JP2010280066A - 有機エレクトロルミネッセンス装置および画像形成装置 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス装置および画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】光プリンターに用いられる光書き込みヘッドを、液相法を用いた有機EL素子を形成する場合、まず、有機EL材料を所定の溶媒に溶解または分散させて液状組成物を形成する。そして、この液状組成物を隔壁内に塗布し、乾燥させることで形成する。通常液状組成物中の溶媒の蒸発は極めて速い。このため、隔壁の端部と中央部とでは乾燥時間に差が生じ、厚さムラによる光量ムラに伴う、印刷ムラが発生するという課題がある。
【解決手段】感光ドラムの同一箇所に、発光素子アレイ22が備える有機EL素子24a1と有機EL素子24b1、有機EL素子24a2と有機EL素子24b2、有機EL素子24a3と有機EL素子24b3とを重ねて同一駆動条件で露光する。このように露光することで、中央と端との間の層厚差を補償するように感光ドラム上に露光することが可能となる。
【選択図】図3

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス装置および画像形成装置に関する。
近年、有機エレクトロルミネッセンス(以下、エレクトロルミネッセンスをELとも記載する)素子を使用した光プリンターの開発が盛んに行われている。有機EL素子は、対向する一対の電極間に有機EL層、即ち発光素子を備えて構成されたものであり、光プリンターを構成する発光素子アレイの副走査方向に延在するよう有機EL素子が配列されている。ここで、副走査方向とは発光素子アレイと感光媒体とが相対的に動く方向と並行(たとえば平行)する方向を示し、主走査方向とは副走査方向と交差(たとえば直交)する方向を示すものとする。
有機EL素子は、高分子系有機材料を用いる場合には、まず有機EL材料を所定の溶媒に溶解または分散させて液状組成物を形成する。そして、この液状組成物をたとえば液滴吐出法を用いて塗布することで製造することができる。低分子系有機材料を用いた蒸着法を用いる場合と比べ、高分子系有機材料を液状組成物として用いた場合、液状組成物を印刷技術の応用により塗布することで有機EL素子を多数備えた大型の有機EL装置を均一に、しかも安く生産できる。また、蒸着法では高価な有機EL材料の利用効率はきわめて低い(5%以下程度)が、液滴吐出法は、高い効率(フラッシング等の損失を除けば、全ての液滴が有効に付着するため原理的には100%)で液状組成物(有機EL材料)を利用することができ、コスト面や環境負荷面においても優れている。
かかる製造方法において、有機EL素子の周囲を隔壁で区画することで高精細なパターニングを可能としている。ここでは、一例として液滴吐出法について触れているが、液滴吐出法に代えてスリットコート法や、ディスペンス法等の塗布手段を用いても良く、若干の利用効率の低下を伴うが、短時間で塗布することを可能としている。
ところで、有機EL素子の構成要素である画素電極上に塗布された液状組成物中の溶媒の蒸発は極めて速い。このため、隔壁の端部では、隔壁の中央部に塗布された液状組成物より溶媒分子分圧が低いために速く乾きはじめる。従って、隔壁の端部に塗布された液状組成物と隔壁の中央に塗布された液状組成物とでは、その乾燥時間に差が生じる。このような液状組成物の乾燥時間の差は、有機EL素子を構成する層の厚さムラを引き起こし、光量ムラの原因となる。このため、以下に示す特許文献1では、基板上の端の周囲に表示には関係のないダミーの塗布領域を設けることで塗布領域を広げ、基板内の溶媒分子分圧を均一にして発光装置を形成する方法が提案されている。
また、特許文献2に記載されているように、発光領域を隔壁から3μm以上離間させることで隔壁周辺の急激な層厚変化を避けるように発光装置を形成する方法が提案されている。また、特許文献3に記載されているように、隔壁内に凹凸を形成することで液相状態での無駄な流動を抑制し、層厚の均一性を保つ方法が提案されている。
特開2002−222695号公報 特開2007−87693号公報 特開2008−243649号公報
上記した方法を用いることで有機EL素子の層厚の均一性を高めることは可能であるが、やはり層の厚さムラは残る。特に、隔壁の近傍部と、隔壁に囲われた中央部とでの層厚差の影響は大きく、有機EL素子を発光素子アレイ等の光書き込みヘッドに用いた場合、副走査方向に対する印字濃度が不均一になるという課題がある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例にかかる有機エレクトロルミネッセンス装置は、基板上に位置し、厚みに分布を有する有機機能層の一部を発光させる発光部を備え、感光媒体と前記発光部とを第1の方向に沿って相対的に移動させつつ、前記感光媒体を露光させる有機エレクトロルミネッセンス装置であって、第1の厚み分布を有する前記有機機能層が形成された領域において、前記第1の方向と交差する方向に沿って配置された複数の前記発光部を備えた第1ユニットと、前記第1ユニットと前記複数の発光部の配置が揃えられ、前記第1ユニットがある領域と前記有機機能層の厚みが相反する分布を有する第2の厚み分布を持ち、前記第1の方向に移動させた場合に前記第1ユニットの前記発光部と各々重なるべく前記発光部が配置された第2ユニットと、を有する露光源を備え、前記露光源を用いて前記感光媒体を露光させるに際して、前記第1ユニットにより前記感光媒体に第1の露光を行った後、前記第1ユニットによって前記第1の露光が行われた前記感光媒体の位置と重ねるべく、前記第2ユニットを前記第1の方向へ相対的に移動させ、前記第2ユニットにより前記感光媒体に第2の露光を行うことを特徴とする。
