以下、本発明を実施するための形態について述べる。プロジェクタ10は、光源ユニット63と、表示素子51と、光源側光学系62と、投影側光学系70と、プロジェクタ制御手段と、を備える。
光源ユニット63は、赤色の波長帯域光を発する赤色発光ユニット64Rと、緑色の波長帯域光を発する緑色発光ユニット64Gと、青色の波長帯域光を発する青色発光ユニット64Bと、導光光学系61と、を備える。
導光光学系61は、各発光ユニット64から射出される光を所定の一面であるライトトンネル75の入射口に導光する。光源側光学系62は、導光光学系61により所定の一面に導光された光(即ち、光源ユニット63から射出された光)を表示素子51に集光する。投影側光学系70は、表示素子51から射出された画像をスクリーンに投影する。プロジェクタ制御手段は、光源ユニット63や表示素子51を制御する。
蛍光発光装置100は、円板形状の蛍光ホイール71と、ホイールモータ73と、を備える。この蛍光ホイール71は、蛍光発光部に光源72からの励起光を受けることで所定波長帯域の蛍光光を発する蛍光板として機能するものであり、ホイールモータ73は、この蛍光ホイール71を円周方向に回転させる駆動装置である。
蛍光ホイール71は、円板形状の金属基材から成り、この基材の外周面にはホイールの裏面に対して斜め45度の角度となるテーパー面が蛍光発光部として形成されている。そして、この蛍光発光部における基材の表面には反射面が形成され、この反射面上に蛍光体の層131が形成されている。蛍光体の層131は、光源72からの光(紫外光)を励起光として受けて所定の波長帯域光を励起光を受けた表面側に射出する蛍光体とバインダとにより形成されるものである。
そして、光源72は、蛍光ホイール71の側面方向(外周方向)に配置されており、当該光源72からの光が蛍光ホイール71の表裏面と平行となるように蛍光ホイール71の側面に入射するようになっている。したがって、光源72からの光は、蛍光発光部の蛍光体層131の表面に約45度の入射角で照射されることになる。
そして、赤色発光ユニット64Rの蛍光ホイール71には、赤色の波長帯域光を射出する蛍光体の層131が設けられ、緑色発光ユニット64Gの蛍光ホイール71には、緑色の波長帯域光を射出する蛍光体の層131が設けられ、青色発光ユニット64Bの蛍光ホイール71には、青色の波長帯域光を射出する蛍光体の層131が設けられている。
さらに、蛍光体の層131における励起光入射側には、ショートパスフィルタ132が設けられている。このショートパスフィルタ132は、短波長帯域光を透過し且つ長波長帯域光を反射するフィルタであり、光源72から射出される光を透過し且つ蛍光発光部から射出される蛍光光を反射する。また、蛍光体の層131における蛍光光出射側にはロングパスフィルタ133が設けられている。このロングパスフィルタ133は、短波長帯域光を反射し且つ長波長帯域光を透過するフィルタであり、蛍光発光部から射出される蛍光光を透過し且つ光源72から射出される光を反射する。
そして、このショートパスフィルタ132と、ロングパスフィルタ133と、は互いに他方に対して略垂直に配置される。つまり、ショートパスフィルタ132とロングパスフィルタ133とテーパー面(蛍光発光部)とは、略三角形形状を呈するように配置されており、ショートパスフィルタ132を介して蛍光発光部に照射される光源72からの光の入射方向と、ロングパスフィルタ133を介して蛍光発光部から射出される蛍光光の出射方向と、が異なる方向とされている。
そして、このショートパスフィルタ132は、入射角が大きくなるにつれて分光特性が短波長側へシフトする性質を有しているため、所定の角度以上の入射角で入射する励起光を反射するものである。例えば、このショートパスフィルタ132は、15度未満で入射する励起光の多くを透過し、15度から入射角が大きくなるにつれて入射する励起光の透過率が下がって、30度以上の入射角でほとんどの励起光を反射させる性質を有するものを採用することができる。
蛍光ホイール71の蛍光発光部に励起光を照射する光源72は、当該光源72からの光がショートパスフィルタ132の表面に対して垂直に(即ち、フィルタ表面における法線に対してθ=0度の角度をなして)入射し、更にショートパスフィルタ132を透過して蛍光発光部の蛍光体層131に照射されるように配置されている。
このようにプロジェクタ10を構成することで、光源ユニット63における各発光ユニット64から射出される赤色、緑色及び青色波長帯域の光は、導光光学系61によりライトトンネル75の入射口に集光され、集光された各色光は、更に光源側光学系62により表示素子51に導光されることとなる。よって、プロジェクタ制御手段が、蛍光ホイール71を円周方向に回転させるホイールモータ73を動作させる制御を実行するとともに、各発光ユニット64が備える光源72の発光を個別に制御することで、当該光源ユニット63から順次赤色、緑色、青色の波長帯域光を射出させることができる。そして、プロジェクタ10の表示素子51であるDMDがデータに応じて各色の光を時分割表示することにより、投影側光学系70を介してスクリーンにカラー画像を投影することができる。
以下、本発明の実施例を図に基づいて詳説する。図1は、プロジェクタ10の外観斜視図である。なお、本実施例において、プロジェクタ10における左右とは投影方向に対しての左右方向を示し、前後とはプロジェクタ10のスクリーン側方向及び光線束の進行方向に対しての前後方向を示す。
