JP2010212113A - 電気光学装置、その製造方法、および電子機器 - Google Patents

電気光学装置、その製造方法、および電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】発光時における輝度ムラや、発光色ムラの発生を低減すること。
【解決手段】発光装置100によれば、それぞれ隔壁で区画された個別のEL層を備えた複数の発光画素PaがX軸方向に配列される構成となっている。よって、各発光画素Paにおける凹部内での対流が相対的に小さいものとなり、EL層の層厚のバラつきを低減することができる。さらに、発光画素Paの形状は、開口部10を横切る部分の幅W1から、その棒形状の両末端における幅W2に向って徐々に細くなっている。よって、比較例としてのトラック形状の発光画素に比べて、凹部の面積が小さくなり、同量の液状体を塗布した場合において、より厚いEL層の層厚を得ることができる。従って、層厚の均一化を図ることができるため、輝度ムラや、発光色ムラを低減することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、電気光学装置、その製造方法、および当該電気光学装置を備えた電子機器に関する。
有機EL(Electro Luminescence)材料が溶解または分散した溶液(以降、「液状体」という)をインクジェット法により隔壁(バンク)に囲まれた凹部に吐出、および乾燥させて、発光画素を形成した電気光学装置が知られている。また、1つの発光画素には、1つ、または複数の開口部が設けられており、当該開口部からEL層が放つ光を出射する構成となっていた。この開口部は、電気光学装置の用途に応じて、ライン状や、マトリックス状に複数配置されていた。
このような液滴吐出法を用いてEL層を形成した場合、複数の開口部間におけるEL層の厚さにバラつきが生じ易く、これに起因して、開口部間における発光輝度のバラつきや、発光色ムラが発生してしまうという問題があった。
特許文献1には、これらの問題を解決するための構成として、1つの大きな隔壁(共通バンク)内に複数の開口部(光出射部)形成するという、技術思想が開示されている。
図12は従来の発光装置の平面図である。
従来の発光装置500は、多数の開口部10を1つの大きな隔壁520に囲まれた凹部Uに形成したボトムエミッション型の発光装置である。発光装置500は、電子写真方式プリンタのライン状の露光ヘッドに用いられ、複数の開口部10から放たれる光を、紙面の奥行き方向(Z軸(+)方向)に出射する構成となっていた。
特開2007−141472号公報
図13は、発光画素の出射光の輝度比率を示すグラフである。
しかしながら、従来の発光装置500では、依然として開口部間における発光輝度のバラつきや、発光色ムラが発生してしまうという課題があった。換言すれば、EL層の膜厚にバラつきがあるという課題があった。
図13は、図12における基板1の長手方向の端部側に位置する開口部10jと、基板1の中央側に位置する開口部10kとが発する光の輝度比率を示したグラフである。
当該グラフに示されるように、端部側の開口部10jの輝度は略100%を超えているのに対し、中央側の開口部10kの輝度は80%に満たない明るさであることが解る。
これは、開口部10jにおけるEL層の層厚と、開口部10kにおけるEL層の層厚とが異なることに起因している。この層厚のバラつきの一因は、液状体を吐出した後の乾燥工程において、液状体が隔壁520の凹部U内で対流し、その対流により凹部Uの周縁部に厚く析出物が堆積されることによるものと考察される。
特に、発光装置500は、細長い形状であるため、長手方向の端部と中央部とでは、液状体の溶媒分子分圧が異なり、また、乾燥速度も異なるため、これらの要因も加味されて層厚のバラつきが助長されていた。
また、液状体は、凹部U内に略均一に塗布されるため、発光に寄与する開口部10に重なる部分よりも、その周辺部位の方に多く積層されてしまうという課題もあった。換言すれば、開口部10において、液状体の塗布量に見合うEL層の層厚を得ることが困難であり、EL材料の利用効率が良いとは言い難かった。
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の適用例又は形態として実現することが可能である。
(適用例)
第1の方向に略等間隔に配列された複数の発光画素を備えた電気光学装置であって、複数の発光画素の各々は、発光画素の輪郭を形成する隔壁に囲まれて形成された凹部と、凹部に形成された電気光学層と、凹部に形成され、電気光学層が放射する光を出射する開口部と、を少なくとも有し、凹部は、第1の方向と交差する第2の方向の長さが、第1の方向の長さよりも長く形成された棒形状をなし、棒形状における第1の方向の長さを幅としたときに、棒形状における第2の方向の末端における幅が、開口部を横断する部分の幅よりも、細いことを特徴とする電気光学装置。
この電気光学装置によれば、1つの大きな隔壁に囲まれた凹部において、乾燥時に大きな対流が発生していた従来の発光装置と異なり、それぞれ隔壁で区画された個別の電気光学層を備えた複数の発光画素が第1の方向に配列される構成となっている。
よって、各発光画素における凹部内での対流が相対的に小さいものとなり、電気光学層の層厚のバラつきを低減することができる。
また、1つの大きな凹部内に略均一に液状体を塗布していたため、開口部に重なる部分よりも、その周辺部位の方に多く電気光学層(EL層)が積層されてしまう従来の発光装置と異なり、それぞれ隔壁で区画された個別の凹部に電気光学層を形成する構成となっている。
よって、液状体の塗布量に見合う電気光学層の層厚を得ることが可能となり、材料の利用効率が良い。
さらに、開口部を横断する部分の幅を延在したトラック形状の発光画素と比べた場合、棒形状における長手方向の末端における幅が、開口部を横断する部分の幅よりも細くなっている。
よって、凹部の面積がトラック形状の発光画素よりも小さくなるため、同量の液状体を塗布した場合において、より厚い電気光学層の層厚を得ることができる。
従って、電気光学層の層厚を均一にすることが可能な電気光学装置を提供することができる。さらに、層厚の均一化により、輝度ムラや、発光色ムラを低減することもできる。
また、上記幅は、開口部を横断する部分の幅から、末端に向って徐々に細くなることが好ましい。
また、幅は、開口部を横断する部分の幅から、末端に向って段階的に細くなることが好ましい。
また、末端は、棒形状における一方の末端と、他方の末端との両方であることが好ましい。
また、末端の幅は、開口部の幅と同じか、それよりも細いことが好ましい。
また、棒形状の延在方向が、第2の方向に沿った線分から傾斜していることが好ましい。
また、第1の方向における複数の発光画素の配列の前後には、ダミー発光画素が形成され、ダミー発光画素は、隔壁を少なくとも備え、凹部には、複数の発光画素と同様な電気光学層が形成されることが好ましい。なお、本発明において、ダミー発光画素とは、画素において発光素子から出射された発光光が、表示装置の表示またはプリンタヘッドの光源または照明装置の光源等に利用されない画素、または光を発しない画素である。
また、複数の発光画素のうち、第1の方向に連続して配列された複数の発光画素を含む第1画素行と、第1画素行の第2の方向側に配置され、第1画素行と同様の配列である複数の発光画素を含む第2画素行と、を備え、第1画素行の発光画素と、第2画素行の発光画素との位置は、第2画素行の発光画素の開口部が第1画素行の発光画素の開口部に対して、所定ピッチ分第1の方向にシフトしていることが好ましい。
また、凹部には、複数の開口部が形成されており、複数の開口部は第2の方向において間隙を持って配置されるとともに、複数の発光画素のうち第1の方向において隣り合う発光画素の対応する開口部と、それぞれ配列をなしていることが好ましい。
上記記載の電気光学装置と、電気光学装置の発光画素が出射する光を所定の位置に集光させる光学部材とを、少なくとも備えたことを特徴とする電子機器。
第1の方向に略等間隔に配列された複数の発光画素を備えた電気光学装置の製造方法であって、複数の発光画素の各々は、発光画素の輪郭を形成する隔壁に囲まれて形成された凹部と、凹部に形成された電気光学層と、凹部に形成され、電気光学層が放射する光を出射する開口部と、を少なくとも有し、凹部は、第1の方向と交差する第2の方向の長さが、第1の方向の長さよりも長く形成された棒形状をなし、棒形状における第1の方向の長さを幅としたときに、棒形状における第2の方向の末端における幅が、開口部を横断する部分の幅よりも細く形成されてなり、電気光学層を形成する工程は、電気光学層を構成する溶質を溶解した溶液を凹部に液滴吐出法によって塗布する工程と、溶質を乾燥させる工程と、を含むことを特徴とする電気光学装置の製造方法。
