JP2010211583A - 移動型の搬送物受渡し装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】移動型の搬送物受渡し装置において、簡単な構成により、移動可能な位置に任意に配置されたステーションの固定された載置台に対して、柔軟な搬送物であっても、搬送物の受取りまたは置渡しを行うことを可能とし、かつ、ステーション間で搬送を行うことを可能とする。
【解決手段】本装置1は、搬送物Mが載置される上下動可能な、櫛歯状部材21を有した移載部2と、移載部2を上下動させる駆動部3とを備える。移載部2は、ステーションSTにおける櫛歯状部材51を有した載置台5に対して両者の櫛歯状部材21,51が互いに噛み合わせ可能なように構成されている。制御部10は、両櫛歯状部材21,51が前後方向において互いに噛み合わせ可能な位置に装置1を移動させ、さらにステーションSTに接近させて移載部2を載置台5に噛み合わせた状態とし、移載部2の上動または下動によって搬送物Mの受渡しを行う。
【選択図】図2

Description

本発明は、搬送物を搬送し受渡しを行う移動型の搬送物受渡し装置に関する。
従来から、部品や製品などの搬送物をステーションから他のステーションに移動させる工場や作業場などの物流の現場において、種々の自動化や無人化が行われている。ところで、傾けたり、片持ち支持したり、吸着したりできない柔軟な搬送物などの場合に、搬送物は、通常、パレットに載せられてパレットと一緒に搬送される。パレットは、搬送物を収納する容器でもなく、単に、搬送物を受取ったり置渡したりする受渡しのための補助部材であって、回収や管理などに関する不便さやコストアップなどの問題がある。そこで、パレットを用いない方法として、前後および上下に移動可能な櫛歯状の水平なフォークと、このフォークが進入可能な多数の溝を併設した載置台とを用いる移載装置が知られている。このような装置は、フォークを、前方に移動させ、載置台における溝に挿入し、その後、上方に移動させることにより、載置台を残したまま搬送物のみを持ち上げたり、また、逆の動作により、搬送物を載置台まで下げ降ろしたりすることができ、このような載置台の間で受渡しや搬送を行うことができる(例えば、特許文献1参照)。
特開平7−187331号公報
しかしながら、上述した特許文献1に示されるような移載装置は、自動倉庫内で用いられるものであって、移載用のフォークがガイドレールに沿って移動する自走車や昇降台に搭載されて既定の移動だけしかできない装置である。また、フォークを前後移動させるための前後駆動機構が必要である。ところで、電気製品などの生産工場などにおける自動化においては、所定の領域内で自ら移動し、細かい組立部品などが納められたトレイなどを下から支えて、自律的に受渡したり搬送したりする装置が望まれている。
本発明は、上記課題を解消するものであって、任意に配置されたステーションにおける固定された載置台に対して、柔軟な搬送物であっても、搬送物の受取りまたは置渡しを行うことができ、また、ステーション間で搬送を行うことができる簡単な構成の移動型の搬送物受渡し装置を提供することを目的とする。
上記課題を達成するために、請求項1の発明は、移動手段と、前記移動手段を制御して自己を移動させる制御手段と、を備えて、目的地として指示された搬送物受渡し用のステーションまで移動して搬送物の受取りまたは置渡しを行う移動型の搬送物受渡し装置において、搬送物が載置される上下動可能な、水平方向に延びる櫛歯状部材を有した移載部と、前記移載部を上下動させる駆動部と、を備え、前記移載部は、前記ステーションにおける水平方向に延びる櫛歯状部材を有した載置台に対して両者の櫛歯状部材が互いに噛み合わせ状態とすることができるように構成されており、前記制御手段は、搬送物の受渡しのとき、前記両櫛歯状部材が互いに噛み合わせることができる位置に本受渡し装置を移動させた後、さらに前記ステーションに接近させることにより前記移載部を前記載置台に噛み合わせた状態とし、前記駆動部は、前記載置台上の搬送物を受取るとき、前記移載部を前記載置台の下方から上方に移動させ、前記載置台上に搬送物を置渡すとき、前記移載部を上方から下方に移動させるものである。
請求項2の発明は、請求項1に記載の移動型の搬送物受渡し装置において、前記移載部は、前記載置台への噛み合わせに際して前記載置台に当接して生じる外力に倣って回転および、または前後左右へ移動可能に構成されているものである。
請求項3の発明は、請求項1に記載の移動型の搬送物受渡し装置において、前記移載部が前記載置台に噛み合わされる際に前記載置台に当接して前記移載部に生じる外力を検出する応力センサと、前記応力センサによって検出された応力値を小さくするように前記移載部を回転および、または前後左右へ移動させる位置補正部と、を備えるものである。
請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の移動型の搬送物受渡し装置において、前記移載部に載置された搬送物を左右両側から保持する左右保持機構を備えるものである。
請求項5の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の移動型の搬送物受渡し装置において、前記移載部に載置された搬送物を上方から押さえる上部保持機構を備えるものである。
請求項6の発明は、請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の移動型の搬送物受渡し装置において、前記移載部に載置された搬送物の前後方向の位置決めをする前後位置決機構を備えるものである。
請求項7の発明は、請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の移動型の搬送物受渡し装置において、前記移載部における左右外縁の前記櫛歯状部材が、搬送物を置く面より高いものである。
請求項8の発明は、請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の移動型の搬送物受渡し装置において、前記移載部の櫛歯状部材は前方先端部が細くなっているものである。
請求項9の発明は、請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の移動型の搬送物受渡し装置において、前記移載部の櫛歯状部材の前方先端に左右に回転可能なローラを備えているものである。
請求項10の発明は、請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載の移動型の搬送物受渡し装置において、搬送物受渡装置の移動中に前記移載部を装置本体に固定するための移載部固定機構を備えているものである。
請求項1の発明によれば、搬送物受渡し装置が移動して、移載部を載置台に噛み合わせるので、移動可能な位置に任意に配置されたステーションにおける載置台に対して、搬送物を受渡しすることができる。また、搬送物受渡し装置がその移動手段によって自ら前後移動するので、移載部を噛み合わせるために前後動させるための別途の前後駆動機構は不要であり、簡単な構成とすることができる。また、移載部は、ステーションの櫛歯状部材を有した載置台に対して櫛歯状部材を噛み合わせることができる構成によって下方から搬送物を保持するので、傾けたり、片持ち支持したり、吸着したりできないような柔軟な搬送物であっても、パレットなどを用いることなく、容易かつ確実に保持して受渡しをすることができる。また、搬送物受渡し装置は移動することができるので、搬送物を移載部に載せた状態でステーション間を移動して搬送を行うことができる。
請求項2の発明によれば、移載部が、載置台に噛み合わされるときに回転および、または前後左右へ移動されて受動的に位置補正されるので、別途の駆動機構や制御機構を設ける必要がなく、簡単な構成とすることができる。