そして、プロジェクタ10は、図1に示すように、略直方体形状であって、プロジェクタ筐体の前方の側板とされる正面パネル12の側方に投影口を覆うレンズカバー19を有するとともに、この正面パネル12には複数の排気孔17を設けている。さらに、図示しないがリモートコントローラからの制御信号を受信するIr受信部を備えている。
また、筐体の上面パネル11にはキー/インジケータ部37が設けられ、このキー/インジケータ部37には、電源スイッチキーや電源のオン又はオフを報知するパワーインジケータ、投影のオン、オフを切りかえる投影スイッチキー、光源ユニットや表示素子又は制御回路等が過熱したときに報知をする過熱インジケータ等のキーやインジケータが配置されている。
さらに、筐体の背面には、図示しない背面パネルにUSB端子や画像信号入力用のD−SUB端子、S端子、RCA端子等を設ける入出力コネクタ部及び電源アダプタプラグ等の各種端子20が設けられている。なお、この背面パネル、及び、図示しない右側パネル、並びに、図1に示した左側パネル15の下部近傍には、各々複数の吸気孔18が形成されている。
次に、プロジェクタ10のプロジェクタ制御手段について図2の機能ブロック図を用いて述べる。プロジェクタ制御手段は、制御部38、画像変換部23、表示エンコーダ24、表示駆動部26等から構成される。この制御部38は、プロジェクタ10内の各回路の動作制御を司るものであって、CPUや各種セッティング等の動作プログラムを固定的に記憶したROM及びワークメモリとして使用されるRAM等により構成されている。
そして、このプロジェクタ制御手段により、入出力コネクタ部21から入力された各種規格の画像信号は、入出力インターフェース22、システムバス(SB)を介して画像変換部23で表示に適した所定のフォーマットの画像信号に統一するように変換された後、表示エンコーダ24に出力される。
また、表示エンコーダ24は、入力された画像信号をビデオRAM25に展開記憶させた上でこのビデオRAM25の記憶内容からビデオ信号を生成して表示駆動部26に出力する。
表示駆動部26は、表示エンコーダ24から出力された画像信号に対応して適宜フレームレートで空間的光変調素子(SOM)である表示素子51を駆動するものであり、光源ユニット63から射出された光線束、即ち光源ユニット63の導光光学系により所定の一面に導光された光線束を光源側光学系を介して表示素子51に照射することにより、表示素子51の反射光で光像を形成し、投影側光学系を介して図示しないスクリーンに画像を投影表示する。なお、この投影側光学系の可動レンズ群97は、レンズモータ45によりズーム調整やフォーカス調整のための駆動が行われる。
また、画像圧縮伸長部31は、画像信号の輝度信号及び色差信号をADCT及びハフマン符号化等の処理によりデータ圧縮して着脱自在な記録媒体とされるメモリカード32に順次書き込む記録処理を行う。さらに、画像圧縮伸長部31は、再生モード時にメモリカード32に記録された画像データを読み出し、一連の動画を構成する個々の画像データを1フレーム単位で伸長し、この画像データを画像変換部23を介して表示エンコーダ24に出力し、メモリカード32に記憶された画像データに基づいて動画等の表示を可能とする処理を行なう。
そして、筐体の上面パネル11に設けられるメインキー及びインジケータ等により構成されるキー/インジケータ部37の操作信号は、直接に制御部38に送出され、リモートコントローラからのキー操作信号は、Ir受信部35で受信され、Ir処理部36で復調されたコード信号が制御部38に出力される。
なお、制御部38にはシステムバス(SB)を介して音声処理部47が接続されている。この音声処理部47は、PCM音源等の音源回路を備えており、投影モード及び再生モード時には音声データをアナログ化し、スピーカ48を駆動して拡声放音させる。
また、制御部38には、光源ユニット駆動回路41を介して、画像生成時に要求される所定波長帯域の光源光が光源ユニット63から射出されるように、光源ユニット63を構成する各発光ユニットの光源の発光を個別に制御する。また、制御部38は、ホイールモータを制御して蛍光発光装置の蛍光ホイールを回転駆動させる。
さらに、制御部38は、冷却ファン駆動制御回路43を介して、光源ユニット63等に設けた複数の温度センサによる温度検出を行い、この温度検出の結果から冷却ファンの回転速度を個別に制御する。また、制御部38は、冷却ファン駆動制御回路43にタイマー等によりプロジェクタ本体の電源OFF後も冷却ファンの回転を持続させる、あるいは、温度センサによる温度検出の結果によってはプロジェクタ本体の電源をOFFにする等の制御も行う。
次に、このプロジェクタ10の内部構造について述べる。図3は、プロジェクタ10の内部構造を示す平面模式図である。プロジェクタ10は、図3に示すように、右側パネル14の近傍に制御回路基板102を備えている。この制御回路基板102は、電源回路ブロックや光源制御ブロック等を備えてなる。また、プロジェクタ10は、筐体内を区画用隔壁120により背面パネル13側の吸気側空間室121と正面パネル12側の排気側空間室122とを気密に形成し、プロジェクタ10の中央近傍にシロッコファンタイプのブロア110を冷却ファンとして配置し、吸気側空間室121にブロア110の吸込み口111を排気側空間室122にブロア110の吐出口113を位置させている。
