JP2010211148A - 画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】レーザ光の走査が行われなくなった場合や、投影に不適当な過剰エネルギーを持ったレーザ光が出力された場合であっても、投影対象や観察者に対し悪影響を及ぼすおそれを回避できる画像表示装置を提供する。
【解決手段】画像信号に応じた強度のレーザ光を出射する光源と、前記光源から出射されたレーザ光を走査する走査部とを備え、前記走査部によって走査されたレーザ光により画像を表示する画像表示装置において、前記走査部が走査したレーザ光の光路中に設けられ、少なくとも一つの中間像を形成する光学系を備え、前記中間像が位置する中間像面位置又はその近傍に、フォトクロミック材料を含んで形成した透明部材を配置した。
【選択図】図5
【解決手段】画像信号に応じた強度のレーザ光を出射する光源と、前記光源から出射されたレーザ光を走査する走査部とを備え、前記走査部によって走査されたレーザ光により画像を表示する画像表示装置において、前記走査部が走査したレーザ光の光路中に設けられ、少なくとも一つの中間像を形成する光学系を備え、前記中間像が位置する中間像面位置又はその近傍に、フォトクロミック材料を含んで形成した透明部材を配置した。
【選択図】図5
Description
本発明は、画像信号に応じた強度のレーザ光を走査して画像を表示する画像表示装置に関する。
従来、入力される画像信号に応じた強度のレーザ光を二次元方向に走査して投影対象に投射することにより、投影対象上に画像を表示する画像表示装置が提供されている。
例えば、このような画像表示装置の一例として、投影対象を網膜とし、走査したレーザ光を瞳孔から入射させて網膜上に投影することにより、観察者に画像を視認させるようにした網膜走査型のヘッドマウントディスプレイ(以下、HMDともいう。)が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
また、別の画像表示装置の一例として、投影対象をスクリーンとし、走査したレーザ光をスクリーン上に投射することにより、観察者に画像を視認させるようにしたレーザ光走査型のプロジェクタが知られている(例えば、特許文献2参照。)。
これらのような画像表示装置によれば、一般に、1フレームあたり数十分の一秒という高速でレーザ光を走査しているため、投影対象上の走査光を視認する観察者の視点では、残像により画像が形成されているように見えることとなる。
ところで、上記従来の画像表示装置では、何らかのトラブルでレーザ光の走査が行われなくなった場合、レーザ光が投影対象の一点に集中して照射され、投影対象や観察者に対し悪影響を及ぼすおそれがあった。
具体的には、例えば、投影対象が網膜であるHMDの場合には、観察者の網膜上の一点に集中して照射されることとなり、レーザ光の強度はかなり低いものの、まぶしすぎることによる不快感を観察者が感じる恐れがある。
また、例えば、投影対象がスクリーンであるプロジェクタでは、スクリーン上の一点に集中してレーザ光が照射されることとなり、スクリーン自体への影響や、スクリーン上の輝点を見た観察者に対して悪影響を及ぼすおそれもある。
また、レーザ光の走査が行われなくなった場合以外にも、レーザ光の出力制御の不調などにより、投影に不適当な過剰エネルギーを持ったレーザ光が出力されることも考えられる。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、レーザ光の走査が行われなくなった場合や、投影に不適当な過剰エネルギーを持ったレーザ光が出力された場合であっても、投影対象や観察者に対し悪影響を及ぼすおそれを回避できる画像表示装置を提供する。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の画像表示装置では、画像信号に応じた強度のレーザ光を出射する光源と、前記光源から出射されたレーザ光を走査する走査部とを備え、前記走査部によって走査されたレーザ光により画像を表示する画像表示装置において、前記走査部が走査したレーザ光の光路中に設けられ、少なくとも一つの中間像を形成する光学系を備え、前記中間像が位置する中間像面位置又はその近傍に、フォトクロミック材料を含んで形成した透明部材を配置した。
また、請求項2に記載の画像表示装置では、請求項1に記載の画像表示装置において、前記走査部は前記複数の光源から出射されたレーザ光を2次元方向に走査し、前記中間像として2次元像面を形成することとした。
また、請求項3に記載の画像表示装置では、請求項1又は請求項2に記載の画像表示装置において、前記走査部と前記透明部材との間の光路に、当該光路を通過する前記レーザ光の輝度を低減する減光フィルタを設けることとした。
また、請求項4に記載の画像表示装置では、請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像表示装置において、前記透明部材の位置を調整可能とした。
また、請求項5に記載の画像表示装置では、請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像表示装置において、前記透明部材を前記光路上から取り外し可能に構成した。
また、請求項6に記載の画像表示装置では、請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像表示装置において、前記透明部材に回折構造を形成した。
また、請求項7に記載の画像表示装置では、請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像表示装置において、前記透明部材は、その含有するフォトクロミック材料の濃度を、前記走査部が予め設定された走査位置で停止しているときに当該走査部から入射されるレーザ光が通過する領域がその他の領域に対して高くなるように形成した。
