JP2010204163A - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】加圧ローラのローラ部の両端部のエッジが定着ベルトへ与える機械的応力を低減し、定着ベルトの寿命を長くすることができる定着装置および画像形成装置を提供する。
【解決手段】定着ベルト58と加圧ローラ59は、(定着ベルト58の幅)>(加圧ローラ59のローラ部59aの軸方向長軸長)の関係を有している。加圧ローラ59のローラ部59aの両端部には、それぞれベルト形状維持コロ68a,68bが同軸で設けられている。加圧ローラ59のローラ部59aとベルト形状維持コロ68a,68bとを合わせた軸方向長は、定着ベルト58の幅より長い。そして、定着ベルト58の外周表面の転がり摩擦係数をμ1とし、加圧ローラ59のローラ部59aの外周表面の転がり摩擦係数をμ2とし、ベルト形状維持コロ68a,68bの外周表面の転がり摩擦係数をμ3とし、ベルトガイド部材63の定着ベルト摺接面の転がり摩擦係数をμ4としたとき、μ2>μ1≧μ3>μ4の関係が成立するように設定されている。
【選択図】図2
【解決手段】定着ベルト58と加圧ローラ59は、(定着ベルト58の幅)>(加圧ローラ59のローラ部59aの軸方向長軸長)の関係を有している。加圧ローラ59のローラ部59aの両端部には、それぞれベルト形状維持コロ68a,68bが同軸で設けられている。加圧ローラ59のローラ部59aとベルト形状維持コロ68a,68bとを合わせた軸方向長は、定着ベルト58の幅より長い。そして、定着ベルト58の外周表面の転がり摩擦係数をμ1とし、加圧ローラ59のローラ部59aの外周表面の転がり摩擦係数をμ2とし、ベルト形状維持コロ68a,68bの外周表面の転がり摩擦係数をμ3とし、ベルトガイド部材63の定着ベルト摺接面の転がり摩擦係数をμ4としたとき、μ2>μ1≧μ3>μ4の関係が成立するように設定されている。
【選択図】図2
Description
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタなどの定着装置および画像形成装置に関する。
近年、プリンタや複写機などの画像形成装置には省エネルギーの観点から、さらなるウォームアップ時間の短縮化が求められている。それを達成するため、特許文献1に記載のように、定着装置の加熱部材に薄肉の定着ベルトを用いて熱容量を下げる構成が主流となっている。
図4は、一般的な薄肉の定着ベルト80を用いた定着装置の定着ベルト80端部の拡大概略構成図である。定着ベルト80内には、ベルトガイド部材82、加圧ばね85によってベルトガイド部材82に圧力をかけるバックアップ部材84、ハロゲンヒータ(図示せず)が設けられている。定着ベルト80は、加圧ローラ88と圧接することで定着ニップ部Nを形成する。定着ベルト80の幅は加圧ローラ88のローラ部の軸方向長より長く、かつ、定着ベルト80の両端部にそれぞれ定着ベルト80の端部を規制するための規制部材86が設けられている。
しかしながら、定着ベルト80の幅が加圧ローラ88のローラ部の軸方向長より長いため、定着ベルト80は、加圧ローラ88に押圧されている部分は歪み、加圧ローラ88に押圧されていない部分は元の形状を維持する。このため、加圧ローラ88のローラ部の端部のエッジ88aの外側付近では、定着ベルト80は元の形状に戻ろうとし、この部分で定着ベルト80に対して繰り返し応力による負荷が加えられ、定着ベルト80が破損する場合があった。
それゆえに、本発明の主たる目的は、加圧ローラのローラ部の両端部のエッジが定着ベルトへ与える機械的応力を低減し、定着ベルトの寿命を長くすることができる定着装置および画像形成装置を提供することである。
請求項1に係る発明は、画像を担持した記録材を、定着ベルトと加圧ローラの圧接で形成されるニップ部で挟持搬送させて加熱する定着装置であって、定着ベルトと加圧ローラが、(定着ベルトの幅)>(加圧ローラのローラ部の軸方向長)の関係を有し、かつ、加圧ローラのローラ部の両端部にそれぞれベルト形状維持コロが設けられていることを特徴とする、定着装置である。
請求項1の発明では、加圧ローラのローラ部の両端部にそれぞれベルト形状維持コロが設けられているため、加圧ローラのローラ部の端部において定着ベルトはベルト形状維持コロと圧接し、ベルト形状維持コロに押圧される。これにより、定着ベルトは、ベルト形状維持コロに押圧されている部分が、加圧ローラのローラ部に押圧されている部分と同様に歪み、加圧ローラのローラ部の両端部のエッジが定着ベルトへ与える機械的応力が低減する。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明に従属する発明であって、ベルト形状維持コロの硬度が加圧ローラのローラ部の硬度より相対的に低いことを特徴とする、定着装置である。
