JP2010209741A - セタン価検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ディーゼルエンジンの燃料のセタン価を、ディーゼルエンジンの運転中に効率よく高い精度で検出することができ、耐失火性を向上させることができるセタン価検出装置を提供すること。
【解決手段】燃圧設定手段121と、エンジン回転数検出手段122と、運転状態判定手段123と、運転状態判定手段123によりエンジンの運転状態が減速運転状態であると判定されたとき、複数の異なった設定レール圧毎に、シリンダ21a内に燃料が噴射され、各噴射の直後に噴射直後エンジン回転数がそれぞれ検出され、複数の燃圧と複数の噴射直後エンジン回転数との関係を表す燃圧・回転数特性を検出結果に基づいて算出する特性算出手段124と、セタン価マップ記憶手段125と、特性算出手段124により算出された燃圧・回転数特性と、セタン価マップとに基づいて、燃料のセタン価を算出するセタン価算出手段126とを備えたことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、軽油のセタン価を検出するセタン価検出装置に関する。
一般に、軽油のディーゼルエンジンにおける着火性や耐失火性を表す数値として、セタン価が使用されている。このセタン価は、軽油のディーゼルエンジン内での自己着火のし易さを表している。このセタン価が高いと燃焼室内で自己着火し易く、ディーゼルノックが起こりにくくなり耐失火性が向上する。他方、セタン価が低いと燃焼室内で自己着火し難く、ディーゼルノックが起こり易くなり耐失火性が低下する。
したがって、ディーゼルエンジンにおける燃料噴射を適正に制御するためには、実際に使用する軽油のセタン価を的確に把握し、実際のセタン価に応じた燃料噴射制御を実行する必要がある。
しかしながら、世界各国で使用されている軽油のセタン価は、必ずしも均一ではなく、精製メーカによりばらつきがあり、燃料タンク内に給油され、実際に使用する軽油のセタン価にばらつきができてしまう。この状態で、燃料噴射制御が実行されると、燃焼効率が低下したり、ディーゼルノックが発生してしまうおそれがある。そのため、燃料タンク内の軽油のセタン価を正確に把握する必要があり、例えば、セタン価を精度よく検出するセタン価検出装置などの検出手段が必要となっている。
従来、この種のセタン価検出装置として、ディーゼルエンジンに使用している燃料の比重を検出する比重検出手段を備え、この比重検出手段により検出された比重に基づいてセタン価などの燃料性状を検出する燃料性状検出手段を含んで構成されたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この燃料性状検出手段は、具体的には、吸入空気量算出手段と、燃料噴射量算出手段と、実空燃比算出手段と、セタン価を検出するのに適した条件か否かを判定する検出条件判定手段と、実燃料供給重量算出手段と、実比重算出手段と、標準比重算出手段と、比重算出手段と、セタン価算出手段と、エアフロメータと、燃料温度センサと、エンジン回転数センサと、空燃比センサとを含んで構成されている。
このセタン価検出装置においては、まず、コントロールユニットが、エアフロメータにより検出された吸入空気量と、予めROMに記憶された所定の吸入空気量のテーブルを参照して吸入空気量算出手段により吸入空気量を求める。次いで、予めROMに記憶されている各噴射量マップを参照して、燃料噴射量算出手段によりエンジン回転数Neと負荷Lとをパラメータとして設定される主燃料噴射量とパイロット燃料噴射量とからなる燃料噴射量を求める。
次いで、空燃比センサにより検出された空燃比と、予めROMに記憶された実空燃比のテーブルから実空燃比算出手段により実空燃比を求める。次いで、セタン価を検出するのに適した条件か否かを、検出条件判定手段により排気還流が停止しているか否かに基づいて判定する。次いで、求めた吸入空気量および実空燃比に基づいて実燃料供給重量算出手段により実燃料供給重量を求め、求めた実燃料供給重量と、求めた燃料噴射量とに基づいて実比重算出手段により燃料の実比重を求める。次いで、求めた実比重と燃料の温度とから標準比重算出手段により標準比重を求め、予めROMに記憶された標準比重マップを参照して比重算出手段により燃料の比重を求める。
最終的に、求めた燃料の比重と、セタン価の標準比重とのテーブルを参照して、セタン価算出手段により実際に使用する燃料のセタン価を求めるようにしている。
特開2005−48703号公報
しかしながら、従来のセタン価検出装置においては、最終的なセタン価を求めるまでに、吸入空気量、燃料噴射量、実空燃比、実燃料供給重量、燃料の実比重、標準比重、燃料の比重をそれぞれ順次算出するようにしているので、算出処理の効率が低下するとともに、それぞれの算出処理に誤差が入り込む余地があり、最終的に求められたセタン価の精度が低下し、耐失火性が低下してしまうおそれがあった。
本発明は、前述の従来の問題を解決するためになされたもので、ディーゼルエンジンの燃料のセタン価を、ディーゼルエンジンの運転中に効率よく高い精度で検出することができ、ディーゼルエンジンの耐失火性を向上させることができるセタン価検出装置を提供することを課題とする。
