JP2021030568A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ボトムエミッション型の露光装置では感光ドラムを露光するための光の強度が不十分となるため、トップエミッション型の発光装置を感光ドラムの露光に用いることが考えられるが、さらに感光ドラムを露光するための光の強度が必要な場合が生じ得る。【解決手段】 発光層を挟んでシリコン基板に積層された2次元配列された第1の電極とは反対側において発光層に積層された光が透過可能な電極を通過する光を用いて感光ドラムを露光する。【選択図】 図7

Description

電子写真方式の画像形成装置に関する
一般的に、LED(Light Emitting Diodo)や有機EL(Organic Electro Luminescence)を有する露光ヘッドを用いて感光ドラムを露光することによって画像を形成する電子写真方式の画像形成装置が知られている。露光ヘッドは、感光ドラムの回転方向に略直交する方向に配列された複数の発光部を備える。露光ヘッドは、各発光部から出射される光を感光ドラムに結像するためのロッドレンズアレイをさらに有する。発光部の数および隣接する発光部間の間隔は、感光ドラム上における画像形成領域の幅、および画像形成装置の出力画像の解像度によって決まっている。例えば、1200dpiの出力解像度のプリンタの場合、1画素の幅は21.16μm(小数点3桁以降は省略)であるため、隣接する発光部の中心間距離は21.16μmで形成される。このような、露光ヘッドを用いた画像形成装置は、レーザ走査方式のレーザビームプリンタのようにポリゴンミラーなどの偏向装置を用いないため、レーザ走査方式のプリンタと比較して、使用する部品数が少ないため、装置の小型化、低コスト化が可能となる。
このような露光ヘッドとして透明のガラス基板上にTFT回路と有機ELを用いた露光ヘッドが提案されている(例えば特許文献1を参照)。
特開2015−162428号公報
特許文献1が開示する露光ヘッドに備えられる発光装置は、有機層からの光をTFT回路側から出射させる、所謂ボトムエミッション型の発光装置である。ボトムエミッション型の発光装置は、TFT回路によって光路が限定されてしまうため、発光層における発光光量に対して発光装置から出射される光量の割合が小さい。そのため、ボトムエミッション型の発光装置を感光体の露光光源としてもいる場合、発光光量を大きくしなければならないという課題がある。
本発明は上記問題を鑑みてなされたもので、本発明の画像形成装置は、画像形成装置であって、回転軸線を中心に回転駆動される感光体と、発光装置と、前記発光装置から出射された光を感光体表面に導くレンズアレイと、を含む露光ヘッドと、を備え、前記発光装置は、前記発光装置を駆動する駆動回路を含むシリコン基板と、前記感光体の回転方向、および前記回転軸線に略平行な方向に2次元配列された複数の電極であって、前記シリコン基板上に分離して形成された複数の電極を含む第1の電極層と、前記第1の電極層の上に層状に形成され、電圧が印加されることによって発光する発光層と、前記シリコン基板および前記第1の電極層が配置された側とは前記発光層を間に挟んで反対側に前記第1の電極層の前記複数の電極に対して共通に設けられ、光が透過可能な第2の電極層と、を備え、前記駆動回路は、前記発光層が発光するように前記第1の電極層に含まれる各電極の電圧を画像データに基づいて制御し、前記レンズアレイは、前記第2の電極層を透過した光が前記感光体上に導かれるように、前記第2の電極層と前記感光体表面との間に配置されていることを特徴とする。
トップエミッション構造の発光装置を用いて感光ドラムを露光する画像形成装置を提供することができる。
本実施例に係る画像形成装置の概略断面図 本実施例に係る露光ヘッドと感光ドラムの位置関係を示す図 本実施例に係る露光ヘッドの概略図 本実施例に係る複数の発光装置のプリント基板上での配置関係を示す図 本実施例に係るロッドレンズアレイとプリント基板の配置関係を示す上面図 本実施例に係る発光装置の上面図 本実施例に係る下部電極の配列を示す図 本実施例に係る発光装置の概略断面図 本実施例に係る多重スポットの様子を説明する図 本実施例に係る画像コントローラ部及び駆動基板のブロック図 本実施例に係る発光装置内の回路図 各信号の波形及び画像データのシフトを示す図 本実施例に係る多重露光を実行するための各信号の波形及び画像データを示す図 本実施例に係るアナログ部のブロック図、駆動部の回路図 本実施例に係る発光順番を切り替える発光装置内の回路図
[実施例1]
図1は、実施例1における電子写真方式の画像形成装置の構成を示す概略断面図である。図1に示す画像形成装置は、スキャナ機能とプリンタ機能を備える複合機(MFP)であり、スキャナ部100、作像部103、定着部104、給紙/搬送部105、及びこれらを制御するプリンタ制御部(不図示)から構成される。スキャナ部100は、原稿台に置かれた原稿に照明を当てて原稿画像を光学的に読み取り、読み取った画像を電気信号に変換して画像データを作成する。
作像部103は、無端の搬送ベルト111の回転方向(反時計回り方向)に沿って、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の順に並べられた、4連の画像形成ステーションを備える。4つの画像形成ステーションは同じ構成を有し、各画像形成ステーションは、矢印方向(時計回り方向)に回転する感光体である感光ドラム102、露光ヘッド106、帯電器107、現像器108を備えている。なお、感光ドラム102、露光ヘッド106、帯電器107、現像器108の添え字a、b、c、dは、それぞれ画像形成ステーションのブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)に対応する構成であることを示す。なお、以下では、特定の感光ドラム等を指す場合を除き、符号の添え字を省略することとする。
作像部103では、感光ドラム102を回転駆動し、帯電器107によって感光ドラム102を帯電させる。露光手段である露光ヘッド106は、発光装置を画像データに応じて発光させ、発光装置によって生成される光を、ロッドレンズアレイによって感光ドラム102上(感光体上)に集光し、静電潜像を形成する。現像手段である現像器108は、感光ドラム102に形成された静電潜像をトナーで現像する。そして、現像されたトナー像は、記録紙を搬送する搬送ベルト111上の記録紙に転写される。このような一連の電子写真プロセスが各画像形成ステーションで実行される。なお、画像形成時には、シアン(C)の画像形成ステーションでの画像形成が開始されて所定時間が経過した後に、順次、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の各画像形成ステーションで、画像形成動作が実行される。これにより、フルカラーの画像が形成される。
図1に示す画像形成装置は、記録紙を給紙するユニットとして、給紙/搬送部105が有する本体内給紙ユニット109a、109b、大容量の給紙ユニットである外部給紙ユニット109c、及び手差し給紙ユニット109dを備えている。画像形成時には、このうち、予め指示された給紙ユニットから記録紙が給紙され、給紙された記録紙はレジストレーションローラ110まで搬送される。レジストレーションローラ110は、上述した作像部103において形成されたトナー像が記録紙に転写されるタイミングで、搬送ベルト111に記録紙を搬送する。搬送ベルト111により搬送される記録紙には、各画像形成ステーションの感光ドラム102上に形成されたトナー像が順次転写される。未定着のトナー像が転写された記録紙は、定着部104へと搬送される。定着部104は、ハロゲンヒータ等の熱源を内蔵し、記録紙上のトナー像を、2つのローラにより加熱・加圧することによって記録紙に定着させる。定着部104によりトナー像が定着された記録紙は、排出ローラ112により画像形成装置の外部に排出される。
ブラック(K)の画像形成ステーションの記録紙搬送方向の下流側には、搬送ベルト111に対向する位置に、検知手段である光学センサ113が配置されている。光学センサ113は、各画像形成ステーション間のトナー像の色ずれ量を導出するため、搬送ベルト111上に形成されたテスト画像の位置検出を行う。光学センサ113により導出された色ずれ量は、後述する画像コントローラ部700(図7参照)等に通知され、記録紙上に色ずれのないフルカラートナー像が転写されるように、各色の画像位置が補正される。また、プリンタ制御部(不図示)は、複合機(MFP)全体を制御するMFP制御部(不図示)からの指示に応じて、上述したスキャナ部100、作像部103、定着部104、給紙/搬送部105等を制御しながら、画像形成動作を実行する。