また、請求項8に記載の画像表示装置では、請求項1〜7のいずれか1項に記載の画像表示装置において、前記走査部で走査されたレーザ光を観察者の眼に入射させて、前記観察者の網膜上に前記画像信号に応じた画像を投影する接眼光学系をさらに設けた。
本発明の画像表示装置によれば、走査部が走査したレーザ光の光路中に設けられ、少なくとも一つの中間像を形成する光学系を備え、前記中間像が位置する中間像面位置又はその近傍に、フォトクロミック材料を含んで形成した透明部材を配置したため、レーザ光の走査が行われなくなった場合や、投影に不適当な過剰エネルギーを持ったレーザ光が出力された場合であっても、投影対象や観察者に対し悪影響を及ぼすおそれを回避できる。また、前記透明部材は、中間像が位置する中間像面位置又はその近傍に配置することとしたため、フォトクロミック材料を感度良く反応させることができる。
本実施形態に係る画像表示装置は、レーザ光を走査して画像を表示する画像表示装置であって、光源の出力異常により強いレーザ光が出力されたり、走査部が走査停止(レーザ光は出射されているが、走査が停止している状態)して投影対象上の一点にレーザ光が照射されるような状況の場合(以下、単に「異常時」ともいう。)には、光路上に配設した透明部材中に含まれるフォトクロミック材料を反応させて、投影対象に照射されるレーザ光を減衰又は遮光するものである。
レーザ光走査型の画像表示装置では、その走査速度によっても異なるが、走査停止時に所定領域に1画像フレーム期間当たり照射される光のエネルギー(以下、E_stopと省略する。)は、走査時に画素単位当たり照射される光のエネルギー(以下、E_scanと省略する。)の数万倍となる場合がある。具体的には、水平走査周波数30[kHz]の往復走査で、1フレーム(例えば60[Hz])中に光源より放射される平均パワーを時間あたりで表してE_ave[W]とする。このとき、E_stop=60E[J]である一方、E_scan=E/30k/2=E/(60k)[J]であり、両者の比はE_stop/E_scan=3.6×10^6となり、実に300万倍となる。
このような強い光が、例えば観察者の網膜やスクリーンなどの投影対象に照射されると好ましくない場合があるため、本実施形態に係る画像表示装置では、フォトクロミック材料を含んで形成した透明部材を光路上に配置し、レーザ光を減衰ないし遮光することで、投影対象や観察者に対し悪影響を及ぼすおそれを回避するようにしている。
フォトクロミック材料とは、フォトクロミック反応を生起する物質であり、一般的には光照射によって色の変わる物質,とりわけ黒化(暗化とも呼ぶ)を引き起こす物質の総称である。ここではフォトクロミック材料を、光照射により特定の波長をもつ電磁波、とくに波長数十[μm]の赤外線から波長数百[nm]の紫外線程度までのものの透過率を下げる働きのある材料とする。このような材料には、分子量の変化を伴わず分子内での化学結合の組み替えなどによって分子の構造変化が起こる過程(光誘起異性化反応)を示す物質などがあげられる。また、写真感材として昔から用いられている銀塩などもフォトクロミック材料の一種ということができる。
特に、本実施形態にて使用するフォトクロミック材料は、所定のエネルギーを持つ所定波長のレーザ光が照射された際に、当該フォトクロミック材料を含有する透明部材を透過しようとする当該レーザ光または画像表示に用いられる別波長のレーザ光を減衰又は遮光可能であれば特に限定されるものではなく、例えば、アゾベンゼン系、ジアリールエテン系、スピロピラン系、スピロペリミジン系、ビピリジン系等の化合物又はこれらの誘導体や銀塩を用いることができる。このうち、スピロピラン系などの光異性化反応を起こす物質は二光子吸収反応を経ることで素早く反応が進み、従前の銀塩系よりも好適である。なお、以下の説明において、フォトクロミック材料の状態のうち、所望のレーザ光(画像光)の波長において吸収スペクトルが低くなっている状態、すなわち、前記レーザ光を透過可能な状態にあるものを「透過体」といい、前記レーザ光の波長において吸収スペクトルが高くなっている状態、すなわち、前記レーザ光を減衰又は遮光可能な状態にあるものを「遮光体」といい、透過体から遮光体への状態遷移に要するエネルギーを「活性化エネルギー」という。ここでは、反応にあずかる分子一個あたりの活性化エネルギーをΔG0と表して説明する。
このフォトクロミック材料を含有する透明部材は、走査部が走査したレーザ光の光路中に設けられ、少なくとも一つの中間像を形成する光学系を備え、前記中間像が位置する中間像面位置又はその近傍に配設されている。
この中間像面位置やその近傍は、走査光が収束されるため、エネルギー密度の高い場所である。従って、前述の二光子吸収過程によりフォトクロミック材料を素早く反応させることができる。
また、透明部材に入射するレーザ光のエネルギーと、活性化エネルギーΔG0との関係について着目すると、透明部材の配設位置は、E_scan<V0×ρ×ΔG0<E_stopの関係が成立する位置とするのが好適である。ただしV0はレーザ照射により反応場となる体積、ρは前記フォトクロミック材料の分子数密度である。V0は例えば照射光のスポット径に依存し、スポット径が大きくなるとV0も大となる。
図1は、フォトクロミック反応の進行に伴うエネルギー変化を示す説明図である。図1中、縦軸はエネルギー、横軸は反応座標であり、曲線は透過体と遮光体との反応におけるエネルギー変化を模式的に示している。なお、E_scanの斜線で示す領域は、通常使用時における、変調されたレーザ光の走査時エネルギー(1フレームあたり)の振れ幅を示している。