本発明に係るセタン価検出装置は、上記の課題を解決するため、(1)エンジンのインジェクタから燃焼室内に噴射される燃料の圧力を表す燃圧を設定する燃圧設定手段と、前記エンジンの回転数を検出するエンジン回転数検出手段と、前記エンジンの運転状態が減速運転状態であるか否かを判定する運転状態判定手段と、前記運転状態判定手段により前記エンジンの運転状態が減速運転状態であると判定されたとき、前記燃圧設定手段により設定された複数の異なった設定燃圧毎に、前記インジェクタから前記燃焼室内に燃料が噴射され、前記各噴射の直後に前記エンジン回転数検出手段により噴射直後エンジン回転数がそれぞれ検出され、前記複数の異なった前記設定燃圧と、前記噴射毎にそれぞれ検出された複数の前記噴射直後エンジン回転数との関係を表す燃圧・回転数特性を算出する特性算出手段と、予め設定された前記燃圧・回転数特性と前記燃料のセタン価との関係を表すセタン価マップを記憶するセタン価マップ記憶手段と、前記特性算出手段により算出された前記燃圧・回転数特性と、前記セタン価マップ記憶手段に記憶された前記セタン価マップとに基づいて、前記燃料のセタン価を算出するセタン価算出手段とを備えたものによって構成されている。
この構成により、本発明に係るセタン価検出装置は、エンジンの運転状態が減速運転状態であるときにセタン価が検出されるので、エンジンを停止する必要がなく迅速にセタン価を検出することができる。また、従来のエンジンに新たなセンサなどの検出手段を加えることなく、従来のエンジンの構成で燃料のセタン価が簡単に検出される。
また、設定燃圧での噴射に対するエンジンの噴射直後エンジン回転数の検出が、複数回繰り返されて実行され、検出された複数の噴射直後エンジン回転数に基づいて、設定燃圧と、噴射直後エンジン回転数とが算出されるので、単一回数の検出と比べセタン価が著しく高精度で検出される。
また、この検出されたセタン価が、高精度でエンジンの稼動中にリアルタイムで得られるので、このセタン価の情報に基づいて、運転状態に応じた適正な燃料噴射制御がなされる。
従来のセタン価検出装置において、生ずるおそれがあった燃料の自己着火遅れによる失火のおそれが解消される。すなわち、燃料の耐失火性が著しく向上し、ディーゼルノックのおそれも解消され、燃焼効率が向上し燃費が向上する。
本発明によれば、ディーゼルエンジンの燃料のセタン価を、ディーゼルエンジンの運転中に効率よく高い精度で検出することができ、ディーゼルエンジンの耐失火性を向上させることができるセタン価検出装置を提供することができる。
本発明の実施形態に係るセタン価検出装置が適用されるディーゼルエンジンの構成図である。 本発明の実施形態に係るセタン価検出装置が適用されるディーゼルエンジンのECUの構成図である。 本発明の実施形態に係るセタン価検出装置におけるエンジン回転数とレール圧との関係を表す一次近似直線の傾きを示すグラフである。 本発明の実施形態に係るセタン価検出装置が適用されるディーゼルエンジンの燃焼室圧の単位クランク角当たりの圧力の変化率とクランク角との関係を示すグラフである。 本発明の実施形態に係るセタン価検出装置が適用されるディーゼルエンジンにおけるエンジン回転数と経過時間との関係を示すグラフである。 本発明の実施形態に係るセタン価検出装置における一次近似直線の傾きとセタン価の相関関係を示すセタン価マップである。 本発明の実施形態に係るセタン価検出装置におけるセタン価の検出処理を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態に係るセタン価検出装置およびセタン価検出装置が適用されるディーゼルエンジンについて、図面を参照して説明する。
まず、構成について図1および図2を参照して説明する。
図1に示すように、本発明の実施形態に係るセタン価検出装置20は、車両に搭載されたディーゼルエンジン1に適用されており、ディーゼルエンジン1の説明を通じてセタン価検出装置20をも説明する。
このディーゼルエンジン1は、軽油を燃料とするもので、その種類に制限はなく、例えば、適宜選択された単気筒または複数気筒を有するディーゼルエンジンからなる。
具体的には、図1に示すように、ディーゼルエンジン1は、エンジン本体2と、エンジン本体2に燃料を供給する燃料供給装置3と、吸気管4と、吸気管4に設けられたエアクリーナ5と、インタークーラ6と、スロットルバルブ7と、排気管8と、エンジン本体2から排出される排気ガスの一部を吸気管4内に還流させるEGR(Exhaust Gas Recirculation)装置9と、排気管8に設けられ排気ガス中の粒子状物質(PM:Particulate Matter)を捕集するディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF:Diesel Particulate Filter)11と、ターボチャージャ12と、セタン価検出装置20と、このセタン価検出装置20の一部を含んで構成されるとともに、ディーゼルエンジン1を制御する電子制御ユニット(ECU:Eectronic Control Unit)30と、を含んで構成されている。
エンジン本体2は、燃焼室としてのシリンダ21と、吸気装置22と、排気装置23と、インジェクタ24と、コモンレール25と、排気装置23内に燃料を噴射する排気用インジェクタ26とを含んで構成されている。
シリンダ21は、4個のシリンダ21a、21b、21c、21dから構成されており、シリンダ21a〜21dには、それぞれ図示しない吸気ポートを介して吸気装置22が接続されるとともに、それぞれ図示しない排気ポートを介して排気装置23が接続されている。
吸気装置22は、吸気通路を有するとともに、一端部で4個に分岐された分岐部22a、22b、22c、22dを有している。また、吸気装置22は、他方端部で吸気管4に連結され、分岐部22a〜22dの各端部でエンジン本体2の各吸気ポートに連結されている。
吸気装置22においては、吸気管4から供給された空気が分岐部22a〜22dおよび各吸気ポートを介してシリンダ21a〜21d内に供給されるようになっている。
