JP2019145361A - 光源装置、車両用灯具及びプロジェクタ - Google Patents

光源装置、車両用灯具及びプロジェクタ Download PDF

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Abstract

【課題】レーザー光が波長変換されたり減光されたりしない状態で外部にもれることを防ぐ。【解決手段】光源装置1は、レーザー光L1を出射する半導体レーザー素子10と、半導体レーザー素子10から出射されたレーザー光L1の少なくとも一部を波長変換する蛍光体含有層12と、入射する光の光量によって光の吸収量が変化する光制限材料を含有する光制限層13と、光量または特定の波長の光を検出する光検出部40と、光検出部40の検出結果に基づいて半導体レーザー素子10を制御する制御部50とを備える。蛍光体含有層12および光制限層13は、半導体レーザー素子10から出射されるレーザー光L1の光路に設けられており、光制限層13は、蛍光体含有層12よりも当該光路の下流側に設けられている。【選択図】図1

Description

本発明は、半導体レーザー素子を光源とする光源装置、この光源装置を備える車両用灯具及びプロジェクタに関する。
レーザー光を出射する半導体レーザー素子を光源とする光源装置には、半導体レーザー素子と、レーザー光を吸収して波長変換する蛍光体含有層とを備えたものがある。このような光源装置には、レーザー光が人の目に直接照射されないようにするというアイセーフティの課題がある。しかし、従来の光源装置に振動等の何らかの外力が加わることにより、蛍光体含有層が欠損または光源装置から脱落して正常な位置からなくなると、波長変換されたり減光されたりしていない状態のレーザー光が光源装置から出射されてしまう。
そこで、特許文献1には、半導体レーザー素子、蛍光体含有層に加え、特定色の光を検出する検出手段と、検出手段を制御する制御手段とを備える車両用灯具が開示されている。特許文献1の車両用灯具では、検出手段が波長変換されなかったレーザー光を検出した場合、制御手段が、検出手段の検出結果に基づいてレーザー光を出射しないように半導体レーザー素子を制御することにより、アイセーフティを図っている。
光源として、レーザー光を出射する光源を用いる装置には、他にもプロジェクタ等があり(例えば特許文献2)、このような装置でもレーザー光は蛍光体で波長変換された後、出射される構成となっているが、上述の灯具と同様にアイセーフティを対策する必要がある。
特開2014−180886号公報 特許第5406638号
しかし特許文献1のように、検出手段の結果に基づいて半導体レーザー素子を制御する車両用灯具では、半導体レーザー素子がレーザー光を出射し、検出手段が波長変換されなかった光を検出してから、制御手段がレーザー光を遮断させるまでの間にタイムラグが生じる。そのため、このような車両用灯具には、もし蛍光体含有層が欠損または車両用灯具から脱落すると、制御手段がレーザー光を遮断させるまでにレーザー光が波長変換されない状態で出射されてしまうという問題がある。また、上述した従来のプロジェクタにも同様の問題が存在するが、従来のプロジェクタにおいても、アイセーフティの問題については何ら考慮されていない。
本発明の目的は、レーザー光が波長変換されたり減光されたりしない状態で外部にもれることを防ぐことにある。
上記目的を達成するために、本発明の光源装置は、レーザー光を出射する半導体レーザー素子と、半導体レーザー素子から出射されたレーザー光の少なくとも一部を波長変換する蛍光体含有層と、入射する光の光量によって光の吸収量が変化する光制限材料を含有する光制限層と、光量または特定の波長の光を検出する光検出部と、光検出部の検出結果に基づいて半導体レーザー素子を制御する制御部とを備える。蛍光体含有層および光制限層は、半導体レーザー素子から出射されるレーザー光の光路に設けられており、光制限層は、蛍光体含有層よりも当該光路の下流側に設けられている。
本発明によれば、蛍光体含有層よりも光路の下流側に光制限層を配置することにより、波長変換されたり減光されたりしない状態でレーザー光が外部にもれることを防ぐことができる。
(a)〜(b)本発明の光源装置1のブロック図。 (a)〜(b)蛍光体含有層12が正常な位置にない場合の光源装置1のブロック図、(c)光制限層13に入射する光量と、光制限層13が吸収する光量との関係を示すグラフ。 本発明の車両用灯具の斜視図。 実施形態1の車両用灯具の断面図。 蛍光体含有層12が正常な位置にない場合の実施形態1の車両用灯具の断面図。 光源装置の動作例1を示すフローチャート。 光源装置の動作例2を示すフローチャート。 実施形態2の車両用灯具の断面図。 蛍光体含有層12が正常な位置にない場合の実施形態2の車両用灯具の断面図。 実施形態3の車両用灯具の断面図。 実施形態4のプロジェクタの斜視図。 実施形態4のプロジェクタの断面図。 実施形態4のプロジェクタの変形例の断面図。
本発明の光源装置の一実施形態について説明する。
図1、2は、本発明の光源装置1のブロック図と、光制限層13に入射する光量と光制限層13が吸収する光量との関係を示すグラフである。図1に示すように、光源装置1は、レーザー光L1を出射する半導体レーザー素子(LD素子)10と、半導体レーザー素子10から出射されたレーザー光L1の少なくとも一部を波長変換する蛍光体含有層12と、入射する光の光量によって光の吸収量が変化する光制限材料を含有する光制限層13と、光量または特定の波長の光を検出する光検出部40と、光検出部40の検出結果に基づいて半導体レーザー素子10を制御する制御部50とを備える。蛍光体含有層12および光制限層13は、半導体レーザー素子10から出射されるレーザー光L1の光路に設けられており、光制限層13は、蛍光体含有層12よりも当該光路の下流側に設けられている。
