JP2006342690A - 電動送風機及び電気掃除機 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、聴覚騒音の低減を可能とする電動送風機及び電気掃除機を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、回転軸14に連結され、複数枚のファンブレード29を有する遠心形ファン25と、このファン25の周面に形成された吐出口31と対向してファン25の外周に位置する複数枚のディフューザブレード20を有するディフューザ18とを具備し、ファンブレード29を12枚とすると共に、ディフューザブレード20を11枚とした電動送風機であり、この電動送風機を採用した電気掃除機である。
【選択図】図1

Description

本発明は、遠心形ファンを備える電動送風機及びこの電動送風機を備える電気掃除機に関する。
電気掃除機は、電動送風機及び集塵室を有する掃除機本体を備え、電動送風機の吸引力により被掃除面から塵埃を空気と共に吸引し、集塵室で塵埃と空気とを分離して塵埃を集塵室内に蓄積し、塵埃が分離された清浄な空気を掃除機本体外部に排気するようになっている。
電動送風機は、モータ部とファン部とからなり、ファン部には、遠心形ファンと遠心形ファンから排出された空気を整流するディフューザとを有し、ディフューザには、遠心形ファン外周を囲むように複数のディフューザブレードが形成されている。
近年、電気掃除機用の電動送風機は、送風効率を最優先として開発され、更に、騒音の低減も大きな課題に掲げられており、送風効率の向上と騒音の低減を達成するために、遠心形ファンのブレードの枚数とディフューザブレードの枚数が大きく関係することから種々開発検討が進められている。例えば、遠心形ファンのブレードの枚数を7枚とし、ディフューザブレードを13枚とする組み合わせがよいと開示されている(特許文献1参照)。
特開平10−73097号公報
特許文献1での評価は、Aレンジでのトータル騒音の評価であり、人間にとって最も耳障りな2k〜10kHzの高周波騒音の評価がなされておらず、人間の聴覚騒音に対する評価が不十分であった。
本発明は、聴覚騒音の低減を可能とする電動送風機及び電気掃除機を提供することを課題とする。
本発明の電動送風機は、回転軸に連結され、複数枚のファンブレードを有する遠心形ファンと、このファンの周面に形成された吐出口と対向して前記ファンの外周に位置する複数枚のディフューザブレードを有するディフューザとを具備する電動送風機において、前記ディフューザブレードを11枚とすると共に、ファンブレードを11枚〜15枚のいずれかに選択したことを特徴とし、また、本発明の電気掃除機は、掃除機本体にその電動送風機を用いたものである。
本発明によれば、高い送風効率を維持しつつ、人間にとって耳障りな2k〜10kHzの周波数帯域の騒音を低減することができる等の効果を奏する。
以下、図を参照して本発明の実施形態を説明する。図8は電気掃除機本体の構成を示す断面図であって、1は掃除機本体で、前車輪2および後車輪3を有し、前部に形成した集塵室4を蓋体5により開閉自在に閉塞している。掃除機本体1の後部には、電動送風機6を収納する収納室7が形成されている。
次に、電動送風機6の構成を図1から図7に基づいて詳述する。図1はファン26とディフューザ18とを示す平面図、図2はディフューザ18の平面図、図3はファン25の平面図、図4はファン25の断面図、図5はファン25とディフューザ18との位置関係を示す要部拡大図、図6はファン25とディフューザ18との位置関係を示す要部拡大図、図7は電動送風機6の一部を破断した側面図である。
図7において、8は鋼板をプレス加工して形成した有底円筒状のブラケットで、開口縁には外側に張り出すフランジ部9が形成されている。ブラケット8の開口端には開口端を横断するようにフレーム10が配設され、フレーム10は両端がブラケット8に重ね合わせて固定されている。前記ブラケット8及びフレーム10によりブラケット枠11を構成している。
前記ブラケット枠11内には、固定子12及び回転子13が配設されており、固定子12は、ブラケット8に固定され、また、回転子13は、その回転軸14をブラケット8とフレーム10にそれぞれ装着される軸受15に回転自在に支持され、回転軸14の一端は、フレーム10を貫通して外側に延設されている。前記回転子13には、整流子16が設けられ、ブラケット8には、整流子16に接触するブラシ装置17が設けられている。
