JP2010208877A - シリコン単結晶の育成方法及びシリコンウェーハの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】シリコン単結晶に中性子を照射せずに済み、単結晶の引上げ速度の幅を比較的広くすることができ、更にシリコン単結晶の引上げ軸方向における抵抗率及び径方向の面内抵抗率のバラツキを低減する方法を提供する。
【解決手段】石英るつぼ13から、シリコン単結晶11内の格子間酸素濃度が6.0×1017atoms/cm3以下であり、シリコン単結晶11の径方向の面内抵抗率のバラツキが5%以下であるn型ドーパントを含有するシリコン単結晶11を引上げた後、石英るつぼ13内にシリコン原料52を供給して溶融させ、石英るつぼ13から新たにシリコン単結晶11を引上げることにより、複数本のシリコン単結晶11を育成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、絶縁ゲートバイポーラトランジスタに適したシリコンウェーハを製造するために、チョクラルスキー法によりシリコン単結晶を育成する方法と、ウェーハ内部の欠陥が低減されたシリコンウェーハの製造方法に関するものである。
近年、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(Insulated Gate Bipolar Transistor、以下、IGBTという)の開発などが進められている。IGBTは、メモリ等のLSIのようにウェーハの表面近傍だけ(ウェーハの径方向だけ)を使う素子ではなく、ウェーハの厚さ方向(ウェーハの引上げ軸方向)をも使う素子であるので、その特性はウェーハのバルクの品質に影響される。このため、ウェーハ表層部に存在するCOP(Crystal Originated Particle:空孔型凝集欠陥)や酸素析出物だけではなく、ウェーハ内部のCOPや酸素析出物をも低減する必要がある。
そのため、従来は、このようなIGBT用のシリコンウェーハを製造する場合、フローティングゾーン法(以下、FZ法という)でシリコン単結晶を育成していた。ところが、このFZ法では、ウェーハの大口径化が困難であるという問題があり、近年では、チョクラルスキー法(以下、CZ法という)でシリコン単結晶を引上げ、このシリコン単結晶からIGBT用のシリコンウェーハを製造する試みが成されている。例えば、特許文献1には、水素ガス雰囲気中でCZ法によりシリコン単結晶を育成し、シリコン単結晶の径方向全域においてCOP及び転位クラスタが排除され、シリコン単結晶中の格子間酸素濃度が8.5×1017atoms/cm3以下であり、このシリコン単結晶をスライスして得られたシリコンウェーハの面内における抵抗率のばらつきが5%以下であるIGBT用のシリコン単結晶ウェーハが開示されている。このように構成されたIGBT用のシリコン単結晶ウェーハでは、シリコン単結晶の径方向全域においてCOP及び転位クラスタが排除されているので、ウェーハを縦方向に使う素子であるIGBT用のウェーハとして好適である。即ち、シリコン単結晶の径方向全域においてCOP及び転位クラスタが排除されているので、IGBT製造工程におけるウェーハ表面でのゲート酸化膜の形成時に、COPがゲート酸化膜に取込まれることがなく、GOI(Gate Oxide Integrity:ゲート酸化膜の耐圧特性)を劣化させることがない。また転位クラスタが排除されることにより、集積回路におけるリーク電流を防止できるようになっている。
一方、特許文献2には、シリコン単結晶をスライスして得られたシリコンウェーハを酸化性雰囲気で熱処理するシリコンウェーハの製造方法が開示されている。この製造方法では、シリコンウェーハを酸化性雰囲気で熱処理する温度をT℃とし、シリコンウェーハの格子間酸素濃度を[Oi]atoms/cm3とするとき、温度Tと格子間酸素濃度[Oi]との関係が次の式(1)を満たすように熱処理される。
[Oi]≦2.123×1021exp(−1.035/k(T+273)) (1)
上記式(1)において、格子間酸素濃度[Oi]は、FT−IR法で測定した値(ASTM F−121,1979年)であり、kはボルツマン定数8.617×10-5eV/Kである。また、シリコン単結晶として、中性子照射によりリンがドープされた単結晶が用いれる。このように製造されたシリコンウェーハでは、シリコンウェーハを酸化性雰囲気で熱処理するとき、熱処理温度Tと格子間酸素濃度[Oi]とが上記関係を満たすように熱処理温度Tを設定すると、酸化熱処理によりシリコンウェーハの表面に生じた格子間シリコン原子がシリコンウェーハの内部に拡散し、これらが空洞であるCOPを埋めるため、シリコンウェーハ内の浅い位置から深い位置まで全域にわたってCOPを消滅させることができる。またCZ法によりシリコン単結晶を育成する際、リンなどのドーパントをドープせずにシリコン単結晶を育成し、育成後のシリコン単結晶に中性子を照射することにより、シリコン単結晶にリンをドープするので、シリコン単結晶の引上げ軸方向の比抵抗を均一にすることができるようになっている。
