JP2010209770A - 電動送風機及び電動掃除機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】回転ファン9とローター4(ステーター5)との間に整流子6を配置する。これにより、回転ファン9とローター4(ステーター5)との距離を大きく取り、ディフューザ部12からモーター2までの風路(戻り風路14)の曲がりを緩やかにする。
【選択図】図1
Description
特許文献1,2には、ファンカバーの静翼と静翼の外周を覆う部分の内側に角を埋めるような整流部を設けた電動送風機についての記載がある。この電動送風機では、整流部により気流の曲がりを促し、曲がり損失を低減する。
この発明は、ディフューザ部からモーター側へ気流の向きを曲げる際の曲がり損失を低減することを目的とする。
回転自在に保持されたローターと、前記ローターにおける電流の流れる方向を切り替える整流子と、前記ローターの外周に隙間を介して位置して固定されたステーターと、回転軸であるシャフトとを備えるモーターと、
前記モーターが備える前記シャフトに取り付けられた回転ファンと、
前記回転ファンの外周部を覆うファンカバーと、
前記回転ファンにより生じた気流を整流するディフューザ部を前記ファンカバーとの間に形成するとともに、前記ディフューザ部を通過した気流を前記モーターが備える前記ローターの方向へ偏向する戻り風路を前記ファンカバーとの間に形成するエアガイドとを備え、
前記モーターは、前記ローターの前記回転ファン側に前記整流子を備え、
前記戻り風路は前記ステーターの外周に設けられたモーターカバーの孔に接続されている
ことを特徴とする。
図1は、実施の形態1に係る電動送風機1の断面図である。なお、図1に示す矢印は、大まかな気流(子午面流れ)を示す。
電動送風機1は、モーター2、回転ファン9、ファンカバー10、エアガイド11を備える。
シャフト3は、モーター2の出力軸(回転軸)であり、回転自在に保持される。シャフト3には、ローター4と整流子6とが固定される。特に、整流子6は、ローター4の回転ファン9側に固定される。つまり、整流子6は、ローター4と回転ファン9との間に設けられる。
ローター4は、ローターコア4aと、ローターコア4aに巻かれたローターコイル4bとを有する。
ステーター5は、ローター4の外周に、ローター4と間隔を空けて配置される。ステーター5は、ステーターコア5aとステーターコアに巻かれたステーターコイル5bを有する。
整流子6は、ローターコイル4bの電流方向を切り換える作用を持つ。
ブラシ7は、整流子6に接し、整流子6の外周部に設けられる。ブラシ7は、整流子6を通じてローター4へ電流を供給するとともに、ローター4から電流を取り出す。
つまり、整流子6とブラシ7とは、ローターコイル4bに流れる電流を回転位相に応じて切り替え、回転モーメントを一定方向に保つ。
回転側板9aには、中央部にファン吸気口9dが形成される。回転側板9aは、ファン吸気口9d側から外周部へ向かって回転主板9b側に傾斜して形成される。
回転主板9bは、回転側板9aに対してモーター2側に、回転側板9aに対向して設けられる。回転主板9bは、平板状に形成され、中央部にシャフト3へ取り付けられる取付部9eを有する。
回転翼9cは、回転側板9aと回転主板9bとの間に複数設けられる。回転翼9cは、シャフト3が回転することにより回転する。なお、図1では、回転翼9cを回転側板9aと回転主板9bとをつなぐ縦線により示す。
エアガイド11は、ディフューザ部12(図1の符号12が示す斜線部分)と戻り風路14(図1の符号14が示す斜線部分)とを、ファンカバー10との間に形成する。
ディフューザ部12は、回転ファン9の外周に、上側ファンカバー10aとエアガイド11とにより形成される。ディフューザ部12には、複数の静翼13が設けられ、回転ファン9が吐出した気流を減速、静圧回復させ整流する。なお、図1では、静翼13をファンカバー10とエアガイド11とをつなぐ縦線により示す。