光源装置1をこのような構成にしたことにより、レーザー光L1は、蛍光体含有層12により少なくとも一部が波長変換されて光L2となり、さらに光L2の一部が光制限層13によって吸収されて、光L3として光源装置1から出射する。ただし、図2(a)、(b)に示すように、蛍光体含有層12が欠損または光源装置から脱落した場合、光L2よりも光量の大きなレーザー光L1が光制限層13に入射する。しかし、図2(c)に示すように、光制限層13は、入射する光の光量が増えると吸収する光量も増えるため、制御部50がレーザー光L1を遮断させるまでの間、レーザー光L1が、光制限層13によって十分に減光された状態で照射される。これにより、光源装置1は、波長変換されたり減光されたりしない状態のレーザー光L1が外部にもれることを防ぐことができる。以下、本発明の光源装置1を備えた、車両用灯具とプロジェクタの具体的な実施形態について説明する。
(実施形態1の車両用灯具)
図3は、実施形態1、2に共通する車両用灯具の斜視図、図4は実施形態1の車両用灯具の断面図である。これらの図では、図面左側が車両の前方側であり、図面右側が車両後方側である。
本実施形態の車両用灯具は、主として、光源装置1を内蔵する外筒部1Aと、投影レンズ26を有して光を外側に出射する前照灯モジュール2と、からなり、前照灯モジュール2は、投影レンズ26を固定するレンズ保持部29と、外筒部1Aとレンズ保持部29とを接続し、光源装置1から出る光の光路を変更するリフレクタ28とを備える。
図4に示すように、光源装置1は、レーザー光を出射する半導体レーザー素子10と、半導体レーザー素子10から出射されたレーザー光の少なくとも一部を波長変換する蛍光体含有層12と、入射する光の光量によって光の吸収量が変化する光制限材料を含有する光制限層13と、光量または特定の波長の光を検出する光検出部40と、光検出部40の検出結果に基づいて半導体レーザー素子10を制御する制御部50とを備える。
光源装置1は、外壁が角柱、内壁が円筒の上部に円錐が配置された形状の金属の筒体1A内に、半導体レーザー素子10と、半導体レーザー素子10から出射されたレーザー光L1を集光する集光レンズ11と、円板状の蛍光体含有層12と、円板状の光制限層13とを、下方からこの順で備える。
半導体レーザー素子10、集光レンズ11、蛍光体含有層12、および光制限層13は、筒体1Aの内壁に設けられた凹部にそれぞれはめ込まれ、図示しない接着剤で筒体1Aの内壁の凹部に接着されている。
半導体レーザー素子10は、所定の波長のレーザー光L1を出射する半導体発光素子であり、本例では、出力2.3W、波長450nmの青色レーザーダイオードである。半導体レーザー素子10は、不図示の電源に接続されており、上方にレーザー光L1を出射するように、保持部材に保持された状態で筒体1A内に固定されている。
集光レンズ11は、上下が凸面の透明樹脂からなり、その外周縁が筒体1Aの内壁の凹部にはめ込まれている。なお、集光レンズ11は省略可能である。
蛍光体含有層12は、蛍光体粒子を樹脂や無機バインダーに混練・分散させた材料によって形成され、筒体1Aの上部の円錐状部分に設けられている。蛍光体含有層12の蛍光体は、半導体レーザー素子10からのレーザー光L1により励起されて所望の波長の蛍光を発する蛍光体である。具体的には蛍光体含有層12の蛍光体には例えば、青色のレーザー光L1を発する半導体レーザー素子10の発光により励起されて、黄色蛍光を発する蛍光体(例えばYAG蛍光体等)を用いる。これにより、光源装置1は、青色光と黄色光が混色された白色の光L2を発する。
光制限層13は、筒体1Aの上端部に設けられていて、蛍光体含有層12を通過した光L2の一部を吸収する。光L2はレーザー光L1よりも光量が小さいが、光制限層13は、このような光量の小さい光に対しては光の吸収が少ない(図2(c)参照)。そのため、光L2を光制限層13が吸収しても、出射光として、十分な光量を確保することができる。一方、蛍光体含有層12が欠損または光源装置1から脱落した場合(以下、「正常な位置にない場合」という)、レーザー光L1が直接光制限層13に入射されると、光制限層13の光の吸収量が増大するため、光制限層13を通過する光量は大幅に減少する。これにより、この車両用灯具は、光量の大きなレーザー光の出射量を制限し、アイセーフティを図ることができる。
光制限材料には、入射する光の光量によって光の吸収量が変化する、金属酸化物または有機系二光子吸収材料のうち少なくともいずれかを、樹脂や無機バインダーに混練・分散させたものを使用する。光制限材料が金属酸化物を含有する場合、金属酸化物には、Mn、Fe、Co、CuO、TiO、RuO、Sb、Ta、Re、OSo、IrO等が使用されることが好ましい。光制限材料が有機系二光子吸収材料を含有する場合、有機系二光子吸収材料には、ローダミン、クマリン、ジチエノチオフェン誘導体、オリゴフェニレンビニレン誘導体等が使用されることが好ましい。なお、光制限材料には、耐熱性の観点から、金属酸化物が使用されることがより好ましい。
光制限層13は、板状の基材の表面に、光制限材料を印刷、蒸着、スパッタリング、めっき等で覆うことにより形成してもよいし、光制限材料を板状に固化させて形成してもよい。
光検出器40は、レーザー光L1の光路において、蛍光体含有層12よりも下流に配置されている。図2に示す実施形態では、光検出器40は、リフレクタ28を上下に貫通する貫通孔Hの(外側)端部に固定されており、光源装置1から出て、リフレクタ28で反射されずに直進する光が入射される。