特開2007−254274号公報(請求項1、段落[0015]) 再公表特許 WO2004/073057号公報(請求項1及び2、明細書第3頁第25行〜第4頁第8行、明細書第4頁第14行〜同頁第18行)
しかし、上記従来の特許文献1に示されたIGBT用のシリコン単結晶ウェーハでは、水素ガス雰囲気中でシリコン単結晶を育成することにより、グローイン欠陥の無い領域を得るために許容される引上げ速度の幅(無欠陥マージン)は拡大するけれども、COP及び転位クラスタが排除されたグローイン欠陥の無いシリコン単結晶を得るためには、これまでのアルゴンガス雰囲気によるシリコン単結晶の育成と同様に、引上げ速度を遅くしなければならず、生産性の低下を招く不具合があった。また、水素ガス雰囲気中でCOPが発生するような育成条件でシリコン単結晶を育成すると、COP発生領域内に水素欠陥と呼ばれる巨大空洞欠陥が発生する問題点もあった。
一方、上記従来の特許文献2に示されたシリコンウェーハの製造方法では、CZ法によりシリコン単結晶を育成する際には、リン等をドープせずにシリコン単結晶を育成して、育成後のシリコン単結晶に中性子を照射することにより、単結晶の径方向及び引上げ軸方向に抵抗率の均一なシリコンウェーハを得ることができる。このような、中性子照射の技術はドーパント濃度の均一化を図る上で有効な方法であるけれども、中性子照射は重水炉などの原子炉を用いて行なわなければならず、このような処理が行なえる機関は全世界を通しても僅かしか存在しない。このため、中性子照射を採用する場合、工業生産的に大量に製品ウェーハを製造できなくなることが予想される。また、中性子照射により単結晶内に導入された照射ダメージを回復するための熱処理が必要となり、製造コストを押上げてしまうとともに、中性子照射ではリンをドープした単結晶しか製造することができないという問題点もあった。
また、上記従来の特許文献2に示されたシリコンウェーハの製造方法では、特定の格子間酸素濃度と特定の酸化熱処理温度との関係を満足するように、シリコンウェーハ中の酸素濃度とその後の酸化熱処理条件を調整することにより、ウェーハ表層部だけではなく、ウェーハ内の全域にわたってCOPを消滅させることができるけれども、元々単結晶内に存在するCOPのサイズが大きい場合やCOPの密度が高い場合には、酸化熱処理を施してもCOPを完全に消滅させることはできない問題があった。このため、単結晶の育成段階でCOPのサイズが小さくなるようにシリコン単結晶を育成する必要がある。これまで、単結晶中のCOPサイズを小さくする技術として、単結晶の育成段階での冷却を促進させ、引上げ速度を大きくすることにより、単結晶内に形成されるCOPのサイズを小さくすることができるということが知られている。一方、IGBT用ウェーハとしては一般に高い抵抗率を有するウェーハの提供が要求されるが、このようなウェーハを作るための単結晶を育成する際に、ドーパント濃度の僅かな差が、育成される単結晶の抵抗率を大きく変化させる原因になる。そのため、COPサイズを小さくするために高冷却速度、高速引上げを行なうと、単結晶と融液との固液界面形状が上側に凸となる形状になり過ぎてしまうことから、単結晶の径方向のドーパント濃度が大きくばらついてしまう問題点もあった。
また、IGBT用のシリコン単結晶ウェーハとしては、これまで以上に酸素濃度が可及的に低減され、かつ面内の抵抗分布が均一なシリコンウェーハの提供が要求される。シリコン単結晶中の酸素濃度を低下させる技術として、これまでシリコン融液に水平磁場を印加してるつぼの回転速度を遅くすることにより、石英るつぼからシリコン融液中への酸素の取込み量を低減することができ、単結晶中の格子間酸素濃度を低下できることが知られていた。しかしながら、本発明者らの実験によれば、シリコン融液に水平磁場を印加しるつぼの回転速度を低速にするだけでは、格子間酸素濃度が6.0×1017atoms/cm3以下というような極めて酸素濃度の低いシリコン単結晶の育成が行えないことが明らかとなった。また、シリコン単結晶の回転速度を速めると、シリコン単結晶の面内のドーパント濃度(抵抗率分布)が均一化することが知られているが、単結晶の回転速度を速めると酸素濃度が上昇してしまう問題がある。ところが、単結晶とシリコン融液との固液界面の形状が平坦化するような育成条件であれば、単結晶の回転速度を遅くしても単結晶の径方向のドーパント濃度分布が悪化せず、格子間酸素濃度をより低減できることを知見した。
