JP2010211425A - 情報提供サーバ、情報提供システム、情報提供方法及びプログラム - Google Patents

情報提供サーバ、情報提供システム、情報提供方法及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】サーバに蓄積された情報をクライアント端末に同期させる場合に、同期するデータ量を最小限に抑えること。
【解決手段】通信ネットワークを介して接続されたクライアント300において検知された、当該クライアント300を使用するユーザの状態に関係する状態情報を取得するセンサ情報データベース204と、ユーザが利用するコンテンツのデータを蓄積するデータベース206,208と、状態情報に基づいて、データベース206,208に蓄積されたデータの一部を選択して送信する部分同期コントローラ210と、を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、情報提供サーバ、情報提供システム、情報提供方法及びプログラムに関する。
近時においては、例えば下記の特許文献1、特許文献2に記載されているように、ユーザが利用する情報をサーバに蓄積し、サーバの全ての情報をユーザのクライアント端末に同期させるシステムが知られている。
また、下記の特許文献3に記載されているように、クライアント端末からユーザが自分の嗜好情報を入力し、サーバから嗜好情報に応じたコンテンツを受け取るシステムが知られている。
特開2003−163735号公報 特開2000−10846号公報 特開2006−39930号公報
しかしながら、特許文献1,2に記載された技術では、サーバの情報量が増加した場合に、全てのデータをクライアントに同期させると、クライアントの記憶装置の容量が不足する問題が生じる。また、クライアントの小型化により、クライアントが十分な容量の記憶装置を搭載できない場合、サーバの全てのデータをクライアントに同期させることは困難となり、クライアントの記憶装置の容量が不足する問題が生じる。このように、サーバの全ての情報を同期させると、ユーザが必要としていない情報も含めて、サーバの情報の全てを同期することになり、クライアントに膨大な記憶容量の記憶装置を搭載しなければならなくなり、また、同期するための処理時間も膨大になるという問題が発生する。
また、サーバのデータベースのうち、そのユーザに対応するデータベースのみをクライアントのデータベースに同期する場合においても、このユーザに対応する全ての情報が同期(コピー)されてしまう。このため、当面はそのユーザが必要としていないデータまでコピーされてしまう問題がある。
また、特許文献3に記載された技術では、嗜好情報をユーザ自身が入力しなければならないため、嗜好情報を入力しなければ好みのコンテンツが提供されないという問題が発生する。また、入力した嗜好情報によりコンテンツを選択するため、ユーザが入力し忘れた場合、情報が提供されることがなく、また、ユーザが自分で気づかずに潜在的に好んでいる情報が提供されることはないという問題がある。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、サーバに蓄積された情報をクライアント端末に同期させる場合に、同期するデータ量を最小限に抑えることが可能な、新規かつ改良された情報提供サーバ、情報提供システム、情報提供方法及びプログラムを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、通信ネットワークを介して接続されたクライアント端末において検知された、当該クライアント端末を使用するユーザの状態に関係する状態情報を取得する状態情報取得部と、ユーザが利用するコンテンツのデータを蓄積するデータベースと、前記状態情報に基づいて、前記データベースに蓄積されたデータの一部を選択する選択部と、前記選択部により選択されたデータを前記クライアント端末に送る送信部と、を備える、情報提供サーバが提供される。
また、前記選択部は、前記クライアントのデータベースに既に蓄積されている既蓄積データと前記状態情報に基づいて選択されたデータとの差分に相当する差分データを選択する差分データ選択部を含み、前記送信部は、前記差分データを前記クライアント端末に送るものであってもよい。
また、前記差分データ選択部は、前記既蓄積データと前記状態情報に基づいて選択されたデータのそれぞれについて、データ更新日時又はデータ更新番号に基づいて前記差分データを選択するものであってもよい。
また、前記ユーザの状態に関係する状態情報は、時間情報、場所情報、動作情報、映像情報、音声情報、圧力情報、匂い情報、温度情報、湿度情報、生体情報、購入情報の少なくともいずれか1つであってもよい。
また、前記状態情報に基づいて、前記ユーザの嗜好、習慣、又は行動予定に関する情報を解析する解析部を備え、前記選択部は、前記ユーザの嗜好、習慣、又は行動予定に関する情報に基づいて、前記データベースに蓄積されたデータの一部を選択するものであってもよい。
また、前記状態情報に基づいて、前記ユーザの過去又は未来の行動に関する情報を解析する解析部を備え、前記選択部は、前記ユーザの過去又は未来の行動に関する情報に基づいて、前記データベースに蓄積されたデータの一部を選択するものであってもよい。
また、前記過去の行動に関する情報は、前記ユーザによる視聴履歴、操作履歴、購入履歴又は行動履歴から作成された情報であってもよい。
また、前記未来の行動に関する情報は、前記ユーザが利用する予定表、電子メール又はメモ帳に保存されている情報から作成された情報であってもよい。
前記選択部は、所定のイベントが発生した場合に前記データの一部を選択し、前記送信部は、前記所定のイベントが発生した場合に前記選択されたデータを前記クライアント端末に送るものであってもよい。
また、前記送信部は、前記選択されたデータを前記クライアント端末に送るとともに、該当するユーザの全データのリストを前記クライアント端末に送るものであってもよい。
また、前記状態情報に基づいて、前記ユーザの未来の移動経路に関する情報を解析する移動経路解析部を備え、前記選択部は、前記移動経路に関する情報に基づいて、前記データベースに蓄積されたデータの一部を選択するものであってもよい。
また、前記状態情報として前記移動経路の通信環境に関する通信情報を取得する通信情報取得部を備え、前記選択部は、前記移動経路に関する情報と前記通信情報とに基づいて、前記データベースに蓄積されたデータの一部を選択するものであってもよい。
また、前記状態情報に基づいて、前記ユーザの嗜好又は習慣に関する情報を解析する嗜好・習慣解析部を備え、前記選択部は、前記移動経路に関する情報、前記通信情報及び前記ユーザの嗜好又は習慣に関する情報に基づいて、前記データベースに蓄積されたデータの一部を選択するものであってもよい。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、クライアント端末を使用するユーザの状態に関係する状態情報を取得する状態情報取得部と、ユーザが利用するコンテンツのデータを蓄積するデータベースと、前記状態情報に基づいて、前記データベースに蓄積されたデータの一部を選択する選択部と、前記選択部により選択されたデータを前記クライアント端末に送る送信部と、を有する、情報提供サーバと、前記状態情報を検知する状態情報検知部と、前記状態情報を、通信ネットワークを介して接続された前記情報提供サーバへ送信する送信部と、前記情報提供サーバから送信された前記選択されたデータが同期されるデータベースと、を有するクライアント端末と、を備える、情報提供システムが提供される。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、クライアント端末において、当該クライアント端末を使用するユーザの状態に関係する状態情報を検知するステップと、前記状態情報を、通信ネットワークを介して接続された情報提供サーバへ送信するステップと、前記状態情報に基づいて、前記情報提供サーバにおいて、ユーザが利用するコンテンツのデータを蓄積したデータベースからデータの一部を選択するステップと、前記選択されたデータを前記クライアント端末に送るステップと、前記クライアント端末のデータベースにおいて、前記情報提供サーバから送られた前記選択されたデータによりデータベースを同期するステップと、を備える、情報提供方法が提供される。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、通信ネットワークを介して接続されたクライアント端末において検知された、当該クライアント端末を使用するユーザの状態に関係する状態情報を取得する手段、ユーザが利用するコンテンツのデータを蓄積する手段、前記状態情報に基づいて、前記データベースに蓄積されたデータの一部を選択する手段、前記選択されたデータを前記クライアント端末に送る手段、としてコンピュータを機能させるためのプログラムが提供される。
本発明によれば、サーバに蓄積された情報をクライアント端末に同期させる場合に、同期するデータ量を最小限に抑えることが可能となる。