さらに、このプロジェクタ10は、排気側空間室122内に光源ユニット63を配置し、左側パネル15に沿って照明側ブロック78及び画像生成ブロック79並びに投影側ブロック80で構成する光学系ユニット77を配置し、光学系ユニット77の照明側ブロック78を排気側空間室122に開口連通させて照明側ブロック78に設ける照明用ユニットの一部が排気側空間室122に位置するように配置し、排気側空間室122の正面パネル12に沿って排気温低減装置114を配置している。
そして、光源ユニット63等を冷却する冷却ファンとしてのブロア110は、中心部に吸込み口111を有し、吐出口113は略正方形断面であって、区画用隔壁120に接続され、区画用隔壁120によって区画された排気側空間室122にブロア110からの排風を排出するものである。
光源ユニット63は、光源72からの励起光を受けて各々波長帯域の異なる光を射出する3個の発光ユニット64と、各発光ユニット64から射出される光を導光する導光光学系61と、を備えている。ここで、3個の発光ユニット64は、赤色の波長帯域光を射出する赤色発光ユニット64Rと、緑色の波長帯域光を射出する緑色発光ユニット64Gと、青色の波長帯域光を射出する青色発光ユニット64Bと、される。
赤色発光ユニット64Rは、ブロアの吐出口113の近傍において当該赤色発光ユニット64Rから射出される赤色光の光軸がライトトンネル75の光軸と直交するように配置される。また、緑色発光ユニット64Gは、当該緑色発光ユニット64Gから射出される緑色光の光軸が赤色発光ユニット64Rの光軸と平行となるように赤色発光ユニット64Rよりも正面パネル12側に配置される。そして、青色発光ユニット64Bは、正面パネル12の近傍において当該青色発光ユニット64Bから射出される青色光の光軸がライトトンネル75の光軸と一致するように配置されている。各発光ユニット64の具体的な構成については後述する。
導光光学系61は、図4に示すように、所定の波長帯域光を反射又は透過させて各発光ユニット64から射出される各色可視光の光軸を同一の光軸となるように変換するダイクロイックミラー141、及び、各発光ユニット64から射出されて所定の一面であるライトトンネル75の入射口へ入射する光線束を集光する集光レンズ163,164等を有する。
具体的には、この導光光学系61は、第一ダイクロイックミラー141aと、第二ダイクロイックミラー141bと、集光レンズ群148と、を備える。第一ダイクロイックミラー141aは、赤色発光ユニット64Rの光軸とライトトンネル75の中心軸とが交差する位置において赤色発光ユニット64Rの光軸とのなす角が45度となるように配置されている。そして、この第一ダイクロイックミラー141aは、赤色発光ユニット64Rから射出される赤色の波長帯域光の光軸をライトトンネル75の中心軸と一致させるように反射し、緑色発光ユニット64G及び青色発光ユニット64Bから射出される緑色及び青色の波長帯域光を透過する。
第二ダイクロイックミラー141bは、緑色発光ユニット64Gの光軸とライトトンネル75の中心軸とが交差する位置において緑色発光ユニット64Gの光軸とのなす角が45度となるように配置されており、緑色発光ユニット64Gから射出される緑色の波長帯域光の光軸をライトトンネル75の中心軸と一致させるように反射し、青色発光ユニット64Bから射出される青色の波長帯域光を透過する。各発光ユニット64における蛍光ホイール71の近傍に配置される集光レンズ群148は、蛍光ホイール71から射出される光を集光する。
そして、導光光学系61は、集光レンズ群148を介して第一ダイクロイックミラー141aに入射する光を集光する集光レンズ163として、赤色発光ユニット64Rと第一ダイクロイックミラー141aとの間に配置される第一集光レンズ163aと、第一ダイクロイックミラー141aと第二ダイクロイックミラー141bとの間に配置される第二集光レンズ163bと、を備え、更に、ライトトンネル75の近傍に配置されて、第一ダイクロイックミラー141aを介してライトトンネル75に入射する光を集光する集光レンズ164を備える。
そして、光学系ユニット77は、図3に示したように、光源ユニット63の近傍に位置する照明側ブロック78と、背面パネル13と左側パネル15とが交差する位置の近傍に位置する画像生成ブロック79と、導光光学系61と左側パネル15との間に位置する投影側ブロック80と、の3つのブロックによって略コの字状に構成されている。
照明側ブロック78は、光源ユニット63から射出される光源光を画像生成ブロック79が備える表示素子51に集光する光源側光学系62の一部を備えている。この照明側ブロック78が有する光源側光学系62としては、光源ユニット63から射出された光線束を均一な強度分布の光束とするライトトンネル75や、ライトトンネル75から射出された光を集光する集光レンズ、ライトトンネル75から射出された光線束の光軸を画像生成ブロック79方向に変換する光軸変換ミラー74等がある。