実施形態1に係る電気光学装置の平面図。 露光ヘッドの概要を示す斜視図。 画素回路、および駆動回路を示す回路図。 図1のq−q断面を示す断面図。 (a)液状体の塗布工程の一態様を示す断面図、(b)乾燥工程後のEL層を示す断面図。 (a)比較例に係る発光装置の平面図、(b)発光画素の比較図。 発光画素の出射光の輝度比率を示すグラフ図。 実施形態2に係る発光装置の平面図。 (a),(b)実施形態3に係る発光装置の平面図。 実施形態4に係る発光装置の平面図。 電子機器としてのプリンタを示す模式断面図。 従来の発光装置の平面図。 従来の発光装置における発光画素の出射光の輝度比率を示すグラフ図。 変形例1に係る発光装置の断面図。 (a),(b)変形例3に係る発光装置の平面図。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の各図においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならしめてある。
(実施形態1)
「電気光学装置の概要」
図1は、本実施形態に係る発光装置の平面図である。図2は、露光ヘッドの概要を示す斜視図である。
まず、本発明の実施形態1に係る電気光学装置としての発光装置100の概要について説明する。なお、図12で説明した従来の発光装置500と同一の部位については、同一の番号を附して説明する。
発光装置100は、電子写真方式プリンタの露光ヘッドの光源として用いられる発光装置であり、図2に示すように、円柱状の感光ドラム71におけるX軸方向(円柱の高さ方向)の側面に沿って配置された露光ヘッド200に搭載される。
発光装置100は、ボトムエミッション型の発光装置であり、複数の発光画素Paから図1における紙面の奥行き方向(Z軸(+)方向)に光を出射する。詳しくは、発光画素Paにおいてハッチングで示された、画素電極の少なくとも一部が絶縁層8から露出するように絶縁層8に形成された開口部10から光を出射する。
図2の露光ヘッド200は、発光装置100、レンズアレイ180などから構成されており、発光装置100から出射される光の焦点をレンズアレイ180によって感光ドラム71の感光体からなる表面(感光面)に合せ、感光面をライン状に照射する。
ここで、感光ドラム71は、回転軸79を中心にして矢印方向に回転するため、発光装置100は、当該回転に同期して、1行ずつ画像信号に応じた輝度で各発光画素を点灯させることにより、感光ドラム71の感光面を順次露光する。
また、以降の説明において、発光装置100から捕らえて、感光ドラム71の回転方向に相当するY軸方向のことを「副走査方向」とも表現する。また、副走査方向と交差する方向(X軸方向)のことを「主走査方向」ともいう。なお、このような露光ヘッド200や感光ドラム71を備えた電子機器としてのプリンタの詳細については後述する。
図1に戻る。
発光装置100は、細長い長方形をなしており、その長手方向(X軸方向)沿って複数の発光画素Paを備えている。なお、X軸方向が第1の方向に相当し、Y軸方向が第2の方向に相当している。また、連続して配置された複数の発光画素Paからなる発光画素行の前後には、ダミー画素Pdが1つずつ形成されている。なお、ダミー画素Pdの数は、前後にそれぞれ1つ以上形成されていれば良い。また、Y軸方向に細長い棒形状をなした発光画素Paの中央には、ハッチングで示すように、円形の画素電極の開口部10が配置されている。
なお、図1は、発光装置100を光の出射面の反対側から見た平面図であるため、本来、画素電極は観察されないが、説明を容易にするために、図1では、透過図として画素電極の開口部10を図示している。なお、以降の説明において、画素電極のことを画素電極10と称することもある。
図1において、発光画素Paおよびダミー画素Pdの形状は、Y軸方向に細長い菱形からなる棒形状をなしており、Y軸方向の末端は角R40(丸み)が付けられている。棒形状は、開口部10をX軸方向に横断する部分の幅が、幅W1で、Y軸方向における末端部の幅が、幅W1より細い幅W2となっている。また、Y軸方向における棒形状の長さは、長さLとなっている。長さLは、開口部10の直径Fの3倍以上であれば良く、図1においては、約7倍の長さに設定されている。
幅W2は、角R40の略直径となっており、その寸法は、開口部10の直径Fと同じか、それよりも細(短)ければ良く、図1においては、直径Fの約半分に設定されている。
幅W1は、開口部10の直径Fよりも太く(長く)、直径Fの1.5倍以上の太さに設定されている。なお、直径Fの2倍以上であることが好ましい。
つまり、発光画素Paおよびダミー画素Pdの形状は、開口部10を横切る部分の幅W1から、その棒形状の両末端における幅W2に向って徐々に細くなっている。
なお、これら形状は、各画素を互いに区画する隔壁の輪郭(平面形状)を示しており、発光画素Paから出射される光は、画素電極の開口部10から出射されることになる。
また、発光画素Paおよびダミー画素Pdは、X軸方向に略等間隔に配置されている。詳しくは、画素ピッチmで配列されている。画素ピッチmは、例えば、約0.042mmに設定されている。
「画素回路」
図3は、画素回路、および駆動回路を示す回路図である。
ここでは、発光装置100の画素回路、および駆動回路の概要について説明する。
図1の発光画素Paの各々には、図3の画素回路4が形成されている。
画素回路4は、画素を選択するためのスイッチングTR1と、EL層15に電流を流すための駆動用TR2と、保持容量Cなどから構成されている。また、スイッチングTR1、および駆動用TR2は、TFTとして構成されている。
スイッチングTR1のゲート端子には、走査線駆動回路17からの走査線SLが接続されており、ソース端子には、データ線駆動回路18からのデータ線DLが接続されている。スイッチングTR1のドレイン端子には、駆動用TR2のゲート端子と、保持容量Cの一端が接続されている。
駆動用TR2のソース端子と、保持容量Cの他端とは、電源電位が供給されているVDDラインに接続されている。そして、駆動用TR2のドレイン端子は、画素電極10に接続されている。
また、画素電極10と、共通電極23との間には、EL層15が配置されている。また、共通電極23は、アースラインに接続されている。
走査線駆動回路17、およびデータ線駆動回路18には、外部機器(図示せず)から画像信号に基づいたタイミング信号、および画像内容を規定したデータ信号が供給される。
走査線駆動回路17は、シフトレジスタや出力バッファ(いずれも図示せず)を含んで構成され、外部機器からのタイミング信号に基づき、走査線SLに走査信号を供給する。なお、タイミング信号は、感光ドラム71の回転と同期している。
また、ここでは、画素行が1行の構成となっているが、Y軸方向に複数の画素行が形成される構成であっても良い。
データ線駆動回路18は、シフトレジスタやラッチ回路(いずれも図示せず)を含んで構成され、外部機器からのタイミング信号、およびデータ信号に基づき、複数のデータ線DLに画像信号に規定された輝度に応じたデータ信号を供給する。
このような画素回路4において、走査信号によってスイッチングTR1が選択されると、当該TFTはオンし、データ信号が駆動用TR2に供給される。これにより、駆動用TR2がオンし、VDDラインからEL層15にデータ信号の電圧に応じた電流が流れ、発光層から光が放射される。
また、駆動用TR2がオンするのと並行して、保持容量Cにデータ信号が保持されるため、保持容量Cの容量に応じた時間、発光が維持される。
なお、上述の画素回路は、EL層15を発光させるための最も基本的な回路構成の一例であり、この回路構成に限定するものではなく、EL層15を効率的に発光させることが可能な回路構成であれば、適宜、変更を加えた回路構成を用いることであっても良い。
「発光装置の構成」
図4は、図1のq−q断面を示す断面図である。
ここでは、発光装置100のより詳細な構成について説明する。
発光装置100は、基板1、素子層6、絶縁層7、画素電極10、隔壁20、EL層15、共通電極23などから構成されている。また、発光素子は少なくともEL層15を含んでいる。
