JP2010209719A - 燃料噴射装置 - Google Patents

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義人 安川
Motoyuki Abe
元幸 安部
Hideji Ebara
秀治 江原
Toru Ishikawa
亨 石川
Takehiko Kowatari
武彦 小渡
Masaki Hiyama
雅樹 樋山
Masanori Mifuji
政徳 三冨士
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Abstract

【課題】ストローク可変機構における、ストロークの精密制御を可能にする。
【解決手段】本体となるノズル2と、上下動するプランジャロッド1と、弁体と接し燃料をシールするシート部3とを備え、複数のリフト量を有する燃料噴射弁において、ストローク調整の最後に非駆動時のプランジャロッド1のリフト方向位置によって小さい側のストローク隙間13を調整する構造とすることで、精度良く規定することが要求される小ストロークを加工精度に大きく依存することなく決定することが可能となることを特徴とする燃料噴射弁。
【選択図】 図1

Description

本発明は、内燃機関に燃料を供給するための燃料噴射弁、特に低燃費化と高出力化の両立を実現する燃料噴射弁に関する。
近年、自動車の燃費規制が強化されてきており、自動車用内燃機関には低燃費化が求められている。一方で内燃機関には高出力化も求められている。低燃費化と高出力化を同時に達成するためには、エンジンの広い運転領域に適合する噴霧を形成する必要がある。また、噴霧形状と同時に、噴射量制御範囲の拡大が必要となる。そのためには、噴射量と直結している燃料噴射部の流路断面積を決めている弁体のリフト量(ストローク)を変えられることが望ましい。
これを実現するための燃料噴射弁として、特許文献1が開示されている。特許文献1によると、内開き式噴射弁において、大・小の弁体ストローク時に別々に弁体を稼働させることでストロークの長さを切替えるという技術が開示されている。
特開2004−225659号公報
しかしながら、公知例には噴射弁の実装上の課題,実用上の課題について開示が無い。燃料噴射弁は多くの部品から構成されており、単体部品の精度で組上げたとしても製品が成立することはない。そして、実装上はミクロンオーダーの精度でストローク量を調整できる必要がある。なおかつ、実用上は大・小のそれぞれのストロークに対して調整手段が必要である。特に小ストロークは精度が必要となる。
本発明の目的は、低燃費化と高出力化の両立といったエンジンの広い運転状態に必要とされる燃料噴射量の制御範囲を広げるために、弁体のストローク量を高精度に規定することができる燃料噴射弁を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は次のような構成を採用する。
上下に動作可能な弁体を備え、弁体と当接して燃料をシールするシート部を有し、前記弁体の動作によって前記シート部と前記弁体が離座する距離を複数有する燃料噴射弁において、非動作時の弁体のリフト方向位置によって最も小さい側のストローク量を調整することを特徴とした。また、前記燃料噴射弁において、弁体が燃料噴射弁の外側に開くこととする。また、前記燃料噴射弁において、弁体の本数はシート部と弁体が離座する距離の数よりも多いこととする。また、前記燃料噴射弁において、シート部と弁体が離座する距離が2種類であることとする。また、前記燃料噴射弁において、シート部と弁体が離座する距離を調節する機構を有する位置が、距離を発生させる2つの可動子と非可動子の上下に有ることとする。また、前記燃料噴射弁において、弁体が燃料噴射弁の内側に開くことを特徴とするように構成する。
本発明によれば、高精度な弁体のストローク調整が可能になり、燃料噴射量の制御範囲が広くなることにより、エンジンの広い運転領域で最適な燃料噴射を実現することができる。
本発明の実施形態に係る燃料噴射弁の断面図である。 本実施形態に関する稼働部の拡大断面図である。 本実施形態に関する弁体のリフト量調整方法の説明図である。 本実施形態に関する弁体のリフト量調整方法の説明図である。 本実施形態に関する弁体のリフト量調整方法の説明図である。 本実施形態に関する弁体のリフト量調整方法の説明図である。 本実施形態に関する燃料噴射弁の断面図である。
以下、本発明に係る実施例を説明する。
本発明の第1の実施形態に係る燃料噴射弁について、図1〜図6を参照しながら以下に説明する。図1は本発明の実施形態に係る燃料噴射弁の構造を示す断面図である。図2は本発明の実施形態に係る駆動箇所の拡大断面図である。図3乃至図6は本実施形態による燃料噴射弁リフト量の調整方法である。
