JP2010211117A - パターン補正装置およびパターン補正方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】半導体装置の製造に用いるパターンの補正処理で、高速でしかも高精度に補正処理を行うことができるパターン補正装置を提供する。
【解決手段】透過率または反射率を変化させることが可能なドット状のセルが複数配列して形成されるパターン形状可変マスク12と、光を検出するドット状の光センサセルが複数配列して形成され、パターン形状可変マスク12のセルによって形成されるマスクパターンの光学像を検出する受光素子部14と、パターン形状可変マスク14に照明部11から照射された光を受光素子部14に結像させる投影光学系13と、設計レイアウトの形状に対応してパターン形状可変マスク12のセルを制御してマスクパターンを形成し、マスクパターンに照射された光によって受光素子部14で得られる光学像と設計レイアウトとの差分が所定の範囲内となるようにマスクパターンの補正量を決定する制御部23と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、パターン補正装置およびパターン補正方法に関する。
半導体装置の微細化に伴い、半導体装置製造プロセスにおいては、光近接効果によるパターンの忠実性低下や寸法変動が、大きな問題となっている。このような問題を解決するため、フォトマスク上に形成されたパターンをウェハ上に転写した際に所望パターンが得られるように、設計データのパターンを変形する光近接効果補正(Optical Proximity effect Correction;以下、OPCという)が一般的に実施されている。
OPCとして、マスクパターンの大きさや形状、隣接するマスクパターンとの近接状況などのマスクパターンの属性から、マスクパターンの各エッジに対する補正のバイアス量を決定するルールベースOPCと、マスクパターンに対し光強度シミュレーションを行い、変形や寸法変動した後のマスクパターンを転写したパターン形状と所望の形状との差を抽出し、その結果からマスクパターンの各辺の補正のバイアス量を決定するシミュレーションベースOPCの2つの方法が一般的に用いられている(たとえば、特許文献1参照)。
このうち、シミュレーションベースOPCは、バイアス量を決定するために、マスクパターンの大きさや形状、隣接するマスクパターンの近接状況などを細かく規定する必要がなく、マスクパターンの形状に依存することなく高精度のOPCを実現することができる。しかし、実際の半導体集積回路においては、マスクパターンのデータは非常に複雑な形状を有し、また膨大な数がある。このような膨大なデータ量を有するパターンに対して精度を最適化するために、マスクパターン全体について光強度シミュレーションを行って、マスクパターンの転写像予測を行うには、膨大な計算負荷がかかるとともに、膨大な計算時間を要してしまうという問題点があった。
特開2006−292941号公報
本発明は、半導体装置の製造に用いるパターンの補正処理において、高速でしかも高精度に補正処理を行うことができるパターン補正装置およびパターン補正方法を提供することを目的とする。
本願発明の一態様によれば、照明手段と、透過率または反射率を変化させることが可能なドット状のセルが複数配列して形成されるパターン形状可変マスクと、光を検出するドット状の光センサセルが複数配列して形成され、前記パターン形状可変マスクの前記セルによって形成されるマスクパターンの光学像を検出する光学像検出手段と、前記パターン形状可変マスクに前記照明手段から照射された光を前記光学像検出手段に結像させる投影光学系と、設計レイアウトまたは設計レイアウトを加工したパターンの形状に対応して、前記パターン形状可変マスクの前記セルの透過率または反射率を変化させて前記マスクパターンを形成するマスク設定手段と、前記マスク設定手段で形成された前記マスクパターンに照射された光が前記投影光学系を介して前記光学像検出手段に結像して得られる前記マスクパターンの光学像または前記光学像を変換した像と、前記設計レイアウトまたは前記設計レイアウトを加工したパターンと、の差分に基づき前記パターン形状可変マスクに形成する前記マスクパターンの補正量を決定する補正量決定手段と、を備えたことを特徴とするマスクパターン補正装置が提供される。