これによれば、層みの分布が異なる領域に形成された発光部により感光媒体の同一箇所を露光するため、一つのユニットを発光させて露光する場合と比べ、感光媒体上での露光量ムラを低減することが可能となる。また、感光媒体の同一箇所を複数の発光部で露光するため、低い光量で発光部を発光させて露光させることとなるので、発光部の寿命が延び、信頼性を高めることが可能となる。
[適用例2]上記適用例にかかる有機エレクトロルミネッセンス装置であって、前記有機機能層は前記第1の方向において対称性を備えた層厚分布を有することを特徴とする。
上記した適用例によれば、有機機能層の層厚分布が、第1の方向(副走査方向)に対して対称性を備えている。ここで、副走査方向の一端寄りの発光部により露光される感光媒体は、次に副走査方向の中心寄りの発光部により露光される。そのため、感光媒体はたとえば副走査方向に対して端部に比べ中央部が厚い場合には、端部寄りの層厚が薄い発光部と、中央寄りの層厚が厚い発光部と、により露光され、感光媒体は平均化された光量で露光されることとなる。逆の場合においても同様に光量の平均化が行われる。そのため、高い均一性をもって感光媒体を露光することが可能となる。
[適用例3]上記適用例にかかる有機エレクトロルミネッセンス装置であって、前記有機機能層は、隔壁により区画された領域に、液状の有機機能層前駆体を塗布し、前記有機機能層前駆体から液体成分を除去する液相法によって形成されたものであることを特徴とする。
上記した適用例によれば、液相法は蒸着法等の気相法と比べ高分子型有機エレクトロルミネッセンス装置や、低分子有機エレクトロルミネッセンス装置のどちらに対しても適用が可能であることから、有機機能層を構成する物質の選択幅を広げることが可能となる。液相法は中央部と端部とで放物線状の層厚分布(上に凸、下に凸のいずれか)をとる場合が多いが、この層厚分布が補償されるため、高い均一性をもって感光媒体を露光することが可能となる。
[適用例4]上記適用例にかかる有機エレクトロルミネッセンス装置であって、前記隔壁の前記第1の方向に沿った方向で等分される中央部を挟んで前記第1ユニットと前記第2ユニットとが位置することを特徴とする。
上記した適用例によれば、液相法を用いた場合、有機機能層の層厚分布は、副走査方向に対して通例対称性を備えている。そのため、中央部を挟んで第1ユニットと第2ユニットを配置することで、より精密に層厚分布を補償することが可能となる。従って、高い均一性をもって感光媒体を露光することが可能となる。
[適用例5]上記適用例にかかる有機エレクトロルミネッセンス装置であって、前記第1の露光と前記第2の露光とを、駆動時間に加え、駆動電圧、駆動電流または駆動電力とのいずれかを揃えて行うことを特徴とする。
上記した適用例によれば、駆動条件を揃えることで、第1の露光を行う発光部での露光量と、第2の露光を行う発光部での露光量とを有機機能層の層厚分布に起因する光量変動を主として補償することが可能となり、感光媒体に対する露光量をより精密に補償することが可能となる。
[適用例6]本適用例にかかる画像形成装置は、上記した有機エレクトロルミネッセンス装置を備えることを特徴とする。
これによれば、高い均一性をもって感光媒体を露光できるため、印刷ムラが抑えられた画像形成装置を提供することが可能となる。
画像形成装置としての光プリンターの要部を示す断面図。 ブラック用有機EL露光ヘッドの斜視図。 (a)は発光素子アレイの平面図、(b)、(c)は(a)中のA−A’線断面図。 ブラック用有機EL露光ヘッドの側断面図。 (a)は隔壁内に、副走査方向に対して斜め方向に一列となるよう有機EL素子を並べた平面図、(b)は(a)のA−A’線に沿った断面図。 露光源としての発光素子アレイ駆動系にかかる配線構造を示す模式図。 (a)、(b)は、本実施形態における発光装置の製造方法を示す工程図。 (a)〜(c)は、本実施形態における発光装置の製造方法を示す工程図。 本実施形態における隔壁の近傍において膜厚が厚くなる現象が見られた場合の断面図。
以下、本発明を具体化した各実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明に用いる各図においては、各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材に縮尺は実際のものとは異なるように表している。ここで、第1の方向としての副走査方向とは、発光素子アレイと感光媒体(感光ドラム)とが相対的に動く方向と並行(たとえば平行)する方向を示す。そして、主走査方向とは、副走査方向と交差(たとえば直交)する方向を示すものとする。
(第1の実施形態:画像形成装置としての光プリンター)
図1は、本実施形態にかかる、画像形成装置としての光プリンターの要部を示す断面図である。図1に示す光プリンター1は、フルカラー表示が可能なタンデム方式の光プリンターである。図1に示す通り、光プリンター1は、光書き込みヘッドとしてのブラック用有機EL露光ヘッド2K、シアン用有機EL露光ヘッド2C、マゼンタ用有機EL露光ヘッド2M、およびイエロー用有機EL露光ヘッド2Yを備えている。
