JP2010211982A - 電気光学装置、その製造方法、および電子機器 - Google Patents

電気光学装置、その製造方法、および電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】発光時における輝度ムラや、発光色ムラの発生を低減すること。
【解決手段】発光画素PaのX軸方向における凹部の端部から最寄りの開口部10までの間隙G1が複数の開口部10のいずれにおいても略等しく設けられている。また、Y軸方向における凹部の端部から最寄りの開口部10までの間隙G2が、複数の開口部10のいずれにおいても略等しく設けられている。また、発光画素Paの輪郭、および開口部10a〜10dは、中心点Ceに対して点対称な形状となっている。これらの構成によれば、凹部の周縁部から中心部に向って等高線が密から疎となる厚さ分布を持つEL層において、4つの開口部を、厚さ分布における同じ厚さ領域にレイアウトすることが可能となり、輝度ムラや、発光色ムラの発生を低減することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、電気光学装置、その製造方法、および当該電気光学装置を備えた電子機器に関する。
有機EL(Electro Luminescence)材料が溶解した拡散または溶液(以降、「液状体」という)をインクジェット法により隔壁(バンク)に囲まれた凹部に吐出、および乾燥させて、発光画素を形成した電気光学装置が知られている。また、1つの発光画素には、1つ、または複数の開口部が設けられており、当該開口部からEL層が放つ光を出射する構成となっていた。この開口部は、電気光学装置の用途に応じて、ライン状や、マトリックス状に複数配置されていた。
このような液滴吐出法を用いてEL層を形成した場合、複数の開口部間におけるEL層の厚さにバラつきが生じ易く、これに起因して、開口部間における発光輝度のバラつきや、発光色ムラが発生してしまうという問題があった。
特許文献1には、これらの問題を解決するための構成として、1つの大きな隔壁(共通バンク)内に複数の開口部(光出射部)形成するという、技術思想が開示されている。
図10は従来の発光装置の平面図である。
従来の発光装置500は、多数の開口部10を1つの大きな隔壁520に囲まれた凹部Uに形成したボトムエミッション型の発光装置である。発光装置500は、電子写真方式プリンタのライン状の露光ヘッドに用いられ、複数の開口部10から放たれる光を、紙面の奥行き方向(Z軸(+)方向)に出射する構成となっていた。
特開2007−141472号公報
図11は、発光画素の出射光の輝度比率を示すグラフである。
しかしながら、従来の発光装置500では、依然として開口部間における発光輝度のバラつきや、発光色ムラが発生してしまうという課題があった。換言すれば、EL層の膜厚にバラつきがあるという課題があった。
図11は、図10における基板1の長手方向の端部側に位置する開口部10jと、基板1の中央側に位置する開口部10kとが発する光の輝度比率を示したグラフである。
当該グラフに示されるように、端部側の開口部10jの輝度は略100%を超えているのに対し、中央側の開口部10kの輝度は80%に満たない明るさであることが解る。
これは、開口部10jにおけるEL層の層厚と、開口部10kにおけるEL層の層厚とが異なることに起因している。この層厚のバラつきの一因は、液状体を吐出した後の乾燥工程において、液状体が隔壁520の凹部U内で対流し、その対流により凹部Uの周縁部に厚く析出物が堆積されることによるものと考察される。
特に、発光装置500は、細長い形状であるため、長手方向の端部と中央部とでは、液状体の溶媒分子分圧が異なり、また、乾燥速度も異なるため、これらの要因も加味されて層厚のバラつきが助長されていた。
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の適用例又は形態として実現することが可能である。
(適用例)
第1の方向に略等間隔に配列された複数の発光画素を備えた電気光学装置であって、複数の発光画素の各々は、発光画素の輪郭を形成する隔壁に囲まれて構成された凹部と、凹部に形成された電気光学層と、凹部に形成され、電気光学層が放射する光を出射する複数の開口部と、を少なくとも有し、第1の方向における凹部の端部から開口部までの間隙のうち最短のものが、複数の開口部のいずれにおいても略等しく設けられ、さらに、第1の方向と交差する第2の方向における凹部の端部から開口部までの間隙のうち最短のものが複数の開口部のいずれにおいても略等しく設けられてなることを特徴とする電気光学装置。
この電気光学装置によれば、1つの大きな隔壁に囲まれた凹部において、乾燥時に大きな対流が発生していた従来の発光装置と異なり、それぞれ個別の電気光学層を備えた複数の発光画素が第1の方向に配列される構成となっている。
よって、各発光画素における凹部内での対流が相対的に小さいものとなり、電気光学層の層厚のバラつきを低減することができる。
また、第1の方向(長手方向)における端部の開口部と中央の開口部とでは、凹部の端部からの距離が大きく異なっていた従来の発光装置と異なり、第1の方向における凹部の端部から最寄りの開口部までの間隙(距離)が複数の開口部のいずれにおいても略等しく設けられている。
よって、1つの発光画素内における液状体の溶媒分子分圧が均一化され、また、乾燥速度も均一化されることになる。
さらに、第2の方向における凹部の端部から最寄りの開口部までの間隙が、複数の開口部のいずれにおいても略等しく設けられているため、1つの発光画素内における液状体の溶媒分子分圧がより均一化され、また、乾燥速度も均一化されることになる。
従って、電気光学層の層厚を均一にすることが可能な電気光学装置を提供することができる。さらに、層厚の均一化により、輝度ムラや、発光色ムラを低減することもできる。
また、凹部は、平面視において凹部の中心点を中心とした点対称な形状であり、複数の開口部は平面視において凹部の中心点を中心とした点対称に配置されていることが好ましい。
また、凹部は、4つの頂点に丸み(角R)を付けた略長方形をなし、1つの凹部に形成されている複数の開口部の数は4つであり、4つの開口部は、長方形の辺に沿って行列をなして配置されていることが好ましい。
また、凹部は、4つの頂点に丸み(角R)を付けた略長方形をなし、1つの凹部に形成されている複数の開口部の数は4つであり、4つの開口部のうち、2つの開口部は、凹部の中心点を挟むとともに、中心点から第1の方向に延在する線分に沿って配置され、残りの2つの開口部は、凹部の中心点を挟むとともに、中心点から第2の方向に延在する線分に沿って配置されていることが好ましい。
また、第1の方向における発光画素の配列の前後には、ダミー発光画素が形成され、ダミー発光画素は、隔壁によって前記ダミー発光画素の輪郭を形成されており、隔壁囲まれて構成されたダミー発光画素用の凹部には、発光画素と同様な電気光学層が形成されることが好ましい。
また、複数の発光画素のうち、第1の方向に連続して配列された複数の発光画素を含む第1画素行と、第1画素行の第2の方向側に配置され、第1画素行と同様の配列である複数の発光画素を含む第2画素行と、を備え、第1画素行の発光画素と、第2画素行の発光画素との位置は、第2画素行の発光画素の開口部が第1画素行の発光画素の開口部に対して、所定ピッチ分第1方向にシフトしていることが好ましい。
また、電気光学層は、凹部に液滴吐出法によって塗布した液状体を乾燥させて形成した有機EL層であり、開口部は、画素電極と電気光学層との間に形成された絶縁膜に形成されており、絶縁膜から画素電極の少なくとも一部が露出するように設けられていることが好ましい。
また、複数の開口部は、1方向に連続して配置された複数の開口部を含む第1光出射行と、第1光出射行の第2方向側に配置され、第1光出射行と同様の配列である複数の開口部を含む第2出射行とを有し、第1光出射行の発光画素と、第2光出射行の発光画素との位置は、第2光出射行の発光画素の開口部が第1光出射行の発光画素の開口部に対して、所定ピッチ分第1方向にシフトしていることが好ましい。
また、第1画素行に含まれる複数の開口部は、1方向に連続して配置された複数の開口部を含む第1光出射行と、第1光出射行の第2方向側に配置され、第1光出射行と同様の配列である複数の開口部を含む第2出射行とを有し、第1光出射行の発光画素と、第2光出射行の発光画素との位置は、第2光出射行の発光画素の開口部が第1光出射行の発光画素の開口部に対して、所定ピッチ分第1方向にシフトしていることが好ましい。
