JP4150167B2 - シリコン単結晶の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、酸化膜耐圧特性に優れたシリコン単結晶を製造する方法に関するものであり、更には0.1μmサイズ以上のCOPが存在せず、転位クラスタも含まない結晶領域から成るシリコン単結晶を高生産で製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイスの製造に用いられるシリコンウエーハは主にCZ法により育成されたシリコン単結晶から製造されている。CZ法は、石英坩堝内で溶融したシリコン融液に種結晶を浸け、石英坩堝および種結晶を回転させながら種結晶を引き上げることにより、種結晶の下端に円柱状のシリコン単結晶を成長させるものである。
【0003】
このCZ法により製造されたシリコン単結晶中には、COP(Crystal Originated Particle)や転位クラスタ等と呼称される欠陥が存在していることがある。これら欠陥は、その後の熱処理により結晶内に新たに形成されたものではなく、grown−in欠陥とも呼ばれ単結晶引き上げ過程で結晶内に形成される欠陥である。
【0004】
このgrown−in欠陥の代表的なものの分布は、例えば図3のように観察される。これは成長直後の単結晶からウエーハを切り出し、硝酸銅水溶液に浸けてCuを付着させ、熱処理後、X線トポグラフ法により結晶欠陥分布の観察をおこなった結果を模式的に示した図である。
【0005】
このウエーハは、熱処理誘起欠陥の一種である酸化誘起積層欠陥(OSF:Oxidation-induced Stacking Fault)がリング状に現れたものであるが、この酸化誘起積層欠陥リング(以下、R−OSFという )の内側には、単結晶育成後の評価で観察されるgrown−in欠陥のうちのCOPが検出され、R−OSF領域の内側に近接する部分には0.1μmサイズ以上のCOPが検出されない無欠陥領域が存在する。一方、R−OSF領域の外側に近接する部分には酸素析出が起こり易くgrown−in欠陥が存在しない酸素析出促進領域が存在し、その外側には酸素析出が起こり難くgrown−in欠陥が存在しない酸素析出抑制領域がある。その外側にはgrown−in欠陥のうちの転位クラスターと呼ばれる欠陥が存在する。
【0006】
上記の欠陥の発生位置は、単結晶の引き上げ速度に大きく影響され、引き上げ速度が大きい場合にはR−OSFが潜在的に発生する領域は単結晶外周部に発生し、引き上げ速度の低下に伴い、R−OSFが現れる領域が結晶の外側から内側へと収縮していき、やがては単結晶中心部で消滅することとなる。
【0007】
OSFは、酸化熱処理時に生じる格子間型の転位ループであり、デバイスの活性領域であるウエハ表面に生成、成長した場合には、リーク電流の原因となり、デバイス特性を劣化させる欠陥となる。このため従来では、単結晶の育成時の引き上げ速度をできるだけ速くして、例えば引き上げ速度を0.8mm/min以上に設定してR−OSFが潜在的に発生する領域を結晶の外周側に移動させるように制御することにより、OSFの高密度発生領域を外周側に押し出していた。
【0008】
ところが、最近、デバイスの製造工程が低温化してきたことや高温熱処理時間が短くなってきたことで、OSFによるデバイスへの悪影響が抑えられ、OSFはあまりデバイス特性を劣化させる因子としては大きな問題とはならなくなってきている。これに対し、grown−in欠陥のうちCOPは初期の酸化膜耐圧特性を劣化させる因子であり、また転位クラスターはデバイス特性を著しく劣化させる因子であり、これらgrown−in欠陥の結晶内における密度を低減させることが最近では重要課題となっている。
【0009】
しかしながら、前述したように単結晶育成時の引き上げ速度をできるだけ速くして、R−OSFの発生領域を結晶の外周側に移動させる方法で得られた単結晶は、生産性に優れ、転位クラスタが無い結晶が得られるものの、R−OSFの内側にはサイズの大きなCOPが高密度で発生し、これがMOSデバイスのゲート酸化膜耐圧特性を劣化させることが明らかになってきた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
