JP2010204563A - レンズ鏡筒 - Google Patents
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Abstract
【課題】カムピンの強度を向上させつつ、カムピンのスムーズな移動を実現する。
【解決手段】レンズ鏡筒1は、相対的に回転する固定枠2及び駆動枠3を備えている。駆動枠3には、主カムピン32が設けられている。固定枠2には、主カムピン32と係合する主カム溝22が設けられている。主カム溝22は、直線状に延びる第2周方向直線部22gと、第2周方向直線部22gと接続される傾斜直線部22eとを有すると共に、第2周方向直線部22gと傾斜直線部22eとの接続部は第3湾曲部22fとなっている。主カムピン32は、その側面のうち主カムピン32が第2周方向直線部22gを通過するときに第2周方向直線部22gの両側壁と対向する部分が、平面に形成されていると共に、その側面のうち主カムピン32が第3湾曲部22fを通過するときに第3湾曲部22fの両側壁と対向する部分が、第1湾曲面32cに形成されている。
【選択図】図19
【解決手段】レンズ鏡筒1は、相対的に回転する固定枠2及び駆動枠3を備えている。駆動枠3には、主カムピン32が設けられている。固定枠2には、主カムピン32と係合する主カム溝22が設けられている。主カム溝22は、直線状に延びる第2周方向直線部22gと、第2周方向直線部22gと接続される傾斜直線部22eとを有すると共に、第2周方向直線部22gと傾斜直線部22eとの接続部は第3湾曲部22fとなっている。主カムピン32は、その側面のうち主カムピン32が第2周方向直線部22gを通過するときに第2周方向直線部22gの両側壁と対向する部分が、平面に形成されていると共に、その側面のうち主カムピン32が第3湾曲部22fを通過するときに第3湾曲部22fの両側壁と対向する部分が、第1湾曲面32cに形成されている。
【選択図】図19
Description
本発明は、相対的に回転する少なくとも2つの筒部材を備えたレンズ鏡筒に関するものである。
従来より、相対的に回転する複数の筒部材を備えたレンズ鏡筒が知られている。
例えば、特許文献1に開示されたレンズ鏡筒は、カム筒やレンズ筒等の複数の筒部材を備えている。カム筒にはカム溝が形成される一方、レンズ筒にはカムピンが形成されている。レンズ筒は、カムピンがカム溝に嵌り込むようにして、カム筒内に配設されている。そして、カム筒を回転させることによって、レンズ筒を光軸方向に移動させる。ここで、カム溝は、レンズ筒を所望の通りに移動させるべく、様々な形状に形成される。特許文献1に係るレンズ鏡筒では、カム溝の形状は様々に湾曲した形状となっている。一方、このように形成されたカム溝に係合するカムピンは、カム溝内をスムーズに移動するために、円柱形状となっている。カムピンを断面円形とすることによって、複雑な形状をしたカム溝であっても、カムピンをスムーズに移動させることができる。
特開2002−107599号公報
しかしながら、カムピンは細いため、レンズ鏡筒を誤って落下させたときには、カムピンが損傷してしまう虞がある。カムピンの径を太くすれば、カムピンの強度は向上するが、カム溝の溝幅等の制約により、カムピンの径を無制限に大きくすることはできない。
そこで、カムピンの断面を方形に形成することが考えられる。カムピンの断面を方形とする、即ち、カムピンを四角錘や四角錐台に形成することによって、同じ溝幅であっても、カムピンの断面積を大きくしてカムピンの強度を向上させることができる。
ところが、カムピンを四角錘や四角錐台に形成すると、カムピンを湾曲したカム溝内でスムーズに移動させることが難しくなる。そのため、カムピンを四角錘や四角錐台に形成する場合、カム溝を、カムピンの側面に平行な複数の直線状の溝を組み合わせて構成する必要がある。その結果、直線状の溝同士の接続部は、角張った形状となり、カムピンをカム溝内でスムーズに移動させることができない。例えば、カムピンが一方の直線状の溝から他方の直線状の溝に進入するときに、カムピンが他方の溝の側壁に衝突することになる。その結果、ユーザに衝撃を感じさせると共に、撮影画像に像ブレを生じさせる虞がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、カムピンの強度を向上させつつ、カムピンのスムーズな移動を実現することにある。
本発明は、相対的に回転する第1及び第2筒部材を備えたレンズ鏡筒が対象である。そして、前記第1筒部材には、カムピンが設けられ、前記第2筒部材には、前記カムピンと係合するカム溝が設けられ、前記カム溝は、直線状に延びる第1溝部と該第1溝部と接続される第2溝部とを有すると共に、該第1溝部と該第2溝部との接続部は湾曲しており、前記カムピンは、その側面のうち該カムピンが前記第1溝部を通過するときに該第1溝部の両側壁と対向する部分が、平面に形成されていると共に、その側面のうち該カムピンが前記接続部を通過するときに該接続部の両側壁と対向する部分が、湾曲面に形成されているものとする。
本発明によれば、前記カムピンの側面の一部を平面に形成することによって、少なくとも、該平面に内接する円形の断面を有するピンよりは、断面積を大きくすることができる。その結果、カムピンの強度を向上させることができる。それに加えて、第1溝部と第2溝部との接続部を湾曲させると共に、カムピンの側面のうち該接続部と対向する部分を湾曲面とすることによって、カムピンが第2溝部から第1溝部に進入するときには、カムピンの湾曲面が湾曲した接続部の側壁により案内されることで、カムピンの移動方向が第2溝部に沿った方向から第1溝部に沿った方向へ緩やかに切り換えられる。それにより、カムピンが第1溝部に進入したときの衝撃を抑制することができる。その結果、カム溝内におけるカムピンのスムーズな移動を実現することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本発明の実施形態に係るレンズ鏡筒1は、デジタルカメラ等に用いられる多段沈胴式のレンズ鏡筒である。以下、レンズ鏡筒1の全体構成について、図1〜3を参照しながら説明する。尚、本明細書においては、特にことわりのない限り、レンズ鏡筒1に対して、光軸に沿って被写体側を「前」、カメラ本体側を「後」として説明する。
図1は、レンズ鏡筒1の分解斜視図であり、図2は、沈胴状態におけるレンズ鏡筒1の斜視図であり、図3は、撮影状態におけるレンズ鏡筒1の斜視図である。
レンズ鏡筒1は、カメラ本体(図示省略)に取り付けられるマスターフランジ10と、マスターフランジ10に取り付けられた固定枠2と、マスターフランジ10に取り付けられるズームモータ11と、ズームモータ11の駆動力によって光軸回りに回転(以下、特に軸を特定せずに「回転」という場合には、光軸回りの回転を意味するものとする)しながら光軸方向に移動する駆動枠3と、固定枠2に対して回転することなく駆動枠3と共に直進する貫通カム枠4と、駆動枠3と共に回転する両面カム枠5と、固定枠2に対して回転することなく貫通カム枠4と共に直進する直進枠6と、固定枠2に対して回転することなく両面カム枠5と共に直進するシャッタユニット12と、1群レンズL1を保持する1群レンズ枠71と、2群レンズL2を保持する2群レンズ枠72と、3群レンズL3を保持する3群レンズ枠73と、4群レンズL4を保持する4群レンズ枠8とを備えている。マスターフランジ10には、撮像素子16が光軸方向後側からクッション16aを介して取り付けられている。
これら駆動枠3、貫通カム枠4、両面カム枠5、直進枠6、シャッタユニット12及び第1〜第4レンズ枠71〜73,8は、電源がオフの状態においては、図2に示すように、固定枠2内に収容された沈胴状態となる。一方、駆動枠3等は、電源がオンの状態においては、図3に示すように、固定枠2から突出した撮影状態となる。
〈固定枠〉
以下、固定枠2の構成について、図1,4を参照しながら説明する。図4は、固定枠2の内周面の展開図であって、内周面を外周側から透視した図である。
以下、固定枠2の構成について、図1,4を参照しながら説明する。図4は、固定枠2の内周面の展開図であって、内周面を外周側から透視した図である。
固定枠2は、円筒状の部材であって、マスターフランジ10との間に、前記駆動枠3等の枠体を収容するための部材である。また、固定枠2は、駆動枠3を回転可能且つ光軸方向に移動可能に支持する部材である。具体的には、固定枠2は、円筒状の固定枠本体20と、固定枠本体20に取り付けられた駆動ギア21とを有している。固定枠本体20の前端には、防塵シート24が取り付けられている。この固定枠2が「第2筒部材」を構成する。
固定枠本体20の側周面には、光軸方向に延びるスリット状の開口部27が形成されている。駆動ギア21は、固定枠本体20の外周側から該開口部27に臨む位置において、固定枠本体20に支持されている。このとき、駆動ギア21は、光軸に平行な軸回りに回動可能な状態で支持されている。駆動ギア21には、複数の歯が周方向に並んで形成されており、各歯の歯すじは回転軸に沿って延びている。この駆動ギア21は、マスターフランジ10に取り付けられたズームモータ11と噛合する。つまり、駆動ギア21は、ズームモータ11によって駆動される。
固定枠本体20の内周面には、図4に示すように、互いに平行に延びる主カム溝22及び補助カム溝23が、周方向において互いに間隔を空けて3組、形成されている。さらに、固定枠本体20の内周面には、主カム溝22,22,22及び補助カム溝23,23,23と干渉しない位置において、3本のキー溝26,26,26が周方向において互いに間隔を空けて形成されている。これら主カム溝22,22,22が「カム溝」に相当する。