本発明の各実施形態に係るシステム1000の概念を示す模式図である。 第1の実施形態において、サーバとクライアントの機能構成を示すブロック図である。 第1の実施形態において、サーバとクライアント間でのデータの送受信の概念を示す模式図である。 第1の実施形態において、サーバとクライアント間でのデータの送受信の概念を示す模式図である。 第1の実施形態において、サーバとクライアント間でのデータの送受信の概念を示す模式図である。 第1の実施形態において、サーバのデータベースとクライアントのデータベースが同期している例を示す模式図である。 第1の実施形態において、サーバのデータベースとクライアントのデータベースが同期している例を示す模式図である。 第1の実施形態において、サーバのデータベースとクライアントのデータベースが同期している例を示す模式図である。 第1の実施形態において、サーバのデータベースとクライアントのデータベースが同期している例を示す模式図である。 第1の実施形態の代表的な処理を示すフローチャートである。 図10において、サーバ側で選択したデータとクライアントのデータとの差分を検出して、差分のデータをサーバから受信して同期(更新)する処理を示すフローチャートである。 図11において、クライアントが現状保持しているデータをサーバへ送る例を示すフローチャートである。 第2の実施形態において、サーバとクライアントの機能構成を示すブロック図である。 第2の実施形態において、サーバとクライアント間での送受信の概念を示す模式図である。 第2の実施形態において、サーバとクライアント間での送受信の概念を示す模式図である。 第2の実施形態において、サーバとクライアント間での送受信の概念を示す模式図である。 第2の実施形態において、サーバのデータベースとクライアントのデータベース350が同期している例を示す模式図である。 第2の実施形態において、サーバのデータベースとクライアントのデータベース350が同期している例を示す模式図である。 第2の実施形態において、サーバのデータベースとクライアントのデータベース350が同期している例を示す模式図である。 第2の実施形態において、サーバのデータベースとクライアントのデータベース350が同期している例を示す模式図である。 第2の実施形態の代表的な処理を示すフローチャートである。 図21において、サーバ側で選択したデータとクライアントのデータとの差分を検出して、差分のデータをサーバから受信して同期(更新)する処理を示すフローチャートである。 図22において、差分の検出のための情報をクライアントからサーバへ送信し、クライアントが再同期のイベント発生を確認している例を示すフローチャートである。 第3の実施形態において、サーバとクライアントの機能構成を示すブロック図である。 第3の実施形態において、サーバとクライアント間での送受信の概念を示す模式図である。 第3の実施形態において、サーバとクライアント間での送受信の概念を示す模式図である。 第3の実施形態において、サーバとクライアント間での送受信の概念を示す模式図である。 第3の実施形態において、サーバのデータベースとクライアントのデータベースが同期している例を示す模式図である。 第3の実施形態において、サーバのデータベースとクライアントのデータベースが同期している例を示す模式図である。 第3の実施形態において、サーバのデータベースとクライアントのデータベースが同期している例を示す模式図である。 第3の実施形態において、サーバのデータベースとクライアントのデータベースが同期している例を示す模式図である。 第3の実施形態の代表的な処理を示すフローチャートである。 図32において、サーバ側で選択したデータとクライアントのデータとの差分を検出して、差分のデータをサーバから受信して同期(更新)する処理を示すフローチャートである。 図33において、差分の検出のための情報をクライアントからサーバへ送信し、クライアントが再同期のイベント発生を確認している例を示すフローチャートである。 第4の実施形態において、サーバとクライアントの機能構成を示すブロック図である。 移動予測の例を示す模式図である。 移動予測と通信最適化の例を示す模式図である。 移動予測に基づいて部分同期を行う例を示す模式図である。 通信最適化と部分同期の例を示す模式図である。 図39に示す「音楽データ」と「動画データ」について、現在地における同期の緊急度とデータ量を表す模式図である。 第4の実施形態において、センシング時のサーバとクライアントの動作例を示す模式図である。 同期時のサーバとクライアントの動作例を示す模式図である。 移動予測を行うことなく、嗜好情報、習慣情報、センサー情報、現状態情報から部分同期のデータを選択し、通信情報に応じて同期する場合のブロック図である。 移動予測、通信最適化を行うことなく、嗜好情報、習慣情報、センサー情報、現状態情報から部分同期のデータを選択し、同期する場合のブロック図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.第1の実施形態(センサ情報に基づく部分同期)
2.第2の実施形態(嗜好、習慣情報に基づく部分同期)
3.第3の実施形態(行動予定に基づく部分同期)
4.第4の実施形態(通信情報、移動予測に基づく部分同期)
<1.第1の実施形態>
(1)システムの構成、概念
図1は、本発明の各実施形態に係るシステム1000の概念を示す模式図である。インターネットなどの通信ネットワーク100を介して、サーバ200とクライアント端末300を接続するシステムとなっている。ネットワーク100に接続する回線に関しては、WiFi、W−CDMA、LTE、WiMAXのような無線通信と、光ファイバー、ADSLのような有線通信のどちらでも良い。無線通信の場合、アクセスポイント102を介して通信ネットワーク100とクライアント300が接続される。サーバ200は複数のユーザの全てのデータを保持する。クライアント300はサーバ200に同期し、必要なデータをクライアント300が備えるデータベース350(ハードディスクなど)に保存する。全てのデータがサーバ200に保存されていることから、ユーザは、どのクライアント300にログインしても同様に自身の所持するデータを確認できる。図1に示すように、サーバ200は、データを格納するデータベース250を備えている。また、クライアント300もデータベース350を備えている。なお、サーバ200とデータベース250は、一体または別体に構成されることができる。また、クライアント300とデータベース350も一体または別体に構成されることができる。
(2)サーバとクライアントのブロック構成
図2は、サーバ200とクライアント300の機能構成を示すブロック図である。図2に示すように、サーバ200は、部分同期アルゴリズム202、センサー情報データベース204、プライベートコンテンツデータベース206、商用コンテンツデータベース208、部分同期コントローラ210を備える。
部分同期アルゴリズム202は、クライアント300から受信したセンサー情報に基づいて、同期すべきデータの選択を行い、同期すべきデータを示す同期データ情報を部分同期コントローラ210へ送る。センサー情報データベース204は、クライアント300から受信したセンサー情報を格納する。プライベートコンテンツデータベース206は、ユーザのスケジュール、予定表、電子メール、ウェブクリップ、アドレス帳、広告、クーポン等のコンテンツ情報を格納するデータベースである。また、商用コンテンツデータベース208は、ユーザが視聴する映画、音楽などの情報を格納するデータベースである。センサー情報データベース204、プライベートコンテンツデータベース206、商用コンテンツデータベース208は、いずれもデータベース250から構成されることができる。
部分同期コントローラ210は、同期データ情報に基づいて、プライベートコンテンツデータベース206、商用コンテンツデータベース208から同期すべき情報に対応するコンテンツを抽出して、クライアント300へ送る。
また、図2に示すように、クライアント300は、センサー302、クライアントデータベース304を備える。ここで、センサー302は、時間情報、場所情報(位置情報)、ユーザの動作情報、映像情報、音声情報、圧力情報、匂い情報、温度情報、湿度情報、生体情報、ユーザによる物品等の購入情報などを検出するセンサーである。センサー302で検出された情報は、サーバ200へ送られる。センサー302で検出されたセンサー情報は、直接サーバ200に送られるか、またはクライアントデータベース304に格納された後、クライアントデータベース304からサーバ200に送られる。また、クライアントデータベース304は、サーバ200から送られたコンテンツのデータを格納するデータベースである。クライアントデータベース304は、データベース350から構成されることができる。
図2に示す各機能ブロックは、ハードウェア(回路)または、演算処理装置(CPU)と、これを機能させるためのソフトウェア(プログラム)によって構成することができる。各機能ブロックを演算処理装置とソフトウェアから構成した場合、そのプログラムは、サーバ200またはクライアント300が備えるメモリ、または外部から挿入されるメモリ等の記録媒体に格納されることができる。
また、時間情報とは、例えば年度、月日、時分秒の情報であり、ストップウォッチ機能、タイマー機能を含む機能により時間を計測して得られる情報である。また、場所情報(位置情報)とは、例えば、GPSなどの位置情報、WiFiや携帯電話などの通信回線情報、FeliCaなどのカード情報、から得られる場所を特定できる情報である。また、動作情報とは、ジャイロセンサー、超音波センサー、電磁波センサー、赤外線センサー、筋電位センサーなどから加速度、動作変化を測定して得られる情報である。
また、映像情報とは、例えば、カメラで動画、静止画を撮影して得られる情報である。また、音声情報とは、例えば、マイクで音を電気信号に変換して得られる情報である。また、圧力情報とは、例えば、静電容量型圧力センサー、ピエゾ型圧力センサー、磁性体型圧力センサーなどを用いて、圧力の変化を測定して得られる情報である。また、匂い情報とは、例えば、匂いを識別することができるセンサーを用いて測定した情報である。また、温度情報とは、例えば、温度センサにより、大気、物体、人体などの、寒暖の度合いを測定して得られる情報である。また、湿度情報とは、例えば、大気、物体、人体などの、水蒸気の量に関して測定して得られる情報である。また、生体情報とは、例えば、超音波センサー、電磁波センサー、赤外線センサー、筋電位センサー、X線センサー、脳波センサーなどを用いて測定して得られる動物、植物の生体の反応や状態に関する情報である。また、購入情報とは、ICカード、クレジットカード、キャッシュカード、レシートスキャナーなどを用いて、ユーザによる物品の購入を検出して得られる情報である。