光検出部40がこのように配置されているため、光検出部40は、光源装置1から出射されて投影レンズ26に向かう光の経路を遮らない。なお、光検出部40は、リフレクタ28上に設けられた図示しない保持部によって保持されていてもよいし、光源装置1と前照灯モジュール2を収納する図示しないハウジングに設けられることにより、貫通孔Hの上方に設けられてもよい。さらに図示しないが、光検出部40は、前照灯モジュール2内で、前照灯モジュール2内を通る光の経路を遮らない位置に設けられていてもよい。
光検出器40としては、受光した光量に応じた電気信号を発生するフォトダイオードや、所定の波長、例えばレーザー発光素子が発する光の波長、の光に対し、感度特性を持たせたフォトダイオードなどを用いることができる。光検出器40は、所定量以上の光量の光を検出すると或いは所定の波長の光を検出すると光量に応じた電気信号を制御部50に送信する。
制御部50は、半導体レーザー素子10と光検出部40とに電気的に接続されており、光検出部40の検出結果に応じた電気信号に基づいて、半導体レーザー素子10の電源のオン・オフを切り替える。
光検出部40に、所定の波長帯域の光量を検出できるものを使用した場合、制御部50は、光検出部40が検出した光量に応じて半導体レーザー素子10の電源のオン・オフを切り替える。具体的には、光検出部40が所定量以上の光量を検出しなかった場合、制御部50は、半導体レーザー素子10にレーザー光L1を出射させ続け、光検出部40が検出した光量が所定量以上であった場合、制御部50は、半導体レーザー素子10にレーザー光L1を出射させないようにする。
また、光検出部40に、特定の波長の光を検出できるものを使用した場合、制御部50は、光検出部40が特定の波長の光を検出したか否かに応じて半導体レーザー素子10の電源のオン・オフを切り替える。具体的には、光検出部40が特定の波長の光を検出した場合、制御部50は、半導体レーザー素子10がレーザー光L1を出射させた状態を維持させて、光検出部40が特定の波長の光を検出しなかった場合、制御部50は、半導体レーザー素子10にレーザー光L1を出射させないようにする。
前照灯モジュール2は、光源装置1の上部で投影レンズ26を支持し、光源装置1を下方から上方に出射した光を投影レンズ26側に向かわせるものである。前照灯モジュール2は、光源装置1から出射された光を反射して車両前方側に向かわせる反射面28aを含むリフレクタ28と、リフレクタ28に対して車両前方側に設けられて、投影レンズ26を保持するレンズ保持部29と、投影レンズ26に照射される光の一部を遮光するように、光源装置1と投影レンズ26との間に配置されたシェード27を備える。
投影レンズ26は、光源装置1よりも車両前方側に設けられており、車両前方側に向いた、光の出射面26aが凸面で、車両後方側に向いた、光の入射面26bが平面又は凸面の透明樹脂からなる。投影レンズ26は、光源装置1から出射されて入射面26b側から入射した光束を拡大して、出射面26aから車両前方側に照射する。
リフレクタ28の反射面28aは、光源装置1の上方から車両前方側の上方を覆う湾曲面であり、光源装置1が出射した光を、投影レンズ26側に向かうように反射させる。リフレクタ28の、蛍光体含有層12が正常な位置にない状態で半導体レーザー素子10から出射されたレーザー光L1があたる領域には、レーザー光L1を通過させる貫通孔Hが形成されている。
蛍光体含有層12が正常な位置にない場合、レーザー光L1は蛍光体含有層12により吸収されたり波長変換されたりしないが、貫通孔Hがリフレクタ28に設けられていることにより、光源装置1から出射された光の一部が貫通孔Hを通って逃される。そのため、強い光が反射面28aで反射されて投影レンズ26から車両の前方へ照射されることを抑制できる。
レンズ保持部29は、筒体1Aの軸方向に直交する軸を有する輪状の孔29aを有し、投影レンズ26の出射面26aから車両前方に照射される光の光軸が筒体1A内を通る光の光軸と直交するように、孔29a内で投影レンズ26を保持する。
(実施形態1の車両用灯具の動作例1)
続いて、図4〜6を参照し、実施形態1の車両用灯具の動作例1(光検出部40が受光した光量を検出できる場合の動作例)について説明する。図5は、蛍光体含有層12が正常な位置にない場合の実施形態1の車両用灯具の断面図であり、説明のために蛍光体含有層12を図示していない。図6は、光検出部40が受光した光量を検出できる場合の光源装置1の動作例を説明するフローチャートである。なお、図4の光源装置1の動作を図1(a)に、図5の光源装置1の動作を図2(a)に、簡略化して示しているため、これらの図も必要に応じて参照されたい。
まず、蛍光体含有層12が正常な位置にある場合の実施形態1の車両用灯具の動作例について説明する。
半導体レーザー素子10がレーザー光L1を出射しているとき(ステップS1)、図4に示すように、半導体レーザー素子10から出射されるレーザー光L1は、集光レンズ16で集光されて、蛍光体含有層12を局所的に照射する。蛍光体含有層12に入射したレーザー光L1(例えば、青色レーザー光)は、一部が蛍光体含有層12に含まれる蛍光体に吸収され、蛍光(例えば黄色光)に波長変換される。蛍光体に吸収されなかった光(青色光)と波長変換された蛍光(黄色光)は混合されて光L2(白色光)となる。この混合した光L2が、蛍光体含有層12の上面から出射される。
蛍光体含有層12の上面から出射された光L2は、そのまま上方の光制限層13に入射する。光制限層13は、入射した光L2の一部を吸収する(図6のステップS2)。光制限層13に入射して光制限層13によって吸収されなかった光L3が、光制限層13から出射される。光制限層13は、光量の小さい光に対しては光の吸収が少ないため、光L2を光制限層13が吸収しても、車両用灯具として、必要な光量を出射することができる。
