JP2010211180A - レンズ駆動装置 - Google Patents

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猛 須江
Daisuke Higuchi
大輔 樋口
Akito Wada
昭人 和田
Tatsuki Waide
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Abstract

【課題】移動体の外周側に狭い隙間しか存在しない場合でも、十分な耐衝撃性を得ることのできるレンズ駆動装置を提供すること。
【解決手段】レンズ駆動装置において、レンズを保持する移動体3のスリーブ13は像側バネ部材14xによって支持されている。かかるスリーブ13において、像側バネ部材14xの可動側連結部144が連結されたバネ連結部13xより外周側には、バネ連結部13xよりも被写体側に凹む段部137xが形成されている。このため、移動体3の外周側に広い隙間が存在しなくても、バネ連結部13xの外周側には広い隙間が存在するので、段部137xによって拡張された隙間にアーム部145の一部を配置する。
【選択図】図6

Description

本発明は、レンズを備えた移動体にコイルが保持されたレンズ駆動装置に関するものである。
カメラ付き携帯電話機やデジタルカメラなどに搭載されるレンズ駆動装置は、レンズを備えた移動体と、この移動体の外側に配置された支持体と、移動体をレンズ光軸方向に磁気駆動する磁気駆動機構とを有している。また、レンズ駆動装置では、移動体の端部と支持体とをバネ部材で接続し、かかるバネ部材の付勢力と磁気駆動機構による推力とをバランスさせて移動体を光軸方向の所定位置に移動させる。
ここで、バネ部材は、移動体に連結された可動側連結部と、支持体に連結された固定側連結部と、固定側連結部と可動側連結部とに接続されたアーム部とを備えており、アーム部については、移動体と干渉しないように、移動体より外周側で延在するように配置されている(特許文献1参照)。
特開2008−281820号公報
近年、レンズ駆動装置については、撮像した画像の高品位化などを目的に画素数を増大させる傾向にあり、それに伴い、外径寸法の大きなレンズが使用されつつある。その結果、移動体の外径寸法が大になるにもかかわらず、レンズ駆動装置に対しては、小型化も要求されている。このため、移動体の外周側には、狭い隙間しか存在しないことになるため、アーム部と移動体との隙間やアーム部と支持体との隙間が狭くなる傾向にある。それ故、レンズ駆動装置に外力が加わって移動体が急激に変位すると、アーム部が移動体や支持体と接触して塑性変形を起こしてしまい、その後、正常な動作が行なえなくなるなど、耐衝撃性が低下するという問題点がある。かといって、アーム部の幅寸法を狭くすると、隙間寸法が広がる代わりに、アーム部のバネ定数が小さくなるため、レンズ駆動装置に外力が加わって移動体が急激に変位すると、アーム部が塑性変形を起こしてしまい、その後、正常な動作が行なえなくなるなど、耐衝撃性が低下するという問題点がある。
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、移動体の外周側に狭い隙間しか存在しない場合でも、十分な耐衝撃性を得ることのできるレンズ駆動装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明では、レンズを備えた移動体と、該移動体の外周側に配置された支持体と、前記移動体をレンズ光軸方向に磁気駆動する磁気駆動機構と、前記移動体におけるレンズ光軸方向の端部と前記支持体とを接続するバネ部材と、を有するレンズ駆動装置において、前記バネ部材は、前記移動体の端部に連結された可動側連結部と、前記支持体に連結された固定側連結部と、該固定側連結部と前記可動側連結部とを接続するアーム部と、を備え、前記移動体の外周面のうち、前記アーム部の一部に対して内周側に位置する部分には、径方向内側に凹む切り欠きが形成されていることを特徴とする。
本発明では、移動体において、バネ部材のアーム部の一部に対して外周側で隣接する位置には、径方向内側に凹む切り欠きが形成されているため、移動体と支持体との間に広い隙間が存在しなくても、アーム部と移動体との間に十分な隙間寸法を確保することができる。従って、レンズ駆動装置に外力が加わって移動体が急激に変位しても、アーム部が移動体と接触して塑性変形を起こすことがなく、レンズ駆動装置の耐衝撃性を向上することができる。
本発明において、前記アーム部の前記一部は、当該アーム部においてレンズ光軸からの距離が最も近い最小径部分である構成を採用することができる。このように構成すると、アーム部において移動体に最も接近する最小径部分に対して、移動体との間に十分な隙間寸法を確保することができる。
本発明において、前記可動側連結部は、前記アーム部の前記一部の内周側に位置し、前記移動体は、前記切り欠きに対して内周側で隣接する位置に、前記可動側連結部が連結されるバネ連結部を備え、前記移動体において前記バネ連結部に対して外周側で隣接する位置には、前記切り欠きによって前記バネ連結部よりもレンズ光軸方向に凹む段部が形成され、当該段部に対してレンズ光軸方向で重なる位置に前記アーム部の前記一部が配置されていることが好ましい。このように構成すると、バネ部材の可動側連結部が連結されたバネ連結部に対して外周側で隣接する位置には、バネ連結部よりもレンズ光軸方向に凹む段部が形成されている。このため、移動体の外周側に広い隙間が存在しなくても、バネ連結部の外周側には広い隙間が存在する。従って、段部によって拡張された隙間にアーム部の一部を配置すれば、アーム部の幅寸法を狭めなくても、アーム部と移動体との間に十分な隙間寸法を確保することができる。従って、レンズ駆動装置に外力が加わって移動体が急激に変位しても、アーム部が移動体や支持体と接触して塑性変形を起こすことがなく、レンズ駆動装置の耐衝撃性を向上することができる。それ故、撮像した画像の高品位化、および小型化の双方に対応することができる。
本発明において、前記バネ部材は、前記アーム部の前記一部に対して周方向にずれた位置に前記可動側連結部を互いに分割された状態で複数備え、前記移動体は、前記切り欠きに対して周方向にずれた位置に、前記可動側連結部が連結されるバネ連結部を備えている構成を採用することができる。このように構成すると、アーム部と移動体との間に十分な隙間を確保できない箇所にバネ連結部を設ける必要がないので、アーム部の全体にわたって移動体との間に十分な隙間を確保することができる。
かかる構成の場合、前記移動体には、前記切り欠きによって前記バネ連結部よりも前記レンズ光軸方向に凹む凹部が形成され、当該凹部に対して前記レンズ光軸方向で重なる位置に前記アーム部の前記一部が配置されている構成を採用することができる。このように構成すると、レンズ光軸方向に凹む凹部内にアーム部の一部を配置することができるので、アーム部の幅寸法を狭めなくても、アーム部と移動体との間やアーム部と支持体との間に十分な隙間寸法を確保することができる。
ここで、前記切り欠きは、前記移動体の筒部を厚さ方向の全体にわたって切り欠いた形状を備えている構成を採用することができる。このように構成すると、レンズ駆動装置に外力が加わって移動体が急激に変位しても、凹部は径方向に十分な寸法を備えているため、アーム部が移動体と接触して塑性変形を起こすことがなく、レンズ駆動装置の耐衝撃性を向上することができる。
本発明において、前記切り欠きは、前記移動体の外周面に外接する仮想円の一部を切り欠いた形状の平面部である構成を採用してもよい。
この場合、前記支持体は、前記移動体を外周側で囲む四角形の角筒部を備え、前記切り欠きは、前記四角形の辺に対応する位置で前記レンズ光軸方向に延在していることが好ましい。このように構成すると、支持体の角筒部と移動体との間に十分な隙間を確保することができる分、移動体の外形寸法を大きくすることができる。それ故、レンズの大径化を図ることができる等の利点がある。
本発明において、前記可動側連結部の内周縁には、径方向外側に向けて凹んだ凹みを備えていることが好ましい。バネ部材において可動側連結部を互いに分割された状態で複数形成されていると、バネ部材の取り扱いや、可動側連結部を移動体に連結する際に多大な手間がかかる。従って、可動側連結部をフレームで連結しておき、途中でフレームを除去すればよい。但し、フレームを除去した部分にバリが残ると、移動体へのレンズの取り付け等の妨げになる。しかるに本発明では、可動側連結部の内周縁には径方向外側に向けて凹んだ凹みが形成され、かかる凹みにフレームが連結されている構成を採用する。かかる構成によれば、フレームを除去した部分にバリが発生しても、バリは凹みの内側であり、張り出さないので、移動体へのレンズの取り付け等の妨げになることはない。