基板1は、ガラス、石英、樹脂(プラスチック、プラスチックフィルム)などの透明な材質から構成されている。
素子層6は、図3で説明した画素回路4の回路素子を含み、ゲート絶縁膜2、絶縁層3、配線層5などから構成されている。詳しくは、基板1上に、非晶質シリコンや、多結晶シリコンなどからなるTFTを含む画素回路4の回路素子が形成され、その上に、ゲート絶縁膜2、および絶縁層3が積層されている。また、絶縁層3の上層には、走査線SLおよびデータ線DLなどの各種配線が形成された配線層5が形成されている。
また、図4に示すように、駆動用TR2を含むTFTは、隔壁20に重なるように配置されており、素子層6において画素電極10の開口部と重なる部分は、透明に形成されている。
絶縁層7は、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物などの透明な絶縁材料から構成されている。なお、前述のゲート絶縁膜2や、絶縁層3も同様な材質から構成されており、絶縁層3のことを「第1層間絶縁膜」、絶縁層7のことを「第2層間絶縁膜」ともいう。
絶縁層7の上には、画素電極10が形成されている。画素電極10と駆動用TR2のドレイン端子との間には、絶縁層3,7を貫通するコンタクトホールを介して、当該間を電気的に接続するための配線が形成されている。
画素電極10は、ITO(Indium Tin Oxide)や、ZnOなどの透明電極から構成された透明電極である。
また、開口部を除く画素電極10の上層には、例えば、SiO2からなる絶縁層8が形成されており、EL層15に電位を印加可能な有効画素領域を規定している。換言すれば、絶縁層8は、画素電極10とEL層15とが接触する領域を区画している。
また、画素電極10の開口部は、図1に示すように略円形となっており、寸法は、直径Fに設定されている。直径Fは、例えば、約25μmに設定されている。なお、開口部の形状は、円形に限定するものではなく、例えば、正方形や、長方形であっても良い。
隔壁20は、黒色の樹脂などの絶縁材料からなる断面が台形状のバンクであり、各画素を互いに区画している。材料としては、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素系樹脂などを用いることができ、光硬化性であることが好ましい。
隔壁20は、1μm程度の高さ(厚さ)に形成され、その表面は液状体に対して、絶縁層8よりも撥液性を有している。なお、撥液性は、隔壁20の材質自体が撥液性を有していることであっても良いし、後加工によって、撥液性を付与することであっても良い。また、隔壁20は、光学的には、ブラックマトリックスの機能を有している。
隔壁20の平面形状は、図1で説明した通り、Y軸方向に長く、X軸方向に短い棒形状となっている。
ここで、平面的に隔壁20に囲まれた凹形状の部分を凹部Uと定義している。凹部Uとは、図4の断面において、画素電極10が形成された面を底面として、両端の隔壁20の傾斜面を側面とし、隔壁20の天面を結ぶ平面を天面とし、これらの底面、側面、天面によって囲まれた台形部を指している。この台形部が発光素子の形成領域に相当する。また、凹部Uのサイズは、当該台形の底面におけるX軸、およびY軸方向の寸法を用いて表しており、図1における長さL、および幅W1,W2などの発光画素Paの輪郭を示す寸法も、凹部Uの寸法を用いている。
EL層15は、正孔注入層や、発光層などを含む複数層から形成された有機EL発光層である。なお、EL層15の形成方法については、後述する。
共通電極23は、Mg−Ag合金(例えば重量比10:1)などの導電性および光反射性を兼ね備えた仕事関数の低い材料から構成された反射層、兼電極であり、EL層15および隔壁20を覆って(EL層15および隔壁20と平面的に重なるように)形成されている。
また、共通電極23の上層を熱硬化型のエポキシ樹脂で充填し、封止しても良い。EL層15は、水分を嫌うため、封止することによって、信頼性を向上させることができる。また、エポキシ樹脂を接着剤として、ガラスや金属などからなる封止基板をさらに備える構成であっても良い。この構成によれば、より防湿性を高めることができる。
このような構成の発光装置100において、EL層15に駆動電流が流れると、EL層15は発光し、光を放射する。EL層15から放射される光のうち、画素電極10側に進む光は、画素電極10を透過して、図4の白矢印で示されるように、基板1からZ軸(+)方向に出射される。また、共通電極23側に進む光は、共通電極23で反射され、EL層15を介して、画素電極10を透過し、白矢印で示される光に合成されて、基板1からZ軸(+)方向に出射される。
「EL層の形成方法」
図5(a)は液状体の塗布工程の一態様を示す断面図であり、(b)は乾燥工程後のEL層を示す断面図である。図5(a),(b)ともに、図4(a)に対応している。
ここでは、EL層の形成方法について説明する。
EL層15は、正孔注入層11、中間層12、発光層13を含む複数の有機薄膜層からなり、画素電極10側からこの順に積層されている。
これらの有機薄膜層は液滴吐出法(インクジェット法)を用いて成膜されており、この成膜工程は、「塗布工程」と「乾燥工程」とに大別される。
まず、「塗布工程」では、ダミー画素Pdを含む全ての画素に対して液状体が塗布される。詳しくは、図1の左端のダミー画素Pdから、発光画素行の各発光画素Pa、そして右端のダミー画素Pdまで、順番に液状体が塗布される。また、液状体の吐出量は、液滴吐出装置によって、全ての画素において、略一定になるように制御されている。
図5(a)は、正孔注入層11を形成するための液状体dを1つの発光画素Paの凹部Uに塗布した状態を示している。
液滴吐出装置(図示せず)の吐出ヘッド350から吐出された液状体dの液滴は、凹部Uに着弾し、図5(a)に示すように、凹部Uにおいて凸状に充填(塗布)される。なお、液状体dが凸状となるのは、隔壁20が液状体に対して撥液性を有しているためであり、液状体dは、その表面張力によって水滴状の膨らみを持って凹部Uに満たされることになる。
このようにして、発光装置100の全ての画素に液状体が塗布されると「乾燥工程」が行われる。なお、液状体の塗布は、インクジェット法に限定するものではなく、凹部Uに液状体を塗布可能な方法であれば良い。例えば、ジェットディスペンサ法や、ニードルディスペンサ法などのディスペンサ法を用いることもできる。
「乾燥工程」では、塗布された液状体の溶媒成分を除去し、乾燥した有機薄膜層を形成する。詳しくは、液状体が塗布された状態の発光装置100を加熱し、溶媒成分を蒸発させることにより液状体を乾燥させて、有機薄膜層を形成する。
加熱方法は、各画素を均一に加熱可能な加熱方法であれば良く、発光装置100をホットプレート上に載せて加熱する方法や、発光装置100の上方から赤外線ランプを照射する方法などを採用することができる。また、これらの方法を組み合せても良い。または、減圧環境や、真空環境において乾燥を行っても良い。このような方法によれば、より効率的に乾燥を行うことができる。
このようにして、図5(b)に示すような正孔注入層11が成膜される。
続いて、成膜された正孔注入層11の上層に、中間層12形成用の液状体を用いて、同様に「塗布工程」および「乾燥工程」を行い、中間層12を成膜する。
最後に、成膜された中間層12の上層に、発光層13形成用の液状体を用いて、同様に「塗布工程」および「乾燥工程」を行い、発光層13を成膜する。
この状態が、図5(b)に示されており、正孔注入層11、中間層12、発光層13の3層構造からなるEL層15が形成されている。なお、中間層12は、正孔注入層11と発光層13との間に設けられ、発光層13に対する正孔の輸送性(注入性)を向上させると共に、発光層から正孔注入層に電子が浸入することを抑制するために設けられている。つまり、発光層13における正孔と電子との結合による発光の効率を改善するものである。また、これらの積層構造に限定するものではなく、正孔注入層11と発光層13との2層構造であっても良い。あるいは、正孔注入層11と、発光層13と、LiF(フッ化リチウム)などからなる電子注入層との3層構造であっても良い。
上述した「塗布工程」で用いられる液状体は、溶剤などの溶媒に、それぞれの有機薄膜層の材料(溶質)を溶解または分散した溶液であり、以下に、好適な各有機薄膜層の材料を挙げる。