透明部材の配設位置は、図1にも示すように、E_scanのエネルギーが、透過体が遮光体に状態遷移する際に必要な活性化エネルギーΔG0よりも低く、且つ、E_stopのエネルギーが、ΔG0よりも高くなる位置とする。このことはV0を変えていることに相当する。
このような構成とすることにより、フォトクロミック材料を含有する透明部材は、走査時のレーザ光のエネルギーではフォトクロミック材料の活性化エネルギーを超えることがなく、レーザ光を減衰又は遮光しない透過体となるが、走査停止時のレーザ光のエネルギーによってフォトクロミック材料が反応し、遮光体となるようにすることができる。
このフォトクロミック材料を含有する透明部材は、前述のE_scan<V0×ρ×ΔG0<E_stopの関係を満たすために、配設位置を調整可能に構成しても良く、又、この透明部材に入射するレーザ光の入射面側や出射面側に減光フィルタを配設しても良い。
このような構成とすることにより、光源から出射するレーザ光の強度や、フォトクロミック材料の感度などの選択範囲を広げることができ、画像表示装置の設計の自由度を高めることができる。
以下、本実施形態に係る画像表示装置について図面を参照しながらさらに説明する。なお、以下の説明では、HMDを画像表示装置の一例として示すが、これに限定されるものではない。
〔HMDの構成〕
次に、HMD1の具体的な構成について、図2を参照しながら説明する。図2は、HMD1の外観を示す説明図である。
次に、HMD1の具体的な構成について、図2を参照しながら説明する。図2は、HMD1の外観を示す説明図である。
図2に示すように、本実施形態に係る画像表示装置の一例として示すHMD1は、画像信号に応じた強度のレーザ光を画像光として出射するコントロールユニット2と、コントロールユニット2から出射された画像光を伝送する光ファイバケーブルを備えた伝送ケーブル部3と、伝送された画像光を走査して観察者に投射し、観察者に対して画像を表示するための頭部装着具4とを備えている。なお、伝送ケーブル部3は、後述の投影ユニット10に備えられた水平走査部80及び垂直走査部90と後述の光源ユニット11との間で同期をとるための水平駆動信号61、垂直駆動信号62を伝送する駆動信号伝送用ケーブルも有している。
コントロールユニット2には、外部入出力端子5が形成されており、外部からの画像信号を入力したり、図示しないパーソナルコンピュータ等との間で画像信号を形成するためのコンテンツ情報などの送受信を可能としている。
頭部装着具4には、略眼鏡形状とした支持部材6のフロント部7の側方に、伝送ケーブル部3により伝送されてきた画像光を、観察者が表示画像として認識可能とするために走査する投影ユニット10が備えられている。
また、観察者の眼Yの前方位置にハーフミラー9が設けられており、外光Laはハーフミラー9を透過させて観察者の眼Yに入射させ、投影ユニット10から出射される画像光Lbはハーフミラー9で反射させて観察者の眼に入射させるようにしている。
この投影ユニット10は、各色(R,G,B)毎に強度変調された画像光を2次元方向に走査した画像光を観察者の眼Yに入射させ、観察者の眼Yの網膜上で画像光を2次元方向に走査することにより、観察者に表示画像を視認させる網膜走査ディスプレイ(Retinal Scanning Display)である。
このようにHMD1は、外光を透過しつつ、画像光を観察者の眼Yに投射するシースルー型のHMDとしている。なお、本実施形態ではシースルー型のHMDについて説明するが、光走査型のHMDであれば必ずしもシースルー型である必要はない。
〔HMDの電気的構成及び光学的構成〕
次に、図3及び図4を参照しながら、HMD1の電気的構成及び光学的構成について説明する。図3は、電気的構成及び光学的構成を示した説明図、図4は、制御部及びその周辺の電気的構成を示したブロック図である。
次に、図3及び図4を参照しながら、HMD1の電気的構成及び光学的構成について説明する。図3は、電気的構成及び光学的構成を示した説明図、図4は、制御部及びその周辺の電気的構成を示したブロック図である。
図3に示すように、HMD1は、コントロールユニット2と、ハーフミラー9と、投影ユニット10とを備え、コントロールユニット2内には、HMD1全体の動作を統括制御する制御部30と、この制御部30から供給される画像信号Sから画像情報を画素単位で読み出し、読み出した画素単位の画像情報に基づいてR(赤色),G(緑色),B(青色)の各色毎に強度変調されたレーザ光を生成して出射する光源ユニット11が設けられている。なお、光源ユニット11をコントロールユニット2内に設けるのではなく、投影ユニット10内に設けるようにしてもよい。その際には前記光ファイバは不要である。
(光源ユニット11)
光源ユニット11には、画像を合成するための要素となる信号等を発生する画像信号供給回路13が設けられている。外部入出力端子5を介して外部接続した図示しない機器類から供給される画像データや、比較的大容量の記憶領域を有するコンテンツ記憶部14に予め記憶されたコンテンツ情報に基づく画像データが制御部30に入力されると、制御部30はその画像データに基づいて画像信号Sを生成して画像信号供給回路13に送る。画像信号供給回路13は、画像信号Sに基づいて、表示画像を形成するための要素となる各信号を画素単位で生成する。すなわち、画像信号供給回路13からは、R(赤色)画像信号60r,G(緑色)画像信号60g,B(青色)画像信号60bが生成されて出力される。また、画像信号供給回路13は、水平走査部80で使用される水平駆動信号61と、垂直走査部90で使用される垂直駆動信号62とをそれぞれ出力する。なお、ここでコンテンツ情報とは、文字を表示させるためのデータ、画像を表示させるためのデータ及び動画を表示させるためのデータのうちの少なくとも1つのデータで構成されるものであり、例えば、パソコン等で使用される文書ファイルや画像ファイル、動画ファイル等である。また、コンテンツ記憶部14は、例えば、ハードディスクの如き磁気的記憶媒体や、CD−Rの如き光学的記憶媒体や、フラッシュメモリ等とすることができる。