キー溝26は、互いに平行に延びる主カム溝22及び補助カム溝23を1組として、隣接する2組の主及び補助カム溝22,23と主及び補助カム溝22,23との間において、固定枠本体20の後端縁から光軸に沿って前方に向かって延びている。
主カム溝22は、固定枠本体20の後端縁から光軸に沿って前方に向かって延びる入口部22aと、入口部22aの先端から周方向の一方(図1のR2方向。以下、R2方向ともいう。)へ向かって湾曲する第1湾曲部22bと、第1湾曲部22bの先端から周方向のR2方向へ直線状に延びる第1周方向直線部22cと、第1周方向直線部22cの先端から、周方向のR2方向且つ光軸方向前方の、光軸に対して傾斜する方向に向かって湾曲する第2湾曲部22dと、第2湾曲部22dの先端から、周方向のR2方向且つ光軸方向前方の、光軸に対して傾斜する方向に直線状に延びる傾斜直線部22eと、傾斜直線部22eの先端から周方向のR2方向へ向かって湾曲する第3湾曲部22fと、第3湾曲部22fの先端から周方向のR2方向へ直線状に延びる第2周方向直線部22gとを有している。尚、入口部22aは、補助カム溝23の入口部と共通となっている。これら第2周方向直線部22gが「第1溝部」を、傾斜直線部22eが「第2溝部」を、第3湾曲部22fが「接続部」を構成する。
また、主カム溝22は、溝底に向かって溝幅が狭くなるように、両側面が傾斜している。詳しくは、後述する図6(C)に示すように、主カム溝22の側壁のうち光軸方向前側の前側壁は、溝の底に向かって光軸方向後側に傾斜したテーパ面22hとなっている。一方、主カム溝22の側壁のうち光軸方向後側の側壁は、溝の底寄りに位置するテーパ面22iと溝の開口寄りに位置する垂直面22jとで構成されている。テーパ面22iは、底に向かって光軸方向前側に傾斜している。垂直面22jは、光軸に対して垂直な平面である。
補助カム溝23は、対となる主カム溝22に対して、光軸方向の後側であって周方向のR2側に位置している。補助カム溝23は、主カム溝22と同様の形状をしている。詳しくは、補助カム溝23は、主カム溝22の入口部22aから周方向のR2方向へ直線状に延びる第1周方向直線部23cと、第1周方向直線部23cの先端から光軸に対して斜め前方に向かって湾曲する第2湾曲部23dと、第2湾曲部23dの先端から光軸に対して斜め前方に直線状に延びる傾斜直線部23eと、傾斜直線部23eの先端から周方向のR2方向へ向かって湾曲する第3湾曲部23fと、第3湾曲部23fの先端から周方向のR2方向へ直線状に延びる第2周方向直線部23gとを有している。補助カム溝23は、溝底に向かって溝幅が狭くなるように、両側面が傾斜している。
〈駆動枠〉
以下、駆動枠3の構成について、図5〜7を参照しながら説明する。図5は、駆動枠3の外周面の展開図であって、外周面を外周側から見た図であり、図6は、主カムピン32の拡大斜視図であり、図7は、駆動枠3の内周面の展開図であって、内周面を外周側から透視した図である。
以下、駆動枠3の構成について、図5〜7を参照しながら説明する。図5は、駆動枠3の外周面の展開図であって、外周面を外周側から見た図であり、図6は、主カムピン32の拡大斜視図であり、図7は、駆動枠3の内周面の展開図であって、内周面を外周側から透視した図である。
前記駆動枠3は、円筒状の部材であって、貫通カム枠4を駆動枠3に対して回転可能且つ光軸方向に移動不能に支持すると共に、両面カム枠5を駆動枠3に対して回転不能且つ光軸方向に移動可能に支持する部材である。また、駆動枠3は、固定枠2内に配設される。具体的には、駆動枠3は、円筒状の駆動枠本体30と、駆動枠本体30の外周面の後端に形成されたギア部31と、駆動枠本体30の外周面に形成された主カムピン32,32,32及び補助カムピン33,33,33とを有している。駆動枠本体30の前端には、駆動枠化粧リング36が取り付けられている。駆動枠化粧リング36と駆動枠本体30との間には、遮光リング37が挟み込まれている。この駆動枠3が「第1筒部材」を構成する。
ギア部31は、図5に示すように、周方向に並び且つ、歯すじが光軸と平行に延びる複数の歯で構成されている。また、ギア部31は、駆動枠3が固定枠2内に挿入された状態においては、固定枠2の開口部27から外方に露出すると共に、固定枠2の駆動ギア21と噛合する。
主カムピン32及び補助カムピン33は、これらを1組として、駆動枠本体30の外周面において、周方向に互いに間隔を空けて3組、設けられている。主及び補助カムピン32,33はそれぞれ、固定枠2の主及び補助カム溝22,23に嵌り込むような形状及び配置となっている。この主カムピン32が「カムピン」に相当する。
詳しくは、主カムピン32は、図6に示すように、概略四角錐台状に形成されていて、4つの稜部のうち対角方向に位置する一組の稜部が湾曲面で構成されている。詳しくは、主カムピン32は、光軸方向に間隔を空けて対向する平面状の第1側面32a,32aと、周方向において互いに間隔を空けて対向する平面状の第2側面32b,32bと、一方の第1側面32aと一方の第2側面32bとを接合する第1湾曲面32cと、他方の第1側面32aと他方の第2側面32bとを接合する第2湾曲面32dとを有している。つまり、2つの第1側面32a,32aと2つの第2側面32b,32bとは、四角錐台を形成するように配置され、これら4つの側面32a,32a,32b,32bで形成される4つの稜部のうち対角位置に配置される1組の稜部は、第1及び第2湾曲面32c,32dで構成されている。一方、対角位置に配置されるもう1組の稜部には、第1側面32aと第2側面32bとで稜線が形成されている。第1側面32a,32aは、駆動枠3の周方向と概略平行に形成されており、主カムピン32が固定枠2の主カム溝22に係合したときに、第1及び第2周方向直線部の両側面と対向するようになっている。第2側面32b,32bは、光軸方向と概略平行に形成されている。また、第1及び第2湾曲面32c,32dで構成される稜部は、主カムピン32の4つの稜部のうち、主カムピン32が固定枠2の主カム溝22に係合したときに、第3湾曲部22fの両側壁と対向する稜部である。詳しくは、第1湾曲面32cが、第3湾曲部22fの外周側の側壁と対向し、第2湾曲面32dが、第3湾曲部22fの内周側の側壁と対向する。第1湾曲面32cの曲率は、第3湾曲部22fの外周側の側壁の曲率よりも大きくなっている。これら第1及び第2湾曲面32c,32dが湾曲面に相当する。
また、主カムピン32は、光軸方向後側の部分が光軸に垂直な平面で切断されている。詳しくは、主カムピン32の光軸方向後側には、光軸に垂直は平面状の第3側面32eが形成されている。
このように構成された主カムピン32は、図6(C)に示すように、固定枠2の主カム溝22内に嵌り込むようになっている。そして、主カムピン32が主カム溝22の第2周方向直線部22gに位置するときには、主カムピン32の光軸方向前側の第1側面32aは、主カム溝22の光軸方向前側のテーパ面22hと対向し、該テーパ面22hと略平行になっている。主カムピン32の光軸方向後側の第1側面32aは、主カム溝22の光軸方向後側のテーパ面22iと対向し、該テーパ面22iと略平行になっている。主カムピン32の第3側面32eは、主カム溝22の垂直面22jと対向し、該垂直面22jと略平行になっている。
補助カムピン33は、概略斜円錐台状に形成されていて、側面は全て湾曲している。つまり、補助カムピン33は、平面状の側面を有していない。
また、駆動枠本体30の内周面には、図7に示すように、その後端部にバヨネット溝34が形成されている。バヨネット溝34は、駆動枠本体30の内周面の全周に亘って、円周方向に延びる前溝34a及び後溝34bと、光軸に平行に延びて該前溝34aと後溝34bとを連結する3つの連結溝34c,34c,34cとを有している。3つの連結溝34c,34c,34cは、周方向において互いに間隔を空けて配置されている。各連結溝34cは、駆動枠本体30の後端縁に開口している。さらに、駆動枠本体30の内周面には、バヨネット溝34の連結溝34c,34c,34cと干渉しない位置において、3本の直進溝35,35,35が周方向において互いに間隔を空けて形成されている。
このように構成された駆動枠3は、固定枠2に対して後側から挿入される。このとき、駆動枠3の各主及び補助カムピン32,33が、固定枠2の各主及び補助カム溝22,23に入口部22aから嵌め込まれる。また、駆動枠3のギア部31は、前述の如く、固定枠2の駆動ギア21と噛合する。この状態で、ズームモータ11が作動すると、その駆動力は駆動ギア21を介して駆動枠3のギア部31に伝達する。その結果、駆動枠3が回転駆動される。このとき、駆動枠3は、各主及び補助カムピン32,33が固定枠2の主及び補助カム溝22,23に係合しているため、該主及び補助カム溝22,23の形状に応じて固定枠2に対して回転しながら光軸方向に移動する。
〈貫通カム枠〉
以下に、貫通カム枠4の構成について、図8,9を参照しながら説明する。図8は、貫通カム枠4の外周面の展開図であって、外周面を外周側から見た図であり、図9は、貫通カム枠4の内周面の展開図であって、内周面を外周側から透視した図である。
以下に、貫通カム枠4の構成について、図8,9を参照しながら説明する。図8は、貫通カム枠4の外周面の展開図であって、外周面を外周側から見た図であり、図9は、貫通カム枠4の内周面の展開図であって、内周面を外周側から透視した図である。
前記貫通カム枠4は、円筒状の部材であって、両面カム枠5を貫通カム枠4に対して回転可能且つ光軸方向に移動可能に支持すると共に、直進枠6を貫通カム枠4に対して回転不能且つ光軸方向に移動可能に支持する部材である。また、貫通カム枠4は、駆動枠3内に配設される。具体的には、貫通カム枠4は、円筒状のカム枠本体40と、カム枠本体40の後端縁において外方に突出するように設けられたフランジ41と、カム枠本体40の外周面に設けられた3組の前側爪部42a及び後側爪部42bとを有している。