はじめに、本実施例における燃料噴射弁の先端の燃料噴射部ノズルユニット7について記す。本実施例における燃料噴射弁はプランジャロッド1が燃料噴射弁下方(フィルタ52側を上方、シート部3側を下方とする)に開く外開き式燃料噴射弁である。上記燃料噴射弁は、上下に稼働するプランジャロッド1,プランジャロッド1を内包するノズル2を有しており、プランジャロッド1とノズル2の接触するシート部3によってプランジャロッド閉弁時は燃料を封止している。また、プランジャロッドにはノズル部との真円度を高めるために燃料通路部を面取り等で構成しているプランジャロッドガイド1a,1bを有している。プランジャロッド1は、プランジャスプリング押さえ6と嵌め合わされ、プランジャスプリング受け2aとの間にあるプランジャスプリング5により燃料噴射弁上方に押し付けられている。なお、プランジャスプリング押さえ6もプランジャ押さえ燃料通路6aを有している。また、燃料噴射弁リフト量調整機構で詳細に説明するが、ロアスペーサ4によりプランジャロッド1の押し込み量を調整している。
次にリフト機構について、小リフト,大リフトの順で説明する。
小ストローク時は、ケーシング10に内包されている、アッパアンカ11とアッパコア12の間に構成される小ストローク用隙間13が互いの吸引面になる。ダブルコイルボビン14内に構成されている小ストローク用コイル14aに図示しない電源装置からコネクタ14cを通り電流が印加されると、アッパアンカ11,アッパコア12,アッパヨーク16,ミドルヨーク15,ケーシング10によって磁気回路が構成される。それにより、アッパアンカ11がアッパコア12に吸引され、アッパスペーサ18と共にアッパプッシュロッド17は下方向に押される。これと同時にロアプッシュロッド37とプランジャロッド1が押され、小ストローク分開弁する。
大ストローク時は、ケーシング10に内包されている、ロアアンカ31とロアコア32の間に構成される大ストローク隙間33が互いの吸引面になる。ダブルコイルボビン14内に構成されている大ストローク用コイル14bに図示しない電源装置からコネクタ14cを通り電流が印加されると、ロアアンカ31,ロアコア32,ミドルヨーク15,ロアヨーク36,ケーシング10によって磁気回路が構成される。それにより、ロアアンカ31がロアコア32に吸引され、ロアアンカ31に接合されているロアプッシュロッド37は下方向に押される。この時、ロアプッシュロッド37は、アッパプッシュロッド17と独立に稼働する。それによりプランジャロッド1が押され、大ストローク分開弁する。
ケーシング10上方にはジョイント51が圧入,溶接等により組付けられている。ジョイント51内には燃料中の異物を除去するフィルタ52,アッパプッシュロッド17を押付け、位置を規定するためのセットスプリング53,セットスプリング押さえ54,セットスプリング受け55が内包されている。セットスプリング押さえ54は主に圧入でジョイント51に固定される。また、アッパアンカ11の位置を規定するためにスプリング19も有している。
なお、燃料の流れは以下のようになる。図示しない燃料配管から流れてきた燃料は、異物を除去され、フィルタ52を通過し、ジョイント内燃料通路51aを流れる。ジョイント内径部とセットスプリング受け55間には面取り等により流路が設けられており、更に下流へ流れる。アッパアンカ11には、周方向に縦貫通孔11aが設けられておりアッパコア12内周に流れ込む。アッパプッシュロッドガイド17aには面取り等により流路が設けられており、アッパコア12とアッパプッシュロッドガイド17aの間を通り更に下流へ流れる。アッパアンカ11とアッパコア12の場合と同様にロアアンカ31とロアコア32の間も燃料が流れ、燃料溜り32aに到達し、プランジャ押さえ燃料通路6aを通り、ノズル2とプランジャロッド1の間を抜けシート部3へ到る。
また、本実施例における燃料噴射弁には以下のような特徴がある。上記特徴について、図2を用いて説明する。
燃料噴射弁において、弁体,可動子,コアは磁気回路を形成するだけではなく、燃料を燃料噴射弁先端へ運ぶための燃料通路の機能及び偏芯を避けるための弁体のガイド機能を有する必要がある。特に、本実施例においては、弁体が下流側に開く外開き式であるために、弁体が可動子とコアの間の吸引面を貫通することと、吸引面を貫通する弁体を吸引面上方でガイドする必要がある。吸引面の下方には弁体のガイド機能と燃料通路の機能を満たす空間を有する必要がある。
よって、本実施例における燃料噴射弁では、大ストロークを発生させるロアアンカ31,ロアコア32部を例に取る。この場合の吸引面は、ロアアンカ31とロアコア32の間大ストローク隙間33である。上記吸引面の上方にケーシング10とのガイドとなるロアアンカガイド31a及びロアアンカ縦貫通孔31bを有している。また、上記吸引面の下方にはロアコア燃料空間39を有し、その下流にロアプッシュロッドガイド37aを有している。なお、ロアプッシュロッドガイド37aの上端面はダブルコイルボビン下端面14dよりも下方にある。これは、ロアアンカ31,ロアコア32,ケーシング10,ミドルヨーク15,ロアヨーク36から構成される磁気回路において、ロアプッシュロッド37に逃げる磁束を低減するためである。