光源ユニット11には、画像を合成するための要素となる信号等を発生する画像信号供給回路13が設けられている。外部入出力端子5を介して外部接続した図示しない機器類から供給される画像データや、比較的大容量の記憶領域を有するコンテンツ記憶部14に予め記憶されたコンテンツ情報に基づく画像データが制御部30に入力されると、制御部30はその画像データに基づいて画像信号Sを生成して画像信号供給回路13に送る。画像信号供給回路13は、画像信号Sに基づいて、表示画像を形成するための要素となる各信号を画素単位で生成する。すなわち、画像信号供給回路13からは、R(赤色)画像信号60r,G(緑色)画像信号60g,B(青色)画像信号60bが生成されて出力される。また、画像信号供給回路13は、水平走査部80で使用される水平駆動信号61と、垂直走査部90で使用される垂直駆動信号62とをそれぞれ出力する。なお、ここでコンテンツ情報とは、文字を表示させるためのデータ、画像を表示させるためのデータ及び動画を表示させるためのデータのうちの少なくとも1つのデータで構成されるものであり、例えば、パソコン等で使用される文書ファイルや画像ファイル、動画ファイル等である。また、コンテンツ記憶部14は、例えば、ハードディスクの如き磁気的記憶媒体や、CD−Rの如き光学的記憶媒体や、フラッシュメモリ等とすることができる。
また、光源ユニット11には、画像信号供給回路13から画素単位で出力されるR画像信号60r、G画像信号60g、B画像信号60bの各画像信号60r,60g,60bをもとに、それぞれ強度変調されたレーザ光(「光束」とも呼ぶ。)を出射するように、Rレーザ63,Gレーザ64,Bレーザ65をそれぞれ駆動するためのRレーザドライバ66,Gレーザドライバ67,Bレーザドライバ68が設けられている。各レーザ63,64,65は、例えば、半導体レーザや高調波発生機構付き固体レーザとして構成することが可能である。なお、半導体レーザを用いる場合は駆動電流を直接変調して、レーザ光の強度変調を行うことができるが、固体レーザを用いる場合は、各レーザそれぞれに外部変調器を備えてレーザ光の強度変調を行う必要がある。
さらに、光源ユニット11は、各レーザ63,64,65より出射されたレーザ光を平行光にコリメートするように設けられたコリメート光学系71,72,73と、このコリメートされたレーザ光を合波するためのダイクロイックミラー74,75,76と、合波されたレーザ光を光ファイバケーブル50に導く結合光学系77とが設けられている。
従って、各レーザ63,64,65から出射したレーザ光は、コリメート光学系71,72,73によってそれぞれ平行化された後に、ダイクロイックミラー74,75,76に入射される。その後、これらのダイクロイックミラー74,75,76により、各レーザ光が波長に関して選択的に反射・透過される。そして、これら3つのダイクロイックミラー74,75,76にそれぞれ入射した3原色のレーザ光は、波長選択的に反射または透過して結合光学系77に達し、集光されて光ファイバケーブル50へ出力される。なお、光ファイバケーブル50は、図2にて示した伝送ケーブル部3内に収容されている。
(投影ユニット10)
光源ユニット11と観察者の眼Yとの間に位置する投影ユニット10には、光源ユニット11で生成され、光ファイバケーブル50を介して出射されるレーザ光を平行光化するコリメート光学系79と、このコリメート光学系79で平行光化されたレーザ光を画像表示のために水平方向に往復走査する水平走査部80と、水平走査部80で水平方向に走査されたレーザ光を垂直方向に走査する垂直走査部90と、水平走査部80と垂直走査部90との間に設けられた第1リレー光学系85と、このように水平方向と垂直方向に走査されたレーザ光を瞳孔101aへ出射するための第2リレー光学系95とが設けられている。
光源ユニット11と観察者の眼Yとの間に位置する投影ユニット10には、光源ユニット11で生成され、光ファイバケーブル50を介して出射されるレーザ光を平行光化するコリメート光学系79と、このコリメート光学系79で平行光化されたレーザ光を画像表示のために水平方向に往復走査する水平走査部80と、水平走査部80で水平方向に走査されたレーザ光を垂直方向に走査する垂直走査部90と、水平走査部80と垂直走査部90との間に設けられた第1リレー光学系85と、このように水平方向と垂直方向に走査されたレーザ光を瞳孔101aへ出射するための第2リレー光学系95とが設けられている。
水平走査部80及び垂直走査部90、第1リレー光学系85は、光ファイバケーブル50から入射されたレーザ光を画像として観察者の網膜101bに投影可能な状態にするために、水平方向と垂直方向に走査して走査光束とするための光走査装置および光学系である。以下の説明において、この水平走査部80及び垂直走査部90を総称して走査部ともいう。
水平走査部80は、レーザ光を水平方向に走査するため偏向面を有する共振型の偏向素子81と、この偏向素子81を共振させて偏向素子81の偏向面を揺動させる駆動信号を水平駆動信号61に基づいて発生する水平走査駆動回路82を備えている。
一方、垂直走査部90は、レーザ光を垂直方向に走査するため偏向面を有する非共振型の偏向素子91と、この偏向素子91の偏向面を非共振状態で揺動させる駆動信号を垂直駆動信号62に基づいて発生する垂直走査制御回路92とを備え、表示すべき画像の1フレームごとに、画像を形成するためのレーザ光を最初の水平走査線から最後の水平走査線に向かって垂直に走査する。ここで「水平走査線」とは、水平走査部80による水平方向への1走査を意味する。