また、本願発明の一態様によれば、透過率または反射率を変化させることが可能なドット状のセルが複数配列して形成されるパターン形状可変マスクに設計レイアウトまたは前記設計レイアウトを加工したパターンの形状に対応して、前記セルの透過率または反射率を変化させてマスクパターンを形成する第1の工程と、前記パターン形状可変マスクに照明手段からの光を照射して、投影光学系によって、光を検出するドット状の光センサセルが複数配列して形成された光学像検出手段に結像させ、前記パターン形状可変マスクに形成された前記マスクパターンの光学像を検出する第2の工程と、前記マスクパターンの光学像または前記光学像を変換した像と、前記設計レイアウトまたは前記設計レイアウトを加工したパターンと、の差分を計算し、前記差分が補正を行わなくてよい所定の範囲内にあるかを判定する第3の工程と、前記差分が所定の範囲内にない場合に、前記差分が所定の値以内となる前記パターン形状可変マスクに形成する前記マスクパターンの補正量を決定する第4の工程と、を含み、前記差分が所定の範囲内となるまで前記第1〜第4の工程を繰り返し行い、前記第4の工程の後に行われる前記第1の工程では、前記パターン形状可変マスクに、前記設計レイアウトまたは前記設計レイアウトを加工したパターンと、前記第4の工程で決定された前記マスクパターンの補正量と、にしたがって前記マスクパターンを形成することを特徴とするマスクパターン補正方法が提供される。
本発明によれば、半導体装置の製造に用いるパターンの補正処理において、高速でしかも高精度に補正処理を行うことができるという効果を奏する。
図1は、本発明の第1の実施の形態によるマスクパターン補正装置の構成を模式的に示すブロック図である。 図2は、透過型のパターン形状可変マスクを用いる場合の光学像取得部の構成を模式的に示す図である。 図3は、反射型のパターン形状可変マスクを用いる場合の光学像取得部の構成を模式的に示す図である。 図4は、パターン形状可変マスクの一例を模式的に示す図である。 図5は、受光素子部の平面構造を模式的に示す図である。 図6は、第1の実施の形態によるマスクパターン補正方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。 図7は、設計レイアウトの一例を示す図である。 図8は、マスクパターンが形成されたパターン形状可変マスクの一例を示す図である。 図9は、受光素子部の一部で得られる信号強度の一例を示す図である。
以下に添付図面を参照して、本発明の実施の形態にかかるパターン補正装置およびパターン補正方法を詳細に説明する。なお、これらの実施の形態により本発明が限定されるものではない。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態によるマスクパターン補正装置の構成を模式的に示すブロック図である。このマスクパターン補正装置は、マスクパターンに光を照射してマスクパターンの光学像を取得する光学像取得部10と、光学像取得部10にマスクパターンの形状を入力し、マスクパターンの光学像が所望の形状、たとえば設計レイアウトと一致しているかを判定し、一致していない場合にはマスクパターンの補正量を決定するマスクパターン補正処理部20と、を備える。
光学像取得部10は、照明部11と、パターン形状可変マスク12と、投影光学系13と、受光素子部14と、を備える。図2は、透過型のパターン形状可変マスクを用いる場合の光学像取得部の構成を模式的に示す図であり、図3は、反射型のパターン形状可変マスクを用いる場合の光学像取得部の構成を模式的に示す図である。図2に示される光学像取得部の場合には、パターン形状可変マスク12に光を透過させ、その光が投影光学系13で結像される像を受光素子部14で検出するものである。一方、図3に示される光学像取得部の場合には、パターン形状可変マスクで光を反射させて、反射した光が投影光学系で結像される像を受光素子部14で検出するものである。
照明部11は、可視光線から紫外線(EUV(Extreme UltraViolet)光を含む)までの波長の光を出射する光源であるが、必要な場合には、光源からの光をパターン形状可変マスク12に照射するために配置されるレンズなどの光学素子を有する照明光学系をさらに備える。光源としては、コヒーレントな光源でも、インコヒーレントな光源でもよく、また、単色光源でも、複数の波長が含まれる光源でもよい。たとえば、ArFレーザやKrFレーザ、超高圧水銀ランプ、可視光域のレーザ、白色光などを用いることができる。
パターン形状可変マスク12は、露光装置のマスクパターン(レチクル)に相当するものであり、マスクパターン補正処理部20からの指示によって入力されるパターン形状を表現することが可能なマスクである。図4は、パターン形状可変マスクの一例を模式的に示す図である。この図に示されるように、パターン形状可変マスク12は、透過率(0〜100%)または反射率(0〜100%)が制御されるセル121がマトリックス状に配置されたドットアレイで構成される。なお、このマスクパターン補正装置は、光近接効果による影響を補正するためのものであり、光近接効果を再現することができればよいので、照明部11で使用する波長とマスクのサイズとの関係が、実際の半導体装置の製造工程における露光波長とマスクのサイズとの関係と同様のものとなればよい。つまり、実際の半導体装置の製造工程で使用される光の波長と同じサイズのマスクを使用しなければならないというものではない。