請求項3の発明によれば、ステーションの載置台に対する搬送物受渡し装置の接近位置精度を緩和することができる。
請求項4の発明によれば、搬送物を搬送する際に、搬送物が左右に荷崩れしたり荷こぼれしたりするのを防止できる。
請求項5の発明によれば、搬送物を搬送する際の荷崩れや荷こぼれを防止できる。
請求項6の発明によれば、搬送物の搬送中や、搬送物を載せた装置の移動停止や移動開始の際の、前後方向における荷崩れや荷こぼれを防止できる。
請求項7の発明によれば、搬送物の左右の位置決めをすることができると共に、荷崩れを防止することができる。
請求項8および請求項9の発明によれば、載置台に対する移載部の噛み合わせ動作を円滑に行うことができる。
請求項10の発明によれば、移載部の振動などを防止できるので、移載部の故障防止や機械精度維持などが可能であり、また、搬送物の搬送中にあっては、搬送物に対する振動や衝撃を緩和でき、荷崩れなどを防止できる。
本発明の第1の実施形態に係る搬送物受渡し装置のブロック構成図。 同装置の稼働状態を示す斜視図。 (a)〜(d)は同装置が搬送物をステーションに置渡す動作を順番に示す斜視図。 (a)〜(c)は同装置が搬送物をステーションに置渡す動作を順番に示す側面図。 (a)〜(c)は同装置が搬送物をステーションから受取る動作を順番に示す側面図。 (a)は第1の変形例に係る搬送物受渡し装置の斜視図、(b)は同装置の移載部が回転した状態の平面図。 (a)は同装置がステーションに接近するときの様子を示す平面図、(b)は同装置の移載部がステーションの載置台に櫛歯状部材を噛み合わせ始めた様子を示す平面図、(c)は同装置の移載部が載置台に噛み合わされた状態の平面図。 (a)は第2の変形例に係る搬送物受渡し装置の斜視図、(b)は同装置の移載部の断面図。 (a)は同装置の部分破断平面図、(b)は同装置の移載部の動作後の部分破断平面図。 (a)は同装置がステーションに接近する様子を示す平面図、(b)は同装置の移載部が載置台に噛み合わされた状態の平面図。 (a)(b)は第2の実施形態に係る搬送物受渡し装置が搬送物をステーションに置渡す動作を順番に示す側面図。 (a)(b)は同装置が搬送物をステーションに置渡す動作を順番に示す一部破断斜視図。 (a)(b)は同装置がステーションから搬送物を受取る動作を順番に示す側面図、(c)は(c)の状態の一部破断斜視図。 第3の実施形態に係る搬送物受渡し装置のブロック構成図。 第4の実施形態に係る搬送物受渡し装置の斜視図。 (a)は同装置における変形例を示す移載部の正面図、(b)は同移載部の他の変形例を示す正面図。 変形例に係る搬送物受渡し装置における移載部の正面図。 (a)は第5の実施形態に係る搬送物受渡し装置における移載部の正面図、(b)は同移載部の動作後の状態を示す正面図。 (a)は同移載部の他の例を示す正面図、(b)は移載部の動作後の状態を示す正面図。 (a)は第6の実施形態に係る搬送物受渡し装置における前後位置決機構を有する移載部の正面図、(b)は同位置決機構の他の例を示す移載部の正面図。 同前後位置決機構のさらに他の例を示す移載部の側面透視図。 (a)は第7の実施形態に係る搬送物受渡し装置の櫛歯状部材の部分平面図、(b)は同先端部斜視図。 (a)は他の例の櫛歯状部材を有する移載部が載置台に噛み合わせ始めた様子を示す平面図、(b)は同移載部が回転した様子を示す平面図、(c)は同移載部が載置台に噛み合わされて載置台に進入した状態の平面図。 (a)はさらに他の例の櫛歯状部材を有する移載部が載置台に噛み合わせ始めたときの様子を示す平面図、(b)は同移載部が回転した様子を示す平面図、(c)は同移載部が載置台に噛み合わされて載置台に進入した状態の平面図。 第8の実施形態に係る搬送物受渡し装置における移載部の正面図。 同移載部の他の例を示す正面図。 第9の実施形態に係る搬送物受渡し装置が搬送物をステーションに置渡す動作を示す一部破断斜視図。 (a)は同装置の移載部が搬送物を載せた状態で載置台に噛み合わせ状態にあるときの一部破断斜視図、(b)は同装置の移載部が搬送物を載せた載置台と噛み合わせ状態にあるときの一部破断斜視図。 (a)は同装置がステーションに接近する様子を示す平面図、(b)は同装置の移載部が載置台と噛み合わせ状態にあるときの平面図、(c)は(a)に対応する側面図、(d)は(b)に対応する側面図。 (a)は同装置がステーションに接近する様子を示す側面図、(b)は同装置の移載部が載置台と噛み合わせ状態にあるときの側面図。 (a)は同装置がステーションに接近する様子を示す平面図、(b)は同装置の移載部が載置台に噛み合わされた状態の平面図。 同装置の他の例を示す斜視図。 (a)は搬送物受渡し装置における搬送物受取り処理のフローチャート、(b)は同装置による搬送物置渡し処理のフローチャート。 (a)は搬送物受取り処理の他の例を示すフローチャート、(b)は搬送物置渡し処理の他の例を示すフローチャート。
(第1の実施形態)
以下、発明の実施形態に係る移動型の搬送物受渡し装置について、図面を参照して説明する。図1乃至図5は第1の実施形態に係る搬送物受渡し装置について示す。搬送物受渡し装置1(以下、本装置1と記す)は、図1、図2に示すように、制御部10と、環境情報取得センサ11と、自己位置認識部12と、目的地までの移動経路を生成する経路生成部13と、自己の位置を移動させる移動装置14とを備える。経路生成部13は、環境情報取得センサ11と自己位置認識部12とにより周囲に存在する環境物の位置と自己の位置の情報を取得しつつ環境物との衝突を回避するように移動経路を生成する。制御部10は、その移動経路に沿って移動装置14を制御して、目的地として指示された搬送物受渡し用のステーションSTまで自律的に移動させ、搬送物Mの受取りまたは置渡しを制御する。
また、本装置1は、搬送物Mが載置される上下動可能な、水平面上にあって前後方向に延びる櫛歯状部材21を有した移載部2と、移載部2を上下動させる駆動部3と、を備える。移載部2は、ステーションSTにおける水平面上にあって前後方向に延びる櫛歯状部材51を有した載置台5に対して両者の櫛歯状部材21,51が互いに噛み合わせ状態とすることができるように構成されている。制御部10は、搬送物Mの受渡しのとき、両櫛歯状部材21,51が前後方向において互いに噛み合わせることができる位置に本装置1を自律的に移動させ、その後、さらにステーションSTに接近させることにより移載部2を載置台5に噛み合わせた状態とする。駆動部3は、載置台5上の搬送物Mを受取るとき、移載部2を載置台5の下方から上方に移動させ、載置台5上に搬送物Mを置渡すとき、移載部2を上方から下方に移動させる。
制御部10は、コンピュータにより構成することができる。制御部10は、記憶部15を備え、この記憶部15には、環境情報取得センサ11によって取得された環境物位置情報や、自己位置認識部12によって取得される自己位置情報、本装置1の移動領域に関する地図情報、および本装置1の稼動に必要な各種の制御パラメータが記憶されている。地図情報には、搬送物受渡し用のステーションSTの位置情報や、経路生成部13が移動経路を生成する際に用いるノード(経路構成点)情報などが含まれている。