このため、デバイス特性を劣化させるCOPや転位クラスタを含まないシリコン単結晶を育成する方法として、結晶内の軸方向温度勾配Gと引き上げ速度Vの比V/GおよびV/Gの面内分布をある一定の範囲内に制御する方法が、特開2000−327486号公報により提案されている。確かにこの方法によれば、COPや転位クラスタを含まない高品質なシリコン単結晶を得ることができるものの、CZ炉内のホットゾーン構造を調整して結晶内の軸方向温度勾配Gを大きくするには限界があり、結果的に単結晶の引き上げ速度をかなり遅くしなければならず、シリコン単結晶の生産効率が悪いという問題があった。
【0011】
また、特開平11-79889号公報には、磁場印加CZ法により比較的速い引き上げ速度でCOPも転位クラスタも含まない無欠陥領域を形成でき、この無欠陥領域を形成できる引き上げ速度の許容範囲も拡げられることが示されている。しかし、この方法でも引き上げ速度は十分でなく、無欠陥領域を形成できる引き上げ速度の許容範囲の幅も不十分であった。
【0012】
一方、近年、坩堝を強制的に回転させずに坩堝内のシリコン溶融液のみを回転させることにより、結晶面内の不純物濃度が均一なシリコン単結晶を得る引き上げ方法が提案されている。この手法については例えば、特許第2959543号公報で詳しく開示されており、具体的には、シリコン単結晶育成において、シリコン融液に磁界を印加し、さらにシリコン融液にその磁界と直交する電流を印加することにより、ローレンツ力により融液を回転させる方法であって、EMCZ法と呼ばれるシリコン単結晶の製造方法である。
【0013】
このEMCZ法によれば、坩堝を回転させずにシリコン融液を自発的に回転させて、融液の回転数を任意に設定することができるため、結晶中に混入する不純物元素の濃度の変化を容易に制御することが可能となる。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、grown−in欠陥がないあるいはその密度が極めて低減化されたシリコン単結晶を高生産性で、しかも引き上げ速度の許容範囲が広い条件で製造することを目的に、各種のシリコン単結晶育成方法について鋭意研究した結果、シリコン溶融液に磁界を印加し、かつこの磁界と直交する成分を含む電流をシリコン溶融液に印加しながら単結晶を引き上げることが引き上げ速度の向上に有効であることを見い出し、本発明を完成させた。
【0015】
本発明の要旨は、CZ法により、融点〜1300℃までの温度域において、引き上げ軸方向における単結晶中心部の温度勾配をGcとし、単結晶外周部の温度勾配をGeとするとき、Gc/Ge≧1.0を満足する育成条件で引き上げるシリコン単結晶の製造方法であって、結晶面内に現れる酸化誘起積層欠陥の潜在領域の外径が結晶直径の70%〜0%の範囲になるように引き上げ速度を調整して、かつシリコン溶融液に磁界を印加し、この磁界と直交する成分を含む電流をシリコン溶融液に印加し、前記酸化誘起積層欠陥の潜在領域の外径が結晶直径の70%〜0%である部分が、0.1μmサイズ以上のCOP及び転位クラスターを含まない領域から成るリコン単結晶の製造方法を特徴とするものである。
【0016】
結晶面内に現れる酸化誘起積層欠陥の潜在領域の外径が結晶直径の70%〜0%の範囲に位置する結晶領域から切り出されたウエーハは、酸化膜耐圧特性に優れた結晶品質を有するウエーハとなる。70%を超える場合には、結晶中心部に比較的サイズの大きなCOPが高密度で発生してしまうため、これを超えないように、引き上げ速度を調整する必要がある。
【0017】
本発明によって、酸化誘起積層欠陥の潜在領域の外径が結晶直径の70%〜0%の範囲に調整されたシリコン単結晶を高速で製造できる理由については明らかではないが、恐らく、通常のCZ法または磁場印加CZ法では坩堝を回転させているため、坩堝内の融液対流は坩堝壁に近いほど大きく、単結晶成長界面の直下では小さいのに対し、EMCZ法では、ローレンツ力で直接シリコン融液を回転させていることから、育成中の結晶直下でも比較的大きな融液対流が得られる。このため、結晶直下の融液中の温度勾配が通常のCZ法や磁場印加CZ法よりも小さいことから、引き上げ速度およびその許容範囲の増大をもたらしているものと推定される。