請求項2の発明では、ベルト形状維持コロの硬度が加圧ローラのローラ部の硬度より相対的に低いため、加圧ローラのローラ部の両端部の変形量と比べてベルト形状維持コロの変形量の方が相対的に大きくなる。従って、ベルト形状維持コロに押圧されている部分の定着ベルトの変形量が、加圧ローラのローラ部に押圧されている部分の定着ベルトの変形量より相対的に小さくなり、定着ベルトの端部へ負荷される機械的応力が低減する。
また、請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に係る発明に従属する発明であって、定着ベルト内には、バックアップ部材にて圧力をかけられたベルトガイド部材が設けられ、前記定着ベルトの外周表面の転がり摩擦係数μ1、前記加圧ローラのローラ部の外周表面の転がり摩擦係数μ2、前記ベルト形状維持コロの外周表面の転がり摩擦係数μ3および前記ベルトガイド部材の定着ベルト摺接面の転がり摩擦係数μ4が、μ2>μ1≧μ3>μ4の関係であることを特徴とする、定着装置である。
請求項3の発明では、定着ベルトの外周表面の転がり摩擦係数μ1、加圧ローラのローラ部の外周表面の転がり摩擦係数μ2、ベルト形状維持コロの外周表面の転がり摩擦係数μ3およびベルトガイド部材の定着ベルト摺接面の転がり摩擦係数μ4が、μ2>μ1≧μ3>μ4の関係であるため、ベルト形状維持コロやベルトガイド部材と定着ベルトとの間の摺動性能が高く、ベルト形状維持コロやベルトガイド部材が定着ベルトの駆動に対して負荷にならない。
また、請求項4に係る発明は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の定着装置を備えたことを特徴とする、画像形成装置である。
請求項4の発明では、加圧ローラのローラ部の両端部のエッジが定着ベルトへ与える機械的応力を低減し、定着ベルトの寿命を長くすることができる画像形成装置が得られる。
本発明によれば、加圧ローラのローラ部の両端部にそれぞれベルト形状維持コロが設けられているので、定着ベルトは、ベルト形状維持コロに押圧されている部分が、加圧ローラのローラ部に押圧されている部分と同様に歪み、加圧ローラのローラ部の両端部のエッジが定着ベルトへ与える機械的応力を低減できる。この結果、加圧ローラのローラ部の両端部のエッジが定着ベルトへ与える機械的応力を低減し、定着ベルトの寿命を長くすることができる定着装置や画像形成装置が得られる。
本発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明を実施するための最良の形態の説明から一層明らかとなろう。
図1は本発明に係る定着装置を備えた画像形成装置1を示す概略構成図である。
感光体ドラム24は駆動手段によって図示矢印の時計回り方向に所定速度で駆動される。感光体ドラム24の外周近傍には、帯電器32、現像器22、転写ローラ23、摺擦部材30が設けられている。感光体ドラム24は帯電器32にて表面が帯電される。感光体ドラム24の回転方向における帯電器32の下流側には、レーザースキャニングユニット26が配置されている。レーザースキャニングユニット26から放射されたレーザ光Lは、反射ミラー28を介して感光体ドラム24上に照射され、静電潜像が形成される。
レーザースキャニングユニット26の下流側には、現像器22が配置されている。現像器22は、ブラックのトナーを感光体ドラム24に付与するためのものである。現像器22に対して、トナーカートリッジ20が配設されている。
現像器22の下流側には、転写ローラ23が配置されている。さらに、転写ローラ23の下流側には、感光体ドラム24に残ったトナーを除去するための摺擦部材30が配置されている。
一方、ピックアップローラ42はブラックトナー像と同期して給紙カセット2から被記録材としての用紙Pを引き出し、分離ローラ18と給紙ローラ44とを介して給紙する。用紙Pには感光体ドラム24上に形成されたトナー像が転写され、定着装置46に搬入される。トナー画像を転写された用紙Pは、定着装置46で定着され、印刷物として機外に排出されて排紙トレイ50上に積載される。
次に、定着装置46について、図2および図3を参照して説明する。図2は定着装置46の概略正面図であり、図3はその横断面概略構成図である。定着装置46は定着ベルト58と加圧ローラ59を備え、両者の圧接により定着ニップ部Nを形成させる。そして、定着ベルト58と加圧ローラ59の圧接で形成される定着ニップ部Nで、トナー画像を転写された用紙Pを挟持搬送させて加熱する。定着ベルト58と加圧ローラ59は、(定着ベルト58の幅)>(加圧ローラ59のローラ部(後述の弾性層59a)の軸方向長)の関係を有している。定着ベルト58の両端部にはそれぞれ、定着ベルト58の端部を規制するための規制部材66a,66bが設けられている。