本発明において、前記バネ部材は、前記アーム部を4本備え、当該4本のアーム部において、周方向で隣り合うアーム部同士は形状が相違し、光軸を挟んで対向するアーム部同士は形状が一致していることが好ましい。移動体と支持体との間において、移動体を挟んで一方方向で対向する一方の隙間同士は寸法が同一であるが、かかる一方の隙間と、移動体を挟んで他方方向で対向する他方の隙間との間で隙間の寸法が相違することが多い。このような場合でも、周方向で隣り合うアーム部同士は形状が相違している構成を採用すれば、隙間寸法を最大限生かした構成のアーム部を構成することができる。
本発明において、前記バネ部材は、前記移動体の像側端部と前記支持体とを接続する像側バネ部材であることが好ましい。移動体の外周側では、被写体側よりも像側の方が空間的な制約が大きいので、かかる像側に本発明を適用すれば、像側バネ部材に対して最適な設計を行なうことができる。
本発明では、前記移動体において、前記切り欠きによって前記段部が形成され、当該段部に対して前記レンズ光軸方向で重なる位置に前記アーム部の前記一部が配置されている場合、前記磁気駆動機構の停止期間中、前記アーム部の一部は、前記移動体において被写体側で対向する部分との間、および前記支持体において像側で対向する部分との間に略同一寸法の隙間を隔てていることが好ましい。このように構成すると、レンズ駆動装置に外力が加わって移動体が急激に変位した際、あるいは磁気駆動機構によって移動体を駆動した際、アーム部が移動体や支持体と接触しないので、アーム部が塑性変形を起こすことがない。それ故、レンズ駆動装置の耐衝撃性をさらに向上することができる。
本発明において、前記磁気駆動機構の停止期間中、前記移動体は、前記支持体において当該移動体より像側に位置する部分に当接していることが好ましい。かかる構成によれば、磁気駆動機構が停止している期間中、レンズ駆動装置に外力が加わっても、移動体は、支持体に当接したまま像側に変位しないので、レンズ駆動装置の耐衝撃性をさらに向上することができる。
本発明において、前記移動体は、前記バネ連結部より像側に突出したストッパ部を備え、前記磁気駆動機構の停止期間中、前記ストッパ部が、前記支持体において像側で対向する部分に当接することにより、前記固定側連結部よりも前記可動側連結部が被写体側に位置していることが好ましい。かかる構成によれば、像側バネ部材によって移動体を像側に付勢する構成を実現することができる。
本発明では、移動体において、バネ部材のアーム部の一部に対して外周側で隣接する位置には、径方向内側に凹む切り欠きが形成されているため、移動体と支持体との間に広い隙間が存在しなくても、アーム部と移動体との間に十分な隙間寸法を確保することができる。従って、レンズ駆動装置に外力が加わって移動体が急激に変位しても、アーム部が移動体と接触して塑性変形を起こすことがなく、レンズ駆動装置の耐衝撃性を向上することができる。
本発明の実施の形態1に係るレンズ駆動装置の全体構成を示す説明図である。 本発明の実施の形態1に係るレンズ駆動装置をさらに細かく分解した分解斜視図である。 本発明の実施の形態1に係るレンズ駆動装置の断面図である。 本発明の実施の形態1に係るレンズ駆動装置に用いたバネ部材およびスリーブの説明図である。 本発明の実施の形態1に係るレンズ駆動装置に用いた像側バネ部材のスリーブへの取り付け部分の説明図である。 本発明の実施の形態1に係るレンズ駆動装置に用いたスリーブの像側端部の説明図である。 本発明の実施の形態2に係るレンズ駆動装置の全体構成を示す説明図である。 本発明の実施の形態2に係るレンズ駆動装置に用いたバネ部材およびスリーブの説明図である。 本発明の実施の形態2に係るレンズ駆動装置1に用いた像側バネ部材のスリーブへの取り付け部分の説明図である。 本発明の実施の形態3に係るレンズ駆動装置の全体構成を示す説明図である。 本発明の実施の形態3に係るレンズ駆動装置の移動体の説明図である。 本発明の実施の形態3に係るレンズ駆動装置に用いたバネ部材およびスリーブの説明図である。 本発明の実施の形態3に係るレンズ駆動装置に用いた像側バネ部材のスリーブへの取り付け部分の説明図である。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明するレンズ駆動装置は、カメラ付き携帯電話機の他にも、様々な電子機器に取り付けることが可能である。例えば、薄型のデジタルカメラ、PHS、PDA、バーコードリーダ、監視カメラ、車の背後確認用カメラ、光学的認証機能を有するドア等に用いることができる。
[実施の形態1]
(レンズ駆動装置の全体構成)
図1は、本発明の実施の形態1に係るレンズ駆動装置の全体構成を示す説明図であり、図1(a)、(b)は各々、本発明の実施の形態1に係るレンズ駆動装置を斜め上方からみた外観図、および分解斜視図である。図2は、本発明の実施の形態1に係るレンズ駆動装置を図1(b)に示す状態よりさらに細かく分解した分解斜視図である。図3は、本発明の実施の形態1に係るレンズ駆動装置の断面図である。なお、図3では、レンズやレンズホルダの図示を省略してある。
図1(a)、(b)、図2および図3において、本形態のレンズ駆動装置1は、カメラ付き携帯電話機などに用いられる薄型カメラにおいて、例えばレンズ36や絞りを光軸方向L(レンズ光軸方向)に沿って被写体(物体側)に近づくA方向(前側)、および被写体とは反対側(像側)に近づくB方向(後側)の双方向に移動させるためのものであり、略直方体形状を有している。レンズ駆動装置1は、概ね、1枚乃至複数枚のレンズ36および固定絞りを内側に備えた円筒状のレンズホルダ30を有する移動体3と、この移動体3を光軸方向Lに沿って移動させる磁気駆動機構5と、磁気駆動機構5および移動体3などが搭載された支持体2とを有している。移動体3は、円筒状のスリーブ13を備えており、その内側に円筒状のレンズホルダ30が固着されている。従って、移動体3の外形形状はスリーブ13によって規定され、略円柱形状を備えている。
支持体2は、像側に撮像素子(図示せず)を保持するための矩形の樹脂板からなるホルダ19を有しているとともに、被写体側には、キャップ16、箱状のヨーク18、およびスペーサ11を有している。スペーサ11、キャップ16およびヨーク18の中央には、被写体からの光をレンズ36に取り込むための円形の入射窓110、160、180が各々形成されている。ヨーク18は、鋼板などの強磁性板からなり、後述するように、マグネット17とともに、スリーブ13に保持された第1コイル31および第2コイル32に鎖交磁界を発生させる鎖交磁界発生体4を構成している。
キャップ16は、金属製のプレス加工品であり、天板部165と、天板部165から撮像素子側に向けて折り曲げられた4枚の側板部161、162、163、164とを備えており、側板部161、162、163、164は、天板部165の辺部と略同等の幅寸法で延びている。スペーサ11は、ヨーク18の内側に固着された矩形枠部分115と、矩形枠部分115から撮像素子側に向けて突出する柱状突起119とを備えており、ヨーク18の天板部185の内面に固着されている。スペーサ11において、矩形枠部分115の四隅には、被写体側とは反対側(像側)に突き出た小突起(図示せず)が形成されており、かかる小突起は、後述する被写体側バネ部材14yを支持体2に接続する際に用いられる。
ホルダ19には、その中央部分にレンズ36を介して入射した光を撮像素子によって受光可能とする開口部190が形成されている。また、ホルダ19の四隅には、被写体側に向けて突出した小突起192が形成されており、ホルダ19の小突起192は、後述する像側バネ部材14xを支持体2に接続する際に用いられる。ホルダ19の側壁部191の内面には凹部191aが形成されており、かかる凹部191aは、後述するように、スリーブ13の回転範囲規制、あるいはラジアル方向の移動規制に用いられている。
(磁気駆動機構5の構成)
磁気駆動機構5は、スリーブ13の外周面に巻回された第1コイル31および第2コイル32と、第1コイル31および第2コイル32に鎖交磁界を発生させる鎖交磁界発生体4とを備え、第1コイル31、第2コイル32および鎖交磁界発生体4により磁気駆動機構5が構成されている。鎖交磁界発生体4は、第1コイル31および第2コイル32に対して外周側で対向する4つのマグネット17を備えており、ヨーク18も磁気駆動機構5の構成要素として用いられている。