戻り風路14は、ディフューザ部12を通過した気流を電動送風機1の内側向きに変え、モーターカバー8の側面に設けられた孔8aへ導く。つまり、戻り風路14は、回転ファン9からディフューザ部12へ電動送風機1の外側向きに流れる気流を、電動送風機1の内側向きに偏向する。そして、戻り風路14は、気流をモーターカバー8の孔8aからモーター2の内部へ導く。特に、戻り風路14は、気流をローター4とステーター5との付近へ導く。
電動送風機1に電力が供給されると、ステーターコイル5bに電流が流れる。すると、ステーター5では磁束が発生する。また、ステーターコイル5bから電流がブラシ7を介して整流子6に伝導する。そして、ローターコイル4bに電流が流れる。すると、ローター4では磁束が発生する。
ローター4とステーター5とで発生した磁束により、ローター4とステーター5との間で力が発生する。この力により、ローター4が回転する。ローター4が回転することにより、シャフト3が回転する。シャフト3が回転することにより、シャフト3に取付けられた回転ファン9の回転翼9cが回転する。
上述した電動送風機1の動作により、回転ファン9の回転翼9cが回転する。すると、ファン吸気口9dから入る空気が昇圧、増速されて旋回しながら電動送風機1の外側へ向かう気流となる(1)。回転ファン9から吐出された気流はディフューザ部12へ流入する(2)。ディフューザ部12へ流入した気流は、減速、静圧回復される。そして、ディフューザ部12で減速、静圧回復された気流は、戻り風路14を通り(3)、ステーター5の外周に設けられたモーターカバー8の孔8aからモーター2内へ導かれる(4)。モーター2内へ導かれた気流は、ローター4とステーター5の付近を通って、回転ファン9とは逆側に設けられたモーターカバー8の孔8bからモーター2の外部へ吐出される(5)。気流が、孔8aから孔8bへ流れる際、モーター2を冷却する。
つまり、実施の形態1に係る電動送風機1は、整流子6をローター4(及びステーター5)と回転ファン9との間に配置することにより、戻り風路14での曲がり損失を低減することができる。
特に、ローター4と回転ファン9との間を単に広げるのではなく、ローター4と回転ファン9との間に整流子6を配置した。そのため、電動送風機1のサイズを大きくすることなく、電動送風機1の効率をよくすることができる。
同様に、戻り風路14は、ディフューザ部12側からモーター2側へ向かって滑らかな曲線に形成される。そのため、戻り風路14における気流の曲がりを緩やかにすることができる。
なお、静翼13の外周側のファンカバー10に孔を設けて、モーター2の冷却に必要な流量を越える気流をファンカバー10の外へ逃がしてもよい。この場合、騒音が増加する。しかし、戻り風路14で気流の向きを曲げる際の曲がり損失をさらに低減できる。したがって、電動送風機1の効率をさらに高くすることができる。
図2は、実施の形態2に係る電動送風機1の断面図である。図3は、図2の回転ファン9外周部付近の拡大図である。図2,3に示す矢印は、大まかな気流(子午面流れ)を示す。
図2,3に示す電動送風機1は、図1に示す電動送風機1と原則として同一である。しかし、回転主板9bの外周端がモーター2側(図2,3の下側)に反っている点で異なる。また、回転主板9bを反らせたことにより、回転主板9bとエアガイド11とが接触しないように、エアガイド11に凹みを設けた。
回転ファン9の外周部付近の気流は、図3に矢印で表すように、回転主板9b側に循環渦が形成される。そのため、回転側板9a側に流れが偏よる。つまり、ディフューザ部12へ向かう気流は、エアガイド11側の流速に比べ、ファンカバー10側の流速が速くなる。
実施の形態2に係る電動送風機1では、回転主板9bの外周端をモーター2側に反らせた。そのため、実施の形態2に係る電動送風機1では、回転ファン9の外周部(外周端)における風路幅W1は、実施の形態1に係る電動送風機1に比べ広い。したがって、回転ファン9の外周部(外周端)において、循環渦が風路を占める割合を低減できる。