環境情報取得センサ11は、障害物の存在の情報や環境物の位置の情報を取得するセンサであり、超音波センサやレーザレーダなどを複数備える。自己位置認識部12は、制御部10におけるプログラムによって構成され、移動装置14からの情報に基づいて本装置1の地図上の位置(自己位置)を取得する。移動装置14は、例えば電池BTで駆動されるモータと駆動輪14aなどにより構成される。このモータには、その回転数や回転速度を計測するエンコーダが設けられている。自己位置認識部12は、このエンコーダの出力によって移動距離や移動方向の情報を取得して上記の自己位置を認識し、また、環境物位置情報のデータを処理して、移動領域の地図情報に含まれている特徴的な壁情報などの環境構成物情報や専用に設けられたランドマークなどを抽出し、その位置を地図情報と比較することにより装置の自己位置を補正する。これらの取得された情報や処理された情報は自己位置情報として記憶部15に記憶され、経路生成部13や制御部10によって参照される。本装置1は、自己位置情報をもとにデッドレコニング(推定航法)を行って自律的に移動する。
移載部2は、例えば、長方形の長尺板状の櫛歯状部材21を、その板面(主面)を横にして簀の子状に等間隔に配列固定して構成されている。複数の櫛歯状部材21の端面が揃って水平面を形成し、その水平面が搬送物Mを載せる移載面となる。このような複数の櫛歯状部材21は、図2に示すように下側の端面を平板で支持して固定する他、後方側で片持ち梁のように支持して固定することができる。いずれにしろ、複数の櫛歯状部材21のなす各隙間は、載置台5の各櫛歯状部材51が進入して噛み合った状態で上下に出没可能なように、少なくとも前方および上方に開口を有している。ステーションSTにおける載置台5は、移載部2の櫛歯状部材21と同様の形状の櫛歯状部材51によって構成されている。また、複数の櫛歯状部材51の側端面が揃って水平面を形成し、その水平面が搬送物Mを載せる載置台5の載置面となる。
複数の櫛歯状部材51の互いの間隔は、通常、櫛歯状部材21のなす間隔と同じであり、両方の櫛歯状部材21,51が互いに噛み合わせ状態とすることができるように構成されている。また、複数の櫛歯状部材51のなす各隙間は、移載部2の各櫛歯状部材21が進入して上下動することが可能なように、前方、上方、および下方に開口を有している。なお、複数の櫛歯状部材21が、後方側でのみ片持ち梁のように支持して固定されている場合には、櫛歯状部材51における隙間は、前方および上方のみの開口とすることもできる。いずれにしろ、移載部2と載置台5とは、互いに噛み合うことができ、その噛み合った状態で、搬送物Mの受渡し(受取りと置渡し)ができるように、互いに相対的に上下動をすることができる構造であればよい。
駆動部3は、複数の櫛歯状部材21の上面によって構成された移載面を、複数の櫛歯状部材51の上面によって構成された載置面よりも上にしたり、下にしたりできるように、移載部2の全体を上下動させる。駆動部3の構成は、このような上下動を実現できる任意の構成、例えば、油圧、モータ、ボールねじ、カム、パンタグラフ、空気袋の膨張収縮などを用いる構成とすることができる。
次に、本装置1による受渡し動作を説明する。搬送物MをステーションSTに置渡す場合、図3(a)に示すように、搬送物Mを移載部2に載せた本装置1は、駆動部3によって移載部2を上側に持ち上げた状態で、ステーションSTに接近して、移載部2を載置台5に噛み合わせる状態とする。この場合、本装置1は、ステーションSTの位置、その載置台5の方向、すなわち、本装置1が前進して移載部2を載置台5に噛み合わせる方向などを認識して自律的に移動する。その認識は、記憶部15に記憶された地図情報や逐次更新される自己位置情報に基づいている。従って、ステーションSTに接近する際に、通常はステーションST側と位置の確認のための交信をしたり、本装置1を案内するためのガイドラインなどを設けたりする必要はない。
本装置1は、その後、図3(b)に示すように、さらに前進して、移載部2と載置台5とを、所定の受渡し位置において完全に噛み合わせる。その後、図3(c)に示すように、駆動部3が、矢印y1で示すように移載部2を下方に移動させる。この移載部2の下方移動により、移載部2の移載面が載置台5の載置面よりも下側になり、搬送物Mは、載置面に取り残されて、移載部2から載置台5に置渡しされる。本装置1は、図3(d)に示すように、移載部2を下方に下げた状態で後退することによりステーションSTから離脱し、搬送物MをステーションSTに置渡す場合の受渡し動作が終了する。
上述の動作を、本装置1とステーションSTの側面側から見た図で説明する。図4(a)に示すように、本装置1は、矢印xで示す方向にステーションSTに向けて前進する。このとき、搬送物Mを載せた移載部2の上面(移載面)は、載置台の上面(載置面)よりも上側とされている。その様子は、図4(b)における噛み合った状態において、より明確に示されている。その後、図4(c)に示すように、駆動部3が動作して高さが縮むことにより、移載部2が高さΔy1だけ下がり、搬送物Mが高さΔy2だけ下がる。搬送物Mは、載置台5が下方にあることにより、高さΔy2以上は下がることができず、載置台5に取り残されて置渡しされる。その後本装置1は、矢印x1で示すように後退して、置渡し動作が終了する。
搬送物MをステーションSTの載置台5から本装置1の移載部2に受取る場合には、図5(a)(b)(c)に示すように、上述の図3、図4に示した動作を時間を逆にして動作させればよい。すなわち、図5(a)に示すように、移載部2を下げた状態でステーションSTに接近し、図5(b)に示すように、載置台5よりも下側において、移載部2と載置台5とを噛み合わせる。その後、図5(c)に示すように、移載部2を上昇させることにより、搬送物Mを下方からすくい取り、移載部2を上昇させた状態で、矢印x1方向に後退することにより、搬送物Mの受取り動作が終了する。
本実施形態によれば、本装置1が自律的に移動して、移載部2を載置台5に噛み合わせるので、移動可能な位置に任意に配置されたステーションSTの載置台5に対して、搬送物Mを受渡しすることができる。また、本装置1がその移動装置14によって自ら前後移動するので、移載部2を噛み合わせるため、または噛み合わせ状態から離脱させるため移載部2を前後動させる別途の前後駆動機構は不要であり、簡単な構成とすることができる(同様に、ステーションST側においても一切の駆動機構が不要)。また、移載部2は、ステーションSTの櫛歯状部材51を有した載置台5に対して自己の櫛歯状部材21を噛み合わせることができる構成によって、下方から搬送物を保持するので、傾けたり、片持ち支持したり、吸着したりできないような平面状の(または平面状のものを積み重ねた状態の)柔軟な搬送物を、パレットなどを用いることなく、容易かつ確実に保持して受渡しをすることができる。また、本装置1は自律移動することができるので、搬送物Mを移載部2に載せた状態でステーションST間を自律的に移動して搬送を行うことができる。
(第1の実施形態の第1の変形例)
図6、図7は第1の変形例に係る本装置1を示す。本変形例は、移載部2が水平面内において回転自在に設けられ、これにより位置補正機能を有するものとされている。移載部2は、図6(a)(b)に示すように、駆動部3の上部に水平面内で回転自在に設けられた回転台30に支持されている。移載部2は、通常、正面方向を向いているが、載置台5への噛み合わせに際して載置台5に当接して生じる外力に倣って矢印Rで示すように受動的に左または右に回転する。回転台30は、装置本体4と駆動部3の間に設けて駆動部3と移載部2の両方を一体に回転自在としてもよい。なお、本装置1の装置本体4の前面は、左右の角部が面取りされて斜面4aとされている。これは、移載部2が回転した状態であっても載置台5に接近できるようにするものであり、面取りに限らず、平面視で円弧状の外形としてもよい。