ヨーク18は、被写体側に位置する第2コイル32の上面側を覆う天板部185と、第1コイル31および第2コイル32の側面側を覆う側板部181、182、183、184とを備えた箱形状を有しており、マグネット17と第1コイル31および第2コイル32との間に構成される磁路からの漏れ磁束を少なくしている。かかる構成により、移動体3の移動量と、第1コイル31および第2コイル32に流す電流との間のリニアリティを向上することができる。
本形態において、4つのマグネット17は各々、略三角柱形状を備えており、ヨーク18の内周面のうち、4つの角部分に周方向で離間した状態で固定されている。4つのマグネット17はいずれも光軸方向Lにおいて2分割されており、いずれにおいても内面と外面とが異なる極に着磁されている。4つのマグネット17では、例えば、上半分では内面がN極に着磁され、外面がS極に着磁され、下半分では、内面がS極に着磁され、外面がN極に着磁されている。従って、第1コイル31と第2コイル32とでは、コイル線の巻回方向は反対である。このように、マグネット17を四隅に分割して配置すれば、ヨーク18の辺部の中央部分において、ヨーク18とスリーブ13との隙間が狭くなっている場合でも、マグネット17に薄い部分が発生することを防止でき、マグネット17の強度を高めることができるとともに、移動体3に搭載された第1コイル31および第2コイル32に対して、効率よくマグネット17の磁気力を作用させることができる。また、移動体3とヨーク18との間の四隅の空間を、マグネット17の配置スペースとして有効利用することにより、レンズ駆動装置1全体の小型化を図ることができる。
(バネ部材およびその周辺の構成)
本形態のレンズ駆動装置1は、さらに、ホルダ19とスリーブ13との間、およびスペーサ11とスリーブ13との間の各々に、支持体2と移動体3とを接続する像側バネ部材14xおよび被写体側バネ部材14yを備えている。像側バネ部材14xおよび被写体側バネ部材14yはいずれも、ベリリウム銅やSUS系鋼材などといった金属製であり、所定厚の薄板に対するプレス加工、あるいはフォトリソグラフィ技術を用いたエッチング加工により形成したものである。かかる像側バネ部材14xおよび被写体側バネ部材14yは、移動体3をレンズ光軸に沿って移動可能に支持体2に支持された状態とする。
像側バネ部材14xおよび被写体側バネ部材14yのうち、ホルダ19側(像側)に配置された像側バネ部材14xは、2つのバネ片14a、14bに2分割されており、第1コイル31および第2コイル32の2本の端部(巻き始め端部および巻き終わり端部)は各々、バネ片14a、14bに接続される。従って、像側バネ部材14x(バネ片14a、14b)は第1コイル31および第2コイル32に対する給電部材としても機能する。かかるバネ片14a、14bについては、それを折り曲げ加工を行なって支持体2の外側まで引き出して外部と電気的な接続に利用することができる。但し、本形態では、バネ片14a、14bとは別体の端子12x、12yをホルダ19に固着してある。
(磁気バネの構成)
レンズ駆動装置1は、さらに、スリーブ13の上端に保持されたリング状の磁性片130を備えており、このような磁性片130は、マグネット17との間に作用する吸引力により移動体3に対して光軸方向Lの付勢力を印加する磁気バネを構成する。このため、移動体3が無通電時に自重で変位することを防止することができるため、移動体3に所望の姿勢を維持させ、さらに耐衝撃性を向上させることが可能である。また、磁性片130は、一種のバックヨークとして作用し、マグネット17と第1コイル31および第2コイル32との間に構成される磁路からの漏れ磁束を少なくすることができる。なお、磁性片としては、棒状の磁性体が用いられることもある。
(スリーブ13の構成)
スリーブ13の外周面には、像側端部および被写体側端部に円環状のリブ状突起136、139が形成されているとともに、リブ状突起136、139で挟まれた中間位置よりもわずかに被写体側にずれた位置に円環状のリブ状突起138が形成されている。このため、スリーブ13の外周面には、リブ状突起136、138で挟まれた部分に第1コイル31を巻回する部分131が形成され、リブ状突起138、139で挟まれた部分に第2コイル32を巻回する部分132が形成されている。
このように構成したスリーブ13において、リブ状突起136には、外周側に向けて突き出た突起136eが等角度間隔に4つ形成されており、中間のリブ状突起138にも、外周側に向けて突き出た突起138eが等角度間隔に4つ形成されている。突起138eは突起136eに比較して、半径方向外側まで突出している。かかる突起138eは、周方向で隣接するマグネット17の間に位置する。また、突起136eは、ホルダ19の側壁部191の内面に形成した凹部191aの内側に位置する。従って、突起136e、138eは、移動体3の回転範囲規制、あるいはラジアル方向への移動規制を行なう干渉用凸部としても機能する。すなわち、図3に示すように、像側において、支持体2と移動体3との間におけるクリアランスG1は、スリーブ13の突起136eと、ホルダ19の側壁部191の凹部191aの内面とのラジアル方向の隙間寸法によって規定されている。また、撮像素子側と被写体側との中間部分において、支持体2と移動体3との間におけるクリアランスG2は、スリーブ13の突起138eと、ヨーク18の側板部181、182、183、184の内面とのラジアル方向の隙間寸法によって規定されている。
なお、被写体側において、支持体2と移動体3との間におけるクリアランスG3は、スリーブ13と、スペーサ11において撮像素子側に向けて突出する柱状突起119とのラジアル方向の隙間寸法によって規定されている。
スリーブ13においてリブ状突起139の上面は、被写体側バネ部材14yを連結するためのバネ連結部13yになっており、スリーブ13の下端面(像側端面)は、像側バネ部材14xを連結するためのバネ連結部13xになっている。
また、スリーブ13の像側端部には、バネ連結部13xよりさらに像側に突き出たストッパ部135が等角度間隔に4つ形成されており、かかるストッパ部135は、ホルダ19と干渉して移動体3の像側への可動範囲を規定している。
(バネ部材およびスリーブ13の詳細な構成)
図4、図5および図6を参照して、本発明の実施の形態1に係るレンズ駆動装置に用いたバネ部材(像側バネ部材14xおよび被写体側バネ部材14y)およびスリーブの詳細な構成を説明する。図4は、本発明の実施の形態1に係るレンズ駆動装置1に用いたバネ部材およびスリーブ13の説明図であり、図4(a)、(b)、(c)は各々、スリーブ13に像側バネ部材14xおよび被写体側バネ部材14yを取り付けた状態を被写体側からみた斜視図、スリーブ13に像側バネ部材14xのみを取り付けた状態を像側からみた斜視図、およびスリーブ13のみを像側からみた斜視図である。図5は、本発明の実施の形態1に係るレンズ駆動装置1に用いた像側バネ部材14xのスリーブ13への取り付け部分の説明図であり、図5(a)、(b)、(c)は各々、像側バネ部材14xを像側からみた底面図、スリーブ13を像側からみた底面図、およびスリーブ13に像側バネ部材14xを取り付けた状態を像側からみた底面図である。図6は、本発明の実施の形態1に係るレンズ駆動装置1に用いたスリーブ13の像側端部の説明図であり、図6(a)、(b)は各々、スリーブ13の側面図、およびスリーブ13の像側端部を拡大して示す説明図である。
図4(a)に示すように、被写体側バネ部材14yは、支持体2(スペーサ11)に保持される4つの固定側連結部143と、スリーブ13の上端に連結された円環枠状の可動側連結部144と、固定側連結部143と可動側連結部144とを連結する4本のアーム部145とを備えている。これら4本のアーム部145はいずれも、可動側連結部144との接続部分から略円弧状に延在する第1バネ部分145aと、外周側に湾曲しながら折り返す蛇行部をもって固定側連結部143まで延びた第2バネ部分145bとを備えている。可動側連結部144には、スリーブ13のバネ連結部13yとの連結のための切り欠きが形成されており、かかる切り欠きを利用して、可動側連結部144とバネ連結部13yとの接着などが行なわれる。これに対して、固定側連結部143には、スペーサ11との連結のための小穴143aが形成されている。
図4(a)、(b)および図5(a)、(c)に示すように、像側バネ部材14xも、被写体側バネ部材14yと同様、支持体2(ホルダ19)に保持される4つの固定側連結部143と、スリーブ13の下端に連結された円環枠状の可動側連結部144と、固定側連結部143と可動側連結部144とを連結する4本のアーム部145とを備えている。これら4本のアーム部145はいずれも、可動側連結部144との接続部分から略円弧状に延在する第1バネ部分145aと、外周側に湾曲しながら折り返す蛇行部をもって固定側連結部143まで延びた第2バネ部分145bとを備えている。