前記ブラケット8の開口端側には、ディフューザ18がフレーム10にネジ19固定されている。ディフューザ18は、ガラス入りナイロン等の合成樹脂により成形されている。
ディフューザ18は、図1及び図2に示されるように、後述するファン25よりも径大な円板状で、ファン25の外周に対向して11枚の円弧状のブレード20が一体的に形成されており、ブレード20間に第1空気通路21が形成されている。第1空気通路21は、内径側から外径側に向かうに従って次第に幅広に形成され、且つ内径側から外径側に向かうに従ってファン25が配置される側からブラケット枠11側に傾斜して形成されている。ディフューザ18は、後述するファン25が配置される部分を凹設して凹所22を形成し、第1空気通路21の入り口側底面22との間に段部23を形成している。
ディフューザ18のブラケット枠11側の面には、図示しない複数の円弧状の整流翼が一体に形成され、整流翼間に第2空気通路が形成されており、これら第2空気通路は、ブラケット枠11内に連通している。また、ディフューザ18の外周には、ブレード20と整流翼とを連結する図示しない連結翼が形成されており、連結翼間に第1空気通路21と第2空気通路とを連通する複数の連通路24が形成されている。
前記回転軸14の先端部には、アルミニューム合金にて形成される遠心形ファン25がナット26により固定されている。このファン25は、図1、図3及び図4に示すように、回転軸14に固定される第1ファンプレート27と、第2ファンプレート28と、第1ファンプレート27と第2ファンプレート28との間にかしめ固定される12枚の円弧状のブレード29とから構成されており、第2ファンプレート28には、中央部に吸気口30が形成され、ファン25外周には吐出口31が形成されている。
図7において、32はディフューザ18及びファン26を覆うファンカバーで、中央部に吸込口33が形成されている。
上記構成において、ディフューザブレード20を11枚、ファンブレード29を12枚とすることにより、高い送風効率を維持しつつ、低騒音特性、特に、低い聴覚騒音で使用できることが以下の実験結果からわかった。
まず、本出願人が種々検討した結果、送風効率を向上するためには、ディフューザブレード20の枚数を調整することが最適であることが判明し、その検討の結果、表1に示すごとく、ディフューザブレード20を11枚とすることで最高の送付効率を得ることが判明した。
11枚のディフューザブレード20を有するディフューザ18は、従来の13〜18枚のディフューザブレードを有するディフューザに比べ、ディフューザブレード20先端での衝突箇所が減少する。また、ディフューザブレード20先端と隣接するディフューザブレード20との間に形成される所謂スロート34の幅が広くなると共に、スロート34の数が減少する。従って、風損と乱流の発生量を減少させることができ、性能を向上させることができる。
また、逆に、ディフューザブレード20を11枚より減少させると、スロート34の幅×ディフューザブレード20の高さ×スロート34の数で算出される総スロート面積が減少するため、性能が低下する。
Figure 2006342690
そして、その11枚のディフューザブレード20を用いて騒音の低減を検討した結果、表2に示すとおり、ファンブレード29を11枚〜15枚とすることにより人間にとって耳障りな高周波騒音を最も低減できることが判明した。
入力850〜950W時の回転数が30,000〜40,000rpmである高速回転の電動送風機は、11〜15枚のファンブレートでは、ファンブレードによる基本周波数(NZ周波数)は、5k〜10kHzとなる。これ以下のファンブレードでは、周波数が人間にとって耳障りである2〜4kHz領域に近づくため、聴覚騒音が増大する。逆にこれ以上のファンブレード枚数では、ファンブレード及びかしめ部での抵抗損やファンブレード先端での衝突損が増大し、送風効率を低下させる。
実際の騒音は、NZ騒音だけでなく、高次の周波数の発生や、ファンブレード枚数とディフューザブレード枚数との相互影響が大きく、複合的に現れるため、理論的最適値の推定は極めて困難である。