フランジ41には、図8に示すように、固定枠2のキー溝26,26,26に係合するキー43,43,43が周方向において互いに間隔を空けて、外方に突出するように形成されている。
前側爪部42a及び後側爪部42bは、同じ形状をしており、光軸方向に所定間隔を空けて並んで配置されている。この所定間隔は、駆動枠3のバヨネット溝34の前溝34aと後溝34bの間の間隔と同じである。前側爪部42a及び後側爪部42bの周方向幅は、バヨネット溝34の連結溝34cの周方向幅よりも狭い。また、前側爪部42a及び後側爪部42bの厚み(光軸方向の寸法)は、前溝34a及び後溝34bの光軸方向の幅よりも薄い。そして、3組の前側爪部42a及び後側爪部42bは、周方向において互いに間隔を空けて配置されている。
また、カム枠本体40には、3本の貫通カム溝44,44,44が周方向において互いに間隔を空けて貫通形成されている。各貫通カム溝44は、カム枠本体40の後端縁に開口しており、該後端縁から、前方且つ周方向の他方(図1のR1方向。以下、R1方向ともいう。)の、光軸に対して傾斜した方向へ湾曲しながら延びている。
さらに、カム枠本体40の内周面には、図9に示すように、3本の有底の第1キー溝45,45,45が周方向において互いに間隔を空けて形成されている。各第1キー溝45は、隣接する2つの貫通カム溝44,44の間を光軸と平行に延びている。各第1キー溝45は、カム枠本体40の後端縁と前端縁とにそれぞれ開口している。また、カム枠本体40の内周面には、3本の有底の第2キー溝46,46,46が周方向において互いに間隔を空けて形成されている。各第2キー溝46は、貫通カム溝44を横切るようにして光軸と平行に延びている。各第2キー溝46は、カム枠本体40の後端縁と前端縁とにそれぞれ開口している。さらに、カム枠本体40の内周面には、3本の有底の第3キー溝47,47,47が周方向において互いに間隔を空けて形成されている。各第3キー溝47は、カム枠本体40の後端縁に開口しており、該後端縁から、前方に向かって光軸と平行に貫通カム溝44と干渉しない位置まで延びている。
このように構成された貫通カム枠4は、駆動枠3に対して後側から挿入される。このとき、貫通カム枠4の各前側及び後側爪部42a,42bが、駆動枠3のバヨネット溝34の連結溝34cに嵌め込まれる。前側爪部42aはバヨネット溝34の前溝34aの位置まで、後側爪部42bはバヨネット溝34の後溝34bの位置まで、連結溝34c内に挿入される。この状態で、駆動枠3が貫通カム枠4に対して相対的に回転すると、前側爪部42aが前溝34aに、後側爪部42bが後溝34bに係合する。これにより、貫通カム枠4は、駆動枠3に対して相対的に回転することができるものの、光軸方向には相対的に移動することができなくなる。つまり、駆動枠3が前述の如く、固定枠2に対して回転しながら光軸方向に移動するときには、貫通カム枠4は、駆動枠3と共に光軸方向に移動する。
ここで、キー43,43,43は、駆動枠3の外周面よりも外方に突出している。そして、駆動枠3及び貫通カム枠4を固定枠2内に組み込んだときには、貫通カム枠4の各キー43が固定枠2の内周面の各キー溝26に嵌め込まれる。そのため、貫通カム枠4は、前述の如く、駆動枠3が固定枠2に対して回転しながら光軸方向に移動するときには駆動枠3と共に光軸方向に移動するものの、各キー43と各キー溝26との係合により、固定枠2に対する回転が規制される。その結果、貫通カム枠4は、固定枠2に対して回転することなく(駆動枠3に対して相対的に回転しながら)、光軸方向に移動する。
〈1群レンズ枠〉
以下に、1群レンズ枠71について説明する。
以下に、1群レンズ枠71について説明する。
1群レンズ枠71は、図1に示すように、円筒状の部材であって、1群レンズL1を保持するための部材である。1群レンズ枠71は、貫通カム枠4内に配設される。また、1群レンズ枠71内には、両面カム枠5が配設される。具体的には、1群レンズ枠71は、1群レンズL1を保持する円筒状のレンズ枠本体71aと、レンズ枠本体71aの外周面の後端に形成された3つの第1キー71b(図1に1つだけ図示)及び3つの第2キー71c,71c(図1に2つだけ図示)と、レンズ枠本体71aの内周面の後端に形成された3つの主カムピン(図示量略)及び3つの補助カムピン(図示省略)とを有している。レンズ枠本体71aの前端にはバリアユニット13及び1群枠化粧リング14が取り付けられている。
3つの第1キー71bは、レンズ枠本体71aの周方向において互いに間隔を空けて設けられている。これら第1キー71bは、貫通カム枠4の第1キー溝45,45,45に嵌り込むような形状及び配置となっている。また、3つの第2キー71c,71cは、レンズ枠本体71aの周方向において互いに間隔を空けて設けられている。各第2キー71cは、隣接する2つの第1キー71bの間に配置されている。これら第2キー71c,71cは、貫通カム枠4の第2キー溝46,46,46に嵌り込むような形状及び配置となっている。
3つの主カムピンは、レンズ枠本体71aの周方向において互いに間隔を空けて設けられている。これら主カムピンは、両面カム枠5の後述する主カム溝52,52,52に嵌り込むような形状及び配置となっている。また、3つの補助カムピンは、レンズ枠本体71aの周方向において互いに間隔を空けて設けられている。各補助カムピンは、隣接する2つの主カムピンの間に配置されている。これら補助カムピンは、両面カム枠5の後述する補助カム溝53,53,53に嵌り込むような形状及び配置となっている。
このように構成された1群レンズ枠71は、貫通カム枠4に対して前側から挿入される。このとき、1群レンズ枠71の各第1キー71bが貫通カム枠4の各第1キー溝45へ、1群レンズ枠71の各第2キー71cが貫通カム枠4の各第2キー溝46へ嵌め込まれる。これにより、1群レンズ枠71は、貫通カム枠5に対して光軸方向に移動することができる一方、貫通カム枠5に対する回転が規制される。
〈両面カム枠〉
以下、両面カム枠5の構成について、図10を参照しながら説明する。図10は、両面カム枠5の内周面の展開図であって、内周面を外周側から透視した図である。
以下、両面カム枠5の構成について、図10を参照しながら説明する。図10は、両面カム枠5の内周面の展開図であって、内周面を外周側から透視した図である。
両面カム枠5は、円筒状の部材であって、シャッタユニット12を両面カム枠5に対して回転可能且つ光軸方向に移動可能に支持すると共に、1群及び2群レンズ枠71,72を両面カム枠5に対して回転可能且つ光軸方向に移動可能に支持する部材である。また、両面カム枠5は、貫通カム枠4内に配設される。具体的には、両面カム枠5は、円筒状のカム枠本体50と、カム枠本体50の外周面に設けられた3つのカムピン51,51(図1に2つだけ図示)と、カム枠本体50の内周面に設けられた3つの爪部56,56,56(図1では1つだけ図示)とを有している。
3つのカムピン51,51は、カム枠本体50の後端部において、周方向に互いに間隔を空けて設けられている。
また、カム枠本体50の外周面には、3本の有底の主カム溝52,52(図1に2つだけ図示)が周方向において互いに間隔を空けて形成されている。各主カム溝52は、カム枠本体50の前端縁に開口しており、該前端縁から、後方且つ周方向のR2方向の、光軸に対して傾斜した方向へ湾曲しながら延びている。さらに、カム枠本体50の外周面には、3本の有底の補助カム溝53,53(図1に2つだけ図示)が周方向において間隔を空けて形成されている。各補助カム溝53は、隣接する2本の主カム溝52,52の間に形成されている。また、各補助カム溝53は、カム枠本体50の前端縁に開口し、該前端縁から、後方且つ周方向のR2方向の、光軸に対して傾斜した方向に湾曲しながら延びている。各補助カム溝53は、各主カム溝52と平行に延びている。
さらに、カム枠本体50の内周面には、図10に示すように、3本の有底の2群カム溝54,54,54が周方向において互いに間隔を空けて形成されている。各2群カム溝54は、カム枠本体50の後端縁に開口し、該後端縁から前方に向かって光軸と平行に延びた後、途中で、周方向の一方へ屈曲し、そこから概ね周方向のR1方向へ湾曲しながら延びている。さらに、カム枠本体50の内周面には、3本の有底の3群カム溝55,55,55が周方向において互いに間隔を空けて形成されている。各3群カム溝55は、各2群カム溝54の直線部分の途中から分岐して、概ね周方向のR1方向へ湾曲しながら延びている。
3つの爪部56,56,56は、カム枠本体50の前端部において、周方向において互いに間隔を空けて設けられている。
このように構成された両面カム枠5は、1群レンズ枠71に対して後側から挿入される。このとき、両面カム枠5の各主及び補助カム溝52,53に1群レンズ枠71の各主及び補助カムピンがそれぞれ嵌め込まれる。また、両面カム枠5の各カムピン51は、1群レンズ枠71が組み込まれる貫通カム枠4の各貫通カム溝44に嵌め込まれる。このとき、各カムピン51は、各貫通カム溝44を貫通し、その先端部は、貫通カム枠4の外周面よりも外方に突出している。そして、この各カムピン51の先端部は、貫通カム枠4が組み込まれる駆動枠3の各直進溝35に嵌め込まれている。つまり、各カムピン51は、貫通カム枠4の各貫通カム溝44を貫通して、駆動枠3の各直進溝35にも嵌っている。
この状態で、駆動枠3が回転すると、両面カム枠5は、各カムピン51と各直進溝35との係合により駆動枠3に対する相対的な回転が規制されているため、駆動枠3と共に回転する。ここで、貫通カム枠4は、固定枠2に対して回転不能に支持されて、駆動枠3に対して相対的に回転する一方、駆動枠3に対して光軸方向には移動できない。そのため、駆動枠3と共に回転する各カムピン51は、貫通カム枠4の各貫通カム溝44に沿って相対的に移動することになる。その結果、両面カム枠5が、駆動枠3及び貫通カム枠4に対して、貫通カム溝44の形状に応じて回転しながら光軸方向に移動する。