かかる構成の像側バネ部材14xにおいて、第1バネ部分145aは、最も径方向内側に位置する最小径部分であり、かかる最小径部分の径方向内側に円弧状に延在した可動側連結部144が位置している。
像側バネ部材14xは、2つのバネ片14a、14bに分割され、第1コイル31および第2コイル32に対する給電部材として利用される。従って、第1コイル31および第2コイル32を構成する1本のコイル線の両端部(巻き始め端部および巻き終わり端部)は、2つのバネ片14a、14bにハンダ付けなどの方法で接続される。但し、像側バネ部材14xは、製造途中までは、フレーム(図示せず)を介してバネ片14a、14bが繋がっており、レンズ駆動装置1への組み立て途中で2つのバネ片14a、14bに分割される。このため、バネ片14a、14bは、フレームとの切り離し箇所141a、141bを備えている。
かかる構成のバネ部材(像側バネ部材14xおよび被写体側バネ部材14y)において、第1バネ部分145aは横バネ定数が大きいという利点がある一方、第2バネ部分145bは、横バネ定数が小さいが、蛇行部を有している分、光軸方向Lの広い変形範囲にわたって縦バネ定数が一定であるという利点を有している。従って、本形態によれば、横バネ定数が大きいという要求と、光軸方向Lにおける広い範囲にわたって縦バネ定数が一定にあるという要求とを満たすことができる。それ故、十分なレベルの横バネ定数を実現することにより移動体3が側方向、すなわち光軸方向と直交する方向にずれることを防止できるとともに、光軸方向Lの広い変位範囲にわたって縦バネ定数を一定にすることができる。なお、本形態で用いた像側バネ部材14xおよび被写体側バネ部材14yでは、4つのアーム部145が同じ方向に延在するように略回転対称に形成されていたが、4つのアーム部145のうちの2つが線対称に形成されている構成等を採用してもよい。
このように構成した像側バネ部材14xにおいて、4本のアーム部145では、周方向で隣り合うアーム部同士は形状が相違し、光軸を挟んで対向するアーム部同士は形状が一致している。本形態では、4本のアーム部145において、周方向で隣り合うアーム部同士は、第1バネ部分145aの長さが相違する。このため、移動体3と支持体2との間において、移動体3を挟んで一方方向で対向する一方の隙間同士は寸法が同一であるが、かかる一方の隙間と、移動体3を挟んで他方方向で対向する他方の隙間と間で隙間の寸法が相違するばあいでも、隙間寸法を最大限生かした構成のアーム部145を構成することができる。
(像側バネ部材14xとスリーブ13との位置関係)
像側バネ部材14xをスリーブ13に対して配置するにあたって、本形態では、図5(b)、(c)および図6(a)、(b)に示すように、スリーブ13の像側端面からなるバネ連結部13xに対して外周側で隣接する位置には、径方向内側に凹む切り欠きが形成されており、かかる切り欠きによって、バネ連結部13xよりも光軸方向Lの被写体側に向けて凹む段部137x(図5(b)に右上がりの斜線を付した領域)が形成されている。かかる段部137xは、図6(b)に拡大して示すように、バネ連結部13xの外周側において、バネ連結部13xの外周縁から直角に曲がって外周側を向く内周側縦壁部分137aと、内周側縦壁部分137aの上縁で直角に曲がって像側のホルダ19に対向する横壁部分137bと、横壁部分137bの外周縁から直角に曲がって外周側を向く外周側縦壁部分137cと、外周側縦壁部分137cの上縁に外周側で繋がる斜め下向きのテーパー部分137dとを備えている。
ここで、テーパー部分137dは、図5(b)に示すように、ストッパ部135の形成位置を除く略全周に形成されているのに対して、内周側縦壁部分137a、横壁部分137b、および外周側縦壁部分137cは概ね、突起136eと、突起136eに対して時計周りの一方側で隣接するストッパ部135との間に形成されているだけである。それでも、内周側縦壁部分137a、横壁部分137b、および外周側縦壁部分137cは、像側バネ部材14xのアーム部145の第1バネ部分145aが延在している角度範囲に形成されている。
そこで、本形態では、図6(b)に示すように、像側バネ部材14xのアーム部145については、第1バネ部分145a(像側バネ部材14xの一部/アーム部145の最小径部分)が段部137xに対して像側で重なるように配置されている。すなわち、第1バネ部分145aの幅方向の内周側に位置する部分は、横壁部分137bの外周側に像側で重なり、第1バネ部分145aのその他の部分は、テーパー部分137dに像側で重なっている。
このようにして像側バネ部材14xをスリーブ13の像側端部に連結して、移動体3を支持体2に組み込むと、スリーブ13のストッパ部135がホルダ19に当接する。ここで、ストッパ部135は、バネ連結部13xよりも像側に突出している。このため、像側バネ部材14xは、固定側連結部143よりも可動側連結部144が被写体側に位置することになる。従って、磁気駆動機構5において、第1コイル31および第2コイル32に対する通電を停止している待機期間中、移動体3は、像側バネ部材14xの付勢力を受けて、スリーブ13のストッパ部135がホルダ19に弾性をもって当接する。
かかる状態で、第1バネ部分145aの幅方向の内周側に位置する部分は、内周側縦壁部分137aとの間に十分な隙間寸法G13を有し、第1バネ部分145aの上面は、横壁部分137bとの間に十分な隙間寸法G11を有している。本形態では、第1バネ部分145aの上面と横壁部分137bとの間の隙間寸法G11については、第1コイル31および第2コイル32に対する通電を停止している期間(磁気駆動機構5の停止期間中)、第1バネ部分145aの下面とホルダ19との間の隙間寸法G12と略同一となるようにストッパ部135の突出寸法を設定してある。
(基本的な動作、および本形態の主な効果)
本形態のレンズ駆動装置1において、第1コイル31および第2コイル32に対する通電を停止して磁気駆動機構5を停止させている待機期間中、像側バネ部材14xおよび被写体側バネ部材14yの付勢力によって、移動体3は、像側に位置し、スリーブ13の像側端部に形成されたストッパ部135がホルダ19に弾性をもって当接している状態にある。
このような状態において、第1コイル31および第2コイル32に所定方向の電流を流すと、第1コイル31および第2コイル32は、それぞれ上向き(前側)の電磁力を受けることになる。これにより、第1コイル31および第2コイル32が固着されたスリーブ13は、被写体側(前側/矢印Aで示す方向)に移動し始めることになる。このとき、被写体側バネ部材14yとスリーブ13の前端との間、および像側バネ部材14xとスリーブ13の後端との間には、それぞれスリーブ13の移動を規制する弾性力が発生する。このため、スリーブ13を前側に移動させようとする電磁力と、スリーブ13の移動を規制する弾性力とが釣り合ったとき、スリーブ13は停止する。その際、像側バネ部材14xおよび被写体側バネ部材14yによってスリーブ13に働く弾性力に応じて、第1コイル31および第2コイル32に流す電流量を調整することで、スリーブ13(移動体3)を所望の位置に停止させることができる。
本形態では、像側バネ部材14xおよび被写体側バネ部材14yとして、弾性力(応力)と変位量(歪み量)との間に線形関係が成立する板バネ(ジンバルバネ)を用いていることから、スリーブ13の移動量と第1コイル31および第2コイル32に流す電流との間のリニアリティを向上させることができる。また、像側バネ部材14xおよび被写体側バネ部材14yからなる2つのバネ部材を用いていることから、スリーブ13が停止したときに光軸の方向に大きな釣り合いの力が加わることになり、光軸の方向に遠心力や衝撃力等の他の力が働いたとしても、より安定してスリーブ13を停止させることができる。さらに、レンズ駆動装置1では、スリーブ13を停止させるのに、衝突材(緩衝材)等に衝突させて停止させるのではなく、電磁力と弾性力との釣り合いを利用して停止させることとしているので、衝突音の発生を防ぐことも可能である。
また、本形態では、移動体3において、像側バネ部材14xの可動側連結部144が連結されたバネ連結部13xに対して外周側で隣接する位置には、バネ連結部13xよりも被写体側に凹む段部137x(切り欠き)が形成されている。このため、移動体3の外周側に広い隙間が存在しなくても、バネ連結部13xの外周側には広い隙間が存在する。そこで、本形態では、段部137xによって拡張された隙間に、本形態のアーム部145において最小径部分に相当する第1バネ部分145a(アーム部145の一部)が配置されているので、アーム部145の幅寸法を狭めなくても、アーム部145と移動体3との間やアーム部145と支持体2との間に十分な隙間寸法を確保することができる。すなわち、移動体3の外周側に広い隙間が存在しなくても、アーム部145の第1バネ部分145aを十分な幅寸法に構成することができ、第1バネ部分145aの横バネ定数を大きくすることができる。従って、レンズ駆動装置1に外力が加わって移動体3が急激に変位しても、アーム部145が移動体3や支持体2と接触して塑性変形を起こすことがなく、レンズ駆動装置1の耐衝撃性を向上することができる。