また、光プリンター1は、各有機EL露光ヘッド2K,2C,2M,2Yの下方に、感光媒体としてのブラック用感光ドラム3K、感光媒体としてのシアン用感光ドラム3C、感光媒体としてのマゼンタ用感光ドラム3M、感光媒体としてのイエロー用感光ドラム3Yをそれぞれ備えている。更に、光プリンター1は、駆動ローラー4、従動ローラー18、テンションローラー6、およびテンションローラー6によりテンションを加えられて張架されながら図1中反時計回り方向へ循環駆動される中間転写ベルト7を備える。
上記の各感光ドラム3K,3C,3M,3Yは、中間転写ベルト7に対して所定間隔に配置されている。各感光ドラム3K,3C,3M,3Yは、中間転写ベルト7の駆動と同期して図1中時計回り方向へ回転駆動されるようになっている。そして、各有機EL露光ヘッド2K,2C,2M,2Yは、各感光ドラム3K,3C,3M,3Yの外周面を各感光ドラム3K,3C,3M,3Yの回転に同期して順次ライン走査することで、描画データに応じた静電潜像を対応する各感光ドラム3K,3C,3M,3Y上に形成する。また、各感光ドラム3K,3C,3M,3Yの周囲には、各感光ドラム3K,3C,3M,3Yの各外周面を一様に帯電させるコロナ帯電器8K,8C,8M,8Yが設けられている。
また、光プリンター1は、ブラック用感光ドラム3Kの周囲にブラック用現像装置9Kを、シアン用感光ドラム3Cの周囲にシアン用現像装置9Cを、マゼンタ用感光ドラム3Mの周囲にマゼンタ用現像装置9Mを、イエロー用感光ドラム3Yの周囲にイエロー用現像装置9Yをそれぞれ備えている。これら各現像装置9K,9C,9M,9Yは、対応する有機EL露光ヘッド2K,2C,2M,2Yによって各感光ドラム3K,3C,3M,3Y上に形成された静電潜像に対応する色の現像剤であるトナーを付与して可視像(トナー像)を形成するものである。たとえば、シアン用現像装置9Cは、シアン用有機EL露光ヘッド2Cによってシアン用感光ドラム3C上に形成された静電潜像にシアン色のトナーを付与して可視像(トナー像)を形成する。
詳しくは、各現像装置9K,9C,9M,9Yは、たとえば、トナーとして非磁性一成分トナーを用いるもので、その一成分現像剤を、たとえば供給ローラーで現像ローラーへ搬送し、現像ローラー表面に付着したトナーの膜厚を規制ブレードで規制する。この規制ブレードを用いて現像ローラーを各感光ドラム3K,3C,3M,3Yに接触或いは押圧させることにより、各感光ドラム3K,3C,3M,3Y上に形成された静電潜像の電位レベルに応じて現像剤を付着させて可視像(トナー像)として現像する。
更に、光プリンター1は、各感光ドラム3K,3C,3M,3Yの周囲に、各現像装置9K,9C,9M,9Yで現像された可視像(トナー像)を一次転写対象である中間転写ベルト7に順次転写する一次転写ローラー10K,10C,10M,10Yを備えている。更にまた、光プリンター1は、各感光ドラム3K,3C,3M,3Yの周囲に、クリーニング装置11K,11C,11M,11Yを備えている。クリーニング装置11K,11C,11M,11Yは、一次転写の後に、各感光ドラム3K,3C,3M,3Yの表面に残留しているトナーを除去するためのものである。
このような各感光ドラム3K,3C,3M,3Y上に形成されたブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各可視像(トナー像)は、一次転写ローラー10K,10C,10M,10Yによって中間転写ベルト7上に順次一次転写される。この一次転写により中間転写ベルト7上で順次重ね合わされてフルカラーとなった可視像(トナー像)は、二次転写ローラー5と従動ローラー18と、で挟むことで用紙等の記録媒体P上に二次転写する。そして、一対の定着ローラー12を通ることで記録媒体P上に定着される。可視像(トナー像)が定着した記録媒体Pは、排紙ローラー13によって案内されて光プリンター1の上部に形成された排紙トレイ14上へ排出される。
また、光プリンター1は、多数枚の記録媒体Pを保持する給紙カセット15、給紙カセット15から記録媒体Pを一枚ずつ給送するピックアップローラー16、二次転写ローラー5の二次転写部への記録媒体Pの供給タイミングを規定するゲートローラー17、および二次転写後に中間転写ベルト7の表面に残留しているトナーを除去するクリーニングブレード19を備えている。
次に、有機EL露光ヘッド2K,2C,2M,2Yの詳細について説明する。なお、ブラック用有機EL露光ヘッド2K、シアン用有機EL露光ヘッド2C、マゼンタ用有機EL露光ヘッド2M、およびイエロー用有機EL露光ヘッド2Yは、基本的に同じ構造をしているので、説明の便宜上、ブラック用有機EL露光ヘッド2Kについて説明し、他の有機EL露光ヘッド2C,2M,2Yについては、その詳細な説明を省略する。
図2は、ブラック用有機EL露光ヘッド2Kの斜視図である。ブラック用有機EL露光ヘッド2Kは、一方向、即ち中間転写ベルト7の搬送方向に対して直交する方向に配設された箱体21と、箱体21とブラック用感光ドラム3Kとの間に位置するように箱体21に支持固定された光学部材23とを備えている。箱体21は、ブラック用感光ドラム3K側に開口部を有しており、その開口部に向かって光が射出するように露光源としての発光素子アレイ22を固定している。次に、発光素子アレイ22について説明する。
(第2の実施形態:露光源を備えた発光素子アレイ)