ここで、1群レンズ枠71は、各第1及び第2キー71b,71cと貫通カム枠4の各第1及び第2キー溝45,46との係合により、貫通カム枠4に対する回転が規制されている。そのため、両面カム枠5が回転しながら光軸方向に移動すると、1群レンズ枠71は、両面カム枠5の各主及び補助カム溝52,53の形状に応じて光軸方向に移動する。
〈直進枠〉
以下に、直進枠6の構成について、図11を参照しながら説明する。図11は、直進枠6の外周面の展開図であって、外周面を外周側から見た図である。
以下に、直進枠6の構成について、図11を参照しながら説明する。図11は、直進枠6の外周面の展開図であって、外周面を外周側から見た図である。
前記直進枠6は、円筒状の部材であって、2群レンズ枠72、シャッタユニット12を直進枠6に対して回転不能且つ光軸方向に移動可能に支持する部材である。また、直進枠6は、両面カム枠5内に配設される。具体的には、直進枠6は、円筒状の直進枠本体60と、直進枠本体60の後端縁において外方に突出するように設けられたフランジ61とを有している。
フランジ61には、3つのキー62,62,62が周方向において互いに間隔を空けて、外方に突出するように形成されている。これらキー62,62,62は、貫通カム枠4の第3キー溝47,47,47に嵌り込むような形状及び配置となっている。
また、直進枠本体60には、3本の貫通直進溝63,63,63が周方向において互いに間隔を空けて貫通形成されている。各貫通直進溝63は、直進枠本体60の後端縁、即ち、フランジ61に開口している。
さらに、直進枠本体60の外周面には、その前端部にバヨネット溝64が形成されている。バヨネット溝64は、直進枠本体60の外周面の全周に亘って、周方向に延びている。バヨネット溝64には、直進枠本体60の前端縁に向かって延びて、該前端縁に開口する3つの挿入部64a,64a,64aが設けられている。これら挿入部64a,64a,64aは、周方向において互いに間隔を空けて形成されている。これら挿入部64a,64a,64aは、両面カム枠5の爪部56,56,56が嵌り込むような形状及び配置となっている。
このように構成された直進枠6は、両面カム枠5に対して後側から挿入される。このとき、両面カム枠5の爪部56,56,56が、直進枠6の挿入部64a,64a,64aからバヨネット溝64まで進入する。この状態で、両面カム枠5が回転すると、爪部56,56,56がバヨネット溝64に係合する。これにより、直進枠6は、両面カム枠5に対して相対的に回転することができるものの、光軸方向には相対的に移動することができなくなる。つまり、両面カム枠5が回転しながら光軸方向に移動するときには、直進枠6は、両面カム枠5と共に光軸方向に移動する。
ここで、キー62,62,62は、両面カム枠5の外周面よりも外方に突出している。そして、両面カム枠5及び直進枠6を貫通カム枠4内に組み込んだときには、直進枠6のキー62,62,62が貫通カム枠4の第3キー溝47,47,47に嵌め込まれる。そのため、直進枠6は、前述の如く、両面カム枠5が回転しながら光軸方向に移動するときには両面カム枠5と共に光軸方向に移動するものの、各キー62と各第3キー溝47との係合により、貫通カム枠4に対する回転が規制される。その結果、直進枠6は、貫通カム枠4に対して回転することなく(両面カム枠5に対して相対的に回転しながら)、光軸方向に移動する。
〈2群レンズ枠〉
以下に、2群レンズ枠72について説明する。
以下に、2群レンズ枠72について説明する。
2群レンズ枠72は、図1に示すように、円筒状の部材であって、2群レンズL2を保持するための部材である。2群レンズ枠72は、直進枠6内に配設される。具体的には、2群レンズ枠72は、2群レンズL2を保持する円筒状のレンズ枠本体72aと、レンズ枠本体72aから外方に突出する3つの摺動部72b,72b(図1に2つだけ図示)と、摺動部72b,72bに形成された3つのカムピン72c,72c(図1に2つだけ図示)とを有している。
3つの摺動部72b,72bは、レンズ枠本体72aの周方向において互いに間隔を空けて設けられている。これら摺動部72b,72bは、直進枠6の貫通直進溝63,63,63に嵌り込むような形状及び配置となっている。
3つのカムピン72c,72c,72cは、レンズ枠本体72aの周方向において互いに間隔を空けて設けられている。これらカムピン72c,72c,72cは、両面カム枠5の2群カム溝54,54,54に嵌り込むような形状及び配置となっている。
このように構成された2群レンズ枠72は、直進枠6に対して後側から挿入される。このとき、2群レンズ枠72の各摺動部72bが直進枠6の各貫通直進溝63に嵌め込まれる。各摺動部72bに設けられたカムピン72cは、直進枠6の外周面よりも外方に突出している。そして、各カムピン72cは、直進枠6が組み込まれる両面カム枠5の各2群カム溝54に嵌め込まれる。ここで、直進枠6は、前述の如く、固定枠2に対して回転不能に支持された貫通カム枠4に対してさらに回転不能に支持されているため、結果として、固定枠2に対して回転不能となっている。
この状態で、両面カム枠5が回転すると、2群レンズ枠72は、各摺動部72bと貫通直進溝63との係合により直進枠6に対する回転が規制される一方、各カムピン72cが各2群カム溝54内を相対的に移動する。その結果、2群レンズ枠72は、直進枠6(即ち、固定枠2)に対して回転することなく、2群カム溝54の形状に応じて光軸方向に移動する。
〈シャッタユニット〉
以下、シャッタユニット12の構成について、図12を参照しながら説明する。図12は、シャッタユニット12の外周面の展開図であって、外周面を外側から見た図である。
以下、シャッタユニット12の構成について、図12を参照しながら説明する。図12は、シャッタユニット12の外周面の展開図であって、外周面を外側から見た図である。
シャッタユニット12は、露光状態を調節するための機構である。シャッタユニット12は、両面カム枠5内に配設される。具体的には、シャッタユニット12は、中央に開口を有する概略円盤状のケーシング12aと、該ケーシング12a内に収容されて該開口を開閉可能な絞り羽根及びシャッタ羽根(図示省略)とを有している。ケーシング12aの外周面には、外方に突出する3つの摺動台部12b,12b,12bが周方向において間隔を空けて形成されている。これら摺動台部12b,12b,12bは、直進枠6の貫通直進溝63,63,63に嵌り込むような形状及び配置となっている。また、各摺動台部12bにはカムピン12cが設けられている。すなわち、ケーシング12aの外周には、3つのカムピン12c,12c,12cが周方向に間隔を空けて設けられている。
〈3群レンズ枠〉
以下、3群レンズ枠73の構成について説明する。
以下、3群レンズ枠73の構成について説明する。
3群レンズ枠73は、板状の部材であって、3群レンズL3を保持するための部材である。3群レンズ枠73は、シャッタユニット12に一体的に取り付けられ、シャッタユニット12と共に両面カム枠5内に配設される。具体的には、3群レンズ枠73は、3群レンズL3を保持するレンズ枠本体73aと、レンズ枠本体73aに取り付けられるキャップ73bと、レンズ枠本体73aに取り付けられるピッチマグネット73cと、レンズ枠本体73aに取り付けられるヨーマグネット73dとを有している。
このように構成されたシャッタユニット12及び3群レンズ枠73は、直進枠6に対して後側から挿入される。このとき、シャッタユニット12の各摺動台部12bが直進枠6の各貫通直進溝63に嵌め込まれる。各摺動台部12bに設けられたカムピン12cは、直進枠6の外周面よりも外方に突出している。そして、各カムピン12cは、直進枠6が組み込まれる両面カム枠5の各3群カム溝55に嵌め込まれる。
この状態で、両面カム枠5が回転すると、シャッタユニット12は、各摺動台部12bと貫通直進溝63との係合により直進枠6に対する回転が規制される一方、各カムピン12cが各3群カム溝55内を相対的に移動する。その結果、シャッタユニット12及び3群レンズ枠73は、直進枠6(即ち、固定枠2)に対して回転することなく、3群カム溝55の形状に応じて光軸方向に移動する。
〈4群レンズ枠〉
以下、4群レンズ枠8について図13,14を参照しながら説明する。図13は、4群レンズ枠8の正面図であり、図14は、4群レンズ枠8の取付状態を示す光軸と平行な断面図である。
以下、4群レンズ枠8について図13,14を参照しながら説明する。図13は、4群レンズ枠8の正面図であり、図14は、4群レンズ枠8の取付状態を示す光軸と平行な断面図である。
4群レンズ枠8は、4群レンズL4を保持するための部材である。4群レンズ枠8は、4群レンズL4を保持するレンズ枠本体80と、レンズ枠本体80から外方に延びる延設部81とを有している。レンズ枠本体80には第1ガイド孔80aが形成されており、延設部81には第2ガイド孔81aが形成されている。また、延設部81には、遮蔽突起部82が外方に突出するように設けられている。
このように構成された4群レンズ枠8は、マスターフランジ10に取り付けられている。詳しくは、マスターフランジ10には、中央近傍の位置に第1ガイドポール10a(図1にのみ図示)が、周縁部の位置に第2ガイドポール10bが、それぞれ光軸方向に延びるように設けられている。4群レンズ枠8は、第1及び第2ガイド孔80a,81aにそれぞれ第1及び第2ガイドポール10a,10bが挿入されるようにして、マスターフランジ10に取り付けられる。こうして、4群レンズ枠8は、マスターフランジ10に対して光軸に沿って移動可能に支持されている。