正孔注入層11の材料としては、例えば、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)等のポリチオフェン誘導体にドーパントとしてのポリスチレンスルホン酸(PSS)を加えた混合物(PEDOT/PSS)や、ポリスチレン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリアセチレンやその誘導体を用いてもよい。
中間層12の材料としては、例えば、正孔輸送性が良好なトリフェニルアミン系ポリマーを含んだものが挙げられる。
発光層13の材料としては、蛍光または燐光を発光する発光材料を用いることが好ましい。例えば、ポリフルオレン誘導体(PF)、ポリパラフェニレンビニレン誘導体(PPV)、ポリフェニレン誘導体(PP)、ポリパラフェニレン誘導体(PPP)、ポリビニルカルバゾール(PVK)等のポリチオフェニレン誘導体、ポリメチルフェニレンシラン(PMPS)等を用いることができる。また、これらの高分子材料に、ペリレン系色素、クマリン系色素、ローダミン系色素等の高分子材料や、ルブレン、ペリレン、9,10−ジフェニルアントラセン、テトラフェニルブタジエン、ナイルレッド、クマリン6、キナクドリン等低分子材料をドープしてもよい。
また、本実施形態では、好適な事例として、上記材料の中から発光波長帯域が赤色に対応した材料を用いて発光層13を構成している。つまり、各発光画素Paからは、赤色光が出射される構成となっている。また、赤色に限定されず、単色であれば良く、例えば、青色や、緑色に対応した材料を用いることもできる。
特に、赤色に対応した材料を用いた場合には、他の色調に比べて発光寿命が長いことが知られている。
また、発光層13が赤色に対応している場合、図2の感光ドラム71の表面(感光面)には、赤色の波長領域を感知する感光体が塗布、または貼り付けられている。
「EL層の層厚分布」
図5(b)に示すように、EL層15の厚さ分布は、画素電極10に重なる部分よりも、隔壁20近傍の方が厚くなっている。この現象は、発光画素Paの幅方向(X軸方向)の断面においても同様である。
つまり、EL層15は、凹部Uの周縁部に厚く形成されることになる。
これは、いわゆるコーヒーの染み現象に起因したものであり、液状体の乾燥にともない、凹部Uの周縁部(隔壁20の内周縁)に析出物が厚く堆積されて形成されたものである。コーヒーの染み現象とは、液体乾燥時の溶質の自発的な輸送現象である。詳しくは、液滴の乾燥にともない、液体の中心から外側に向かう微小な対流が生じ、溶質が外側に向かって移動し、周縁部に厚く堆積される現象を指す。
図6(a)は、比較例に係る発光装置の平面図であり、(b)は、発光画素の比較図である。
ここで、本実施形態に係る発光装置100によれば、画素電極10に重なる部分のEL層15の厚さを、従来の発光装置よりも厚く形成することができる。
ここでは、この現象の理由について、図6(a)に示した比較例を用いて説明する。
前述したように、図12の従来の発光装置500では、大きな隔壁520に囲まれた1つの凹部Uに多数の開口部10を形成する構成であったため、以下の課題があった。
詳しくは、塗布工程において、液状体を1つの凹部U内に略均一に塗布するため、発光に寄与する開口部10に重なる部分よりも、その周辺部位の方に多く積層されてしまうという課題があった。また、乾燥工程において、1つの凹部U内で、コーヒーの染み現象による大きな対流が生じ、図13で説明したように、開口部の位置によっては大きな層厚差が生じてしまうという課題があった。
これらの課題は、比較例の発光装置400の構成によっても、一定の解決を図ることができる。
発光装置400は、細長い長方形をなしており、その長手方向(X軸方向)沿って複数の発光画素Caを備えている。また、複数の発光画素Caからなる発光画素行の前後には、ダミー画素Cdが1つずつ形成されている。また、発光画素Caの形状は、開口部10をX軸方向に横切る部分の幅が、幅W1で、Y軸方向の長さが、長さLの棒形状をなしている。長さL方向の端部には、角R41(丸み)が付けられている。換言すれば、幅W1を直径とする2つの半円(角R41)間を略平行な2本の直線で結んだトラック形状となっている。
発光装置400は、上述したように、発光画素Caの平面形状が発光画素Paと異なること以外は、発光装置100と同様である。
発光装置400によれば、それぞれ隔壁で互いに区画された個別のEL層を備えた複数の発光画素CaがX軸方向に配列される構成となっている。
この構成により、1つの大きな隔壁20に囲まれた凹部Uにおいて、乾燥時に大きな対流が発生していた従来の発光装置と比べて、各発光画素Caにおける凹部内での対流が相対的に小さいものとなり、EL層の層厚のバラつきを低減することができる。
また、それぞれ隔壁で互いに区画された個別の凹部ごとに、選択的にEL層を塗布する構成となっている。この構成により、1つの大きな凹部U内に略均一に液状体を塗布していたため、開口部の周辺部位の方に多くのEL層が取られてしまっていた従来の発光装置と比べて、同量の液状体を塗布した場合において、開口部に重なる部分により厚くEL層を積層することが可能となっている。
このように、比較例の発光装置400によっても、従来の発光装置500の課題について、一定の解決を図ることが可能であった。
発光装置100は、比較例の発光装置400をさらに改良したものであり、発光装置400よりも、開口部により厚くEL層を積層することができる。
図6(b)は、比較例の発光画素Caと発光装置100の発光画素Paとを重ねた状態で示した平面図である。
図6(b)に示すように、発光装置100の発光画素Paは、その端部に向って細く形成されているため、その外形は、トラック形状の発光画素Caの中に納まることになる。
つまり、発光画素Paの面積は、発光画素Caの面積より、ハッチングで示した分だけ小さくなっている。
これにより、発光画素Paと発光画素Caとに、同一量の液状体を塗布した際に、例えば、例えば、コーヒーの染み現象によって同じ分量の液状体が取られたとしても、残る液状体の分量は、発光画素Paの方が多くなり、その結果、開口部に積層されるEL層の厚さが、発光画素Caよりも厚くなる。
また、発光画素Paの外形が発光画素Caの外形内に収まっていることから明らかなように、発光画素Paの外周は、発光画素Caの外周よりも短くなる。
よって、コーヒーの染み現象によってEL層が厚く積層される周縁部の長さが短くなるため、その分、開口部に積層されるEL層の厚さが、発光画素Caよりも厚くなる。
図7は、発光画素の出射光の輝度比率を示すグラフであり、図13に対応している。
図7は、図1における左側の最端部(X軸(−)側)に位置する発光画素Paの開口部10aと、中央側に位置する発光画素Paの開口部10bとが発する光の輝度比率を示したグラフである。
当該グラフに示されるように、端部側の開口部10aの輝度、および中央側の開口部10bの輝度ともに、略同様の輝度分布を示し、また、そのピークは略100%に達していることが解る。
なお、発明者等の実験結果によれば、開口部10a,10b以外の発光画素においても、当該発光画素と同様の輝度分布、およびピーク輝度が確保されていることが、確認されている。
上述した通り、本実施形態に係る発光装置100によれば、以下の効果を得ることができる。
発光装置100によれば、それぞれ隔壁で区画された個別のEL層を備えた複数の発光画素PaがX軸方向に配列される構成となっている。
この構成により、1つの大きな隔壁に囲まれた凹部において、乾燥時に大きな対流が発生していた従来の発光装置と比べて、各発光画素Paにおける凹部内での対流が相対的に小さいものとなり、EL層の層厚のバラつきを低減することができる。
また、それぞれ隔壁で互いに区画された個別の凹部ごとに、選択的にEL層を塗布する構成となっている。この構成により、1つの大きな凹部U内に略均一に液状体を塗布していたため、開口部の周辺部位の方に多くのEL層が取られてしまっていた従来の発光装置と比べて、同量の液状体を塗布した場合において、開口部に重なる部分により厚くEL層を積層することができる。
さらに、発光画素Paおよびダミー画素Pdの形状は、開口部10を横切る部分の幅W1から、その棒形状の両末端における幅W2に向って徐々に細くなっている。
これにより、図6(b)で説明したように、比較例のトラック状の発光画素Caに比べて、凹部の面積が小さく、かつ、周縁部の長さが短くなるため、同量の液状体を塗布した場合において、より厚いEL層の層厚を得ることができる。換言すれば、液状体の塗布量に見合うEL層の層厚を得ることが可能となり、液状体の利用効率が良い。