本発明の目的は、シリコン単結晶に中性子を照射せずに済み、単結晶の引上げ速度の幅を比較的広くすることができ、更にシリコン単結晶の引上げ軸方向における抵抗率及び径方向の面内抵抗率のバラツキを低減することができる、シリコン単結晶の育成方法を提供することにある。
本発明の別の目的は、シリコン単結晶をスライスして得られたシリコンウェーハに酸化熱処理を施すことにより、ウェーハの径方向及び厚さ方向の全域にわたってCOPを消滅させることができる、シリコン単結晶の育成方法を提供することにある。
本発明の第1の観点は、チャンバに収容された石英るつぼにシリコン融液を貯留し、このシリコン融液に種結晶を浸漬して回転させながら引上げることにより、種結晶からシリコン単結晶を引上げて育成するシリコン単結晶の育成方法において、石英るつぼから、シリコン単結晶内の格子間酸素濃度が6.0×1017atoms/cm3以下であり、シリコン単結晶の径方向の面内抵抗率のバラツキが5%以下であるn型ドーパントを含有するシリコン単結晶を引上げた後、石英るつぼ内にシリコン原料を供給して溶融させ、石英るつぼから更に別のシリコン単結晶を引上げることにより、複数本のシリコン単結晶を育成することを特徴とする。
本発明の第2の観点は、第1又は第2の観点に基づく発明であって、更に石英るつぼ内のシリコン融液に0.2T以上の水平磁場を印加するとともに、石英るつぼの回転速度が1.5rpm以下であり、育成中のシリコン単結晶の回転速度が7rpm以下であることを特徴とする。
本発明の第3の観点は、第1又は第2の観点に基づく発明であって、更にシリコン単結晶の引上げ速度をCOP欠陥及び転位クラスタが排除可能な引上げ速度とすることを特徴とする。
本発明の第4の観点は、第1又は第2の観点に基づく発明であって、更にシリコン単結晶の引上げ速度をCOP欠陥の発生領域を含む引上げ速度とすることを特徴とする。
本発明の第5の観点は、第4の観点に基づく方法で育成されたシリコン単結晶をスライスして得られたシリコンウェーハに、酸素ガス雰囲気中で1100〜1300℃の範囲内の所定の温度まで加熱し、この所定の温度に2〜5時間保持する熱処理を施すことにより、前記シリコンウェーハ全域にわたってCOP欠陥を消滅させることを特徴とするシリコンウェーハの製造方法である。
本発明の第1の観点の育成方法では、n型ドーパントを含有するシリコン融液からCZ法を用いてシリコン単結晶を引上げるので、シリコン単結晶に中性子を照射せずに済む。この結果、中性子照射によるリンドープにおける問題点、即ち中性子照射によるリンドープを行った単結晶の生産性が極めて低く十分な量を市場に供給できなかったり、或いは中性子照射による単結晶のダメージの回復処理が必要となるという問題点を解消することができる。また、シリコン単結晶を引上げた石英るつぼ内にシリコン原料を供給して溶融させ、石英るつぼから先に育成したシリコン単結晶と同等の品質特性を有するシリコン単結晶を引上げることにより、複数本のシリコン単結晶を育成する、いわゆるマルチプリングで引上げる。これにより、シリコン単結晶の直胴部トップからボトムまで、引上げ軸方向における抵抗率のバラツキが少ないシリコン単結晶を複数本引上げることができる。
本発明の第2の観点の育成方法では、シリコン融液に水平磁場を印加し、るつぼの回転速度を遅くし、更に単結晶の回転速度を遅くしたので、単結晶の径方向のn型ドーパントの濃度分布を均一に保ったまま、単結晶内の格子間酸素濃度を低減できる。
本発明の第5の観点の製造方法では、上記シリコン単結晶をスライスして得られたシリコンウェーハ内のCOPのサイズ及びその密度が所望のサイズ及び密度であるため、このウェーハに所定の酸化熱処理を施すと、ウェーハの径方向及び厚さ方向の全域にわたってCOPを消滅させることができる。
本発明実施形態のシリコン単結晶の育成装置の縦断面構成図である。 左半分は冷却速度の速いホットゾーンで育成したシリコン単結晶中に発生する結晶欠陥の生成挙動を示す模式図であり、右半分は無欠陥単結晶の育成に適したホットゾーンで育成したシリコン単結晶中に発生する結晶欠陥の生成挙動を示す模式図である。 実施例1のシリコン単結晶内の格子間酸素濃度を示す図である。 実施例1のシリコン単結晶内の面内抵抗率を示す図である。 実施例1のシリコン単結晶内の面内抵抗率のバラツキを示す図である。 実施例3及び比較例1のウェーハについて光散乱体(COP)発生状況を示す図である。 実施例3及び比較例1のウェーハについて測定したGOIの歩留まりを示す図である。