上記記載の電気光学装置と、電気光学装置の発光画素が出射する光を所定の位置に集光させる光学部材とを、少なくとも備えたことを特徴とする電子機器。
第1の方向に配列された複数の発光画素を備えた電気光学装置であって、複数の発光画素の各々は、発光画素の輪郭を形成する隔壁に囲まれて構成された凹部と、凹部に形成された電気光学層と、凹部に形成され、電気光学層が放射する光を出射する複数の開口部と、を少なくとも有し、第1の方向における凹部の端部から開口部までの間隙のうち最短のものが、複数の開口部のいずれにおいても略等しく設けられ、さらに、第1の方向と交差する第2の方向における凹部の端部から開口部までの間隙のうち最短のものが複数の開口部のいずれにおいても略等しく設けられてなり、電気光学層を形成する工程は、電気光学層を構成する溶質を溶解または分散した溶液を凹部に液滴吐出法によって塗布する工程と、溶質を乾燥させる工程と、を含むことを特徴とする電気光学装置の製造方法。
実施形態1に係る電気光学装置の平面図。 露光ヘッドの概要を示す斜視図。 画素回路、および駆動回路を示す回路図。 図1のq−q断面を示す断面図。 (a)液状体の塗布工程の一態様を示す断面図、(b)乾燥工程後のEL層を示す断面図。 (a),(b)発光画素の出射光の輝度比率を示すグラフ。 実施形態2に係る発光装置の平面図。 実施形態3に係る発光装置の平面図。 電子機器としてのプリンタを示す模式断面図。 従来の発光装置の平面図。 従来の発光画素の出射光の輝度比率を示すグラフ。 変形例1に係る発光装置の断面図。 変形例3に係る発光装置の平面図。 変形例3に係る発光装置の平面図。 変形例5に係る発光装置の平面図。 変形例5に係る発光装置の平面図。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の各図においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならしめてある。
(実施形態1)
「電気光学装置の概要」
図1は、本実施形態に係る電気光学装置の平面図である。図2は、露光ヘッドの概要を示す斜視図である。
まず、本発明の実施形態1に係る電気光学装置としての発光装置100の概要について説明する。なお、図10で説明した従来の発光装置500と同一の部位については、同一の番号を附して説明する。
発光装置100は、電子写真方式プリンタの露光ヘッドの光源として用いられる発光装置であり、図2に示すように、円柱状の感光ドラム71におけるX軸方向(円柱の高さ方向)の側面に沿って配置された露光ヘッド200に搭載される。
発光装置100は、ボトムエミッション型の発光装置であり、複数の発光画素Paから図1における紙面の奥行き方向(Z軸(+)方向)に光を出射する。詳しくは、発光画素Paにおいてハッチングで示された、画素電極の少なくとも一部が絶縁層8から露出するように絶縁膜8に形成された開口部10から光を出射する。なお、1つの発光画素には、4つの開口部10a〜10bが形成されているが、これらを総称、開口部10と表現する。
図2の露光ヘッド200は、発光装置100、レンズアレイ180などから構成されており、発光装置100から出射される光の焦点をレンズアレイ180によって感光ドラム71の感光体からなる表面(感光面)に合せ、感光面をライン状に照射する。
ここで、感光ドラム71は、回転軸79を中心にして矢印方向に回転するため、発光装置100は、当該回転に同期して、1行ずつ画像信号に応じた輝度で各発光画素を点灯させることにより、感光ドラム71の感光面を順次露光する。
また、以降の説明において、発光装置100から捕らえて、感光ドラム71の回転方向に相当するY軸方向のことを「副走査方向」とも表現する。また、副走査方向と交差する方向(X軸方向)のことを「主走査方向」ともいう。なお、このような露光ヘッド200や感光ドラム71を備えた電子機器としてのプリンタの詳細については後述する。
図1に戻る。
発光装置100は、細長い長方形をなしており、その長手方向(X軸方向)沿って複数の発光画素Paを備えている。なお、X軸方向が第1の方向に相当し、Y軸方向が第2の方向に相当している。また、連続して配置された複数の発光画素Paからなる発光画素群を含む発光画素行の前後には、ダミー画素Pdが1つずつ形成されている。なお、ダミー画素Pdの数は、前後にそれぞれ1つ以上形成されていれば良い。
ダミー画素Pd、および発光画素Paは、X軸方向に沿った基準線k上にピッチ(間隔)mで配列している。詳しくは、基準線k上において各画素の中心点Ceがピッチmとなるように、配列されている。ピッチmは、例えば、約0.0845mmに設定されている。ダミー画素Pd、および発光画素Paは、X軸方向を長辺方向とした長方形をなしており、4つの角部は丸められている(以降、「角R」ともいう)。なお、この形状は、各画素を互いに区画する隔壁の輪郭(平面形状)の内周縁を示している。
また、発光画素Paの輪郭は、中心点Ceに対して平面視において点対称な形状となっている。換言すれば、中心点Ceを中心にして発光画素Paを180度回転させたときに、元の形状(輪郭)に重なる2回対称な形状となっている。
1つの発光画素Paには、4つの画素電極が配置され、1つの画素電極に対して1つの発光素子が形成されている。また、それぞれの発光素子において、画素電極の少なくとも一部が絶縁層8から露出するように、絶縁膜8に開口部が形成されており、発光素子(発光画素Pa)から出射される光は、これらの開口部から出射されることになる。なお、図1は、発光装置100を光の出射面の反対側から見た平面図であるため、本来、画素電極10は観察されないが、説明を容易にするために、図1では、透過図として画素電極の開口部10を図示している。
図1における左端(X軸(−)側)の発光画素Paを例にとって説明すると、2つの開口部10a,10bが上段(Y軸(+)側)に、残りの2つの開口部10c,10dが下段(Y軸(−)側)に、それぞれ配置されている。
開口部10a〜10dは略同一直径の円形をなしており、開口部10aの中心と開口部10bの中心とを結ぶ線分は、基準線kと略平行になっている。また、同様に、開口部10cの中心と開口部10dの中心とを結ぶ線分は、基準線kと略平行になっている。換言すれば、4つの開口部は、発光画素Paの輪郭をなす長方形の辺に沿って行列をなして配置されている。なお、開口部10a〜10dの直径は、例えば、約25μmに設定されている。なお、開口部の形状は、円形に限定するものではなく、例えば、正方形や、長方形であっても良い。
また、開口部10a〜10dも、中心点Ceに対して略点対称な形状となっている。つまり、開口部10a〜10d及び発光画素Paの輪郭は、それぞれ中心点Ceに対して略点対称な形状となっている。
また、開口部10a,10bは、隣り合う発光画素Paの開口部10a,10bとX軸方向に略等ピッチで配列し、複数の開口部10a,10bからなる光出射行E1を構成している。同様に、開口部10c,10dは、隣り合う発光画素Paの開口部10c,10dとX軸方向に等ピッチで配列し、複数の開口部10c,10dからなる光出射行E2を構成している。
光出射行E1における開口部10a,10bの配置ピッチは、ピッチm/2に設定されている。また、光出射行E2における開口部10c,10dの配置ピッチも、m/2に設定されている。
つまり、発光装置100は、副走査方向に2段に形成された光出射行E1(第1光出射行)と光出射行E2(第2光出射行)とを備えている。
ここで、図1における右端(X軸(+)側)の発光画素Paに示すように、X軸方向における発光画素Paの隔壁の内周縁と、開口部10a(10c)との間は、間隙(距離)G1開いている。また、同様に、隔壁の内周縁と、開口部10b(10d)との間も、間隙G1確保されている。
また、Y軸方向においては、隔壁の内周縁と、開口部10a(10b)との間は、間隙G2開いている。同様に、隔壁の内周縁と、開口部10c(10d)との間は、間隙G2確保されている。
なお、前述した発光画素Paの角Rの大きさは、開口部10の同心円よりも小さい半径であることが好ましい。また、角Rに換えて、面取りを施した構成であっても良いが、エッジ部や、狭路部がないことが望ましい。これは、エッジ部などがあると、後述する塗布工程において、液状体が塗布(充填)し切れない部分が生じ、塗布ムラや、層厚バラつきの原因となるからである。つまり、発光画素Paの頂点にエッジが生じない程度の角R、または面取りがなされていることが好ましい。