光制限層13から出射された光L3は、反射面28aで反射されると、投影レンズ26を透過して車両前方に照射される。なお、光L3がシェード27によってその一部が遮光されると、投影レンズ26から照射される光は、ロービームとして照射される。
光制限層13から出射される光L3の一部は、貫通孔Hを通過し、前照灯モジュール2の上方から光検出部40に入射する。
光検出部40に入射する光L3は、蛍光体含有層12と光制限層13を通ったことにより、波長変換され、レーザー光L1よりも光量が小さくなるため、光検出部40が所定量以上の光量を検出しない(図6のステップS3A:NO)。その結果、制御部50は、蛍光体含有層12が正常の位置にあると判断して、半導体レーザー素子10の電源をオンの状態に保ち、レーザー光L1を出射させ続ける。
次に、光源装置1に振動等の何らかの外力が加わることにより、蛍光体含有層12が正常な位置にない場合の、実施形態1の車両用灯具の動作例について説明する。
この場合、半導体レーザー素子10がレーザー光L1を出射しているとき(ステップS1)、図5に示すように、レーザー光L1は、集光レンズ16で集光された後、蛍光体含有層12によって波長変換も減光もされない状態、すなわちレーザー光L1のまま光制限層13に入射する。光制限層13は、蛍光体含有層12によって波長変換された光L2よりも強いレーザー光L1を受光することにより、吸光量が増加する。そのため、光制限層13は、入射したレーザー光L1を十分に吸収して減光する(図6のステップS2)。光制限層13に入射して光制限層13によって吸収されなかった青色の光L4は、光制限層13から出射される。光L4が反射面28aで反射されると、投影レンズ26を透過して車両前方に照射される。
本例では、光制限層13には、蛍光体含有層12が正常な位置にあるときに入射した光L2よりも光量の大きなレーザー光L1が入射するため、光制限層13は、蛍光体含有層12が正常な位置にあるときと比べて強い光を吸収する。そのため、投影レンズ26から車両前方に照射される光は、蛍光体含有層12によって波長変換も減光もされていないが、光制限層13によって十分に減光されているため、アイセーフティを図ることができる。
光L4の一部が、貫通孔Hを通過すると、前照灯モジュール2の上方から出射されて光検出部40に入射する。
蛍光体含有層12が正常な位置にない場合、蛍光体含有層12がレーザー光L1を吸収しないため、光検出部40には、蛍光体含有層12が正常な位置にあるときと比べて大きな量の光が入射する。そのため、光検出部40が、蛍光体含有層12が正常な位置にあるときと比べて大きな光量を検出した場合、すなわち、光検出部40が所定量以上の光量を検出した場合(図6のステップS3A:YES)、制御部50は、蛍光体含有層12が正常の位置にないと判断する。そして、制御部50は、レーザー光を出射させないように、半導体レーザー素子10の電源をオフにする(ステップS4)。またこのとき、制御部50は、図示しない表示部に警告表示をさせる。なお、警告は、表示に限られず、警告音を発する、警告ランプを点灯するなどであってもよい。
(実施形態1の車両用灯具の動作例2)
続いて、図4、5、7を参照し、実施形態1の車両用灯具の動作例2(光検出部40が特定の波長の光を検出できる場合の動作例)について説明する。図7は、光検出部40が特定の波長の光を検出できる場合の光源装置1の動作例を説明するフローチャートである。
まず、蛍光体含有層12が正常な位置にある場合の実施形態1の車両用灯具の動作例について説明する。
半導体レーザー素子10がレーザー光L1を出射しているとき(ステップS1)、図4に示すように、青色のレーザー光L1は、集光レンズ16で集光されて、蛍光体含有層12に入射する。蛍光体含有層12は、入射したレーザー光L1の一部を吸収し、蛍光(黄色光)に波長変換する。蛍光体に吸収されなかった光(青色光)と波長変換された蛍光が混合されると光L2(白色光)となり、蛍光体含有層12が光L2を出射する。
光L2が光制限層13に入射すると、光制限層13が、入射した光L2の一部を吸収する(図7のステップS2)。光制限層13に入射して光制限層13によって吸収されなかった光L3が、光制限層13から出射される。
光制限層13から出射された光L3は、反射面28aで反射されると、投影レンズ26を透過して車両前方に照射される。光制限層13から出射される光L3の一部は、貫通孔Hを通過し、前照灯モジュール2の上方から光検出部40に入射する。
光検出部40が、蛍光体含有層12により波長変換された光、すなわち、特定の波長の光(この例では、白色の波長)を検出した場合(図7のステップS3B:YES)制御部50は、蛍光体含有層12が正常の位置にあると判断して、レーザー光L1を出射させ続ける。
次に、蛍光体含有層12が正常な位置にない場合の、実施形態1の車両用灯具の動作例について説明する。
この場合、半導体レーザー素子10がレーザー光L1を出射しているとき(ステップS1)、図5に示すように、青色のレーザー光L1は、集光レンズ16で集光され、蛍光体含有層12によって波長変換されない状態、すなわち青色レーザー光のまま光制限層13に入射する。光制限層13は、入射した青色レーザー光(蛍光体含有層12が正常な位置にあるときと比べて強い光)を受光することにより、光制限層13の吸光量が増加するため、入射した青色レーザー光を十分に吸収して減光する(図7のステップS2)。光制限層13に入射して光制限層13によって吸収されなかった青色の光L4が、光制限層13から出射される。
光L4は、反射面28aで反射されると、投影レンズ26を透過して車両前方に照射される。投影レンズ26から車両前方に照射される光は、蛍光体含有層12によって波長変換も減光もされていないが、光制限層13によって十分に減光されているため、アイセーフティを図ることができる。