排気装置23は、一方端部で4個に分岐された分岐部23a、23b、23c、23dを有するとともに、分岐部23a〜23dの一端がエンジン本体2の各排気ポートに連結されている。また、排気装置23は、他方端部で分岐部23a〜23dが集合するとともにターボチャージャ12に連結される集合管23eを有している。集合管23eには、EGR装置9が接続されており、シリンダ21a〜21dから排出される排気ガスの一部がEGR装置9に流入するようになっている。
インジェクタ24は、4個のインジェクタ24a、24b、24c、24dから構成され、それぞれ燃料噴射ノズルを有してシリンダ21a〜21dに設けられており、燃料噴射ノズルからシリンダ21a〜21d内に燃料を噴射して霧状にするようになっている。この燃料噴射により、シリンダ21a〜21d内に吸入され圧縮されて高温となった空気と噴射された空気とが混合するとともに、自己着火して爆発膨張するようになっている。
この燃料の噴射は、例えば、パイロット噴射、プレ噴射、メイン噴射、ポスト噴射など、ディーゼルエンジン1の運転状態に応じて順次行われ、適宜選択されたこれらの複数の噴射が所定の割合、すなわち所定の噴射量で行われる。
コモンレール25は、燃料供給装置3から供給された高圧の燃料を蓄圧する図示しない蓄圧部を有し、インジェクタ24a〜24dに連結されており、蓄圧部を介してインジェクタ24a〜24dに高圧の燃料を配給するようになっている。
排気用インジェクタ26は、インジェクタ24と同様に燃料噴射ノズルを有し、集合管23e内に設けられており、集合管23eの排気通路内に燃料を噴射して排気ガスに燃料を添加するようになっている。
燃料供給装置3は、燃料タンク31と、燃料ポンプ32と、燃料タンク31と燃料ポンプ32とを連結する低圧燃料パイプ33と、低圧燃料パイプ33に設けられインジェクタ24の燃料噴射によって燃料経路に発生する圧力脈動を抑制するパルセーションダンパ34と、燃料ポンプ32とコモンレール25とを連結する高圧燃料パイプ35と、高圧燃料パイプ35に設けられ高圧燃料パイプ35からコモンレール25に向かう燃料の流れを許容し、コモンレール25から高圧燃料パイプ35に向かう燃料の流れを規制するチェックバルブ36と、コモンレール25に畜圧された高圧の燃料の一部を燃料タンク31に還流させるリターンパイプ37と、燃料タンク31と排気用インジェクタ26とを連結する排気インジェクタ用燃料パイプ38とを含んで構成されている。
吸気管4は、図示しない吸気口から吸入した新気を吸気装置22に導入する配管からなり、吸気通路を有しており、ターボチャージャ12に連結され吸気通路内の新気がターボチャージャ12を経由して吸気装置22に導入されるようになっている。また、吸気通路内の新気は、吸気管4に設けられたエアクリーナ5により浄化され、さらに吸気管4に設けられたインタークーラ6により冷却されて密度が高められるようになっている。
スロットルバルブ7は、例えば、バタフライバルブなどの絞り弁からなり、ECU30の指令によりインタークーラ6を通過した新気のエンジン内部への流入量を調整するよう構成されている。
排気管8は、排気装置23の集合管23eから排出される排気ガスを大気に放出させる配管からなり、排気通路が形成されており、一端が集合管23eに連結されている。この排気管8には、DPF11が設けられている。また、排気管8には、DPF11の下流側に図示しないマフラーなどの消音装置が設けられている。
EGR装置9は、EGR管41と、EGRバルブ42と、EGRクーラ43とを含んで構成されており、排気装置23の排気通路内の排気ガスを吸気装置22の吸気通路内に還流させるようになっている。
EGR管41は、EGR通路を有しており、EGR管41の吸気装置22側には、EGRバルブ42が設けられ、EGR管41の排気装置23側には、EGRクーラ43が設けられている。EGRバルブ42は、その開度がECU30により制御され、吸気通路内に還流される排気ガスの量が調整され、所定の外部EGR率が得られるようになっている。また、EGRクーラ43により、還流される排気ガスの温度が下げられ、その密度が高められるようになっている。
DPF11は、例えば、コージェライトなどのセラミックやアルミナなどの金属酸化物で形成された触媒担持体からなり、排気ガスを通過させるよう軸線方向に貫通する複数の空間が形成されたハニカムで構成されている公知のものである。このハニカム内を通過する排気ガス中のPMやアッシュなどの粒子状物質を捕集するとともに、このハニカムの内表面には、白金、パラジウム、ロジウムなどの排気ガス成分を浄化する活性金属からなる還元触媒が担持されており、ハニカム内を流通する排気ガスの化学反応が促進されるようになっている。
ターボチャージャ12は、排気タービン部12tと、コンプレッサ部12cと、排気タービン部12tとコンプレッサ部12cとを連結するシャフト12sと、排気タービン部12tおよびコンプレッサ部12cを支持しシャフト12sを回転可能に支持する図示しないベアリングハウジング部とを含んで構成されている。
このターボチャージャ12は、排気タービン部12tに排気管8が連結され、排気ガスが排気タービン部12tに流入するとともに、下流側に連結された排気管8に排出されるようになっている。また、コンプレッサ部12cには、吸気管4が連結され、エアクリーナ5を流通して浄化された吸入空気がコンプレッサ部12cに流入するとともに、コンプレッサ部12cの下流側に連結された吸気管4に過給された吸入空気が排出されるようになっている。