これにより、気流が通る風路が確保される。そのため、回転ファン9から吐出され、ディフューザ部12を通過する流速が部分的に速くなることを抑制できる。その結果、戻り風路14での曲がり損失を低減できる。また、ディフューザ部12へ流入する風速が均一化されるので、静翼13への衝突損失が低減される。そのため、ディフューザ部12での静圧回復の効率を高くできる。
図4は、実施の形態3に係る電動送風機1の断面図である。図4に示す矢印は、大まかな気流(子午面流れ)を示す。
図4に示す電動送風機1は、図1に示す電動送風機1と原則として同一である。しかし、回転主板9bがモーター2側(図2,3の下側)に傾いている点で異なる。特に、回転主板9bは、シャフト3の近傍(シャフト3の周囲)の取付部9eでは、シャフト3の軸方向と垂直方向の平面である。しかし、回転主板9bのシャフト3の近傍の外側は、外周部へ向かってモーター2側へ傾いている。つまり、回転主板9bは、外側ほどモーター2に近くなるように形成される。
なお、回転翼9cが回転した際の振れは、騒音の原因となる静翼13への気流の衝突の変動の原因となる。また、回転翼9cが回転した際の振れは、電動送風機1の振動の原因となる。そのため、実施の形態3に係る電動送風機1では、騒音や振動を小さくすることができる。
図5は、実施の形態4に係る電気掃除機20の全体図である。なお、図5では、掃除機本体15の内部構成を破線で示す。
電気掃除機20は、掃除機本体15、吸引口16、パイプ17、ホース18を備える。また、掃除機本体15は、電動送風機1、集塵ボックス19を備える。なお、電動送風機1は、実施の形態1から3で説明した電動送風機1である。
掃除機本体15は、吸引口16から棒状のパイプ17と屈曲自在のホース18とを介して、気流とともに、塵埃を吸引し、吸引した塵埃を集塵ボックス19に溜める。なお、電動送風機1は、塵埃を吸引するための気流を発生させる。
Claims (5)
- 回転自在に保持されたローターと、前記ローターにおける電流の流れる方向を切り替える整流子と、前記ローターの外周に隙間を介して位置して固定されたステーターと、回転軸であるシャフトとを備えるモーターと、
前記モーターが備える前記シャフトに取り付けられた回転ファンと、
前記回転ファンの外周部を覆うファンカバーと、
前記回転ファンにより生じた気流を整流するディフューザ部を前記ファンカバーとの間に形成するとともに、前記ディフューザ部を通過した気流を前記モーターが備える前記ローターの方向へ偏向する戻り風路を前記ファンカバーとの間に形成するエアガイドとを備え、
前記モーターは、前記ローターの前記回転ファン側に前記整流子を備え、
前記戻り風路は前記ステーターの外周に設けられたモーターカバーの孔に接続されている
ことを特徴とする電動送風機。 - 前記回転ファンは、
開口部を有する側板と、
前記側板に対して前記モーター側に前記側板と対向して設けられ、前記側板との間に通風路を形成する主板であって、外周部が前記モーター側に反った主板と、
前記側板と主板との間に設けられ、前記シャフトの回転により回転する回転翼と
を備えることを特徴とする請求項1に記載の電動送風機。 - 前記回転ファンは、
開口部を有する側板と、
前記側板に対して前記モーター側に前記側板と対向して、前記シャフトの周囲に設けられ、前記側板との間に通風路を形成する主板であって、前記シャフト近傍は前記シャフトの軸方向と垂直方向の平面であり、前記シャフト近傍の外側は外周部へ向かって前記モーター側へ傾いた主板と、
前記側板と主板との間に設けられ、前記シャフトの回転により回転する回転翼と
を備えることを特徴とする請求項1に記載の電動送風機。 - 前記エアガイドは、外周部へ向かって前記モーター側へ傾いて、前記ディフューザ部を前記ファンカバーとの間に形成する
ことを特徴とする請求項1から3までのいずれかに記載の電動送風機。 - 請求項1から4までのいずれかに記載の電動送風機を備えることを特徴とする電動掃除機。
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