【0018】
本発明のシリコン単結晶の製造方法にあっては、引き上げ軸に垂直なシリコン単結晶断面において、酸化誘起積層欠陥の潜在領域の外径が結晶直径の70%〜0%である部分が、単結晶直胴部の長さの1/3以上とすることが望ましい。
【0019】
本発明のシリコン単結晶の製造方法にあっては、結晶面内に現れる酸化誘起積層欠陥の潜在領域の外径が結晶直径の70%〜0%である部分が、0.1μmサイズ以上のCOP及び転位クラスターを含まない領域から成る結晶とする。
【0020】
前述したとおり、R−OSFの発生領域を結晶半径の70%〜0%の範囲に調整することで酸化膜耐圧特性に優れたウエーハを得ることができる。しかし、R−OSFの内側に発生するCOPのうち、サイズが0.1μm以上のCOPは熱的に極めて安定であることから、デバイス製造プロセスにおける高温熱処理を受けても消滅せず、ウエーハ表面近傍の活性領域に残留し接合リーク特性を劣化させる懸念があるため、更なる高品質なシリコン単結晶の育成を考慮すると、実質的に0.1μmサイズ以上のCOP及び転位クラスターを含まない領域から成るように育成条件を調整する必要がある。
【0021】
本発明のシリコン単結晶の製造方法にあっては、引き上げ速度は0.6〜1.6mm/minの範囲内に調整することが望ましい。0.6mm/minよりも遅い場合には、結晶外周部に転位クラスタが発生して酸化膜耐圧特性を低下させてしまい、1.6mm/minを超える場合には、R−OSFの発生領域を結晶直径の70%の範囲に調整することができなくなり、逆に結晶中心部からサイズの大きなCOPが高密度で発生して、酸化膜耐圧特性および接合リーク特性を低下させてしまうこととなる。更なる結晶の高品質化の観点からは、平均引き上げ速度を1.2mm/min以内に調整することで、実質的に0.1μmサイズ以上のCOP及び転位クラスタを含まない領域から成るシリコン単結晶を育成することができる。
【0022】
本発明のシリコン単結晶の製造方法にあっては、融点〜1300℃までの温度域において、引き上げ軸方向における単結晶中心部の温度勾配をGcとし、単結晶外周部の温度勾配をGeとするとき、Gc/Ge≧1.0を満足する単結晶引き上げ装置を使用する。特に、0.1μmサイズ以上のCOP及び転位クラスターを含まない領域を結晶径方向に均一に拡大させる際に有効であり、Gc/Geが1.0よりも小さい場合には、結晶径方向に結晶品質が均一な結晶を得ることができなくなる。
【0023】
本発明のシリコン単結晶の製造方法にあっては、シリコン溶融液に印加する磁界が、縦磁場成分を含む磁界であることが望ましく、特に、ウェーハ面内の酸素濃度分布および抵抗率分布の均一性の観点からは、カスプ磁界を印加することが望ましい。
【0024】
本発明のシリコン単結晶の製造方法にあっては、シリコン溶融液に印加するカスプ磁界の強度としては、0.03T以上の磁場を印加することが望ましい。0.03Tより小さい場合にはローレンツ力によるシリコン溶融液の攪拌効果が小さいために、引き上げ速度の増大を図ることができない。なお、磁場強度は結晶品質面からは強いほど好ましいが、装置の構造、能力上の制約がある。
【0025】
本発明のシリコン単結晶の製造方法にあっては、シリコン溶融液に流す電流値は、1〜20Aの範囲内で通電することが望ましい。1Aより小さい場合にはローレンツ力によるシリコン溶融液の回転が小さくなりすぎて、単結晶直下の融液対流が低減してしまい引き上げ速度の増大が図れず、20Aを超えると、通常のネック部径は3mm程度であってその抵抗が大きいため、このネック部にジュール熱が発生してネック部の強度が低下する問題がある。
【0026】