次に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。本発明に使用される装置は、特に限定されないが、例えば、図1に示す育成装置を用いることができる。このシリコン単結晶11の育成装置は、内部を真空可能に構成されたメインチャンバ12と、このチャンバ12内の中央に設けられた石英るつぼ13とを備える。メインチャンバ12は円筒状の真空容器である。この石英るつぼ13は、黒鉛るつぼに載置され、この黒鉛るつぼの底部にはシャフト14の上端が接続され、このシャフト14の下端にはシャフト14を介して石英るつぼ13を回転させかつ昇降させる駆動手段16が設けられる。更に石英るつぼ13の外周面は円筒状のヒータ17により石英るつぼ13の外周面から所定の間隔をあけて包囲され、このヒータ17の外周面は円筒状の保温筒18によりヒータ17の外周面から所定の間隔をあけて包囲される。
一方、メインチャンバ12の上端には、内部が連通するようにメインチャンバ12より小径の円筒状のプルチャンバ19が接続される。このプルチャンバ19の上端には引上げ回転手段20が設けられる。この引上げ回転手段20は、下端にシードチャック21が取付けられた引上げ軸22を昇降させるとともに、この引上げ軸22をその軸線を中心に回転させるように構成される。また上記シードチャック21には種結晶23が着脱可能に装着される。この種結晶22の下端をシリコン融液15中に浸漬した後、種結晶22を引上げ回転手段20により回転させかつ引上げるとともに、石英るつぼ13をるつぼ駆動手段16により回転させかつ上昇させることにより、種結晶23の下端からシリコン単結晶11を引上げて育成するように構成される。
また、この育成装置には、減少したシリコン融液15を補給するため、石英るつぼ13に多結晶シリコン原料52を供給するための原料供給管51が設けられ、シリコン単結晶11を育成装置から取り出した後の石英るつぼ13内に残るシリコン融液15の液面上に供給するようになっている。原料供給管51は上端側が、図示しない支持手段により支持されて垂下される。これにより、マルチプリングによる引上げが可能となっている。なお、ここでは育成装置の外部から原料供給管51を挿入するようにした原料供給形態を示したが、これに限定されるものではなく、例えば育成装置内に底部が開閉可能な原料供給装置内部に多結晶シリコン原料52を充填するようにして原料供給を行う形態等であってもよい。
メインチャンバ12内にはアルゴンガス等の不活性ガスが流通される。プルチャンバ19の側壁にはガス供給パイプ24の一端が接続され、このガス供給パイプ24の他端は不活性ガスを貯留するタンク(図示せず)に接続される。またメインチャンバ12の下壁にはガス排出パイプ26の一端が接続され、このガス排出パイプ26の他端は真空ポンプ27の吸入口に接続される。タンク内の不活性ガスは、ガス供給パイプ24を通ってプルチャンバ19内に導入され、メインチャンバ12内を通った後、ガス排出パイプ26を通ってメインチャンバ12から排出されるように構成される。なお、ガス供給パイプ24及び排出パイプ26にはこれらのパイプを流れる不活性ガスの流量を調整する第1及び第2流量調整弁41,42がそれぞれ設けられる。
またメインチャンバ12内には、シリコン単結晶11外周面へのヒータ17の輻射熱の照射を遮るとともに、上記不活性ガスを整流するための熱遮蔽体28が設けられる。この熱遮蔽体28は、下方に向うに従って直径が次第に小さくなりかつシリコン融液15から引上げられるシリコン単結晶11の外周面をこの外周面から所定の間隔をあけて包囲する円錐台状の筒体28aと、この筒体28aの上縁に連設され外方に略水平方向に張り出すフランジ部28bとを有する。熱遮蔽体28は、フランジ部28bを保温筒18上にリング板28cを介して載置することにより、筒体28aの下縁がシリコン融液15表面から所定のギャップをあけて上方に位置するようにメインチャンバ12内に固定される。更にシリコン融液15には水平磁場29を印加しながらシリコン単結晶11を引上げるように構成される。この水平磁場29は、同一のコイル直径を有する第1及び第2コイル31,32を、石英るつぼ13の外周面から水平方向に所定の間隔をあけた外側方に、石英るつぼ13を中心として互いに対向するように配設し、これらのコイル31,32にそれぞれ同一向きの電流を流すことにより発生する。
このように構成された装置を用いてシリコン単結晶11を育成する方法を説明する。先ずシリコン原料の溶解前(溶解後であってもよい。)にP(リン)、As(ヒ素)、Sb(アンチモン)等のn型ドーパントを添加してシリコン融液15にn型ドーパントを含有させる。IGBT用として要求されるシリコンウェーハの抵抗率範囲は10Ωcm〜1000Ωcmであり、この抵抗率範囲を満足するようにn型ドーパントの含有量が調整される。