ここでは、電子写真方式の画像形成装置の例として、搬送ベルト111上の記録紙に各画像形成ステーションの感光ドラム102に形成されたトナー像を直接転写する方式の画像形成装置について説明した。しかしながら、実施形態は、このような感光ドラム102上のトナー像を直接、記録紙に転写する方式のプリンタに限定されるものではない。例えば、実施形態は、感光ドラム102上のトナー像を中間転写ベルトに転写する1次転写部と、中間転写ベルト上のトナー像を記録紙に転写する2次転写部を備える画像形成装置でも良い。
[露光ヘッドの構成]
次に、感光ドラム102に露光を行う露光ヘッド106について、図2を参照して説明する。図2(a)は、露光ヘッド106と感光ドラム102との位置関係を示す斜視図であり、図2(b)は、露光ヘッド106の内部構成と、露光ヘッド106からの光束がロッドレンズアレイ203により感光ドラム102に集光される様子を説明する図である。図2(a)に示すように、露光ヘッド106は、矢印方向に回転する感光ドラム102の上部の、感光ドラム102に対向する位置に、取付け部材(不図示)によって画像形成装置に取り付けられている(図1)。
図2(b)に示すように、露光ヘッド106は、プリント基板202と、プリント基板202に実装された発光装置群400と、ロッドレンズアレイ203と、ハウジング204から構成されている。ハウジング204には、ロッドレンズアレイ203とプリント基板202が取り付けられる。図2に示すようにロッドレンズアレイ203は、発光装置群400と感光ドラム102の間に配置されている。ロッドレンズアレイ203は、プリント基板202の長手方向に沿って設けられ、発光装置群がそれぞれ出射する光束を感光ドラム102上に集光させる。工場では、露光ヘッド106単体で組立て調整作業が行われ、ピント調整、光量調整が行われる。ここで、感光ドラム102とロッドレンズアレイ203との間の距離、及びロッドレンズアレイ203と発光装置群400との間の距離が、所定の間隔となるように組立て調整が行われる。これにより、発光装置群400からの光が感光ドラム102上に結像される。そのため、工場でのピント調整時においては、ロッドレンズアレイ203と発光装置群400との距離が所定の値となるように、ロッドレンズアレイ203の取付け位置の調整が行われる。また、工場での光量調整時においては、後述する発光装置401の下部電極を駆動し、ロッドレンズアレイ203を介して感光ドラム102上に集光させた光が所定光量になるように、発光装置に印加する後述の電圧の調整が行われる。
図3は、プリント基板202およびプリント基板に実装された発光装置群400を説明する図である。図3(a)は、プリント基板202の発光装置群400が実装された面の構成を示す模式図であり、図3(b)は、プリント基板202の発光装置群400が実装された面(第1面)とは反対側の面(第2面)の構成を示す模式図である。
図3(a)に示すように、第2の基板であるプリント基板202に実装された発光装置群400は、独立したチップである発光装置401−1〜401−20が、プリント基板202の長手方向に沿って、千鳥状に2列に配置された構成を有している。すなわち、プリント基板202上(第2の基板上)には、奇数番目の発光装置401−1・・・と偶数番目の発光装置401−2・・・とが感光ドラム102の回転方向において異なる位置に配列されている。以下、発光装置401−1〜401−20を総称する場合、発光装置400として説明する。なお、図3(a)において、上下方向は第1の方向である感光ドラム102の回転方向を示し、水平方向は、第1の方向と直交する第2の方向である長手方向を示す。長手方向は、感光ドラム102の回転方向と交差する交差方向でもある。各々の発光装置群400の内部には計748個の後述する下部電極を有する。本実施例では、下部電極は21.16μm(≒2.54cm/1200ドット)に1つ配置されている。その結果、1つの発光装置内における748個の下部電極の端から端までの配列距離は、約15.8mm(≒21.16μm×748)である。発光装置群400は、20個の発光装置401−1〜401−20から構成されている。発光装置群400に下部電極の数は14,960個(=748個の電極×20チップ)となり、発光装置群400によって約316mm(≒約15.8mm×20チップ)の長手方向の画像幅に対応した露光が可能となる。
図3(b)に示すように、発光装置群400が実装された面とは反対側のプリント基板202の面には、コネクタ305が実装されている。コネクタ305は、不図示の画像コントローラ部700から発光装置群400を制御する制御信号及び電源ラインを接続するためのコネクタであり、コネクタ305を介して各発光装置401−1〜401−748が駆動される。
図4は、長手方向に2列に配置された発光装置401のチップ間の境界部の様子を示す図であり、水平方向は、図3(a)の発光装置群401の長手方向である。図4に、発光装置401のチップ間の境界部(長手方向においてチップ同士の端部が重なっている部分(重なり部))を示す。発光装置401−2nと発光装置401−2n+1間の境界部においても、異なる発光装置間における端部の下部電極のピッチ(2つの下部電極の中心点と中心点の間隔)は、1200dpiの解像度のピッチである略21.16μmとなっている。
図5は、本実施例に係るロッドレンズアレイ203とプリント基板202の配置関係を示す上面図である。ロッドレンズアレイ203は、光軸がZ方向に延びるロッドレンズが図5に示すように配列されたレンズ群である。プリント基板202に実装された発光装置401−1〜401−748の発光領域の長さ以上に渡って複数のロッドレンズ500が配置されている。ロッドレンズアレイ203以外にはマイクロレンズアレイなどを用いることができる。
[発光装置の構成]
図6は発光装置401の内部構成を示す概略図である。ここで、図6に示すように、発光装置401の長手方向をX方向、短手方向をY方向とする。ここで、Y方向は感光ドラム102の回転方向、言い換えれば回転する感光ドラム102の感光面(感光体表面)の移動方向である。X方向は、Y方向すなわち感光ドラム102の回転方向に略直交する方向である。感光ドラム102の回転方向に略平行な方向でもある。なお、略直交は角度90°に対して±1°程度の傾きを許容し、略平行は互いのなす角度が0°を基準に±1°程度の傾きを許容する。発光装置401は第1の基板であるシリコン基板402の上にワイヤボンディング用パッド(以下、WBパッドという)601−1、601−2、601−3、601−4が形成されている。なお、シリコン基板402には駆動部である回路部602(破線)が内蔵されている。回路部602としてはアナログ駆動回路、デジタル制御回路、又はその両方を含んだ構成を用いることができる。回路部602の電源供給や発光装置401の外部からの信号等の入出力はWBパッドを介して行われる。
本実施例の発光装置401は、感光ドラムの回転軸線方向に沿って延びるライン状の発光領域604を含む。発光領域604は、後述する陽極と陰極と発光層450とを含み、陽極と陰極に電位差が生じることによって発光する領域である。
シリコン基板402は、集積回路形成用のプロセス技術も発達しており、既に様々な集積回路の基板として用いられているため、高速かつ高機能な回路を高密度に形成できるというメリットがある。また、シリコン基板については、大口径のウェハが出回っており、安価に入手することができるというメリットがある。
図7および図8を用いて発光装置401をさらに詳しく説明する。図7、および図8におけるX方向は、露光ヘッドの長手方向を示している。Z方向は、後述する層構造の各層が重なる方向(積層方向)である。
図7は、図6中のA−A断面の概略図の要部拡大図である。図8は、Y方向から見た後述する下部電極410−1〜410−748の概略図である。図7に示すように、発光装置401は、シリコン基板402、下部電極410−1〜410−748、下部電極420−1〜420−748、発光層450、上部電極460を備える。
シリコン基板402には製造プロセスにおいて後述する下部電極410−1〜410−748それぞれに対応する駆動部を含む駆動回路が形成された駆動基板である。