図2に示すように、セタン価検出装置20は、燃圧設定手段121と、エンジン回転数検出手段122と、運転状態判定手段123と、特性算出手段124と、セタン価マップ記憶手段125と、セタン価算出手段126と、燃料噴射制御手段127と、車速算出手段128とを含んで構成されている。これらの各手段は、ECU30の一部をも構成している。
燃圧設定手段121は、ディーゼルエンジン1のインジェクタ24aからシリンダ21a内に噴射される燃料のレール圧(MPa)を複数設定するよう構成されており、設定された複数の設定レール圧(MPa)毎に、燃料噴射制御手段127によりインジェクタ24aからシリンダ21a内に燃料が噴射されるようになっている。
この場合、燃料は、インジェクタ24a以外のインジェクタ24b、24c、24dから、同時にそれぞれシリンダ21b、21c、21dに噴射するようにしてもよいが、効率的に処理するためインジェクタ24a〜24d内の定められたいずれか1のインジェクタからシリンダ21a〜21d内の定められたいずれか1のシリンダに前述の設定燃圧で噴射されることが好ましい。また、複数の設定レール圧(MPa)での、燃料噴射制御手段127による燃料の噴射の間隔(msec)は、ディーゼルエンジン1の種類、構造、形状などのエンジンの諸元に基づいて適宜選択される。
ここでいうレール圧(MPa)とは、ディーゼルエンジン1のインジェクタ24aからシリンダ21a内に噴射される燃料の圧力(MPa)を表し、本発明の燃圧(MPa)を構成しており、設定レール圧(MPa)とは、本発明の燃圧設定手段により設定された設定燃圧(MPa)を意味している。
また、設定されたレール圧(MPa)は、適宜レール圧センサ57により検出され、燃圧設定手段121にフィードバックされて、適正な値が確保されるようになっている。
このレール圧センサ57は、例えば、コモンレール25に設けられた図示しない回路基板上に圧電素子からなるセンサ検出部を備えた半導体圧力センサからなり、コモンレール25内に蓄圧された燃料噴射圧力に相当するレール圧に応じて検出された電圧信号を出力するようになっている。
エンジン回転数検出手段122は、クランクポジションセンサ53を含んで構成されており、クランクポジションセンサ53により検出され出力された信号に基づいてディーゼルエンジン1の回転数を検出するようになっている。
このクランクポジションセンサ53は、例えば、図示しない電磁ピックアップセンサと、クランクシャフトに固定されたタイミングロータとを含んで構成されており、エンジン本体2の図示しないエンジンブロックに固定されている。このクランクポジションセンサ53は、クランク位置、クランク角速度などのクランク回転信号を検出し、検出された信号は、ECU30の入力ポート134に入力されるようになっている。
運転状態判定手段123は、燃料噴射制御手段127により得られる燃料噴射情報、車速算出手段128により得られる車速情報などの減速運転状態に関する情報に基づいて、ディーゼルエンジン1の運転状態が減速運転状態であるか否かを判定するよう構成されている。
具体的には、減速運転状態であるか否かの判定基準として、車速算出手段128によって算出された車速(km/h)が基準車速(km/h)以下になったこと、燃料噴射制御手段127により得られる燃料噴射量が基準量以下になったこと、アクセル開度センサ54から得られたアクセル開度(%)が基準開度以下になったことが挙げられる。運転状態判定手段123は、このような判定基準によりディーゼルエンジン1が減速運転状態であると判定することができる。アクセル開度センサ54は、例えば、図示しないアクセルペダルに設けられ、ホール素子からなり、アクセルぺダルの踏み込み量に応じて直線的に変化する磁界の強さを電気信号として出力するようになっている。
また、減速運転状態に関する情報としては、エンジン回転数検出手段122により得られるエンジン回転数(rpm)、エアフロメータ51により得られた吸入空気量(g/rev)などの情報が挙げられる。なお、gは、質量を表し、revは、クランク角360度、すなわちクランクシャフトの1回転を表している。
また、減速運転状態に関する情報としては、図示しない圧力センサから得られる吸入空気圧(kPa)やオイル圧力(kPa)、スロットル開度センサ55から得られるスロットル開度(deg)、図示しない水温センサから得られる冷却水温(℃)、図示しない油温センサから得られる潤滑油温(℃)などの情報が挙げられる。運転状態判定手段123は、これらの減速運転状態に関する情報に基づいて、減速運転状態であるか否かを判定するようにしてもよい。
エアフロメータ51は、例えば、ホットワイヤ式エアフロメータからなり、吸気温度計測用の抵抗と、加熱抵抗とによりブリッジ回路が構成されており、吸入空気量が変化したときにはブリッジ回路により、吸気温度計測用の抵抗と、加熱抵抗との温度差を常に一定に保つよう加熱抵抗への供給電力をフィードバック制御するよう構成されている。この供給電力が電圧に変換されて出力されるようになっており、出力信号により、ECU30が、予め設定されたエアフロメータの電圧と吸入空気の流量との関係から吸入空気量を算出するよう構成されている。
スロットル開度センサ55は、例えば、図示しないスロットルバルブに設けられ、ホール素子からなり、スロットルバルブ7の開度に応じて変化する磁界の強さを電気信号として出力するようになっている。
特性算出手段124は、ディーゼルエンジン1の燃圧・回転数特性を算出するよう構成されており、この燃圧・回転数特性は、複数の異なった設定レール圧(MPa)と、燃料の噴射毎にそれぞれ検出された複数の噴射直後エンジン回転数(rpm)との関係を表している。