上記構成とすることで、吸引面を貫通する弁体を有し、吸引面の上流と下流に弁体ガイドを有する。更に、吸引面の下流にはガイド部よりも上流に燃料通路となる空間を有することにより、外開き方式の燃料噴射弁における弁体の偏芯を低減し、磁気吸引力の低減を招くことなく、高精度に燃料噴射弁を稼働させることができる。
次に、図3乃至図6を用いて、本実施例の燃料噴射弁において、高精度にリフト量を調節する方法について説明する。初期状態から手順2により、大小のストロークの差分を決定し、最後の手順3において小ストロークを規定すると同時に大ストロークを決定することが特徴である。
[初期状態(組立準備)−図3]
ケーシング10にロアアンカ31と接合されたロアプッシュロッド37を挿入し、アッパコア12,ロアコア32を溶接等により固定する。その外周にダブルコイルボビン14,小ストローク用コイル14a,大ストローク用コイル14b,アッパヨーク16,ミドルヨーク15及びロアヨーク36を固定する。この状態において、ロアアンカ31とロアコア32の間には適当な隙間33aが発生している。なお各ヨークは本説明図には図示しない。そして、アッパアンカ11とアッパプッシュロッド17の間に適当な寸法と考えられる仮アッパスペーサ18aを挟み、一体にして挿入する。この際、仮アッパスペーサ18aには予め大きな大小ストロークの差分が得られるものを選定すると良い。
[手順1(大小ストローク差分の生成)−図4]
初期状態から小ストローク用コイル14aに通電し、アッパアンカ11とアッパコア12を密着させ隙間をゼロとする。そして、ロアプッシュロッド37を図下方側から押付けアッパプッシュロッド17との突き当りを確認する。この際ロアアンカ31とロアコア32の間に形成される隙間33bは大小ストローク差分相当になる。
[手順2(大小ストローク差分の読取,調整)−図5]
手順1の状態で、大ストローク用コイル14bに通電し、ロアプッシュロッド37の変位を読み取る。この変位が仮アッパスペーサ18aを挿入した際の大小ストローク差分となっている。よって、大小ストローク差分の目標値への不足分を把握し、所望のアッパスペーサ18を選択し目標の大小ストローク差分33cに合わせる。なお、本実施例においてはアッパスペーサ18を変え、調整を行ったがアッパプッシュロッド17そのものの選択嵌合により調整しても良い。
[手順3(ノズルユニット押込みにより小ストロークの決定と同時に大ストロークの決定)−図6]
そして、スプリング19を組み、ケーシング10の上方にセットスプリング53,セットスプリング受け55,セットスプリング押さえ54を内包したジョイント51を組付ける。
最後に、仮ロアスペーサ4aを取付けたノズルユニット7を挿入し小ストローク量を調整する。
この際、プランジャロッド1によりロアプッシュロッド37とアッパプッシュロッド17が持上げられ、小ストローク用隙間13が決定する。またそれと同時に、ロアプッシュロッド37も小ストローク用隙間13の分だけ持上げられるので、手順2で決定した大小ストローク差分33cと足し合わせた大ストローク隙間33を構成していることになる。
小ストローク用コイル14aに通電し、プランジャロッドの変位から所望のロアスペーサ4を選択し目標値に合わせる。
上記のように、非通電時のプランジャロッド1のリフト方向位置によって小ストローク用隙間13を調整することができる。このように最後に小ストローク用隙間13を決定する構造とすることで、精度良く規定することが要求される小ストロークを部品の加工精度に大きく依存することなく決定することが可能となる。
本実施例のように、2つのストロークを有する燃料噴射弁において、プランジャロッド1,ロアプッシュロッド37,アッパプッシュロッド17の連通する3本の弁体を有することで、2箇所の高精度なリフト量の調整が可能になる。ロアプッシュロッド37とアッパプッシュロッド17が分かれていない場合、手順2において大小のストロークの差分が調節できず、プランジャロッド1とロアプッシュロッド37が分かれていない場合、最後に小ストローク量を調節することができない。
本実施例では、ロアスペーサ4により決まる押し込み量により調節したが、ロアコア32の内径にノズル2の外周を当て、圧入等により小ストロークを調節しても良い。
本実施例における大小ストローク差分を決定する方法に寄らずとも、予め大小ストロークの差分を決定した後に、最後に小ストローク長さを決定する構造となっていれば、本実施例における効果を満足するものである。
本実施例では2種類のストロークを有する場合の説明としたが、3種類以上のストロークを有する燃料噴射弁においても、同様に最後に最も小さい側のストロークを決定することに変わりは無い。