また、本形態では、像側および被写体側のうち、像側においてスリーブ13に段部137xを形成したため、より効果的である。すなわち、移動体3の外周側では、ホルダ19の側壁部191が位置するなどの理由から、被写体側よりも空間的な制約が大きいが、かかる像側においてスリーブ13に段部137xを形成したため、像側バネ部材14xに対して最適な設計を行なうことができる。
また、磁気駆動機構5の停止期間中、像側バネ部材14xは、固定側連結部143よりも可動側連結部144が被写体側に位置しているため、移動体3は、像側バネ部材14xの付勢力を受けて支持体2において移動体3より像側に位置するホルダ19に弾性をもって当接している。このため、磁気駆動機構5が停止している期間中、レンズ駆動装置1に外力が加わっても、移動体3は、支持体2に当接したまま像側に変位しないので、レンズ駆動装置1の耐衝撃性をさらに向上することができる。
しかも、磁気駆動機構5の停止期間中、段部137xに対して像側で重なる位置に配置された像側バネ部材14xの第1バネ部分145aは、移動体3において被写体側で対向するスリーブ13の横壁部分137bとの間、および支持体2において像側で対向するホルダ19との間に略同一寸法の隙間を隔てている。このため、レンズ駆動装置1に外力が加わって移動体3が急激に変位した際、あるいは磁気駆動機構5によって移動体3を駆動した際、アーム部145が振動しても、第1バネ部分145aが移動体3のスリーブ13や支持体2のホルダ19と接触しない。それ故、アーム部145が塑性変形を起こすことがないので、レンズ駆動装置1の耐衝撃性をさらに向上することができる。
なお、本形態では、スリーブ13の段部137xに像側バネ部材14xのアーム部145のうち、円弧状に延在した第1バネ部分145aを配置したが、スリーブ13の段部137xに対して、像側バネ部材14xのアーム部145のうち、蛇行部をもった第2バネ部分145bを配置してもよい。かかる構成によれば、第2バネ部分145bにおいて蛇行部の形成範囲を拡張することができる。
[実施の形態2]
(レンズ駆動装置の全体構成)
図7は、本発明の実施の形態2に係るレンズ駆動装置の全体構成を示す説明図であり、図7(a)、(b)は各々、本発明の実施の形態2に係るレンズ駆動装置を斜め上方からみた外観図、および分解斜視図である。なお、本形態の基本的な構成は実施の形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付してそれらの詳細な説明を省略する。
図7(a)、(b)において、本形態のレンズ駆動装置1も、実施の形態1と同様、カメラ付き携帯電話機などに用いられる薄型カメラにおいて、例えばレンズ36や絞りを光軸方向Lに沿って被写体(物体側)に近づくA方向(前側)、および被写体とは反対側(像側)に近づくB方向(後側)の双方向に移動させるためのものであり、略直方体形状を有している。レンズ駆動装置1は、概ね、1枚乃至複数枚のレンズ36や固定絞りを保持する移動体3と、この移動体3を光軸方向Lに沿って移動させる磁気駆動機構5と、磁気駆動機構5および移動体3などが搭載された支持体2とを有している。移動体3は、円筒状のスリーブ13を備えており、その内側に円筒状のレンズホルダ30が保持されている。従って、移動体3の外形形状はスリーブ13によって規定され、略円柱形状を備えている。なお、スリーブ13の上端にはリング状の磁性片(図示せず)が保持されており、かかる磁性片130は、マグネット17との間に作用する吸引力により移動体3に対して光軸方向Lの付勢力を印加する磁気バネを構成する。
支持体2は、像側に撮像素子(図示せず)を保持するための矩形の樹脂板からなるホルダ19を有しているとともに、被写体側には、箱状のヨーク18およびスペーサ11を有している。ヨーク18は、鋼板などの強磁性板からなり、マグネット17とともに、スリーブ13に保持された第1コイル31および第2コイル32に鎖交磁界を発生させる鎖交磁界発生体4を構成している。
スペーサ11は、ヨーク18の内側に固着された矩形枠部分115と、矩形枠部分115から撮像素子側に向けて突出する柱状突起119とを備えており、ヨーク18の天板部185の内面に固着されている。スペーサ11において、矩形枠部分115の四隅には、被写体側とは反対側(像側)に突き出た小突起118が形成されており、かかる小突起は、後述する被写体側バネ部材14yを支持体2に接続する際に用いられる。
ホルダ19には、その中央部分にレンズ36を介して入射した光を撮像素子によって受光可能とする開口部190が形成されている。また、ホルダ19の四隅には、被写体側に向けて突出した小突起192が形成されており、ホルダ19の小突起192は、後述する像側バネ部材14xを支持体2に接続する際に用いられる。また、ホルダ19には端子12x、12yが固着されている。
磁気駆動機構5は、スリーブ13の外周面に巻回された第1コイル31および第2コイル32と、第1コイル31および第2コイル32に鎖交磁界を発生させる鎖交磁界発生体4とを備え、第1コイル31、第2コイル32および鎖交磁界発生体4により磁気駆動機構5が構成されている。鎖交磁界発生体4は、第1コイル31および第2コイル32に対して外周側で対向する4つのマグネット17を備えており、ヨーク18も磁気駆動機構5の構成要素として用いられている。
ヨーク18は、被写体側に位置する第2コイル32の上面側を覆う天板部185と、第1コイル31および第2コイル32の側面側を覆う側板部181、182、183、184とを備えた箱形状を有しており、マグネット17と第1コイル31および第2コイル32との間に構成される磁路からの漏れ磁束を少なくしている。本形態において、4つのマグネット17は各々、略三角柱形状を備えており、ヨーク18の内周面のうち、4つの角部分に周方向で離間した状態で固定されている。4つのマグネット17はいずれも光軸方向Lにおいて2分割されており、いずれにおいても内面と外面とが異なる極に着磁されている。
本形態のレンズ駆動装置1は、ホルダ19とスリーブ13との間、およびスペーサ11とスリーブ13との間の各々に、支持体2と移動体3とを接続する像側バネ部材14xおよび被写体側バネ部材14yを備えている。
(スリーブ13の構成)
図8は、本発明の実施の形態2に係るレンズ駆動装置1に用いたバネ部材およびスリーブ13の説明図であり、図8(a)、(b)、(c)は各々、スリーブ13に像側バネ部材14xを取り付けた状態を被写体側からみた斜視図、スリーブ13に像側バネ部材14xを取り付けた状態を像側からみた斜視図、およびスリーブ13のみを像側からみた斜視図である。図9は、本発明の実施の形態2に係るレンズ駆動装置1に用いた像側バネ部材14xのスリーブ13への取り付け部分の説明図であり、図9(a)、(b)、(c)は各々、像側バネ部材14xを像側からみた底面図、スリーブ13を像側からみた底面図、およびスリーブ13に像側バネ部材14xを取り付けた状態を像側からみた底面図である。
図7、図8および図9に示すように、スリーブ13の外周面には、像側端部および被写体側端部に円環状のリブ状突起136、139が形成されているとともに、リブ状突起136、139で挟まれた中間位置に円環状のリブ状突起138が形成されている。リブ状突起136には、外周側に向けて突き出た突起136eが等角度間隔に4つ形成されており、中間のリブ状突起138にも、外周側に向けて突き出た突起138eが等角度間隔に4つ形成されている。
スリーブ13においてリブ状突起139の上面は、被写体側バネ部材14yを連結するためのバネ連結部13yになっている。スリーブ13の下端面(像側端面)には、像側バネ部材14xを連結するためのバネ連結部13xが形成されており、かかるバネ連結部13xの詳細な構成は後述する。また、スリーブ13の像側端部には、バネ連結部13xよりさらに像側に突き出たストッパ部135が等角度間隔に4つ形成されており、かかるストッパ部135は、ホルダ19と干渉して移動体3の像側への可動範囲を規定している。
(バネ部材の構成)
図7(b)に示すように、被写体側バネ部材14yは、支持体2(スペーサ11)に保持される4つの固定側連結部143と、スリーブ13の上端に連結された円環枠状の可動側連結部144と、固定側連結部143と可動側連結部144とを連結する4本のアーム部145とを備えている。