図5に示すように、下部電極410−1〜410−748(陰極)は、シリコン基板402上に層状(第1の電極層)に形成された複数の電極である。各下部電極410−1〜410−748は、シリコン基板402を製造する製造プロセスとともにSi集積回路加工技術を用いてシリコン基板402に内蔵されている複数の駆動部上に形成される。下部電極410−1〜410−748は、後述する発光層450の発光波長に対して反射率の高い金属が好ましい。そのため、下部電極410−1〜410−748には、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、またはこれらの合金、銀・マグネシウム合金など含有することが好ましい。
図7および図8に示すように、下部電極410−1〜410−748は、X方向における各画素に対応して設けられた電極である。すなわち、下部電極410−1〜410−748はそれぞれ1画素を形成するために設けられた電極である。下部電極410−1〜410−748を第1の電極列とする。
本実施例におけるX方向における下部電極410−1〜410−748の幅Wは1画素の幅に対応する幅である。間隔dはX方向における下部電極間距離である。下部電極410−1〜504−748はシリコン基板402上に間隔dを開けて形成されているため、発光基板402に形成された複数の駆動部はそれぞれ個別に下部電極410−1〜410−748の電圧を制御することができる。間隔dには発光層450の有機材料が充填されており、下部電極は有機材料によって仕切られている。
本実施例における発光装置において、下部電極410−1〜410−748の幅Wは称呼寸法として20.90m、間隔dは称呼寸法として0.26μmに設定されている。つまり、本実施例の発光装置は、X方向において21.16μm毎に1つの下部電極410を備える。21.16μmは1200dpiにおける1画素の大きさであるので、各下部電極のX方向における下部電極410の幅は本実施例の画像形成装置の出力解像度に対応する1画素相当の大きさを有することになる。なお、本実施例の発光装置おけるプロセス・ルールは0.2μm程度と高精度であり、d1の幅を0.26μmの分解能で形成することは可能である。
また、感光ドラムの回転方向であるY方向における下部電極410−1〜410−748の幅もWである。つまり、本実施例の下部電極410−1〜410−748は20.90μm四方の形状をなしており、下部電極410の面積は436.81μmの大きさとなる。これは、1画素の面積447.7456μmに対して約97.6%を占める。有機発光材料はLEDに比較して光量が少ない。それに対して、上記のように下部電極を正方形として隣接する下部電極間の距離を小さくしてシリコン基板402上に形成することで、感光ドラムの電位を変化させ得る程度の光量を得るための発光面積を確保することが可能となる。なお、1画素の占有面積に対して90%以上の下部電極面積を確保することが望ましい。したがって、1200dpiの出力解像度の画像形成装置に対しては下部電極410の一辺の幅を約20.07μm以上で形成することが望ましく、2400dpiの出力解像度の画像形成装置に対しては下部電極410の一辺の幅を約10.04μm以上で形成することが望ましい。
一方で、下部電極410の占有面積の上限値は、ロッドレンズアレイや後述する上部電極の透過率に基づいて設定されるべきであるが、本実施例では、1画素の占有面積に対して110%を上限として設定する。1画素の占有面積に対して110%より大きく設計すると、感度の高い感光ドラムを露光する際に形成される画素のサイズが解像度を大きく超えてしまう可能性があるため、下部電極410の占有面積の上限値を110%に設定する。したがって、1200dpiの出力解像度の画像形成装置に対しては下部電極410の一辺の幅を約22.19μm以下で形成することが望ましく、2400dpiの出力解像度の画像形成装置に対しては下部電極410の一辺の幅を約11.10μm以下で形成することが望ましい。すなわち、1画素の占有面積に対する下部電極の占有面積の範囲は90%以上110%以下であることが好ましい。
なお、下部電極の形状は正方形に限られず、画像形成装置の出力解像度に対応する露光領域サイズの光を出射し、その光によって出力画像の画質が画像形成装置の設計仕様を満たすレベルであれば四角形以上の多角形、円形、楕円形などの形状でも良い。
図8(a)に示すように、本実施例の発光装置401は、下部電極410−1〜410−748に加えて、下部電極420−1〜420−748を備える。下部電極420−1〜420−748は、下部電極410−1〜410−748と同様に、シリコン基板402上に層状(第1の電極層)に形成された複数の電極である。下部電極420−1〜420−748を第2の電極列とする。すなわち、発光装置401は、2次元配列された下部電極を備える。下部電極420−1〜420−748のサイズ、形状、X方向における配列は下部電極420−1〜420−748と同様であるので説明を省略する。
下部電極420−1〜420−748(第2の電極列)はY方向において下部電極410−1〜410−748(第1の電極列)に対して間隔dを開けて配置されている。Y方向において下部電極420−1は下部電極410−1に隣接して配置され、同様に下部電極420−2〜下部電極420−748は、それぞれ下部電極410−2〜下部電極410−748に隣接して配置される。なお、本実施例のように、必ずしもX方向における下部電極間距離とY方向における下部電極間距離を等しく設計する必要はないが、所定面積内に効率よく下部電極を配列するために双方向における下部電極間距離を等しく設計することが望ましい。また、本実施例では説明を簡易にするために2列の電極列を備える発光装置を例示するが、図8(b)に示すように、電極列は3列以上の任意の数の列であっても良い。例えば、上記と同様に、下部電極420−1〜420−748それぞれに対して下部電極430−1〜430−748を隣接して配置し、さらに、下部電極430−1〜430−748に対して下部電極440−1〜440−748を隣接して配置しても良い。以下では、説明を簡易にするために、下部電極410−1〜下部電極410−748、および下部電極420−1〜下部電極420−748を有する発光装置を例に説明を進める。
下部電極410−1および下部電極420−1を同時に駆動したときに、感光ドラム102上における両電極の駆動により露光される中心位置間の距離は感光ドラム102の回転方向においてW+dずれる。本実施例の画像形成装置は、感光ドラム102の回転方向において隣接する複数の下部電極(例えば、下部電極410−1と下部電極420−1)を駆動することによって画像形成装置の出力解像度におけるある1画素に相当する領域を露光する。そのため、感光ドラム102の回転速度に応じて下部電極410−1への電圧印加のタイミングと下部電極420−1への電圧印加のタイミングに時間差を設けることによって1画素に相当する領域を複数回露光することができる(多重露光)。
次に、発光層450について説明する。発光層450は下部電極410−1〜410−748および下部電極420−1〜420−748が形成されたシリコン基板402に積層されて形成される。すなわち、下部電極410−1〜410−748および下部電極420−1〜420−748が形成された部分において発光層450は下部電極410−1〜410−748および下部電極420−1〜420−748上に積層される。下部電極410−1〜410−748および下部電極420−1〜420−748が形成されていない部分においてシリコン基板402上に積層される。本実施例では、発光装置202において発光層450は、下部電極410−1〜410−748および下部電極420−1〜420−748すべてに跨るように形成されているが、実施の形態はこれに限られるものではない。例えば、下部電極410−1〜410−748および下部電極420−1〜420−748と同様に発光層450を各下部電極上に分離して積層するように形成しても良いし、下部電極410−1〜410−748、下部電極420−1〜420−748を複数のグループに分割して、分割したグループ毎にそのグループに属する下部電極上に一つの発光層を積層させても良い。
発光層450は、例えば有機材料を用いることができる。有機EL膜である発光層450は、電子輸送層、正孔輸送層、電子注入層、正孔注入層、電子ブロック層、正孔ブロック層などの機能層を含む積層構造体である。発光層450には、有機材料以外でも無機材料を用いても良い。