本装置1が、図7(a)に示すように、ステーションSTの載置台5に対して矢印xで示す斜め方向から接近し、図7(b)に示すように、移載部2が載置台5に接触すると移載部2が載置台5の正面方向を向くように回転して位置補正される。より詳細には、移載部2の櫛歯状部材21が、載置台5の櫛歯状部材51に接触した状態で、本装置1がなおも矢印x方向に直進すると、移載部2の櫛歯状部材21が、ステーションSTに固定されている櫛歯状部材51からの力を受ける。すると、櫛歯状部材21を介して力を受けて移載部2の全体が受動的に回転する。その結果、図7(c)に示すように、本装置1がステーションSTに対して斜めに接近して停止した状態であっても、移載部2は載置台5の方向に倣って互いに平行に噛み合った状態とされる。そこで、移載部2は、載置台5に対して、円滑に上下動作をすることができ、従って、搬送物Mの受渡しを円滑に行うことができる。もしも、移載部2が回転自在でなければ、本装置1が斜め方向からステーションSTに接近して移載部2と載置台5が強引に噛み合った場合、移載部2は載置台5との摩擦力によって上下動することができなくなることが考えられる。それに対し、本変形例における移載部2の自在回転機能は、本装置1の自律移動の位置精度を緩和する作用をする。また、移載部2が、載置台5に噛み合わされるときに受動的に位置補正されるので、別途の駆動機構や制御機構を設ける必要がなく、移載部2を簡単な構成とすることができる。
(第1の実施形態の第2の変形例)
図8、図9、図10は第2の変形例に係る本装置1を示す。本装置1の移載部2は、上述の構成回転自在の構成に加え水平面内に平行移動自在とされている。移載部2は、図8(a)(b)、図9(a)(b)に示すように、駆動部3の上部に位置補正機構20を備えている。位置補正機構20は、駆動部3に固定された基台24と、基台24の上面凹部に収納された可動基台25と、可動基台25の中心に設けられた回転軸26と、可動基台25を前後左右から支持する4本のバネ27と、を備えている。移載部2は、複数本の櫛歯状部材21を支持する平板23を有し、平板23が回転軸26に回転自在に固定されている。バネ27は、可動基台25を基台24の中心に位置させるように作用する。回転軸26には、平板23に回転位置復元力を作用する不図示のバネ等による復元機構が設けられている。
このような構成において、移載部2は、外力を受けない状態では、装置本体4に対して正面方向を向いた状態となっている。移載部2は、載置台5への噛み合わせに際して載置台5に当接して生じる外力に倣って回転および、または前後左右へ移動する。図9(b)は、移載部2に平行移動させる外力および回転移動させる外力が作用して、平行移動に加えて回転移動した状態を示す。
本装置1は、回転自在の機能に加えて平行移動自在な機能を備えていることにより、図10(a)(b)に示すように、移載部2が装置本体4の中心位置や姿勢(前後方向)に対して、より任意の位置や姿勢(前後方向に対する角度)の状態となることができる。図10(a)は、本装置1が、第1の変形例における図7(a)に示した状態よりも、より斜め方向からステーションSTに接近して、直進している様子を示す。このような場合であっても、図10(b)に示すように、移載部2が載置台5の方向に倣って互いに平行に噛み合った状態とされる。そこで、移載部2は、載置台5に対して、円滑に上下動作をすることができ、従って、搬送物Mの受渡しを円滑に行うことができる。つまり、移載部2の自在回転機能に自在平行移動機能を加えたことにより、本装置1の自律移動の位置精度を、より大きく緩和することができる。なお、移載部2が、載置台5からの外力を櫛歯状部材21を介しては受けるには、受渡し時における櫛歯状部材21と櫛歯状部材51の相互の上下方向の相対位置に関わらず、各上下方向の櫛歯の幅が互いに重なりを有することが望ましい。
このように、移載部2は、自在回転機能や自在平行移動機能を有し、本装置1が斜めに停止した状態でステーションSTから離脱するとき、載置台5から受ける力から解放されて急激に位置変化する可能性がある。そのような急激な位置変化を抑制するには、自在回転機構や自在平行移動機構にダンパを備えることが望ましい。ダンパは、油や空気などの流体式のダンパの他、任意のものを用いることができる。このダンパは、移載部2が外力を受けない状態では装置本体4の正面方向を向くように付勢力を与えるのが望ましい。これにより、本装置1がステーションSTから離脱するときに、荷崩れや荷こぼれなどを回避でき、多段に重ねた搬送物や不安定な状態の搬送物であっても、より確実に搬送物を受取ることができる。
(第2の実施形態)
図11乃至図13は第2の実施形態に係る本装置1を示す。本装置1は、上述した第2の変形例と同様に受動的に位置補正される移載部2を備えているが、載置台5からの外力を櫛歯状部材21を介しては受けない点が異なる。すなわち、図11(a)(b)、図12(a)(b)に示すように、移載部2は、載置台5からの外力を受けるための連結部材22を別途備えている。連結部材22は、櫛歯状部材21の下方に配置された平板であり、櫛歯状部材21を片持ち支持する壁板22bを有する。連結部材22は、位置補正機構20を介して駆動部3上に設けられている。ステーションSTの載置台5には、受渡し時において連結部材22に正対する連結部材52が設けられている。連結部材22と連結部材52とは連結可能な高さ位置とされている。連結部材22の先端部にはV字状の2つの凸部22aが形成されており、連結部材52にもV字状の凹部52aが形成されている。V字状の凸部22aと凹部52aとを互いに向かい合わせて、互いに接近させる力を加えると、連結部材22が連結部材52に対して水平位置を補正した位置に位置補正されて連結される。このとき、連結部材22の回転角度の補正が成される。なお、凸部22aと凹部52aの対を1対として、連結部材22,52の互いに対向面によって連結部材22の回転角度を補正するようにしてもよい。
本実施形態においては、本装置1がステーションSTに接近するとき、櫛歯状部材21,51同士が互いに接触しないようにされている。つまり、移載部2上に搬送物Mがあるときは、櫛歯状部材21の全体が櫛歯状部材51の上面よりも上に上げられている。また、載置台5上に搬送物Mがあるときは、櫛歯状部材21の全体が櫛歯状部材51の下面よりも下に下げられる。本装置1が搬送物Mを置渡すときには、図11(a)、図12(a)に示すように、両櫛歯状部材21,51が互いに噛み合せることができる位置まで本装置1が直進してステーションSTに近接し、図11(b)、図12(b)に示すように、さらに直進して停止すると、その直進の間に、連結部材22,52が互いに接触し、移載部2が、載置台5に正対するように、本装置1の姿勢に関わりなく受動的に位置補正される。すると、櫛歯状部材21と櫛歯状部材51とは、平面視で互いの部材が重なることなく平行になって、互い違いに噛み合った状態となる。この状態において、駆動部3によって、櫛歯状部材21の全体を櫛歯状部材51の上面側から下面側に下方移動させることにより、搬送物Mの置渡しをすることができる。本実施形態の場合、両櫛歯状部材21,51が互いに噛み合せることができる位置とは、連結部材22,52が互いに連結することができる位置と同義である。
また、本装置1が搬送物Mを受取るときには、図13(a)〜(c)に示すように、駆動部3によって、櫛歯状部材21の全体を櫛歯状部材51の下面よりも下に下げた状態でステーションSTに接近し、連結部材22,52の連結によって移載部2の位置補正を行う。その後、駆動部3によって、櫛歯状部材21の全体を、櫛歯状部材51の下面側から上面側に上方移動させることにより、搬送物Mの受取りを実行することができる。このような本装置1においては、連結部材22が連結部材52に倣うことにより移載部2が回転するので、櫛歯状部材21,51同士を接触させて倣うようにする必要がないので(することができない)、櫛歯状部材21は板状のものではなく棒形状のものでもよい。なお、櫛歯状部材21の全体が、櫛歯状部材51よりも上側にまで上昇した状態、また、櫛歯状部材51よりも下側にまで下降した状態となる必要があり、これらの状態のいずれの場合においても、連結部材22が櫛歯状部材51よりも下にあって、連結部材52に対面する必要がある。そこで、連結部材52の上下厚みは、移載部2(櫛歯状部材21と連結部材22)の上下動の移動幅より大きい必要がある。