図2に示される透過型の光学像取得部10で使用されるパターン形状可変マスク12として、光の透過率(たとえば、透過/不透過)を制御可能な液晶セルがマトリックス状に配置されたものを用いることができる。つまり、通常のマスクパターンでは、透明基板上に遮光膜でパターニングすることによって遮光部と透光部とを形成しているが、この液晶セルを用いたパターン形状可変マスク12では、光を不透過に設定された液晶セルが遮光部を形成し、光を透過に設定された液晶セルが透光部を形成している。そして、このようなパターン形状可変マスク12を透過した光によって、受光素子部14上に像が形成される。
また、図3に示される反射型の光学像取得部10で使用されるパターン形状可変マスク12は、光の反射率(たとえば、吸収と反射)を制御可能な液晶セルなどの表示デバイス、または反射面の傾斜角度を変更可能な複数の微小なミラーをマトリックス状に配置し、個々のミラーの角度を制御して反射の有無を切り換えるDMD(Deformable Micro-mirror DeviceまたはDigital Micro-mirror Device)などのMEMS(MicroElectroMechanical System)デバイスなどを用いることができる。そして、このようなパターン形状可変マスク12を反射した光によって、受光素子部14上に像が形成される。
このようにパターン形状可変マスク12は、液晶セルなどによって構成されるので、制御信号によってパターン形状を瞬時に、そして任意の形状に変化させることが可能となる。その結果、露光装置で実際に使用されるマスクのように、マスク基板上に描画技術とエッチング技術とを用いてパターンを形成する必要がないので、マスクパターンを変更(補正)するのに要する時間を非常に短縮化することが可能である。
投影光学系13は、パターン形状可変マスク12を透過した光が受光素子部14で像を結ぶように配置されるレンズ(透過型のパターン形状可変マスク12を用いる場合)、ミラー(反射型のパターン形状可変マスク12を用いる場合)などの光学素子からなる。
受光素子部14は、フォトダイオードなどの光を電気信号に変換する光電変換素子からなる光センサセルをマトリックス状に配置したものであり、CCD(Charge-Coupled Device)イメージセンサやCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)イメージセンサなどを用いることができる。図5は、受光素子部の平面構造を模式的に示す図である。受光素子部14もパターン形状可変マスク12と同様にマトリックス状に光センサセル141が配置された構造を有する。受光素子部14の各光センサセル141で検出された信号は、マスクパターン補正処理部20へと出力される。受光素子部14は、光学像検出手段に対応している。
マスクパターン補正処理部20は、入力部21と、出力部22と、制御部23と、を備える。入力部21は、設計レイアウトまたは設計レイアウトを加工したパターン入力する機能を有する。設計レイアウトを加工したパターンとは、例えば、設計レイアウトをEB描画用データに変換したパターン、設計レイアウトに補正(例えば、光近接効果補正)を加えたパターン、実際の半導体製造におけるレジスト膜に形成すべきパターン(リソグラフィターゲットとなるパターン)などである。設計レイアウトは、たとえば実際に形成したいパターンの形状と同一の形状を有している。また、出力部22は、制御部23による設計レイアウトと受光素子部14に形成されるパターン形状可変マスク12の光学像との差が許容値以内に収まった場合に、補正した設計レイアウトデータあるいは設計レイアウトを加工したデータを出力する。
制御部23は、パターン情報記憶部231と、マスク設定部232と、補正量決定部233と、を備える。制御部23は、パターン形状可変マスク12および受光素子部14と電気的に接続される。
パターン情報記憶部231は、入力部21から入力された設計レイアウト、または設計レイアウトを加工したパターンと、補正量決定部233によって決定された設計レイアウトの補正量と、を記憶する。設計レイアウトは、パターン形状可変マスク12のセル121に合わせてドット状に領域が分割され、各ドット状の領域についてパターンの有無の情報が記録される。