また第1及び第2コイル31,32にそれぞれ同一向きの電流を流すことにより水平磁場29を発生させる。この水平磁場29の磁場強度はシリコン融液15表面と石英るつぼ13の中心軸との交点で測定され、その磁場強度が0.2T(テスラ)以上となるように、第1及び第2コイル31,32に流れる電流が制御される。磁場強度が0.2T未満ではシリコン単結晶11への酸素の取込みを低減するという効果が薄れてしまうからである。但し、過度に磁場強度を高くすると、石英るつぼ13の内表面の劣化を促進し単結晶11の有転位化を招くおそれがあるため、磁場強度を0.5T以下とすることが望ましい。
本発明の第1の実施の形態では、COP欠陥及び転位クラスタが排除されたシリコン単結晶を育成する方法である。図2は、単結晶の引上げ速度をV(mm/min)、固液界面近傍の引上げ軸方向の温度勾配をG(℃/min)としたときの比V/Gを縦軸とした場合の、結晶欠陥の生成挙動を示す模式図である。この実施の形態では、シリコン単結晶の引上げ速度をCOP欠陥及び転位クラスタが排除可能な条件、即ち図2におけるA領域或いはA領域とOSFリングが含まれる領域となる育成条件で引上げる。引上げ速度、ホットゾーン以外の条件は、後述する本発明の第2の実施の形態の引上げ条件と同じ条件とすることができる。
この実施の形態では、育成後のシリコン単結晶において、COP欠陥及び転位クラスタが既に排除されているため、後述する本発明の第2の実施の形態に比べ、引上げ速度が遅く、シリコン単結晶の生産性という点では不利なものの、その後の酸化熱処理を行う工程を省略することができるという利点がある。
本発明の第2の実施の形態では、COP欠陥の発生領域を含むシリコン単結晶を育成する方法である。この実施の形態では、育成後のシリコン単結晶において、所定サイズ及び密度のCOP欠陥を含んでいるため、その後の酸化熱処理を行う必要がある。しかし、上記本発明の第1の実施の形態に比べ、引上げ速度を速くすることができるため、シリコン単結晶の生産性の点において有利である。
育成されたシリコン単結晶に含まれるCOP欠陥は、後工程の熱処理において、消滅させ得るサイズ及び密度にする必要があるため、所望の引上げ条件とする必要がある。例えば、育成するシリコン単結晶11の中心部が融点から1370℃までの温度域における単結晶11の引上げ軸方向の温度勾配のうち、単結晶11の中心部の温度勾配をGcとし、単結晶11の外周部の温度勾配をGeとするとき、Gc/Ge≧1という関係を満たす条件下でCOPが発生するようにシリコン単結晶11を育成する。Gc/Ge≧1という関係を満たす条件下でCOPが発生するようにシリコン単結晶11を育成することにより、COPのサイズが小さくかつその密度が低い単結晶11を得ることができる。
図2においてホットゾーンAとは、温度勾配GcとGeがGc/Ge<1となる条件で引上げたものであり、ホットゾーンBとは、温度勾配GcとGeがGc/Ge≧1という関係を満たす条件で引上げたものである。図2に示すように、ホットゾーンA、即ち引上げ速度を速くしてCOPサイズを縮小化させるのに適した冷却速度の速いホットゾーンで単結晶を育成すると、単結晶内のCOPのサイズは小さくなるけれども、その密度は高くなってしまう。そのため、その後の酸化熱処理によってウェーハの径方向及び厚さ方向、即ち引上げ軸方向の全域にわたってCOPを消滅させることは困難となる。一方、ホットゾーンBで単結晶を育成すると、シリコン単結晶中のCOPサイズは、ホットゾーンAで引上げたものよりもサイズが小さい。特に、図2の2点鎖線で囲まれたB領域では、COPサイズが小さく、密度も低いため、その後の酸化熱処理によってウェーハの径方向及び厚さ方向の全域にわたってCOPを消滅させることができる。この実施の形態では、シリコン単結晶中のCOPサイズ及び密度が、上記図2のB領域になるような条件で引上げる。このような条件で引上げられるシリコン単結晶内のCOP欠陥は、具体的には、サイズが100nm以下であり、かつ密度が3×106atoms/cm3以下であるのが好ましい。