(第3の実施形態)
図14は第3の実施形態に係る本装置1を示す。本装置1は、上述の第1の実施形態における本装置1に、移載部2が載置台5に噛み合わされる際に載置台5に当接して移載部2に生じる外力を検出するための応力センサ28と、応力センサ28によって検出された応力値を小さくするように移載部2の位置補正を行うための位置補正部16と、をさらに備えたものである。応力センサ28は、例えば歪みゲージなどで構成され、外力の作用方向を検出するために、通常、複数備える。位置補正部16は、移載部2を水平面内において回転および、または前後左右へ移動させる駆動装置としてのバネやダンパなどの機械要素と、その機械要素の動作特性を変化させるアクチュエータと、応力センサ28によって検出された応力値に基づいてアクチュエータを制御する制御ユニットとを備える。機械要素やアクチュエータは、外力の方向に応じるためや、互いに拮抗するように用いるために、通常、複数備える。
制御ユニットは、移載部2の位置補正のために、能動インピーダンス制御、または受動インピーダンス制御を行う。インピーダンス制御は、制御によってコンプライアンス(柔らかさ、動特性)を模擬する制御手法であり、外から加えられた力に対して自己の機械的なインピーダンス(物体の力学特性、剛性、慣性など)を、当面の作業に都合の良い値に設定する。このような制御によって、移載部2に作用する応力をより小さくできる。位置補正部16は、より小さい応力値とすることを目標として、応力を小さくするために移載部2を回転させたり、平行移動させたりして、移載部2の位置補正を行う。
本装置1によれば、ステーションSTの載置台5に対する本装置1の接近位置精度をより緩和することができる。位置補正部16による移載部2の位置補正制御は、位置補正部16が単独で行うようにしてもよく、制御部10に上記制御ユニットを代替させてもよい。すなわち、図中で破線で示すように、応力センサ28からの情報を制御部10によって処理し、制御部10からの制御情報に基づいて位置補正部16が移載部2の位置補正制御を行うようにしてもよい。また、本装置1の移動装置14における駆動輪14aを全方位移動型の駆動輪で構成し、制御部10が、応力センサ28によって検出された応力値を小さくするように移動装置14を制御して、装置本体4を回転や平行移動をさせるようにしてもよい。この場合、制御部10と移動装置14が位置補正部16を構成する。
(第4の実施形態)
図15、図16は第4の実施形態に係る本装置1を示す。本実施形態においては、本装置1が、搬送物Mを搬送する際に、搬送物Mを保護すると共に、荷崩れなどすることないようにする構成を有する。本装置1は、図15に示すように、装置本体4の上部に、移載部2とその上に移載されている搬送物Mとを覆って保護するカバー体41を備えている。このカバー体41は、装置本体4に固定されており、搬送物Mを受渡すときに搬送物Mおよび載置台5が通過するために、前方のみに開口を有する。この前方開口には、搬送物Mの保護のために、自動開閉扉やシャッターを設けるようにしてもよい。
また、図16(a)に示すように、カバー体41の左右内側には、移載部2に載置された搬送物Mを左右両側から保持する左右保持機構6を備えている。左右保持機構6は、搬送物Mの側面に接し、または近接する位置に移動されて固定される側板61と、カバー体41の内側側面から側板61を支持すると共に側板61を左右動させて所定位置に固定するアクチュエータ62と、を左右に備えている。本例のアクチュエータ62は、不図示のモータ等の駆動部によって水平方向に伸び縮みするパンタグラフ式のものである。このような左右保持機構6は、搬送物Mが移載部2にあるときは、制御部10によって操作され、左右の側板61を中央側に移動させて、左右の側板61によって、搬送物Mを狭持するか、または、横揺れを防止するように搬送物Mの移動空間を制限する。また、搬送物Mの受渡しの際には、左右の側板61は、左右側方に後退移動される。
側板61を左右動させるアクチュエータは、図16(b)に示すように、カバー体41の上部側に設けるようにしてもよい。本例では、左右保持機構6は、左右方向に水平に設けられた回転ネジ棒63と、回転ネジ棒63に螺合されたナット体64と、を左右に備えており、各側板61は各ナット体64に固定されている。なお、左右の回転ネジ棒63は、一方は右ネジであり、他方は左ネジである(互いに逆ネジとされている)。このような左右の回転ネジ棒63を一体で、不図示のモータなどによって回転することにより、側板61を中央部に移動させたり、側方に退避させたりすることができる。本装置1によれば、搬送物Mを搬送する際に、搬送物Mが左右に荷崩れしたり荷こぼれしたりするのを防止できる。
(第4の実施形態の変形例)
図17は変形例に係る本装置1の移載部2を示す。移載部2は、その櫛歯状部材21のうち、左右外縁の櫛歯状部材2aが、搬送物Mを置く面より高くなっているものである。このような移載部2を備えていることにより、搬送物Mの左右の位置決めをすることができると共に、荷崩れを防止することができる。また、作業者の手などを挟みこむなどということを防止することができる。
(第5の実施形態)
図18、図19は第5の実施形態に係る本装置1の移載部を示す。本装置1は、前述の実施形態と同様に搬送物Mが荷崩れしないようにする構成を有し、移載部2に載置された搬送物Mを上方から押さえる。すなわち、図18(a)に示すように、本装置1は、上部保持機構7をカバー体41の上部側に設けるものである。上部保持機構7は、搬送物Mを上から覆って被せたり固定したりするための布、ネット、ベルト、ひも等の押え部材71と、押え部材71を左右から保持すると共に上下動させる上下伸縮性または上下出没性の保持部72と、を備えている。搬送物Mを押え部材71で上方から抑えて保持する際に、図18(b)に示すように、保持部72は、不図示の駆動部によって下方に延伸され、押え部材71が、その左右端に下方向けの力を受けて搬送物Mを押えて保持する。
また、図19(a)(b)に示すように、押え部材71を保持する保持部72はカバー体41の上部側ではなく、側壁側に沿って上下するように、左右の側壁部に設けるようにしてもよい。保持部72は、押え部材71を上下動させて、搬送物Mを上方から抑えて保持し、または、不要の場合は上方側に退避できる構成であればよい。押え部材71が自重で下がるものであり、退避時に、保持部72が押え部材71を引き上げる構成でもよい。
(第6の実施形態)
図20、図21は第6の実施形態に係る本装置1の移載部2を示す。本装置1は、前述のと同様に搬送物Mが荷崩れしないようにする構成を有し、移載部2に載置された搬送物Mを前方から位置決めする。すなわち、本装置1は、図20(a)に示すように、カバー体41の左右内側に、移載部2に載置された搬送物Mの前方から位置決めする前後位置決機構8を備えている。前後位置決機構8は、搬送物Mの前面に近接する位置に移動されて固定される前板81と、カバー体41の内側側面から前板81を支持すると共に前板81を左右動させて所定位置に固定するアクチュエータ82とを左右に備えている。アクチュエータ82は、上述のアクチュエータ62(図16(a)参照)と同様の構成である。前後位置決機構8は、搬送物Mが移載部2にあるときは、左右の前板81を中央側に移動させて搬送物Mの前後移動の空間を制限する。また、搬送物Mの受渡しの際には、左右の前板81は、左右側方に後退移動される。