「画素回路」
図3は、画素回路、および駆動回路を示す回路図である。
ここでは、発光装置100の画素回路、および駆動回路の概要について説明する。
図1の発光画素Paの各々には、図3の画素回路4が4つ形成されており、1つの発光素子を1つの画素回路が制御している。
画素回路4は、画素を選択するためのスイッチングTR1と、EL層15に電流を流すための駆動用TR2と、保持容量Cなどから構成されている。また、スイッチングTR1、および駆動用TR2は、TFTとして構成されている。
スイッチングTR1のゲート端子には、走査線駆動回路17からの走査線SLが接続されており、ソース端子には、データ線駆動回路18からのデータ線DLが接続されている。スイッチングTR1のドレイン端子には、駆動用TR2のゲート端子と、保持容量Cの一端が接続されている。
駆動用TR2のソース端子と、保持容量Cの他端とは、電源電位が供給されているVDDラインに接続されている。そして、駆動用TR2のドレイン端子は、画素電極10に接続されている。
また、画素電極10と、共通電極23との間には、電気光学層としてのEL層15が配置されている。また、共通電極23は、アースラインに接続されている。
走査線駆動回路17、およびデータ線駆動回路18には、外部機器(図示せず)から画像信号に基づいたタイミング信号、および画像内容を規定したデータ信号が供給される。
走査線駆動回路17は、シフトレジスタや出力バッファ(いずれも図示せず)を含んで構成され、外部機器からのタイミング信号に基づき、走査線SLに走査信号を供給する。なお、タイミング信号は、感光ドラム71の回転と同期している。
また、図1の場合、副走査方向において並んで配置された2段の光出射行E1,E2がそれぞれ有する複数の開口部は、主走査方向において同一ピッチの構成であり、かつ、副走査方向において重なる位置に配置されており、いずれか一方の走査線SLを選択して、片方の光出射行を点灯駆動しており、所定のタイミングで他方の光出射行を駆動するように切り替える。切替え方はこれに限定されないが、このように点灯駆動する光出射行を切り替えることにより、発光装置100の寿命を長くすることができる。また一方の光出射行のみを点灯駆動する時よりも1つの光出射行の光量を低減し、両方の光出射行を点灯駆動することで必要な光量を得るように駆動しても発光装置100の寿命を長くすることができる。
データ線駆動回路18は、シフトレジスタやラッチ回路(いずれも図示せず)を含んで構成され、外部機器からのタイミング信号、およびデータ信号に基づき、複数のデータ線DLに画像信号に規定された輝度に応じたデータ信号を供給する。
このような画素回路4において、走査信号によってスイッチングTR1が選択されると、当該TFTはオンし、データ信号が駆動用TR2に供給される。これにより、駆動用TR2がオンし、VDDラインからEL層15にデータ信号の電圧に応じた電流が流れ、発光層から光が放射される。
また、駆動用TR2がオンするのと並行して、保持容量Cにデータ信号が保持されるため、保持容量Cの容量に応じた時間、発光が維持される。
なお、上述の画素回路は、EL層15を発光させるための最も基本的な回路構成の一例であり、この回路構成に限定するものではなく、EL層15を効率的に発光させることが可能な回路構成であれば、適宜、変更を加えた回路構成を用いることであっても良い。
「発光装置の構成」
図4は、図1のq−q断面を示す断面図である。
ここでは、発光装置100のより詳細な構成について説明する。
発光装置100は、基板1、素子層6、絶縁層7、画素電極10、隔壁20、EL層15、共通電極23などから構成されている。また、発光素子は少なくともEL層15を含んでいる。
基板1は、ガラス、石英、樹脂(プラスチック、プラスチックフィルム)などの透明な材質から構成されている。
素子層6は、図3で説明した画素回路(4)、ゲート絶縁膜2、絶縁層3、配線層5などから構成されている。詳しくは、基板1上に、非晶質シリコンや、多結晶シリコンなどからなるTFTを含む画素回路が形成され、その上に、ゲート絶縁膜2、および絶縁層3が積層されている。また、絶縁層3の上層には、走査線SLおよびデータ線DLなどの各種配線が形成された配線層5が形成されている。
また、図4に示すように、駆動用TR2などの回路素子は、隔壁20に重なるように配置されており、素子層6において画素電極10の開口部と重なる部分は、透明に形成されている。
絶縁層7は、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物などの透明な絶縁材料から構成されている。なお、前述のゲート絶縁膜2や、絶縁層3も同様な材質から構成されており、絶縁層3のことを「第1層間絶縁膜」、絶縁層7のことを「第2層間絶縁膜」ともいう。
絶縁層7の上には、画素電極10が形成されている。画素電極10と駆動用TR2のドレイン端子との間には、絶縁層3,7を貫通するコンタクトホールを介して、当該間を電気的に接続するための配線が形成されている。
画素電極10は、ITO(Indium Tin Oxide)や、ZnOなどの透明電極から構成された透明電極である。
また、開口部を除く画素電極10の上層には、例えば、SiO2からなる絶縁層8が形成されており、EL層15に電位を印加可能な有効画素領域を規定している。換言すれば、絶縁層8は、画素電極10とEL層15とが接触する領域を区画している。
隔壁20は、黒色の樹脂などの絶縁材料からなる断面が台形状のバンクであり、各画素を互いに区画している。材料としては、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素系樹脂などを用いることができ、光硬化性であることが好ましい。
隔壁20は、1μm程度の高さ(厚さ)に形成され、その表面は液状体に対して、絶縁膜8よりも撥液性を有している。なお、撥液性は、隔壁20の材質自体が撥液性を有していることであっても良いし、後加工によって、撥液性を付与することであっても良い。また、隔壁20は、光学的には、ブラックマトリックスの機能を有している。
ここで、平面的に隔壁20に囲まれた凹形状の部分を凹部Uと定義している。凹部Uとは、図4において、画素電極10が形成された面を底面として、両端の隔壁20の傾斜面を側面とし、隔壁20の天面を結ぶ平面を天面とし、これらの底面、側面、天面によって囲まれた台形部を指している。この台形部が発光素子の形成領域に相当する。
また、凹部Uのサイズは、当該台形の底面の大きさ、つまり、隔壁20の内周縁を基準としており、図1に示した輪郭は、隔壁20の内周縁を示している。換言すれば、凹部Uの周縁部は隔壁20の内周縁のことであり、凹部Uの端部とは、隔壁20の内周縁の一端に相当する。
よって、図1で説明した通り、Y軸方向において、Y軸(−)側の凹部Uの端部から、最寄り(最短の間隙)の開口部10dまでの間は、間隙G2確保されている。また、同様に、Y軸(+)側の凹部Uの端部から、最寄りの開口部10bまでの間も、間隙G2確保されている。
また、図4では、X軸方向に切断した断面は図示していないが、当該方向においても、略同様の断面形状となっている。
EL層15は、正孔注入層や、発光層などを含む複数層から形成された有機EL発光層である。なお、EL層15の形成方法については、後述する。
共通電極23は、Mg−Ag合金(例えば重量比10:1)などの導電性および光反射性を兼ね備えた仕事関数の低い材料から構成された光反射層、兼電極であり、EL層15および隔壁20を覆って(EL層15および隔壁20と平面的に重なるように)形成されている。
また、共通電極23の上層を熱硬化型のエポキシ樹脂で充填し、封止しても良い。EL層15は、水分を嫌うため、封止することによって、信頼性を向上させることができる。また、エポキシ樹脂を接着剤として、ガラスや金属などからなる封止基板をさらに備える構成であっても良い。この構成によれば、より防湿性を高めることができる。
このような構成の発光装置100において、EL層15に駆動電流が流れると、EL層15は発光し、光を放射する。EL層15から放射される光のうち、画素電極10側に進む光は、開口部10b,10dを透過して、図4の白矢印で示されるように、基板1からZ軸(+)方向に出射される。また、共通電極23側に進む光は、共通電極23で反射され、EL層15を介して、開口部10b,10dを透過し、白矢印で示される光に合成されて、基板1からZ軸(+)方向に出射される。