従って、電気光学層の層厚を均一にすることが可能な発光装置100を提供することができる。さらに、層厚の均一化により、輝度ムラや、発光色ムラを低減することもできる。なお、発光画素Paの棒形状における両末端が幅W1よりも細くなる構成に限定するものではなく、いずれか一つの末端が幅W1よりも細くなる構成であれば、同様の効果を得ることができる。これは、他の実施形態、および変形例においても同様である。
また、X軸方向においては、複数の発光画素Paからなる発光画素行の前後に、ダミー画素Pdが1つずつ形成されている。また、Y軸方向においては、当該方向を長手方向とし棒形状の発光画素Paの中央部に画素電極の開口部10が形成されている。
これらの構成によれば、乾燥工程において、複数の発光画素Paにおける液状体の溶媒分子分圧が均一化されるため、乾燥速度が均一化され、発光画素Pa間におけるEL層15の層厚を均一にすることができる。詳しくは、X軸方向においては、発光画素行の周囲がダミー画素Pdで囲まれており、Y軸方向においては、画素電極10の開口部が棒形状の発光画素Paの間隙部に囲まれているため、各開口部における液状体の溶媒分子分圧が均一化される。
(実施形態2)
図8は、実施形態2に係る発光装置の平面図であり、図1に対応している。
以下、本発明の実施形態2に係る電気光学装置としての発光装置110について説明する。
本実施形態における発光装置110は、副走査方向(Y軸方向)に画素行を2段(行)備えていることが、実施形態1の発光装置100と異なる。
ここでは、実施形態1における説明と重複する部分は省略し、相違点を中心に説明する。また、同一の構成部位については同一の番号を附している。
図8に示すように、発光装置110は、Y軸方向の上段(Y軸(+)側)に、実施形態1の発光装置100と同様の画素行(第1画素行)を備えている。詳しくは、発光画素行および発光画素行の前後に配置されたダミー画素Pdを含む第1画素行を備えている。
また、第1画素行の各画素は、基準線111を起点として、発光装置100と同じ画素ピッチmでX軸方向に配列している。なお、画素ピッチmは、例えば、約0.042mmに設定されている。なお、基準線111は、図8において、第1画素行において最も左側(X軸(−)側)に位置し、発光画素行の始点となる発光画素Paの中心を通り、Y軸と平行な線分である。
また、第1画素行の下段(Y軸(−)側)にも、同様の画素行(第2画素行)が配置されている。
第2画素行は、基準線111から画素ピッチmの約半分(m/2)、X軸(+)方向にシフトした基準線112を起点として、画素ピッチmでX軸方向に配列している。換言すれば、主走査方向における第1画素行の発光画素(の開口部)と、第2画素行の発光画素(の開口部)との位置は、画素ピッチmの約半分、主走査方向にシフトして配置されている。ここで、第2画素行の各画素の上部は、第1画素行の画素間に形成された三角状の窪みに納まるように、嵌め合わされている。これは、細長い菱形状の画素の配列により、第1画素行の下部には、鋭利な三角波状の隙間が形成され、当該隙間に、画素ピッチmの約半分シフトした同じ配列を有する第2画素行の上部形状が丁度収まるからである。
また、発光装置110では、画素行を2段備えているため、それに伴い、基板1のサイズが大きくなっている。
また、図3の画素回路においては、第1画素行と同じ画素回路が、第2画素行にも形成されている。発光装置110を点灯駆動する場合には、走査線駆動回路17によって、第1画素行、第2画素行の順番に走査信号が供給され、感光ドラム71の回転に同期して、交互に点灯駆動される。
上述した通り、本実施形態に係る発光装置110によれば、実施形態1の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
図2で説明した通り、発光装置110は、感光ドラム71の回転に同期して、点灯駆動されるため、感光ドラム71の水平方向(X軸方向)における1つの感光行に対して、第1画素行により光を照射した後、感光ドラム71を1画素行分回転させて、第2画素行による照射を行えば、1つの感光行に対して2倍の解像度による露光を行うことができる。
例えば、画素ピッチmが、約0.042mmである場合には、1つの画素行における水平解像度は、約600dpiであるが、主走査方向に画素ピッチが半分シフトしてレイアウトされた第1画素行と第2画素行とで、時系列に照射することにより、約1200dpiの水平解像度による露光を行うことができる。
従って、高解像度の発光装置110を提供することができる。
また、第1画素行の下部に形成された三角波状の隙間に、第2画素行の各画素の上部が勘合する構成となっているため、副走査方向の長さを短くすることができる。
従って、コンパクトな発光装置110を提供することができる。
(実施形態3)
図9(a),(b)は、実施形態3に係る発光装置の平面図であり、図1に対応している。以下、本発明の実施形態3に係る電気光学装置としての発光装置について説明する。
本実施形態における発光装置120,130は、異なる形状の発光画素Pa、およびダミー画素Pdを備えていることが、実施形態1の発光装置100と異なる。
ここでは、実施形態1における説明と重複する部分は省略し、相違点を中心に説明する。また、同一の構成部位については同一の番号を附している。
図9(a)の発光装置120は、図1の発光装置100とは異なる形状の発光画素Pa、およびダミー画素Pdを備えている。
まず、図1の画素との共通点は、Y軸方向に細長い棒形状をなしており、長手方向の中央部が太く両端部が細いこと、および外形サイズ「長さL×幅W1」が同じであることである。なお、開口部の大きさや、画素の配置ピッチなども、図1の構成と同じである。
また、相違点は、中央部が開口部10を中心にした長方形をなしており、当該長方形から階段状に幅W3の棒状の形状が両端に伸びていることである。換言すれば、画素の幅が、幅W1から幅W3に段階的に細くなっている。幅W3の棒状形状の両端には、角R42が設けられている。角R42の直径は、幅W3となっている。
つまり、発光装置120の発光画素Paは、幅W3を直径とする2つの半円(角R42)間を略平行な2本の直線で結んだトラック形状の中央部に、開口部10を含む長方形を配置した形状となっている。また、基板1のY軸方向の寸法は、画素の長さLの両端から若干隙間を取った、長さLよりも長い長さLbとなっていた。
また、発光装置120の発光画素Paも、その端部に向って細く形成されているため、その外形は、図6の比較例におけるトラック形状の発光画素Caの中に納まる。
図9(b)の発光装置130は、各画素の長手方向がY軸に対して傾斜していることが、図9(a)の発光装置120と異なる。
図9(b)に示すように、発光装置130の発光画素Paおよびダミー画素Pdは、その長手方向がY軸に対して傾斜して配置されている。詳しくは、発光画素Paは、Y軸に対して平行な基準線111に対して、その長手方向が角度θ傾いた状態で配置されている。なお、発光画素Paの長手方向とは、両端の角R42の中心を結ぶ線分のことであり、当該線分が基準線111に対して角度θ傾いている。また、他の発光画素Pa、およびダミー画素Pdも同じ傾きを持って配置されている。
ここで、基板1のY軸方向の寸法は、画素の長さLと同じ長さとなっている。換言すれば、長さLの複数の画素からなる画素行が、長さL(幅)の基板に収まっている。これは、各画素が斜めに配置されているからである。例えば、図9(b)のように、角度θを30°とした場合について説明する。
この場合、三角関数から、Y軸方向における発光画素Paの長さは、(√3/2)・Lであり、長さLの約0.87倍となるため、両端に若干の隙間を取っても長さL(幅)の基板に収めることが可能となる。
なお、角度θは、30°に限定するものではなく、基準線111に対して傾斜していれば良い。例えば、実施形態2のように、画素行を複数段形成する場合には、10〜45°度の範囲内であれば、レイアウト(設計)し易くなる。
上述した通り、本実施形態に係る発光装置120,130によれば、実施形態1の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
発光画素Paを含む各画素が、幅W3を直径とする2つの半円(角R42)間を略平行な2本の直線で結んだトラック形状の中央部に、開口部10を含む長方形を配置したであっても、その外形を図6の比較例におけるトラック形状の発光画素Caの中に納めることができる。