前板81を左右動させるアクチュエータは、図20(b)に示すように、カバー体41の上部側に設けるようにしてもよい。その構造は、上述のアクチュエータ(図16(b)参照)と同様の構成であり、回転ネジ棒83と、ナット体84とを左右に備え、各前板81は各ナット体84に固定されている。
また、図21に示すように、前板81を前後方向に移動させる移動機構をさらに備えるようにしてもよい。これにより、前板81を搬送物Mの前面に接触させることができ、搬送物Mの前方移動の空間を無くすことができる。本実施形態によれば、本装置1が搬送物Mを搬送中に急停車した場合に、慣性力によって搬送物Mが前方に移動して発生する荷崩れを防止することができる。なお、本装置1が急発進する場合には、搬送物Mが後方に取り残されて荷崩れする可能性があるが、これを防止するために、前板81と同様に搬送物Mの後方端部位置に固定式の後板を設けたり、さらに、アクチュエータを備えて可動式とした後板を設けるようにしてもよい。本装置1によれば、搬送物Mを載せた装置の移動停止や移動開始の際の、前後方向における荷崩れや荷こぼれを防止できる。
(第7の実施形態)
図22乃至図24は第7の実施形態に係る本装置1の移載部2、特に櫛歯状部材の先端部形状を示す。櫛歯状部材21は、図22(a)(b)に示すように、その前方先端部21aが細く、丸み(R、アール)が付いた構造とされている。この櫛歯状部材21は櫛歯状部材51の櫛歯と噛み合い易く、載置台5に対する移載部2の噛み合わせ動作を円滑に行うことができる。また、図23(a)に示す櫛歯状部材21は、その先端部に、先が細い表面が滑らかで柔軟な柔軟材21bであって、櫛歯の方向から少し斜めに設置された柔軟材21bを備えている。また、移載部2は、前述の位置補正機構20を備えているものとする。このような櫛歯状部材21の先端が載置台5の櫛歯状部材51の先端部に接触すると、図23(b)の状態を経て、図23(c)に示すように、櫛歯状部材21が櫛歯状部材51に倣って、互いに噛み合わせ状態となる。このとき、移載部2は、回転および平行移動による位置補正がなされており、櫛歯状部材21の先端構造が、位置補正を促進し、または、その先端構造が位置補正のきっかけを提供する。
また、図24(a)に示す櫛歯状部材21は、その前方先端部に左右に回転可能なローラ21cを備えている。このようなローラ21cは、載置台5の櫛歯状部材51の先端部に接触すると、図24(b)の状態を経て、図24(c)に示すように、櫛歯状部材51の間をローラ21cが転がりながら櫛歯状部材51に倣って、櫛歯状部材21と櫛歯状部材51とが互いに噛み合わせ状態となる。移載部2は、上述の位置補正機構20を備えているものとする。このとき、移載部2は、回転および平行移動による位置補正がなされている。このような櫛歯状部材21の構造により、載置台5に対する移載部2の噛み合わせ動作を円滑に行うことができる。なお、櫛歯状部材51の先端も細くしておくことが、載置台5に対する移載部2の噛み合わせ動作を円滑にするのに有効である。柔軟材21bやローラ21cは、内側の櫛歯状部材21には設けないで、左右周辺だけに設けるようにしてもよい。
(第8の実施形態)
図25、図26は第8の実施形態に係る本装置1の移載部2を示す。本装置1は、移載部2が、特に回転自在や平行移動自在の構成の場合や、櫛歯状部材21が前方に突き出た片持ち梁状の構成の場合に、移載部2そのものや櫛歯状部材21の集合体を保持する移載部固定機構を備える。図25に示すように、櫛歯状部材21が、その下部を平板23によって支持している構造の場合に、搬送物Mを搬送中に移載部2が動かないように、平板23を下方から押し上げて固定する移載部固定機構9を備える。平板23の上下位置は、駆動部3によって固定されるので、移載部固定機構9は平板23の水平面内の移動を静止させる。移載部固定機構9は、平板23に下方から接触する柔軟なゴム材などによる緩衝板91と、緩衝板91を下方から一体的に保持する押上板92と、押上板92を上下動させるパンタグラフ状のアクチュエータ93と、を備えている。アクチュエータ93は、搬送物Mの搬送時に、または単に走行時においても、移載部2が振動したり、移動したりしないように、不図示のモータなどの駆動部によって上昇され、押上板92が緩衝板91を介して平板23を押し上げて、平板23、移載部2を装置本体4に対して固定する。
また、移載部固定機構9は、図26に示すように、左右側方から移載部2を狭持して固定するようにしてもよい。この場合、左右の横押板94やアクチュエータ95は、上記の押上板92やアクチュエータ93と同様に構成できる。本実施形態によれば、移載部2の振動などを防止できるので、移載部2の故障防止や機械精度維持などが可能であり、また、搬送物Mの搬送中にあっては、搬送物Mに対する振動や衝撃を緩和できるので荷崩れなどを防止できる。また、これらの移載部固定機構9は、ダンパとして用いることができる。すなわち、移載部2が載置台5から離脱する際に、移載部固定機構9が徐々に移載部を2を固定するようにして、本装置1が斜めに停止した状態でステーションSTから離脱するときの移載部2の急激な位置変化を抑制することができる。
(第9の実施形態)
図27乃至図31は第9の実施形態に係る本装置1を示す。本装置1は、図27に示すように、移載部2の櫛歯状部材21が水平方向に延びているが、前後方向(矢印x方向)ではなく左右方向に延びている。本装置1は、この点において上述した何れの実施形態とも異なる。ステーションSTにおける載置台5の櫛歯状部材51も、移載部2の櫛歯状部材21に噛み合わせられるように左右方向に延びている。本装置1の移載部2を載置台5に噛み合わせるための構成は、上述した第2の実施形態と同様である。すなわち、本装置1は、上述した第2の変形例と同様に受動的に位置補正される移載部2と、載置台5からの外力を受けるための連結部材22を備えている。連結部材22は、櫛歯状部材21の下方に配置された平板であり、櫛歯状部材21を片持ち支持する壁板22bを有する。連結部材22は、位置補正機構20を介して駆動部3上に設けられている。ステーションSTの載置台5には、受渡し時において連結部材22に正対する連結部材54が設けられている。連結部材22と連結部材52とは連結可能な高さ位置とされている。連結部材22の先端面22cと連結部材54の先端面54aとを互いに向かい合わせて、互いに接近させる力を加えると、連結部材22が、連結部材54に対して水平位置と回転角度とを補正した位置に位置補正されて連結部材54に連結される。この連結状態では、櫛歯状部材21と櫛歯状部材51とが、平面視で互いの部材が重なることなく平行になって、互い違いに噛み合った状態となる。
図28(a)(b)に示すように、櫛歯状部材21,51同士が互いに接触しないようにされている状態で、本装置1がステーションSTに接近したり、ステーションSTから離脱したりする。この点は、上述の第2の実施形態と同様である。図29(a)(c)に示すように、本装置1が搬送物Mを載置台5に置渡す場合には、駆動部3によって載置台2を上昇させた状態でステーションSTに接近する。本装置1がステーションSTに正対して直進し、図29(b)(d)に示すように、先端面22c,54aが面接触した時点で停止すると、櫛歯状部材21,51が平面視で互い違いに噛み合った状態となる。また、図30(a)に示すように、本装置1が載置台5から搬送物Mを受取る場合には、駆動部3によって載置台2を下降させた状態でステーションSTに接近する。本装置1がステーションSTに正対して直進し、図30(b)に示すように、先端面22c,54aが面接触した時点で停止すると、櫛歯状部材21,51が平面視で互い違いに噛み合った状態となる。