図3は、露光源を備えた発光素子アレイのレイアウトを示す図である。図3(a)は発光素子アレイの平面図であり、図3(b)、図3(c)は図3(a)中のA−A’線断面図である。そして、図3(a)は有機機能層28が隔壁25に囲われる中央付近の層厚が主走査方向(発光素子アレイの長手方向)において厚い場合を示し、図3(c)は反対に隔壁25に囲われる中央付近の層厚が主走査方向において薄い場合を示している。ここで、図3(a)では、発光部32を備えた有機EL素子24は平面的には観測できないため、透過像を反映させて記載している。ここで用いている有機機能層28は上記したように基板S上に位置し、厚みに分布を有している。
図3(a)に示す通り、本実施形態における発光素子アレイ22は、副走査方向に対して斜めに等ピッチに配列され、有機機能層28の一部を発光させる発光部32を備えた複数個(図3に示す例では3個:2個以上であれば良い)の有機EL素子24a(1,2,3)により構成される第1ユニット40aと、発光部32を備えた複数個の有機EL素子24b(1,2,3)により構成され、第1ユニット40aと同じ構成を備える第2ユニット40bとを有している。第2ユニット40bは、発光素子アレイ22の副走査方向における中央(一点鎖線で示す)を境として、第2ユニット40bを第1の方向としての副走査方向に沿ってずらした(第2の方向に相対的に移動させた)場合に、第1ユニット40aの有機EL素子24a(1,2,3)による光スポットと、第2ユニット40bの有機EL素子24b(1,2,3)による光スポットとがブラック用感光ドラム3K上で重なる位置に配置されている。
基板S上にはITO(インジウム錫酸化物)等の透光性導電材料により形成される電極Dが形成されており、この電極Dの上部であって、複数の有機EL素子24の周囲には、その複数の有機EL素子24全体を囲むように隔壁25が形成されている。本実施形態における隔壁25は、図3(a)に示す通り、複数の有機EL素子24全体を囲むように略四角形状を成している。
図3(b)に示す通り、隔壁25は、電極D上に形成され、有機機能層28の形成材料に対して親液性を有する絶縁体としての親液性隔壁25aと、親液性隔壁25a上に形成された撥液性隔壁25bとから構成されている。撥液性隔壁25bは、有機機能層28の形成材料に対して親液性隔壁25aよりも撥液性が大きい。親液性隔壁25aの一部は、撥液性隔壁25bよりも太い幅を備え、平面的に見て撥液性隔壁25bよりも張り出すように形成されている。親液性隔壁25aは、元来、親液性を備えた材料であって、たとえば、酸化珪素で構成される。なお、親液性を備えていないものであって、通常用いられる公知の親液化処理を施すことで表面を親液化したものであっても良い。一方、撥液性隔壁25bは、元来、撥液性を備えた材料、たとえば、フッ素系樹脂で構成されたものであっても良い。また、撥液性を備えていないものであって、通常用いられるアクリル樹脂やポリイミド樹脂等の有機樹脂をパターン形成し、4フッ化炭素を含むガスを用いてプラズマ処理等により表面を撥液化したものであっても良い。ここで、親液性隔壁25aや撥液性隔壁25bの親液性の制御は省略可能である。
また、図3(a)、図3(b)に示す通り、基板Sの中央には、有機EL素子24(24a1〜24b3)が配列されている。親液性隔壁25aの開口部と重なる電極Dは、有機EL素子24(24a1〜24b3)の画素電極(陽極)をなし、電子注入層として、たとえばCaなどのアルカリ土類金属と電流を導くAl層とを積層してなる対向電極(陰極)29と協働して有機機能層28に電流を供給する機能を有している。電流が供給される領域にある有機機能層28は、発光部32として機能する。各画素電極は、それぞれに独立した配線を介して図示しないデータ信号出力駆動回路に接続されている。このデータ信号出力駆動回路から出力された描画データ信号は有機EL素子24に供給される。
また、隔壁25の内側には、発光を司る有機機能層28が形成されている。そして、各電極D上にも有機機能層28が積層されている。ここで、図3(b)、図3(c)に示すように、有機機能層28の層厚分布は、製造条件によって、副走査方向において中央部が凸になったり(図3(b)参照)中央部が凹になったり(図3(c)参照)する。即ち、中央部を境として、有機機能層28は副走査方向においてその厚みが相反する層厚分布を有している。
このため、ブラック用感光ドラム3K(図2参照)に対して、一箇所をひとつの有機EL素子24単独で露光すると表示ムラが発生する。しかし、有機機能層28は中央部を境として副走査方向において対称性を備えた層厚分布を有しているため、ブラック用感光ドラム3Kとの同一箇所に有機EL素子24a1と有機EL素子24b1、有機EL素子24a2と有機EL素子24b2、有機EL素子24a3と有機EL素子24b3とを重ねるべく露光することで、中央と端との間の層厚差を補償するように露光することができる。そのため、ブラック用感光ドラム3Kに対して、高い均一性を備える静電潜像を形成することが可能となる。たとえば隔壁25の中央部が厚い場合には、図3(b)に示すように、有機機能層28の層厚が薄い有機EL素子24a1と、有機機能層28の層厚が厚い有機EL素子24b1と、によりブラック用感光ドラム3Kの同一部が露光される。そのため、有機機能層28の層に厚みの分布があっても、その影響を補償することが可能となる。詳細は省略するが、逆の層厚分布を備える有機機能層28を用いた場合にも、図3(c)で示されるように有機EL素子24a1と有機EL素子24b1によりブラック用感光ドラム3Kの同一部が露光されることから、やはり有機機能層28の層に厚みの分布があっても、その影響を補償することが可能となる。