画像生成ブロック79は、光源側光学系62として、光軸変換ミラー74で反射した光源光を表示素子51に集光させる集光レンズ81と、この集光レンズ81を透過した光線束を表示素子51に所定の角度で照射する照射ミラー84と、を有している。さらに、画像生成ブロック79は、表示素子51とするDMDを備え、この表示素子51と背面パネル13との間には表示素子51を冷却するためのヒートシンク53が配置されて、このヒートシンク53によって表示素子51が冷却される。
投影側ブロック80は、表示素子51で反射されたオン光をスクリーンに放出する投影側光学系70のレンズ群を有している。この投影側光学系70としては、固定鏡筒に内蔵する固定レンズ群93と可動鏡筒に内蔵する可動レンズ群97とを備えてズーム機能を備えた可変焦点型レンズとされ、レンズモータにより可動レンズ群97を移動させることによりズーム調整やフォーカス調整を可能としている。
このようにプロジェクタ10を構成することで、各発光ユニット64から異なるタイミングで光を射出すると、赤色、緑色及び青色の波長帯域光が導光光学系61を介してライトトンネル75に順次入射され、更に光源側光学系62を介して表示素子51に入射される。そして、プロジェクタ10の表示素子51であるDMDがデータに応じて各色の光を時分割表示することにより、投影側光学系70を介してスクリーンにカラー画像を投影することができる。
次に、発光ユニット64の具体的な構成について、図5を参照して説明する。図5(a)は、蛍光ホイール71の正面模式図であり、図5(b)は、蛍光ホイール71の一部断面を示す平面模式図である。発光ユニット64は、光源72と、蛍光発光装置100と、を備えており、蛍光発光装置100は、蛍光ホイール71と、ホイールモータ73と、を有している。蛍光ホイール71は、肉厚1〜4mm程度の円板形状の銅やアルミニウム等から成る金属基材であって、基材の外周面が蛍光発光部として設けられているものである。
そして、赤色発光ユニット64Rの蛍光ホイール71には、赤色の波長帯域光を射出する蛍光体の層131が設けられ、緑色発光ユニット64Gの蛍光ホイール71には、緑色の波長帯域光を射出する蛍光体の層131が設けられ、青色発光ユニット64Bの蛍光ホイール71には、青色の波長帯域光を射出する蛍光体の層131が設けられている。
各発光ユニット64における光源72は、蛍光ホイール71に設けられる蛍光体を励起させるために、紫外波長帯域のレーザー光を励起光として蛍光ホイール71の蛍光発光部に照射するレーザー発光器である。この紫外光源72Uは、蛍光ホイール71の側面方向(外周方向)に配置されており、当該光源72からの光が蛍光ホイール71の表裏面と平行となるように射出されて、蛍光ホイール71の側面(外周面)に入射するようになっている。
なお、発光ユニット64毎に光源72の種類を変えても良く、例えば、赤色発光ユニット64R及び緑色発光ユニット64Gが有する紫外光源72Uに代えて、青色波長帯域のレーザー光を射出する青色光源72Bを配設してもよい。また、赤色発光ユニット64Rには、光源として緑色波長帯域のレーザー光を射出する緑色光源を配設することとしてもよい。つまり、発光ユニット64における励起光源は、各種発光ユニット64の蛍光ホイール71における蛍光体を効率よく励起させるために最適な種々の光源を選定することができる。さらに、光源72は、レーザー発光器に代えて発光ダイオードを採用することもできる。
蛍光発光部は、蛍光ホイール71の裏面に対して斜め45度の角度となるテーパー面であり、このテーパー面に形成される凹部に蛍光体層131が敷設されている。この蛍光体層131は、光源72からの光を励起光として受けて所定波長帯域の蛍光光を射出する蛍光体が、耐熱性を有し且つ透光性の高いシリコン樹脂等のバインダに均一に混合されることで形成されるものである。また、蛍光発光部における基材の表面(テーパー面の凹部)には、銀蒸着等のミラー加工により反射面が形成されており、この反射面上に蛍光体の層131が敷設されている。したがって、光源72からの光は、蛍光発光部の蛍光体層131の表面に約45度の入射角で照射され、この励起光を受けた蛍光体層から蛍光光が発せられることになる。これにより、蛍光ホイール71は、蛍光発光部に励起光を受けることで所定波長帯域の蛍光光を励起光を受けた表面側に射出する蛍光板として機能する。
ホイールモータ73は、蛍光ホイール71を円周方向に回転させる駆動装置である。つまり、蛍光発光装置100は、光源72からの光が回転する蛍光ホイール71に照射されると、照射領域が円環状の蛍光発光部内を移動することになるため、熱の集中を避けて蛍光体の温度上昇を効果的に抑制させることができるようになっている。
そして、本実施例に係る各発光ユニット64において、蛍光体の層131における励起光入射側(蛍光ホイール71の外周方向となる側面方向)には、矩形平板状のショートパスフィルタ(長波長カットフィルタ)132が設けられている。このショートパスフィルタ132は、蛍光体から発せられる長波長帯域光(蛍光光)を反射し、光源72から射出される短波長帯域光を透過するフィルタであり、プロジェクタ10の筐体に配設されるものである。
さらに、蛍光体の層131における蛍光光出射側(蛍光ホイール71の正面方向)には、平板をリング状に形成したロングパスフィルタ(短波長カットフィルタ)133が設けられている。このロングパスフィルタ133は、光源72から発せられて蛍光発光部において散乱反射されるなどして当該ロングパスフィルタ133に入射する短波長帯域光(励起光)を反射し、蛍光体から発せられる長波長帯域光(蛍光光)を透過するフィルタであり、蛍光ホイール71の正面側に接着などで固定されているものである。