また、水平走査部80と垂直走査部90との間でレーザ光を中継する第1リレー光学系85は、偏向素子81の偏向面によって水平方向に走査されたレーザ光を偏向素子91の偏向面に収束させる。そして、このレーザ光が偏向素子91の偏向面によって垂直方向に走査されて画像光Lbとして、正の屈折力を持つ2つのレンズ95a,95bが直列配置された第2リレー光学系95を介して、眼Yの前方に位置させたハーフミラー9で反射されて観察者の瞳孔101aに入射し、網膜101b上に画像信号Sに応じた表示画像が投影される。これにより、観察者はこの画像光Lbを、表示画像として認識することとなる。
また、第2リレー光学系95においては、レンズ95aによって、それぞれのレーザ光がそのレーザ光の中心線を相互に略平行にされ、かつそれぞれ収束レーザ光に変換される。そして、レンズ95bによってそれぞれほぼ平行なレーザ光となると共に、これらのレーザ光の中心線が観察者の瞳孔101aに収束するように変換される。このレンズ95bは、走査部で走査された画像光Lb(レーザ光)を観察者の眼Yに入射させて、観察者の網膜101b上に画像信号Sに応じた画像を投影する接眼光学系として機能する。
また、本実施形態に係るHMD1には、この第2リレー光学系95の中間像が位置する中間像面位置に、フォトクロミック材料を含んで形成した透明部材110を備える遮光部111を配置している。この遮光部111は、本実施形態の要部をなすものであり、後に詳細に説明する。
(制御部30)
制御部30は、その内部に記憶されている制御プログラムにしたがって所定の処理を実行することによって、前述した画像信号Sの生成を行う。
制御部30は、その内部に記憶されている制御プログラムにしたがって所定の処理を実行することによって、前述した画像信号Sの生成を行う。
図4に示すように、制御部30は、主コントローラ31と、HMD用コントローラ32と、HMD用VRAM(Video Random Access Memory)33と、周辺機器インターフェース(図中「I/F」と示し、以下「I/F」とも呼ぶ。)38と、通信I/F39と、を備えている。
主コントローラ31は、CPU(Central Processing Unit)40と、不揮発性メモリであるプログラムROM(Read Only Memory)41と、RAM(Random Access Memory)43と、を備えており、これらはデータ通信用のバスにそれぞれ接続されており、このデータ通信用のバスを介して各種情報の送受信を行う。
CPU40は、プログラムROM41に記憶されている制御プログラムを実行することにより、主コントローラ31としてHMDを構成する各部を動作させて、HMDが備える各種機能を実行させる演算処理装置である。また、RAM43は、CPU40が制御プログラムを実行するにあたり、各種変数やフラグ等を一時的に記憶する一時記憶領域として機能するものである。
HMD用コントローラ32は、主コントローラ31からの要求に応じて画像信号供給回路13を制御し、主コントローラ31によりHMD用VRAM33に記憶された画像データに基づいた画像信号Sを画像信号供給回路13に供給する。画像信号供給回路13は、HMD用コントローラ32から画像信号Sが入力されると、この画像信号Sに基づいて強度変調した各色のレーザ光を生成する。
周辺機器I/F38は、前述のコンテンツ記憶部14や、電源スイッチやランプ類等(図示せず)の周辺機器34をコントロールユニット2に接続するためのインターフェースである。例えば、電源スイッチやランプ類が周辺機器I/F38に接続されたとき、主コントローラ31は、電源スイッチ等のスイッチ類からの操作情報を周辺機器I/F38から受け取り、周辺機器I/F38を介してランプ類の点灯情報をランプ類に供給する。
通信I/F39は、外部入出力端子5に接続された図示しないパーソナルコンピュータ等とコントロールユニット2とを通信可能に制御する。主コントローラ31は、例えば、通信I/F39及び外部入出力端子5を介してコンテンツ情報の供給をパーソナルコンピュータに要求し、パーソナルコンピュータから外部入出力端子5及び通信I/F39を介して供給されたコンテンツ情報を、コンテンツ記憶部14に書き込んだり、コンテンツ情報に基づいた画像信号Sを画像信号供給回路13に供給するものである。
〔遮光部111の構成〕
次に、図5及び図6を参照しながら、第2リレー光学系95内に配設した遮光部111の具体的な構成について説明する。なお、図面に沿って以下に説明する遮光部111の構成は、本願発明を実現するための一手段に過ぎず、これに限定されるものではない。
次に、図5及び図6を参照しながら、第2リレー光学系95内に配設した遮光部111の具体的な構成について説明する。なお、図面に沿って以下に説明する遮光部111の構成は、本願発明を実現するための一手段に過ぎず、これに限定されるものではない。
図5に示すように、走査部が走査したレーザ光(画像光Lb)の光路中に設けられる第2リレー光学系95のレンズ95aとレンズ95bとの間には、中間像が位置する中間像面位置に、フォトクロミック材料を含んで形成した透明部材110を備える遮光部111が形成されている。なお、前記中間像として、水平走査部80及び垂直走査部90により画像光Lbが2次元方向に走査され、レンズ95aを含む中間像面より前段の光学系の働きにより、2次元像が形成されることになる。
遮光部111は、図5及び図6に示すように、揺動自在に軸支された透明部材110を備える揺動部112と、この揺動部112を着脱可能とし、揺動部112を嵌着した状態で光路方向へ進退可能とした台座部113とで構成している。