よって、比較例のトラック状の発光画素Caに比べて、凹部の面積が小さく、かつ、周縁部の長さが短く構成されているため、同量の液状体を塗布した場合において、より厚いEL層の層厚を得ることができる。換言すれば、液状体の塗布量に見合うEL層の層厚を得ることが可能となり、液状体の利用効率が良い。
従って、電気光学層の層厚を均一にすることが可能な発光装置120,130を提供することができる。また、層厚の均一化により、輝度ムラや、発光色ムラを低減することもできる。
発光装置130によれば、発光画素Paおよびダミー画素PdをY軸に対して傾斜して配置させることにより、副走査方向の長さを短くすることができる。
従って、コンパクトな発光装置130を提供することができる。
上述したように、画素の形状は、末端部における幅W3が、開口部10を横断する部分の幅W1よりも細ければ、幅W1から幅W3への変化が段階的であっても良いため、換言すれば、比較例の発光画素Caの中に納まる形状であれば同様の作用効果を得ることができる。また、画素の配置を斜めにしても良いことから、開口部の配置を含む画素形状や、画素の配列態様など、設計上の選択肢が広がり、設計の自由度を向上させることができる。なお、実施形態1における図1の発光画素Paも、図9(b)の発光画素Paと同様にその長手方向がY軸に対して傾斜して配置することで、副走査方向の長さを短くすることができ、図1の場合に比べてコンパクトな発光装置100を提供することができる。
(実施形態4)
図10は、実施形態4に係る発光装置の平面図であり、図8に対応している。
以下、本発明の実施形態4に係る電気光学装置としての発光装置140について説明する。
本実施形態における発光装置140は、副走査方向に画素行を2段(行)備えた構成を有し、当該画素行における画素として、図9の発光画素Paを変形させた画素を備えていることが、実施形態2の発光装置110と異なる。
ここでは、上記各実施形態における説明と重複する部分は省略し、相違点を中心に説明する。また、同一の構成部位については同一の番号を附している。
発光装置140の発光画素Paは、幅W3を直径とする2つの半円(角R42)間を略平行な2本の直線で結んだトラック形状の下側(Y軸(−)側)に、開口部10を含む長方形を配置した形状をなしている。つまり、開口部10を含む長方形の位置以外は、図9(a)の発光画素と同様である。また、ダミー画素Pdの形状も同様である。
また、この開口部10が下側に配置された発光画素Pa、およびダミー画素Pdの配列からなる第1画素行の下段に、X軸方向において画素配列が約m/2シフトした第2画素行を備えている。
第2画素行の発光画素Paは、幅W3を直径とする2つの半円(角R42)間を略平行な2本の直線で結んだトラック形状の上側(Y軸(+)側)に、開口部10を含む長方形を配置した形状をなしている。換言すれば、第2画素行の発光画素Paは、第1画素行の発光画素PaをX軸に対してミラー反転した(線対称な)形状となっている。
そして、図8と同様に、第2画素行の各画素の上部は、第1画素行の画素間に形成された窪みに納まるように、嵌め合わされている。これは、棒形状の画素の配列により、第1画素行の下部には、凹部が周期的に現れる矩形波状の隙間が形成され、当該隙間に、画素ピッチmの約半分シフトした同様の配列を有する第2画素行の上部形状が丁度収まるからである。
上述した通り、本実施形態に係る発光装置140によれば、実施形態1の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
画素の幅が、開口部10を横断する部分の幅W1から、末端部における幅W3に段階的に変化する発光画素Paを備えた発光装置140においても、第1画素行の下段に、X軸方向において画素配列が約m/2シフトした第2画素行を備えることにより、図8の発光装置110と同様に高解像度化を図ることができる。
従って、高解像度の発光装置140を提供することができる。
また、発光装置140における第1画素行の開口部から、第2画素行の開口部までの距離は、図8の発光装置110の当該距離よりも短くなっている。これは、第1画素行における開口部の位置が下方(Y軸(−)側)にシフトし、また、第2画素行における開口部の位置が上方(Y軸(+)側)にシフトしているからである。
また、開口部10の位置が第1、第2画素行間に近づいても、それぞれの画素の長さLは同じであるため、複数の開口部は、自らの幅W3の棒状形状に取り囲まれた状態となる。このため、乾燥工程において、複数の開口部10における液状体の溶媒分子分圧が均一化されるため、乾燥速度が均一化され、開口部10間におけるEL層の層厚をより均一にすることができる。
(電子機器)
図11は、上述の発光装置を露光ヘッドの光源として備えた電子機器としてのプリンタを示す模式断面図である。
以下、電子写真方式のプリンタ300の構成について、図11を中心に、適宜、図2を交えながら説明する。
プリンタ300は、上述の発光装置100〜140のいずれかを光源とした4つの露光ヘッド200K,200C,200M,200Yと、これらの露光ヘッドに対応する4個の感光ドラム(像担持体)71K,71C,71M,71Yとを備えた、タンデム型の電子写真方式プリンタである。
なお、以降の説明において、発光装置100〜140を総称する場合には、発光装置100と表現する。また、5つの露光ヘッドを総称する場合、または、代表として説明する場合には、露光ヘッド200という表現を用いることがある。感光ドラム71という表現も、同様の意味で用いる場合がある。
図2に示すように、露光ヘッド200は、円柱状の感光ドラム71と平行に、これと対向した状態で用いられる。換言すれば、感光ドラム71の回転軸79と平行に、かつ、露光ヘッド200から出射される光が、回転軸79を照射するように配置されている。
光学部材としてのレンズアレイ180は、セルフォック(登録商標)レンズであり、発光装置100から入射する光を、感光ドラム71の表面で集光し、露光(描画)する。
図11に戻る。
プリンタ300は、駆動ローラ91と従動ローラ92とテンションローラ93とを備え、これらの各ローラに中間転写ベルト90を、矢印方向(反時計方向)に循環駆動するよう張架したものである。
この中間転写ベルト90に対して、感光ドラム71K,71C,71M,71Yが所定間隔で配置されている。これら感光ドラム71K,71C,71M,71Yは、その外周面が像担持体としての感光層となっている。
なお、上記符号中のK、C、M、Yは、それぞれ黒、シアン、マゼンタ、イエローを意味し、それぞれ黒、シアン、マゼンタ、イエロー用の感光体であることを示している。
また、これら符号(K、C、M、Y)の意味は、他の部材についても同様である。感光ドラム71は、中間転写ベルト90の駆動と同期して、それぞれが矢印方向(時計方向)に回転駆動するようになっている。
感光ドラム71(K、C、M、Y)の周囲には、それぞれ感光ドラム71の外周面を一様に帯電させる帯電手段(コロナ帯電器)72(K、C、M、Y)と、この帯電手段72(K、C、M、Y)によって一様に帯電させられた外周面を感光ドラム71(K、C、M、Y)の回転に同期して順次ライン走査する露光ヘッド200(K、C、M、Y)とが設けられている。
また、露光ヘッド200(K、C、M、Y)で形成された静電潜像に現像剤としてのトナーを付与して可視像(トナー像)とする現像装置74(K、C、M、Y)と、現像装置74(K、C、M、Y)で現像されたトナー像を一次転写対象としての中間転写ベルト90に順次転写する転写手段としての一次転写ローラ75(K、C、M、Y)とが設けられている。
また、転写された後に感光ドラム71(K、C、M、Y)の表面に残留しているトナーを除去するクリーニング手段としてのクリーニング装置76(K、C、M、Y)がそれぞれ設けられている。
また、露光ヘッド200(K、C、M、Y)の主発光波長と、感光ドラム71(K、C、M、Y)の感度ピーク波長とが略一致するように設定されている。
現像装置74(K、C、M、Y)は、例えば、現像剤として非磁性一成分トナーを用いている。そして、その一成分現像剤を例えば供給ローラで現像ローラへ搬送し、現像ローラ表面に付着した現像剤の膜厚を規制ブレードで規制し、その現像ローラを感光ドラム71(K、C、M、Y)に接触させるか、または押圧せしめることにより、感光ドラム71(K、C、M、Y)の電位レベルに応じて現像剤を付着させ、トナー像として現像する。