本発明のシリコン単結晶の製造方法にあっては、シリコン単結晶の直胴部を製造する過程では坩堝を回転させないことが望ましい。坩堝を回転させた場合には、単結晶成長界面の直下における融液の対流が小さくなり、引き上げ速度の向上を図ることができなくなる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施例を説明する。
【0028】
図1は、本発明のシリコン単結晶を得るために適したシリコン単結晶引き上げ装置を模式的に示す断面図である。この単結晶引き上げ装置は、予め、融点〜1300℃までの温度域において、この温度域での引き上げ軸方向における単結晶中心部の平均温度勾配をGcとし、単結晶外周部の平均温度勾配をGeとしたとき、Gc/Ge≧1.0の温度勾配を満足するホットゾーン条件を総合伝熱計算によって求め、この条件を満たすように、坩堝1とヒーター2との相対位置、熱遮蔽体9の厚み、輻射遮蔽体9の先端と融液表面4との距離、断熱材10の構造等が調整された単結晶引き上げ装置である。
【0029】
この単結晶引き上げ装置の炉体8の周囲には、坩堝1を介して上方および下方に相対向するように磁場印加用のコイル6を一対に設けて、一対の上部コイル6aおよび下部コイル6bには互いに逆向きに回る電流を流すことによって、坩堝内の溶融液4にカスプ磁場が形成される構造とした。また、坩堝1a内のシリコン溶融液4と単結晶5との間に電流が流れるように、炉体8外部に設けた電源装置14により、溶融液4に浸漬させた電極13および引き上げ軸7に電流を流す構造とした。
【0030】
上述した単結晶引き上げ装置を使用して0.1μmサイズ以上のCOP及び転位クラスタを含まない領域を含むシリコン単結晶を得るために必要な引き上げ速度範囲を調査すべく、以下の条件で引き上げ速度変更実験を行った。
【0031】
ここで、製造するシリコン単結晶の仕様は、酸素濃度が24ppma、直径200mm、直胴部長さ1200mm、結晶方位<001>のシリコン単結晶とした。まず、直径26インチの石英坩堝に120kgの多結晶シリコン原料を入れ、単結晶中の電気抵抗率が10Ωcmとなるようにp型ドーパントのボロンを添加して、黒鉛坩堝1bの周囲に設置した円筒状の黒鉛ヒーター2で石英坩堝1a内の多結晶シリコン原料を加熱溶融する。
【0032】
その後、カスプ磁場強度が0となるカスプ磁場中心位置が溶融液表面から80mm下方の溶融液内中心部に位置するようにコイル6の配置を調節して、融液表面から80mm下の高さで坩堝1側壁と直交する水平磁場強度が0.09T、引き上げ初期の坩堝1底壁中心部での垂直磁場強度が0.07Tとなるようにカスプ磁場を印加する。以後、種結晶3の下端部を溶融液4に浸漬し、坩堝昇降軸11及び引き上げ軸7を互いに逆方向に回転させつつ、引き上げ軸7を上方に引き上げて種結晶3の下端にシリコン単結晶5を成長させる。ここで、坩堝1は単結晶の成長に応じて上方に上昇するため、溶融液表面位置はヒータおよびカスプ印加位置に対して常に一定に保たれる。
【0033】
次に、単結晶無転位化のためのシード絞りをおこなった後、肩部を形成し、肩変えして目標直胴部径とする。目標直胴部径に達した時点で、シリコン溶融液4とシリコン単結晶5との間に8Aの電流を流し、シリコン融液中に周方向のローレンツ力を発生させることにより石英坩堝1a内の融液を回転させた。このときの結晶回転速度は6rpm、坩堝回転速度は0rpmとした。
【0034】
直胴部長さが300mmに達した時点で、引き上げ速度を1.0mm/minに調整し、その後引き上げ長さに応じてほぼ直線的に引き上げ速度を低下させ、直胴部長さが600mmに達したときに0.3mm/minとなるようにし、その後はこの引き上げ速度で育成を終了した。
【0035】
比較例1として、シリコン溶融液に対してカスプ磁場を印加せず、電流を通電しない以外は、上述したプロセスと同一条件で通常のCZ法によりシリコン単結晶を育成した。同様に、比較例2として、シリコン溶融液に0.3Tの横磁場を印加しながらシリコン単結晶を育成した。どちらも単結晶直胴部形成における坩堝回転数は5rpmとした。
【0036】