揺動部112は、フォトクロミック材料を含有し、レーザ光の入射方向から見て(以下、正面視という。)略矩形状に形成された透明部材110と、正面視略コ字状の枢支部材114とで構成している。
透明部材110は、フォトクロミック材料をガラス中に分散した略板状の形状を有しており、レーザ63,64,65より出射されるレーザ光に対して、フォトクロミック材料が透過体の状態では透明となり、遮光体の状態では不透明となる部材である。
また、透明部材110の左右両側面には、円柱状の枢支突片115,115を突設しており、枢支部材114に装着可能としている。
枢支部材114は、平面視において光路方向と直交する方向へ長辺を有する矩形長板状の底板部116と、同底板部116の左右両短辺に立設した側面視略半円弧状の軸受突片117,117とを備えており、軸受突片117,117の側面視略中央部には、前述の枢支突片115,115と略同径とした受け穴118,118が穿設されている。
そして、透明部材110の枢支突片115,115を、この受け穴118,118にそれぞれ挿通させて、一体的に揺動部112を構成している。
一方、台座部113は、平面視において光路方向に直交する方向へ長辺を有する略直方体とし、その天面部には揺動部112の底板部116が着脱自在に係合する嵌合凹部119(図6右図参照)が形成されている。
また、台座部113の正面から背面にかけて、内周面に雌ネジを有する雌ネジ孔120が光路方向と平行に穿設されており、同じく光路方向と平行に配設された雄ネジ部材121と螺合させて、台座部113を光路方向へ移動可能に構成している。
このような構成を備える遮光部111において、揺動部112の枢支突片115,115と同軸状の揺動軸122(一点鎖線で示す。)の軸周り方向へ回動することにより、透明部材110の角度を変更可能としている。
また、雄ネジ部材121と同軸状の進退軸123(一点鎖線で示す。)の軸周り方向へ回動することにより、台座部113を揺動部112とともに光路方向へ移動可能としている。
すなわち、遮光部111では、透明部材110の位置を調整可能としている。なお、揺動軸122及び進退軸123の回動は、図示しない回動機構により、モーターなどの駆動手段により、制御部30を介して自動で、又は、使用者により手動で回動される。
また、図6に示したように、揺動部112は、台座部113に対して着脱自在に構成しており、透明部材110を光路上から取り外し可能としている。
上述してきた構成の遮光部111を備えるHMD1では、以下のように動作することとなる。図7は、画像光Lbを走査して、観察者に対して表示画像を表示している際の透明部材110の表面、及び、異常時における透明部材110の表面を示した説明図である。
なお、図7中において、Wは、偏向素子81及び偏向素子91の最大走査範囲、すなわち、水平最大走査範囲(図視で左右方向の範囲)及び垂直最大走査範囲(図視で上下方向の範囲)により形成される範囲であり、Zは有効走査範囲、すなわち、水平有効走査範囲及び垂直有効走査範囲により形成される範囲である。また、通常時の図において、画像光Lbの軌跡をサインカーブ状に破線で示しているが、説明の便宜上その間隔を誇張して示しており、その走査線の数は必ずしも正確ではない。
図7に示すように、通常時において透明部材110に入射した画像光Lbは、図1にも示したように、少なくとも画素単位ではフォトクロミック材料の活性化エネルギーΔG0よりも低いE_scanのエネルギーしか持たないため、フォトクロミック材料を反応させることがなく、透過体のままであるから、透明部材110を透過してレンズ95bに至ることとなる。
一方、異常時には、透明部材110のある領域に連続して画像光Lbが入射するため、この入射位置においてフォトクロミック材料の活性化エネルギーΔG0よりも高いE_stopのエネルギーを与える。そのため、フォトクロミック材料が反応し、画像光Lbが照射された領域及びその周辺領域のフォトクロミック材料が遮光体へ変化することになり、画像光Lbにとって不透明な領域Mが形成される。
これにより、画像光Lbは、減光または遮光されることとなり、投影対象や観察者に対し悪影響を及ぼすおそれを回避できることとなる。
ところで、透明部材110には、回折構造を形成しても良い。例えば、射出瞳を拡大する手段として、散乱板、ファイババンドル、マイクロレンズアレイ等を透明部材110に形成することにより、透明部材110にさらなる機能、すなわちユーザの瞳孔位置に対する装置の相対位置トレランスを広く取れること、を付与することができ、しかも、別途射出瞳を拡大する部材を設けることなく、部品点数を削減することができる。
次に、遮光部111の変形例について説明する。ここで説明する遮光部111は、前述の構成と基本的には同じであるが、走査部と透明部材110との間の光路に、当該光路を通過する画像光Lb(レーザ光)の輝度を低減する減光フィルタ130を設けたことに特徴を有している。
具体的には、図8に示すように、枢支部材114に装着する板状の部材を、画像光Lbの入射方向から順に表面層と背面層との二層構造とし、表面層を画像光Lbの輝度を低減する減光フィルタ130とする一方、背面層を透明部材110としている。
このような構成とすることにより、透明部材110に入射する画像光Lbの輝度を低減する調整を行うことができ、例えばレーザ63,64,65から出射され合波された画像光LbのE_scanが活性化エネルギーΔG0を超える場合であっても、透明部材110に入射する画像光LbのE_scanを活性化エネルギーΔG0よりも低くすることができる。換言すれば、画像光LbのE_scan程度のエネルギーで反応してしまうフォトクロミック材料を使用する場合であっても、減光フィルタ130により、E_scan<V0×ρ×ΔG0<E_stopの関係を満たすような画像光Lbを透明部材110に入射させることができる。