このような4色の単色トナー像形成ステーションにより形成された黒、シアン、マゼンタ、イエローの各トナー像は、一次転写ローラ75(K、C、M、Y)に印加される一次転写バイアスによって中間転写ベルト90上に順次一次転写される。
そして、中間転写ベルト90上で順次重ね合わされてフルカラーとなったトナー像は、二次転写ローラ66において「紙」等の記録媒体Rに二次転写され、更に、定着部である定着ローラ対61を通ることで記録媒体R上に定着される。その後、記録媒体Rは、排紙ローラ対62によって装置上部に形成された排紙トレイ68上に排出される。
また、給紙カセット63は、複数枚の記録媒体Rを保持するための着脱自在に設けられた用紙ホルダであり、ピックアップローラ64は給紙カセット63から記録媒体Rを一枚ずつ給送するためのローラ部材である。
ゲートローラ対65は、二次転写部としての二次転写ローラ66への記録媒体Rの供給タイミングを規定するためのローラ部材である。
また、クリーニングブレード67は、二次転写後に中間転写ベルト90の表面に残留しているトナーを除去するためのクリーニング部材である。
上述したように、プリンタ300は、露光ヘッド200の光源として、輝度ムラや、発光色ムラが低減された発光装置100を備えている。
従って、プリンタ300によれば、均一な露光による高品位な画像を得ることができる。
また、電子機器としてはプリンタに限定するものではなく、各種照明装置や、表示装置などにも適用することができる。
また、表示装置に適用する場合には、発光装置100の画素行を複数段形成してマトリックス状の表示エリアを構成するとともに、画素行における発光色を赤、緑、青の繰り返しパターンとする。これにより、フルカラーの有機ELパネルを構成することができる。
この有機ELパネルは、例えば、携帯電話、カーナビゲーションシステム用の表示装置や、PDA(Personal Digital Assistants)、モバイルコンピュータ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、車載機器、オーディオ機器などの各種電子機器に用いることができる。
これらの電子機器によれば、輝度ムラや、発光色ムラが低減された高品位の表示を得ることができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、上述した実施形態に種々の変更や改良などを加えることが可能である。変形例を以下に述べる。
(変形例1)
図14は、変形例1に係る発光装置の断面図であり、図4に対応している。
実施形態1の発光装置100では、ボトムエミッション型を採用していたが、トップエミッション型であっても良い。
図14は、発光装置100をトップエミッション型で構成する場合における図1のq−q断面を示している。なお、この場合、図1は基板1側からの透過平面図となる。
なお、実施形態1における説明と重複する部分は省略し、相違点を中心に説明する。また、同一の構成部位については同一の番号を附して説明する。
トップエミッション型の発光装置は、基板1、反射層30、素子層6、絶縁層7、画素電極10、隔壁20、EL層15、共通電極33、封止層35などから構成されている。この構成は、発光装置の厚さ方向(Z軸方向)の構成が、図4のボトムエミッション型の構成と、略反転しており、トップエミッション型の場合、白抜きの矢印で示すように、発光画素Paの凹部U側から光を出射する。
トップエミッション型において固有な構成部位は、反射層30、共通電極33、および封止層35であり、他の構成部位は、実施形態1での説明と略同様である。
反射層30は、AlやAg、またはそれらの合金などから構成された全反射膜である。また、凹部U側から光を出射する構成であるため、基板1も透明である必要はなく、金属を用いても良い。
共通電極33は、MgAgなどの金属を、光が透過できる程度にごく薄く成膜した金属薄膜層から構成されており、ハーフミラーとしての光学作用を有している。
封止層35は、SiO2や、Si34などの透明で、かつ、水分を遮断する機能を有する封止層であり、EL層15に水分が浸入することを防止するガスバリア層である。
このような構成において、EL層15から放射される光のうち、共通電極33側に進む光は、その大半が共通電極33を透過して、白矢印で示されるように、封止層35からZ軸(+)方向に出射される。また、画素電極10側に進む光は、反射層30で反射され、EL層15を介して、白矢印で示される光に合成されて、封止層35からZ軸(+)方向に出射される。また、共通電極33で反射された光も、反射層30との間で反射を繰り返し、その多くが、封止層35から出射されることになる。
上述した通り、本変形例に係るトップエミッション型の発光装置であっても、実施形態1の発光装置100と同様の作用効果を得ることができる。また、他の各実施形態の構成も適用が可能であり、同様の作用効果を得ることができる。
(変形例2)
図1を用いて説明する。
図1の発光装置100において、各発光画素Paにさらに光センサを設けた構成であっても良い。詳しくは、発光画素Paの開口部10の隣(例えば、開口部から角R40までの間)に、フォトダイオードを形成する。なお、光センサは、フォトダイオードに限定するものではなく、例えば、フォトトランジスタや、CdS(硫化カドミウム)セルを用いた光センサであっても良い。
これらの構成によれば、当該画素が出射した光の反射光を検知することできるため、例えば、スキャナーのスキャンヘッド(発光兼、受光装置)に発光装置100を適用することができる。
(変形例3)
図15(a)は、変形例3に係る発光装置の平面図であり、図8に対応している。図15(b)は、変形例3に係る発光装置の平面図であり、図10に対応している。
なお、上記各実施形態における説明と重複する部分は省略し、相違点を中心に説明する。また、同一の構成部位については同一の番号を附して説明する。
図15(a)の発光装置150は、1つの発光画素Pa内に2つの開口部10を備えていること、および開口部の増加に伴い、画素の形状が若干変更になっていることが、図8の発光装置110と異なる。
上段の第1画素行の発光画素Paは、Y軸方向に並んだ2つの開口部10を備えている。2つの開口部10は、それぞれ独立した画素回路(図3)を備え、開口部間が電気的に接続しない程度の間隙を持って配置されている。2つの開口部10は、隣り合う発光画素Paにおける対応する開口部と配列を構成し、それぞれ主走査方向に配列した光出射行E1,E2を形成している。
光出射行E1,E2は、主走査方向において基準線111を起点として同一の配置ピッチmで配置されており、副走査方向においては、同一の光出射行とみなすことができる。
また、発光画素Paの形状は、2つの開口部10を形成するために、Y軸方向における幅W1の長さが長くなっている。換言すれば、幅W2から幅W1に至る角度βが、図8における角度よりも大きくなっている。なお、発光画素Paの長さは、長さLであり、図8における画素長さLと同じである。
第1画素行の下段に配置された第2画素行の発光画素Paも、第1画素行の発光画素Paと同様に、Y軸方向に並んだ2つの開口部10を備えている。第2画素行は、主走査方向において基準線111から画素ピッチmの約半分(m/2)、X軸(+)方向にシフトした基準線112を起点として配列されていること以外は、第1画素行と同様である。
第2画素行には、副走査方向において同一の光出射行とみなすことができる光出射行E3,E4が形成されている。
図15(b)の発光装置160は、1つの発光画素Pa内に2つの開口部10を備えていること、および開口部の増加に伴い、画素の形状が若干変更になっていることが、図10の発光装置140と異なる。
上段の第1画素行の発光画素Paは、Y軸方向に並んだ2つの開口部10を備えている。2つの開口部10は、それぞれ独立した画素回路を備え、開口部間が電気的に接続しない程度の間隙を持って配置されている。2つの開口部10は、隣り合う発光画素Paにおける対応する開口部と配列を構成し、それぞれ主走査方向に配列した光出射行E1,E2を形成している。
光出射行E1,E2は、主走査方向において基準線111を起点として同一の配置ピッチmで配置されており、副走査方向においては、同一の光出射行とみなすことができる。
また、発光画素Paの形状は、2つの開口部10を形成するために、Y軸方向における幅W1の長さが長くなっている。なお、発光画素Paの長さは、長さLであり、図10における画素長さLと同じである。