光L4の一部が、貫通孔Hを通過して前照灯モジュール2の上方から出射されると、光検出部40に入射する。
蛍光体含有層12が正常な位置にない場合、光検出部40には、特定の波長の光(白色光)は入射しない。そのため、光検出部40が、蛍光体含有層12が正常な位置にあるときと比べて異なる波長の光L4を検出し、特定の波長の光L3を検出しない。光検出部40が、特定の波長の光L3を検出しなかった場合(図7のステップS3B:NO)、制御部50は、蛍光体含有層12が正常の位置にないと判断して、レーザー光L1を出射させないように半導体レーザー素子10を制御するとともに警告を行う(ステップS4)。
上述した動作例1、2で示した通り、蛍光体含有層12が欠損または光源装置1から脱落しても、光検出部40の検出結果に応じて制御部50がレーザー光L1を出射させないようにする。さらに、半導体レーザー素子10がレーザー光L1を出射してから、制御部50がレーザー光L1を遮断させるまでの間にタイムラグが生じても、レーザー光L1は、光制限層13により吸収される。よって、レーザー光L1が、減光されずに投影レンズ26を透過して車両前方へ照射されることを防ぐことができる。
(実施形態2の車両用灯具)
続いて、実施形態2の車両用灯具を図8を用いて説明する。この車両用灯具は、投影レンズ26に光制限層13が設けられている点で、実施形態1の車両用灯具と異なる。以下、実施形態2の車両用灯具と実施形態1の車両用灯具とで異なる構成を中心に説明する。他の構成は、実施形態1の車両用灯具と同様であるので、説明を省略する。
本例の光制限層13は、円板状に形成されていて、投影レンズ26の入射面26bの全体に接着されている。なお、光制限層13は、蛍光体含有層12から出射されてから投影レンズ26により照射されるまでの光を遮る位置、すなわち、蛍光体含有層12よりも光源装置1から出射された光の光路の下流側に、設けられていればよい。そのため、光制限層13は、投影レンズ26の出射面26aの表面に設けられていてもよいし、光制限材料が投影レンズ26の材料に混練されて光制限層13が形成されていてもよい。さらに、光制限層13は、前照灯モジュール2内の投影レンズ26から離間した位置に、蛍光体含有層12から出射されて投影レンズ26に向かう光を遮るようにして設けられていてもよい。
また、本例の蛍光体含有層12は、筒体1Aの上端に設けられている。さらに、本例の貫通孔Hには、光を透過させる樹脂等で形成された透過部材H2がはめ込まれている。
(実施形態2の車両用灯具の動作例1)
続いて、図6〜9を参照し、実施形態2の車両用灯具の動作例について説明する。なお、この動作例では、光検出部40が、受光した光量を検出できる場合と、特定の波長の光を検出できる場合とについてまとめて説明する。図9は、蛍光体含有層12が正常な位置にない場合の実施形態2の車両用灯具の断面図であり、説明のために蛍光体含有層12を図示していない。なお、図8の光源装置1の動作は、図1(b)に、図9の光源装置1の動作は、図2(b)に、簡略化して示しているため、これらの図も必要に応じて参照されたい。
まず、蛍光体含有層12が正常な位置にある場合の実施形態2の車両用灯具の動作例について説明する。
半導体レーザー素子10がレーザー光L1を出射しているとき(ステップS1)、図8に示すように、レーザー光L1は、集光レンズ16で集光されて、蛍光体含有層12に入射する。蛍光体含有層12は、入射したレーザー光L1を光2に変換し、光L2を出射する。
反射面28aで反射された光L2は、投影レンズ26に向かい、光制限層13に入射する。光制限層13は、入射した光L2の一部を吸収する(図6、7のステップS2)。光制限層13に入射して光制限層13によって吸収されなかった光が、光制限層13から出射されて、投影レンズ26を透過して車両前方に照射される。
光L2の一部は、透過部材H2を透過し、前照灯モジュール2の上方から光検出部40に入射する。光検出部40に、受光した光量を検出することのできるものを使用した場合、光検出部40が、所定量以上の光量を検出しない(図6のステップS3A:NO)。その結果、制御部50は、蛍光体含有層12が正常の位置にあると判断して、レーザー光L1を出射させ続ける。
光検出部40に、特定の波長の光を検出することのできるものを使用した場合、光検出部40が蛍光体含有層12により波長変換された光、すなわち、特定の波長の光L2を検出すると(図7のステップS3B:YES)制御部50は、蛍光体含有層12が正常の位置にあると判断して、レーザー光L1を出射させ続ける。
次に、蛍光体含有層12が正常な位置にない場合の、実施形態2の車両用灯具の動作例について説明する。
この場合、半導体レーザー素子10がレーザー光L1を出射しているとき(ステップS1)、図9に示すように、レーザー光L1は、集光レンズ16で集光され、レーザー光L1のまま筒体1Aの上端から出射される。
レーザー光L1は、透過部材H2を通過して光検出部40に入射する。もし、レーザー光L1が投影レンズ26に向かったとしても、光制限層13が、蛍光体含有層12が正常な位置にあるときと比べて強い光を受光することにより、光制限層13の吸光量が増加するため、光制限層13は、入射したレーザー光L1を十分に吸収して減光する(ステップS2)。
蛍光体含有層12が正常な位置にない場合、光検出部40は、蛍光体含有層12が正常な位置にないことを検出できる(図6のステップS3A:YESまたは図7のステップS3B:NO)。制御部50は、蛍光体含有層12が正常の位置にないと判断して、レーザー光L1を出射させないように半導体レーザー素子10を制御するとともに、警告を行う(ステップS4)。