部分同期コントローラ210で抽出されたデータがクライアント300へ送られると、クライアント300では、送られたデータを自身のクライアントデータベース304に部分同期させる。このように、ログインしたユーザに関する全てのデータをサーバ200からクライアント300へ送信するのではなく、センサー情報に基づいてクライアント300で必要とされるデータのみをクライアントデータベース304に同期(部分同期)させる。このように、部分同期とは、センサー情報に基づいて、サーバ200のデータベースに保管、もしくは管理されているデータ群の一部を自動的に選択してクライアントデータベース304にコピーする処理である。これにより、同期に必要な時間を大幅に短縮することができる。また、クライアント300では、サーバ300に蓄積されている、ログインしたユーザに関する全てのデータを蓄積する必要がないため、クライアント300のデータベース350の容量を最小限に抑えることが可能となる。これにより、サーバ200のデータベース250の容量に比べて、クライアント300のデータベース350の容量は十分に小さいものとされる。従って、本実施形態によれば、クライアント300のデータベース350の小型化、同期処理の高速化を実現しながら、同期した後はオフラインでの視聴を実現できる。また、部分同期のデータは、センサー302が抽出したデータを用いて自動的に生成することができる。
また、部分同期を行う際には、部分同期コントローラ210は、同期を行う優先順位をつけて、クライアント300のデータベース350の残量と、部分同期するデータの容量を考慮しながら、同期するデータを選択し、優先順序に応じて部分同期することもできる。
(3)サーバとクライアント間でのデータの送受信の概念
次に、図3、図4、図5に基づいて、サーバ200とクライアント300間でのデータの送受信の概念を説明する。図3に示すように、ユーザがクライアント300にログインすると、クライアント300の所持するセンサー302から上記の各種情報が検出され、クライアント300はセンサー302で検出した情報をサーバ200に送信する。サーバ200は、クライアント300から受け取ったセンサー情報を用いて、サーバ200のデータベース250に保管、もしくは管理されているデータ群の一部を自動的に選択する。
選択する方法は、受け取った時間情報、場所情報、動作情報、映像情報、音声情報、圧力情報、匂い情報、温度情報、湿度情報、生体情報、購入情報に応じて、サーバ200内で保存している全データのデータ情報(メタデータ)が合致しているものを選択する。
図4に示すように、サーバ200は、選択したデータをクライアント300に送信する。ここで、サーバ200によって選択されたデータを全てクライアント300に送信しても良いが、クライアント300が現状所持しているデータとの差分のみ送っても良い。差分の検出(選択)に関しては、サーバ200がクライアント300のデータを常に管理しているのであれば、サーバ200はクライアント300の所持するデータを全て知っているので、サーバ200内で差分を検出して、クライアント300に送れば良い。または、サーバ200は、クライアント300から、クライアント300が現状所持しているデータのリストを送ってもらうことで、差分を検出する。差分データの選択は、部分同期コントローラ210に含まれる差分データ選択部によって行われる。
選択された同期すべき全てのデータ、もしくは差分データを、サーバ200はクライアント300に送信する。クライアント300は、データを受信し、膨大なサーバ200のデータベース250の中から、時間情報、場所情報、動作情報、映像情報、音声情報、圧力情報、匂い情報、温度情報、湿度情報、生体情報、購入情報等のセンサー情報に応じたデータのみを受信する。従って、サーバ200のデータベース250に格納されているデータのうち、センサー情報に応じた最適なデータの一部のみにクライアント300のデータベース350が同期することができる。ただし、サーバ200に保存されている、そのユーザが利用できる全てのデータのデータ情報(全データのリスト)に関しては、全てがクライアント300に同期(コピー)されても良い。
図5は、クライアント300が、サーバ200から受信したデータによってデータベース350のデータを同期した状態を示している。図5において、ユーザは、全データのリストを見ることはできるが、クライアント300に保存されているデータのうち、実際に同期されたデータは、センサー情報に基づいて受信した、視聴される可能性が高い一部のデータのみとなっている。これにより、現在のユーザの状態(時間情報、場所情報、動作情報、映像情報、音声情報、圧力情報、匂い情報、温度情報、湿度情報、生体情報、購入情報等に応じた状態)に必要なデータのみがデータベース350に自動的に同期(コピー)される。ここで、必要なデータとは、未来に必要なデータであり、センサー情報から予測されたデータである。データが必要な時点よりも以前にデータをクライアント300に同期させることで、その後クライアント300がオフラインの状態となった場合でもクライアント300ではデータの利用、視聴等が可能である。
(4)サーバとクライアントのデータ同期の例
図6、図7、図8、図9は、サーバ200のデータベース250とクライアント300のデータベース350が同期している例を示す模式図である。
図6は、サーバ200内で保存している全データを示す模式図である。図6に示すように、各データには固有のIDが付され、また、データの名前、容量、データの種類(項目1〜4)、更新日時、更新番号、対応するユーザなどの情報が付されている。
ここで、例えば、ユーザAが、ある携帯端末(クライアント端末300)を用いて、朝10時に、沖縄でログインしたとする。サーバ300は、クライアント端末300から送られたセンサー情報(時間情報、場所情報、動作情報、映像情報、音声情報、圧力情報、匂い情報、温度情報、湿度情報、生体情報、購入情報等)を用いて、全データの中から必要なデータを選択する。
図7は、クライアント300から送られたセンサー情報に基づいて、図6に示すデータの一部が選択された状態を示している。図7において、ドットが付されているデータが選択されたデータである。図7に示すように、図6のデータのうち、ユーザAのデータの中から、センサー情報に合致するデータが選択される。
図8は、クライアント300が、同期する以前に元々データベース350に保存していたデータを示している。上述した差分に基づいてデータ送信をする場合、図8に示すデータと、図7で選択されたデータの差分を検出し、差分のデータ(相違しているデータ)をサーバ200からクライアント300に送信する。
図9は、同期したクライアント300のデータベース350の状態を示している。差分を検出する際には、データの名前だけでなく、更新時間や更新番号を考慮して行う。また、データの容量も考慮しながら、同期すべきデータを選択する。上述の例では、時刻が朝であること、場所が沖縄であることから、データ情報(メタデータ)に基づいて、場所(項目3)が「沖縄」であり、これからデータを使用することを想定して、時刻(項目4)の「昼」と合致する情報等がクライアント300に同期される。従って、図9では、沖縄の地図、土産屋、ランチの情報がクライアント300のデータベース350にコピーされていることが分かる。また、差分を検出することなく、図7で選択されたデータの全てをクライアント300のデータベース350に同期させても良い。
(5)本実施形態における処理手順
次に、図10、図11、図12のフローチャートに基づいて、本実施形態における処理の手順について説明する。
図10は、本実施形態の代表的な処理を示すフローチャートである。先ず、ユーザがクライアント300にログインすると(ステップS10)、クライアント300はセンサー情報をユーザを識別するIDとともにサーバ200に送信する(ステップS12)。サーバ200では、データベース250のデータとセンサー情報を比較する(ステップS14)。サーバ200では、上述したセンサー情報を用いて、同期すべきデータと、ログインしたユーザの全データのリストを自動的に選択する(ステップS16)。サーバ200は、選択した同期すべきデータと、全データのリストをクライアント300に送信する(ステップS18)。クライアント300は、サーバ200から送信されたデータを受信し、サーバ200が選択したデータの一部とデータベース350が同期する(ステップS20)。また、クライアント300では、クライアント300が所持する全データのリストが更新される(ステップS20)。
図11は、図10において、サーバ200側で選択したデータとクライアント300のデータとの差分を検出して、差分のデータをサーバから受信して同期(更新)する処理を示すフローチャートである。また、図11では、あるイベントごとに再度自動的にデータベース350の一部を同期する作業を行う例を示している。図11において、ステップS10,S12,S14,S16,S20の処理は図10と同様である。
サーバ200は、過去にクライアント300に同期したデータを管理することで、クライアント300がどのデータを現状保持しているか管理しており、クライアント300が現状保持しているデータを認識している。従って、ステップS22では、選択された同期すべきデータとクライアント300が現状保持しているデータとの差分を検出し、差分のデータのみを送信する。
また、センサー情報は刻々と変化していくので、ステップS24では、ある時間周期、ユーザによるクライアント300の操作の有無、センサー情報の変化など、再同期のイベントが発生したか否かを検出する。そして、再同期のイベントが発生した場合は、クライアント300に対して、センサー情報の送信要求を送る(ステップS26)。