シリコン単結晶11の育成中における石英るつぼ13の回転速度は1.5rpm以下、好ましくは0.3rpm以下に設定するのが好ましく、育成中のシリコン単結晶11の回転速度は7rpm以下、更に好ましくは5rpm以下に設定する。ここで、石英るつぼ13の回転速度を1.5rpm以下とし、シリコン単結晶11の回転速度を7rpm以下としたのは、シリコン単結晶11の格子間酸素濃度を6.0×1017atoms/cm3以下に保つとともに、n型ドーパントを含有するシリコン融液15からシリコン単結晶11を引上げても、シリコン単結晶11内の径方向の面内抵抗率のバラツキを5%以下に保つためである。なお、シリコン単結晶11の回転速度の下限は0.5rpm以上とすることが望ましく、これよりも遅い場合にはシリコン単結晶11に変形を生じたり、面内の抵抗率分布が悪化することになる。上述のように、Gc/Ge≧1という関係を満たす条件とすることで、単結晶11とシリコン融液15との固液界面の形状が平坦化し、この状態でシリコン融液15に水平磁場29を印加し、石英るつぼ13の回転速度を遅くし、更に単結晶11の回転速度を遅くすることで、単結晶11の径方向のn型ドーパントの濃度分布を均一に保ったまま、単結晶11内の格子間酸素濃度を低減できる。
また、本発明では、マルチプリング法によって、シリコン単結晶11の引上げを行う。このマルチプリング法による引上げでは、引上げる単結晶11の直径、目標とする抵抗率の範囲及びシリコン融液15に添加するn型ドーパントの偏析係数から、単結晶11における引上げ軸方向の抵抗率のバラツキが所定の値以下となるように、引上げる単結晶11の直胴部トップからボトムまでの長さを予め設定しておく。そして、この予め設定した長さまで単結晶11を引上げた後、育成装置に設けられた原料供給管51から石英るつぼ内にシリコン原料を供給して溶融させ、再び種結晶22をシリコン融液15中に浸漬させて石英るつぼから新たにシリコン単結晶を引上げることにより、複数本のシリコン単結晶を育成する。これにより、単結晶11における引上げ軸方向の抵抗率のバラツキがより少ない単結晶11を育成することができる。
このように育成されたシリコン単結晶11から、IGBT用のウェーハを製造するには、このシリコン単結晶11からスライスして得られたシリコンウェーハに、酸素ガス雰囲気中で1100〜1300℃、好ましくは1150〜1200℃の範囲内の所定の温度まで加熱し、この所定の温度に2〜5時間、好ましくは3〜4時間保持する熱処理を施す。これによりウェーハの径方向及び厚さ方向の全域にわたってCOPを消滅させることができる。ここで、熱処理の保持温度を1100〜1300℃の範囲内に限定したのは、1100℃未満ではCOPが消滅し難くなり、1300℃を超えるとウェーハに与える熱負荷が大きくなり過ぎてウェーハにスリップ転位などが発生してしまうからである。更に上記熱処理の保持時間を2〜5時間の範囲内に限定したのは、2時間未満ではCOPを十分に消滅させることができず、5時間を超えて熱処理を行ってもCOP消滅効果はさほど変わらないからである。これにより、育成されたシリコン単結晶内に存在していた上記COP欠陥をシリコンウェーハ全域にわたって消滅させることができ、IGBT用のウェーハとして利用できる。
次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく説明する。
<実施例1>
図1に示す育成装置を用いて、CZ法によりシリコン単結晶11を育成した。具体的には、先ず、引上げるシリコン単結晶11の直径を210mm、目標とする抵抗率を70Ωcmとし、シリコン融液15に添加するn型ドーパントであるリンの偏析係数から、引上げ軸方向の抵抗率のバラツキが5%以下となるように、引上げる単結晶11の直胴部トップからボトムまでの長さを700mmに予め設定した。
次に、シリコン原料を初期チャージ量140kgで育成装置に設置された石英るつぼ13内に投入し、抵抗率を調整するためのn型ドーパントとしてリンを添加して溶融させた。このシリコン融液15に対して、育成装置の第1及び第2コイル31,32にそれぞれ同一向きの電流を流すことにより、磁場強度0.3T(テスラ)水平磁場を印加した。
次に、シリコン融液15に種結晶23を浸漬させ、種結晶23の回転速度、即ち育成中の単結晶11の回転速度を5rpm、石英るつぼ13の回転数を0.1rpmとして、互いに逆方向に回転させながら、種結晶23を引上げてシリコン単結晶11を育成した。このとき、図2のA領域となるように、即ちV/Gを0.21[mm2/(分・℃)]の条件に設定した。また、単結晶11の中心部の温度勾配Gc、単結晶11の外周部の温度勾配Geについては、Gc/Ge=1.1とした。
このようにして、引上げる単結晶11の直胴部トップからボトムまでの長さが700mmであり、COP欠陥及び転位クラスタが排除されたシリコン単結晶11を育成した。
続いて、育成装置に設けられた原料供給管51から石英るつぼ13内に多結晶シリコン原料52を供給して溶融させた後、上記条件と同じ条件で、直胴部トップからボトムまでの長さが700mmシリコン単結晶11を石英るつぼ13から引上げることにより、更に別のシリコン単結晶11を育成し、計3本のシリコン単結晶11を育成した。