また、マスターフランジ10には、第3ガイドポール10cが、第2ガイドポール10bの近傍において光軸方向に延びるように設けられている。この第3ガイドポール10cには、コイルバネであるフォーカスバネ10dが外嵌めされている。4群レンズ枠8の延設部81には、この第3ガイドポール10cが貫通する貫通孔81bが形成されている。このフォーカスバネ10dは、4群レンズ枠8がマスターフランジ10に取り付けられるときに、4群レンズ枠8の延設部81とマスターフランジ10とで挟持され、圧縮変形した状態となっている。
また、マスターフランジ10には、4群レンズ枠8を駆動するためのフォーカスモータ15が取り付けられている。詳しくは、マスターフランジ10には、第2及び第3ガイドポール10b,10cの近傍にモータ取付部10eが形成されている。このモータ取付部10eにフォーカスモータ15が取り付けられる。フォーカスモータ15は、その回転軸15aにネジ締結されたフォーカスナット15bを有している。フォーカスナット15bは、フォーカスモータ15がモータ取付部10eに取り付けられた状態において、モータ取付部10eに形成された直進ガイド溝10fに嵌り込むように構成されている。この直進ガイド溝10fは光軸と平行に延びている。こうして、フォーカスナット15bは、直進ガイド溝10fとの係合によって回転が規制されている。つまり、フォーカスモータ15の作動により回転軸15aが回転すると、フォーカスナット15bは、直進ガイド溝10fによって回転が規制されて、該直進ガイド溝10fに沿って光軸方向に移動することになる。ここで、4群レンズ枠8の延設部81には、C字状に形成された鉤状部83が形成されている。この鉤状部83には、フォーカスモータ15の回転軸15aの先端部が嵌るようになっている。このとき、フォーカスナット15bは、鉤状部83よりも光軸方向前側に位置している。
つまり、4群レンズ枠8は、フォーカスバネ10dによって光軸方向前方に付勢され、フォーカスモータ15のフォーカスナット15bに押し付けられている。その結果、フォーカスモータ15を作動させてフォーカスナット15bを光軸方向前方に移動させると、4群レンズ枠8はフォーカスバネ10dの付勢力によって光軸方向前方に移動する一方、フォーカスナット15bを光軸方向後方に移動させると、4群レンズ枠8はフォーカスナット15bに押圧されて、フォーカスバネ10dを圧縮変形させながら、光軸方向後方へ移動する。
ただし、レンズ鏡筒1が沈胴状態であって、貫通カム枠4が光軸方向の最も後方に位置するときには、該貫通カム枠4のフランジ41が、4群レンズ枠8の延設部81に当接して、4群レンズ枠8を、フォーカスバネ10dの付勢力に抗して、光軸方向後方へ押し込んでいる。このとき、4群レンズ枠8の鉤状部83は、フォーカスモータ15のフォーカスナット15bと当接しておらず、離れている。
〈レンズ鏡筒の動作〉
以下に、このように構成されたレンズ鏡筒の動作を図15〜17を参照しながら説明する。図15は、沈胴状態におけるレンズ鏡筒1の光軸と平行な断面図であり、図16は、広角撮影状態におけるレンズ鏡筒1の光軸と平行な断面図であり、図17は、望遠撮影状態におけるレンズ鏡筒1の光軸と平行な断面図である。尚、図15〜17においては、1群〜3群レンズ枠71〜73の図示を省略している。
以下に、このように構成されたレンズ鏡筒の動作を図15〜17を参照しながら説明する。図15は、沈胴状態におけるレンズ鏡筒1の光軸と平行な断面図であり、図16は、広角撮影状態におけるレンズ鏡筒1の光軸と平行な断面図であり、図17は、望遠撮影状態におけるレンズ鏡筒1の光軸と平行な断面図である。尚、図15〜17においては、1群〜3群レンズ枠71〜73の図示を省略している。
まず、カメラ本体の電源がOFFのときには、レンズ鏡筒1は、図15に示すように、駆動枠3や1群レンズ枠71等が固定枠2内に全て収容された沈胴状態になっている。
そして、カメラ本体の電源がオンされると、レンズ鏡筒1が沈胴状態から撮影状態に駆動される。本実施形態では、広角撮影状態が電源オン後の撮影状態として設定されている。具体的には、ズームモータ11によって駆動枠3が固定枠2に対して所定角度だけR1方向へ駆動される。この結果、駆動枠3は、固定枠2の主及び補助カム溝22,23の形状に応じて固定枠2に対して回転しながら光軸方向前方に移動する。
駆動枠3が回転しながら光軸方向前方に移動すると、貫通カム枠4が、各前側及び後側爪部42a,42bとバヨネット溝34の前溝及び後溝34a,34bとの係合により駆動枠3と一体となって光軸方向前方に移動する。このとき、貫通カム枠4は、各キー43と固定枠2の各キー溝26との係合により、固定枠2に対して回転することなく直進する。
また、両面カム枠5の各カムピン51が駆動枠3の各直進溝35に係合しているため、駆動枠3が回転しながら光軸方向前方に移動すると、両面カム枠5は駆動枠3と一体となって回転する。この各カムピン51は、貫通カム枠4の各貫通カム溝44を貫通している。貫通カム枠4は、固定枠2に対して回転しないように構成されている。つまり、回転する各カムピン51は、固定された各貫通カム溝44の中を移動することになり、その結果、光軸方向前方にも移動することになる。その結果、駆動枠3が回転しながら光軸方向前方に移動すると、両面カム枠5は、貫通カム溝44の形状に応じて回転しながら光軸方向前方に移動する。
こうして両面カム枠5が回転しながら光軸方向前方に移動すると、それに伴い、1群レンズ枠71が光軸方向前方に移動する。詳しくは、1群レンズ枠71の各第1及び第2キー71b,71cは、貫通カム枠4の各第1及び第2キー溝45,46に嵌っている。貫通カム枠4は、固定枠2に対して回転しないように構成されているため、1群レンズ枠71も固定枠2に対して回転できず、第1及び第2キー溝45,46に沿って光軸方向にのみ移動できる。それに加えて、1群レンズ枠71の各主及び補助カムピンが、両面カム枠5の各主及び補助カム溝52,53に嵌っているため、両面カム枠5が回転すると、1群レンズ枠71は、両面カム枠5の回転に伴って、主及び補助カム溝52,53の形状に応じて光軸方向前方に移動する。
また、両面カム枠5が回転しながら光軸方向前方に移動すると、それに伴い、2群レンズ枠72並びにシャッタユニット12及び3群レンズ枠73も光軸方向前方に移動する。詳しくは、2群レンズ枠72の各摺動部72bが直進枠6の各貫通直進溝63に係合していると共に、各カムピン72cが両面カム枠5の各2群カム溝54に係合している。また、シャッタユニット12の各摺動台部12bが直進枠6の各貫通直進溝63に係合していると共に、各カムピン12cが両面カム枠5の各3群カム溝55に係合している。ここで、直進枠6は、各キー62と貫通カム枠4の各第3キー溝47との係合により、貫通カム枠4、即ち、固定枠2に対して回転しないように構成されている。そのため、両面カム枠5が回転すると、2群レンズ枠72は、貫通直進溝63によって回転が規制された状態で、カムピン72cが2群カム溝54に沿って移動する。その結果、2群レンズ枠72は、両面カム枠5の回転に伴って、2群カム溝54の形状に応じて光軸方向前方に移動する。同様に、両面カム枠5が回転すると、シャッタユニット12は、貫通直進溝63によって回転が規制された状態で、カムピン12cが3群カム溝55に沿って移動する。その結果、シャッタユニット12及びそれに取り付けられた3群レンズ枠73は、両面カム枠5の回転に伴って、3群カム溝55の形状に応じて光軸方向に移動する。
尚、3群カム溝55は、各2群カム溝54の直線部分の途中から分岐して周方向のR1方向へ湾曲しながら延びているが、分岐後しばらくの間は、後方且つ周方向のR1方向の、光軸に傾斜する方向へ延びている。そのため、レンズ鏡筒1が沈胴状態から広角撮影状態に駆動されるときには、シャッタユニット12及び3群レンズ枠73は、両面カム枠5に対して相対的に光軸方向後方へ移動する。しかしながら、両面カム枠5自体が光軸方向前方へ移動しているため、シャッタユニット12及び3群レンズ枠73は、全体としては、即ち、固定枠2に対しては光軸方向前方へ移動することになる。
また、駆動枠3の光軸方向前方への移動に伴って貫通カム枠4が光軸方向前方へ移動すると、貫通カム枠4のフランジ41で光軸方向後方へ押圧されていた4群レンズ枠8が、フォーカスバネ10dの付勢力によって、光軸方向前方へ移動する。4群レンズ枠8は、やがてフォーカスモータ15のフォーカスナット15bに当接する。それ以降は、貫通カム枠4が光軸方向前方へ移動したとしても、4群レンズ枠8は、光軸方向前方へ移動せず、フォーカスモータ15によって光軸方向位置が制御される。
こうして、駆動枠3、貫通カム枠4、両面カム枠5、直進枠6、第1〜第4レンズ枠71〜73,8が、図16に示すように所定の位置に配置され、広角撮影状態となる。
この状態から、図示省略のズームレバーが望遠側に操作されると、ズームモータ11によって駆動枠3が固定枠2に対してR1方向へ駆動される。その結果、駆動枠3は、固定枠2の主及び補助カム溝22,23の形状に応じて固定枠2に対して回転する。この駆動枠3の回転に応じて、前述の如く、貫通カム枠4等が駆動され、駆動枠3、貫通カム枠4、両面カム枠5、直進枠6、第1〜第4レンズ枠71〜73,8がズームレバーの操作量に応じた位置に配置される。そして、駆動枠3、貫通カム枠4、両面カム枠5、直進枠6、第1〜第4レンズ枠71〜73,8が、最も望遠側に移動したときには、図17に示すような配置となる。
また、ズームレバーが広角側に操作されると、ズームモータ11によって駆動枠3が固定枠2に対して周方向のR2方向へ駆動される。その結果、駆動枠3、貫通カム枠4、両面カム枠5、直進枠6、1〜4群レンズ枠71〜73,8は、前述とは逆の動作をすることになる。