図4は、有機EL装置としての、ブラック用感光ドラム3Kとブラック用有機EL露光ヘッド2Kを合わせた光学系の側断面図である。図4に示す通り、ブラック用有機EL露光ヘッド2Kに設けられる光学部材23は、有機EL素子24を集積した発光素子アレイ22と対向する位置に備えられている。この光学部材23は、内部に複数のレンズ31を備えており、有機EL素子24から射出された光を集光してブラック用感光ドラム3Kに照射(描画)する。このような光学系を用いることで、ブラック用感光ドラム3Kの同じ場所に対して有機機能層28(図3参照)の層厚が薄い有機EL素子24a1(図3参照)と、有機機能層28の層厚が厚い有機EL素子24b1(図3参照)との焦点を順次ブラック用感光ドラム3Kの同一位置に合わせ、露光することができる。そのため、有機機能層28の層の厚さにムラがあっても、そのムラを補償して、均一性を高めることが可能となる。
また、他の有機EL露光ヘッド2C,2M,2Yも同様に、その各発光素子アレイに設けられた有機機能層28の層厚ムラを補償するよう、有機EL素子24aにより構成される第1ユニット40aと、有機EL素子24bにより構成される第2ユニット40bで各感光ドラム3C,3M,3Yが発光素子アレイ22により露光される構成をとることが好適である。この場合、各感光ドラム3K,3C,3M,3Y上に現像される可視像(トナー像)を、光量ムラ等の表示ムラの無い可視像(トナー像)として形成することができる。なお、有機EL露光ヘッド2K,2C,2M,2Yのすべての色に対して上記した有機機能層28の層厚補償を行うことは必須ではなく、少なくとも一つの色(たとえば黒)のみに対して有機機能層28の層厚補償を行う場合においても、当該色に対しては層厚補償の効果を得ることができる。また、上記した4色以外に付け加えて、別の色(たとえば補色や蛍光色)のトナーを追加することも画質向上の面からは好適である。
なお、ここでは、主に隔壁25に囲まれ、隔壁25によって閉じられた領域内で分布がある場合について説明したが、この隔壁は必須要素ではなく、予め層厚分布が予想される場合には、その層厚分布に合わせて補償することも可能である。特に、副走査方向において対称性を備えた層厚分布を有する場合に、より正確に層厚分布に伴う露光量ばらつきの補償を行うことが可能となる。
図5は、図3(a)において副走査方向に対して斜め方向に一列に配列された複数の有機EL素子24を一つの単位として、隔壁25が各単位列を囲むように形成されたものであり、図5(a)は平面図、図5(b)は(a)のA−A’線に沿った断面図である。この場合、有機EL素子24は各単位列における有機EL素子24の配列方向(本実施例では副走査方向に対して斜め方向)に対して直交する方向(以後直交方向と称す)では隔壁25を介して他の単位列の有機EL素子24と隣り合う。ここで各単位列を囲む隔壁25の直交方向における開口幅を略等しく設定すれば、直交方向での層厚ムラはいずれの単位列(隔壁25の開口領域)においても略同じ分布を持つことになる。そのため、各単位列間を隔壁25で区切らない場合(たとえば図3(a)参照)と比べ、主走査方向に対する均一性についても向上させることが可能となる。副走査方向における均一性の向上についての機構については上記したものと同じ機構となるため、説明を省略する。また、図5(b)には、副走査方向に対して斜め方向において、隔壁25内での端部と比べ中央部が厚い場合について説明する例について図示しているが、これは中央部の方が薄い場合でも上記したように平均化を行うことが可能である。
また、本実施形態では、有機EL素子24として基板S側から光を射出させる、所謂ボトムエミッション型の構成を用いた場合について説明したが、これは、電極Dを光反射性の導体で構成し、上記説明で省略した電子注入層や共通陰極を光透過性を有するITOやマグネシウム−銀合金を用いることでトップエミッション型の構成を用いても良い。この場合、基板S上に配置されるTFT等による開口率の低下を避けることが可能となる。また、本実施形態では、基板S側に陽極となる電極Dを配置している例について説明したが、これは電極Dを陰極として構成しても良い。この場合、有機EL素子24は電極D側から電子注入を受けて発光し得るよう有機機能層28の層構成を切り替えることで対応することが可能である。
(第3の実施形態:発光素子アレイ駆動系)
図6は、露光源としての発光素子アレイ駆動系にかかる配線構造を示す模式図である。図6に示す発光素子アレイ22は、スイッチング素子として薄膜トランジスター(TFT)を用いたアクティブマトリクス方式を用いて有機EL素子24を駆動した場合の例である。発光素子アレイ22は、複数の走査線101と、各走査線101に対して直角に交差する方向に延びる複数の信号線102と、各信号線102に並列に延びる複数の電源線103とからなる配線構成を有している。信号線102には、シフトレジスターやレベルシフター等を備えるデータ線駆動回路104が接続されている。また、走査線101には、シフトレジスターおよびレベルシフター等を備える走査線駆動回路105が接続されている。
有機EL素子24の各々に対して、走査線101を介して走査信号がゲート電極に供給されるスイッチング用TFT111と、このスイッチング用TFT111を介して信号線102から供給される画素信号を保持する保持容量112と、保持容量112によって保持された画素信号がゲート電極に供給される駆動用TFT113と、この駆動用TFT113を介して電源線103に電気的に接続したときに電源線103から駆動電流が流れ込む有機EL素子24を構成する電極Dと、同じく有機EL素子24を構成する陰極29との間に配置された有機機能層28が、電極Dの開口部と対応して発光する。