発光層450には上部電極460(陽極)が積層(第2の電極層)とされている。上部電極460は、発光層450の発光波長の光を透過させることが可能(透過可能)な電極である。そのため、本実施例の上部電極460は酸化インジウムスズ(ITO)を含有する材料を透明電極として採用している。酸化インジウムスズの電極は、可視光領域の光に関して80%以上の透過率を有するため、有機ELの電極としては好適である。
上部電極460は、少なくとも発光層450を挟んで下部電極410−1〜410−748および下部電極420−1〜420−748の反対側に形成されている。すなわち、Z方向において、上部電極460と下部電極410−1〜410−748、および上部電極460と下部電極420−1〜420−748の間に発光層450が配置されており、Z方向において下部電極410−1〜410−748、および下部電極420−1〜420−748を上部電極460に投影したときに下部電極410−1〜410−748および下部電極420−1〜420−748が形成された領域は上部電極460が形成された領域に収まる。なお、透明電極は発光層450全体に積層されていなくても良いが、発光層450で生じた光を効率良く発光装置の外部に出射するためには、1画素の占有面積に対して上部電極460の占有面積が100%以上であることが好ましく、より好ましくは120%以上であることが好ましい。上部電極460の占有面積の上限値はシリコン基板402、発光層450の面積によって任意に設計される。上部電極460において光を透過させる部分以外は配線を設けても良い。
本実施例の上部電極460は、各下部電極410−1〜410−748および下部電極420−1〜420−748に対して共通に設けられた陽極であるが、各下部電極410−1〜410−748、および下部電極420−1〜420−748それぞれに対して個別に設けても良いし、複数の下部電極毎に一つの上部電極を設けても良い。
駆動回路は、上部電極460と、下部電極410−1〜410−748および下部電極420−1〜420−748のうちの任意の下部電極と、に電位差を生じさせるために画像データに基づいて各下部電極410−1〜410−748および下部電極420−1〜420−748の電位を制御する。
本実施例における発光装置は所謂トップエミッション型の出射方式のデバイスである。陽極である上部電極460と陰極である下部電極410および下部電極420それぞれに電圧を印加して両社に電位差が生じると、陰極から電子が発光層450に流れ込み、陽極から正孔が発光層450に流れ込む。そして、発光層450において電子と正孔が再結合することによって発光層450が発光する。発光層450が発光することによって上部電極460に向かう光は上部電極460を透過して発光装置から図7に示す矢印A方向に出射される。また、発光層450から下部電極410および下部電極420に向かう光は下部電極410におよび下部電極420よってそれぞれ上部電極460に向けて反射され、その反射光も上部電極460を透過して発光装置から出射される。発光層450から直接上部電極460に向かって出射される光と、下部電極410および下部電極420それぞれによって反射されて上部電極460から出射される光と、の上部電極460からの出射タイミングに時間差は生じるが、発光装置の層の厚さは極小さいため、ほぼ同時の出射と見做すことができる。
上部電極460として酸化インジウムスズなどの透明電極を用いることによって電極の光の透過割合を示す開口率を実質的に上部電極460の透過率と同等とすることができる。すなわち、実質的に上部電極460以外に光を減衰させる、あるいは光を遮蔽する部分がないため、発光層450の発光が極力減衰する、あるいは遮蔽されることなく出射光となる。
また、前述した様に下部電極410−1〜410−748および下部電極420−1〜420−748を高精度なSi集積回路加工技術を用いて形成することで下部電極410−1〜410−748および下部電極420−1〜420−748を高密度配置ができる。そのため、発光部404の面積(ここでは下部電極410−1〜410−748および下部電極420−1〜420−748の面積と、互いに隣接する下部電極間の領域の面積の合計)のほとんどを下部電極410−1〜410−748および下部電極420−1〜420−748に割り当てることができる。すなわち、単位面積当たりの発光領域の利用効率が高い露光ヘッドとなる。
なお、発光層450として有機EL層や無機EL層などの水分に弱い発光材料を用いる際は発光部404への水分侵入を阻止するために封止しておくことが望ましい。封止方法としては、例えば、シリコンの酸化物、シリコンの窒化物、アルミの酸化物などの薄膜の単体あるいは積層した封止膜を形成する。封止膜の形成方法としては段差などの構造の被覆性能に優れた方法が好ましく、例えば、原子層堆積法(ALD法)などを用いることができる。なお、封止膜の材料、構成、形成方法などは一例であり、上述した例には限定されず、適宜好適なものを選択すればよい。
[多重露光の露光領域形状]
図9に、多重露光時の露光領域(スポット)の位置関係を示す。図9において、下部電極410−n(nは1≦n≦748の自然数)およびY方向においてそれに隣接する下部電極420−nを駆動することによって露光される露光ドラム106上の露光領域を示している。すなわち、図9は、X方向に配列された748個の下部電極のうちのn番目の下部電極について、Y方向に並ぶ2つの下部電極下部電極410−nと下部電極420−nの露光領域を示す。発光基板402のY方向における下部電極410−n、および下部電極420−nに略同時に発光層450を発光させるための電圧を印加した場合、下部電極410−nに対応する露光領域と下部電極420−nに対応する露光領域は図9(a)のようにY方向の異なる位置となる。各露光領域の位置は、Y方向における下部電極410−nおよび下部電極420−nとの配置関係と同様になる。つまり、Y方向における各露光領域の中心間距離はW(μm)+d(μm)となる。
図9(b)は、感光ドラム102の回転方向と回転速度Vdr(mm/s)に応じて、感光ドラム106の回転方向において下部電極410−nよりも下流側を露光するように配置された下部電極420−nに電荷を印加するタイミング(以下、点灯タイミングという)を、式(1)に従い遅延させたときの露光領域の様子を示す。感光ドラム102上に形成される露光領域の位置が一致するタイミングTは、式(1)で求められる遅延時間Tdelayに基づき制御される。
Tdelay=((W+d)÷1000)÷Vdr 式(1)
また本実施例では、各画素に対応する各下部電極の発光時間の最大値Twは、Y方向の1ラインの間隔に相当する時間に等しくなるように発光信号が生成され、解像度(例えば1200dpi)と回転速度Vdrとにより式(2)で表される。
Tw=(25.4÷1200)÷Vdr 式(2)
多重露光により、下部電極410−nおよび下部電極420−nを用いて感光ドラム102上の略同一位置での露光が可能となり、感光ドラム102が受光する光量は、Y方向に配列さる下部電極の数に比例して大きくすることが可能となる。なお、このような効果を維持するためには、多重露光する各下部電極の感光ドラム102上での露光領域の位置のずれが小さいことが好ましい。
図9(c)に、多重露光において感光ドラム102上の露光領域の位置がずれている例を示す。この例では、多重露光による2つの露光領域は完全には重なっていないが、部分的に重なった状態となっている。理想的には、図9(b)のように2つの露光領域が略一致している(完全に重なっている)方が、ドットが鮮鋭に形成されるため好ましい。しかし、図9(c)のように一部でも露光領域が重なっている場合においても、ドットの鮮鋭性は図9(b)に比べて劣化するものの必要な濃度を得ることができる。
このため、時間Tdelayは、制御上のバラツキがあった場合でも、露光領域のサイズWs(μm)に対して式(3)の範囲内に収まるように、発光タイミングの許容誤差量ΔT以内で発光タイミングが制御されるものとする。
ΔT=(Ws÷1000)÷Vdr 式(3)
[制御ブロック]
図10に、画像コントローラ部700、駆動基板202のブロック図を示す。以下、チップセレクト信号をcs_x、ライン同期信号をlsync_x、クロック信号をclk、画像データ信号をdataとする。本実施例では、説明を簡易化するために単色の処理について説明するが、同様の処理を4色について並列に処理するものとする。