具体的には、特性算出手段124は、運転状態判定手段123によりディーゼルエンジン1の運転状態が減速運転状態であると判定されたときに燃圧・回転数特性の算出を実行するようになっている。
このとき、燃圧設定手段121により複数の異なった設定レール圧(MPa)、例えば、P1(MPa)、P2(MPa)およびP3(MPa)が設定され、設定された設定レール圧(MPa)毎に、インジェクタ24aから燃焼室としてのシリンダ21a内に燃料が噴射される。
この噴射は、ディーゼルエンジン1の減速無噴射時の一定量噴射で行われ、前述のパイロット噴射、プレ噴射、メイン噴射、ポスト噴射などのいずれかの噴射タイミングで実行される。この場合、減速無噴射時の一定量噴射は、例えば、メイン噴射のタイミングで実行される。この一定量(mm/sec)は、ディーゼルエンジン1の種類、構造、形状などのエンジンの諸元に基づいて適宜選択されるが、例えば、1(mm/sec)〜5(mm/sec)程度のものである。
そして、設定レール圧P1で燃料が噴射された直後にエンジン回転数検出手段122により噴射直後エンジン回転数(rpm)Ne1が検出され、設定レール圧P2で燃料が噴射された直後にエンジン回転数検出手段122により噴射直後エンジン回転数(rpm)Ne2が検出され、設定レール圧P3で燃料が噴射された直後にエンジン回転数検出手段122により噴射直後エンジン回転数(rpm)Ne3が検出される。
燃圧・回転数特性は、図3に示すように、設定レール圧Pと噴射直後エンジン回転数Neとにより求まる一次近似直線の傾き(dNe/dP)で表される。
具体的には、セタン価が低い燃料の場合、設定レール圧P1と噴射直後エンジン回転数Ne1とにより点SL1が表され、設定レール圧P2と噴射直後エンジン回転数Ne2とにより点SL2が表され、設定レール圧P3と噴射直後エンジン回転数Ne3とにより点SL3が表される。そして、点SL1、SL2、SL3の近傍を通る線Slowと、基準線KLとのなす角θLが得られ、線Slowとなす角θLとにより、低セタン価の一次近似直線の傾き(dNe/dP)が得られる。
セタン価が高い燃料の場合も、セタン価が低い燃料の場合と同様、設定レール圧P1と噴射直後エンジン回転数Ne1とにより点SH1が表され、設定レール圧P2と噴射直後エンジン回転数Ne2とにより点SH2が表され、設定レール圧P3と噴射直後エンジン回転数Ne3とにより点SH3が表される。そして、点SH1、SH2、SH3の近傍を通る線Shighと、基準線KLとのなす角θHが得られ、線Shighとなす角θHとにより、高セタン価の一次近似直線の傾き(dNe/dP)が得られる。
このように、セタン価が高い燃料の場合とセタン価が低い燃料の場合における、一次近似直線の傾き(dNe/dP)の違いができる作用について説明する。
図4には、横軸にクランク角θ(deg)が表され、縦軸に燃焼室としてのシリンダ21a内の圧力(MPa)の単位クランク角θ(deg)当たりの変化率(dP/dθ)が表されている。また、ディーゼルエンジン1を燃料の無噴射で稼動したモータリング時の曲線が実線で表され、セタン価が高い燃料を噴射してディーゼルエンジン1を稼動した時の曲線が二点鎖線で表され、セタン価が低い燃料を噴射してディーゼルエンジン1を稼動した時の曲線が破線で表されている。
この場合、A部分、すなわちディーゼルエンジン1の図示しないピストンがシリンダ21a内の下死点側にある燃焼後半において、破線で示される低セタン価の燃料の場合、二点鎖線で示される高セタン価の燃料の場合よりも、シリンダ21a内の圧力の変化率(dP/dθ)が低下している。変化率が低下していると、ディーゼルエンジン1から出力されるトルク(N・m)が低下することになる。
シリンダ21a内の圧力の変化率(dP/dθ)は、シリンダ21a内に露出する燃焼室内圧力センサ56により検出される燃焼室圧P(MPa)と、クランクポジションセンサ53により検出されるクランク角θ(deg)とに基づいて算出することができる。このことにより、クランク角θ(deg)というディーゼルエンジン1の回転情報により、高セタン価の燃料と低セタン価の燃料との差異を検出することができる。
図2に戻り、燃焼室内圧力センサ56は、例えば、回路基板上に圧電素子からなるセンサ検出部を備えた半導体圧力センサからなり、図示しないシリンダブロックに設けられ、シリンダ21aの燃焼室圧P(MPa)に応じて検出された電圧信号を出力するようになっている。
また、図5に示すように、一定量の燃料の噴射とエンジン回転数(rpm)と経過時間(msec)との関係に基づいて、高セタン価の燃料と低セタン価の燃料との差異を検出することができ、この関係から、図3に示す前述の燃圧・回転数特性が得られる。
図5には、横軸にディーゼルエンジン1のシリンダ21a内に一定量の燃料が噴射された後の経過時間(msec)が表され、縦軸にエンジン回転数検出手段122により検出されたディーゼルエンジン1のエンジン回転数Ne(rpm)が表されている。
このシリンダ21a内に一定量の燃料が噴射されると、高セタン価の燃料の場合、自己着火性が良好であり、燃焼伝播が早くなって、破線の曲線で表されるように、一旦エンジン回転数Neは大きく上昇し緩やかに下降していくことが分かる。他方、低セタン価の燃料の場合、自己着火性が良好とはいえず、燃焼伝播が遅くなって、実線の曲線で表されるように、エンジン回転数Neの上昇は小さく、その後高セタン価の燃料の場合と同様に緩やかに下降していくことが分かる。
このような関係から、ディーゼルエンジン1の稼動中に一定量の燃料をシリンダ21a内に噴射すると、高セタン価の燃料の場合と低セタン価の燃料の場合とで、エンジン回転数の変化の状態が異なることが分かる。