また、図31(a)に示すように、本装置1がステーションSTに正対しないで、矢印xで示す斜め方向から接近すると、最初に、連結部材22の先端面22cの一部が連結部材54の先端面54aに接触する。この状態で本装置1が更に前進すると、連結部材22が連結部材54からの反力を受けることにより位置補正機構20が動作して、図31(b)に示すように、移載部2の位置補正が成される。位置補正が成されたとき、先端面22c,54aは互いに面接触した状態となっており、本装置1がこの時点で停止すると、櫛歯状部材21,51が平面視で互い違いに噛み合った状態となっている。
本装置1は、上述のように先端面22c,54aが互いに面接触した状態で櫛歯状部材21,51が平面視で互い違いに噛み合った状態となる。先端面22c,54aは、それぞれ単純な構成である垂直平面とすることができる。また、先端面54aを垂直平面として、先端面22cは水平方向に離間した2点としてもよい。この場合、は、面接触ではなく、先端面22c側の2点が先端面54a側の平面に接触した時点で、噛み合わせ状態となる。本装置1は、水平方向であって、左右方向に延びた櫛歯状部材21を櫛歯状部材51に噛み合わせるので、先端面がいずれの場合であっても、移載部2の載置台5に対する左右方向の位置精度は、他の実施形態と比べて緩和される。なお、移載部2を載置台5に対して噛み合わせ状態とする機構は、連結部材22,54の組合せに限らず、任意の組合せを用いることができる。例えば、連結部材22に替えて、先端の櫛歯状部材21を連結部材22として用いるようにしてもよい。また、本実施形態における連結部材54は、ステーションST側から前方に向けて突出した構成となっているが、突出しない構成でもよい。突出した連結部材54の場合には、連結部材54の下部に装置本体4を入り込ませることができるという利点がある。また、本装置1が移載部2と載置台5の噛み合わせ完了を適正に判断して前進を停止するように、周知の接触センサや応力センサなどを先端面22cなどに備えるのが望ましい。
図32は、本装置1の変形例を示す。本装置1は、連結部材22の先端面22cにおける水平方向左右に、自在に上下左右に回転する回転部材22dを備えている。回転部材22dが連結部材54の先端面54aに接触したときに、連結部材22の水平移動や水平面内での回転を容易にする。また、噛み合わせ状態において、連結部材22が回転部材22dを介して先端面54aに接触しているので、駆動部3によって円滑に移載部2を上下動させることができる。なお、回転部材22dに替えて、先端面22c,54aが互いに接触した状態で滑らかに相対移動できる摩擦の小さい部材の組合せとしてもよい。
(処理の流れ)
図33は本装置1における搬送物の受取り処理や置渡し処理の流れを示す。本処理は、移載部2の自在回転および自在平行移動の機能(例えば、第1の実施形態)、搬送物Mの左右および前後位置決め保持機能(例えば、第4,6の実施形態)、および移載部2(櫛歯状部材21)を固定する機能(例えば、第8の実施形態)を備えた装置に適用される。本装置1が、搬送物Mの受取り処理を行う場合、図33(a)に示すように、ステーションSTの近くに到達したときに、移載部固定機構9による櫛歯状部材21の固定を解除し(S1)、移載部2の上面(移載面)をステーションSTにおける載置台5の櫛歯状部材51の上面(載置面)よりも下にした状態で、ステーションSTに接近する(S2)。その後、本装置1は、さらに前進して移載部2の回転と平行移動により、櫛歯状部材21を櫛歯状部材51に倣わせて互いに噛み合わせ状態として停止する(S3)。
上記の停止状態は、移載部2が載置台5に対して搬送物Mを受取り可能な状態となっている。本装置1は、駆動部3によって移載部2を上昇させて、載置台5から搬送物Mを移載部2に載せ、搬送物Mを受取る(S4)。搬送物Mを受取った本装置1は、移載部2を上昇させた状態で、自機を後退させてステーションSTから離脱する(S5)。離脱によって移載部2が載置台5との干渉がなくなった所定位置で、移載部固定機構9によって移載部2を装置本体4に固定し(S6)、さらに左右保持機構6と前後位置決機構8とによって搬送物Mが荷崩れしないようにし(S7)、その後、搬送物Mを置渡すべき次のステーションSTに向けて、自律移動を開始する(S8)。本装置1は、搬送物Mをどこからどこに搬送して受渡しするのか、予めステーションST(目的地)の指示が与えられて記憶部15に記憶している。また、本装置1は、無線通信装置を備えて、随時、ステーションST(目的地)の指示を受取るようにすることもできる。なお、上記ステップ(S6)とステップ(S7)とは、処理の順番を入れ替えてもよい。また、ステップ(S7)の処理は、ステップ(S5)の前に行うようにしてもよい。
本装置1が、搬送物Mの置渡し処理を行う場合、図33(b)に示すように、受取り処理の場合の大略逆の手順となる。すなわち、本装置1は、ステーションSTの近くに到達したときに、移載部固定機構9による櫛歯状部材21の固定を解除し(#1)、移載部2の上面(移載面)をステーションSTにおける載置台5の櫛歯状部材51の上面(載置面)よりも上にした状態で、ステーションSTに接近する(#2)。その後、本装置1は、さらに前進して、移載部2の回転と平行移動により、櫛歯状部材21を櫛歯状部材51に倣わせて互いに噛み合わせ状態として停止する(#3)。
上記の停止状態は、移載部2が載置台5に対して搬送物Mを置渡し可能な状態となっている。そこで、本装置1は、搬送物Mが荷崩れしないように保持していた左右保持機構6と前後位置決機構8とによる搬送物Mの保持を解除し(#4)、駆動部3によって移載部2を下降させて、搬送物Mを移載部2から載置台5に載せ、搬送物Mを置渡す(#5)。搬送物Mを置渡した本装置1は、移載部2を下降させた状態で自機を後退させてステーションSTから離脱する(#6)。離脱によって移載部2が載置台5との干渉がなくなった所定位置で移載部固定機構9によって移載部2を装置本体4に固定し(#7)、その後、搬送物Mを受取るべき次のステーションSTに向けて自律移動を開始する(#8)。なお、ステップ(#4)の処理は、ステップ(#3)の前に行うようにしてもよい。
図34は本装置1における搬送物の受取り処理や置渡し処理の流れの他の例を示す。本処理は、第2の実施形態に示したように、連結部材22,52によって移載部2の位置補正を行う装置や、搬送物Mの左右および前後位置決め保持機能(例えば、第4,6の実施形態)、および移載部2(櫛歯状部材21)を固定する機能(例えば、第8の実施形態)を備えた装置に適用される。本装置1が、搬送物Mの受取り処理を行う場合、図34(a)に示すように、ステーションSTの近くに到達したときに、移載部固定機構9による櫛歯状部材21の固定を解除し(S11)、移載部2の櫛歯状部材21をステーションSTにおける載置台5の櫛歯状部材51よりも下にした状態で、ステーションSTに接近する(S12)。このとき、連結部材22は、櫛歯状部材51よりも下の位置で載置台5側の連結部材52に対面している。その後、本装置1は、さらに前進し、移載部2の連結部材22が載置台5側の連結部材52に倣って連結された後に、停止する(S13)。
上記の停止状態は、櫛歯状部材21と櫛歯状部材51とが、平面視で互いに重なることなく平行になって、互い違いに噛み合った状態、すなわち、移載部2が載置台5に対して搬送物Mを受取り可能な状態となっている。本装置1は、駆動部3によって移載部2を上昇させて、載置台5から搬送物Mを移載部2に載せ、搬送物Mを受取る(S14)。搬送物Mを受取った本装置1は、移載部2を上昇させた状態で、自機を後退させてステーションSTから離脱する(S15)。離脱によって移載部2が載置台5との干渉がなくなった所定位置で、移載部固定機構9によって移載部2を装置本体4に固定し(S16)、左右保持機構6と前後位置決機構8とによって搬送物Mが荷崩れしないように保持し(S17)、その後、搬送物Mを置渡すべき次のステーションSTに向けて自律移動を開始する(S18)。なお、上記ステップ(S16)とステップ(S17)とは、処理の順番を入れ替えてもよい。また、ステップ(S17)の処理は、ステップ(S15)の前に行うようにしてもよい。
