JP2010207684A - 生薬残渣の分解方法 - Google Patents

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弘之 吉田
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Abstract

【課題】セルロースなどの多糖類が大部分である生薬残渣をさらに効率よく処理する方法を提供する。
【解決手段】生薬残渣を亜臨界状態の水と接触させて分解する際に、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物や、マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属塩を加えると、生薬残渣の分解率を高くすることができ、生薬残渣の分解物として乳酸を得ることができるとともに、糖の生産温度を低下させることができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、生薬残渣を効率よく分解する方法に関する。
生薬から有効成分を抽出した後の残渣は、ほとんどセルロースなどの多糖類である。これらは、分解しにくく、通常は、焼却、埋め立てなどにより、処理をする。
しかし、焼却には多量のエネルギーを要し、埋め立てには腐敗・悪臭などの問題を生ずる。
本発明者らは、亜臨界水を用いて生薬残渣を処理する方法を提案した。この方法によると、残渣の50%(乾燥重量基準)を糖に転換できる。しかし、さらに効率よく処理できる方法が望まれる。
すなわち、本発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、その目的は、生薬残渣をさらに効率よく処理する方法を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく、鋭意検討した結果、生薬残渣を亜臨界状態の水と接触させて分解する際に、アルカリを加えると、さらに処理効率が向上することを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、生薬残渣を亜臨界状態の水と接触させて分解する際に、アルカリを加える、生薬残渣の分解方法である。アルカリは、水酸化ナトリウムであるとよい。また、前記分解による分解物が乳酸である。前記アルカリの添加により、糖の生産温度が低下する。
本発明では、アルカリを生薬残渣の分解触媒として用いる。これにより、生薬残渣の分解の処理効率を向上させることができる。
以下に、本発明を詳細に説明する。
[生薬残渣] 本発明でいう生薬とは、通常植物の根茎、葉、種子、幹皮、茎、花弁、全草などで有効成分を含むものをいう。生薬残渣は、生薬から有効成分を抽出した残りの部分を意味する。
生薬残渣は、直接または破砕・粉砕処理をした状態で、反応器に供給されるとよい。また、必要に応じて事前に乾燥処理を行ってもよい。
[分解条件] 本発明の有用物の製造方法においては、生薬残渣を亜臨界状態の水と接触させて分解する際にアルカリを加えて行う。生薬残渣と、亜臨界状態の水との混合比は、特に制限されないが、生薬残渣1質量部に対して、水の含水率を60%以上になるように加えるとよい。好ましくは60〜90%、さらに好ましくは60〜80%の範囲が良い。本発明の方法において、反応は、バッチ式であっても、連続式であってもよい。
ここで、水の超臨界状態とは、温度及び圧力が臨界点(374℃、22MPa)以上の状態にあることを言い、水の亜臨界状態とは、臨界点以下の高温の水(374℃以下の水)で飽和蒸気圧曲線で示される圧力以上の状態の水を言う。処理温度は、処理後に得る糖や有機酸などの種類によって適宜選択すればよい。通常は、127℃〜423℃(400〜600K)程度で行う。
反応時間は、処理温度、処理物の種類、処理後に得られる製造物の種類により適宜設定すればよく、例えば、1分以上、10分以下である。
[アルカリ] 本発明で用いるアルカリとしては、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属の塩(水酸化物など)である。例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物が好ましい。
アルカリの使用量は、上記加える水において、例えば0.2〜1N程度であるとよい。アルカリの使用量が0.2Nより少ないと、アルカリを添加する効果が十分でなくなり好ましくない。一方、アルカリの使用量が1Nより多くても、処理効率の向上に与える効果が十分でなくなり好ましくない。
反応器から流出した熱水は、得られた有機酸が過度に加水分解するのを防ぐために、直ちに冷却するのが好ましい。得られた製造物は、常法に従って、分離回収する。
アルカリを添加することで、生薬残渣の分解物として乳酸を得ることができる。また、アルカリを添加することで、糖の生産温度を低下させることができる。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はかかる実施例に限定されるものではない。