「EL層の形成方法」
図5(a)は液状体の塗布工程の一態様を示す断面図であり、(b)は乾燥工程後のEL層を示す断面図である。図5(a),(b)ともに、図4に対応している。
ここでは、EL層の形成方法について説明する。
EL層15は、正孔注入層11、中間層12、発光層13を含む複数の有機薄膜層からなり、画素電極10側からこの順に積層されている。
これらの有機薄膜層は液滴吐出法(インクジェット法)を用いて成膜されており、この成膜工程は、「塗布工程」と「乾燥工程」とに大別される。
まず、「塗布工程」では、ダミー画素Pdを含む全ての画素に対して液状体が塗布される。詳しくは、図1の左端のダミー画素Pdから、発光画素行の各発光画素Pa、そして右端のダミー画素Pdまで、順番に液状体が塗布される。また、液状体の吐出量は、液滴吐出装置によって、全ての画素において、略一定になるように制御されている。
図5(a)は、正孔注入層11を形成するための液状体iを1つの発光画素Paの凹部Uに塗布した状態を示している。
液滴吐出装置(図示せず)の吐出ヘッド350から吐出された液状体iの液滴は、凹部Uに着弾し、図5(a)に示すように、凹部Uにおいて凸状に充填(塗布)される。なお、液状体iが凸状となるのは、隔壁20が液状体に対して撥液性を有しているためであり、液状体iは、その表面張力によって水滴状の膨らみを持って凹部Uに満たされることになる。
このようにして、発光装置100の全ての画素に液状体が塗布されると「乾燥工程」が行われる。なお、液状体の塗布は、インクジェット法に限定するものではなく、凹部Uに液状体を塗布可能な方法であれば良い。例えば、ジェットディスペンサ法や、ニードルディスペンサ法などのディスペンサ法を用いることもできる。
「乾燥工程」では、塗布された液状体の溶媒成分を除去し、乾燥した有機薄膜層を形成する。詳しくは、液状体が塗布された状態の発光装置100を加熱し、溶媒成分を蒸発させることにより液状体を乾燥させて、有機薄膜層を形成する。
加熱方法は、各画素を均一に加熱可能な加熱方法であれば良く、発光装置100をホットプレート上に載せて加熱する方法や、発光装置100の上方から赤外線ランプを照射する方法などを採用することができる。また、これらの方法を組み合せても良い。または、減圧環境や、真空環境において乾燥を行っても良い。このような方法によれば、より効率的に乾燥を行うことができる。
このようにして、図5(b)に示すような正孔注入層11が成膜される。
続いて、成膜された正孔注入層11の上層に、中間層12形成用の液状体を用いて、同様に「塗布工程」および「乾燥工程」を行い、中間層12を成膜する。
最後に、成膜された中間層12の上層に、発光層13形成用の液状体を用いて、同様に「塗布工程」および「乾燥工程」を行い、発光層13を成膜する。
この状態が、図5(b)に示されており、正孔注入層11、中間層12、発光層13の3層構造からなるEL層15が形成されている。なお、中間層12は、正孔注入層11と発光層13との間に設けられ、発光層13に対する正孔の輸送性(注入性)を向上させると共に、発光層から正孔注入層に電子が浸入することを抑制するために設けられている。つまり、発光層13における正孔と電子との結合による発光の効率を改善するものである。また、これらの積層構造に限定するものではなく、正孔注入層11と発光層13との2層構造であっても良い。あるいは、正孔注入層11と、発光層13と、LiF(フッ化リチウム)などからなる電子注入層との3層構造であっても良い。
上述した「塗布工程」で用いられる液状体は、溶剤などの溶媒に、それぞれの有機薄膜層の材料(溶質)を溶解または分散した溶液であり、以下に、好適な各有機薄膜層の材料を挙げる。
正孔注入層11の材料としては、例えば、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)等のポリチオフェン誘導体にドーパントとしてのポリスチレンスルホン酸(PSS)を加えた混合物(PEDOT/PSS)や、ポリスチレン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリアセチレンやその誘導体を用いてもよい。
中間層12の材料としては、例えば、正孔輸送性が良好なトリフェニルアミン系ポリマーを含んだものが挙げられる。
発光層13の材料としては、蛍光または燐光を発光する発光材料を用いることが好ましい。例えば、ポリフルオレン誘導体(PF)、ポリパラフェニレンビニレン誘導体(PPV)、ポリフェニレン誘導体(PP)、ポリパラフェニレン誘導体(PPP)、ポリビニルカルバゾール(PVK)等のポリチオフェニレン誘導体、ポリメチルフェニレンシラン(PMPS)等を用いることができる。また、これらの高分子材料に、ペリレン系色素、クマリン系色素、ローダミン系色素等の高分子材料や、ルブレン、ペリレン、9,10−ジフェニルアントラセン、テトラフェニルブタジエン、ナイルレッド、クマリン6、キナクドリン等低分子材料をドープしてもよい。
また、本実施形態では、好適な事例として、上記材料の中から発光波長帯域が赤色に対応した材料を用いて発光層13を構成している。つまり、各発光画素Paからは、赤色光が出射される構成となっている。また、赤色に限定されず、単色であれば良く、例えば、青色や、緑色に対応した材料を用いることもできる。
特に、赤色に対応した材料を用いた場合には、他の色調に比べて発光寿命が長いことが知られている。
また、発光層13が赤色に対応している場合、図2の感光ドラム71の表面(感光面)には、赤色の波長領域を感知する感光体が塗布、または貼り付けられている。
「EL層の層厚分布」
図5(b)に示すように、EL層15の厚さtは、凹部Uの端部(周縁部)側が厚く形成されている。詳しくは、厚さtは、凹部Uの中央部(中心点Ce)よりも、周縁部の方が厚くなっており、その厚さは、中央部周辺では略平坦で、周縁部に向って極僅かに厚さを増し、周縁部近傍ではやや傾斜が急になっている。換言すれば、極浅い皿状の厚さ分布となっており、等高線で示すとしたら、周縁部に数本の等高線が現れ、平坦部には殆ど等高線が現れない程度の厚さ分布である。
これは、いわゆるコーヒーの染み現象に起因したものであり、液状体の乾燥にともない、凹部Uの周縁部に析出物が厚く堆積されて形成されたものである。なお、コーヒーの染み現象とは、液体乾燥時の溶質の自発的な輸送現象である。詳しくは、液滴の乾燥にともない、液体の中心から外側に向かう微小な対流が生じ、溶質が外側に向かって移動し、周縁部に厚く堆積される現象を指す。
また、乾燥工程における乾燥が、発光装置100全体においては基板1(図1)の外周に近い部分から始まり、また、発光画素Paにおいては画素の周縁部から始まることも、上記対流を助長させているものと考察される。
このように、凹部U内において、EL層の厚さtはバラついているが、開口部10dと、開口部10bとの位置は、中心点Ceに対して点対称となっており、また、凹部Uの端部からの距離も、間隙G2で共通となっている。
よって、開口部10b、および開口部10dにおけるEL層の厚さtの分布は、略同様の分布となる。
また、開口部10a、および開口部10cにおけるEL層の厚さtの分布も、略同様の分布となり、さらに、開口部10b,10dと、開口部10a,10cとは、中心点Ceに対して点対称となる位置に配置されている。換言すれば、開口部10a〜10dは、等高線状に変化する厚さtの分布における同じ厚さ領域にレイアウトされている。
このため、開口部10a〜10dにおけるEL層の厚さtの分布は、略同様の分布となる。
「出射光の輝度分布」
図6(a),(b)は、発光画素の出射光の輝度比率を示すグラフであり、図11に対応している。
図6は、図1の左端の発光画素Paにおける開口部10a〜10dごとの出射光の輝度比率を示したグラフであり、(a)には開口部10b,10dのグラフが示され、(b)には開口部10a,10cのグラフが示されている。当該グラフの縦軸は輝度比率を示し、横軸は開口部の幅を示している。
なお、輝度比率とは、各開口部が出射する光の輝度を同一条件で測定し、当該輝度を、基準輝度を100としたときの比率で表したものである。また、輝度比率が70%以上であれば、輝度規格は満たしている。
図6(a)に示すように、開口部10b,10dの輝度比率は、そのピークが共に約90%となっている。また、その分布は、中心点(線)Ceに対して略対称な形状となっている。