マスク設定部232は、パターン情報記憶部231に記憶されている設計レイアウトを、パターン補正量が含まれる場合にはパターン補正量を反映させて、パターン形状可変マスク12に設定する。この設定は、たとえば液晶表示装置に画像を表示させる仕組みと同じである。たとえば、液晶セルがマトリックス状に配置された透過型のパターン形状可変マスク12の場合には、入力パターンのマスク部分に対応する位置のセルを不透過に設定し、設計レイアウトのマスクされていない部分に対応する位置のセルを透過に設定する。これによって、パターン形状可変マスク12は、設計レイアウトに対応したパターンを有するマスクとなる。
補正量決定部233は、マスク設定部232で設定されたパターン形状可変マスク12に照明部11からの光が照射された結果、受光素子部14の各光センサセル141で取得された信号を用いて、マスクパターンの光学像を生成し、その光学像と設計レイアウトとを比較して、その差分に基づいて、たとえばその差分を許容値以下とするように、パターン形状可変マスク12に設定されたパターンの補正量を決定する。具体的には、予め設定された測定ポイントについて、マスクパターン光学像のエッジ位置と設計レイアウトのエッジ位置との差であるエッジ位置差分量が、予め設定された許容エッジ位置ずれ量以内となるように、補正量を決定する。たとえば、算出された差分量をマスク12におけるパターンと受光素子部14におけるパターンの倍率を反映させて補正量としてもよいし、差分量に所定の処理を行って補正量を算出するようにしてもよい。これは、使用するマスクパターン補正装置の構成によって適宜変更することができる。なお、決定された補正量は、設計レイアウト内の位置に対応付けてパターン情報記憶部231に記憶される。
つぎに、このようなマスクパターン補正装置におけるマスクパターン補正方法について、具体例を挙げながら説明する。図6は、第1の実施の形態によるマスクパターン補正方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。
まず、使用者によって入力部21を介して設計レイアウトが入力される(ステップS11)。この設計レイアウトは、パターン情報記憶部231に記憶される。図7は、設計レイアウトの一例を示す図である。この設計レイアウト200では、ライン状の4本のパターン201が平行に形成されている場合を例示している。なお、この図において、パターン201には、ハッチングを付している。その後、補正量決定部233は補正量を決定する(ステップS12)。ここで、入力が設計レイアウトのみの場合には、補正量決定部233は補正量を「0」とし、パターン情報記憶部231に記憶する。
ついで、マスク設定部232は、パターン情報記憶部231に記憶されている設計レイアウトと決定した補正量とにしたがったパターンをパターン形状可変マスク12に形成する(ステップS13)。ここでは、補正量が「0」であるので、パターン情報記憶部231に記憶されている設計レイアウトにしたがってパターンが形成される。
図8は、マスクパターンが形成されたパターン形状可変マスクの一例を示す図である。この図は、図7の設計レイアウトをパターン形状可変マスク12に設定した場合を示している。たとえば、液晶セルを用いた透過型のパターン形状可変マスク12の場合には、パターン情報記憶部231に記憶されている設計レイアウトは、ドット状の領域に分割されているので、ドット状の領域に遮光部が存在すれば、対応する位置の液晶セル121Aを不透過とし、ドット状の領域に遮光部が存在しなければ、対応する位置の液晶セル121Bを透過とするように、各液晶セル121の透過率を設計レイアウトと補正量にしたがって制御する。
同様に、液晶セルを用いた反射型のパターン形状可変マスク12の場合には、各液晶セルの位置の吸収率(黒色か否か)を設計レイアウトと補正量にしたがって変化させ、またMEMSデバイスを用いた反射型のパターン形状可変マスク12の場合には、各セル位置のミラーの反射率を設計レイアウトと補正量にしたがって変化させる。
その後、パターン形状可変マスク12に照明部11から光を照射し、受光素子部14でパターン形状可変マスク12に形成されたマスクパターンの光学像を得る(ステップS14)。ここでは、受光素子部14の各位置のセンサセル141から、受光した光の強度に対応する電気信号が出力されるものとする。
図9は、受光素子部の一部で得られる信号強度の一例を示す図である。この図で横軸は、受光素子部14上のある直線に沿った位置Pを示しており、縦軸は、各位置Pでの信号強度(光強度)を示している。この図では、曲線Isに示されるように、各位置(センサセル)で信号強度が検出されたものとする。ここで、信号強度Isがパターン判定しきい値It以上の場合には、パターン形成領域であるものとする。つまり、図7上に横軸に平行な直線Itを引き、信号強度Isとパターン判定しきい値Itとの大小関係によってパターン形成領域を判定することができる。なお、これは一例であって、実際の半導体装置の製造工程において使用される光照射対象であるレジストがポジ型の場合であり、信号強度Isがパターン判定しきい値It以上となるレジスト部分が現像工程により除去されてパターンが形成される。一方、他の例として、レジストがネガ型の場合は、信号強度Isがパターン判定しきい値以下となるレジスト部分が現像工程により除去され、パターンが形成される。