(実施例1) 生薬残渣の乾燥基準で1質量部に対して、それぞれ純水、0.2N、0.5N、1.0Nの水酸化ナトリウム水溶液16質量部を反応管(SUS316)に充填して密閉した。この反応管を、それぞれ120℃(393K)、150℃(423K)、200℃(473K)、250℃(523K)、280℃(553K)、320℃(593K)の恒温槽に浸漬して急激に加熱し、5分間保持して、分解反応を行った。反応生成物は固相、水相、油相(ヘキサン及びアセトン抽出相)に分離し、各層をそれぞれ分析した。固相及び油相は重量分析を行った。水相は、全有機炭素量(TOC)の測定(Shimadzu、TOC−500)、フェノール硫酸法を用いた全糖類の測定、有機酸の定性・定量分析(高速液体クロマトグラムシステム、Shimadzu LC10−A)を行った。
図1は、反応濃度とNaOHの濃度とが、固相残存率に与える影響を評価したグラフである。図1中、横軸は反応温度(K)(図中、「Reaction temperature」)を、乾燥重量あたりの固相残存率(kg/kg−dry waste)(図中、「Residue of solid phase」)を示す。また、●は水(水酸化ナトリウム無添加)、△は0.2N NaOH、□は0.5N NaOH、▽は1.0N NaOHを示す。
図1から、反応温度及びNaOH濃度が高くなるほど、分解が進行し、固相残存率が減少する傾向が見られた。NaOHが1.0Nの場合、反応温度553K以上で固体はほぼ完全に分解されることがわかる。
図2は、反応濃度とNaOHの濃度とが、TOCに与える影響を評価したグラフである。図2中、横軸は反応温度(K)(図中、「Reaction temperature」)を、乾燥重量あたりの水相中のTOC(kg/kg−dry waste)(図中、「TOC of aqueous phase」)を示す。また、●は水(水酸化ナトリウム無添加)、△は0.2N NaOH、□は0.5N NaOH、▽は1.0N NaOHを示す。
図2から、NaOHを添加することで、全反応温度領域(393K〜593K)において分解が促進されていることがわかる。また、液相へ溶解する反応生成物の量が増加していることがわかる。NaOHを添加すれば、NaOH無添加のものに比べ、TOC収率の増加は顕著であることが判る。一方、NaOHの添加濃度は、TOC収率にほとんど影響を及ぼさないことが判る。この傾向は、0.5N以上のNaOHの添加において特に明確である。
図3は、反応濃度とNaOHの濃度とが、全糖収率に与える影響を評価したグラフである。図2中、横軸は反応温度(K)(図中、「Reaction temperature」)を、乾燥重量あたりの全糖の産出量(kg/kg−dry waste)(図中、「Yield of toal Sugars」)を示す。また、●は水(水酸化ナトリウム無添加)、△は0.2N NaOH、□は0.5N NaOH、▽は1.0N NaOHを示す。
図3から、NaOHを添加することで、全反応温度領域(393K〜593K)において全糖の収率が大幅に増加していることがわかる。これは、NaOHを添加することにより、低温における亜臨界水の加水分解能が向上したためであることがわかる。
図4は、反応濃度とNaOHの濃度とが、乳酸収率に与える影響を評価したグラフである。図2中、横軸は反応温度(K)(図中、「Reaction temperature」)を、乾燥重量あたりの乳酸の産出量(kg/kg−dry waste)(図中、「Yield of lactic acid」)を示す。また、●は水(水酸化ナトリウム無添加)、△は0.2N NaOH、□は0.5N NaOH、▽は1.0N NaOHを示す。
図4から、乳酸収率は、NaOH濃度1.0N及び反応温度553Kのときに、0.17kg/kg−dry waste)という高いピーク値を示した。また、NaOH濃度が高いほど乳酸収率は向上したが、0.5N以上にすると収率の増加はほとんどみられなかった。
図1は、反応濃度とNaOHの濃度とが、固相残存率に与える影響を評価したグラフである。 図2は、反応濃度とNaOHの濃度とが、TOCに与える影響を評価したグラフである。 図3は、反応濃度とNaOHの濃度とが、全糖収率に与える影響を評価したグラフである。 図4は、反応濃度とNaOHの濃度とが、乳酸収率に与える影響を評価したグラフである。

Claims (4)

  1. 生薬残渣を亜臨界状態の水と接触させて分解する際に、アルカリを加える、生薬残渣の分解方法。
  2. 前記アルカリが、水酸化ナトリウムである、請求項1に記載の生薬残渣の分解方法。
  3. 前記分解による分解物が乳酸である、請求項1または2に記載の生薬残渣の分解方法。
  4. 前記アルカリの添加により、糖の生産温度が低下する、請求項1または2に記載の生薬残渣の分解方法。
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JP2005200322A (ja) * 2004-01-14 2005-07-28 Canon Inc 乳酸の製造方法
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JP2008228583A (ja) * 2007-03-16 2008-10-02 Seiko Instruments Inc セルロースの分解方法及びグルコースの生産方法

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Title
JPN6012055116; 吉田弘之, 岡本和也、亜臨界水処理による生薬残渣の資源化、化学工学会年会研究発表講演要旨集(CD-ROM) 、V *

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