また、図6(b)に示すように、開口部10a,10cの輝度比率も、そのピークが共に約90%となっている。また、その分布は、中心点(線)Ceに対して略対称な形状となっている。
また、ここでは、左端の発光画素Paにおける4つの開口部の輝度分布について説明したが、発光画素行の略中央に位置する発光画素や、右端の発光画素を含む他の発光画素においても、図6のグラフと略同等の測定結果が得られている。
上述した通り、本実施形態に係る発光装置100によれば、以下の効果を得ることができる。
発光装置100によれば、1つの大きな隔壁20に囲まれた凹部Uにおいて、乾燥時に大きな対流が発生していた従来の発光装置500(図10)と異なり、それぞれ個別のEL層15を備えた複数の発光画素Paが主走査方向に配列される構成となっている。
よって、各発光画素Paにおける凹部U内での対流が相対的に小さいものとなり、EL層15の層厚のバラつきを低減することができる。
また、X軸方向における端部の開口部10jと中央部の開口部10kとでは、凹部Uの端部からの距離が大きく異なっていた従来の発光装置と異なり、X軸方向における凹部Uの端部から最寄りの開口部10までの間隙G1が複数の開口部10のいずれにおいても略等しく設けられている。
よって、1つの発光画素内における液状体の溶媒分子分圧が均一化され、また、乾燥速度も均一化することができる。
さらに、Y軸方向における凹部Uの端部から最寄りの開口部10までの間隙G2が、複数の開口部10のいずれにおいても略等しく設けられているため、1つの発光画素Pa内における液状体の溶媒分子分圧がより均一化され、また、乾燥速度も均一化することができる。
従って、EL層15の層厚を均一にすることが可能な電気光学装置を提供することができる。さらに、層厚の均一化により、輝度ムラや、発光色ムラを低減することもできる。
特に、発光画素Paの輪郭、および開口部10a〜10dを中心点Ceに対して点対称な形状としたことにより、凹部Uの周縁部から中心部に向って等高線が密から疎となる厚さ分布を持つEL層15において、4つの開口部を、厚さ分布における同じ厚さ領域にレイアウトすることができる。
よって、1つの発光画素Paに形成された4つの開口部10a〜10dにおけるEL層15の厚さ(分布)を略均一に揃えることができる。
これにより、図11に示すように、開口部の位置によってEL層の厚さに差があり、それに起因して発光輝度にバラつきがあった従来の発光装置と異なり、図6に示すように、4つの開口部における輝度を略均一にすることができる。
さらに、発光画素行を構成する全ての発光画素Paにおいても、図6のグラフと略同等の輝度分布が得られることから、輝度ムラや、発光色ムラを低減することができる。
また、X軸方向において、複数の発光画素Paからなる発光画素行の前後に、ダミー画素Pdが1つずつ形成されている。
この構成によれば、乾燥工程において、複数の発光画素Paにおける液状体の溶媒分子分圧が均一化されるため、乾燥速度が均一化され、発光画素Pa間におけるEL層15の層厚を均一にすることができる。
さらに、発光装置100には、副走査方向において、同一の光出射行とみなすことが可能な2段の光出射行E1と光出射行E2とが形成されているため、例えば、光出射行E1に発光しない欠陥画素があった場合でも、光出射行E2を用いて露光を行うことができる。また、有機ELには発光寿命があるため、光出射行E1の寿命が尽きた場合、光出射行E2を用いて露光を行うことができる。
つまり、スペアの光出射行を備えた使い勝手の良い発光装置100を提供することができる。
(実施形態2)
図7は、実施形態2に係る発光装置の平面図であり、図1に対応している。
以下、本発明の実施形態2に係る電気光学装置としての発光装置110について説明する。
本実施形態における発光装置110は、発光画素Pa内における4つの開口部のレイアウトが、実施形態1の発光装置100と異なる。
ここでは、実施形態1における説明と重複する部分は省略し、相違点を中心に説明する。また、同一の構成部位については同一の番号を附している。
発光装置110は、図1の発光装置100と同様に、X軸方向に沿って複数の発光画素Pa、およびダミー画素Pdを備えている。これらの画素配置、ピッチ、開口部の断面構成やサイズなどは、発光装置100と同様である。
1つの発光画素Pa内における4つの開口部10e〜10hのレイアウトのみが、実施形態1の発光装置100と異なる。
開口部10fと開口部10hとは、基準線kに沿って配置されている。また、2つの開口部は、中心点Ceを通るY軸と平行な線分を挟んで、当該線分に対して線対称となるように配置されている。
開口部10eと開口部10gとは、中心点Ceを通るY軸と平行な線分に沿って配置されている。また、2つの開口部は、基準線kを挟んで、基準線kに対して線対称となるように配置されている。
つまり、4つの開口部10e〜10hは、中心点Ceに対して点対称となるように配置されている。
また、発光装置110は、副走査方向に形成された3段の光出射行E11〜E13を備えている。
まず、光出射行E11は、隣り合う発光画素Paの開口部10eがX軸方向にピッチmで配列した複数の開口部10eから構成される。
光出射行E12は、隣り合う発光画素Paの開口部10f,10hがX軸方向にピッチm/2で配列した複数の開口部10f,10hから構成される。
そして、光出射行E13は、隣り合う発光画素Paの開口部10gがX軸方向にピッチmで配列した複数の開口部10gから構成される。
ここで、図7における右端(X軸(+)側)の発光画素Paに示すように、X軸方向における発光画素Paの隔壁の内周縁と、開口部10f(10h)との間は、間隙(距離)G1開いている。
また、Y軸方向においては、隔壁の内周縁と、開口部10e(10g)との間は、間隙G2開いている。
また、発明者等の実験結果によれば、1つの発光画素Pa内における4つの開口部の輝度分布は、略均一となり、図6のグラフと略同等の測定結果が得られている。
上述した通り、本実施形態に係る発光装置110によれば、実施形態1と同様に、以下の効果を得ることができる。
発光画素Paの輪郭、および開口部10e〜10hを中心点Ceに対して点対称な形状としたことにより、凹部Uの周縁部から中心部に向って等高線が密から疎となる厚さ分布を持つEL層15において、4つの開口部を、厚さ分布における同じ厚さ領域にレイアウトすることができる。
よって、1つの発光画素Paに形成された4つの開口部10e〜10hにおけるEL層15の厚さ(分布)を略均一に揃えることができる。
従って、EL層15の層厚を均一にすることが可能な発光装置110を提供することができる。さらに、層厚の均一化により、輝度ムラや、発光色ムラを低減することもできる。
(実施形態3)
図8は、実施形態3に係る発光装置の平面図であり、図1に対応している。
以下、本発明の実施形態3に係る電気光学装置としての発光装置120について説明する。
本実施形態における発光装置120は、1つの発光画素に2つの開口部が形成されていること、および主走査方向にシフトした2段の画素行を備えていることが、実施形態1の発光装置100と異なる。
ここでは、上記各実施形態における説明と重複する部分は省略し、相違点を中心に説明する。また、同一の構成部位については同一の番号を附している。
図8に示すように、発光装置120の発光画素Paおよびダミー画素Pdの輪郭は、略同一半径の2つの半円間を直線で結んだ形状、換言すれば、Y軸方向に長いトラック形状となっている。
また、1つの発光画素Paには、Y軸方向に沿って2つの開口部10a,10cが配列されている。開口部10aと開口部10cとは、基準線kに対して線対称となるように配置されている。開口部10a,10cを含む発光画素Paの輪郭は、中心点Ceに対して点対称な形状となっている。
発光画素Paおよびダミー画素Pdは、基準線k上においてピッチm/2で配列している。また、発光画素Paは、Y軸に平行な線分である開始線121を起点として配列されている。
つまり、発光装置120の隣り合う2つの発光画素Paを一体化すると、図1の1つの発光画素に相当する位置関係になっている。このため、2つの開口部の附番を、図1の附番に合せている。
また、図8における右端(X軸(+)側)の発光画素Paに示すように、X軸方向における発光画素Paの隔壁の内周縁と、開口部10a(10c)との間は、間隙(距離)G1開いている。
また、Y軸方向においては、隔壁の内周縁と、開口部10a(10c)との間は、間隙G2開いている。