図9(a)に示すように、像側バネ部材14xも、被写体側バネ部材14yと同様、支持体2(ホルダ19)に保持される4つの固定側連結部143と、スリーブ13の下端に連結された可動側連結部144と、固定側連結部143と可動側連結部144とを連結する4本のアーム部145とを備えている。これら4本のアーム部145はいずれも、可動側連結部144との接続部分から略円弧状に延在する第1バネ部分145aと、外周側に湾曲しながら折り返す蛇行部をもって固定側連結部143まで延びた第2バネ部分145bとを備えている。可動側連結部144には、スリーブ13の下端面(バネ連結部13x)との連結のための小穴144aが形成されている。
これに対して、スリーブ13のバネ連結部13xには小突起136gが形成されている。従って、像側バネ部材14xとスリーブ13とは、小穴144aに小突起136gが嵌った状態での加締や接着などにより連結される。また、固定側連結部143には、ホルダ19との連結のための小穴143aが形成されている。
ここで、像側バネ部材14xは、4つのバネ片14c、14d、14e、14fに分割されており、像側バネ部材14xは、可動側連結部144を周方向で互いに分割された状態で複数備えている。また、像側バネ部材14x(バネ片14c、14d、14e、14f)において、可動側連結部144は、アーム部145の第2バネ部分145bから周方向にずれた位置にある。
本形態の像側バネ部材14xにおいて、第2バネ部分145bは、最も径方向内側に位置する最小径部分であり、かかる最小径部分の径方向内側には可動側連結部144が存在せず、可動側連結部144は、第2バネ部分145b(最小径部分)に対して周方向にずれた位置にある。
このように構成した像側バネ部材14xにおいて、4つのバネ片14c、14d、14e、14fのうち、バネ片14c、14dは、第1コイル31および第2コイル32に対する給電部材として利用される。従って、第1コイル31および第2コイル32を構成する1本のコイル線の両端部(巻き始め端部および巻き終わり端部)は、2つのバネ片14c、14dにハンダ付けなどの方法で接続される。但し、像側バネ部材14xは、製造途中までは、フレーム(図示せず)を介してバネ片14c、14d、14e、14fが繋がっており、レンズ駆動装置1への組み立て途中で2つのバネ片14c、14d、14e、14fに分割される。このため、バネ片14c、14d、14e、14fの固定側連結部143には、フレームとの切り離し箇所141c、141d、141e、141fを備えている。
また、可動側連結部144の内周縁には径方向外側に向けて凹んだ凹み142c、142d、142e、142fが形成されている。かかる凹み142c、142d、142e、142fにも、像側バネ部材14xを製造途中までは4つのバネ片14c、14d、14e、14fを一体に繋げておくフレーム(図示せず)が接続しており、レンズ駆動装置1への組み立て途中でフレームを切り離す。その際に、バリが発生したとしても、かかるバリは、凹み142c、142d、142e、142fに発生するため、バリが内周側から張り出すことがない。
このように構成した像側バネ部材14xでは、4本のアーム部145において、周方向で隣り合うアーム部同士は形状が相違し、光軸を挟んで対向するアーム部同士は形状が一致している。本形態では、4本のアーム部145において、周方向で隣り合うアーム部同士は、第2バネ部分145bの曲率が相違する。このため、移動体3と支持体2との間において、移動体3を挟んで一方方向で対向する一方の隙間同士は寸法が同一であるが、かかる一方の隙間と、移動体3を挟んで他方方向で対向する他方の隙間と間で隙間の寸法が相違するばあいでも、隙間寸法を最大限生かした構成のアーム部145を構成することができる。
(像側バネ部材14xとスリーブ13との位置関係など)
本形態では、像側バネ部材14xをスリーブ13に対して配置するにあたって、本形態では、スリーブ13の像側端部では、複数のバネ連結部13xが周方向に離間した位置に設けられ、かかるバネ連結部13xに隣接する位置に、像側に向けて突出したストッパ部135が設けられている。また、スリーブ13の像側端部では、ストッパ部135に対してバネ連結部13xが位置する側とは反対側に隣接するように、光軸方向Lの被写体側に向けて凹む凹部137y(図9(b)に右上がりの斜線を付した領域)が形成されている。かかる凹部137yは、スリーブ13の像側端部を構成する円筒部に対して、バネ連結部13xに対して周方向にずれた位置を肉厚方向に完全に切り欠いた切り欠きからなる。なお、スリーブ13の像側端部には、凹部137y以外に3つの切り欠き136xも形成されている。
ここで、凹部137yは、アーム部145の第2バネ部分145bが延在している角度範囲に形成されている。そこで、本形態では、図8(b)に示すように、像側バネ部材14xのアーム部145については、第2バネ部分145b(アーム部145の一部/最小径部分)が凹部137yに対して像側で重なるように配置されている。すなわち、第2バネ部分145bは、凹部137yの内側に位置しており、この状態で第2バネ部分145bは、スリーブ13に非接触状態にある。
このようにして像側バネ部材14xをスリーブ13の像側端部に連結して、移動体3を支持体2に組み込むと、磁気駆動機構5の停止期間中、像側バネ部材14xは、固定側連結部143よりも可動側連結部144が被写体側に位置し、移動体3は、像側バネ部材14xの付勢力を受けて支持体2において移動体3より像側に位置するホルダ19に弾性をもって当接している。このため、磁気駆動機構5が停止している期間中、レンズ駆動装置1に外力が加わっても、移動体3は、支持体2に当接したまま像側に変位しないので、レンズ駆動装置1の耐衝撃性をさらに向上することができる。ここで、ストッパ部135は、バネ連結部13xよりも像側に突出している。このため、像側バネ部材14xは、固定側連結部143よりも可動側連結部144が被写体側に位置することになる。従って、磁気駆動機構5において、第1コイル31および第2コイル32に対する通電を停止している待機期間中、移動体3は、像側バネ部材14xの付勢力を受けて、スリーブ13のストッパ部135がホルダ19に弾性をもって当接する。かかる状態で、第2バネ部分145bの上面は、スリーブ13の凹部137yの底部との間に十分な隙間寸法を有している。かかる隙間寸法については、第1コイル31および第2コイル32に対する通電を停止している期間(磁気駆動機構5の停止期間中)、第2バネ部分145bの下面とホルダ19との間の隙間寸法と略同一となるようにストッパ部135の突出寸法を設定してある。
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、像側バネ部材14xは、アーム部145の第2バネ部分145b(アーム部145の一部/最小径部分)に対して周方向にずれた位置に可動側連結部144を互いに分割された状態で複数備えている。このため、像側バネ部材14xのアーム部145と移動体3に用いたスリーブ13との間において、アーム部145の第2バネ部分145bが存在するためにアーム部145と移動体3との間に十分な隙間を確保できない箇所が存在しても、かかる個所にバネ連結部13xを設ける必要がない。
また、移動体3に用いたスリーブ13は、バネ連結部13xに周方向でずれた位置にバネ連結部13xよりも光軸方向Lに凹む凹部137y(切り欠き)が形成されている。このため、凹部137yに対して光軸方向Lで重なる位置に像側バネ部材14xのアーム部145の第2バネ部分145bを配置することができる。かかる構成によれば、アーム部145の幅寸法を狭めなくても、アーム部145と移動体3との間や、アーム部145と支持体2との間に十分な隙間寸法を確保することができる。
また、凹部137yは、移動体3の筒部(スリーブ)を厚さ方向の全体にわたって切り欠いた切り欠きからなるため、凹部137yの径方向の寸法が大である。このため、レンズ駆動装置1に外力が加わって移動体3が急激に変位しても、アーム部145の第2バネ部分145bが移動体3と接触して塑性変形を起こすことがなく、レンズ駆動装置1の耐衝撃性を向上することができる。
[実施の形態3]
図10は、本発明の実施の形態3に係るレンズ駆動装置の全体構成を示す説明図であり、図10(a)、(b)は各々、本発明の実施の形態3に係るレンズ駆動装置を斜め上方からみた外観図、および分解斜視図である。図11は、本発明の実施の形態3に係るレンズ駆動装置の移動体の説明図であり、図11(a)、(b)は移動体の斜視図およびその分解斜視図である。なお、本形態の基本的な構成は実施の形態1と同様であるため、共通する部分には、可能な限り、同一の符号を付してそれらの詳細な説明を省略する。