上記構成の発光素子アレイ22によれば、走査線101が駆動されてスイッチング用TFT111がオン状態になると、そのときの信号線102の電位が保持容量112に保持され、保持容量112の状態に応じて、駆動用TFT113のオン・オフ状態が決まる。そして、駆動用TFT113のチャネルを介して電源線103から有機EL素子24を構成する電極Dに電流が流れ、次いで有機機能層28に電流が流れる。すると、電極Dや有機機能層28を構成要素として備える有機EL素子24は、この電流量に応じて発光する。このように有機EL素子24を点灯させることで、たとえばブラック用感光ドラム3Kに対して有機EL素子24により露光を行うことが可能となる。
ここで、データ線駆動回路104や走査線駆動回路105を制御し、ブラック用感光ドラム3Kが図示せぬステッピングモーターや、サーボモーター等、回転角を制御できるモーターを用いて回転し、有機EL素子24a1と有機EL素子24b1とが重なる位置に移動した場合に、有機機能層28の層厚に対して相補的な層厚関係を有している有機EL素子24b1により重ねて露光を行うことで、有機機能層28の層厚分布を補償することが可能となる。また、この場合に、有機EL素子24a1と有機EL素子24b1との駆動条件として、駆動時間に加え、駆動電圧、駆動電流または駆動電力とのいずれかを揃えることで、より精密に有機機能層28の層厚ムラを補償することが可能となる。
(第4の実施形態:発光素子アレイの典型的な製造方法)
次に、露光源としての発光素子アレイの典型的な製造方法について説明する。図7(a)、(b)および図8(a)〜(c)は、本実施形態における発光装置の製造方法を示す工程図である。なお、図1に示すブラック用有機EL露光ヘッド2K、シアン用有機EL露光ヘッド2C、マゼンタ用有機EL露光ヘッド2M、およびイエロー用有機EL露光ヘッド2Yに設けられる露光源としての発光素子アレイ22は、ほぼ同じ方法によって製造される。従って、以下の説明では、便宜上ブラック用有機EL露光ヘッド2Kに設けられる発光素子アレイ22の製造方法のみを説明し、他の有機EL露光ヘッド2C,2M,2Yについては、その詳細な説明を省略する。
まず、図示せぬTFTや配線構造を備えた基板S上に公知の方法によって電極Dを形成し、次いで電極D上に公知の方法によって酸化珪素等からなる絶縁層を形成する。ここで、基板Sは、たとえばガラス、石英ガラス、Siウェハ、プラスチックフィルム、金属板等を用いることができる。ただし、本実施形態に主として示す、基板S側から光を射出するボトムエミッション型の構成をとる場合には、基板Sは光に対して透明であることが必要となる。基板Sと反対側に光を射出するトップエミッション型の構成をとる場合には、このような制約は生じない。
次に、基板S上の絶縁層をパターニングして親液性隔壁25aを形成する。その後、形成した親液性隔壁25a上にフッ素系樹脂を、たとえば高さが1〜2μm程度になるようにパターニングして撥液性隔壁25bを形成する。この際、撥液性隔壁25bよりも親液性隔壁25aの一部が張り出すように形成されていることが望ましい。これにより、基板S上には、複数の電極Dを囲むように隔壁25が形成される。
ここで、撥液性隔壁25bの形成材料としては、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、オレフィン樹脂、メラミン樹脂等の高分子材料、ポリシラザン、ポリシロキサン等を含有した有機・無機ハイブリッド材料等が用いられる。撥液性隔壁25bの形成方法としては、リソグラフィ法や印刷法等、任意の方法を用いることができる。たとえば、リソグラフィ法を使用する場合は、スピンコート、スプレーコート、ロールコート、ダイコート、ディップコート等所定の方法で、基板S上に撥液性隔壁25bの形成材料からなる層を形成した後、エッチングやアッシング等によりパターニングすることにより、所定のパターン形状の隔壁が得られる。なお、基板Sとは別の物体上で撥液性隔壁25bを形成し、それを基板S上に配置しても良い。ここまでの工程を終えた状態での平面図を図7(a)、A−A’線に沿った断面図を図7(b)に示す。
続いて、隔壁25に囲われる領域内に液相法としての液滴吐出法を用い、液状の有機機能層前駆体28Lを塗布する。こまでの工程を終えた状態での平面図を図8(a)、(a)のA−A’線に沿った断面図を図8(b)に示す。ここで、液状の有機機能層前駆体28Lに含まれる溶質としては、蛍光或いは燐光を発光することが可能な公知の高分子発光材料である、ポリフルオレン誘導体(PF)、ポリパラフェニレンビニレン誘導体(PPV)、ポリフェニレン誘導体(PP)、ポリパラフェニレン誘導体(PPP)、ポリビニルカルバゾール(PVK)、ポリチオフェン誘導体、ポリジアルキルフルオレン(PDAF)、ポリフルオレンベンゾチアジアゾール(PFBT)、ポリアルキルチオフェン(PAT)や、ポリメチルフェニルシラン(PMPS)等のポリシラン系などを好適に用いることができる。また、これらの発光材料に、ペリレン系色素、クマリン系色素、ローダミン系色素などの高分子系材料や、ルブレン、ペリレン、9,10−ジフェニルアントラセン、テトラフェニルブタジエン、ナイルレッド、クマリン6、キナクリドン等の低分子材料をドープして用いることもできる。