実施形態2の車両用灯具では、投影レンズ26に光制限層13が設けられているため、実施形態1の車両用灯具で得られた効果に加え、光制限層13が何らかの外力が加わることで正常な位置からなくなることを防ぐことができる。
(実施形態3の車両用灯具)
続いて、実施形態3の車両用灯具を図10を用いて説明する。この車両用灯具は、光源装置1と前照灯モジュール2がハウジング92内に収納されている点と、ハウジング92には、光が出射される側の少なくとも一部に光制限層13が設けられている点が、上述した実施形態と異なる。以下、実施形態3の車両用灯具と上述した実施形態の車両用灯具とで異なる構成を中心に説明する。他の構成は、実施形態1の車両用灯具と同様であるので、説明を省略する。
ハウジング92の前面には、投影レンズ26から出射される光を車両の前方に照射する前面レンズ91が設けられており、前面レンズ91の投影レンズ26側に、板状の光制限層13が接着されている。
本例の光制限層13は、投影レンズ26から前面レンズ91に向かい、前面レンズ91から照射されるまでの間を通過する光を遮る位置に設けられていればよい。そのため、光制限層13は、前面レンズ91の表面の車両前方側または後方側に塗布されていてもよいし、板状の光制限層13が、前面レンズ91の表面の車両前方側に接着されていてもよい。また、光制限材料が前面レンズ91の材料に混練されることにより光制限層13が形成されていてもよいし、ハウジング92の全面にわたって光制限層13が設けられていてもよい。さらに、光制限層13が板状の部材の場合、前面レンズ91に接着されていなくても、ハウジング92内に、投影レンズ26から出射されて、前面レンズ91から照射されるまでの間を通過する光を遮るようにして設けられていてもよい。
実施形態3の車両用灯具の動作例は実施形態2の車両用灯具と同じであり、実施形態3の車両用灯具では、実施形態2の車両用灯具と同様の効果を得ることができる。
(実施形態4のプロジェクタ)
続いて、実施形態4のプロジェクタを図11、12を用いて説明する。図11は、実施形態4のプロジェクタの斜視図であり、図12はその光学系の拡大断面図である。実施形態4のプロジェクタは、光源として半導体レーザー素子と発光素子とを備え、半導体レーザー素子から出射されるレーザー光L1と、発光素子から出射される光L5を合成し、合成した光L6の一部を光制限層が吸収した光L7を、プロジェクタの外部に投影するものである。なお、本例における前後とは光の進行方向に対する前後方向を示す。
図11に示すように、上述した2つの光源(半導体レーザー素子と発光素子)は、略直方体形状の本体ケース60に収納されており、本体ケース60は、前方の投影口62bから光L7を照射する。投影口62bは、レンズカバー62で覆われている。
本体ケース60の上面には、操作表示部63が設けられており、操作表示部63は、電源スイッチキーや、蛍光体含有層12が正常の位置にないときに報知をするランプ等を有する。
図12は、このプロジェクタの前方を紙面下方に向けた状態で示しており、このプロジェクタは、光源装置1Bと、表示素子77とを有する。光源装置1Bは、複数の半導体レーザー素子10と、蛍光体含有層12としての蛍光ホイール12Bと、入射する光の光量によって光の吸収量が変化する光制限材料を含有する光制限層13と、光検出部40と、制御部50とを備える。光源装置1Bはさらに、レーザー光L1の光軸方向と同方向の光L5(例えば、赤色発光ダイオード等の赤色光)を出射する発光素子100を備える。表示素子77は、入射した光L6を画素ごとに吸収または反射するように制御されて、光L6を投影光に変換するデジタルミラーデバイス(DMD)等の素子である。
本体ケース60内にはさらに、レーザー光L1を反射してその光軸方向を90度変換する反射ミラー群102と、レーザー光L1及び光L5の光軸を一致させて表示素子77に集光する集光光学系(ダイクロイックミラー151a、151d、ミラー151b、151c)と、集光光学系により光軸が一致されて表示素子77を反射した光L6を投影口62bに向けて集光させるレンズやミラーを備える。
半導体レーザー素子10は、平面状に複数配置されており、レーザー光L1を、投影口62bから出射される光L7とは反対方向に出射する。反射ミラー群102は、レーザー光L1を蛍光体ホイール12Bに向けて反射させる。
蛍光ホイール12Bは、ホイールモータ12mにより回転される円板状の部材であって、蛍光ホイール12Bが回転することにより、レーザー光L1を透過させたり反射させたりする。蛍光ホイール12Bは、その回転軸が反射ミラー群102で反射されたレーザー光L1の光軸と平行になるように、レーザー光L1の光路に配置されている。蛍光ホイール12Bの外周縁部には、図示しないが、透光性を有してレーザー光L1を拡散する拡散領域と、反射面の表面に透明の保護膜が形成されてさらにこの保護膜の表面に蛍光体層を有する蛍光発光領域と、が周方向に並設されている。
蛍光ホイール12Bの拡散領域は、入射した光を透過するものである。半導体レーザー素子10からの指向性の高いレーザー光L1が蛍光ホイール12Bの拡散領域に照射されると、指向性の低い拡散光に変換されて蛍光体ホイール12Bの裏面側から光L2として出射される。
一方、蛍光ホイール12Bの蛍光発光領域は、入射した光を反射させるものである。この蛍光発光領域は、金属材料等の表面に銀蒸着等によって反射面が形成され、この反射面の表面にスパッタによってフッ化マグネシウム(MgF)等の透明の保護膜が形成され、さらにこの保護膜の表面に蛍光体層が設けられている。蛍光体層は、蛍光体粒子を耐熱性が高くかつ透光性の高い樹脂や無機バインダーに混練・分散させた材料によって形成されている。また、蛍光体層の蛍光体は、半導体レーザー素子10からの光をレーザー光L1として所望の波長の蛍光(例えば、緑色光)を発する蛍光体を用いる。具体的には例えば、蛍光体層の蛍光体には、セリウム賦活ガーネット構造蛍光体のY3(Al,Ga)12:Ce3+を使用することが好ましい。