そして、このショートパスフィルタ132と、ロングパスフィルタ133と、は互いに他方に対して略垂直に配置される。つまり、ショートパスフィルタ132とロングパスフィルタ133とテーパー面(蛍光発光部)とは、入射する光源72からの励起光の光軸とホイールモータ73の回転軸とを含む断面において略三角形形状を呈するように配置されており、ショートパスフィルタ132を介して蛍光発光部に照射される光源72からの光の入射方向と、ロングパスフィルタ133を介して蛍光発光部から射出される蛍光光の出射方向と、が異なる方向とされている。
なお、このロングパスフィルタ133は、蛍光ホイール71に固定する場合に限定されるものでなく、図6に示すように、プロジェクタ10の筐体側において蛍光ホイール71に近接させて配設してもよい。また、ショートパスフィルタ132についても、プロジェクタ10の筐体側に設ける場合に限定されることなく、短円筒状のショートパスフィルタ132を蛍光ホイール71に取付けて、蛍光ホイール71とともに一体的に回転させる構成としてもよい(図示せず)。さらに、ショートパスフィルタ132とロングパスフィルタ133とを筐体に配設する場合には、ショートパスフィルタ132と同じ特性の光学面とロングパスフィルタ133と同じ特性の光学面とを有するプリズムを配置させることとしてもよい。
そして、ショートパスフィルタ132は、入射光の入射角が大きくなるにつれて分光特性が短波長側へシフトする性質を有し、所定の角度以上の入射角で入射する励起光を反射するものである。一例として、緑色発光ユニット64Gの蛍光ホイール71に設けられるショートパスフィルタ132について説明する。
例えば、緑色発光ユニット64Gが備える紫外光源72Uは、図7に示すように、380〜390nmの波長帯域にピークを有する紫外波長帯域のレーザー光を励起光として射出するレーザー発光器である。そして、緑色発光ユニット64Gの蛍光ホイール71に設けられるショートパスフィルタ132は、図8に示すように、入射角θが15度未満で入射する励起光の多くを透過し、15度から入射角が大きくなるにつれて入射する励起光の透過率が下がって、30度以上の入射角でほとんどの励起光を反射させる性質を有するものを採用している。
そして、蛍光ホイール71の蛍光発光部に励起光を照射する光源72は、当該光源72からの光がショートパスフィルタ132の表面に対して垂直に(即ち、フィルタ表面における法線に対して入射角θ=0度の角度をなして)入射するように蛍光ホイール71の側面方向に配置されている。よって、ショートパスフィルタ132を透過した光源72からの光は、蛍光発光部(テーパー面)の蛍光体層131に対して斜めから照射されることになる。
また、ショートパスフィルタ132の入射側には反射防止膜が形成されている。この反射防止膜は、モスアイフィルムを貼設したり、フッ化マグネシウムなどを真空蒸着したりすることで形成されるものである。したがって、ショートパスフィルタ132に入射する励起光は、光源72側にほとんど反射されることなく透過して蛍光体の層131に入射する。つまり、励起光の利用効率を向上させることができる。
そして、このように蛍光体層131の励起光入射側にショートパスフィルタ132を配置し、蛍光光出射側にロングパスフィルタ133を配置することで、図9に示すように、入射角θ=0度でショートパスフィルタ132に入射する励起光Eは、ショートパスフィルタ132を透過して、蛍光体層131表面に対して斜めから照射される。この励起光Eの多くは蛍光体に吸収されるも、蛍光体に吸収されることなく散乱反射する反射励起光REも存在する。この反射励起光REは、様々な入射角でショートパスフィルタ132やロングパスフィルタ133に照射される。
ここで、ショートパスフィルタ132の表面における法線に対して15度未満の角度をなして入射する反射励起光REはショートパスフィルタ132を透過して光源72側に射出されることになるが、ショートパスフィルタ132の表面における法線に対して30度以上の角度をなして入射する反射励起光REはショートパスフィルタ132でほとんどが蛍光体層131側に反射する。また、15度以上30度未満の角度をなして入射する反射励起光REは、15度よりも入射角が大きくなるにつれて透過率が低下するため、一部がショートパスフィルタ132により蛍光体層131側に反射することになる。
また、蛍光体に吸収されることなく基材表面の反射面に照射される励起光も、反射面で蛍光体層131側に反射されるため、再び蛍光体の励起に利用されることになる。さらに、蛍光体層131で散乱反射されるなどしてロングパスフィルタ133に照射される反射励起光REは、ロングパスフィルタ133により反射されて再び蛍光体層131に入射され、再び蛍光体の励起に利用されることになる。
そして、蛍光体が励起されて、蛍光体から全方位に蛍光発光された光は、直接ロングパスフィルタ133側へ、或いは、基材表面の反射面やショートパスフィルタ132で反射した後にロングパスフィルタ133側へ射出され、ロングパスフィルタ133を透過して集光レンズ群148に照射される(図5参照)。
