弾性アーム53,53の隙間を押し広げながら、凹部53a,53aに進入する。このとき、連結部材48は、フック57から押し込み力を受けるが、押し込み力は、連結クリップユニット13の軸方向と直交する方向に作用するため、連結部材48の前方に配置されるクリップ19A〜19Cの軸方向に対して作用しない。このため、フック57の押し込み力によって、クリップ19A〜19Cが変形したり、クリップ同士の連結不良が発生することはない。
また、連結部材48は、フック57からの押し込み力を受けたときに、ケース接続部89の上部内周面によって支持される。このため、フック57の押し込み方向に連結部材48が移動することはなく、フック57の押し込み力が一対の弾性アーム53,53を押し広げる力として作用するので、前フック58と凹部53a,53aの係合が確実に行われる。
そして、図13(B)及び図15(B)に示すように、前フック58と連結部材48が係合した状態で、回転ガイド溝93のガイドに従ってシース11の先端を同軸位置に向けて回転させる。このとき、前フック58と後フック59の間の軸が、傾斜面55から溝54a,54aに進入して、挟持部54,54によって挟み込まれる。これにより、フック57と連結部材48の連結が完了する。
このように、連結部材48の軸回りの周面から前フック58を凹部53a,53aに押し込むという第1ステップと、前フック58を係合させた状態で、連結部材48内で回転させて、前フック58と後フック59の間の軸を溝54a,54aに進入させる第2ステップの2段階で連結が完了する。このような連結方法により、上述したクリップの変形やクリップ同士の連結不良といった効果に加えて、次のような効果も得られる。
すなわち、フックを連結部材の後端に突き当てて連結部材内に押し込む従来の方法では、操作ワイヤ12の軸に比べて外径が大きい前フック58を凹部53a,53aに進入させるために、前フック58を、凹部53a,53aよりも小径の溝54a,54aを通して凹部53a,53aまで進入させなければならない。この場合、軸よりも大径の前フック58によって溝54a,54aが形成された挟持部54,54が押し広げられるため、弾性アーム53,53の変形量が大きくなる。一対の弾性アーム53,53の変形量が大きいと、弾性変形領域を超えて塑性領域に近づくため、一対の弾性アーム53,53の結合力や耐久性の低下を招くおそれもある。
本発明のように、最初のステップで、前フック58を、小径の溝54a,54aを通すことなく、直接凹部53a,53aに進入させ、次のステップで、シース11を回転させることにより、前フック58と後フック59の間の軸を溝54a,54aに進入させるという2段階で連結を行うようにすれば、一対の弾性アーム53,53の連結時の変形量を比較的小さくすることができるので、一対の弾性アーム53,53の結合力や耐久性の低下を防止することができる。
回転ガイド溝93に沿ったシース11の回転が終了し、シース11が同軸位置に到達した後は、図14(A)及び図15(C)に示すように、直進ガイド溝94のガイドに従って、シース11の先端が前進して、スカート閉じ通路88の後端に向かって押し込まれる。これにより、シース11の先端がスカート閉じ通路88の後端に突き当てられて、シース11の内径面とスカート閉じ通路88の内径面とが連接する。
このように、挿入溝92、回転ガイド溝93、直進ガイド溝94からなるガイド部を設けたことにより、シース11をガイド部に沿って移動させていくだけで、シース11の連結用開口91への挿入から、シース11の内径面とスカート閉じ通路88の内径面との連接までの一連の操作を行うことができる。これにより、操作者が装填操作に迷うことはない。
次に、操作ワイヤ12をシース11に対して牽引する。例えば、ワイヤ操作部62をシース操作部63に対して引くことにより、操作ワイヤ12をシース11に対して大きく動かすことができる。
図14(B)に示すように、操作ワイヤ12が牽引されると、操作ワイヤ12に接続されている連結クリップユニット13は、その後端側からシース11内に一緒に引き込まれていく。連結クリップユニット13の装填中、スカート閉じ通路88とシース11の内径面とが連接しているので、スカート部38を閉じたまま連結クリップユニット13を移動することができ、抵抗を小さくすることができる。
シース操作部63がワイヤ操作部62の最初のノッチ69に係合したときに、連結クリップユニット13の装填が完了する。連結クリップユニット13が装填されたシース11は、装填治具82から外される。このとき、シース11はケース接続部89へ接続したときと逆の手順で装填治具82から外される。すなわち、直進ガイド溝94に従ってシース11を後退させ、回転ガイド溝93に従ってシース11をスカート閉じ通路88と同軸上の位置から略直交させる位置に回転させた後、挿入溝92に沿ってシース11が抜き取られる。