その結果、図7において、Is≧Itとなる領域(横軸上の位置P)がパターン形成領域であり、Is<Itとなる領域(横軸上の位置P)がマスクパターンの形成されないパターン非形成領域である。このようにして、補正量決定部233は、パターン形成領域とパターン非形成領域が区分された光学像を取得する。
ついで、補正量決定部233は、パターン情報記憶部231に記憶されている設計レイアウトと、取得した光学像の光強度分布と、を比較し(ステップS15)、設計レイアウトのパターンのエッジ位置と光学像のパターン形成領域のエッジ位置との差分であるエッジ位置差分量が許容エッジ位置ずれ量以内であるか否かを判定する(ステップS16)。なお、この判定は、すべての部分で行ってもよいが、設計レイアウト上に測定を行う測定ポイントを複数設定し、その測定ポイントで行うようにしてもよい。
図7は、測定ポイントにおける信号強度を示しているものとすると、この図7においては、パターン形成領域のエッジ位置として、信号強度Isとパターン判定しきい値Itとの交点であるP1〜P6が抽出される。また、設計レイアウトの図7に対応する測定ポイントにおけるエッジ位置は、E1〜E6(図示せず)であるものとする。ここで、測定ポイントにおける光学像のパターン形成領域のエッジ位置Piと設計レイアウトのパターンのエッジ位置Eiとの差Pi−Ei=EPi(i=1〜6)を求める。そして、エッジ位置の差EPiが予め設定された許容エッジ位置ずれ量EP0以内であるか否かを判定する。
エッジ位置差分量EPi>許容エッジ位置ずれ量EP0である場合(ステップS16でNoの場合)には、ステップS12の補正量算出処理に戻る。この補正量算出処理において、補正量決定部233は、エッジ位置差分量EPiを許容エッジ位置ずれ量EP0以内とするのに必要なパターン形状可変マスク12におけるマスクパターンの形状の補正量を、取得したエッジ位置差分量EPiに基づいて決定し、パターン情報記憶部231にその補正位置とともに記憶する。
その後、ステップS13では、マスク設定部232は、パターン情報記憶部231に記憶されている設計レイアウトと、ステップS12で決定された補正量にしたがって、パターン形状可変マスク12にマスクパターンを設定する。たとえば、最初に設計レイアウトにしたがってパターン形状可変マスク12にマスクパターンを形成した後、補正量にしたがって、形成したマスクパターンの各位置におけるパターンを太らせたり、細らせたりする処理を行う。
そして、ステップS16ですべての測定ポイントにおいて、エッジ位置差分量EPi≦許容エッジ位置ずれ量EP0となるまで、上述したステップS12〜S16の処理を繰り返し行う。
すべての測定ポイントで、エッジ位置差分量EPi≦許容エッジ位置ずれ量EP0となった場合(ステップS16でYesの場合)には、マスクパターンの光学像が設計レイアウトとほぼ同じ形状を有するものとなったことを示すので、出力部22は設計レイアウトにそれまでの補正量を反映させた設計レイアウトをマスクデータとして出力する(ステップS17)。以上のようにして、マスクパターンの補正方法が終了し、光近接効果を補正したパターンデータを得ることができる。
なお、上述したステップS12の補正量の決定処理において、受光素子部14からは瞬時にショット内の光学像計算を行うことができるので、グローバルローディング効果を考慮して補正量を決定することができる。例えば、実際の半導体装置で行われている、ショット位置の違いによるウェハ上のパターンばらつきを抑制するためのマスクとウェハのグローバルアライメントに用いられる誤差に基づくバイアス量を受光素子部14からの光学像分布に加えることで、ショット位置の違いによるパターンばらつきも考慮した補正量を決定することができる。
この第1の実施の形態によれば、光学装置を用いることで、受光素子部14でマスクパターンの光学像を瞬時に得ることができるので、従来の光近接効果補正技術で用いられていた光学像の予測計算を行うことなく、その光学像を直接得ることができ、その光学像の結果に基づいて光近接効果を補正した精度の高いマスクパターンを得ることができる。その結果、光近接効果補正処理に要する時間を従来に比して大幅に短縮することができるという効果を有する。