(画像コントローラ部)
画像コントローラ部700には、スキャナ部100が生成した画像データが入力され、駆動基板202を制御するための制御信号を送信する。なお、画像コントローラ部700に入力される画像データは、前述したようにスキャナ部100で生成したデータでも良いし、パーソナルコンピューターよりネットワーク機器(不図示)を介して転送されたデータでもよい。制御信号は、画像データの有効範囲を表すチップセレクト信号cs_x、クロック信号clk、画像データ信号data、画像データの1ライン毎の区切りを表すライン同期信号lsync_x、CPU703との通信信号である。各々の信号は、チップセレクト信号線705、クロック信号線706、画像データ信号線707、ライン同期信号線708、通信信号線709を介して駆動基板202内の発光装置401に送信される。画像コントローラ部700では、画像データに対する処理と、印刷タイミングに対する処理が行われる。画像データ生成部701は、スキャナ部100又は画像形成装置外部から受信した画像データに対して、CPU703により指示された解像度でディザリング処理を行いプリント出力のための画像データを生成する。本実施例では、例えば1200dpiの解像度でディザリング処理を行うものとする。
同期信号生成部704は、第2の信号であるライン同期信号lsync_xを生成する。CPU703は、予め定められた感光ドラム102の回転速度に対して、1ライン周期として、同期信号生成部704に信号周期の時間間隔を指示する。ここで、1ライン周期とは、感光ドラム102表面が回転方向に1200dpiの画素サイズ(約21.16μm)分移動する周期である。例えば、記録紙の搬送方向に200mm/sの速度で印刷が行われる場合、CPU703は1ライン周期を105.8μs(小数点2桁以下省略)として時間間隔を同期信号生成部704に指示する。搬送方向の速度については、感光ドラム102の速度を制御する制御部(不図示)に設定される印刷速度(画像形成速度)の設定値(固定値)を用いてCPU703が算出するものとする。なお、印刷速度は例えば記録紙の種類に応じて設定される。
チップデータ変換部702は、同期信号生成部704で生成したライン同期信号lsync_xに同期して1ライン分の画像データを発光装置401毎に分割する。チップデータ変換部702は、発光装置401毎に分割した画像データをクロック信号clkとチップセレクト信号cs_xとともに駆動基板202へ送信する。クロック信号clkは、制御の基準となる信号である。
(駆動基板)
次に駆動基板202の構成について説明する。ヘッド情報格納部710は各発光装置401の発光量や実装位置情報といったヘッド情報を格納する記憶装置であり、通信信号線709を介してCPU703と接続されている。クロック信号線706、画像データ信号線707、ライン同期信号線708、通信信号線709は発光装置401の全てに接続されている。チップセレクト信号線705は発光装置401−1の入力に接続されている。発光装置401−1の出力が信号線711−1を介して発光装置401−2の入力に接続され、発光装置401−2の出力が信号線711−2を介して発光装置401−3の入力に接続される。このように、チップセレクト信号線705(又は信号線711)は、各発光装置401を介していわゆる数珠つなぎに接続(カスケード接続)されている。各発光装置401は、チップセレクト信号線705、クロック信号線706、ライン同期信号線708、画像データ信号線707、通信信号線709で設定された設定値に基づいて各発光装置401の下部電極の電圧を制御する。また、各発光装置401は、次の発光装置401用のチップセレクト信号を生成する。
[発光装置内の回路構成]
図11(a)に発光装置401内の回路ブロック図を示す。発光装置401内の回路部406はデジタル部800とアナログ部806とを有する。デジタル部800は、クロック信号clkに同期して、通信信号によって予め設定された設定値や各種信号に基づいて下部電極410−nおよび下部電極420−nを駆動するためのパルス信号を生成し、パルス信号線907を介してアナログ部806へ送信する機能を有する。ここで、各種信号とは、チップセレクト信号cs_x、画像データ信号data、ライン同期信号lsync_xをいう。またデジタル部800は、入力されてきたチップセレクト信号cs_xから次の発光装置401用のチップセレクト信号を生成する機能を有する。
[デジタル部]
通信IF部801は、CPU703からの通信信号に基づいて、レジスタ部802に対する設定値のライト及びリードを制御する。レジスタ部802は、動作に必要な設定値(予め設定された設定値)を格納する。この設定値には、画像データ格納部804で使用される露光タイミング情報、パルス信号生成部805で生成されるパルス信号の幅及び位相情報、アナログ部806で設定される駆動電圧の設定情報等がある。なお、駆動電圧は下部電極と上部電極間の抵抗値から導出でき、かつこの抵抗値のレンジは予め判っているため、駆動電圧の設定情報に代えて駆動電流に関する情報が格納されていても良い。レジスタ部802はこれらの情報の少なくとも1つを格納する。第2の生成部であるチップセレクト信号生成部803は、入力されてきた第1の信号であるチップセレクト信号cs_xを遅延させ、次の発光装置401用のチップセレクト信号を生成し、信号線711を介して送信する。画像データ格納部804は、入力されてきたチップセレクト信号cs_xが有効な間の画像データを保持し、ライン同期信号lsync_xに同期して画像データをパルス信号生成部805に出力する。詳細は後述する。
パルス信号生成部805は、画像データ格納部804から入力された画像データに応じて、レジスタ部802で設定されたパルス信号の幅情報及び位相情報に基づきパルス信号を生成し、アナログ部806に出力する。詳細は後述する。アナログ部806はデジタル部800で生成されたパルス信号に基づいて、下部電極を駆動するために必要な信号を生成する。詳細は後述する。
(画像データ格納部)
次に画像データ格納部804の動作について説明する。実施例1の画像データ格納部804は、発光装置401に内蔵されている。チップセレクト信号cs_x及びライン同期信号lsync_xは負論理信号である例を説明するが、正論理であってもよい。図11(b)は画像データ格納部804の回路構成図である。クロックゲート回路810はチップセレクト信号cs_xの反転信号とクロック信号clkとの論理積を出力とする。クロックゲート回路810は、チップセレクト信号cs_xが有効なときのみフリップフロップ回路811にクロック信号s_clkを出力する。
フリップフロップ回路811は、画像データ格納部804へ入力されてきた画像データ信号dataを大元の入力とする。フリップフロップ回路811は発光装置401の長手方向に設けられた下部電極401の数と同じ数(本実施例では748)が直列に接続されている。フリップフロップ回路811は、クロックゲート回路810から送られてきたクロック信号s_clkに応じて動作する。フリップフロップ回路811の出力は、画像データdly_data_000〜dly_data_747として、隣接して接続された次のフリップフロップ回路811及びフリップフロップ回路812に出力される。フリップフロップ回路811及びフリップフロップ回路812は下部電極列401の長手方向において下部電極401の数(本実施例では748個)分設けられている。
フリップフロップ回路812は、フリップフロップ回路811の出力を入力とし、ライン同期信号lsync_xに応じて動作する。フリップフロップ回路812の出力は、画像データbuf_data_0_000〜buf_data_0_747として、パルス信号生成部805(805−1、805−3、805−5・・・)とフリップフロップ回路813に出力される。フリップフロップ回路812は各々がメモリ回路として機能し、1つの下部電極列(下部電極401−1〜401−748)に対して設けられたフリップフロップ回路812はメモリ回路群(又は第1のメモリ回路群)として機能する。パルス信号生成部805−1、805−3、805−5・・・は第1のパルス信号を生成する第1のパルス信号生成部群として機能する。なお、パルス信号生成部805−1は下部電極410−1を駆動するためのパルス信号を生成し、パルス信号生成部805−3は下部電極410−2を駆動するためのパルス信号を生成する。また、パルス信号生成部805−5は下部電極410−3を駆動するためのパルス信号を生成する。