この関係から、図3に示す前述の燃圧・回転数特性が得られる。特性算出手段124における前述の設定レール圧P1〜P3と噴射直後エンジン回転数Ne1〜Ne3の場合、噴射直後エンジン回転数は、燃料噴射制御手段127により燃料が噴射され、エンジン回転数がピーク値に到達した以降のエンジン回転数であることが好ましい。エンジン回転数がピーク値に到達する前の段階では、エンジン回転数が上昇途中にあり、検出精度が低下するおそれがある。また、エンジン回転数がピーク値に到達した以降、できる限り早い時期に検出されたものであることが好ましい。遅い時期であると、エンジン回転数に影響する他の要素が入り込むおそれがある。
なお、この設定レール圧(MPa)の個数は、例えば、P1〜P3の3個からP1〜P10の10個までの範囲で選択されることが好ましい。設定レール圧(MPa)が、3個未満であると、得られた数値の精度が低下するおそれがあり、10個を超えると、セタン価算出処理の効率が低下するおそれがある。
セタン価マップ記憶手段125は、磁気的または光学的に記憶を行う媒体からなり、例えば、ROM(Read Only Memory)、一時的にデータを記憶するRAM(Random Access Memory)、電気的に書換え可能な不揮発性のメモリからなるEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)を含んで構成されている。
このセタン価マップ記憶手段125には、予め設定されたセタン価マップが記憶され、適宜読み出されて使用されるようになっている。
このセタン価マップは、予め実験値や経験値、粘度などの軽油の物理量やディーゼルエンジン1の種類、構造、形状やエンジン諸元に基づいて適宜選択され設定されたもので、特性算出手段124により算出された燃圧・回転数特性と燃料のセタン価との関係を表している。
このセタン価マップは、具体的には、図6に示すように、横軸に表され、特性算出手段124により算出された設定レール圧(MPa)とエンジン回転数検出手段122により検出された噴射直後エンジン回転数(rpm)との関係を示す一次近似直線の傾き(dNe/dP)と、縦軸に表され、ディーゼルエンジン1に使用されている燃料のセタン価との関係を表す曲線で示されている。
セタン価算出手段126は、セタン価マップ記憶手段125に記憶されているセタン価マップを使用し、特性算出手段124により算出された一次近似直線の傾き(dNe/dP)に基づいて燃料のセタン価を算出するよう構成されている。例えば、特性算出手段124により算出された一次近似直線の傾きがaであったとき、燃料のセタン価はbとされるので、一次近似直線の傾き(dNe/dP)が算出されれば、セタン価マップにより燃料のセタン価が算出される。
燃料噴射制御手段127は、燃料の噴射タイミング、燃料の噴射量、吸入空気量および空燃比などの燃料噴射条件に基づいてインジェクタ24a〜24dから燃料を噴射させるよう構成されている。また、ディーゼルエンジン1の運転状態に応じてフューエルカットなどの燃料噴射制御が行われるよう構成されている。
燃料の噴射は、例えば、パイロット噴射、プレ噴射、メイン噴射、ポスト噴射など、ディーゼルエンジン1の運転状態に応じて、これらの複数回の噴射が適宜選択された割合で行われる。複数回の噴射が、運転状態に応じて行われるので、効率よくシリンダ21a〜21d内で噴射された燃料が自己着火するようになっている。また、これらの複数の噴射の他に、セタン価を検出するために設定された設定燃圧(MPa)で、適宜選択された所定のタイミング、例えば、メイン噴射のタイミングで燃料が噴射されるようになっている。
車速算出手段128は、車輪速センサ52を含んで構成されており、車輪速センサ52から出力された信号に基づいて、車両の速度(km/h)を算出するよう構成されている。
車輪速センサ52は、例えば、前輪および後輪の各車輪の円周方向に配置された複数極のN/S極を有する磁気ロータと、磁気ロータの回転数を検出する半導体センサからなっており、各磁気ロータが各車輪の回転に伴って回転すると、各磁気ロータに磁界の変化が発生し、この磁界の変化を各半導体センサが検出して各半導体センサがパルス信号を出力するようにしている。
ECU30は、前述のようにセタン価検出装置20の一部を構成し、セタン価を検出するとともに、ディーゼルエンジン1の運転状態を制御するよう構成されている。
ECU30は、具体的には、CPU(Central Processing Unit)、燃圧設定手段121、エンジン回転数検出手段122、運転状態判定手段123、特性算出手段124、セタン価マップ記憶手段125、セタン価算出手段126、燃料噴射制御手段127、車速算出手段128、エンジン始動判定手段131およびセタン価検出要否判定手段132の各手段の動作を実行させるプログラムが記憶されたROM、一時的にデータを記憶するRAM、電気的に書換え可能な不揮発性のメモリからなるEEPROM、A/D変換器やバッファなどの入力ポート134および出力ポート133を含んで構成されている。
エンジン始動判定手段131は、ディーゼルエンジン1が始動されたか否かを判定するよう構成されており、例えば、ディーゼルエンジン1のスタータモータを作動するスタータスイッチがオンとなったことを検知、またはスタータスイッチがオンからオフに切り替わってから所定時間未満であることを検知した場合には、ディーゼルエンジン1が始動されたものと判定するようになっている。