第1画素行の下段に配置された第2画素行の発光画素Paも、第1画素行の発光画素Paと同様に、Y軸方向に並んだ2つの開口部10を備えている。第2画素行は、主走査方向において基準線112を起点として配列されていること以外は、第1画素行と同様である。
第2画素行には、副走査方向において同一の光出射行とみなすことができる光出射行E3,E4が形成されている。
上述した通り、本実施形態に係る発光装置150,160によれば、各実施形態の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
発光装置150,160によれば、第1画素行には同一の光出射行とみなすことが可能な2段の光出射行E1と光出射行E2とが形成され、第2画素行には同一の光出射行とみなすことが可能な2段の光出射行E3と光出射行E4とが形成されている。
よって、例えば、光出射行E1に発光しない欠陥画素があった場合でも、光出射行E2を用いて露光を行うことが可能であり、また、光出射行E4に発光しない欠陥画素があった場合でも、光出射行E3を用いることができる。
つまり、スペアの光出射行を備えた使い勝手の良い発光装置150,160を提供することができる。
(変形例4)
図15(b)を用いて説明する。
図15(b)の発光装置160では、画素行は第1画素行と第2画素行との2行構成であるものとして説明したが、第1画素行と第2画素行との2行からなる構成を1つの発光ユニットとして、この発光ユニットを複数段、副走査方向に配列する構成であっても良い。発光ユニット数は、例えば、3〜5ユニットとすることが好ましい。
前述した通り、主走査方向に画素ピッチが半分シフトしてレイアウトされた第1画素行と第2画素行とによる構成によって、水平解像度を倍にすることができるため、上記構成によれば、高解像度の発光ユニットが、副走査方向に複数段、配列されることになる。
よって、本変形例に係る発光装置によれば、副走査方向において、同一の画素ピッチの発光ユニットが複数段形成されているため、例えば、第1発光ユニットに発光しない欠陥画素があった場合でも、第2発光ユニット、または第3発光ユニットによって露光を行うことができる。
また、有機ELには発光寿命があるため、第1発光ユニットの寿命が尽きた場合、第2発光ユニット、または第3発光ユニットを用いて露光を行うことができる。
従って、使い勝手が良く、長寿命の発光装置を提供することができる。また、複数の発光ユニットのうち、最低1つのユニットに画素欠陥がなければ、発光装置として使用することが可能であるため、製造歩留りを高めることができる。換言すれば、製造歩留りが高いことから、製造コストを抑制することができる。
また、ここまでは、副走査方向に沿って長手方向を配置した図15(b)の画素レイアウトを前提として説明したが、各画素行は図9(b)のように、副走査方向と長手方向とが傾きを持って配置された構成であっても良い。
このように、上記各実施形態および変形例を組み合せた構成であっても、各実施形態および変形例と同様の作用効果を得ることができる。
1…基板、10,10a,10b…開口部(画素電極)、15…電気光学層としてのEL層、20…隔壁、100〜160…電気光学装置としての発光装置、180…光学部材としてのレンズアレイ、200…露光ヘッド、300…電子機器としてのプリンタ、U…凹部、L…第2方向の長さ、W1…開口部を横断する部分の幅(第1方向の長さ)、W2,W3…末端における幅、Pa…発光画素、Pd…ダミー画素。

Claims (12)

  1. 第1の方向に略等間隔に配列された複数の発光画素を備えた電気光学装置であって、
    前記複数の発光画素の各々は、
    前記発光画素の輪郭を形成する隔壁に囲まれて形成された凹部と、
    前記凹部に形成された電気光学層と、
    前記凹部に形成され、前記電気光学層が放射する光を出射する開口部と、を少なくとも有し、
    前記凹部は、前記第1の方向と交差する第2の方向の長さが、前記第1の方向の長さよりも長く形成された棒形状をなし、
    前記棒形状における前記第1の方向の長さを幅としたときに、
    前記棒形状における前記第2の方向の末端における前記幅が、前記開口部を横断する部分の前記幅よりも、細いことを特徴とする電気光学装置。
  2. 前記幅は、前記開口部を横断する部分の幅から、前記末端に向って徐々に細くなることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
  3. 前記幅は、前記開口部を横断する部分の幅から、前記末端に向って段階的に細くなることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
  4. 前記末端は、前記棒形状における一方の末端と、他方の末端との両方であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  5. 前記末端の幅は、前記開口部の前記幅と同じか、それよりも細いことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  6. 前記棒形状の延在方向が、前記第2の方向に沿った線分から傾斜していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  7. 前記第1の方向における前記複数の発光画素の配列の前後には、ダミー発光画素が形成され、
    前記ダミー発光画素は、前記隔壁を少なくとも備え、
    前記凹部には、前記複数の発光画素と同様な前記電気光学層が形成されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  8. 前記複数の発光画素のうち、前記第1の方向に連続して配列された複数の発光画素を含む第1画素行と、
    前記第1画素行の前記第2の方向側に配置され、前記第1画素行と同様の配列である複数の発光画素を含む第2画素行と、を備え、
    前記第1画素行の発光画素と、前記第2画素行の発光画素との位置は、前記第2画素行の発光画素の開口部が前記第1画素行の発光画素の開口部に対して、所定ピッチ分前記第1の方向にシフトしていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  9. 前記凹部には、複数の前記開口部が形成されており、
    前記複数の開口部は前記第2の方向において間隙を持って配置されるとともに、前記複数の発光画素のうち前記第1の方向において隣り合う発光画素の対応する前記開口部と、それぞれ配列をなしていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  10. 前記電気光学層は、前記凹部に液滴吐出法によって塗布した液状体を乾燥させて形成した有機EL層であり、
    前記開口部は、前記画素電極と前記電気光学層との間に形成された絶縁膜に形成されており、前記絶縁膜から前記画素電極の少なくとも一部が露出するように設けられていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の電気光学装置と、
    前記電気光学装置の前記発光画素が出射する光を所定の位置に集光させる光学部材とを、少なくとも備えたことを特徴とする電子機器。
  12. 第1の方向に略等間隔に配列された複数の発光画素を備えた電気光学装置の製造方法であって、
    前記複数の発光画素の各々は、
    前記発光画素の輪郭を形成する隔壁に囲まれて形成された凹部と、
    前記凹部に形成された電気光学層と、
    前記凹部に形成され、前記電気光学層が放射する光を出射する開口部と、を少なくとも有し、
    前記凹部は、前記第1の方向と交差する第2の方向の長さが、前記第1の方向の長さよりも長く形成された棒形状をなし、
    前記棒形状における前記第1の方向の長さを幅としたときに、
    前記棒形状における前記第2の方向の末端における前記幅が、前記開口部を横断する部分の前記幅よりも細く形成されてなり、
    前記電気光学層を形成する工程は、
    前記電気光学層を構成する溶質を溶解した溶液を前記凹部に液滴吐出法によって塗布する工程と、
    前記溶質を乾燥させる工程と、を含むことを特徴とする電気光学装置の製造方法。
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