このように、ショートパスフィルタ132を蛍光体層131における励起光入射側に配置し、ロングパスフィルタ133を蛍光体層131における蛍光光出射側に配置し、蛍光発光部から励起光を受けた表面側に蛍光光を出射可能にすることで、入射する励起光の利用効率を高めて、蛍光光の取出効率を向上させることで蛍光体を明るく発光させることのできる発光ユニット64と、この発光ユニット64を備えて明るい画像を投影することのできるプロジェクタ10と、を提供することができる。
また、ショートパスフィルタ132、ロングパスフィルタ133及びテーパー面として形成された蛍光発光部と、を略三角形形状を呈するように配置することで、ショートパスフィルタ132を透過した励起光を斜めから蛍光発光部に入射させ、この入射方向とは異なる方向から無駄なく蛍光光を取り出すことができる。
さらに、ショートパスフィルタ132と、ロングパスフィルタ133と、を互いに他方に対して略垂直に配置することで、励起光の入射方向と蛍光光の出射方向とのなす角を90度近くとして、光学レイアウトをシンプルな構成とすることができる。
そして、蛍光発光部における基材の表面に反射面を形成する場合は、蛍光体から基材側に発せられた蛍光光を光源72側に反射して光源光として利用することができるとともに、蛍光体に吸収されることなく基材の反射面に照射された励起光を反射して蛍光体の励起に利用することができるため、反射面を形成しない場合に比べて蛍光ホイール71を明るく発光させることができる。
さらに、ショートパスフィルタ132は、所定の角度以上の入射角で入射する励起光を反射するものである。これにより、ショートパスフィルタ132の表面における法線に対して所定の角度以上をなしてショートパスフィルタ132に入射する反射励起光REを蛍光体層131側に反射することができる。つまり、ショートパスフィルタ132は、光源72の前面に配置されるコリメータレンズにより略平行に入射する紫外光や、光源72の前面に配置される集光レンズにより集光して入射する紫外光(ショートパスフィルタ132の表面における法線に対して僅かに傾いた方向から入射する紫外光を含む)を透過するも、蛍光発光部から反射して所定の角度以上で入射する紫外光を蛍光発光部側に反射して当該紫外光を蛍光体の励起に再利用することができるため、励起光の利用効率をより向上させて蛍光体を明るく発光させることができる。
また、本実施例における発光ユニット64は、基材を円板形状の蛍光ホイール71として形成し、この蛍光ホイール71を回転させる構成としている。よって、シンプルな発光ユニット64であって、照射面積を拡張して熱の集中を避けることができる発光ユニット64を提供することができる。
なお、蛍光ホイール71の形状は上記したように円板形状とする場合に限定されることなく、円環形状としてもよい。即ち、図10に示すように、円環状の薄肉金属基材を内周面より支持して、円環状基材の外周面(テーパー面)に蛍光体の層131を配置させる構成としてもよい。このように、蛍光ホイール71をリング状に形成することで、軽量化を図ることができる。
そして、上記では各色を射出可能な発光ユニット64を3個備える光源ユニット63をプロジェクタ10に搭載した実施例について説明したが、光源ユニット63を構成する複数の発光ユニット64のうちの何れかを発光ダイオードなどの光源装置に置き換えることもできる。即ち、上記した青色発光ユニット64Bに代えて、青色波長帯域光を射出する発光ダイオードやレーザー発光器などの発光源を備えた青色光源装置を配設することとしてもよい。さらに、上記した赤色発光ユニット64Rに代えて、赤色波長帯域光を射出する発光ダイオードやレーザー発光器などの発光源を備えた赤色光源装置を配設することとしてもよい。そして、上記した緑色発光ユニット64Gに代えて、緑色波長帯域光を射出する発光ダイオードやレーザー発光器などの発光源を備えた緑色光源装置を配設することもできる。また、各光学部品のレイアウトも、上述した構成(図3、図4参照)に限ることなく様々なレイアウトを採用することができる。
例えば、緑色光を生成する緑色発光ユニット64Gと、赤色光を生成する赤色光源装置と、青色光を生成する青色光源装置と、を備える光源ユニット63をプロジェクタ10に搭載することもできる。以下、このプロジェクタ10の構成について説明する。図11は、本発明の変形例に係るプロジェクタ10の光源ユニット63のレイアウトを示す平面模式図である。図示するように、この光源ユニット63は、複数個の青色光源72Bを具備する青色光源装置170と、赤色光を発する発光ダイオードを有する赤色光源装置180と、蛍光発光装置100と、導光光学系61と、を備える。
青色光源装置170は、複数の青色光源72Bから成る光源群を有する。そして、各青色光源72Bの光軸上には、各青色光源72Bからの射出光の指向性を高めるように平行光に変換するコリメータレンズが夫々配置されている。また、各青色光源72Bからの射出光の光軸を蛍光ホイール71側の方向に90度変換する複数の反射ミラー171や、この複数の反射ミラー171で反射した各青色光源72Bからの射出光を集光する集光レンズ178が配置されている。このように、複数の反射ミラー171が、階段状に配列されて、各青色光源72Bから射出される光源光束同士の間隔を狭めることにより、光源群から射出される光線束の断面積を水平方向において縮小して、集光レンズ178に向けて反射することができる。