エンジン始動判定手段131が、いずれも検知しない場合には、エンジン始動判定手段131は、所定の時間間隔で、ディーゼルエンジン1が始動されたものと判定されるまでスタータスイッチのオンまたはオフを監視するよう構成されている。なお、所定の時間間隔は、ディーゼルエンジン1の特性や車種などに基づいて適宜選択され、例えば、予め設定された一定の時間間隔でもよく、運転開始から運転終了までの間で、任意に選択された時間間隔でもよい。
セタン価検出要否判定手段132は、所定の基準に基づいて、セタン価を検出する必要があるか否かを判定するよう構成されている。このセタン価検出要否判定手段132により検出する必要が無いと判定された場合には、セタン価の検出処理は終了するので、重複したセタン価の検出が回避されて、セタン価検出の効率化が図られる。
所定の基準としては、例えば、ディーゼルエンジン1が始動されて停止されるまでの間、すなわち1トリップ内にセタン価の検出が実行されたか否かの基準のほか、燃料タンク31内に新たに給油がなされた後、既にセタン価の検出が実行されたか否かの基準、燃料タンク31の燃料の残量を所定間隔で監視し、燃料タンク31内の燃料が所定量増加したか否かの基準が挙げられる。
入力ポート134には、図2に示すように、エアフロメータ51、車輪速センサ52、クランクポジションセンサ53、アクセル開度センサ54、スロットル開度センサ55 、燃焼室内圧力センサ56、レール圧センサ57などのセンサ群が接続されており、各センサから出力された信号が入力されるようになっている。なお、これらの各センサは、ECU30の一部を構成している。
次に、実施形態に係るセタン価検出装置20におけるセタン価の算出処理についてフローチャートを参照して説明する。
図7に示すフローチャートは、ECU30のROMに格納されたセタン価の算出処理プログラムの実行内容を示すもので、このセタン価の算出処理プログラムは、制御内容を実行する単一または複数のプログラムを含んで構成されている。セタン価の算出処理プログラムは、ECU30のCPUによって実行される。
図7に示すように、セタン価の算出処理のプログラムが実行されると、ECU30は、エンジン始動判定手段により、ディーゼルエンジン1が始動されたか否かを判定する(ステップS1)。
具体的には、ECU30は、エンジン始動判定手段131により、ディーゼルエンジン1のスタータモータを作動するスタータスイッチがオンとなったか否かの監視を開始する。エンジン始動判定手段131により、スタータスイッチがオンとなったことが検知されたとき、ディーゼルエンジン1が始動されたものと判定し、スタータスイッチがオンとなったことが検知されないときには、ECU30は、所定の時間間隔で、ディーゼルエンジン1が始動されたものと判定するまでスタータスイッチのオンまたはオフの監視を続行する。
次いで、ECU30は、セタン価検出要否判定手段132により、セタン価の検出が必要か否かを判定する(ステップS2)。例えば、ディーゼルエンジン1が始動されて停止されるまでの間、すなわち1トリップ内にセタン価の検出が実行されたか否かの基準により判定する。
ステップS2でセタン価の検出が必要と判定された場合、ECU30は、運転状態判定手段123により、ディーゼルエンジン1が減速運転状態にあるか否かを判定する(ステップS3)。例えば、車速算出手段128によって算出された車速(km/h)が基準車速(km/h)以下になったこと、燃料噴射制御手段127により得られる燃料噴射量が基準量以下になったこと、アクセル開度センサ54から得られたアクセル開度(deg)が基準開度以下になったことの各条件が満足すれば、ディーゼルエンジン1が減速運転状態であると判定される。ディーゼルエンジン1が減速運転状態であると判定されない場合には、所定の間隔でディーゼルエンジン1が減速運転状態であると判定されるまで、繰り返し判定が実行される。
ステップS3でディーゼルエンジン1が減速運転状態であると判定された場合、ECU30は、燃圧設定手段121により、設定レール圧(MPa)P1、P2、P3を設定する(ステップS4)。
次いで、ECU30は、燃料噴射制御手段127により、インジェクタ24aからシリンダ21a内に、定められた一定量の燃料を設定レール圧P1で、噴射させる(ステップS5)。
次いで、ECU30は、特性算出手段124により、設定レール圧P1でインジェクタ24aから燃料が噴射された直後に、エンジン回転数検出手段122により、噴射直後エンジン回転数Ne1(rpm)を検出しECU30のRAMに記憶する(ステップS6)。
次いで、ECU30は、燃料噴射制御手段127により、設定レール圧P1でインジェクタ24aから燃料が噴射された後、所定の間隔(msec)をおいて、インジェクタ24aからシリンダ21a内に、定められた一定量の燃料を設定レール圧P2で、噴射させる(ステップS7)。
次いで、ECU30は、特性算出手段124により、設定レール圧P2でインジェクタ24aから燃料が噴射された直後に、エンジン回転数検出手段122により、噴射直後エンジン回転数Ne2(rpm)を検出しECU30のRAMに記憶する(ステップS8)。
次いで、ECU30は、燃料噴射制御手段127により、設定レール圧P2でインジェクタ24aから燃料が噴射された後、所定の間隔(msec)をおいて、インジェクタ24aからシリンダ21a内に、定められた一定量の燃料を設定レール圧P3で、噴射させる(ステップS9)。
次いで、ECU30は、特性算出手段124により、設定レール圧P3でインジェクタ24aから燃料が噴射された直後に、エンジン回転数検出手段122により、噴射直後エンジン回転数Ne3(rpm)を検出しECU30のRAMに記憶する(ステップS10)。
次いで、ECU30は、特性算出手段124により、記憶された噴射直後エンジン回転数Ne1、Ne2、Ne3(rpm)に基づいて、図3に示す一次近似直線の傾き(dNe/dP)を算出する(ステップS11)。