図10および図11において、本形態のレンズ駆動装置1も、実施の形態1と同様、カメラ付き携帯電話機などに用いられる薄型カメラにおいて、例えばレンズ36や絞りを光軸方向Lに沿って被写体(物体側)に近づくA方向(前側)、および被写体とは反対側(像側)に近づくB方向(後側)の双方向に移動させるためのものであり、略直方体形状を有している。レンズ駆動装置1は、概ね、1枚乃至複数枚のレンズ36や固定絞りを保持する移動体3と、この移動体3を光軸方向Lに沿って移動させる磁気駆動機構5と、磁気駆動機構5および移動体3などが搭載された支持体2とを有している。移動体3は、円筒状のスリーブ13を備えており、その内側に円筒状のレンズホルダ30が保持されている。スリーブ13の上端にはリング状の磁性片130が保持されており、かかる磁性片130は、永久磁石体170との間に作用する吸引力により移動体3に対して光軸方向Lの付勢力を印加する磁気バネを構成する。
支持体2は、像側に撮像素子(図示せず)を保持するための矩形の樹脂板からなるホルダ19を有しているとともに、被写体側には、箱状のヨーク18、および矩形枠状のスペーサ11を有している。ヨーク18は、鋼板などの強磁性板からなり、永久磁石体170とともに、スリーブ13に保持されたコイル33に鎖交磁界を発生させる鎖交磁界発生体4を構成している。
ホルダ19には、その中央部分にレンズ36を介して入射した光を撮像素子によって受光可能とする開口部190が形成されている。また、ホルダ19の四隅には、被写体側に向けて突出した小突起192が形成されており、ホルダ19の小突起192は、後述する像側バネ部材14xを支持体2に接続する際に用いられる。また、ホルダ19には、スリーブ13に形成したストッパ部135が当接する受け部199が形成されており、かかる受け部199は被写体側に向けて突出した形状になっている。
磁気駆動機構5は、スリーブ13の外周面に固着された4つの直角三角筒状のコイル33と、コイル33に鎖交磁界を発生させる鎖交磁界発生体4とを備え、コイル33および鎖交磁界発生体4により磁気駆動機構5が構成されている。鎖交磁界発生体4は、直角三角筒状のコイル33の内側に位置する4つの直角三角柱状の永久磁石体170を備えており、ヨーク18も磁気駆動機構5の構成要素として用いられている。ここで、コイル33の内周面と永久磁石体170の外周面との間に隙間が空いており、コイル33は、永久磁石体170に対して光軸方向Lの移動が可能である。
コイル33の被写体の端面にはシート状の保護部材21が接着され、コイル33の像側の端面にはシート状の保護部材22が接着されている。かかる保護部材21、22は、四角形の枠部211、221と、枠部211、221の角部分で枠部211、221の辺同士を連結する斜辺部212、222とを備えている。このため、コイル33の上端部および下端部において斜辺に相当する部分は、斜辺部212、222に固着され、他の2辺の相当する部分は枠部211、221の角部分に固着されることになる。
永久磁石体170は、被写体側に位置する直角三角柱状のマグネット171と、像側に位置する直角三角柱状のマグネット173とが同極が隣り合うように光軸方向Lで重ねられた構造を有しており、マグネット171とマグネット173との間には直角三角形の磁性板172が配置されている。このため、永久磁石体170では、磁性板172に集中して磁界を形成することができるので、コイル33に対して光軸方向に略直行する方向に鎖交する磁界を効率よく形成することができる。ここで、永久磁石体170は、外周側面がヨーク18の側板部181、182、183、184に所定の隙間を介して平行に対向するようにヨーク18の上板部185の内面に固着されている。また、永久磁石体170に対して、像側には四角径の磁性板15が重ねて配置され、かかる磁性板15は、ヨーク18の側板部181、182、183、184に接している。なお、磁性板15には、移動体3のスリーブ13を光軸方向Lに貫通させる穴150が形成されている。
本形態のレンズ駆動装置1は、ホルダ19とスリーブ13との間、およびスペーサ11とスリーブ13との間の各々に、支持体2と移動体3とを接続する像側バネ部材14xおよび被写体側バネ部材14yを備えている。
(スリーブ13の構成)
図12は、本発明の実施の形態3に係るレンズ駆動装置1に用いたバネ部材およびスリーブ13の説明図であり、図12(a)、(b)は各々、スリーブ13に像側バネ部材14xを取り付けた状態を被写体側からみた斜視図、およびスリーブ13に像側バネ部材14xを取り付けた状態を像側からみた斜視図である。図13は、本発明の実施の形態3に係るレンズ駆動装置1に用いた像側バネ部材14xのスリーブ13への取り付け部分の説明図であり、図13(a)、(b)、(c)は各々、像側バネ部材14xを像側からみた底面図、スリーブ13を像側からみた底面図、およびスリーブ13に像側バネ部材14xを取り付けた状態を像側からみた底面図である。
図11、図12および図13に示すように、スリーブ13は円筒体の側面のうち、支持体2の角部に相当する4個所は平坦面になっており、かかる平坦面によって、コイル33の斜辺に相当する面が接着固定されるコイル保持面134が形成されている。
また、スリーブ13においてコイル保持面134に対して像側で隣接する部分は、円弧部133になっており、かかる円弧部133において像側に向く端面は、像側バネ部材14xを連結するためのバネ連結部13xになっている。
スリーブ13の像側の外周面において、円弧部133により周方向で挟まれた4個所は、スリーブ13の外周側に接する仮想円を弦のように切り欠いた平面部137zになっており、かかる平面部137zは、レンズ光軸L方向に延在してコイル保持面134によって挟まれた領域まで届いている。かかる平面部137zが形成された個所は、支持体2の辺に相当する部分である。ここで、平面部137zは、支持体2において移動体3を外周側で囲む四角形の角筒部の辺に対応する位置で光軸方向Lに延在している。
また、スリーブ13の像側端部には、平面部137zより像側に突き出たストッパ部135が等角度間隔に4つ形成されており、かかるストッパ部135は、ホルダ19の受け部199に当接して移動体3の像側への可動範囲を規定している。かかるスリーブ13において被写体側の端部には、被写体側バネ部材14yを連結するための環状のバネ連結部13yになっている。
(バネ部材の構成)
図11(b)に示すように、被写体側バネ部材14yは、支持体2(スペーサ11)に保持される矩形枠状の固定側連結部143と、スリーブ13の上端に連結された円環枠状の可動側連結部144と、固定側連結部143と可動側連結部144とを連結する4本のアーム部145とを備えている。
図12(b)および図13(a)、(c)に示すように、像側バネ部材14xも、被写体側バネ部材14yと同様、支持体2(ホルダ19)に保持される固定側連結部143と、スリーブ13の下端に連結された可動側連結部144と、固定側連結部143と可動側連結部144とを連結する4本のアーム部145とを備えている。
これら4本のアーム部145はいずれも、可動側連結部144との接続部分から略円弧状に延在する第1バネ部分145eと、第1バネ部分145eの端部から周方向に直線的に延在する第2バネ部分145fと、第2バネ部分145fの端部から略円弧状に延在して固定側連結部143に接続する第3バネ部分145gとを備えている。固定側連結部143には、ホルダ19との連結のための小穴143aが形成されている。
ここで、像側バネ部材14xは、4つのバネ片14c、14d、14e、14fに分割されている。従って、像側バネ部材14xは、可動側連結部144を周方向で互いに分割された状態で複数備えていることになる。また、像側バネ部材14x(バネ片14c、14d、14e、14f)において、可動側連結部144は、アーム部145の第2バネ部分145fから周方向にずれた位置にある。
本形態の像側バネ部材14xにおいて、第2バネ部分145fは、アーム部145のうち、最も径方向内側に位置する最小径部分であり、かかる最小径部分の径方向内側には可動側連結部144が存在せず、可動側連結部144は、第2バネ部分145f(最小径部分)に対して周方向にずれた位置にある。
(像側バネ部材14xとスリーブ13との位置関係など)
像側バネ部材14xをスリーブ13に対して配置するにあたって、本形態では、スリーブ13の像側端部では、複数のバネ連結部13xが周方向に離間した位置に設けられ、かかるバネ連結部13xに対して周方向にずれた位置には、スリーブ13の外周面を切り欠いた平面部137zが形成されている。ここで、平面部137zは、アーム部145の第2バネ部分145fが延在している角度範囲に形成されている。