本発明例および比較例1、2から得られたそれぞれのシリコン単結晶について、引き上げ軸に垂直なウエーハを引き上げ軸方向から複数枚切り出し作製した。それぞれのウエーハについて面検機(KLA−Tencor社製SP−1)を使用して0.1μmサイズ以上のCOP数を計測した。また、これらのウエーハをSecco液(K2Cr2O7+HF+H2O)に浸漬してウエーハ表面をエッチングした後、光学顕微鏡によりウエーハ表面に存在する転位クラスタの有無を検査した。
【0037】
図2は、上記の評価試験結果に基づき、0.1μmサイズ以上のCOP及び転位クラスタを含まない結晶領域を満足するウエーハが得られたときの引き上げ速度を示すものである。この図から明らかなように、従来、引き上げ速度が速いとされるシリコン溶融液に横磁場を印加した比較例2でも、その速度範囲は0.55±0.05mm/min程度であったのに対し、本発明例では引き上げ速度0.8±0.08mm/minの範囲であり、引き上げ速度の高速化およびその引き上げ速度範囲が広がっていることが分かる。
【0038】
また、上記の評価試験結果から、本発明例ではR−OSFの外側領域に発生する酸素析出抑制領域のみからなるシリコンウエーハが得られたときの引き上げ速度範囲が、0.75±0.03mm/minであったため、実際に単結晶直胴部の形成過程においてこの引き上げ速度を用いて、上述した引き上げ条件にてシリコン単結晶の製造を行って単結晶直胴部における欠陥発生分布を調査した。その結果、肩下直胴部上端から100mmの部分を除いて、直胴部全域に亘り酸素析出抑制領域からなるシリコン単結晶を製造することができた。
【0039】
【本発明の効果】
本発明によれば、酸化誘起積層欠陥の潜在領域の外径が結晶直径の70%〜0%の範囲に制御された酸化膜耐圧特性に優れたシリコン単結晶を高生産で製造することができ、更には半導体デバイスにおいて、接合リーク特性を劣化させる0.1μmサイズ以上のCOPや転位クラスタを含まないシリコン単結晶を生産性よく、引き上げ速度の許容範囲の広い育成条件で製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る単結晶引上げ装置を模式的に示した断面図である。
【図2】本発明のシリコン単結晶と従来のシリコン単結晶における高品質結晶領域が形成される引き上げ速度範囲の結果を示すグラフである。
【図3】単結晶育成時における引き上げ速度と結晶欠陥の発生位置との一般的な関係を示した模式図である。
【符号の説明】
1 坩堝
2 ヒータ
3 種結晶
4 溶融液
5 単結晶
6 磁場印加用コイル
7 引き上げ軸
8 炉体
9 熱遮蔽体
10断熱材
11坩堝昇降軸
12電極
13電源装置
Claims (5)
- CZ法により、融点〜1300℃までの温度域において、引き上げ軸方向における単結晶中心部の温度勾配をGcとし、単結晶外周部の温度勾配をGeとするとき、Gc/Ge≧1.0を満足する育成条件で引き上げるシリコン単結晶の製造方法であって、
結晶面内に現れる酸化誘起積層欠陥の潜在領域の外径が結晶直径の70%〜0%の範囲になるように引き上げ速度を調整して、かつシリコン溶融液に磁界を印加し、この磁界と直交する成分を含む電流をシリコン溶融液に印加し、
前記酸化誘起積層欠陥の潜在領域の外径が結晶直径の70%〜0%である部分が、0.1μmサイズ以上のCOP及び転位クラスターを含まない領域から成ることを特徴とするシリコン単結晶の製造方法。 - 引き上げ速度が0.6〜1.6mm/minの範囲であることを特徴とする請求項1記載のシリコン単結晶の製造方法。
- シリコン溶融液に印加する磁界が、縦磁場成分を含むことを特徴とする請求項1または請求項2記載のシリコン単結晶の製造方法。
- シリコン溶融液に印加する磁界が、カスプ磁界であることを特徴とする請求項1ないし請求項3記載のシリコン単結晶の製造方法。
- シリコン単結晶の直胴部を製造する過程において、坩堝を回転させないことを特徴とする請求項1ないし請求項4記載のシリコン単結晶の製造方法。
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