本例の光制限層13は、レンズカバー62の投影口62b側の入射面に塗布されており、表示素子77で投影口62bに向けて反射された光L6の一部を吸収する。光L6はレーザー光L1よりも光量が小さいが、光制限層13は、このような光量の小さい光に対しては光の吸収が少ない(図2(c)参照)。そのため、光L6を光制限層13が吸収しても、出射光として、十分な光量を確保することができる。一方、蛍光体ホイール12Bが正常な位置にない場合、レーザー光L1が直接光L5と合成されて光制限層13に入射される。そのため、光制限層13の光の吸収量が増大し、光制限層13を通過する光量は大幅に減少する。これにより、このプロジェクタは、光量の大きな光の出射量を制限し、アイセーフティを図ることができる。
光制限層13に使用される光制限材料については、実施形態1〜3の車両用灯具と同じであり、実施形態1の車両用灯具で説明したため、その詳細な説明は省略する。
光検出部40は、レンズカバー62の前方に、プロジェクタから投影される光の経路を遮らないようにして設けられている。なお、光検出部40は、蛍光体ホイール12Bから出射されて、投影口62bに向かうまでの光路上であれば、本体ケース60内の、光路を遮らない位置に設けられていてもよい。
(実施形態4のプロジェクタの動作例)
続いて、図6、7、12を参照し、実施形態4のプロジェクタの動作例について説明する。なお、この動作例では、光検出部40が受光した光L7の光量を検出できる場合と、特定の波長の光を検出できる場合とについて、まとめて説明する。まず、蛍光体ホイール12Bが正常な位置にある場合について説明する。
半導体レーザー素子10がレーザー光L1を出射しているとき(ステップS1)、図12に示すように、反射ミラー群102で反射されたレーザー光L1は、ダイクロイックミラー151aを透過し、蛍光ホイール12Bの蛍光発光領域や拡散領域に照射される。
蛍光体ホイール12Bの蛍光体層に照射されたレーザー光L1(例えば、青色レーザー光)は、一部が蛍光体層に含まれる蛍光体に吸収され、蛍光(例えば緑色光)に波長変換される。蛍光体に吸収されなかった光(青色光)と波長変換された蛍光(緑色光)は混合され、この混合光は、ダイクロイックミラー151a側に反射される。
蛍光体ホイール12Bを反射した混合光は、ダイクロイックミラー151aで、発光素子100から出射された光L5(例えば赤色光)と合成されて、ミラー151cで反射した後、ダイクロイックミラー151dに入射する。
一方、蛍光ホイール12Bの拡散領域に照射されたレーザー光L1は、拡散することにより減光され、減光された光L2は、蛍光ホイール12Bの裏面側に透過される。光L2は、ミラー151bで反射し、ダイクロイックミラー151dを透過する。
これにより、ダイクロイックミラー151dにおいて、蛍光体ホイール12Bを反射して光L5と合成した光は、蛍光体ホイール12Bにより減光された光L2と合成される。
ダイクロイックミラー151dで合成された光L6は、表示素子77で投影光に変換され、投影口62bに向けて進む。投影口62bを通過した光L6は、光制限層13に入射する。光制限層13は、入射した光L6の一部を吸収する(図6、7のステップS2)。光制限層13に入射して光制限層13によって吸収されなかった光L7が、光制限層13から出射される。光制限層13は、光量の小さい光に対しては光の吸収が少ないため、光L6を光制限層13が吸収しても、プロジェクタとして、必要な光量を出射することができる。
光L7は、レンズカバー62を通ってスクリーン等のプロジェクタの外部に投影される。光L7の一部は、光検出部40に入射する。
光検出部40に、受光した光量を検出することのできるものを使用した場合、光検出部40が、所定量以上の光量を検出しない(図6のステップS3A:NO)。その結果、制御部50は、蛍光体ホイール12Bが正常の位置にあると判断して、レーザー光L1を出射し続けるように半導体レーザー素子10を制御する。
光検出部40に、特定の波長の光を検出することのできるものを使用した場合、光検出部40が、蛍光体ホイール12Bにより波長変換された光、すなわち、特定の波長の光を検出すると(図7のステップS3B:YES)制御部50は、蛍光体ホイール12Bが正常の位置にあると判断して、レーザー光L1を出射し続けるように半導体レーザー素子10を制御する。
蛍光体ホイール12Bが正常な位置にない場合、レーザー光L1は発光素子100からの光L5と混合された状態で投影口62bに向かうが、投影口62bに配置された光制限層13は、蛍光体含有層12が正常な位置にあるときに受光した光よりも強い光を受光する。これにより、光制限層13の吸光量が増加する。そのため、光制限層13は、レーザー光L1を十分に減光する(ステップS2)。
また、蛍光体ホイール12Bが正常な位置にない場合、光検出部40は、蛍光体ホイール12Bが正常な位置にないことを検出できる(図6のステップS3A:YESまたは図7のステップS3B:NO)。制御部50は、光検出部40の検出結果に基づいて蛍光体ホイール12Bが正常の位置にないと判断すると、レーザー光を出射させないように半導体レーザー素子10を制御する(図6、7のステップS4)。またこのとき、制御部50は、操作表示部63により警告表示をさせる。なお、警告は、ランプの点灯などによる表示に限られず、警告音を発する、文字などで警告を表示するなどであってもよい。