さらに、カメラ本体の電源がオフされると、レンズ鏡筒1が沈胴状態となるまで、ズームモータ11によって駆動枠3が固定枠2に対して周方向のR2方向へ駆動される。
−主及び補助カムピン32,33の動作−
次に、このようにレンズ鏡筒1が動作するときの、固定枠2の主及び補助カム溝22,23に対する主及び補助カムピン32,33の動きについて図18〜20を参照しながら説明する。図18は、沈胴状態における固定枠2の内周面と駆動枠3の外周面の展開図であって、外周側から透視した図であり、図19は、広角撮影状態における固定枠2の内周面と駆動枠3の外周面の展開図であって、外周側から透視した図であり、図20は、望遠撮影状態における固定枠2の内周面と駆動枠3の外周面の展開図であって、外周側から透視した図である。
次に、このようにレンズ鏡筒1が動作するときの、固定枠2の主及び補助カム溝22,23に対する主及び補助カムピン32,33の動きについて図18〜20を参照しながら説明する。図18は、沈胴状態における固定枠2の内周面と駆動枠3の外周面の展開図であって、外周側から透視した図であり、図19は、広角撮影状態における固定枠2の内周面と駆動枠3の外周面の展開図であって、外周側から透視した図であり、図20は、望遠撮影状態における固定枠2の内周面と駆動枠3の外周面の展開図であって、外周側から透視した図である。
沈胴状態のときには、図18に示すように、主及び補助カムピン32,33はそれぞれ、主及び補助カム溝22,23における第1周方向直線部22c,23cに位置している。
そして、電源がオンとなって、沈胴状態から広角撮影状態となるときには、主及び補助カムピン32,33はそれぞれ、主及び補助カム溝22,23内において、第2湾曲部22d,23d、傾斜直線部22e,23e及び第3湾曲部22f,23fを順に通過して、図19に示すように、第2周方向直線部22g,23gの基端部(即ち、周方向R1側の端部)まで移動する。この第2周方向直線部22g,23gの基端部が広角位置であって、レンズ鏡筒1は最も広角に撮影できる状態となる(図16参照)。
そこから、望遠側にズームレバーが操作されると、主及び補助カムピン32,33はそれぞれ、第2周方向直線部22g,23gを周方向のR2方向へ移動する。主及び補助カムピン32,33はそれぞれ、図20に示すように、第2周方向直線部22g,23gの先端部(即ち、周方向のR2側の端部)まで移動することができる。これら第2周方向直線部22g,23gの先端部が望遠位置であって、レンズ鏡筒1は最も高倍率で撮影できる状態となる(図17参照)。
ここで、主カムピン32は、前述の如く、概略四角錐台状に形成され、4つの稜部のうち対角方向に位置する1組の稜部が湾曲面で構成されている。そのため、主カムピン32が沈胴位置から広角位置に向かって主カム溝22内を移動する際に、第1周方向直線部22cを通過するときには、主カムピン32は、第1側面32a,32aの少なくとも一方が第1周方向直線部22cの側壁に摺接しながら移動する。主カムピン32が第2湾曲部22dに進入すると、主カムピン32は、第1及び第2湾曲面32c,32dが第2湾曲部22dの側壁、特に、第2湾曲面32dが第2湾曲部22dの外周側の側壁に摺接しながら、該第2湾曲部22dに沿って移動する。主カムピン32が傾斜直線部22eに進入すると、主カムピン32は、第1及び第2湾曲面32c,32dの少なくとも一方が傾斜直線部22eの側壁に摺接しながら、該傾斜直線部22eに沿って移動する。主カムピン32が第3湾曲部22fに進入すると、主カムピン32は、第1及び第2湾曲面32c,32dが第3湾曲部22fの側壁、特に、第1湾曲面32cが第3湾曲部22fの外周側の側壁に摺接しながら、該第3湾曲部22fに沿って移動する。主カムピン32が第2周方向直線部22gに進入すると、主カムピン32は、第1側面32a,32aの少なくとも一方が第2周方向直線部22gの側壁に摺接しながら、該第2周方向直線部22gに沿って移動する。
ここで、主カムピン32が傾斜直線部22eから第2周方向直線部22gへ移動するときには、主カムピン32は、第1湾曲面32cが第3湾曲部22fの外周側の側壁に摺接することで、第3湾曲部22fに案内されて、第2周方向直線部22gへ円滑に進入することができる。
例えば、主カムピン32を主カム溝22内で円滑に移動させることだけを考慮すると、主カムピン32を円柱や円錐台で構成することが考えられる。しかし、この場合には、主カムピン32の強度が弱くなり、デジタルカメラ等の落下時に主カムピン32が破損する虞がある。
そこで、主カムピン32の強度を向上させるべく、主カムピン32を横断面が方形の四角柱や四角錐台(又は、4以上の稜部を有する多角柱や多角錐台)で構成することが考えられる。この場合、溝幅が同じだとすると、角部の分だけ断面積を大きくして、主カムピン32の強度を向上させることができる。しかし、このようなカムピンをカム溝内で円滑に移動させるためには、カムピンがその側壁をカム溝の側壁に摺接させながら移動できるように、カム溝を、カムピンの各側面に平行に延びる直線状の溝部を組み合わせて構成する必要がある。
例えば、本実施形態の主カム溝22のような形状のカム溝を形成する場合、カム溝を、傾斜直線部22e及び第2周方向直線部22gだけで構成する、すなわち、第3湾曲部22fを設けることなく、第2周方向直線部22gと傾斜直線部22eとを直接接続する必要がある。それに対応させて、カムピンは、第2周方向直線部22gの両側壁に概略平行な2つの側面と、傾斜直線部22eの両側壁に概略平行な2つの側面からなる、断面平行四辺形の角錐台状に形成される。そして、カムピンが傾斜直線部22e内を移動するときには、カムピンの側面のうち、傾斜直線部22eの両側壁と平行な1組の側面が該傾斜直線部22eの両側面と摺接しながら移動する。また、カムピンが第2周方向直線部22g内を移動するときには、カムピンのもう1組の側面である、該第2周方向直線部22gの両側面と平行な1組の側面が該第2周方向直線部22gの両側面と摺接しながら移動する。ここで、カムピンが、傾斜直線部22eから第2周方向直線部22gに進入するときには、カムピンが第2周方向直線部22gの側壁に衝突し、その後、進行方向を第2周方向直線部22gに沿った方向に変えて移動していくことになる。
このように、カムピンを角錐台状に形成すると、カム溝を角張った形状にせざるを得ない。そうすると、カムピンの進行方向が変わるときに、進入先の溝の側壁に衝突することになる。その結果、ユーザに衝撃を感じさせてしまうと共に、撮影画像に像ブレを生じさせてしまう虞がある。
それに対し、本実施形態では、主カム溝22の直線状の第2周方向直線部22gと傾斜直線部22eとの接続部を湾曲させて第3湾曲部22fとすると共に、主カムピン32の側面のうち第2周方向直線部22gの両側壁と対向する部分を第1側面32a,32aに形成し、主カムピン32の側面のうち第3湾曲部22fの両側壁と対向する部分を第1及び第2湾曲面32c,32dに形成している。このように、主カムピン32の側面の一部を平面で形成することによって、主カムピン32を該平面に内接する内接円を断面とする円柱や円錐台で構成する場合と比較して、主カムピン32の断面積を大きくして強度を向上させることができる。それに加えて、主カムピン32が傾斜直線部22eから第2周方向直線部22gへ進入するときには、主カムピン32は、第1及び第2湾曲面32c,32dが第3湾曲部22fの両側壁に摺接しながら案内される(特に、第1湾曲面32cが第3湾曲部22fの外周側の側壁に摺接しながら案内される)ことで、主カムピン32の進行方向が傾斜直線部22eに沿った方向から第2周方向直線部22gに沿った方向へ緩やかに変更される。これにより、主カムピン32が第2周方向直線部22gに進入したときには、その進行方向は該第2周方向直線部22gに沿った方向を向いている。そのため、主カムピン32が第2周方向直線部22gの側壁に衝突して衝撃を与えることを防止することができる。その結果、主カムピン32が、主カム溝22内を傾斜直線部22eから第2周方向直線部22gへ進入する際に、ユーザに衝撃を感じさせたり、撮影画像に像ブレを生じさせることを防止することができる。
これは、主カムピン32が第2周方向直線部22gから傾斜直線部22eに進入するときも同様である。すなわち、主カムピン32が第2周方向直線部22gから傾斜直線部22eへ進入するときには、主カムピン32は、第1及び第2湾曲面32c,32dが第3湾曲部22fの両側壁に摺接しながら案内される(特に、第1湾曲面32cが第3湾曲部22fの外周側の側壁に摺接しながら案内される)ことで、主カムピン32の進行方向が第2周方向直線部22gに沿った方向から傾斜直線部22eに沿った方向へ緩やかに変更される。その結果、主カムピン32が、主カム溝22内を第2周方向直線部22gから傾斜直線部22eへ進入する際に、ユーザに衝撃を感じさせたり、撮影画像に像ブレを生じさせることを防止することができる。
さらに、傾斜直線部22eには、直線状の第1周方向直線部22cも接続されている。そして、この第1周方向直線部22cと傾斜直線部22eとの接続部を湾曲させて第2湾曲部22dとすると共に、主カムピン32の側面のうち第2湾曲部22dの両側壁と対向する部分を前述の如く、第1及び第2湾曲面32c,32dに形成している。こうすることによって、主カムピン32が、主カム溝22内を第1周方向直線部22cから傾斜直線部22eへ進入する際、および、傾斜直線部22eから第1周方向直線部22cへ進入する際に、ユーザに衝撃を感じさせたり、撮影画像に像ブレを生じさせることを防止することができる。すなわち、主カムピン32が第1周方向直線部22cから傾斜直線部22eへ進入するときには、主カムピン32は、第1及び第2湾曲面32c,32dが第2湾曲部22dの両側壁に摺接しながら案内される(特に、第2湾曲面32dが第2湾曲部22dの外周側の側壁に摺接しながら案内される)ことで、主カムピン32の進行方向が第1周方向直線部22cに沿った方向から傾斜直線部22eに沿った方向へ緩やかに変更される。主カムピン32が傾斜直線部22eから第1周方向直線部22cへ進入するときにも、同様にして、主カムピン32の進行方向が傾斜直線部22eに沿った方向から第1周方向直線部22cに沿った方向へ緩やかに変更される。