次いで、ECU30は、セタン価算出手段126により、セタン価マップ記憶手段125に記憶されているセタン価マップおよび、特性算出手段124により算出された一次近似直線の傾き(dNe/dP)に基づいて燃料のセタン価を算出する(ステップS12)。
次いで、ECU30は、セタン価算出手段126により、算出されたセタン価をECU30のEEPROMに記憶し(ステップS13)、セタン価算出処理を終了させる。
このように本実施形態に係るセタン価検出装置20は、前述のように構成されているので、以下のような効果が得られる。
すなわち、セタン価検出装置20は、燃圧設定手段121と、エンジン回転数検出手段122と、運転状態判定手段123と、ディーゼルエンジン1が減速運転状態であると判定されたとき、燃圧設定手段121により設定された設定レール圧P1、P2、P3毎に、インジェクタ24aからシリンダ21a内に燃料が噴射され、各噴射の直後にエンジン回転数検出手段122により噴射直後エンジン回転数Ne1、Ne2、Ne3がそれぞれ検出され、設定レール圧と、噴射直後エンジン回転数との関係を表す燃圧・回転数特性を算出する特性算出手段124と、セタン価マップ記憶手段125と、セタン価算出手段126とを備えている。
その結果、ディーゼルエンジン1の燃料である軽油のセタン価が、ディーゼルエンジン1の運転状態が減速運転状態であるときに検出されるので、エンジンを停止する必要がなく迅速にセタン価を検出することができるという効果が得られる。また、従来のエンジンに新たなセンサなどの検出手段を加える必要がないので、従来のエンジンの構成で燃料のセタン価が簡単に検出される。
また、設定レール圧での噴射に対するディーゼルエンジン1の噴射直後エンジン回転数の検出が、3回繰り返されて実行され、検出された3個の噴射直後エンジン回転数を使用して、設定レール圧と、噴射直後エンジン回転数との一次近似直線の傾きが算出されるので、単一回数の検出と比べ、セタン価が著しく高精度で検出されるという効果が得られる。
また、ECU30が、セタン価の算出処理の初期の段階で、セタン価を算出する必要性を判定し、セタン価を算出する必要が無いとされた場合には、セタン価の算出処理を終了させているので、セタン価の算出処理の効率化が促進されるという効果がある。
また、この検出したセタン価が、高精度で、ディーゼルエンジン1の稼動中にリアルタイムで得られるので、このセタン価の情報に基づいて、燃料噴射制御手段127により、運転状態に応じた適正な燃料噴射制御が行われるという効果が得られる。その結果、従来のセタン価検出装置において、生ずるおそれがあった燃料の自己着火遅れによる失火のおそれが解消されるという効果が得られる。すなわち、燃料の耐失火性が著しく向上し、ディーゼルノックのおそれも解消されるという効果が得られ、燃焼効率が向上し燃費が向上するという効果もある。
以上のように、本発明によれば、ディーゼルエンジンの燃料のセタン価を、ディーゼルエンジンの運転中に効率よく高い精度で検出することができ、ディーゼルエンジンの耐失火性を向上させることができるセタン価検出装置を提供することができるという効果を奏し、軽油のセタン価検出装置全般に有用である。
1 ディーゼルエンジン
3 燃料供給装置
7 スロットルバルブ
20 セタン価検出装置
21 シリンダ
24 インジェクタ
25 コモンレール
30 電子制御ユニット(ECU)
31 燃料タンク
51 エアフロメータ
52 車輪速センサ
53 クランクポジションセンサ
54 アクセル開度センサ
55 スロットル開度センサ
56 燃焼室内圧力センサ
57 レール圧センサ
121 燃圧設定手段(ECU)
122 エンジン回転数検出手段(ECU)
123 運転状態判定手段(ECU)
124 特性算出手段(ECU)
125 セタン価マップ記憶手段(ECU)
126 セタン価算出手段(ECU)
127 燃料噴射制御手段(ECU)
128 車速算出手段(ECU)

Claims (1)

  1. エンジンのインジェクタから燃焼室内に噴射される燃料の圧力を表す燃圧を設定する燃圧設定手段と、
    前記エンジンの回転数を検出するエンジン回転数検出手段と、
    前記エンジンの運転状態が減速運転状態であるか否かを判定する運転状態判定手段と、
    前記運転状態判定手段により前記エンジンの運転状態が減速運転状態であると判定されたとき、前記燃圧設定手段により設定された複数の異なった設定燃圧毎に、前記インジェクタから前記燃焼室内に燃料が噴射され、前記各噴射の直後に前記エンジン回転数検出手段により噴射直後エンジン回転数がそれぞれ検出され、前記複数の異なった前記設定燃圧と、前記噴射毎にそれぞれ検出された複数の前記噴射直後エンジン回転数との関係を表す燃圧・回転数特性を算出する特性算出手段と、
    予め設定された前記燃圧・回転数特性と前記燃料のセタン価との関係を表すセタン価マップを記憶するセタン価マップ記憶手段と、
    前記特性算出手段により算出された前記燃圧・回転数特性と、前記セタン価マップ記憶手段に記憶された前記セタン価マップとに基づいて、前記燃料のセタン価を算出するセタン価算出手段と、
    を備えたことを特徴とするセタン価検出装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013217263A (ja) * 2012-04-06 2013-10-24 Toyota Motor Corp 内燃機関の制御装置

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