半導体レーザー素子10がレーザー光L1を出射してから、制御部50がレーザー光L1を遮断させるまでの間にタイムラグが生じても、レーザー光L1は、光制限層13により十分に吸収される。よって、実施形態4のプロジェクタでも、レーザー光L1が減光も波長変換もされずにレンズカバー62を透過して外部にもれることを防ぐことができる。
なお、光制限層13は、レンズカバー62の投影口62b側の入射面に塗布される例に限られない。光制限層13は、蛍光体ホイール12Bから出射されてから、レンズカバー62からプロジェクタの外部に投影されるまでの間を通過する光を遮る位置、すなわち、蛍光体ホイール12Bよりも光源装置1Bから出射された光の光路の下流側に、設けられていればよい。そのため、光制限層13は、レンズカバー62の投影口62bとは反対側の出射面に塗布されていてもよいし、板状の光制限層13が、レンズカバー62の表面に接着されていてもよい。また、光制限材料は、レンズカバー62の材料に混練されて成形加工されていてもよい。
特に、図13に示す実施形態4のプロジェクタの変形例のように、光制限層13を、蛍光体ホイール12Bとダイクロイックミラー151dの間に配置すると、光制限層13は、蛍光体ホイール12Bを透過した光L2の一部を、発光素子100から出射された光L5に合成される前に吸収する。そのため、合成された光L6の一部を光制限層13が吸収する実施形態4のプロジェクタと比べ、実施形態5のプロジェクタでは、検出部40が、蛍光体ホイール12Bが正常な位置にあるかないかを正確に検出することができる。
なお、上述した実施形態1〜4において、半導体レーザー素子10には、出力2.3W、波長450nmの青色レーザーダイオードを使用したが、これに限られず、例えば、半導体レーザー素子10の波長は、近紫外域(405nm程度)であってもよいし、それ以外の波長であってもよい。また、蛍光体含有層12に使用する蛍光体は、上述した例に限られず、半導体レーザー素子10が出射するレーザー光の波長に対応して変更することが好ましく、例えば、レーザー光の波長が近紫外域(405nm程度)の場合、青、緑、赤の3色の蛍光体、または、青、黄色の2色の蛍光体を用いることができる。
1・・・光源装置、2・・・前照灯モジュール、10・・・半導体レーザー素子、12・・・蛍光体含有層、13・・・光制限層、40・・・光検出部、50・・・制御部

Claims (13)

  1. レーザー光を出射する半導体レーザー素子と、前記半導体レーザー素子から出射されたレーザー光の少なくとも一部を波長変換する蛍光体含有層と、入射する光の光量によって光の吸収量が変化する光制限材料を含有する光制限層と、光量または特定の波長の光を検出する光検出部と、前記光検出部の検出結果に基づいて前記半導体レーザー素子を制御する制御部とを備え、
    前記蛍光体含有層および前記光制限層は、前記半導体レーザー素子から出射されるレーザー光の光路に設けられており、
    前記光制限層は、前記蛍光体含有層よりも当該光路の下流側に設けられていることを特徴とする光源装置。
  2. 前記制御部は、前記光検出部が所定量以上の光量を検出した場合、レーザー光を出射しないように前記半導体レーザー素子を制御する請求項1に記載の光源装置。
  3. 前記制御部は、前記光検出部が特定の波長の光を検出しない場合、レーザー光を出射しないように前記半導体レーザー素子を制御する請求項1に記載の光源装置。
  4. 前記光検出部が、前記蛍光体含有層よりも前記光路の下流側に設けられていることを特徴とする請求項2または3に記載の光源装置。
  5. 前記光制限材料は、金属酸化物または有機系二光子吸収材料のうち、少なくともいずれかを含有することを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載の光源装置。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の光源装置を光源として用いることを特徴とする車両用灯具。
  7. 前記光源装置から出射された光を投影する投影レンズをさらに備え、
    前記光制限層が、前記投影レンズよりも前記光路の上流側に設けられていることを特徴とする請求項6に記載の車両用灯具。
  8. 前記光源装置から出射された光を投影する投影レンズをさらに備え、
    前記光制限層が、前記投影レンズの表面の少なくとも一部に設けられていることを特徴とする請求項6に記載の車両用灯具。
  9. 前記光制限層が、前記光源装置から出射された光を投影する投影レンズを形成していることを特徴とする請求項6に記載の車両用灯具。
  10. 前記光源装置から出射された光を投影する投影レンズと、
    前記投影レンズを前記光源装置の上部で支持する前照灯モジュールと、
    前記光源装置及び前記前照灯モジュールを収納するハウジングを備え、
    前記ハウジングには、当該ハウジングから前記光が出射される側の少なくとも一部に前記光制限層が設けられていることを特徴とする請求項6に記載の車両用灯具。
  11. 請求項1から5のいずれか1項に記載の光源装置を光源として用いることを特徴とするプロジェクタ。
  12. 前記光制限層が、前記光源装置を収納する本体ケースの投影口を覆うように設けられていることを特徴とする請求項11に記載のプロジェクタ。
  13. 特定の波長の光を出射する発光ダイオードをさらに備え、
    前記光制限層が、前記発光ダイオードから出射された光及び前記半導体レーザー素子から出射されたレーザー光を合成するミラーよりも前記光路の上流側に設けられていることを特徴とする請求項11に記載のプロジェクタ。
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