蛍光発光装置100は、蛍光ホイール71と、ホイールモータ73と、を備え、反射ミラー171により反射されて集光レンズにより集光された青色光源72Bからの光が、蛍光ホイール71のテーパー面に照射されるように配置されている。このテーパー面には、青色光源72Bからの青色励起光を受けて緑色波長帯域の蛍光光を発する緑色蛍光体の層131を有する円環状の蛍光発光部が設けられている。
赤色光源装置180は、青色光源72Bと光軸が平行となるように配置された赤色発光素子と、赤色発光素子からの射出光を集光する集光レンズ群と、を備える単色光源装置である。この赤色発光素子は、赤色波長帯域の光を発する発光ダイオードである。
そして、このプロジェクタ10には、上記した励起光照射装置としての青色光源装置170とは別に、発光ダイオードなどの青色発光素子を備えた第二の青色光源装置200が配設される。この第二の青色光源装置200は、ライトトンネル75の光軸上に設けられる。
そして、導光光学系61は、赤色、緑色、青色波長帯域の光線束を集光させる集光レンズや、各色波長帯域の光線束の光軸を変換して同一の光軸とさせる反射ミラー、ダイクロイックミラー等からなる。具体的には、蛍光ホイール71から射出した緑色波長帯域光の光軸と、第二の青色光源装置200から射出される青色波長帯域光の光軸と、が交差する位置には、青色波長帯域光を透過し、蛍光ホイール71から射出される緑色光の光軸をライトトンネル75の方向に90度変換するダイクロイックミラー201が配置されている。さらに、ダイクロイックミラー201で反射した緑色波長帯域光の光軸と、赤色光源装置180から射出される赤色波長帯域光の光軸と、が交差する位置には、青色及び緑色光を透過し且つ赤色光の光軸をライトトンネル75の方向に90度変換するダイクロイックミラー192が配置されている。
そして、各光源装置の近傍には、夫々集光レンズが配置されている。さらに、ライトトンネル75の近傍には、このライトトンネル75の入射口に光源光を集光する集光レンズが配置されている。
このように、各光源装置及びレンズ、ミラーを配置させた光学レイアウトを構成することで、青色光源装置170からの青色励起光を蛍光ホイール71の蛍光発光部に照射させて、緑色光をライトトンネル75に導光することができる。さらに、赤色光源装置180からの赤色光及び第二の青色光源装置200からの青色光をライトトンネル75に導光することができる。
よって、このプロジェクタ10は、上記と同様に、赤色光源装置180及び第二の青色光源装置200からの赤色光及び青色光と、緑色発光ユニット64Gを構成する蛍光ホイール71から射出される緑色蛍光光と、により明るい画像をスクリーンに投影することができる。
さらに、図4及び図5に示したように、発光ユニット64の蛍光ホイール71に設けられる蛍光体の層131の種類は夫々1種類に限られるものでない。即ち、赤色発光ユニット64R、緑色発光ユニット64G、青色発光ユニット64Bの3種類の発光ユニット64に代えて、図12に示すように、蛍光ホイール71の蛍光発光部に、励起光を受けて赤色、緑色及び青色の波長帯域の蛍光光を発する3種類の蛍光体の層131を周方向に並設した発光ユニット64を配設することとしてもよい。この場合、発光ユニット64には、紫外光を励起光として各蛍光発光部に照射する紫外光源72Uが設けられる。そして、この発光ユニット64は、蛍光ホイール71の回転数をプロジェクタ制御手段により制御して、順次発光ユニット64から赤色、緑色及び青色の光源光を射出する構成とすることで、表示素子51(DMD)がデータに応じて各色の光を時分割表示することにより、スクリーンにカラー画像を生成することができる。
このように、複数種類の蛍光発光部を一枚の蛍光ホイール71に設けることで、一枚の蛍光ホイール71から複数色の波長帯域光を順次射出することができ、この発光ユニット64を備えることでプロジェクタ10の小型化を図ることができる。
また、蛍光ホイール71の一部を拡散部として形成してもよい。例えば、蛍光ホイール71に赤色蛍光発光部と、緑色蛍光発光部と、拡散部と、を周方向に並設して形成し、蛍光ホイール71に照射する励起光源として青色レーザー発光器を採用すれば、青色光源からの光を励起光として赤色及び緑色蛍光発光部に照射して赤色蛍光光及び緑色蛍光光を生成し、拡散部により拡散された青色拡散光を導光光学系により光源ユニット63からの光源光として射出することもできる。この場合、青色拡散部における入射面及び出射面側にはショートパスフィルタ132及びロングパスフィルタ133は配置されず、蛍光ホイール71の赤色及び緑色蛍光体層131における励起光入射側及び蛍光光出射側にのみショートパスフィルタ132及びロングパスフィルタ133を固定する。
つまり、蛍光ホイール71に設けられる蛍光体の種類は、1種類であってもよいし、複数種類であってもよく、蛍光体の層131のみならず、拡散部を設けて蛍光体を励起させるための光を射出する光源72からの光を拡散させて、光源光として利用することもできる。そして、光の三原色を生成する光源装置を様々に組合わせてプロジェクタ10に組み込むことができる。
以下、光源72からの光を拡散させて射出することのできる発光ユニット64を備えたプロジェクタ10について図13及び図14を参照して説明する。図13は、拡散透過部134を設けた蛍光ホイール71の正面模式図及び一部断面を示す平面模式図である。図14は、本発明の別の形態に係るプロジェクタ10の光源ユニット63のレイアウトを示す平面模式図である。