また、発明者等の実験結果によれば、1つの発光画素Pa内における2つの開口部の輝度分布は、略均一となり、図6(b)のグラフと略同等の測定結果が得られている。
ここまで説明した、基準線kに沿って配列された画素行を第1画素行としたときに、第1画素行の下段(Y軸(−)側)にも、基準線k2に沿った第2画素行が設けられている。なお、基準線k2は、基準線kと略平行な線分である。
第2画素行は、主走査方向の起点(配置)が異なること以外は、第1画素行と同一の画素行である。第2画素行は、第1画素行の起点である開始線121から、m/4(画素ピッチの半分)X軸(+)方向にシフトした基準線122を起点として、ピッチm/2でX軸方向に配列している。
換言すれば、主走査方向における第1画素行の発光画素Pa(の開口部)と、第2画素行の発光画素Pa(の開口部)との位置は、m/4、主走査方向にシフトして配置されている。
また、発光装置120では、画素行を2段備えているため、それに伴い、基板1のサイズが大きくなっている。
このような構成の発光装置120は、副走査方向に4段に形成された光出射行E1〜E4を備えている。
光出射行E1は、第1画素行の隣り合う開口部10aの配列から構成される。
光出射行E2は、第1画素行の隣り合う開口部10cの配列から構成される。
光出射行E3は、第2画素行の隣り合う開口部10aの配列から構成される。
光出射行E4は、第2画素行の隣り合う開口部10cの配列から構成される。
また、図3の画素回路においては、第1画素行と同じ画素回路が、第2画素行にも形成されている。発光装置120を点灯駆動する場合には、走査線駆動回路17によって、第1画素行、第2画素行の順番に走査信号が供給され、感光ドラム71の回転に同期して、交互に点灯駆動される。
上述した通り、本実施形態に係る発光装置120によれば、実施形態1の効果と同様に、以下の効果を得ることができる。
発光画素Paの輪郭、および開口部10a,10cを中心点Ceに対して点対称な形状としたことにより、凹部Uの周縁部から中心部に向って等高線が密から疎となる厚さ分布を持つEL層15において、2つの開口部を、厚さ分布における同じ厚さ領域にレイアウトすることができる。
つまり、1つの発光画素Paに2つの開口部が形成された構成においても、凹部Uの周縁部から開口部までの間隙を略均一にすることにより、開口部におけるEL層15の厚さ(分布)を略均一にすることができる。
従って、EL層15の層厚を均一にすることが可能な発光装置120を提供することができる。さらに、層厚の均一化により、輝度ムラや、発光色ムラを低減することもできる。
図2で説明した通り、発光装置120は、感光ドラム71の回転に同期して、点灯駆動されるため、感光ドラム71の水平方向(X軸方向)における1つの感光行に対して、第1画素行により光を照射した後、感光ドラム71を1画素行分回転させて、第2画素行による照射を行えば、1つの感光行に対して2倍の解像度による露光を行うことができる。
例えば、ピッチm/2が、約0.042mmである場合には、1つの画素行における水平解像度は、約600dpiであるが、主走査方向に画素ピッチが半分シフトしてレイアウトされた第1画素行と第2画素行とで、時系列に照射することにより、約1200dpiの水平解像度による露光を行うことができる。
従って、高解像度の発光装置120を提供することができる。
また、第1画素行には同一の光出射行とみなすことが可能な2段の光出射行E1と光出射行E2とが形成され、第2画素行には同一の光出射行とみなすことが可能な2段の光出射行E3と光出射行E4とが形成されている。
よって、例えば、光出射行E1に発光しない欠陥画素があった場合でも、光出射行E2を用いて露光を行うことが可能であり、また、光出射行E4に発光しない欠陥画素があった場合でも、光出射行E3を用いることができる。
つまり、スペアの光出射行を備えた使い勝手の良い発光装置120を提供することができる。
(電子機器)
図9は、上述の発光装置を露光ヘッドの光源として備えた電子機器としてのプリンタを示す模式断面図である。
以下、電子写真方式のプリンタ300の構成について、図9を中心に、適宜、図2を交えながら説明する。
プリンタ300は、上述の発光装置100〜120のいずれかを光源とした4つの露光ヘッド200K,200C,200M,200Yと、これらの露光ヘッドに対応する4個の感光ドラム(像担持体)71K,71C,71M,71Yとを備えた、タンデム型の電子写真方式プリンタである。
なお、以降の説明において、発光装置100〜120を総称する場合には、発光装置100と表現する。また、4つの露光ヘッドを総称する場合、または、代表として説明する場合には、露光ヘッド200という表現を用いることがある。感光ドラム71という表現も、同様の意味で用いる場合がある。
図2に示すように、露光ヘッド200は、円柱状の感光ドラム71と平行に、これと対向した状態で用いられる。換言すれば、感光ドラム71の回転軸79と平行に、かつ、露光ヘッド200から出射される光が、回転軸79を照射するように配置されている。
光学部材としてのレンズアレイ180は、セルフォック(登録商標)レンズであり、発光装置100から入射する光を、感光ドラム71の表面で集光し、露光(描画)する。
図9に戻る。
プリンタ300は、駆動ローラ91と従動ローラ92とテンションローラ93とを備え、これらの各ローラに中間転写ベルト90を、矢印方向(反時計方向)に循環駆動するよう張架したものである。
この中間転写ベルト90に対して、感光ドラム71K,71C,71M,71Yが所定間隔で配置されている。これら感光ドラム71K,71C,71M,71Yは、その外周面が像担持体としての感光層となっている。
なお、上記符号中のK、C、M、Yは、それぞれ黒、シアン、マゼンタ、イエローを意味し、それぞれ黒、シアン、マゼンタ、イエロー用の感光体であることを示している。
また、これら符号(K、C、M、Y)の意味は、他の部材についても同様である。感光ドラム71は、中間転写ベルト90の駆動と同期して、それぞれが矢印方向(時計方向)に回転駆動するようになっている。
感光ドラム71(K、C、M、Y)の周囲には、それぞれ感光ドラム71の外周面を一様に帯電させる帯電手段(コロナ帯電器)72(K、C、M、Y)と、この帯電手段72(K、C、M、Y)によって一様に帯電させられた外周面を感光ドラム71(K、C、M、Y)の回転に同期して順次ライン走査する露光ヘッド200(K、C、M、Y)とが設けられている。
また、露光ヘッド200(K、C、M、Y)で形成された静電潜像に現像剤としてのトナーを付与して可視像(トナー像)とする現像装置74(K、C、M、Y)と、現像装置74(K、C、M、Y)で現像されたトナー像を一次転写対象としての中間転写ベルト90に順次転写する転写手段としての一次転写ローラ75(K、C、M、Y)とが設けられている。
また、転写された後に感光ドラム71(K、C、M、Y)の表面に残留しているトナーを除去するクリーニング手段としてのクリーニング装置76(K、C、M、Y)がそれぞれ設けられている。
また、露光ヘッド200(K、C、M、Y)の主発光波長と、感光ドラム71(K、C、M、Y)の感度ピーク波長とが略一致するように設定されている。
現像装置74(K、C、M、Y)は、例えば、現像剤として非磁性一成分トナーを用いている。そして、その一成分現像剤を例えば供給ローラで現像ローラへ搬送し、現像ローラ表面に付着した現像剤の膜厚を規制ブレードで規制し、その現像ローラを感光ドラム71(K、C、M、Y)に接触させるか、または押圧せしめることにより、感光ドラム71(K、C、M、Y)の電位レベルに応じて現像剤を付着させ、トナー像として現像する。
このような4色の単色トナー像形成ステーションにより形成された黒、シアン、マゼンタ、イエローの各トナー像は、一次転写ローラ75(K、C、M、Y)に印加される一次転写バイアスによって中間転写ベルト90上に順次一次転写される。
そして、中間転写ベルト90上で順次重ね合わされてフルカラーとなったトナー像は、二次転写ローラ66において「紙」等の記録媒体Rに二次転写され、更に、定着部である定着ローラ対61を通ることで記録媒体R上に定着される。その後、記録媒体Rは、排紙ローラ対62によって装置上部に形成された排紙トレイ68上に排出される。
また、給紙カセット63は、複数枚の記録媒体Rを保持するための着脱自在に設けられた用紙ホルダであり、ピックアップローラ64は給紙カセット63から記録媒体Rを一枚ずつ給送するためのローラ部材である。