なお、本変形例では、表面層に減光フィルタ130、背面層に透明部材110を配設することとしたが、逆に、表面層に透明部材110、背面層に減光フィルタ130を配設するようにしても良い。
このような構成とすることにより、反応感度が低いフォトクロミック材料を使用し、例えば網膜101b等の投影対象に照射するには強すぎる画像光Lbをレーザ63,64,65から出射せざるをえない場合であっても、透明部材110を透過した画像光Lbの輝度を低減させることができ、投影対象に適切な輝度の画像光Lbを投射することができる。
また、表面層と背面層の両者ともフォトクロミック材料を含有する透明部材としながらも、表面層と背面層とでは、反応速度が異なるフォトクロミック材料や、遮光体となった際の暗化度の異なるフォトクロミック材料を併用するようにしても良い。
例えば、反応速度が早いが暗化度の低いフォトクロミック材料(以下、PC1と言う。)と、反応速度は遅いが十分な遮光効果を発揮する暗化度が得られるフォトクロミック材料(以下、PC2という。)とがある場合、これらのフォトクロミック材料をそれぞれ表面層と背面層とに分散させた状態とすることとしても良い。
このような構成とすることにより、異常時には、まずPC1が素早く反応して、投影対象に安全な程度の輝度まで画像光Lbを減光し、次いで、PC2が反応し、確実に遮光することで、投影対象や観察者に対し悪影響を及ぼすおそれを回避することができる。
なお、上述の変形例では二層構造を例示して説明したが、これに限定されるものではなく、上述したフィルタやフォトクロミック材料を複数種組み合わせて、三層構造以上の構成としても良いのは言うまでもない。また、一層に前記PC1とPC2をともに分散形成してももちろん良い。
次に、透明部材110に係る他の変形例について図9を用いて説明する。図9は、透明部材110を構成するガラス中に分散させたフォトクロミック材料の濃度分布を示した説明図である。図9中、透明部材110の濃淡は、フォトクロミック材料の濃度分布を便宜上可視的に示したものであり、透明部材110の右側に示したグラフはA−A’断面におけるフォトクロミック材料の濃度分布、下側に示したグラフはB−B’断面におけるフォトクロミック材料の濃度分布を示している。
図9を見ても分かるように、ここで説明する他の変形例に係る透明部材110は、透明部材110の正面視における上下左右方向略中央部に向かうに従い、ガラス中におけるフォトクロミック材料の濃度が高くなるように形成している。
これは、水平走査部80及び垂直走査部90の説明でも述べたように、共振により反射面の角度を変更する共振型の偏向素子81及び非共振型の偏向素子91を使用しており、両偏向素子81,91が停止した場合には、図中に示す画像光Lbの軌跡のうち、水平最大走査範囲及び垂直最大走査範囲の各中間地点で走査を停止する仕様としていることに由来する。
すなわち、透明部材110は、その含有するフォトクロミック材料の濃度を、走査部が予め設定された走査位置で停止しているときに走査部から入射されるレーザ光が通過する領域がその他の領域に対して高くなるように形成しているのである。
これにより、異常時の場合であっても、より確実に投影対象や観察者に対し悪影響を及ぼすおそれ回避することができる。
なお、ここでは、両偏向素子81,91が同時に停止したときに対応すべく、上下左右方向略中央部のフォトクロミック材料の濃度を高くしたが、これに限定されるものではなく、例えば、フォトクロミック材料濃度の高い部位を、A−A’断面線及びB−B’断面線に沿って十文字状に形成することにより、両偏向素子81,91のいずれか一方が停止した場合であっても、確実に投影対象や観察者に対し悪影響を及ぼすおそれ回避することができる。
また、ここでは、予め設定された走査停止位置が、両偏向素子81,91の水平最大走査範囲及び垂直最大走査範囲の各中間地点である場合について述べたが、走査手段や方法の違いにより、予め設定された走査停止位置が異なる場合には、その仕様に応じて、停止しているときに走査部から入射されるレーザ光が通過する領域がその他の領域に対して高くなるように形成することとなる。
上述してきたように、本実施形態によれば、以下の効果が期待できる。
(1)本実施形態に係る画像表示装置(例えば、HMD1)では、画像信号(例えば、画像信号S)に応じた強度のレーザ光(例えば、画像光Lb)を出射する光源(例えば、レーザ63,64,65)と、前記光源から出射されたレーザ光を走査する走査部(例えば、水平走査部80,垂直走査部90)とを備え、前記走査部によって走査されたレーザ光により画像を表示する画像表示装置において、前記走査部が走査したレーザ光の光路中に設けられ、少なくとも一つの中間像を形成する光学系(例えば、第2リレー光学系95)を備え、前記中間像が位置する中間像面位置又はその近傍に、フォトクロミック材料を含んで形成した透明部材(例えば、透明部材110)を配置したことにより、レーザ光の走査が行われなくなった場合や、投影に不適当な過剰エネルギーを持ったレーザ光が出力された場合であっても、投影対象や観察者に対し悪影響を及ぼすおそれを回避できる。また、透明部材は、中間像が位置する中間像面位置又はその近傍に配置することとしたため、フォトクロミック材料を感度良く反応させることができる。
(2)前記走査部は前記複数の光源から出射されたレーザ光を2次元方向に走査し、前記中間像として2次元像面を形成することとしたため、単位面積における走査時と停止時とのエネルギーの差が大きくなるため、比較的感度の低いフォトクロミック材料の使用が可能となり、設計の自由度を高めることができる。