クライアント300は、センサー情報の送信要求を確認すると(ステップS28)、ステップS12へ戻り、センサー情報を再度送信する。
図12は、図11において、クライアント300が現状保持しているデータをサーバ200へ送る例を示すフローチャートである。図12において、ステップS10,S12,S14,S16,S18,S20の処理は図10と同様である。
図12の例では、クライアント300は、データベース350に現状保持しているデータのリストをサーバ300へ送る(ステップS32)。サーバ200は、選択された同期すべきデータとクライアント300が現状保持しているデータとの差分を検出する(ステップS34)。そして、差分によって得られた同期すべきデータと、全データのリストをクライアント300へ送信する。
また、図12の例では、クライアント300側で再同期のイベントが発生したか否かを判定し(ステップS36)、再同期のイベントが発生した場合は、ステップS12へ戻り、センサー情報を再度送信する。
以上説明したように第1の実施形態によれば、センサー情報に基づいて、必要なデータのみがサーバ200で選択され、選択されたデータによりクライアント300のデータベース350が同期される。従って、サーバ200から送るデータ量を最小限に抑えることが可能となり、同期に要する時間を大幅に短縮することが可能となる。また、クライアント300のデータベース350は、サーバ200の全てのデータを保持する必要がないため、データベース350の容量を最小限に抑えることが可能となる。
<2.第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態に係るシステムの構成は、図1に示した第1の実施形態と同様である。第1の実施形態では、センサー情報に基づいてサーバ200のデータを選択したが、第2の実施形態は、ユーザの嗜好データ、習慣データに基づいてデータを選択するものである。
(1)サーバとクライアントのブロック構成
図13は、サーバ200とクライアント300の機能構成を示すブロック図である。図13に示すように、サーバ200は、部分同期アルゴリズム202、プライベートコンテンツデータベース206、商用コンテンツデータベース208を備える。また、サーバ200は、部分同期コントローラ210、視聴履歴・操作履歴データベース212、習慣解析アルゴリズム214を備える。図13において、部分同期アルゴリズム202、プライベートコンテンツデータベース206、商用コンテンツデータベース208、部分同期コントローラ210の構成は第1の実施形態と同様である。
視聴履歴・操作履歴データベース212は、クライアント300のユーザインタフェース306から送られた、ユーザによる視聴情報、操作情報を蓄積し、ユーザの視聴履歴、操作履歴を習慣解析アルゴリズム214へ送る。習慣解析アルゴリズム214は、クライアント300から送られた視聴履歴、操作履歴に基づいて、ユーザの習慣を解析するアルゴリズムである。習慣解析アルゴリズム214における解析によって、ユーザの嗜好情報、習慣情報が生成され、部分同期アルゴリズム202に送られる。部分同期アルゴリズム202は、嗜好情報、習慣情報に基づいて、同期データ情報を生成し、部分同期コントローラ210へ送る。
部分同期コントローラ210は、同期データ情報を用いて、プライベートコンテンツデータベース206、商用コンテンツデータベース208から、ユーザの嗜好情報、習慣情報に対応する同期すべきコンテンツを抽出して、クライアント300へ送る。
また、図13に示すように、クライアント300は、ユーザインターフェース306、クライアントデータベース304を備える。ユーザインターフェース306は、サーバ200へ視聴情報、操作情報、ユーザIDなどの情報を送る。ユーザインターフェース306で取得された情報(視聴情報、操作情報)は、直接サーバ200に送られるか、またはクライアントデータベース304に格納された後、クライアントデータベース304からサーバ200に送られる。また、クライアントデータベース304は、サーバ200から送られたコンテンツのデータを格納するデータベースである。クライアントデータベース304は、データベース350から構成されることができる。
部分同期コントローラ210で抽出されたデータがクライアント300へ送られると、クライアント300では、送られたデータを自身のクライアントデータベース304に部分同期させる。このように、ログインしたユーザに関する全てのデータをサーバ200からクライアント300へ送信するのではなく、センサー情報に基づいてクライアント300で必要とされるデータのみをクライアントデータベース304に同期(部分同期)させる。従って、クライアント300のデータベース350の小型化、同期処理の高速化を実現しながら、同期した後はオフラインでの視聴を実現できる。また、クライアントから嗜好データを受け取ることなく、視聴履歴、操作履歴から、嗜好情報を自動的に生成することで、ユーザが入力していない嗜好にも対応することができる。
ここで、視聴履歴とは、例えば、テレビ、録画番組、ビデオ、音楽、ウェブサイト、電子ブック、電子辞書、電子地図、写真、動画、メール、メモ帳、ドキュメント、家計簿、電話帳、予定表などを視聴した履歴を示す使用者情報、時間情報、場所情報である。
また、操作履歴とは、例えば、テレビ、録画番組、ビデオ、音楽、ウェブサイト、電子ブック、電子辞書、電子地図、写真、動画、メール、メモ帳、ドキュメント、家計簿、電話帳、予定表などを操作した履歴を示す使用者情報、時間情報、場所情報である。
購入履歴とは、例えば、ウェブサイトなどのネットワーク上での購入と、センサーから抽出される実世界上での購入に関する、使用者情報、時間情報、場所情報、価格情報である。
また、行動履歴とは、例えば、ウェブサイトなどのネットワーク上での行動と、センサーから抽出される実世界上での行動に関する、使用者情報、時間情報、場所情報、動作情報である。
また、予定表とは、例えば、今後の時間情報、場所情報、視聴情報、操作情報、購入情報、行動情報が記載されているデータである。
また、電子メールは、今後の時間情報、場所情報、視聴情報、操作情報、購入情報、行動情報が送受信されているデータである。また、メモ帳とは、今後の時間情報、場所情報、視聴情報、操作情報、購入情報、行動情報がメモされているデータである。
(2)サーバとクライアント間でのデータの送受信
図14、図15、図16は、第2の実施形態において、サーバ200とクライアント300間での送受信の概念を示す模式図である。図14に示すように、ユーザがクライアント300にログインすると、クライアント300は、ログインしたユーザの種類の情報(ユーザID)をサーバ200に送信する。サーバ200は、クライアント300から受け取ったユーザの種類の情報を用いて、サーバ200のデータベース250に保管、もしくは管理されているデータ群の一部を自動的に選択する。
選択する方法は、サーバ200側で事前に各ユーザの視聴履歴、操作履歴、購入履歴、行動履歴等の履歴を保存していて、その保存したデータから個人、もしくは集団の嗜好データ、習慣データを解析し、その結果を用いて選択を行う。嗜好データ、習慣データによる部分同期データ選択の際には、そのユーザ個人の嗜好、習慣データのみならず、他のユーザを含む集団の嗜好、習慣データに基づいて選択を行うこともできる。例えば、Aというアーティストの曲の視聴履歴を解析することにより、このユーザは、ロックミュージックが好きだという嗜好データを作り出すことができる。したがって、Bというアーティストの曲についても、曲調解析の結果、曲調がロックミュージックであると判断できれば、たとえ、Bというアーティストの曲についての視聴履歴がなくとも、嗜好として一致することから選択することができる。第1の実施形態と同様に、サーバ200は、選択した全てのデータをクライアント300に送信しても良いし、クライアント300が現状所持しているデータとの差分のみ送っても良い。差分の検出に関しては、サーバ200がクライアント300のデータを常に管理しているのであれば、サーバ200はクライアント300の所持するデータを全て認識しているので、サーバ200内で差分を検出してクライアント300に送れば良い。また、サーバ200は、クライアント300から現状所持するデータのリストを送ってもらうことで、差分を検出しても良い。
図15に示すように、サーバ200は、選択した同期すべき全てのデータ、もしくは差分データを、クライアント300に送信する。クライアント300は、データを受信し、受信したデータによりデータベース350の同期を行う。これにより、サーバ200のデータベース250内の膨大なデータの中から、そのユーザの嗜好データ、習慣データに応じた、最適なデータの一部のみにクライアント300のデータベース350が同期することができる。ただし、サーバ200に保存されている、そのユーザが視聴できる全てのデータのデータ情報(全データのリスト)に関しては、全てがクライアントに同期(コピー)されて良い。
図16は、同期が完了した後の状態を示している。図16において、ユーザは、クライアント300により全データのリストを見ることはできるが、実際に同期されてクライアント300のデータベース350に保存されているデータは、視聴される可能性が高い一部のデータのみとなっている。これにより、ユーザの嗜好や習慣に応じた必要なデータのみが、クライアント300のデータベース350に自動的にコピーされる。ここで、必要なデータとは、未来に必要なデータであり、嗜好や習慣から予測されたデータである。必要な時点よりも、以前にサーバ200からデータを取得してクライアント300のデータベース350に同期することで、その後にクライアント300がオフラインの状態となってもデータの利用、視聴等が可能である。