上記実施形態においては、連結クリップユニット13を保管のために収容するクリップケース81と、このクリップケース81とは別に、装填の際に、クリップケース81から引き出された連結クリップユニット13を一時的に収容する装填治具82とを用いて連結クリップパッケージを構成した例で説明している。この実施形態においては、装填治具82が請求項の収容ユニットに相当し、スカート閉じ通路88が収容部に相当する。
別の実施形態として、装填治具82を使用せず、保管のためのクリップケースから連結クリップユニット13を引き出して、直接シース11に装填する構成としてもよい。この場合は、クリップケースが請求項の収容ユニットに相当し、クリップケースのクリップ収容部が請求項の収容部に相当する。
装填治具を使用しない連結クリップパッケージは、例えば、図16及び17に示すクリップケース120を有する。クリップケース120は、下ケース121と、上ケース122とを互いに接合して形成されている。クリップケース120には上記実施形態と同様にクリップ収容部87が形成されるとともに、クリップ収容部87の一端側に連続する位置に、装填治具82と同様のケース接続部89が設けられる。
下ケース121と上ケース122には、スカート用開口114が形成されている。また、下ケース121と上ケース122との合せ目には、両者が接合されたときに、スカート用開口となる切欠115がそれぞれ形成されている。これにより、クリップケース120内スカート部38の開き方向への復元力(弾性力)の低下を防止することができる。なお、開口に代えて、凹部を設けてもよい。また、下ケース121には、連結用開口91、挿入溝92、回転ガイド溝93、直進ガイド溝94がそれぞれ形成されている。
クリップケース120から、シース11に連結クリップユニット13を装填する場合、まず、上記実施形態と同様に、シース11が連結用開口91に挿入されて、挿入溝92にガイドされてシース11の先端が押し込み位置に到達する。この押し込み位置では、クリップ収容部87に収容された連結クリップユニット13の中心軸とシース11の中心軸とが略直交した状態で、シース11の先端と連結部材48と対面する。
そして、フック57をシース11の先端から突出させて、前フック58を連結部材48に押し込んで係合させ、この後、回転ガイド溝93のガイドに従ってシース11を同軸位置に向けて回転させる。これにより、前フック58と後フック59の間の軸も連結部材48と係合して連結が完了する。
連結部材48とフック57とが連結された後、図18に示すように、クリップケース120をシース11に対して軸回りに45°回転させる。スカート部38,38の開閉方向は90°ずつずれているので、スカート用開口114に入り込んでいた各連結リング20の各スカート部38がスカート閉じ通路88の内壁に押されて閉じていく。そして、このシース11に対するクリップケース120の位置を保持したまま、操作ワイヤ12をシース11に対して牽引する操作をしてシース11へ連結クリップユニット13を送り込むことができる。この後、シース11をクリップケース120から外して連結クリップユニット13の装填処理が完了する。
なお、本実施形態において、スカート部38を閉じるために、クリップケース120内で連結クリップユニット13を軸回りに回転させる角度は45°に限らず、各スカート部38をスカート用開口114に対して位置をずらすことができる角度であればよい。また、連結クリップユニット13を軸回りに回転させたときに、スカート部38がスカート用開口114の縁に引っ掛かることがないように、スカート用開口114の縁に傾斜面を形成しておくとよい。
なお、上記実施形態では、挿入溝92、回転ガイド溝93、直進ガイド溝94といった、シース11をガイドするガイド部を、シース11に形成した凸部56と係合する溝で形成した例で説明したが、シース11に溝や開口などの凹部を形成し、ガイド部を凸部で構成するというように、凹凸は逆でもよい。
以上、本発明に係る連結クリップパッケージについて詳細に説明したが、本発明は上記の実施例に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。また、本発明の連結クリップパッケージを用いる連発式操作ハンドルは、軟性鏡のほか、硬性鏡にも用いることができる。
2 連発式クリップシステム
10 操作ハンドル
11 シース
12 操作ワイヤ
13 連結クリップユニット
14 操作部
19 クリップ