(3)前記走査部と前記透明部材との間の光路に、当該光路を通過する前記レーザ光の輝度を低減する減光フィルタ(例えば、減光フィルタ130)を設けたため、通常の使用時に意図せずフォトクロミック材料が反応してしまうことを防止することができる。
(4)前記透明部材の位置を調整可能(例えば、遮光部111)としたため、フォトクロミック材料の感度に合わせて、透明部材の配設位置を適宜変更することができる。
(5)前記透明部材を前記光路上から取り外し可能に構成したため、出力異常や走査停止などによりフォトクロミック材料が反応しても、透明部材の交換を容易に行うことができる。また、透明部材が不要な場合の取り外しや、破損した場合の修理の手間を省く事ができる
(6)前記透明部材に回折構造を形成したため、例えば瞳拡大効果等の光学特性を透明部材に付与することができる。
(7)前記透明部材は、その含有するフォトクロミック材料の濃度を、前記走査部が予め設定された走査位置で停止しているときに当該走査部から入射されるレーザ光が通過する領域がその他の領域に対して高くなるように形成したため、予め設定された走査位置で停止している時のレーザ光をより確実に遮断することができる。
(8)前記走査部で走査されたレーザ光を観察者の眼(例えば、眼Y)に入射させて、前記観察者の網膜(例えば、網膜101b)上に前記画像信号に応じた画像を投影する接眼光学系(例えば、レンズ95b)をさらに設けたため、網膜走査型のHMDとした画像表示装置でありながら、レーザ光の走査が行われなくなった場合であっても、観察者の網膜上の一点に集中してレーザ光が照射されて、網膜へ何らかの障害を与えてしまうことを回避することができる。
最後に、上述した各実施の形態の説明は本発明の一例であり、本発明は上述の実施の形態に限定されることはない。このため、上述した各実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
例えば、本実施形態では、第2リレー光学系95の中間像面位置又はその近傍に透明部材110を配設することとしたが、これに限定されるものではなく、表示画像を適正に表示するにあたり光学的に許容される範囲内であれば、その他既存又は別途設けた光学系の中間像面位置又はその近傍に透明部材110を配設するようにしても良い。
また、本実施形態では、網膜走査型のHMDを挙げて説明したが、レーザ走査型の画像表示装置であれば特に限定されるものではなく、画像信号に応じた強度のレーザ光を出射する光源と、前記光源から出射されたレーザ光を走査する走査部とを備え、前記走査部によって走査されたレーザ光により画像を表示する画像表示装置であれば適用可能である。
1 HMD
63 Rレーザ
64 Gレーザ
65 Bレーザ
80 水平走査部
81 偏向素子
85 第1リレー光学系
90 垂直走査部
91 偏向素子
95 第2リレー光学系
101a 瞳孔
101b 網膜
110 透明部材
111 遮光部
122 揺動軸
123 進退軸
130 減光フィルタ
ΔG0 活性化エネルギー
Lb 画像光
P 観察者
S 画像信号
Y 眼
63 Rレーザ
64 Gレーザ
65 Bレーザ
80 水平走査部
81 偏向素子
85 第1リレー光学系
90 垂直走査部
91 偏向素子
95 第2リレー光学系
101a 瞳孔
101b 網膜
110 透明部材
111 遮光部
122 揺動軸
123 進退軸
130 減光フィルタ
ΔG0 活性化エネルギー
Lb 画像光
P 観察者
S 画像信号
Y 眼
Claims (8)
- 画像信号に応じた強度のレーザ光を出射する光源と、前記光源から出射されたレーザ光を走査する走査部とを備え、前記走査部によって走査されたレーザ光により画像を表示する画像表示装置において、
前記走査部が走査したレーザ光の光路中に設けられ、少なくとも一つの中間像を形成する光学系を備え、前記中間像が位置する中間像面位置又はその近傍に、フォトクロミック材料を含んで形成した透明部材を配置したことを特徴とする画像表示装置。 - 前記走査部は前記複数の光源から出射されたレーザ光を2次元方向に走査し、前記中間像として2次元像面を形成することを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
- 前記走査部と前記透明部材との間の光路に、当該光路を通過する前記レーザ光の輝度を低減する減光フィルタを設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像表示装置。
- 前記透明部材の位置を調整可能としたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像表示装置。
- 前記透明部材を前記光路上から取り外し可能に構成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像表示装置。
- 前記透明部材に回折構造を形成したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像表示装置。
- 前記透明部材は、その含有するフォトクロミック材料の濃度を、前記走査部が予め設定された走査位置で停止しているときに当該走査部から入射されるレーザ光が通過する領域がその他の領域に対して高くなるように形成していることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像表示装置。
- 前記走査部で走査されたレーザ光を観察者の眼に入射させて、前記観察者の網膜上に前記画像信号に応じた画像を投影する接眼光学系をさらに設けたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の画像表示装置。
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