(3)サーバとクライアントのデータ同期の例
図17、図18、図19、図20は、サーバ200のデータベース250とクライアント300のデータベース350が同期している例を示す模式図である。
図17は、サーバ200内で保存している全データを示す模式図である。ここで、ユーザAがクライアント300からログインしたとする。サーバ200の習慣解析アルゴリズム214は、ユーザAの視聴履歴、操作履歴に基づいて、ユーザAの嗜好情報、習慣情報を生成し、この情報に基づいて同期すべきデータが選択される。
図18は、嗜好情報、習慣情報に基づいて、図17に示すデータの一部が選択された状態を示している。図18において、ドットが付されているデータが選択されたデータである。図18に示すように、図17のデータのうち、ユーザAのデータの中から、嗜好情報、習慣情報に合致するデータが選択される。
図19は、クライアント300が、同期する以前に元々データベース350に保存していたデータを示している。上述した差分に基づいてデータ送信をする場合、図19に示すデータと、図18で選択されたデータの差分を検出し、差分のデータ(相違しているデータ)をサーバ200からクライアント300に送信する。
図20は、同期したクライアント300のデータベース350の状態を示している。第1の実施形態と同様に、差分を検出する際には、データの名前だけでなく、更新時間や更新番号、データ容量を考慮して行う。ここでは、例えば、嗜好情報、習慣情報から、ユーザAは通勤時に携帯端末でロックを聴く傾向があり、前日撮影した写真をときどき会社で見る傾向があり、前日録画したスポーツ番組を車内で見る傾向があるものとする。この場合、図18に示すように、嗜好情報、習慣情報に応じてロック、写真、スポーツ番組のデータが選択されて、図20に示すように、これらのデータがクライアント300のデータベース350に同期(コピー)される。
(4)本実施形態における処理手順
次に、図21、図22、図23のフローチャートに基づいて、本実施形態における処理の手順について説明する。
図21は、本実施形態の代表的な処理を示すフローチャートである。先ず、ユーザがクライアント300にログインすると(ステップS210)、クライアント300はユーザの種類情報(ユーザID)をサーバ200に送信する(ステップS212)。サーバ200では、ユーザIDを使うことで、視聴履歴、操作履歴をデータベース212から抽出し、嗜好情報、習慣情報を解析し、確認する(ステップS214)。そして、解析済みの嗜好情報や習慣情報を用いて、同期すべきデータと、ログインしたユーザの全データのリストを自動的に選択する(ステップS216)。サーバ200は、選択した同期すべきデータと、全データのリストをクライアント300に送信する(ステップS218)。クライアント300は、サーバ200から送信されたデータを受信し、サーバ200が選択したデータの一部とデータベース350が同期し、クライアント300が所持する全データのリストが更新される(ステップS220)。
また、クライアント300は、視聴情報、操作情報、購入情報、行動情報などの情報をサーバ200へ送信する(ステップS222)。サーバ200は、これらの情報を受信すると、視聴履歴、操作履歴、購入履歴、行動履歴等をデータベース212に保存する(ステップS224)。そして、サーバ200は、習慣解析アルゴリズム214により、嗜好情報、習慣情報を作成する(ステップS226)。
図22は、図21において、サーバ200側で選択したデータとクライアント300のデータとの差分を検出して、差分のデータをサーバから受信して同期(更新)する処理を示すフローチャートである。また、図22では、あるイベントごとに再度自動的にデータベース350の一部を同期する作業を行う例を示している。図22において、ステップS210,S212,S214,S216,S218,S220,S222,S224,S226の処理は図21と同様である。
サーバ200は、過去にクライアント300に同期したデータを管理することで、クライアント300がどのデータを現状保持しているか管理しており、クライアント300が現状保持しているデータを認識している。従って、ステップS228では、選択された同期すべきデータとクライアント300が現状保持しているデータとの差分を検出する。そして、ステップS218では、差分により得られた同期すべきデータと、全データのリストをクライアント300へ送信する。
また、嗜好データ、習慣データは刻々と変化していくので、ステップS230では、ある時間周期、ユーザによるクライアント300の操作、ユーザ環境の変化など、再同期のイベントが発生したか否かを検出する。そして、再同期のイベントが発生した場合は、嗜好情報、習慣情報の確認を再度行い、最新の嗜好情報、習慣情報を用いて同期すべきデータを選択する(ステップS214)。
図23は、図22において、差分の検出のための情報をクライアント300からサーバ200へ送信し、また、クライアント300が再同期のイベント発生を確認している例を示すフローチャートである。図23において、ステップS210,S212,S214,S216,S218,S220,S222,S224,S226,S228の処理は図21と同様である。
図23の例では、クライアント300は、データベース350に現状保持しているデータのリストをサーバ300へ送る(ステップS232)。サーバ200は、選択された同期すべきデータとクライアント300が現状保持しているデータとの差分を検出する(ステップS228)。そして、差分によって得られた同期すべきデータと、全データのリストをクライアント300へ送信する(ステップS218)。
また、図23の例では、クライアント300側で再同期のイベントが発生したか否かを判定し(ステップS234)、再同期のイベントが発生した場合は、ステップS236へ進み、サーバ200へ再同期要求信号を送信する。サーバ300は、再同期要求信号を確認すると(ステップS238)、ステップS214へ戻り、再度同期を行うため、以降の処理を行う。
以上説明したように第2の実施形態によれば、嗜好情報、習慣情報に基づいて、必要なデータのみがサーバ200で選択され、選択されたデータによりクライアント300のデータベース350が同期される。従って、サーバ200から送るデータ量を最小限に抑えることが可能となり、同期に要する時間を大幅に短縮することが可能となる。また、クライアント300のデータベース350は、サーバ200の全てのデータを保持する必要がないため、データベース350の容量を最小限に抑えることが可能となる。
<3.第3の実施形態>
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。第3の実施形態は、ユーザの行動予定データに基づいて同期を行うものである。
(1)サーバとクライアントのブロック構成
図24は、サーバ200とクライアント300の機能構成を示すブロック図である。図24に示すように、サーバ200は、部分同期アルゴリズム202、プライベートコンテンツデータベース206、商用コンテンツデータベース208、部分同期コントローラ210、内容解析アルゴリズム228を備える。
プライベートコンテンツデータベース206は、ユーザのスケジュール、予定表、電子メール、写真、プライベートビデオ等のコンテンツ情報を格納するデータベースである。プライベートコンテンツデータベース206は、ユーザインタフェース306から送られた操作情報に応じて更新される。また、商用コンテンツデータベース208は、ユーザが視聴する映画、音楽などの情報を格納するデータベースである。
また、サーバ200は、予定表やメールなど、プライベートコンテンツデータベース206に格納されたプライベートコンテンツを内容解析アルゴリズム226において解析し、ユーザの行動予定を示す行動予定データを生成し、部分同期アルゴリズム202へ送る。内容解析アルゴリズム226は、例えば、予定表やメールに記載されているユーザの今後の予定(場所、時刻等)を検出して、これに基づいて行動予定データを作成する。
部分同期アルゴリズム202は、行動予定データに基づいて、同期すべきデータの選択を行い、同期すべきデータを示す同期データ情報を部分同期コントローラ210へ送る。
部分同期コントローラ210は、同期データ情報に基づいて、プライベートコンテンツデータベース206、商用コンテンツデータベース208から同期すべき情報に対応するコンテンツを抽出して、クライアント300へ送る。
また、図24に示すように、クライアント300は、ユーザインターフェース306、クライアントデータベース304を備える。ユーザインターフェース306は、サーバ200へユーザによる操作情報、ユーザIDなどの情報を送る。ユーザインターフェース306で取得された情報(コンテンツの作成・変更情報)は、直接サーバ200に送られるか、またはクライアントデータベース304に格納された後、クライアントデータベース304からサーバ200に送られる。また、クライアントデータベース304は、サーバ200から送られたコンテンツのデータを格納するデータベースである。
(2)サーバとクライアント間でのデータの送受信
図25、図26、図27は、第3の実施形態において、サーバ200とクライアント300間での送受信の概念を示す模式図である。図25に示すように、ユーザがクライアント300にログインすると、クライアント300は、ログインしたユーザの種類の情報(ユーザID)をサーバ200に送信する。サーバ200は、クライアントから受け取ったユーザの種類の情報を用いて、サーバ200のデータベース250に保管、もしくは管理されているデータ群の一部を自動的に選択する。