液状の有機機能層前駆体28Lに含まれる溶媒としては、有機機能層28を得るための溶質を分散できるもので、凝集を起こさないものであれば特に限定されない。たとえば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、n−ヘプタン、n−オクタン、デカン、ドデカン、テトラデカン、トルエン、キシレン、シメン、デュレン、インデン、ジペンテン、テトラヒドロナフタレン、デカヒドロナフタレン、シクロヘキシルベンゼン等の炭化水素系化合物、またエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、p−ジオキサン等のエーテル系化合物、更にプロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、シクロヘキサノン等の極性化合物を例示できる。
また、上記した液状の有機機能層前駆体28Lの表面張力は0.02N/m以上0.07N/m以下の範囲内であることが好ましい。液滴吐出法にて液体を吐出する際、表面張力が0.02N/m未満であると、有機機能層前駆体28Lのノズル面に対する濡れ性が増大するため飛行曲りが生じやすくなり、0.07N/mを超えるとノズル先端でのメニスカスの形状が安定しないため吐出量や、吐出タイミングの制御が困難になる。表面張力を調整するため、液状組成物には、基板との接触角を大きく低下させない範囲で、フッ素系、シリコーン系、ノニオン系等の表面張力調節剤を微量添加すると良い。ノニオン系表面張力調節剤は、液体の基板への濡れ性を向上させ、膜のレベリング性を改良し、膜の微細な凹凸の発生等の防止に役立つものである。上記表面張力調節剤は、必要に応じて、アルコール、エーテル、エステル、ケトン等の有機化合物を含んでも良い。
また、上記溶媒の粘度は1mPa・s以上50mPa・s以下であることが好ましい。液滴吐出法を用いて液状組成物を液滴として吐出する際、粘度が1mPa・sより小さい場合にはノズル周辺部が有機機能層前駆体28Lの流出により汚染されやすく、また粘度が50mPa・sより大きい場合は、ノズル孔での目詰まり頻度が高くなり円滑な液滴の吐出が困難となる。更に、液滴吐出法の吐出技術としては、帯電制御方式、加圧振動方式、電気機械変換式、静電吸引方式等が挙げられる。
ここで、帯電制御方式は、材料に帯電電極で電荷を付与し、偏向電極で材料の飛翔方向を制御してノズルから吐出させるものである。また、加圧振動方式は、材料に30kg/cm2程度の超高圧を印加してノズル先端側に材料を吐出させるものであり、制御電圧をかけない場合には材料が直進してノズルから吐出される。そして、制御電圧をかけると材料間に静電的な反発が起こり、材料が飛散してノズルから吐出されない。また、電気機械変換方式は、ピエゾ素子(圧電素子)がパルス的な電気信号を受けて変形する性質を利用したもので、ピエゾ素子が変形することによって材料を貯留した空間に可撓物質を介して圧力を与え、この空間から材料を押し出してノズルから吐出させるものである。
静電吸引方式は、材料を貯留した空間内に微小圧力を加え、ノズルに材料のメニスカスを形成し、この状態で静電引力を加えてから材料を引き出すものである。また、この他に、電場による流体の粘性変化を利用する方式や、放電火花で飛ばす方式等の技術も適用可能である。液滴吐出法は、材料の使用に無駄が少なく、しかも所望の位置に所望の量の材料を的確に配置できるという利点を有する。なお、液滴吐出法により吐出される有機機能層前駆体28Lの一滴の量は、たとえば1〜300ナノグラムである。ここで、上記した有機機能層前駆体28Lが備えるべき条件は、電気機械変換方式を用いた液滴吐出法を用いた場合に適した条件である。
ここで、液状の有機機能層前駆体28Lの塗布方法として、液状の有機機能層前駆体28Lの利用効率に優れた液滴吐出法を主として説明したが、塗布方法としては液滴吐出法に限定されることはなく、たとえばスリットコート法やディスペンス法を用いても良い。
ここで、液滴吐出法等の方法を用い、揮発性の高い溶媒を用いた場合、塗布後急激に液相成分は蒸発する(除去される)ため、積極的に溶媒を蒸発させる工程は不要であるが、揮発性の低い溶媒を用いた場合等には、基板Sを、たとえばホットプレート上に載置することによって加熱して有機機能層前駆体28L中の溶媒を蒸発させ、撥液性隔壁25b内側全面に有機機能層28を形成しても良い。また、有機機能層前駆体28Lが塗布された基板Sを真空容器内に配置し、真空容器内を減圧して有機機能層前駆体28Lに含まれる溶媒を減圧乾燥により除去しても良い。ここで、撥液性隔壁25bの近傍では、撥液性隔壁25bの持つ撥液性により、図8(a)に示す平面図に対応するA−A’線断面図に示す図8(c)に示すように隔壁25の近傍において層厚が減る現象が見られる。また、端部における溶媒の蒸発速度が速いことにより、有機機能層前駆体28L中の機能性物質が端部に集まって、図9に示すように隔壁25の近傍において膜厚が厚くなる現象が見られる。このように液相法を用いた場合には、層厚の偏りが発生する。
この有機機能層28における層厚の偏りは、液相法を用いる場合不可避的に生じるが、液相法を用いる場合には、隔壁25同士の中央部に対して、対称性を備えた層厚分布が発生する。即ち、隔壁25近傍から隔壁25に挟まれた領域での中央部に向けて形成された図8(a)に示す第1ユニット40aが備える第1の厚み分布と、隔壁25同士の中央部から隔壁25近傍に向けて形成された第2ユニット40bが備える第2の厚み分布は、互いに相反する分布を備えている。そのため、上記したように、ブラック用感光ドラム3K(図2参照)を図示せぬステッピングモーターや、サーボモーター等、回転角を制御できるモーターを用いて回転させ、有機EL素子24a1と有機EL素子24b1とが重なる位置に移動させた場合に、有機機能層28の層厚に対して相補的な層厚関係を有している有機EL素子24b1により重ねて露光を行わせることで、有機機能層28の層厚分布を補償することが可能となる。なお、図7および図8中では説明の便宜上、たとえば有機EL素子24a1が形成されるべき位置の電極Dの開口部分を24a1として記している。