図13に示すように、この発光ユニット64は、緑色蛍光発光部を有する蛍光ホイール71と、青色光源72Bと、を有する。この蛍光ホイール71には、円弧状の蛍光発光部が形成され、この蛍光発光部に緑色蛍光体の層131を設けられている。緑色蛍光体層131における蛍光光出射側には、ロングパスフィルタ133が取付けられている。
また、緑色蛍光体層131が形成されていない蛍光ホイール71のテーパー面には、照射される青色光源72Bからの光を反射する反射部135が形成されている。そして、この蛍光ホイール71には、ロングパスフィルタ133に連接される円弧状の拡散透過板134が設けられている。つまり、この拡散透過板134は、反射部により反射される青色レーザー光の光路上に位置される。この拡散透過板134は、入射される光の波長帯域を変換することなく拡散効果を付与する光学部品である。この拡散透過板134は、例えば、ガラス材の一方の面にブラスト処理を施すことによって、光を拡散させる部分を微細凹凸により形成して成るものである。
なお、この拡散透過板134は、一方の面に微細凹凸を形成させる場合に限定されることなく、両面に微細凹凸を形成することとしてもよい。また、ガラスやプラスチック、樹脂などの透明な基材に光拡散性を有するフィラーを添加して成る光拡散性部材により光を拡散させる部分を形成し、この光拡散性部材を透明基材で挟み込むなどして取付けることもできる。さらに、拡散透過板134を取付けることに代えて、テーパー面に微細凹凸を設けたり、光拡散性部材を配設させることとしてもよい。
このように、蛍光ホイール71を構成することで、青色光源72Bから青色光を蛍光発光部に照射すれば、生成された緑色蛍光光がロングパスフィルタ133を透過して蛍光ホイール71正面側に射出され、青色光源72Bから青色光を反射部135に照射すれば、反射した青色光が拡散透過板134によって拡散されて蛍光ホイール71正面側に射出されることになる。したがって、光源72からの光を蛍光体の励起に利用するだけでなく、光源72からの光をその波長帯域を変換させることなく拡散させてそのまま光源光としても利用可能な発光ユニット64を提供することができる。
この蛍光ホイール71を組み込む光学レイアウトとしては、図14に示すように、上記した変形例におけるレイアウトと略同様とすることができる(図12参照)。なお、この蛍光ホイール71を組み込む場合、この光学レイアウトには、上記したダイクロイックミラー201(図12参照)に代えて青色光及び緑色光をライトトンネル75の方向に90度反射する通常の反射ミラー193が配置される(図14参照)。
したがって、このプロジェクタ10は、赤色光源装置180からの赤色光をライトトンネル75に導光することができる。また、青色光源装置170からの青色光を蛍光ホイール71の蛍光発光部に照射させることで、緑色光をライトトンネル75に導光することができる。さらに、青色光源装置170からの青色光を蛍光ホイール71の反射部に照射させることで、拡散透過板134を拡散透過した青色光をライトトンネル75に導光することができる。即ち、このプロジェクタ10は、上述と同様に、明るい画像をスクリーンに投影することができる。
また、本発明は、以上の実施例に限定されるものでなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で自由に変更、改良が可能である。例えば、上記した実施例では、蛍光ホイール71の側面から励起光を入射させる構成について説明したが、蛍光ホイール71の正面或いは背面から励起光を入射して側面方向に蛍光光を出射する構成とすることもできる。また、蛍光ホイール71の蛍光発光部(テーパー面)は、ホイール面に対して45度となるように形成する場合に限定されることもない。そして、ショートパスフィルタ132及びロングパスフィルタ133は、上記したように、互いに他方に対して垂直となるように配置することなく、フィルタ同士のなす角が90度未満となってもよいし、90度を超えるような角度で配置してもよい。
そして、蛍光ホイール71は、上記のように円板形状として駆動装置により回転させる構成とする場合に限ることなく、矩形状に形成した蛍光板を固定することとしてもよい。なお、固定する蛍光板に各色の蛍光体の層131を並設する場合、光源72と蛍光板との間に、光源72からの光の照射方向を変化させる調整装置を配設する、あるいは、光源72の位置及び/又は照射方向を変化させるように駆動する光源駆動装置を設けて、光源72からの光の照射スポット位置を移動させることで、各色の蛍光光を蛍光板から射出することができる。また、単色蛍光板においては、熱の集中を回避することができる。なお、調整装置としては、例えば、KTN結晶、音響光学素子、MEMSミラー等を用いた光偏光器を採用することができる。
また、上記実施例はプロジェクタ10に発光ユニット64を組み込むこととしたが、プロジェクタ10に実装する場合に限られることなく、露光装置などの様々な機器に実装して用いることができる。そして、赤色、緑色及び青色を組み合わせて用いることに限定されるものでもなく、単色を発光する発光ユニット64を照明装置に組み込んで、多数の単色発光ユニット64から構成されるイルミネーション照明装置や単色のスポットライトを照射可能な照明装置、液晶パネルのバックライトとしての照明装置等として用いてもよい。