また、本装置1が、搬送物Mの置渡し処理を行う場合、図34(b)に示すように、受取り処理の場合の大略逆の手順となる。すなわち、本装置1は、ステーションSTの近くに到達したときに、移載部固定機構9による櫛歯状部材21の固定を解除し(#11)、移載部2の櫛歯状部材21をステーションSTにおける載置台5の櫛歯状部材51よりも上にした状態で、ステーションSTに接近する(#12)。このとき、連結部材22は、櫛歯状部材51よりも下の位置で、載置台5側の連結部材52に対面している。その後、本装置1は、さらに前進して、移載部2の連結部材22が載置台5側の連結部材52に倣って連結された後に、停止する(#13)。つぎに、本装置1は、搬送物Mが荷崩れしないようにしていた左右保持機構6と前後位置決機構8とによる搬送物Mの保持を解除する(#14)。
上記の保持を解除した状態は、平面視で、櫛歯状部材21と櫛歯状部材51とが互い違いに噛み合った状態、すなわち、移載部2が載置台5に対して搬送物Mを置渡し可能な状態となっている。本装置1は、駆動部3によって移載部2を下降させて搬送物Mを移載部2から載置台5に載せ、搬送物Mを置渡す(#15)。搬送物Mを置渡した本装置1は、移載部2を下降させた状態で自機を後退させてステーションSTから離脱する(#16)。本装置1は、離脱によって移載部2が載置台5との干渉がなくなった所定位置で移載部固定機構9によって移載部2を装置本体4に固定し(#17)、その後、搬送物Mを受取るべき次のステーションSTに向けて、自律移動を開始する(#18)。なお、ステップ(#14)の処理は、ステップ(#13)の前に行うようにしてもよい。
なお、本発明は、上記各実施形態の構成に限られることなく種々の変形が可能である。例えば、上述した各実施形態の構成を互いに組み合わせた構成とすることができる。また、櫛歯状部材21を支持するための図15などに示した平板23は必ずしも用いる必要はなく、少なくとも、搬送物Mを上部に移載して搬送することができる櫛歯状部材21の構造であればよい。また、移載部2を構成する櫛歯状部材21は、少なくとも、上下方向に剛性を有する部材(例えば金属薄板部材)であればよく、前後方向や左右方向に可撓性を有するものでもよい。また、載置台5との噛み合わせは、互いの櫛歯状部材21,51が1対1対応しない構成(例えば、歯数が2対1の構成)であってもよい。このような部材で複数の櫛歯状部材21を構成し、平板23は用いないか、または平板23と櫛歯状部材21とは固定はしないで移動可能なように下支えのみとして移載部2を構成する。これにより、櫛歯状部材21の剛性により、上部に搬送物Mを載せることができ、櫛歯状部材21の前後左右方向の可撓性により、載置台5との倣いや噛み合わせが容易となり、本装置1のステーションSTへの接近進入位置精度や姿勢精度をより緩和することができる。また、その可撓性により、移載部2の自在回転機能や自在平行移動機能の代替とすることもできる。また、移載部2と載置台5との噛み合わせ不具合を検出するため、載置台5から受ける応力を検出する応力センサ(歪ゲージなど)を移載部2に設けてもよい。また、処理の流れで示した処理の順番は、本装置1の構成の違いに応じて適宜変更することができる。また、水平方向に延びる櫛歯状部材21として、前後方向および左右方向に延びる櫛歯状部材21について示したが、前後左右に限らず、斜め方向に伸びる櫛歯状部材21とすることもできる。また、本発明は自律移動装置に限らず移動型の装置に適用できるものであり、例えば、AGVシステムにおける移動体に移載部2を備えて移動型の搬送物受渡し装置とすることができる。
1 搬送物受渡し装置
2 移載部
3 駆動部
4 装置本体
5 載置台
6 左右保持機構
7 上部保持機構
8 前後位置決機構
10 制御部(制御手段)
14 移動装置(移動手段)
16 位置補正部
21 移載部の櫛歯状部材
28 応力センサ
51 載置台の櫛歯状部材
M 搬送物
ST ステーション

Claims (10)

  1. 移動手段と、前記移動手段を制御して自己を移動させる制御手段と、を備えて、目的地として指示された搬送物受渡し用のステーションまで移動して搬送物の受取りまたは置渡しを行う移動型の搬送物受渡し装置において、
    搬送物が載置される上下動可能な、水平方向に延びる櫛歯状部材を有した移載部と、
    前記移載部を上下動させる駆動部と、を備え、
    前記移載部は、前記ステーションにおける水平方向に延びる櫛歯状部材を有した載置台に対して両者の櫛歯状部材が互いに噛み合わせ状態とすることができるように構成されており、
    前記制御手段は、搬送物の受渡しのとき、前記両櫛歯状部材が互いに噛み合わせることができる位置に本受渡し装置を移動させた後、さらに前記ステーションに接近させることにより前記移載部を前記載置台に噛み合わせた状態とし、
    前記駆動部は、前記載置台上の搬送物を受取るとき、前記移載部を前記載置台の下方から上方に移動させ、前記載置台上に搬送物を置渡すとき、前記移載部を上方から下方に移動させることを特徴とする移動型の搬送物受渡し装置。
  2. 前記移載部は、前記載置台への噛み合わせに際して前記載置台に当接して生じる外力に倣って回転および、または前後左右へ移動可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の移動型の搬送物受渡し装置。
  3. 前記移載部が前記載置台に噛み合わされる際に前記載置台に当接して前記移載部に生じる外力を検出する応力センサと、前記応力センサによって検出された応力値を小さくするように前記移載部を回転および、または前後左右へ移動させる位置補正部と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の移動型の搬送物受渡し装置。
  4. 前記移載部に載置された搬送物を左右両側から保持する左右保持機構を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の移動型の搬送物受渡し装置。
  5. 前記移載部に載置された搬送物を上方から押さえる上部保持機構を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の移動型の搬送物受渡し装置。
  6. 前記移載部に載置された搬送物の前後方向の位置決めをする前後位置決機構を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の移動型の搬送物受渡し装置。
  7. 前記移載部における左右外縁の前記櫛歯状部材が、搬送物を置く面より高いことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の移動型の搬送物受渡し装置。
  8. 前記移載部の櫛歯状部材は前方先端部が細くなっていることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の移動型の搬送物受渡し装置。
  9. 前記移載部の櫛歯状部材の前方先端に左右に回転可能なローラを備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の移動型の搬送物受渡し装置。
  10. 搬送物受渡装置の移動中に前記移載部を装置本体に固定するための移載部固定機構を備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載の移動型の搬送物受渡し装置。
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