このように、主カムピン32及び主カム溝22を前述のように構成することによって、主カムピン32の強度を向上させることができると共に、主カム溝22内における主カムピン32のスムーズな移動を実現できる。
また、主カムピン32の光軸方向後側の部分には、光軸に直交する第3側面32eが形成されていると共に、主カム溝22の側壁のうち、主カムピン32の該第3側面32eと対向する部分には光軸に垂直な垂直面22jが形成されている。これによって、駆動枠3に作用する衝撃を主カムピン32の第3側面32eで受け止めることができる。詳しくは、主カムピン32は、撮影状態においては、主カム溝22の第2周方向直線部22gに位置する。通常時、即ち、駆動枠3に衝撃が作用していないときには、主カムピン32の第1側面32a,32aの両方又は何れかが、主カム溝22のテーパ面22a,22bの両方又は何れかに摺接しており、主カムピン32の第3側面32eと主カム溝22の垂直面22jとの間には隙間がある(設計上は、主カムピン32の第1側面32a,32aの両方が主カム溝22のテーパ面22a,22bの両方に摺接するように設計されているものの、実際上は、第1側面32a,32aの一方だけがテーパ面22a,22bの一方だけに摺接する場合もあり得る)。この状態で、駆動枠3に外方から光軸方向へ衝撃が作用すると、駆動枠3が相対的に光軸後方に移動し、主カムピン32の第3側面32eが主カム溝22の垂直面22jに当接する。こうして、駆動枠3に外方から光軸方向へ衝撃が作用したときには、第3側面32eと垂直面22jとを介して主カムピン32と主カム溝22が面接触することになり、該衝撃を第3側面32e及び垂直面22jで分散して受け止めることができる。また、主カムピン32が主カム溝22の第1周方向直線部22cに位置する沈胴状態においても、主カムピン32の第3側面32eの光軸方向後側に主カム溝22の垂直面22jが位置する。そのため、駆動枠3に作用する衝撃を第3側面32e及び垂直面22jで分散して受け止めることができる。
−原点出し方法−
続いて、レンズ鏡筒1の原点出し方法について図21〜24を参照しながら説明する。図21は、原点のときのレンズ鏡筒1の光軸に平行な断面図であり、図22は、原点のときの固定枠2の内周面と駆動枠3の外周面の展開図であって、外周側から透視した図であり、図23は、駆動枠3が傾斜したときの4群レンズ枠8の遮蔽突起部82と原点フォトセンサ28との関係を示す拡大断面図であり、図24は、カムピンとカム溝との間の溝幅方向の隙間と光軸方向の隙間との関係を説明するための説明図である。
続いて、レンズ鏡筒1の原点出し方法について図21〜24を参照しながら説明する。図21は、原点のときのレンズ鏡筒1の光軸に平行な断面図であり、図22は、原点のときの固定枠2の内周面と駆動枠3の外周面の展開図であって、外周側から透視した図であり、図23は、駆動枠3が傾斜したときの4群レンズ枠8の遮蔽突起部82と原点フォトセンサ28との関係を示す拡大断面図であり、図24は、カムピンとカム溝との間の溝幅方向の隙間と光軸方向の隙間との関係を説明するための説明図である。
レンズ鏡筒1においては、ズームモータ11を作動させることによって、駆動枠3や1群レンズ枠71等の位置を制御している。この場合、駆動枠3等の位置の基準点、即ち、原点が必要になる。すなわち、原点を基準に、ズームモータ11による駆動量を調節することによって、駆動枠3等の位置を正確に制御することができるようになる。そこで、レンズ鏡筒1における原点出しの方法について、以下に説明する。
詳しくは、固定枠2には、図21に示すように、原点フォトセンサ28が取り付けられている。原点フォトセンサ28は、赤外線を発光する発光部と、該発光部と所定間隔を空けて配置されて該発光部からの赤外線を受信する受光部とを有している。この原点フォトセンサ28は、4群レンズ枠8が撮影状態から沈胴状態となるときには、沈胴状態に収まる直前、即ち、4群レンズ枠8が沈胴状態から撮影状態となるときには、沈胴状態から移動を開始した直後のときに、4群レンズ枠8の遮蔽突起部82が原点フォトセンサ28の発光部と受光部との間を横切る位置に設けられている。すなわち、原点フォトセンサ28は、カメラ本体の電源がオンされているときには、常時、発光部から赤外線を発光して、その赤外線を受光部で受光している。そして、4群レンズ枠8が沈胴状態となる直前、及び、4群レンズ枠8が沈胴状態から移動を開始した直後においては、4群レンズ枠8の遮蔽突起部82により発光部が遮蔽されて、受光部は赤外線を受光できなくなる。こうして、原点フォトセンサ28の出力によって、4群レンズ枠8の位置を検出することができる。そして、4群レンズ枠8は、基本的には、フォーカスモータ15で駆動されるものの、沈胴状態となる直前及び、沈胴状態から撮影状態へ移動を開始した直後は、貫通カム枠4のフランジ41により押圧駆動されており、貫通カム枠4と共に移動している。この貫通カム枠4は、駆動枠3に対して光軸方向に移動できないように構成されており、駆動枠3と一体となって光軸方向に移動する。つまり、沈胴状態となる直前及び、沈胴状態から撮影状態へ移動を開始した直後における4群レンズ枠8の移動(即ち、移動量)は、駆動枠3の光軸方向への移動(即ち、移動量)と一致する。
こうして、4群レンズ枠8の遮蔽突起部82により原点フォトセンサ28を横切ったときを駆動枠3の原点としている。そして、原点からズームモータ11をどれだけ駆動するかによって、広角位置、望遠位置及び沈胴位置、さらには、それらの間の任意の位置が決められる。
そして、本実施形態では、原点となるとき、即ち、4群レンズ枠8の遮蔽突起部82が原点フォトセンサ28を横切るときには、図22に示すように、主及び補助カムピン32,33が、主及び補助カム溝22,23のうち第2湾曲部22d,23dに位置するように構成されている。このように、原点のときの主及び補助カムピン32,33の位置を、周方向の移動量に対する光軸方向への移動量の傾きが、傾斜直線部22e,23eの傾きよりも小さい部分、好ましくは、該傾きが1よりも小さい部分に位置させることによって、原点を正確に検出することができる。
つまり、主及び補助カムピン32,33と主及び補助カム溝22,23との間には、多少の隙間があり、駆動枠3と固定枠2との間には多少のがたつきが生じ得る。駆動枠3が固定枠2に対してがたつくと、駆動枠3に支持される貫通カム枠4もがたつく。その結果、原点取得時における4群レンズ枠8の位置もがたつくことになる。特に、レンズ鏡筒1の姿勢によって、即ち、ユーザがデジタルカメラをどのように構えるかによって、駆動枠3は固定枠2に対する状態が変わり、原点の位置が変わる虞がある。例えば、図23(A)に示すように、相対的に下方に位置する主及び補助カムピン32,33が主及び補助カム溝22,23の光軸方向後側の側壁と当接し且つ、図示は省略するが、相対的に上方に位置する主及び補助カムピン32,33が主及び補助カム溝22,23の光軸方向前側の側壁と当接する場合には、駆動枠3の軸心が固定枠2の軸心よりも下方に傾く。そうすると、貫通カム枠4のフランジ41のうち、4群レンズ枠8の延設部81と当接する、比較的下方の部分は、駆動枠3の軸心が固定枠2の軸心と一致するとき(図22参照)と比較して、光軸方向後側に位置することになる。その結果、遮蔽突起部82も光軸方向後方へ移動する。一方、図23(B)に示すように、相対的に下方に位置する主及び補助カムピン32,33が主及び補助カム溝22,23の光軸方向前側の側壁と当接し且つ、図示は省略するが、相対的に上方に位置する主及び補助カムピン32,33が主及び補助カム溝22,23の光軸方向後側の側壁と当接する場合には、駆動枠3の軸心が固定枠2の軸心よりも上方に傾く。そうすると、貫通カム枠4のフランジ41のうち、4群レンズ枠8と当接する、比較的下方の部分は、駆動枠3の軸心が固定枠2の軸心と一致するとき(図22参照)と比較して、光軸方向前側に位置することになる。その結果、遮蔽突起部82も光軸方向前方へ移動する。
このように、主及び補助カムピン32,33と主及び補助カム溝22,23との間に隙間がある以上、駆動枠3の固定枠2に対する位置関係に応じて、4群レンズ枠8の遮蔽突起部82が原点フォトセンサ28を横切るときの駆動枠3の位置はばらつくことになる。
そこで、前述の如く、原点のときには、主及び補助カムピン32,33が主及び補助カム溝22,23の第2湾曲部22d,23dに位置するように構成している。図24を参照しながら、主カムピン32と主カム溝22との関係で説明すると、第2湾曲部22dは、周方向の移動量に対する光軸方向への移動量の傾き(即ち、主カム溝22の側面のうち、主カムピン32との距離が最小の点における接線(図中の一点鎖線)の傾き)が、傾斜直線部22eの傾きよりも小さくなっている。すなわち、主カムピン32を第2湾曲部22dに位置させることによって、図(A)に示すように、主カムピン32と主カム溝22との間の溝幅方向への隙間dが一定であったとしても、主カムピン32を傾斜直線部22eに位置させる場合(図(B)参照)と比較して、主カムピン32と主カム溝22との光軸方向への隙間d1を小さくすることができる。これは、補助カムピン33と補助カム溝23との関係においても同様である。