選択する方法は、サーバ200側で事前に各ユーザの予定表、電子メール、メモ帳などの今後の行動に関して記録されているデータから、今後の行動予定データを作成し、その結果を用いて選択を行う。第1の実施形態と同様に、サーバ200は、選択した全てのデータをクライアント300に送信しても良いし、クライアント300が現状所持しているデータとの差分のみ送っても良い。
差分の検出に関しては、サーバ20がクライアント300のデータを常に管理しているのであれば、サーバ200はクライアント300の所持するデータを全て認識しているので、サーバ200内で差分を検出してクライアント300に送れば良い。また、サーバ200は、クライアント300から現状所持するデータのリストを送ってもらうことで、差分を検出しても良い。
図26に示すように、サーバ200は、選択した同期すべき全てのデータ、もしくは差分データを、クライアント300に送信する。クライアント300は、データを受信し、受信したデータによりデータベース350の同期を行う。これにより、サーバ200のデータベース250内の膨大なデータの中から、そのユーザの行動予定データに応じた、最適なデータの一部のみにクライアント300のデータベース350が同期することができる。ただし、サーバ200に保存されている、そのユーザが視聴できる全てのデータのデータ情報(全データのリスト)に関しては、全てがクライアントに同期(コピー)されて良い。
図27は、同期が完了した後の状態を示している。図27において、ユーザは、クライアント300により全データのリストを見ることはできるが、実際に同期されてクライアント300のデータベース350に保存されているデータは、視聴される可能性が高い一部のデータのみとなっている。これにより、ユーザの今後の行動に応じた必要なデータのみが、クライアント300のデータベース350に自動的にコピーされる。
(3)サーバとクライアントのデータ同期の例
図28、図29、図30、図31は、サーバ200のデータベース250とクライアント300のデータベース350が同期している例を示す模式図である。
図28は、サーバ200内で保存している全データを示す模式図である。ここで、ユーザAがクライアント300からログインしたとする。サーバ200は、行動予定データを用いて同期すべきデータを選択する。
図29は、行動予定データに基づいて、図28に示すデータの一部が選択された状態を示している。図29において、ドットが付されているデータが選択されたデータである。図29に示すように、図28のデータのうち、ユーザAのデータの中から、行動予定データに合致するデータが選択される。
図30は、クライアント300が、同期する以前に元々データベース350に保存していたデータを示している。差分に基づいてデータ送信をする場合、図30に示すデータと、図29で選択されたデータの差分を検出し、差分のデータ(相違しているデータ)をサーバ200からクライアント300に送信する。
図31は、同期したクライアント300のデータベース350の状態を示している。第1の実施形態と同様に、差分を検出する際には、データの名前だけでなく、更新時間や更新番号、データ容量を考慮して行う。例えば、サーバ200、もしくは他のサーバやクライアントに保管されている予定表、電子メール、メモ帳を解析した結果から、ユーザAが、これから会議のため新宿に外出する予定であり、会議のあと友人と飲食する予定であることが解析されたものとする。この場合、図31に示すように、ユーザAの行動予定に応じて、新宿の居酒屋に関する情報がクライアント300のデータベース350に同期(コピー)される。
(4)本実施形態における処理手順
次に、図32、図33、図34のフローチャートに基づいて、本実施形態における処理の手順について説明する。
図32は、本実施形態の代表的な処理を示すフローチャートである。先ず、ユーザがクライアント300にログインすると(ステップS310)、クライアント300はユーザの種類情報(ユーザID)をサーバ200に送信する(ステップS312)。サーバ200では、ユーザIDを使うことで、そのユーザの行動予定データを確認する(ステップS314)。そして、行動予定データを用いて、同期すべきデータと、ログインしたユーザの全データのリストを自動的に選択する(ステップS316)。サーバ200は、選択した同期すべきデータと、全データのリストをクライアント300に送信する(ステップS318)。クライアント300は、サーバ200から送信されたデータを受信し、サーバ200が選択したデータの一部とデータベース350が同期し、クライアント300が所持する全データのリストが更新される(ステップS320)。
また、クライアント300は、予定表、電子メール、メモ表などの作成情報、変更情報をサーバ200へ送信する(ステップS322)。サーバ200は、これらの情報を受信すると、予定表、電子メール、メモ表などの作成情報、変更情報をプライベートコンテンツデータベース206に保存する(ステップS324)。そして、サーバ200は、受信したこれらの情報から行動予定データを作成する(ステップS326)。
図33は、図32において、サーバ200側で選択したデータとクライアント300のデータとの差分を検出して、差分のデータをサーバから受信して同期(更新)する処理を示すフローチャートである。また、図33では、あるイベントごとに再度自動的にデータベース350の一部を同期する作業を行う例を示している。図33において、ステップS310,S312,S314,S316,S318,S320,S322,S324,S326の処理は図32と同様である。
サーバ200は、過去にクライアント300に同期したデータを管理することで、クライアント300がどのデータを現状保持しているか管理しており、クライアント300が現状保持しているデータを認識している。従って、ステップS328では、選択された同期すべきデータとクライアント300が現状保持しているデータとの差分を検出する。そして、ステップS218では、差分により得られた同期すべきデータと、全データのリストをクライアント300へ送信する。
また、行動予定データは刻々と変化していくので、ステップS330では、ある時間周期、ユーザによるクライアント300の操作、ユーザ環境の変化など、再同期のイベントが発生したか否かを検出する。そして、再同期のイベントが発生した場合は、行動予定データの確認を再度行い、最新の嗜好情報、習慣情報を用いて同期すべきデータを選択する(ステップS314)。
図34は、図33において、差分の検出のための情報をクライアント300からサーバ200へ送信し、また、クライアント300が再同期のイベント発生を確認している例を示すフローチャートである。図34において、ステップS310,S312,S314,S316,S318,S320,S322,S324,S326,S328の処理は図33と同様である。
図34の例では、クライアント300は、データベース350に現状保持しているデータのリストをサーバ300へ送る(ステップS332)。サーバ200は、選択された同期すべきデータとクライアント300が現状保持しているデータとの差分を検出する(ステップS328)。そして、差分によって得られた同期すべきデータと、全データのリストをクライアント300へ送信する(ステップS318)。
また、図34の例では、クライアント300側で再同期のイベントが発生したか否かを判定し(ステップS334)、再同期のイベントが発生した場合は、ステップS336へ進み、サーバ200へ再同期要求信号を送信する。サーバ300は、再同期要求信号を確認すると(ステップS338)、ステップS314へ戻り、再度同期を行うため、以降の処理を行う。
以上説明したように第3の実施形態によれば、行動予定データに基づいて、必要なデータのみがサーバ200で選択され、選択されたデータによりクライアント300のデータベース350が同期される。従って、サーバ200から送るデータ量を最小限に抑えることが可能となり、同期に要する時間を大幅に短縮することが可能となる。また、クライアント300のデータベース350は、サーバ200の全てのデータを保持する必要がないため、データベース350の容量を最小限に抑えることが可能となる。
<4.第4の実施形態>
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。第4の実施形態は、ユーザの移動予測データに基づいて同期を行うものである。
(1)サーバとクライアントのブロック構成
図35は、第4の実施形態において、サーバ200とクライアント300の機能構成を示すブロック図である。図35に示すように、サーバ200は、通信情報データベース220、通信最適化アルゴリズム222、視聴履歴・操作履歴データベース212、習慣解析アルゴリズム214、部分同期アルゴリズム202、センサ情報データベース204を備える。また、サーバ200は、位置情報・移動履歴データベース224、移動予測アルゴリズム226、プライベートコンテンツデータベース206、商用コンテンツデータベース208、内容解析アルゴリズム228を備える。
また、図35に示すように、クライアント300は、センサー302、ユーザインターフェース306、クライアントデータベース304を備える。ユーザインターフェース306は、サーバ200へ視聴情報、操作情報、ユーザIDなどの情報を送る。ユーザインターフェース306で取得された情報(視聴情報、操作情報、コンテンツの作成・変更情報)は、直接サーバ200に送られるか、またはクライアントデータベース304に格納された後、クライアントデータベース304からサーバ200に送られる。また、クライアントデータベース304は、サーバ200から送られたコンテンツのデータを格納するデータベースである。クライアントデータベース304は、データベース350から構成されることができる。
サーバ200は、クライアント300から送信される、もしくは複数クライアントから得ることができる通信環境に関する通信情報を保存する通信情報データベース220を有する。そして、サーバ200は、通信情報データベース220に、時間、場所に対する、複数の無線、有線システムの通信状態(伝送レート、電波強度)を蓄積する。