ゲートローラ対65は、二次転写部としての二次転写ローラ66への記録媒体Rの供給タイミングを規定するためのローラ部材である。
また、クリーニングブレード67は、二次転写後に中間転写ベルト90の表面に残留しているトナーを除去するためのクリーニング部材である。
上述したように、プリンタ300は、露光ヘッド200の光源として、輝度ムラや、発光色ムラが低減された発光装置100を備えている。
従って、プリンタ300によれば、均一な露光による高品位な画像を得ることができる。
また、電子機器としてはプリンタに限定するものではなく、各種照明装置や、表示装置などにも適用することができる。
また、表示装置に適用する場合には、上記発光装置の画素行を複数段形成してマトリックス状の表示エリアを構成するとともに、画素行における発光色を赤、緑、青の繰り返しパターンとする。これにより、フルカラーの有機ELパネルを構成することができる。
この有機ELパネルは、例えば、携帯電話、カーナビゲーションシステム用の表示装置や、PDA(Personal Digital Assistants)、モバイルコンピュータ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、車載機器、オーディオ機器などの各種電子機器に用いることができる。
これらの電子機器によれば、輝度ムラや、発光色ムラが低減された高品位の表示を得ることができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、上述した実施形態に種々の変更や改良などを加えることが可能である。変形例を以下に述べる。
(変形例1)
図12は、変形例1に係る発光装置の断面図であり、図4に対応している。
実施形態1の発光装置100では、ボトムエミッション型を採用していたが、トップエミッション型であっても良い。
図12は、発光装置100をトップエミッション型で構成する場合における図1のq−q断面を示している。なお、この場合、図1は基板1側からの透過平面図となる。
なお、実施形態1における説明と重複する部分は省略し、相違点を中心に説明する。また、同一の構成部位については同一の番号を附して説明する。
トップエミッション型の発光装置は、基板1、反射層30、素子層6、絶縁層7、画素電極10、隔壁20、EL層15、共通電極33、封止層35などから構成されている。この構成は、発光装置の厚さ方向(Z軸方向)の構成が、図4のボトムエミッション型の構成と、略反転しており、トップエミッション型の場合、白抜きの矢印で示すように、発光画素Paの凹部U側から光を出射する。
トップエミッション型において固有な構成部位は、反射層30、共通電極33、および封止層35であり、他の構成部位は、実施形態1での説明と略同様である。
反射層30は、AlやAg、またはそれらの合金などから構成された全反射膜である。また、凹部U側から光を出射する構成であるため、基板1も透明である必要はなく、金属を用いても良い。
共通電極33は、MgAgなどの金属を、光が透過できる程度にごく薄く成膜した金属薄膜層から構成されており、ハーフミラーとしての光学作用を有している。
封止層35は、SiO2や、Si34などの透明で、かつ、水分を遮断する機能を有する封止層であり、EL層15に水分が浸入することを防止するガスバリア層である。
このような構成において、EL層15から放射される光のうち、共通電極33側に進む光は、その大半が共通電極33を透過して、白矢印で示されるように、封止層35からZ軸(+)方向に出射される。また、画素電極10側に進む光は、反射層30で反射され、EL層15を介して、白矢印で示される光に合成されて、封止層35からZ軸(+)方向に出射される。また、共通電極33で反射された光も、反射層30との間で反射を繰り返し、その多くが、封止層35から出射されることになる。
また、その他の構成、および間隙G2などの寸法関係は、Z軸方向が反転していることを除いて、実施形態1での説明と同じである。
上述した通り、本変形例に係るトップエミッション型の発光装置であっても、実施形態1の発光装置100と同様の作用効果を得ることができる。また、他の各実施形態の構成も適用が可能であり、同様の作用効果を得ることができる。
(変形例2)
図1を用いて説明する。
図1の発光装置100において、各発光画素Paにさらに光センサを設けた構成であっても良い。詳しくは、発光画素Paの画素電極10の隣(例えば、間隙G2部)に、フォトダイオードを形成する。なお、光センサは、フォトダイオードに限定するものではなく、例えば、フォトトランジスタや、CdS(硫化カドミウム)セルを用いた光センサであっても良い。
これらの構成によれば、当該画素が出射した光の反射光を検知することできるため、例えば、スキャナーのスキャンヘッド(発光兼、受光装置)に発光装置100を適用することができる。
(変形例3)
図13は、変形例3に係る発光装置の平面図であり、図1に対応している。
図14は、変形例3に係る発光装置の平面図であり、図7に対応している。
図1の発光装置100は、1つの画素行を備えた構成であったが、複数段の画素行を備えた構成であっても良い。また、図7の発光装置110についても、同様に複数段の画素行を備えた構成であっても良い。
図13の発光装置130は、図1の発光装置100における画素行(第1画素行)と、その下段(Y軸(−)側)に配置された第2画素行との2段の画素行を備えている。第2画素行は、主走査方向の起点(配置)が異なること以外は、第1画素行と同一の画素行である。
第2画素行は、第1画素行の起点である開始線131から、m/4(開口部ピッチの半分)X軸(+)方向にシフトした基準線132を起点として、ピッチmでX軸方向に配列している。換言すれば、主走査方向における第1画素行の発光画素Paと、第2画素行の発光画素Paとの位置は、m/4、主走査方向にシフトして配置されている。
この構成によれば、実施形態3(図8)と同様な4つの光出射行が形成されるため、同様な作用効果を得ることができる。よって、高解像度の発光装置130を提供することができる。
図14の発光装置140は、図7の発光装置110における画素行(第1画素行)と、その下段(Y軸(−)側)に配置された第2画素行との2段の画素行を備えている。第2画素行は、主走査方向の起点(配置)が異なること以外は、第1画素行と同一の画素行である。
第2画素行は、第1画素行の起点である開始線141から、m/2(開口部10fピッチの半分)X軸(+)方向にシフトした基準線142を起点として、ピッチmでX軸方向に配列している。換言すれば、主走査方向における第1画素行の発光画素Paと、第2画素行の発光画素Paとの位置は、m/2、主走査方向にシフトして配置されている。
この構成によれば、図14に示すように、X軸方向のピッチm/4ごとに、第1画素行、または第2画素行のいずれかの開口部が位置している。つまり、主走査方向にピッチm/4で開口部がレイアウトされていることになる。
よって、ピッチm/4で配置された開口部を感光ドラム71の回転に同期して、選択的に点灯駆動することによって、実施形態3(図8)と同様に、高解像度の露光を行うことができる。従って、高解像度の発光装置140を提供することができる。
(変形例4)
図8を用いて説明する。
図8の発光装置120では、画素行は第1画素行と第2画素行との2行構成であるものとして説明したが、第1画素行と第2画素行との2行からなる構成を1つの発光ユニットとして、この発光ユニットを複数段、副走査方向に配列する構成であっても良い。発光ユニット数は、例えば、3〜5ユニットとすることが好ましい。
前述した通り、主走査方向に画素ピッチが半分シフトしてレイアウトされた第1画素行と第2画素行とによる構成によって、水平解像度を倍にすることができるため、上記構成によれば、高解像度の発光ユニットが、副走査方向に複数段、配列されることになる。
よって、変形例4に係る発光装置によれば、副走査方向において、同一の画素ピッチの発光ユニットが複数段形成されているため、例えば、第1発光ユニットに発光しない欠陥画素があった場合でも、第2発光ユニット、または第3発光ユニットによって露光を行うことができる。
また、有機ELには発光寿命があるため、第1発光ユニットの寿命が尽きた場合、第2発光ユニット、または第3発光ユニットを用いて露光を行うことができる。