フリップフロップ回路813は、フリップフロップ回路812の出力を入力とし、多重露光タイミング信号lshift_0に応じて動作する。フリップフロップ回路813の出力は、画像データbuf_data_1_000〜buf_data_1_747として、パルス信号生成部805(805−2、805−4、805−6・・・)に出力される。フリップフロップ回路813は各々がメモリ回路として機能し、1つの下部電極列(402−1〜402−748)に対して設けられたフリップフロップ回路813はメモリ回路群(又は第2のメモリ回路群)として機能する。パルス信号生成部805−2、805−4、805−6・・・は第2のパルス信号を生成する第2のパルス信号生成部群として機能する。なお、パルス信号生成部805−2は下部電極420−1を駆動するためのパルス信号を生成し、パルス信号生成部805−4は下部電極420−2を駆動するためのパルス信号を生成する。また、パルス信号生成部805−6は下部電極420−3を駆動するためのパルス信号を生成する。
第1の生成部である多重タイミング信号生成部814は、ライン同期信号lsync_x、クロック信号clk、多重タイミング設定信号lshift_startに基づいてタイミング信号である多重露光タイミング信号lshift_0を生成する。すなわち、多重タイミング信号生成部814は、パルス信号生成部805−2、805−4、…にパルス信号生成部805−1、805−3、…とは異なるタイミングでパルス信号を生成するための多重露光タイミング信号lshif_0を生成する。本実施例では、多重タイミング信号生成部814は、ライン同期信号lsync_xを多重タイミング設定信号lshift_startに設定された設定値分遅延させて、多重露光タイミング信号lshift_0を生成する。例えば、多重タイミング設定信号lshift_startが1(lshift_start=1)と設定されたとき、多重露光タイミング信号lshift_0は、ライン同期信号lsync_xがクロック信号clkで1サイクル分遅延した信号となる。多重タイミング信号生成部814は、感光ドラム102の回転速度に基づいて多重露光タイミング信号lshift_0を生成する。すなわち、多重タイミング設定信号lshift_startは、上述した式(1)で求められる遅延時間Tdelayに基づいて設定されている。
図12は画像データ格納部804の発光装置401の長手方向の動作を表すタイミングチャートである。図12は、(i)にクロック信号clkの波形を示し、(ii)にライン同期信号lsync_xの波形を示し、(iii)にチップセレクト信号cs_xの波形を示し、(iv)に画像データ信号dataを000〜747で示す。ここで、「000」は、例えば下部電極410−1に対応する画像データを示し、「747」は下部電極410−748に対応する画像データを示す。画像データ信号dataについて斜線で示す部分は、画像データとしては無効なデータを示す。(v)はフリップフロップ回路811の出力である画像データdly_data_000等を示し、(vi)はフリップフロップ回路812の出力である画像データbuf_data_0_000等を示す。
チップセレクト信号cs_xが0(cs_x=0(ローレベル))である時刻T0から時刻T1までの間、直列に接続されたフリップフロップ回路811を介して画像データは次のようにシフトしていく。時刻T1はcs_x=0をクロック信号clkの立ち上がりで捕らえた時刻である。すなわち、data→dly_data_000→dly_data_001→…→dly_data_747といった具合に順にシフトしていく。チップセレクト信号cs_xがローレベルとなっている期間(cs_x=0)には、クロック信号clkが、発光装置401の長手方向の下部電極の数と同じ数、すなわち748だけ入力されるものとする。こうすることで、1ライン分の画像データがdly_data_000〜dly_data_747に保持されることとなる。
時刻T1以降はチップセレクト信号cs_xが1(cs_x=1(ハイレベル))であるためにシフト動作は行われずに時刻T1の画像データが保持される。例えば、1つ目のフリップフロップ回路811で時刻T1以降に保持される画像データdly_data_000は747である。時刻T2でライン同期信号lsync_xが0(lsync_x=0(ローレベル))となると、1ライン分の画像データが一斉にbuf_data_0_000〜buf_data_0_747として、パルス信号生成部805に出力される。時刻T2はlsync_x=0をクロック信号clkの立ち上がりで捕らえた時刻である。すなわち、フリップフロップ回路811で保持されていた画像データdly_data_000等がフリップフロップ回路812を介して画像データbuf_data_0_000等としてパルス信号生成部805に出力される。
次に、図13は画像データ格納部804のY方向の動作を示すタイミングチャートである。図13は、(i)にライン同期信号lsync_xの波形を示し、(ii)にフリップフロップ回路812の出力である画像データbuf_data_0_000等を示す。(iii)に多重露光タイミング信号lshift_0の波形を示し、(iv)にフリップフロップ回路813の出力である画像データbuf_data_1_000等を示す。図13では代表して図11(b)の最左端にあるフリップフロップ回路812の出力である画像データbuf_data_0_000及びフリップフロップ回路813の出力である画像データbuf_data_1_000について説明する。なお、画像データbuf_data_0_001〜buf_data_0_747、buf_data_1_001〜buf_data_1_747の全てにおいて同様である。
図12で述べたとおり、図12の時刻T0でライン同期信号lsync_x=0となったタイミングである図13の時刻T10でフリップフロップ回路812に画像データdly_data_000が入力される。そうすると、画像データdly_data_000の値がフリップフロップ回路812から画像データbuf_data_0_000として出力される。時刻T11において、多重露光タイミング信号lshift_0がローレベル(lshift_0=0)としてフリップフロップ回路813に入力される。そうすると、フリップフロップ回路812から出力された画像データbuf_data_0_000の値がフリップフロップ回路813から画像データbuf_data_1_000として、パルス信号生成部805に出力される。このように、lsync_x=0でbuf_data_0_000としてパルス信号生成部805に出力されたデータが、次のlshift_0=0のタイミングでbuf_data_1_000として再びパルス信号生成部805に出力される。ここで、多重露光タイミング信号lshift_0がローレベルとなる時刻T11は、ライン同期信号lsync_xがローレベルとなった時刻T10から多重タイミング設定信号lshift_start分遅延したタイミングである。画像データbuf_data_0_000を感光ドラム102上でY方向において先の露光に用いられる方の下部電極に対応するパルス信号生成部805に出力する。また、画像データbuf_data_1_000を感光ドラム102上でY方向において後の露光に用いられる方の下部電極に対応するパルス信号生成部805に出力する。これにより、多重露光が実現される。
本実施例では、Y方向に並ぶ2つの下部電極410−nおよび下部電極420−nを用いて多重露光する構成を例にして説明したが、多重露光に用いる下部電極は2つに限定するものではない。多重露光に用いる下部電極を増やす場合(m=3列以上のを多重露光用とする場合)は、図11(b)に示したフリップフロップ回路812、813(748)をm列分(m×748個)に増やせばよい。これにより、m列分(m×748個)の下部電極に対応する画像データを保持可能となる。また、m列分のフリップフロップ回路に接続されるパルス信号生成部805もm列分(m×748個)に増やすことで、m列分(m×748個)の各下部電極602は発光タイミングが制御可能となり、m列分の多重露光が可能になる。
本実施例では、各下部電極602の画像データを保持する手段としてフリップフロップ回路を例にして説明した。この構成ではフリップフロップ回路を下部電極410−1〜410−748に併走して配置することで、より簡易で配線面積の少ない回路が構成される。一方、フリップフロップ回路を用いないとしても、次のような構成とすることができる。すなわち、下部電極に対応するメモリ回路(例えばRAM等)と、メモリ回路への読み出しタイミングと書き込みタイミングとを制御する制御部とを有していれば、フリップフロップ回路を必ずしも用いる必要はない。