本発明の第2の実施形態に係る燃料噴射弁について、図7を参照しながら説明する。本実施例は、実施例1に示した燃料噴射弁の弁体が燃料噴射弁上方に開く、打ち開き式燃料噴射弁のストローク調整に関するものである。
本実施例における燃料噴射弁は、プランジャロッド71とオリフィスシート72がシート部75で接触することで燃料を封止している。オリフィスシート72はスペーサ74を間に挟み、ノズルケース73に取付けられている。ケーシング101に内包され、燃料噴射弁の下流側に小ストローク用アンカ81,小ストローク用コア82を有する。両者の隙間、小ストローク隙間83が吸引面となり小ストローク長さとなる。小ストローク用コイル84に通電されると、ミドルヨーク103,ロアヨーク102,ケーシング101,小ストローク用アンカ81及び小ストローク用コア82により磁気回路が構成され、小ストローク用アンカ81が小ストローク用コア82に引寄せられ、小ストローク隙間83分だけ弁体がリフトする。
大ストロークの動作について以下に説明する。ケーシング101に内包され、燃料噴射弁の上流側に大ストローク用アンカ91,大ストローク用コア92,スプリング97を有する。両者の隙間、大ストローク隙間93が吸引面となり大ストローク長さとなる。大ストローク用コイル94に通電されると、ミドルヨーク103,アッパヨーク104,ケーシング101,大ストローク用アンカ91及び大ストローク用コア92により磁気回路が構成され、大ストローク用アンカ91が大ストローク用コア92に引寄せられ、大ストローク隙間93分だけ弁体がリフトする。
本実施例の燃料噴射弁における、ストロークの調整方法を以下に記す。予め、大ストローク用アンカ91と大ストローク用コア92の距離を目標とする大ストローク隙間93と小ストローク隙間83の合計した長さとする。その状態で、最後にスペーサ74を選択嵌合して、オリフィスシート72がプランジャロッド71を押し込む量を変えることにより、高精度に小ストローク長さを決めることができる。
本実施例では、スペーサ74により決まる押し込み量により調節したが、スペーサ74が無くとも、オリフィスシート72自体を圧入等することにより小ストロークを調節しても良い。
本実施例における大小ストローク差分を決定する方法に寄らずとも、予め大小ストロークの差分を決定した後に、最後に小ストローク長さを決定する構造となっていれば、本実施例における効果を満足するものである。
本実施例では2種類のストロークを有する場合の説明としたが、3種類以上のストロークを有する燃料噴射弁においても、同様に最後に最も小さい側のストロークを決定することに変わりは無い。
1 プランジャロッド
2 ノズル
3 シート部
4 ロアスペーサ
5 プランジャスプリング
6 プランジャスプリング押さえ
7 ノズルユニット
10 ケーシング
11 アッパアンカ
12 アッパコア
13 小ストローク用隙間(吸引面)
14 ダブルコイルボビン
14a 小ストローク用コイル
14b 大ストローク用コイル
15 ミドルヨーク
16 アッパヨーク
17 アッパプッシュロッド
17a アッパプッシュロッドガイド
18 アッパスペーサ
19 スプリング
31 ロアアンカ
32 ロアコア
33 大ストローク隙間(吸引面)
36 ロアヨーク
37 ロアプッシュロッド
51 ジョイント
52 フィルタ
53 セットスプリング
54 セットスプリング押さえ
55 セットスプリング受け

Claims (6)

  1. 上下に動作可能な弁体を備え、弁体と当接して燃料をシールするシート部を有し、前記弁体の動作によって前記シート部と前記弁体が離座する距離を複数有する燃料噴射弁において、
    非動作時の弁体のリフト方向位置によって最も小さい側のストローク量を調整することを特徴とする燃料噴射弁。
  2. 請求項1に記載の燃料噴射弁において、弁体が燃料噴射弁の外側に開くことを特徴とする燃料噴射弁。
  3. 請求項1又は2に記載の燃料噴射弁において、弁体がシート部と弁体が離座する距離の数よりも多く分離されていることを特徴とする燃料噴射弁。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の燃料噴射弁において、シート部と弁体が離座する距離が2種類であることを特徴とする燃料噴射弁。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の燃料噴射弁において、シート部と弁体が離座する距離を調節する機構を有する位置が、距離を発生させる2つの可動子と非可動子の上下に有ることを特徴とする燃料噴射弁。
  6. 請求項1に記載の燃料噴射弁において、弁体が燃料噴射弁の内側に開くことを特徴とする燃料噴射弁。
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