従って、実際にテストを繰り返した結果を、以下の表2に示しており、表2に示す通り、ファンブレード29を11枚〜15枚とすることにより人間にとって耳障りな高周波騒音を最も低減できる。
そして、ファンブレード29を、12枚とすることにより、高周波騒音を低減しつつ、仕事率を最も向上させることができる。
Figure 2006342690
ディフューザブレード20を11枚としたディフューザ18は、基本的に高周波騒音が高いため、ディフューザブレード20とファンブレード29との距離を大きく設定することにより高周波騒音を低減することができる。しかしながら、大きく設定すると、ファン25から排出された風が第1空気流路21内に入り込むまでの距離が長くなるため、ファン25から排出された風が第1空気流路21に入り込む前に乱流や逆流を生じやすくなる問題がある。
本実施の形態では、ファンブレード29の外周とディフューザブレード20の内周端との距離Aを2.5〜4.5mmの範囲内に設定することにより、上記問題を解決し、高効率を維持しつつ、高周波騒音の低減を図ることができる。
また、本実施の形態では、段部23とファン25外周との間隔Bを0.5〜1mmの範囲内に設定することにより、ファン25の吐出口31から排出された風が段部23で乱流となったり、凹所22側へ流れるのを極力防止することができる。逆にこの範囲より小さく設定すると、製造誤差等により接触する問題が生じるおそれがある。
ファン25は、ファン25のディフューザ18側の側面と第1空気流路21底面との高さCを0〜材厚+0.5mmの範囲内で凹所22側に位置するように設定しているので、ファン25が過速状態になった場合にファン25がファンカバー32方向に移動しても段部23とファン25外周との隙間を十分小さい状態に維持することができ、風の乱流・逆流を防止することができる。段部23とファン25外周との間隔Bを0.5〜1mmの範囲内に設定することと相まって、一層段部23とファン25外周との隙間を十分小さい状態に維持することができ、風の乱流・逆流をより確実に防止することができる。
上記実施形態の説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或いは範囲を減縮する様に解すべきではない。本発明の各部構成は上記実施形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
同ファンとディフューザとを示す平面図である。 同ディフューザの平面図である。 同ファンの平面図である。 同ファンの断面図である。 同ファンとディフューザとの位置関係を示す要部拡大図である。 同ファンとディフューザとの位置関係を示す要部拡大図である。 同電動送風機の一部を破断した側面図である。 本発明の電気掃除機本体の構成を示す断面図である。
符号の説明
6 電動送風機
18 ディフューザ
20 ディフューザブレード
23 段部
25 ファン
29 ファンブレード

Claims (6)

  1. 回転軸に連結され、複数枚のファンブレードを有する遠心形ファンと、このファンの周面に形成された吐出口と対向して前記ファンの外周に位置する複数枚のディフューザブレードを有するディフューザとを具備する電動送風機において、
    前記ディフューザブレードを11枚とすると共に、ファンブレードを11枚〜15枚のいずれかに選択したことを特徴とする電動送風機。
  2. 前記ファンブレードを12枚としたことを特徴とする請求項1記載の電動送風機。
  3. 前記ファンブレード外周とディフューザブレード内周との間隔を、2.5〜4.5mmに設定したことを特徴とする請求項1記載の電動送風機。
  4. 前記ディフューザには、ファンが配置される部分を凹設してディフューザブレードで囲まれる通気路との間に段部を形成し、該段部とファン外周との間隔を0.5〜1mmの範囲内に設定したことを特徴とする請求項1記載の電動送風機。
  5. 前記ディフューザには、ファンが配置される部分を凹設し、前記ファンを、前記ディフューザブレードで囲まれる通気路底面とファンのディフューザ側の側面との高さを0〜板厚+0.5mmの範囲内でディフューザ側に位置させたことを特徴とする請求項1記載の電動送風機。
  6. 掃除機本体に請求項1から5のいずれかに記載の電動送風機を内蔵したことを特徴とする電気掃除機。
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