サーバ200は、同期するデータの緊急度(最低限同期すべき時間、場所)、データ内容、データ量、通信システムごとの消費電力、無線システムごとの通信費に応じて、通信の時間、場所、通信システムの選択(伝送レート選択、送信電力選択)を最適化する。この最適化は、通信最適化アルゴリズム222によって行われる。
クライアント300では、ユーザがクライアント300を所持している間、ユーザに意識させることなく、センサー302によって情報を検出し、センサー302が検出したセンサー情報はサーバ200へ送られる。センサー情報は、サーバ200のセンサー情報データベース204に蓄積される。また、クライアント300のセンサー302は、通信情報、位置情報を検出し、通信情報は通信情報データベース220の更新に、位置情報は位置情報・移動履歴データベース224の更新に用いられる。また、ユーザーインターフェース306により視聴情報、操作情報が取得され、視聴情報、操作情報はサーバ200に送られて、視聴履歴・操作履歴データベース212が更新される。そして、第2の実施形態と同様に、ユーザに有意義なサービスを提供するため、サーバ200で履歴などを蓄積し、視聴履歴、操作履歴から習慣解析アルゴリズム214により嗜好情報、習慣情報が生成される。
また、サーバ200は、予定表やメールなど、プライベートコンテンツデータベース206に格納されたプライベートコンテンツを内容解析アルゴリズム226において解析し、ユーザの移動の目的地を予測する。そして、クライアント300の現在状態情報、もしくは現在までの一定期間の状態と、予測した目的地から、移動予測アルゴリズム226が現在地から目的地までの移動ルートを予測する。移動予測アルゴリズム226では、位置情報・移動履歴データベース224に蓄積された、過去のユーザの移動の履歴に基づいて、現在地から目的地までの移動ルートを予測する。そして、予測された移動予測情報(目的地、移動ルート)に応じて、嗜好情報、習慣情報、センサー情報、現状態情報を用いて、部分同期アルゴリズム202において、今後の状態に必要となる最適な同期すべきデータの選択を行い、同期データ情報を作成する。
そして、通信最適化アルゴリズム222において、通信を行う時刻、通信を行う場所、通信システムの選択、伝送レートの選択、送信電力の選択などの通信操作情報を作成する。通信操作情報の作成は、移動ルートに応じて、選択された同期すべきデータの緊急度、データ量、データ内容などを考慮しながら、移動ルートにおける通信環境に基づいて作成される。そして、通信操作情報と、同期データ情報を用いて、部分同期コントローラ210において、どの時刻に、どの場所で、どの通信システムを用いて、どのデータを同期するかをコントロールする。部分同期コントローラ210は、プライベートコンテンツや商用コンテンツなどを、クライアント300のクライアントデータベース304に部分的に同期する。
以上のような構成によれば、通信を行う時間だけでなく、通信を行う場所、通信システムの選択も、事前に得ている通信情報を用いてコントロールすることで、移動端末による場所の変化による通信環境の変化にも対応できる。また、複数の通信システムを切り替えることで、同期データの緊急度と内容と量への個別の対応、低消費電力化、通信費用の削減を実現することができる。また、目的地と移動ルートは、ユーザが入力するのではなく、サーバ200側で予測する。従って、ユーザが目的地と移動ルートを入力しなかった場合でも、移動予測情報に応じて通信の時間、場所、通信システムの選択(伝送レート選択、送信電力選択)をコントロールすることができる。また、クライアント300から送信される、もしくは複数クライアント300から得ることができる通信状態を蓄積して、利用することで、時間帯による通信環境の変化、無線システムごとの通信環境の変化に対応することができる。
第4の実施形態では、第1〜第3の実施形態に比べて、さらに同期すべきデータ量を絞り込むことができることから、更なるデータベース350小型化、同期処理の高速化を実現できる。また、移動予測を用いていることから、サーバ200の一部を同期するための、コンテンツの絞り込みの精度を上げることができる。
(2)ユーザの移動予測の例
図36は、移動予測の例を示す模式図である。本実施形態において、クライアント300は携帯端末であるものとする。クライアント300は、位置と現在時刻を取得するセンサーを備えている。このセンサー情報はサーバ200に送られ、サーバ200はクライアント300の現在位置と現在時刻を把握する。サーバ200は、クライアント300を使用しているユーザAのこれまでの移動履歴、もしくは他のユーザの移動履歴を用いて、ユーザAの現在位置と現在時刻から、ユーザAが今後どのように移動するかを予測する。
予測方法としては、過去の移動履歴を用いて、現在の時刻、現在の曜日の場合に、ユーザAが移動する複数の移動ルート(実線及び破線で示す)のそれぞれについて、ユーザが移動する確率を求めて、最も高い移動ルートを選び出す。または、隠れマルコフモデルを用いた学習アルゴリズム等を用いて、現在の状態、もしくは現在までの一定期間の状態に応じて、移動履歴から求められる移動ルートの候補のなかから、移動ルートを予測する。図36では、ユーザAが移動する可能性のある複数の移動ルートのうち、実線で示すルートが最も確率の高いルートとして選び出された状態を示している。また、この移動予測においては、移動履歴のみ用いて、移動ルート、目的地を予測する方法の他に、予定表、メール、メモ帳のようなパーソナルコンテンツを解析することで、これからの予定を割り出し、目的地を予測する方法を用いることもできる。これにより、ユーザAの現在地、現在時刻に対して、ユーザAが今後どのように移動していくかを予測できる。
(3)移動予測と通信最適化の例
図37は、移動予測と通信最適化の例を示す模式図である。本実施形態では、クライアント300が移動する経路(図36、図37中に実線で示すルート)において、クライアント300が通信する通信エリア、通信速度などの電波環境情報を取得する。詳細には、ユーザAの通信履歴や電波強度測定履歴、携帯電話のキャリア会社やWiFiのアクセスポイントを管理する会社が持つ基地局の配置情報や位置に対する電波環境の情報により、WiFiや携帯電話の通信エリア、通信速度などの電波環境情報を認識できる。また、通信履歴、電波強度履歴は、他の複数のクライアント300からサーバ200に集めることで、電波環境情報の精度をより高めることができる。そして、この電波環境情報と移動予測のルートを照らし合わせることで、移動を予測されたルートにおいて、いつ、どの位置で、何の通信システムを用いて、どのくらいの速度で通信できるのかを知ることができる。
図37の例では、電波環境情報によりエリア1,2,3ではWiFi(WiFi_1,WiFi_2,WiFi_3による通信が可能であることがサーバ200において認識される。また、エリア4では、3G携帯電話による通信が可能であることがサーバ200において認識される。従って、サーバ200は、クライアント300が移動する経路において、クライアント300が利用可能な電波環境情報を知ることができる。
(4)移動予測に基づく部分同期
図38は、移動予測に基づいて部分同期を行う例を示す模式図である。ユーザの視聴履歴、操作履歴などを用いることで、ユーザがいつ、どこで、どんなデータを視聴していたかを知ることができ、場所、時間に応じた、視聴の習慣や嗜好を知ることができる。この場所、時間に応じた、習慣や嗜好の情報と移動予測のルートを照らし合わせることで、移動を予測されたルートにおいて、いつ、どの位置で、どんなデータを視聴する可能性が高いか知ることができる。また、パーソナルコンテンツから解析した目的地(行動予測)に応じたデータも同期する。
図38の例では、エリア11では、過去の視聴履歴、操作履歴からユーザAが主に音楽(ロック)を視聴していたことが得られる。また、エリア12では、動画(スポーツニュース)を視聴していたことが得られる。従って、サーバ200は、エリア11でユーザAが音楽(ロック)を聴けるように音楽(ロック)のデータをユーザAへ送信する。また、サーバ200は、エリア12でユーザAが動画(スポーツニュース)を視聴できるように動画(スポーツニュース)のデータをユーザAへ送信する。
(5)通信最適化と部分同期の例
図39は、通信最適化と部分同期の例を示す模式図である。図36〜図38と照らし合わせて説明すると、現在地点から地点Bまではロックの音楽を視聴すると予測されている。従って、音楽データを同期することは緊急度が高く、現在地からすぐに同期を行う。この場合、通信速度も遅く、通信料金も高く、消費電力が高いシステムであるが、緊急度が高いために、図37で示したような3G携帯電話網を用いて同期する。
地点Aまでには音楽データの同期が終了していることから、地点Aから地点Bまではオフライン状態だとしても、必要な音楽データは全てクライアントに同期されている。従って、ユーザAは音楽(ロック)を視聴することが可能である。地点A、地点B付近にはWiFiとの接続エリア(エリア1,2)があり、スポーツニュースの動画が必要になるのは地点C以降と予測されていることから、地点Cまでに緊急度の高い音楽データを優先して同期させるように通信の計画を行う。同時に、通信速度がより高く、通信料金がより安く、消費電力のより低い通信システムをできるだけ用いて動画データを同期させるように通信の計画を行う。そして、地点A付近(エリア1)と地点B付近(エリア2)のWiFiを用いた場合、これから同期しようとする動画データの容量に対して、同期させるのに十分な通信速度であることから、地点A付近と地点B付近のWiFiのみを用いて動画データを同期する。