なお、有機機能層前駆体28Lが塗布された基板Sを真空容器内に配置し、真空容器内を減圧して有機機能層前駆体28Lに含まれる溶媒を減圧乾燥により除去しても良い。その後、隔壁25および有機機能層28上に、LiF層、Ca層、Al層等を蒸着方法等により積層して陰極29を形成し、図3(a)、(b)、(c)に示す発光素子アレイ22が完成する。また、隔壁25のレイアウトを変えて、図5(a)、(b)に示すよう、隔壁25内に、副走査方向に対して斜め方向、または直交する方向に一列となるよう有機EL素子24を並べても良い。この場合においても有機機能層28の層厚分布を補償することが可能となる。この場合、上述したように副走査方向における均一性を高めると共に、主走査方向に対する均一性についても向上させることが可能となる。
D…電極、S…基板、1…光プリンター、2C…シアン用有機EL露光ヘッド、2K…ブラック用有機EL露光ヘッド、2M…マゼンタ用有機EL露光ヘッド、2Y…イエロー用有機EL露光ヘッド、3C…シアン用感光ドラム、3K…ブラック用感光ドラム、3M…マゼンタ用感光ドラム、3Y…イエロー用感光ドラム、4…駆動ローラー、5…二次転写ローラー、6…テンションローラー、7…中間転写ベルト、8K…コロナ帯電器、9C…シアン用現像装置、9K…ブラック用現像装置、9M…マゼンタ用現像装置、9Y…イエロー用現像装置、10K…一次転写ローラー、11K…クリーニング装置、12…定着ローラー、13…排紙ローラー、14…排紙トレイ、15…給紙カセット、16…ピックアップローラー、17…ゲートローラー、18…従動ローラー、19…クリーニングブレード、21…箱体、22…発光素子アレイ、23…光学部材、24…有機EL素子、24a…有機EL素子、24a1…有機EL素子、24a2…有機EL素子、24a3…有機EL素子、24b…有機EL素子、24b1…有機EL素子、24b2…有機EL素子、24b3…有機EL素子、25…隔壁、25a…親液性隔壁、25b…撥液性隔壁、28…有機機能層、28L…有機機能層前駆体、29…陰極、31…レンズ、32…発光部、40a…第1ユニット、40b…第2ユニット、101…走査線、102…信号線、103…電源線、104…データ線駆動回路、105…走査線駆動回路、111…スイッチング用TFT、112…保持容量、113…駆動用TFT。

Claims (6)

  1. 基板上に位置し、厚みに分布を有する有機機能層の一部を発光させる発光部を備え、感光媒体と前記発光部とを第1の方向に沿って相対的に移動させつつ、前記感光媒体を露光させる有機エレクトロルミネッセンス装置であって、
    第1の厚み分布を有する前記有機機能層が形成された領域において、前記第1の方向と交差する方向に沿って配置された複数の前記発光部を備えた第1ユニットと、
    前記第1ユニットと前記複数の発光部の配置が揃えられ、前記第1ユニットがある領域と前記有機機能層の厚みが相反する分布を有する第2の厚み分布を持ち、前記第1の方向に移動させた場合に前記第1ユニットの前記発光部と各々重なるべく前記発光部が配置された第2ユニットと、
    を有する露光源を備え、
    前記露光源を用いて前記感光媒体を露光させるに際して、
    前記第1ユニットにより前記感光媒体に第1の露光を行った後、前記第1ユニットによって前記第1の露光が行われた前記感光媒体の位置と重ねるべく、前記第2ユニットを前記第1の方向へ相対的に移動させ、前記第2ユニットにより前記感光媒体に第2の露光を行うことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス装置。
  2. 請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置であって、前記有機機能層は前記第1の方向において対称性を備えた層厚分布を有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス装置。
  3. 請求項1または2に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置であって、前記有機機能層は、隔壁により区画された領域に、液状の有機機能層前駆体を塗布し、前記有機機能層前駆体から液体成分を除去する液相法によって形成されたものであることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置であって、前記隔壁の前記第1の方向に沿った方向で等分される中央部を挟んで前記第1ユニットと前記第2ユニットとが位置することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置であって、前記第1の露光と前記第2の露光とを、駆動時間に加え、駆動電圧、駆動電流または駆動電力とのいずれかを揃えて行うことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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