多重露光に用いられる下部電極を増やし、かつ、多重露光に用いる下部電極列の数を選択可能にすることで、よりダイナミックな光量の制御が可能となる。例えば、下部電極列の列の数mをm=10とし、下部電極をY方向に配列した構成の場合、画像形成装置の画像形成速度に応じて、多重露光に用いる下部電極列を2列〜10列まで選択することが可能となる。これにより、9段階の光出力の変更が可能となる。したがって、下部電極の1つ1つの駆動電流の制御範囲を小さくすることができ、常に略等しい駆動電流条件で下部電極を駆動することが可能となる。例えば、低い電流(すなわち低い光量)で下部電極を駆動した際に、下部電極の応答が遅くなり所定の光量が得られないようなケースがある。このようなケースに対して、本実施例の多重露光を用いることで下部電極の安定的な駆動が可能となる。このように、複数列のどの列の下部電極を用いるかの選択を行う場合は、フリップフロップ回路812、813等に、リセット端子を付加し、画像データの出力を選択的に停止する構成をとればよい。このような方法以外にも、パルス信号生成部805にパルス信号の出力を停止する手段を付加してもよい。
[アナログ部]
図14(a)に、アナログ部806のブロック図を示す。本実施例では説明を簡略化するため、下部電極列410−1〜410−748における2つの下部電極410−1、410−2を駆動する駆動部1001−1、1001−3を図示して説明する。しかし、同様の駆動部1001−1〜1001−748が下部電極列410−1〜410−748に含まれるその他の下部電極に対応して形成されているものとし、更に他の下部電極列に対応しても形成されているものとする。パルス信号生成部805−1、805−3は、下部電極410−1、410−2の発光(ON)タイミングを制御するパルス信号を生成する。パルス信号生成部805−1、805−3は、パルス信号線907−1、907−3を介して駆動部1001−1、1001−3にパルス信号を入力する。
デジタルアナログ変換器(以下、DACとする)1002は、レジスタ部802に設定されたデータに基づき信号線1003を介して、駆動電流を決定するアナログ電圧を駆動部1001−1、1001−3に供給する。駆動部選択部1007は、レジスタ部802に設定されたデータに基づき、駆動部1001−1、1001−3を選択する駆動部セレクト信号を、信号線1004、1005を介して、駆動部1001−1、1001−3に供給する。駆動部セレクト信号は、選択された駆動部1001に接続されている信号のみがハイレベルとなるように生成される。例えば、駆動部1001−1が選択される場合、信号線1004にのみハイレベルの駆動部セレクト信号が供給され、信号線1005など他の駆動部1001−3等に接続されている信号線1005等にはローレベルの駆動部セレクト信号が供給される。本実施例では駆動部セレクト信号は正論理としているが、負論理であってもよい。
駆動部1001−1、1001−3は、各々駆動部選択部1007によって選択されたタイミング(駆動部セレクト信号がハイレベルになるタイミング)で、信号線1003を介して入力されるアナログ電圧が設定される。CPU703はレジスタ部802を介して駆動部1001−1、1001−3を順次選択し、選択した駆動部1001−1、1001−3に対応した電圧を設定する。これにより、CPU703は1つのDAC1002で全ての駆動部1001のアナログ電圧を設定する。前述した動作により駆動部1001−1、1001−3には、駆動電流を決定するアナログ電圧とパルス信号とが入力され、以降に説明する駆動回路によって各下部電極410−1、410−2が独立して駆動電流と発光時間が制御される。
(駆動部)
図14(b)に、下部電極410−1を駆動する駆動部1001−1の回路について示す。なお、他の下部電極に対する駆動部1001についても、同様の回路で駆動するものとする。MOS型電界効果トランジスタ(以下、MOSFETとする)1102は、ゲート電圧値に応じて下部電極410−1に駆動電流を供給し、ゲート電圧がローレベルのときには、駆動電流がオフ(消灯)するように電流を制御する。
MOSFET1104のゲート端子には、パルス信号線907−1が接続されており、パルス信号がハイレベルのときにコンデンサ1106に充電された電圧を、MOSFET1102に受け渡す。MOSFET1107は、駆動部選択部1007から送信された駆動部セレクト信号(信号線1004より伝送)がゲート端子に接続されている。MOSFET1107は、受信した駆動部セレクト信号がハイレベルのときにオンし、DAC1002から出力されたアナログ電圧(信号線1003より伝送)を、コンデンサ1106に充電する。本実施例においては、画像形成前のタイミングで、DAC1002はコンデンサ1106にアナログ電圧を設定し、画像形成期間中はMOSFET1107をオフ状態にすることで、電圧レベルを保持し続けるものとする。
このような動作により、MOSFET1102は、設定されたアナログ電圧とパルス信号とに応じて駆動電流を下部電極410−1に供給する。下部電極410−1の入力容量が大きく、オフ時の応答速度が遅い場合は、MOSFET1103によりオフの速度を速めることが可能である。MOSFET1103はゲート端子にインバータ1105によりパルス信号を論理反転させた信号が入力されている。パルス信号がローレベルのときに、MOSFET1103のゲート端子はハイレベルになり、下部電極410−1の入力容量に充電された電荷を強制的に放電する。
なお本実施例では、画像全体の光量を駆動電流による制御で行い、各画素区間における画像データに応じた光量の制御をPWM制御で行う構成を例にして説明したが、本発明においては光量の制御方法を限定するものではない。画像全体、画素区間内の制御の両方を、駆動電流による制御で行ってもよいし、PWM制御で行っても良いものとする。
[下部電極の駆動方向の切り替え(千鳥配置への対応)]
前述したように、本実施例では発光装置401を駆動基板202上に千鳥状に配置(以下、千鳥配置という)する構成を例としている。発光装置401を千鳥配置にする場合、ロッドレンズアレイ203の短手方向のレンズ中心に対して、下部電極を中心に近く配置することで良好な結像特性が得られる。安価なロッドレンズアレイを使用する場合、ロッドレンズの開口部に制限があるため、下部電極の配置がロッドレンズ中心より離れすぎるとロッドレンズの開口部に光が届かなくなり、感光ドラム102上に光が出射できなくなる場合がある。そのため、下部電極列は発光装置401の中心より短手方向における片側に寄せて配置し、下部電極列がロッドレンズ中心になるべく近く配置される構成が有効である。
図4では、ロッドレンズアレイ203の短手方向の中心を破線でL_centerとして示している。ロッドレンズアレイ203の短手方向の中心線(以下、中心線という)L_centerと、千鳥配置された2つの発光装置401の中心とが一致するようにロッドレンズアレイ203と発光装置401とが実装されている。各発光装置401の下部電極は、発光装置401の中心より中心線L_centerに近い位置に寄せて配列されている。ここで、発光装置401−2n(一方の第1の基板)において、発光装置401−2n+1から遠い側の面を端面311とし、発光装置401−2n+1に近い側の面を端面310とする。また、発光装置401B(他方の第1の基板)において、発光装置401Aから遠い側の面を端面311とし、発光装置401Bに近い側の面を端面310とする。いずれの発光装置401においても、下部電極は端面310側に寄せて配置されている。
下部電極をこのように配置することで、いずれの下部電極もロッドレンズアレイ203の開口部に光が入射する配置となっている。また、本実施例では、発光装置401内の下部電極が、発光装置401の短手方向における中心より片側に寄った位置に配列されている。いずれの発光装置401も端面310が、中心線L_center側になるように発光装置401の実装方向が決定されている。すなわち、発光基板402において、ロッドレンズアレイ203の短手方向における中央(中央線L_center)に近い側に複数の下部電極列410−1〜410−748が配置される。2列の千鳥配置で発光装置401を配列する場合、発光装置401Aと発光装置401Bとの間で、互いに180°反転した状態で、中心線L_centerに下部電極が近づくように配置される。