図40は、図39に示す「音楽データ」と「動画データ」について、現在地における同期の緊急度とデータ量を表している。現在地において、ユーザの移動経路の予測が完了すると、サーバ200において、「音楽データ」と「動画データ」の双方をクライアント300へ同期する必要があることが認識される。ここで、「音楽データ」については、現在地からユーザが直ちに視聴する可能性があるため、緊急度が高い。このため、「音楽データ」の緊急度とデータ量を考慮した上で、図39に示すように3G携帯電話網を用いて同期する。一方、「動画データ」については、地点Cまでに同期を完了すれば良い。地点Cまでにはエリア1とエリア2のWiFiを使用できることが現在地の時点で判るため、「動画データ」の緊急度とデータ量を考慮した上で、エリア1とエリア2のWiFiを使用して同期を行う。
(6)サーバとクライアント間でのデータの送受信の概念
図41は、センシング時のサーバ200とクライアント300の動作例を示す模式図である。クライアント300から、時間情報、場所情報などのセンサーから抽出した情報と、操作履歴、視聴履歴、購入履歴のような履歴情報がサーバ200に送られる。サーバ200では、履歴情報やセンサーから抽出した情報をデータベース250に保存し、行動予測、同期最適化、通信最適化に用いる。
図42は、同期時のサーバ200とクライアント300の動作例を示す模式図である。クライアント300の現在地、現在時間に応じて、最適な通信タイミングで、最適なデータを同期する。ここでは、プライベートコンテンツデータベース206から予定表などを解析し、目的地の予測を行う。また、移動履歴データベースから、目的地の予測に応じた移動ルートを予測する。ただし、目的地の予測は、プライベートコンテンツの解析を用いるか、移動履歴のみを用いる。また、通信環境データベースを用いて、移動ルートの予測に応じた通信を行う時刻、通信を行う場所、通信システムの選択、伝送レートの選択、送信電力の選択などを行う。視聴履歴データベースから、移動ルートの予測に応じて部分的に同期されるデータの自動選択を行う。
(7)他のブロック構成
なお、図35では、通信情報、視聴情報、操作情報、センサ情報、位置情報に基づいて部分同期のデータを選択する例を示したが、全ての情報を用いる必要がない場合は、一部の情報のみを用いて部分同期を行うデータを選択しても良い。
例えば、図43は、移動予測を行うことなく、嗜好情報、習慣情報、センサー情報、現状態情報から部分同期のデータを選択し、通信情報に応じて同期する場合のブロック図を示している。
また、図44は、移動予測、通信最適化を行うことなく、嗜好情報、習慣情報、センサー情報、現状態情報から部分同期のデータを選択し、同期する場合のブロック図を示している。
以上説明したように、サーバに保管されている全てのデータを同期する場合、クライアント300のデータベースの記憶容量の大容量化が必要であり、また長い同期時間が必要となる。一方、各実施形態によれば、その人、その機器、その時間、その場所に、必要なデータのみ、膨大なサーバのデータベースからコピーすることで、視聴しない無駄なデータをクライアント300のデータベース350に保存する必要がなくなる。従って、クライアント300の小型化、低コスト化を達成することができる。また、全データをコピーする必要がないことから、通信コストの削減、送受信電力の削減が行える。また、オフラインになった場合も必要なデータのみ視聴することもでき、また、視聴する以前に同期をしておくことで、早急なデータの視聴も可能となる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
100 通信ネットワーク
200 サーバ
202 部分同期アルゴリズム
204 センサ情報データベース
206 プライベートコンテンツデータベース
208 商用コンテンツデータベース
210 部分同期コントローラ
212 視聴履歴・操作履歴データベース
220 通信情報データベース
224 位置情報・移動履歴データベース
300 クライアント
302 センサ
304 ユーザインタフェース

Claims (16)

  1. 通信ネットワークを介して接続されたクライアント端末において検知された、当該クライアント端末を使用するユーザの状態に関係する状態情報を取得する状態情報取得部と、
    ユーザが利用するコンテンツのデータを蓄積するデータベースと、
    前記状態情報に基づいて、前記データベースに蓄積されたデータの一部を選択する選択部と、
    前記選択部により選択されたデータを前記クライアント端末に送る送信部と、
    を備える、情報提供サーバ。
  2. 前記選択部は、前記クライアントのデータベースに既に蓄積されている既蓄積データと前記状態情報に基づいて選択されたデータとの差分に相当する差分データを選択する差分データ選択部を含み、
    前記送信部は、前記差分データを前記クライアント端末に送る、請求項1に記載の情報提供サーバ。
  3. 前記差分データ選択部は、前記既蓄積データと前記状態情報に基づいて選択されたデータのそれぞれについて、データ更新日時又はデータ更新番号に基づいて前記差分データを選択する請求項2に記載の情報提供サーバ。
  4. 前記ユーザの状態に関係する状態情報は、時間情報、場所情報、動作情報、映像情報、音声情報、圧力情報、匂い情報、温度情報、湿度情報、生体情報、購入情報の少なくともいずれか1つである、請求項1に記載の情報提供サーバ。
  5. 前記状態情報に基づいて、前記ユーザの嗜好、習慣、又は行動予定に関する情報を解析する解析部を備え、
    前記選択部は、前記ユーザの嗜好、習慣、又は行動予定に関する情報に基づいて、前記データベースに蓄積されたデータの一部を選択する、請求項1に記載の情報提供サーバ。
  6. 前記状態情報に基づいて、前記ユーザの過去又は未来の行動に関する情報を解析する解析部を備え、
    前記選択部は、前記ユーザの過去又は未来の行動に関する情報に基づいて、前記データベースに蓄積されたデータの一部を選択する、請求項1に記載の情報提供サーバ。
  7. 前記過去の行動に関する情報は、前記ユーザによる視聴履歴、操作履歴、購入履歴又は行動履歴から作成された情報である、請求項6に記載の情報提供サーバ。
  8. 前記未来の行動に関する情報は、前記ユーザが利用する予定表、電子メール又はメモ帳に保存されている情報から作成された情報である、請求項6に記載の情報提供サーバ。
  9. 前記選択部は、所定のイベントが発生した場合に前記データの一部を選択し、
    前記送信部は、前記所定のイベントが発生した場合に前記選択されたデータを前記クライアント端末に送る、請求項1に記載の情報提供サーバ。
  10. 前記送信部は、前記選択されたデータを前記クライアント端末に送るとともに、該当するユーザの全データのリストを前記クライアント端末に送る、請求項1に記載の情報提供サーバ。
  11. 前記状態情報に基づいて、前記ユーザの未来の移動経路に関する情報を解析する移動経路解析部を備え、
    前記選択部は、前記移動経路に関する情報に基づいて、前記データベースに蓄積されたデータの一部を選択する、請求項1に記載の情報提供サーバ。
  12. 前記状態情報として前記移動経路の通信環境に関する通信情報を取得する通信情報取得部を備え、
    前記選択部は、前記移動経路に関する情報と前記通信情報とに基づいて、前記データベースに蓄積されたデータの一部を選択する、請求項1に記載の情報提供サーバ。
  13. 前記状態情報に基づいて、前記ユーザの嗜好又は習慣に関する情報を解析する嗜好・習慣解析部を備え、
    前記選択部は、前記移動経路に関する情報、前記通信情報及び前記ユーザの嗜好又は習慣に関する情報に基づいて、前記データベースに蓄積されたデータの一部を選択する、請求項1に記載の情報提供サーバ。
  14. クライアント端末を使用するユーザの状態に関係する状態情報を取得する状態情報取得部と、ユーザが利用するコンテンツのデータを蓄積するデータベースと、前記状態情報に基づいて、前記データベースに蓄積されたデータの一部を選択する選択部と、前記選択部により選択されたデータを前記クライアント端末に送る送信部と、を有する、情報提供サーバと、
    前記状態情報を検知する状態情報検知部と、前記状態情報を、通信ネットワークを介して接続された前記情報提供サーバへ送信する送信部と、前記情報提供サーバから送信された前記選択されたデータが同期されるデータベースと、を有するクライアント端末と、
    を備える、情報提供システム。
  15. クライアント端末において、当該クライアント端末を使用するユーザの状態に関係する状態情報を検知するステップと、
    前記状態情報を、通信ネットワークを介して接続された情報提供サーバへ送信するステップと、
    前記状態情報に基づいて、前記情報提供サーバにおいて、ユーザが利用するコンテンツのデータを蓄積したデータベースからデータの一部を選択するステップと、
    前記選択されたデータを前記クライアント端末に送るステップと、
    前記クライアント端末のデータベースにおいて、前記情報提供サーバから送られた前記選択されたデータによりデータベースを同期するステップと、
    を備える、情報提供方法。
  16. 通信ネットワークを介して接続されたクライアント端末において検知された、当該クライアント端末を使用するユーザの状態に関係する状態情報を取得する手段、
    ユーザが利用するコンテンツのデータを蓄積する手段、
    前記状態情報に基づいて、前記データベースに蓄積されたデータの一部を選択する手段、
    前記選択されたデータを前記クライアント端末に送る手段、
    としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
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