従って、使い勝手が良く、長寿命の発光装置を提供することができる。また、複数の発光ユニットのうち、最低1つのユニットに画素欠陥がなければ、発光装置として使用することが可能であるため、製造歩留りを高めることができる。換言すれば、製造歩留りが高いことから、製造コストを抑制することができる。
また、図13の発光装置130、図14の発光装置140においても、同様に複数ユニット化しても良い。これらの構成であっても、変形例4と同様の作用効果を得ることができる。
(変形例5)
図15は、変形例5に係る発光装置の平面図であり、図1に対応している。
図16は、変形例5に係る発光装置の平面図であり、図8に対応している。
図1の発光装置100は、2段の光出射行E1,E2が同一の光出射行とみなすことが可能な構成であったが、図15に示すように、光出射行E2は光出射行E1の起点である開始線151から、m/4(画素ピッチの半分)X軸(−)方向にシフトした基準線152を起点として、ピッチm/2でX軸(+)方向に配列している。
換言すれば、主走査方向における光出射行E1の開口部10aと、光出射行E2の開口部10cとの位置は、m/4、主走査方向にシフトして配置されている。
また、図8の発光装置120は、2段の光出射行E1,E2が同一の光出射行とみなすことが可能であり、また、2段の光出射行E3,E4が同一の光出射行とみなすことが可能であり、光出射行E3は光出射行E1の起点である開始線121から、m/4(画素ピッチの半分)X軸(+)方向にシフトした基準線122を起点として、ピッチmでX軸(+)方向に配列している構成であったが、図16に示すように、主走査方向における光出射行E1の開口部10iと、光出射行E2の開口部10jとの位置をm/2主走査方向にシフトして配置した構成とし、主走査方向における光出射行E1の開口部10iと、光出射行E3の開口部10kとの位置をm/4主走査方向にシフトして配置した構成とし、主走査方向における光出射行E3の開口部10kと、光出射行E4の開口部10lとの位置をm/2主走査方向にシフトして配置した構成としても良い。
このような構成としても、それぞれ実施形態1(図1)、実施形態3(図8)と同様な作用効果を得ることができる。
1…基板、10…画素電極、10a〜10h…開口部、15…電気光学層としてのEL層、20…隔壁、100〜140…電気光学装置としての発光装置、180…光学部材としてのレンズアレイ、200…露光ヘッド、300…電子機器としてのプリンタ、Ce…中心点、G1,G2…間隙、U…凹部、Pa…発光画素、Pd…ダミー画素。

Claims (11)

  1. 第1の方向に略等間隔に配列された複数の発光画素を備えた電気光学装置であって、
    前記複数の発光画素の各々は、
    発光画素の輪郭を形成する隔壁に囲まれて構成された凹部と、
    前記凹部に形成された電気光学層と、
    前記凹部に形成され、前記電気光学層が放射する光を出射する複数の開口部と、を少なくとも有し、
    前記第1の方向における前記凹部の端部から開口部までの間隙のうち最短のものが、前記複数の開口部のいずれにおいても略等しく設けられ、
    さらに、前記第1の方向と交差する第2の方向における前記凹部の端部から開口部までの間隙のうち最短のものが前記複数の開口部のいずれにおいても略等しく設けられてなることを特徴とする電気光学装置。
  2. 前記凹部は、平面視において前記凹部の中心点を中心とした点対称な形状であり、前記複数の開口部は平面視において前記凹部の中心点を中心とした点対称に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
  3. 前記凹部は、4つの頂点に丸み(角R)を付けた略長方形をなし、
    1つの前記凹部に形成されている前記複数の開口部の数は4つであり、
    前記4つの開口部は、前記長方形の辺に沿って行列をなして配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の電気光学装置。
  4. 前記凹部は、4つの頂点に丸み(角R)を付けた略長方形をなし、
    1つの前記凹部に形成されている前記複数の開口部の数は4つであり、
    前記4つの開口部のうち、2つの開口部は、前記凹部の中心点を挟むとともに、
    前記中心点から前記第1の方向に延在する線分に沿って配置され、
    残りの2つの開口部は、前記凹部の中心点を挟むとともに、前記中心点から前記第2の方向に延在する線分に沿って配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の電気光学装置。
  5. 前記第1の方向における前記発光画素の配列の前後には、ダミー発光画素が形成され、
    前記ダミー発光画素は、前記隔壁によって前記ダミー発光画素の輪郭を形成されており、
    前記隔壁囲まれて構成された前記ダミー発光画素用の凹部には、前記発光画素と同様な前記電気光学層が形成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  6. 前記複数の発光画素のうち、前記第1の方向に連続して配列された複数の発光画素を含む第1画素行と、
    前記第1画素行の前記第2の方向側に配置され、前記第1画素行と同様の配列である複数の発光画素を含む第2画素行と、を備え、
    前記第1画素行の発光画素と、前記第2画素行の発光画素との位置は、前記第2画素行の発光画素の開口部が前記第1画素行の発光画素の開口部に対して、所定ピッチ分前記第1方向にシフトしていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  7. 前記電気光学層は、前記凹部に液滴吐出法によって塗布した液状体を乾燥させて形成した有機EL層であり、
    前記開口部は、画素電極と前記電気光学層との間に形成された絶縁膜に形成されており、前記絶縁膜から前記画素電極の少なくとも一部が露出するように設けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  8. 前記複数の開口部は、前記第1の方向に連続して配置された複数の開口部を含む第1光出射行と、前記第1光出射行の前記第2の方向側に配置され、前記第1光出射行と同様の配列である複数の開口部を含む第2出射行とを有し、
    前記第1光出射行の発光画素と、前記第2光出射行の発光画素との位置は、前記第2光出射行の発光画素の開口部が第1光出射行の発光画素の開口部に対して、所定ピッチ分前記第1方向にシフトしていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  9. 前記第1画素行に含まれる前記複数の開口部は、前記第1の方向に連続して配置された複数の開口部を含む第1光出射行と、前記第1光出射行の前記第2の方向側に配置され、前記第1光出射行と同様の配列である複数の開口部を含む第2出射行とを有し、
    前記第1光出射行の発光画素と、前記第2光出射行の発光画素との位置は、前記第2光出射行の発光画素の開口部が第1光出射行の発光画素の開口部に対して、所定ピッチ分前記第1方向にシフトしていることを特徴とする請求項6に記載の電気光学装置。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の電気光学装置と、
    前記電気光学装置の前記発光画素が出射する光を所定の位置に集光させる光学部材とを、少なくとも備えたことを特徴とする電子機器。
  11. 第1の方向に配列された複数の発光画素を備えた電気光学装置であって、
    前記複数の発光画素の各々は、発光画素の輪郭を形成する隔壁に囲まれて構成された凹部と、前記凹部に形成された電気光学層と、前記凹部に形成され、前記電気光学層が放射する光を出射する複数の開口部と、を少なくとも有し、前記第1の方向における前記凹部の端部から開口部までの間隙のうち最短のものが、前記複数の開口部のいずれにおいても略等しく設けられ、
    さらに、前記第1の方向と交差する第2の方向における前記凹部の端部から開口部までの間隙のうち最短のものが前記複数の開口部のいずれにおいても略等しく設けられてなり、
    前記電気光学層を形成する工程は、
    前記電気光学層を構成する溶質を溶解または分散した溶液を前記凹部に液滴吐出法によって塗布する工程と、
    前記溶質を乾燥させる工程と、を含むことを特徴とする電気光学装置の製造方法。
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