そこで、本形態では、図12(b)および図13(c)に示すように、像側バネ部材14xのアーム部145については、第2バネ部分145f(アーム部145の一部/最小径部分)が平面部137zの径方向外側に位置するように配置されており、かかる状態で第2バネ部分145fは、スリーブ13に非接触状態にある。
このようにして像側バネ部材14xをスリーブ13の像側端部に連結して、移動体3を支持体2に組み込むと、ストッパ部135がホルダ19に当接する。このため、像側バネ部材14xは、固定側連結部143よりも可動側連結部144が被写体側に位置することになる。従って、磁気駆動機構5において、第1コイル31および第2コイル32に対する通電を停止している待機期間中、移動体3は、像側バネ部材14xの付勢力を受けて、スリーブ13のストッパ部135がホルダ19に弾性をもって当接する状態が保持される。このため、磁気駆動機構5が停止している期間中、レンズ駆動装置1に外力が加わっても、移動体3は、支持体2に当接したまま像側に変位しないので、レンズ駆動装置1の耐衝撃性をさらに向上することができる。
このように構成した像側バネ部材14xは、製造途中までは、フレーム(図示せず)を介してバネ片14c、14d、14e、14fが繋がっており、レンズ駆動装置1への組み立て途中で2つのバネ片14c、14d、14e、14fに分割される。このため、バネ片14c、14d、14e、14fの固定側連結部143には、フレームとの切り離し箇所を備えている。
また、4つの可動側連結部144の内周縁にも、像側バネ部材14xを製造途中までは4つのバネ片14c、14d、14e、14fを一体に繋げておくフレーム(図示せず)が接続しており、レンズ駆動装置1への組み立て途中でフレームを切り離す。その際に、バリが発生したとしても、像側バネ部材14xの可動側連結部144の外周縁をバネ連結部13xの外周縁に合わせておけば、バリがバネ連結部13xより内周側に張り出すことがない。
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、像側バネ部材14xは、アーム部145の第2バネ部分145fに対して周方向にずれた位置に可動側連結部144を互いに分割された状態で複数備えている。このため、像側バネ部材14xのアーム部145と移動体3に用いたスリーブ13との間において、アーム部145の第2バネ部分145fが存在するためにアーム部145と移動体3との間に十分な隙間を確保できない箇所が存在しても、かかる個所にバネ連結部13xを設ける必要がない。
また、移動体3に用いたスリーブ13は、バネ連結部13xに対して周方向でずれた位置に、スリーブ13の外周面を平坦に切り欠いた形状の平面部137z(切り欠き)が形成されている。このため、平面部137zの外周側に像側バネ部材14xのアーム部145の第2バネ部分145fを配置することができる。かかる構成によれば、アーム部145の幅寸法を狭めなくても、アーム部145と移動体3との間や、アーム部145と支持体2との間に十分な隙間寸法を確保することができる。
また、平面部137zは、支持体2において移動体3を外周側で囲む四角形の角筒部の辺に対応する位置で光軸方向Lに延在している。このため、支持体2と移動体3との間隔が狭い辺部分に十分な広さの隙間を確保することができる。従って、移動体3の外形寸法を大きくすることができるので、レンズ36の大径化を図ることができる等の利点がある。
(他の実施の形態)
上記実施の形態では、スリーブ13の像側に本発明を適用したが、スリーブ13の被写体側に本発明を適用してもよい。また、スリーブ13の像側および被写体側の双方に本発明を適用してもよい。なお、スリーブ13の被写体側端部に本発明を適用する場合には、上記実施形態と上下反転させた構成と略同一の構成を採用すればよいので、その説明を省略する。
1 レンズ駆動装置
2 支持体
3 移動体
5 磁気駆動機構
11 スペーサ
13 スリーブ
14x 像側バネ部材
14y 被写体側バネ部材
16 キャップ
17 マグネット
18 ヨーク
19 ホルダ
31 第1コイル
32 第2コイル
36 レンズ
137a 内周側縦壁部分
137b 横壁部分
137c 外周側縦壁部分
137d テーパー部分
137x スリーブの段部(切り欠き)
137y スリーブの凹部(切り欠き)

Claims (14)

  1. レンズを備えた移動体と、該移動体の外周側に配置された支持体と、前記移動体をレンズ光軸方向に磁気駆動する磁気駆動機構と、前記移動体におけるレンズ光軸方向の端部と前記支持体とを接続するバネ部材と、を有するレンズ駆動装置において、
    前記バネ部材は、前記移動体の端部に連結された可動側連結部と、前記支持体に連結された固定側連結部と、該固定側連結部と前記可動側連結部とを接続するアーム部と、を備え、
    前記移動体の外周面のうち、前記アーム部の一部に対して内周側に位置する部分には、径方向内側に凹む切り欠きが形成されていることを特徴とするレンズ駆動装置。
  2. 前記アーム部の前記一部は、当該アーム部においてレンズ光軸からの距離が最も近い最小径部分であることを特徴とする請求項1に記載のレンズ駆動装置。
  3. 前記可動側連結部は、前記アーム部の前記一部の内周側に位置し、
    前記移動体は、前記切り欠きに対して内周側で隣接する位置に、前記可動側連結部が連結されるバネ連結部を備え、
    前記移動体において前記バネ連結部に対して外周側で隣接する位置には、前記切り欠きによって前記バネ連結部よりもレンズ光軸方向に凹む段部が形成され、
    当該段部に対してレンズ光軸方向で重なる位置に前記アーム部の前記一部が配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載のレンズ駆動装置。
  4. 前記バネ部材は、前記アーム部の前記一部に対して周方向にずれた位置に前記可動側連結部を互いに分割された状態で複数備え、
    前記移動体は、前記切り欠きに対して周方向にずれた位置に、前記可動側連結部が連結されるバネ連結部を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載のレンズ駆動装置。
  5. 前記移動体には、前記切り欠きによって前記バネ連結部よりも前記レンズ光軸方向に凹む凹部が形成され、
    当該凹部内に前記アーム部の前記一部が配置されていることを特徴とする請求項4に記載のレンズ駆動装置。
  6. 前記切り欠きは、前記移動体の筒部を厚さ方向の全体にわたって切り欠いた形状を備えていることを特徴とする請求項5に記載のレンズ駆動装置。
  7. 前記切り欠きは、前記移動体の外周面に外接する仮想円の一部を切り欠いた形状の平面部であることを特徴とする請求項4に記載のレンズ駆動装置。
  8. 前記支持体は、前記移動体を外周側で囲む四角形の角筒部を備え、
    前記切り欠きは、前記四角形の辺に対応する位置で前記レンズ光軸方向に延在していることを特徴とする請求項7に記載のレンズ駆動装置。
  9. 前記可動側連結部の内周縁には、径方向外側に向けて凹んだ凹みを備えていることを特徴とする請求項4乃至8の何れか一項に記載のレンズ駆動装置。
  10. 前記バネ部材は、前記アーム部を4本備え、
    当該4本のアーム部において、周方向で隣り合うアーム部同士は形状が相違し、光軸を挟んで対向するアーム部同士は形状が一致していることを特徴とする請求項1乃至9の何れか一項に記載のレンズ駆動装置。
  11. 前記バネ部材は、前記移動体の像側端部と前記支持体とを接続する像側バネ部材であることを特徴とする請求項1乃至10の何れか一項に記載のレンズ駆動装置。
  12. 前記磁気駆動機構の停止期間中、前記アーム部の前記一部は、前記移動体において被写体側で対向する部分との間、および前記支持体において像側で対向する部分との間に略同一寸法の隙間を隔てていることを特徴とする請求項3、5または6に記載のレンズ駆動装置。
  13. 前記磁気駆動機構の停止期間中、前記移動体は、前記支持体において当該移動体より像側に位置する部分に当接していることを特徴とする請求項11または12に記載のレンズ駆動装置。
  14. 前記移動体は、前記バネ連結部より像側に突出したストッパ部を備え、
    前記磁気駆動機構の停止期間中、前記ストッパ部が、前記支持体において像側で対向する部分に当接することにより、前記固定側連結部よりも前記可動側連結部が被写体側に位置していることを特徴とする請求項13に記載のレンズ駆動装置。
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