このように、発光装置401内で下部電極の位置を片側に寄せて、かつ、下部電極が中心線L_centerに近づくように発光装置401の実装方向が決定される。これにより、良好な結像特性を得ることが可能となる。一方、前述したように発光装置401毎に異なる実装方向で配置することで、下部電極のY方向の点灯順番を、発光装置401の方向に合わせて制御する必要がある。例えば、発光装置401Aは端面311に近い側(図中上側)の下部電極が先に点灯し、発光装置401Bは端面310に近い側(図中上側)の下部電極が先に点灯する。このような場合の制御方法を以下に説明する。
(セレクタを有する回路)
図15は、駆動基板202の短手方向において下部電極列410−1〜410−748の発光順番を切り替える発光装置401内部の回路ブロック図である。図11(b)と同様、Y方向に2列の下部電極列410−1〜410−748および下部電極列420−1〜420−748を有する場合について説明する。図11(b)で説明した回路構成に加えて、画像データ格納部804はセレクタ2200−12、2200−34、2200−56、…を有している。セレクタ2200−12は、フリップフロップ回路812及びフリップフロップ回路813とパルス信号生成部805−1及びパルス信号生成部805−2との接続の組み合わせを切り替える。セレクタ2200−34は、フリップフロップ回路812及びフリップフロップ回路813とパルス信号生成部805−3及びパルス信号生成部805−4との接続の組み合わせを切り替える。セレクタ2200−56は、フリップフロップ回路812及びフリップフロップ回路813とパルス信号生成部805−5及びパルス信号生成部805−6との接続の組み合わせを切り替える。
セレクタ2200−12、2200−34、2200−56、…を総称してセレクタ2200とする。セレクタ2200は、フリップフロップ回路812、813の画像データの送信先であるパルス信号生成部805との接続関係を切り替え可能としている。すなわち、セレクタ2200は、第1のメモリ回路群及び第2のメモリ回路群と第1のパルス信号生成部群及び第2のパルス信号生成部群との接続の組み合わせを選択する選択部として機能する。
例えば、千鳥配置の長手方向における一方の発光装置401では、フリップフロップ回路812はパルス信号生成部805−1と接続し、フリップフロップ回路813はパルス信号生成部805−2と接続する。千鳥配列の長手方向における他方の発光装置401では、フリップフロップ回路812はパルス信号生成部805−2と接続し、フリップフロップ回路813はパルス信号生成部805−1と接続する。セレクタ2200の接続情報は、CPU703からの通信信号に基づいて、レジスタ部802の所定のレジスタに設定される。セレクタ2200はレジスタ部802に設定された接続情報(レジスタ値)に基づいて接続を制御されるものとする。
前述したように、下部電極の点灯順番を切り替える手段を有することで、駆動基板202上への発光装置401の配置方向によらず、多重露光を行うことが可能となる。本実施例では、千鳥配置についての有用性を説明したが、同じ露光ヘッドを複数の異なる画像形成装置に用いる際も有用である。感光ドラム102の回転方向と露光ヘッドの取り付け方向とに応じて、点灯順番を選択する。これにより、感光ドラム102の回転方向が異なる画像形成装置においても、同一の露光ヘッドを使用することが可能となる。
以上説明したように、本実施例では、Y方向に下部電極を配列し多重露光することで、露光ヘッドの光出力の高出力化が可能であり、画像形成装置の高速化や、より光量を必要とする感光体材料に対しても対応が可能となる。また、シリコン基板上に下部電極列や回路部406を構成することで、出力解像度の高精細化、発光装置の大規模なロジック回路を内蔵可能とすることによる制御の高性能化が可能となる。
また、発光基板402内に多重露光するための画像データを生成する手段を有する。これにより、発光装置401のインターフェイスの配線(ワイヤボンディング)を増やすことなく、必要な画像データの生成が可能である。メモリ回路(フリップフロップ回路)を最適に配置することで、配線の面積を最適化することが可能となる。更に、画像形成装置の印字速度、解像度、発光装置401の下部電極の間隔に応じて発光タイミングを制御することができる。これにより、感光ドラム102上での多重露光による露光領域を鮮鋭化できる。
以上、本実施例によれば、より高い光出力で、高速に駆動することが可能な露光ヘッドを提案することができる。

Claims (10)

  1. 画像形成装置であって、
    回転軸線を中心に回転駆動される感光体と、
    発光装置と、前記発光装置から出射された光を感光体表面に導くレンズアレイと、を含む露光ヘッドと、を備え、
    前記発光装置は、
    前記発光装置を駆動する駆動回路を含むシリコン基板と、
    前記感光体の回転方向、および前記回転軸線に略平行な方向に2次元配列された複数の電極であって、前記シリコン基板上に分離して形成された複数の電極を含む第1の電極層と、
    前記第1の電極層の上に層状に形成され、電圧が印加されることによって発光する発光層と、
    前記シリコン基板および前記第1の電極層が配置された側とは前記発光層を間に挟んで反対側に前記第1の電極層の前記複数の電極に対して共通に設けられ、光が透過可能な第2の電極層と、を備え、
    前記駆動回路は、前記発光層が発光するように前記第1の電極層に含まれる各電極の電圧を画像データに基づいて制御し、
    前記レンズアレイは、前記第2の電極層を透過した光が前記感光体上に導かれるように、前記第2の電極層と前記感光体表面との間に配置されていることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記複数の電極は、第1の電極と、前記感光体の回転方向において前記第1の電極の下流に隣接して配置された前記第2の電極と、を含み、
    前記感光体における前記第1の電極の駆動によって露光される露光領域が前記第2の電極の駆動によってさらに露光されるように、前記駆動回路は画像データに基づく前記第1の電極と前記第2の電極の電位を制御するタイミングを制御することを特徴とする画像形成装置。
  3. 前記画像形成装置の出力解像度における各画素を形成すべく、前記第1の電極と前記第2の電極を同一の画素データに基づいて駆動して多重に露光することによって前記各画素を形成することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  4. 前記第1の電極層に含まれる前記複数の電極は前記画像形成装置の出力解像度における1画素に対応して設けられ、
    前記1画素の占有面積に対して前記複数の電極それぞれの面積は80%以上、110%以下であることを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記第1の電極層に含まれる前記複数の電極は正方形であることを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項に記載の画像形成装置。
  6. 前記シリコン基板、前記第1の電極層、前記発光層、前記第2の電極層の積層方向において前記第1の電極層を前記第2の電極層に投影した場合、前記第1の電極層における前記複数の電極は前記第2の電極層に収まることを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項に記載の画像形成装置。
  7. 前記第2の電極層は酸化インジウムスズを含むことを特徴とする請求項1乃至6いずれか1項に記載の画像形成装置。
  8. 前記第1の電極層に含まれる前記複数の電極は、銀を含有することを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
  9. 前記第1の電極層に含まれる前記複数の電極は、アルミニウムを含有することを特徴とする請求項7または8に記載の画像形成装置。
  10. 前記第1の電極層に含まれる前記複数の電極は、銀・マグネシウム合金を含有することを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
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