<評価1>
実施例1により育成した計3本のシリコン単結晶について、COP欠陥の有無、クラスタ転位の有無、シリコン単結晶内の格子間酸素濃度(Oi)、径方向の面内抵抗率、面内抵抗率のバラツキ(Δρ)を評価した。具体的には、育成したそれぞれのシリコン単結晶について、直胴部トップから100mm、300mm、500mm、700mmの位置で切り出したそれぞれのウェーハについて上記評価項目を評価した。その結果を、次の表1及び図3〜図5に示す。図4については、3本目に引上げたシリコン単結晶についての評価したものである。なお、COPの発生状況は赤外散乱トモグラフ(三井金属社製:MO441)を用いて確認した。格子間酸素濃度(Oi)は、ASTM F−121(1979)に規格されたフーリエ変換赤外分光光度法に準じて測定した値である。また、面内抵抗率のバラツキ(Δρ)は、ウェーハ面内の抵抗率から次の式(2)により算出した値Δρを示す。
Δρ=(面内抵抗率の最大値−面内抵抗率の最小値)/面内抵抗率の最小値 (2)
Figure 2010208877
表1及び図3〜図5から明らかなように、育成されたシリコン単結晶は、直胴部トップからボトムまでCOP欠陥及び転位クラスタが排除されている。また、直胴部トップからボトムまでの格子間酸素濃度が6.0×1017atoms/cm3以下である。更に、直胴部トップからボトムまでの径方向の面内抵抗率のバラツキが5%以下であり、径方向の面内抵抗率及び引上げ軸方向の抵抗率のバラツキが共に少ないことが判る。このことから、本発明の育成方法により育成されたシリコン単結晶は、IGBT用のシリコンウェーハの製造に好適であることが確認された。
<実施例2>
図1に示す育成装置を用いて、CZ法によりシリコン単結晶11を育成した。具体的には、先ず、引上げるシリコン単結晶11の直径を210mm、目標とする抵抗率を70Ωcmとし、シリコン融液15に添加するn型ドーパントであるリンの偏析係数から、引上げ軸方向の抵抗率のバラツキが5%以下となるように、引上げる単結晶11の直胴部トップからボトムまでの長さを700mmに予め設定した。
次に、シリコン原料15を初期チャージ量140kgで育成装置に設置された石英るつぼ13内に投入し、抵抗率を調整するためのn型ドーパントとしてリンを添加して溶融させた。このシリコン融液15に対して、育成装置の第1及び第2コイル31,32にそれぞれ同一向きの電流を流すことにより、磁場強度0.3T(テスラ)水平磁場を印加した。
次に、シリコン融液15に種結晶23を浸漬させ、種結晶23の回転速度即ち育成中の単結晶11の回転速度を5rpm、石英るつぼ13の回転数を0.1rpmとして、互いに逆方向に回転させながら、種結晶23を引上げてシリコン単結晶11を育成した。このとき、図2のB領域となるように、即ちV/Gを0.23〜0.33[mm2/(分・℃)]の条件に設定した。このV/Gの範囲は伝熱計算により求めた。また、単結晶11の中心部の温度勾配Gc、単結晶11の外周部の温度勾配Geについては、Gc/Ge=1.12とした。
このようにして、引上げる単結晶11の直胴部トップからボトムまでの長さが700mmであり、COP欠陥が含まれるシリコン単結晶11を育成した。
続いて、育成装置に設けられた原料供給管51から石英るつぼ13内に多結晶シリコン原料52を供給して溶融させた後、上記条件と同じ条件で、直胴部トップからボトムまでの長さが700mmシリコン単結晶11を石英るつぼ13から引上げることにより、更に別のシリコン単結晶11を育成し、計3本のシリコン単結晶11を育成した。
<評価2>
実施例2により育成した計3本のシリコン単結晶について、COP欠陥のサイズ及び密度、クラスタ転位の有無、シリコン単結晶内の格子間酸素濃度(Oi)、径方向の面内抵抗率、面内抵抗率のバラツキ(Δρ)を評価した。具体的には、育成したそれぞれのシリコン単結晶について、直胴部トップから100mm、300mm、500mm、700mmの位置で切り出したそれぞれのウェーハについて上記評価項目を評価した。その結果を、次の表1に示す。なお、COP欠陥のサイズ及び密度は赤外散乱トモグラフ(三井金属社製:MO441)を用いて測定した。格子間酸素濃度(Oi)は、ASTM F−121(1979)に規格されたフーリエ変換赤外分光光度法に準じて測定した値である。また、面内抵抗率のバラツキ(Δρ)については、ウェーハ面内の抵抗率から次の式(3)により算出した値Δρを示す。
Δρ=(面内抵抗率の最大値−面内抵抗率の最小値)/面内抵抗率の最小値 (3)
Figure 2010208877