また、マスクとして、液晶セルなどがマトリックス状に配置されたパターン形状可変マスク12を用いるようにしたので、受光素子部14で得られたマスクパターンの光学像が所望の設計レイアウトと異なる場合に行われる光近接効果補正をマスクパターンに対して容易に、そして瞬時に行うことができる。その結果、マスクパターンの再作成にかかる時間も短縮化することができるという効果を有する。
さらに、受光素子部14からは瞬時にショット内の光学像を得ることができるので、ウェハ上の場所(位置)によって均一に像が形成されないというグローバルローディング効果の影響も解決することもできるという効果を有する。
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態でマスクパターン補正装置の照明部11(光源)の瞳位置にフィルタを入れてもよい。このようにフィルタを入れることで、パターン形状可変マスク12に照射される光源の形状を任意に変更することができ、変形照明法を用いた露光装置における光源を再現することができる。このフィルタとして、たとえば、複数の光透過率を備えた回折光学素子などを用いることができる。たとえば、輪帯照明、二重極照明、四重極照明、などの照明光を実現できる。尚、このような変形照明を用いたマスクパターンの補正方法については、第1の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
この第2の実施の形態によれば、照明部11として、高解像の光学像が得られる変形照明法を用いた露光装置における光源を再現することができるので、受光素子部14で得られる高解像の光学像に対しても、従来の光近接効果補正技術で用いられていた光学像の予測計算を行うことなく、その光学像を直接得て、その結果に基づいて光近接効果を補正したマスクパターンを得ることができる。その結果、光近接効果補正処理に要する時間を従来に比して大幅に短縮することができるとともに、補正の精度を上げることができるという効果を有する。
(第3の実施の形態)
上記したマスクパターン補正装置の投影光学系13の瞳位置に、たとえば光振幅透過率がガウス分布となるガウスフィルタなどを入れてもよい。このようなフィルタを挿入することで、受光素子部14から得られる光学像はレジストの酸の拡散を考慮した形状となる。従って、実際の半導体装置の製造における、感光されたレジストで発生した酸のベーク工程における拡散挙動を表現することが可能であり、引き続く現像工程において酸の濃度分布に応じて溶解されるレジスト形状を表現することできる。
また、投影光学系13の瞳位置に配置するフィルタとして、たとえば瞳面の透過率分布を任意に設定することができる回折光学素子や、任意の位相差を与えることができるフィルタなどでもよい。このようなフィルタを挿入することで、露光装置における瞳透過率分布の再現や、露光装置における投影レンズ系の収差を再現することができる。そして、受光素子部14で得られる光学像は、露光装置におけるレジスト上の輪郭像と等価となる。なお、このようなフィルタを備える投影光学系13を有するマスクパターン補正装置でのマスクパターン補正方法については、第1の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
この第3の実施の形態によれば、投影光学系13の瞳位置にフィルタを挿入することによって、レジストの酸の拡散を考慮した形状や露光装置におけるレジスト上の輪郭像と等価な光学像が受光素子部14で得られるので、このような結果から光近接効果の補正精度を一層向上させることが可能になるという効果を有する。
(第4の実施の形態)
上記したマスクパターン補正装置の受光素子部14において、受光素子部14を光軸方向に移動可能な構成としてもよい。このように受光素子部14の光軸方向の位置を変えることで、焦点位置を変化させることができ、受光素子部14では任意の焦点面におけるパターン形状可変マスク12の光学像を取得することができる。
なお、このような光軸方向に移動可能な受光素子部14を有するマスクパターン補正装置におけるマスクパターン補正方法については、第1の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。ただし、この第4の実施の形態で得られた光学像のエッジ位置に基づいて補正量を決めると、露光装置を用いてウェハ上にレジストパターンが形成される状態と同様に、潜像を考慮した補正量となる。
この第4の実施の形態によれば、受光素子部14を光軸方向に移動可能にすることで、露光装置を用いてウェハ上にレジストパターンが形成される状態と同様に、潜像を考慮した補正量が得られるので、光近接効果の補正精度を向上させることができるという効果を有する。また、たとえば実際の半導体装置の製造時に形成されるフォトレジストの高さまで考慮した光近接効果の補正を行うことができる。