48 連結部材
53 弾性アーム
53a 凹部
54 挟持部
54a 溝
55 傾斜面
56 凸部
57 フック
58 前フック
59 後フック
80 連結クリップパッケージ
81,120 クリップケース
82 装填治具
87 クリップ収容部
88 スカート閉じ通路
89 ケース接続部
91 ケース接続用開口
92 挿入溝
93 回転ガイド溝
94 直進ガイド溝

Claims (10)

  1. 複数のクリップが1列に並べられて連結されたクリップユニットであり、操作ハンドルのシースに挿通された操作ワイヤのフックと連結される連結部材が後端に配されたクリップユニットと、
    前記クリップユニットが収容され、後端から前記クリップユニットを前記シースに向けて引き出し可能な収容部を有する収容ユニットと、
    前記収容ユニットの後端に設けられ、前記収容部に収容されたクリップユニットの中心軸とシースの中心軸とをほぼ直交させた状態で、シースの先端を連結部材にアクセスさせるための連結用開口と、
    前記連結部材に設けられ、シースの先端から突出した操作ワイヤのフックが押し込まれて係合し、フックが係合した状態で、クリップユニットの中心軸とシースの中心軸とが一致する同軸位置に向けて、シースを回転させることが可能な連結部と、
    前記収容ユニットに設けられ、フックが連結部に押し込まれたときに、フックの押し込み力を受ける連結部材を背面から支持する支持部とを備えたことを特徴とする連結クリップパッケージ。
  2. 前記収容ユニットには、連結用開口に進入するシースと係合して、シースの回転方向をガイドするガイド部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の連結クリップパッケージ。
  3. ガイド部は、シースの回転をガイドする回転ガイド部と、回転ガイド部に沿った回転が終了し同軸位置に達したシースの先端が収容部の後端に突き当てられるように、シースの直進をガイドする直進ガイド部とを有することを特徴とする請求項2記載の連結クリップパッケージ。
  4. ガイド部は、さらに、連結用開口に進入するシースを、前記連結部にフックを押し込む押し込み位置に向けてガイドする挿入部を有することを特徴とする請求項3記載の連結クリップパッケージ。
  5. 前記連結部は、後端が自由端である一対の弾性アームであり、一対の弾性アームによってフックを挟み込んで係合することを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の連結クリップパッケージ。
  6. 前記一対の弾性アームは、フックを挟み込む第1凹部と、第1凹部の後端に連接され、第1凹部よりも小径の第2凹部とを有することを特徴とする請求項5記載の連結クリップパッケージ。
  7. 前記一対の弾性アームには、フックを第1凹部へ誘い込むための傾斜面が形成されていることを特徴とする請求項6記載の連結クリップパッケージ。
  8. さらに、前記収容ユニットとは別に、前記クリップユニットを収容し保管するためのケースを備えており、前記収容ユニットは、クリップユニットをシースへ装填する際に、前記ケースから引き出されたクリップユニットを一時的に収容する装填治具であることを特徴とする請求項1〜7いずれか記載の連結クリップパッケージ。
  9. 前記収容ユニットは、前記クリップユニットを収容し保管するためのケースであり、クリップユニットをシースへ装填する際には、クリップユニットは、前記ケースからシースへ直接装填されることを特徴とする請求項1〜8いずれか記載の連結クリップパッケージ。
  10. 複数のクリップが1列に並べられて連結されたクリップユニットであり、操作ハンドルのシースに挿通された操作ワイヤのフックと連結される連結部材が後端に配されたクリップユニットを、操作ハンドルのシースに装填するクリップ装填方法において、
    収容ユニットに収容されたクリップユニットの中心軸とシースの中心軸とを直交させた状態で、収容ユニットに設けられた連結用開口を通じて、シースの先端を前記連結部材にアクセスさせ、操作ワイヤのフックを突き出して前記連結部材に押し込むことにより、フックと連結部材を係合させる工程と、
    フックを係合させた状態で、クリップユニットの中心軸とシースの中心軸とが一致する同軸位置に向けて、シースを回転させる工程と、
    操作ワイヤをシースに対して牽引して、前記クリップユニットを収容ユニットからシースへ引き込む工程とを備えたことを特徴とするクリップ装填方法。
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