こうして、主及び補助カムピン32,33と主及び補助カム溝22,23との光軸方向への隙間を小さくすることによって、主及び補助カムピン32,33と主及び補助カム溝22,23とのがたつきに起因する駆動枠3の位置のばらつきを抑制することができる。その結果、原点取得時、即ち、4群レンズ枠8の遮蔽突起部82が原点フォトセンサ28を横切るときの駆動枠3の位置のばらつきを抑制することができ、原点を正確に検出することができる。
−漏光防止構造−
次に、レンズ鏡筒1における漏光防止構造について説明する。
次に、レンズ鏡筒1における漏光防止構造について説明する。
レンズ鏡筒1のように複数の筒部材で構成されているレンズ鏡筒においては、各筒部材の隙間から不要な光が浸入して、撮影に悪影響を与えるのを防止する必要がある。そこで、本実施形態では、以下のような漏光防止構造を採用している。
詳しくは、図15〜17に示すように、直進枠6の内周面には、段差部65が形成され、該段差部65よりも光軸方向前側の部分は内径が相対的に小さい小径部66となる一方、該段差部65よりも光軸方向後側の部分は内径が相対的に大きい大径部67となっている。ただし、大径部67は、直進枠6の内周面の全周に亘って形成されているわけではなく、周方向に間隔を空けて複数の場所に形成されている。尚、大径部67は、直進枠6の内周面の全周に亘って形成してもよい。小径部66には、2群レンズ枠72(図示省略)が配設され、大径部67には、シャッタユニット12及び3群レンズ枠73(図示省略)が配設される。
そして、光軸方向に見たとき、即ち、光軸方向に投影した場合、シャッタユニット12の外形状は、直進枠6の小径部66の外形状よりも大きくなっている。具体的には、シャッタユニット12のケーシング12aの外周面には、直進枠6の大径部67内に入り込む複数の大径部12d,12d,…が周方向に間隔を空けて形成されている。この複数の大径部12d,12d,…は、シャッタユニット12が直進枠6内に配設された状態において、直進枠6の大径部67内に入り込み、小径部66の内周面よりも径方向外方に位置している。これにより、光軸方向前側から、直進枠6と2群レンズ枠72との隙間を通って光が入射したとしても、シャッタユニット12の大径部12d,12d,…によって、該光がそれ以上光軸方向後方へ進むことを遮断することができる。
−4群レンズ枠の詳細構造−
次に、4群レンズ枠8の詳細構造について図13,25を参照しながら説明する。図25は、4群レンズL4のレンズ面における光が入射する領域と撮像面に光が合焦する位置との対応関係を説明する図である。
次に、4群レンズ枠8の詳細構造について図13,25を参照しながら説明する。図25は、4群レンズL4のレンズ面における光が入射する領域と撮像面に光が合焦する位置との対応関係を説明する図である。
本実施形態の4群レンズ枠8は、4群レンズL4を開口させる開口部の形状を、撮像面に応じた形状に形成している。
詳しくは、撮像素子16の撮像面16bは、図25中に一点鎖線で示すように、横長の長方形に形成されている。そして、4群レンズL4のレンズ面において、長方形の撮像面16bに合焦する光が入射するべき領域Aは、図25の実線で囲まれた形状となる。つまり、領域A1に入射した光は、撮像面16bの上辺の中央部P1に合焦し、領域A2に入射した光は、撮像面16bの右上の角部P2に合焦し、領域A3に入射した光は、撮像面16bの右辺の中央部P3に合焦し、領域A4に入射した光は、撮像面16bの右下の角部P4に合焦し、領域A5に入射した光は、撮像面16bの下辺の中央部P5に合焦し、領域A6に入射した光は、撮像面16bの左下の角部P6に合焦し、領域A7に入射した光は、撮像面16bの左辺の中央部P7に合焦し、領域A8に入射した光は、撮像面16bの左上の角部P8に合焦する。このように、レンズ面において、撮像面16bに合焦する光が通過すべき領域は真円とはならない。すなわち、円の上部と下部と両側部とが内方に凹んだ形状をしている。本実施形態では、撮像面16bが横長の長方形であるため、両側部に比べて、上部及び下部の方が大きく凹んでいる。
そこで、4群レンズ枠8のレンズ枠本体80には、図13に示すような、4群レンズL4を開口させるための開口部80bが形成されている。詳しくは、開口部80bは、概略長方形に形成され、その四隅部はR形状となっている。そして、開口部80bの上辺と下辺の中央部には、開口部80bの内方に突出する遮蔽部80c,80cが形成されている。その結果、開口部80bの形状は、レンズ面において、撮像面16bに合焦する光が入射すべき領域と概ね同様の形状となる。こうすることで、撮像面16bに不要な光が入射することを防止することができる。
したがって、本実施形態によれば、主カム溝22の直線状の第2周方向直線部22gと傾斜直線部22eとの接続部を湾曲させて第3湾曲部22fとすると共に、主カムピン32の側面のうち第2周方向直線部22gの両側壁と対向する部分を第1側面32a,32aに形成し、主カムピン32の側面のうち第3湾曲部22fの両側壁と対向する部分を第1及び第2湾曲面32c,32dに形成することによって、主カムピン32の強度を向上させつつ、主カム溝22における主カムピン32のスムーズな移動を実現することができる。その結果、主カムピン32の破損を防止することができると共に、駆動枠3が移動するときにユーザに衝撃を感じさせたり、撮影画像に像ブレを生じさせることを防止することができる。
《その他の実施形態》
本発明は、前記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
本発明は、前記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
すなわち、前記実施形態では、主カムピン32が概略四角錐台に形成されているが、これに限られるものではない。主カムピン32は、概略五角錐台や概略六角錐台のような多角錐台であってもよく、概略四角柱や概略五角柱のような多角柱であってもよい。また、主カムピン32は、対向する1組の稜部が湾曲面で形成されているが、もう1組の稜部が湾曲面で形成されていてもよい。つまり、主カムピン32は、少なくとも、直線状の溝(即ち、第2周方向直線部22gや第1周方向直線部22c)の両側壁と対向する部分が平面に形成されていると共に、湾曲した接続部の両側壁と対向する部分が湾曲面に形成さえている限り、任意の形状を採用することができる。さらに、主カムピン32は、第2溝部に相当する傾斜直線部22eの側壁に沿った、即ち、略平行な側面を有さないが、該傾斜直線部22eの側壁に沿った側面を形成してもよい。例えば、主カムピン32の第1及び第2湾曲面32c,32dの一部に、又は、第1及び第2湾曲面32c,32dの前後に、傾斜直線部22eの側壁に沿った平面上の側面を形成してもよい。
また、主カム溝22の形状も前記の形状に限られるものではない。例えば、第2周方向直線部22gは、第3湾曲部22fを介して傾斜直線部22eが接続されているが、直線状の傾斜直線部22eではなく、湾曲した溝部が、第3湾曲部22fを介して第2周方向直線部22gに接続される構成であってもよい。すなわち、第2周方向直線部22gのような直線状の溝部が設けられると共に、該直線状の溝部に接続される別の溝部との接続部が湾曲している限り、任意の形状を採用することができる。
尚、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、相対的に回転する少なくとも2つの筒部材を備えたレンズ鏡筒について有用である。
1 レンズ鏡筒
2 固定枠(第2筒部材)
22 主カム溝(カム溝)
22e 傾斜直線部(第2溝部)
22f 第3湾曲部(接続部)
22g 第2周方向直線部(第1溝部)
3 駆動枠(第1筒部材)
32 主カムピン(カムピン)
32c 第1湾曲面(湾曲面)
32d 第2湾曲面(湾曲面)
2 固定枠(第2筒部材)
22 主カム溝(カム溝)
22e 傾斜直線部(第2溝部)
22f 第3湾曲部(接続部)
22g 第2周方向直線部(第1溝部)
3 駆動枠(第1筒部材)
32 主カムピン(カムピン)
32c 第1湾曲面(湾曲面)
32d 第2湾曲面(湾曲面)
Claims (4)
- 所定の光軸回りに相対的に回転する第1及び第2筒部材を備えたレンズ鏡筒であって、
前記第1筒部材には、カムピンが設けられ、
前記第2筒部材には、前記カムピンと係合するカム溝が設けられ、
前記カム溝は、直線状に延びる第1溝部と該第1溝部と接続される第2溝部とを有すると共に、該第1溝部と該第2溝部との接続部が湾曲しており、
前記カムピンは、その側面のうち該カムピンが前記第1溝部を通過するときに該第1溝部の両側壁と対向する部分が、平面に形成されていると共に、その側面のうち該カムピンが前記接続部を通過するときに該接続部の両側壁と対向する部分が、湾曲面に形成されているレンズ鏡筒。 - 請求項1に記載のレンズ鏡筒において、
前記カムピンは、先細状に形成されていると共に、その側面の一部が前記光軸に直交する平面に形成されており、
前記第1溝部は、前記第2筒部材の周方向に延びていると共に、その両側壁が溝底に向かって溝幅が狭くなるように傾斜しており、
前記第1溝部の側壁のうち、前記カムピンの前記光軸に直交する平面と対向する部分は、前記光軸に直交する平面に形成されていることを特徴とするレンズ鏡筒。 - 請求項1に記載のレンズ鏡筒において、
前記第2溝部は、直線状に延びる溝であるレンズ鏡筒。 - 請求項1に記載のレンズ鏡筒において、
前記カムピンは、前記第1溝部の両側壁とそれぞれ対向する平面状の1対の側面を有する四角錐台状又は四角柱状に形成され、対向する1対の稜部が湾曲面で形成されているレンズ鏡筒。
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