表2から明らかなように、実施例2で育成されたシリコン単結晶内のCOPは、直胴部トップからボトムまで、そのサイズが小さく、また密度も低いことが判る。また、直胴部トップからボトムまでの格子間酸素濃度が6.0×1017atoms/cm3以下である。更に、直胴部トップからボトムまでの径方向の面内抵抗率のバラツキが5%以下であり、径方向の面内抵抗率及び引上げ軸方向の抵抗率のバラツキが共に少ないことが判る。このことから、本発明の育成方法により育成されたシリコン単結晶は、IGBT用のシリコンウェーハの製造に好適であることが確認された。
<実施例3>
実施例2で育成したシリコン単結晶から切り出したシリコンウェーハ(3本目シリコン単結晶から切り出したウェーハのうち、直胴部トップから300mmのウェーハ)に、酸化熱処理を施したウェーハを実施例3とした。具体的には、酸素ガス100%の雰囲気中で、1180℃まで加熱し、この温度に3時間保持する熱処理を施した。
<比較例1>
実施例2で育成したシリコン単結晶から切り出したシリコンウェーハ(3本目シリコン単結晶から切り出したウェーハのうち、直胴部トップから300mmのウェーハ)に、酸化熱処理を施さないウェーハを比較例1とした。
<評価3>
実施例3のシリコンウェーハについて、COP欠陥の有無、GOIの歩留まりを評価した。なお、COPの発生状況は赤外散乱トモグラフ(MO601)を用いて確認した。また、GOIの歩留まりは、具体的には、TZDB(Time Zero Dielectric Breakdown:瞬時絶縁破壊)法により求めた。GOIの歩留まりは、シリコンウエーハ上にゲート酸化膜(酸化膜)と電極を形成してMOS(Metal Oxide Semiconductor)構造を作製した後、電極に電圧を印加しゲート酸化膜を破壊させて、ブレイクダウン電圧を測定することにより求めた。ここで、ゲート酸化膜の絶縁破壊はウェーハの欠陥部分で生じた。なお、TZDB法による具体的なゲート酸化膜の耐圧の測定は次のようにして行った。先ずウェーハ表面上に厚さ25nmのゲート酸化膜(SiO2)を形成した。次にこのゲート酸化膜上にゲート電極面積10mm2のポリシリコン電極を形成した。更にウェーハとポリシリコン電極との間にステップ電圧印加法により電圧を印加し、最終的に判定電界強度11MV/cmの電圧を印加した。測定温度は室温(25℃)とした。これらの結果を、図6及び図7に示す。
図6及び図7から明らかなように、酸加熱処理を施すことにより、COP欠陥が消滅すること、また、GOIの歩留まりが100%まで向上することが判る。このことから、本発明の育成方法により育成されたシリコン単結晶、及び本発明の製造方法により製造されたシリコンウェーハは、IGBT用のシリコンウェーハに好適であることが確認された。
11 シリコン単結晶
12 メインチャンバ(チャンバ)
13 石英るつぼ
15 シリコン融液

Claims (5)

  1. チャンバに収容された石英るつぼにシリコン融液を貯留し、このシリコン融液に種結晶を浸漬して回転させながら引上げることにより、前記種結晶からシリコン単結晶を引上げて育成するシリコン単結晶の育成方法において、
    前記石英るつぼから、シリコン単結晶内の格子間酸素濃度が6.0×1017atoms/cm3以下であり、シリコン単結晶の径方向の面内抵抗率のバラツキが5%以下であるn型ドーパントを含有するシリコン単結晶を引上げた後、
    前記シリコン単結晶を引上げた石英るつぼ内にシリコン原料を供給して溶融させ、前記石英るつぼから新たにシリコン単結晶を引上げることにより、複数本のシリコン単結晶を育成する
    ことを特徴とするシリコン単結晶の育成方法。
  2. 石英るつぼ内のシリコン融液に0.2T以上の水平磁場を印加するとともに、前記石英るつぼの回転速度が1.5rpm以下であり、育成中のシリコン単結晶の回転速度が7rpm以下である請求項1又は2記載のシリコン単結晶の育成方法。
  3. シリコン単結晶の引上げ速度をCOP欠陥及び転位クラスタが排除可能な引上げ速度とする請求項1又は2記載のシリコン単結晶の育成方法。
  4. シリコン単結晶の引上げ速度をCOP欠陥の発生領域を含む引上げ速度とする請求項1又は2記載のシリコン単結晶の育成方法。
  5. 請求項4に記載の方法で育成されたシリコン単結晶をスライスして得られたシリコンウェーハに、酸素ガス雰囲気中で1100〜1300℃の範囲内の所定の温度まで加熱し、この所定の温度に2〜5時間保持する熱処理を施すことにより、前記シリコンウェーハ全域にわたってCOP欠陥を消滅させることを特徴とするシリコンウェーハの製造方法。

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