なお、上述の各実施形態では、得られた光学像と設計レイアウトを比較することで、パターン補正を実施するものであるが、得られた光学像に何らかの変換を加えた像と設計レイアウトを比較し、その差分が許容値以下であるかを条件として、補正を行ってもよい。
たとえば、実際の半導体装置の製造において露光工程の後に実施される、現像工程やエッチング工程におけるパターンの変動を考慮して光学像を変換した像と設計レイアウトを比較することができる。現像工程やエッチング工程におけるパターンの変動は、予め取得した光学像分布又はパターン配置状況とパターンの変動量との関係を参照して取得することができる。或いは、所定の現像・エッチングシミュレーションや計算式を用いて、光学像分布又はパターン配置状況からパターン変動量を計算により取得することもできる。この変換は、たとえば、図1に示す受光素子部14で得られた光学像が入力される補正量算出部233により実施される。
10…光学像取得部、11…照明部、12…パターン形状可変マスク、13…投影光学系、14…受光素子部、20…マスクパターン補正処理部、21…入力部、22…出力部、23…制御部、121…セル、121A,121B…液晶セル、141…光センサセル、200…設計レイアウト、201…パターン、231…パターン情報記憶部、232…マスク設定部、233…補正量決定部。

Claims (5)

  1. 照明手段と、
    透過率または反射率を変化させることが可能なドット状のセルが複数配列して形成されるパターン形状可変マスクと、
    光を検出するドット状の光センサセルが複数配列して形成され、前記パターン形状可変マスクの前記セルによって形成されるマスクパターンの光学像を検出する光学像検出手段と、
    前記パターン形状可変マスクに前記照明手段から照射された光を前記光学像検出手段に結像させる投影光学系と、
    設計レイアウトまたは設計レイアウトを加工したパターンの形状に対応して、前記パターン形状可変マスクの前記セルの透過率または反射率を変化させて前記マスクパターンを形成するマスク設定手段と、
    前記マスク設定手段で形成された前記マスクパターンに照射された光が前記投影光学系を介して前記光学像検出手段に結像して得られる前記マスクパターンの光学像または前記光学像を変換した像と、前記設計レイアウトまたは前記設計レイアウトを加工したパターンと、の差分に基づき前記パターン形状可変マスクに形成する前記マスクパターンの補正量を決定する補正量決定手段と、
    を備えたことを特徴とするマスクパターン補正装置。
  2. 前記照明手段は、瞳位置にフィルタを備えることを特徴とする請求項1に記載のマスクパターン補正装置。
  3. 前記投影光学系は、瞳位置にフィルタを備えることを特徴とする請求項1または2に記載のマスクパターン補正装置。
  4. 前記光学像検出手段は、光軸方向に移動可能であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のマスクパターン補正装置。
  5. 透過率または反射率を変化させることが可能なドット状のセルが複数配列して形成されるパターン形状可変マスクに設計レイアウトまたは前記設計レイアウトを加工したパターンの形状に対応して、前記セルの透過率または反射率を変化させてマスクパターンを形成する第1の工程と、
    前記パターン形状可変マスクに照明手段からの光を照射して、投影光学系によって、光を検出するドット状の光センサセルが複数配列して形成された光学像検出手段に結像させ、前記パターン形状可変マスクに形成された前記マスクパターンの光学像を検出する第2の工程と、
    前記マスクパターンの光学像または前記光学像を変換した像と、前記設計レイアウトまたは前記設計レイアウトを加工したパターンと、の差分を計算し、前記差分が補正を行わなくてよい所定の範囲内にあるかを判定する第3の工程と、
    前記差分が所定の範囲内にない場合に、前記差分が所定の値以内となる前記パターン形状可変マスクに形成する前記マスクパターンの補正量を決定する第4の工程と、
    を含み、
    前記差分が所定の範囲内となるまで前記第1〜第4の工程を繰り返し行い、
    前記第4の工程の後に行われる前記第1の工程では、前記パターン形状可変マスクに、前記設計レイアウトまたは前記設計レイアウトを加工したパターンと、前記第4の工程で決定された前記マスクパターンの補正量と、にしたがって前記マスクパターンを形成することを特徴とするマスクパターン補正方法。
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