定着ベルト58内には、加熱源61a,61bであるハロゲンやカーボンなどのヒータと、バックアップ部材62と、ベルトガイド部材63とが設けられている。加熱源61a,61bによって定着ベルト58が加熱される。定着ベルト58は、円筒状に成型された基材(SUS、Niなどからなる30〜50μmの金属層)の外周面に、弾性層として厚さが200〜500μmのシリコーンゴム層を設け、更に外側にPTFEやPFAなどのフッ素系樹脂からなる30μmの離型層を被覆したものである。定着ベルト58の厚さを薄くすることにより、定着ベルト58の熱容量を最小限に抑えている。
ベルトガイド部材63にはSUSなどの金属が基材として用いられ、基材厚を2mm以上にして機械的強度を確保している。ベルトガイド部材63は、定着ベルト58の走行をガイドするため横断面円弧状樋型の形状を採用し、定着ニップ部Nの幅を増大できるとともに、定着ニップ部Nの形状を上側に凸状にでき、加圧ローラ59の外周形状に合わせることができる。ベルトガイド部材63の定着ベルト58に摺接する摺接面の表面には、定着ベルト58との摺動を高めるために、カーボンなどのコーティング層が形成されたり、フッ素樹脂処理されたガラスクロス層が貼付されたり、潤滑剤としてフッ素グリスなどが塗布されたりしている。定着ベルト58はベルトガイド部材63にルーズに外嵌されている。
バックアップ部材62は加圧ばね64a,64bによってベルトガイド部材63に圧力をかけるものであり、バックアップ部材62にはSUSなどの金属が用いられている。バックアップ部材62やベルトガイド部材63の表面には、加熱源61a,61bの輻射熱を反射するようにアルミなどの皮膜が形成され、部材62,63の温度上昇を抑制するとともに、定着ベルト58の昇温特性を改善している。
加圧ローラ59は、軸芯60にローラ部を構成する弾性層59aを外嵌したものである。弾性層59aの材料としてはシリコーンゴムなどが用いられる。弾性層59aのゴム硬度は汎用硬度である40〜50度(アスカーC)が好ましい。
加圧ローラ59のローラ部(弾性層)59aの両端部には、それぞれベルト形状維持コロ68a,68bが同軸で設けられている。加圧ローラ59のローラ部59aとベルト形状維持コロ68a,68bとを合わせた軸方向長は、定着ベルト58の幅より長く、定着ベルト58がいずれかの側に蛇行しても、定着ベルト58の形状が維持できるようになっている。加圧ローラ59は、軸芯60の一方の端部に設けられた駆動ギア70に連結したモータ(図示せず)によって回転駆動される。ベルト形状維持コロ68a,68bの材料としては、加圧ローラ59より硬度が相対的に低くなるように、シリコーンゴムやスポンジの表面にフッ素系の低転がり摩擦係数を有した膜が形成されている。そして、定着ベルト58の外周表面の転がり摩擦係数をμ1とし、加圧ローラ59のローラ部59aの外周表面の転がり摩擦係数をμ2とし、ベルト形状維持コロ68a,68bの外周表面の転がり摩擦係数をμ3とし、ベルトガイド部材63の定着ベルト摺接面の転がり摩擦係数をμ4としたとき、μ2>μ1≧μ3>μ4の関係が成立するように設定されている。
以上の構成からなる定着装置46は、加圧ローラ59のローラ部59aの端部において定着ベルト58はベルト形状維持コロ68a,68bと圧接し、ベルト形状維持コロ68a,68bに押圧される。これにより、定着ベルト58は、ベルト形状維持コロ68a,68bに押圧されている部分が、加圧ローラ59のローラ部59aに押圧されている部分と同様に歪み、加圧ローラ59のローラ部59aの両端部のエッジが定着ベルト58へ与える機械的応力を低減することができる。
このとき、ベルト形状維持コロ68a,68bの硬度が加圧ローラ59のローラ部59aの硬度より相対的に低く設定されているので、加圧ローラ59のローラ部59aの両端部の変形量と比べてベルト形状維持コロ68a,68bの変形量の方が相対的に大きくなる。従って、ベルト形状維持コロ68a,68bに押圧されている部分の定着ベルト58の変形量が、加圧ローラ59のローラ部59aに押圧されている部分の定着ベルト58の変形量より相対的に小さくなり、定着ベルト58の端部へ負荷される機械的応力がより一層低減される。
また、ベルト形状維持コロ68a,68bの外周表面と定着ベルト58の端部の外周表面とが摺接し続け、ベルト形状維持コロ68a,68bの外周表面とベルトガイド部材63のベルト形状維持コロ摺接面とが摺接し続ける。定着ベルト58の外周表面の転がり摩擦係数μ1、加圧ローラ59のローラ部59aの外周表面の転がり摩擦係数μ2、ベルト形状維持コロ68a,68bの外周表面の転がり摩擦係数μ3およびベルトガイド部材63の定着ベルト摺接面の転がり摩擦係数μ4が、μ2>μ1≧μ3>μ4の関係であるので、ベルト形状維持コロ68a,68bとベルトガイド部材63との間の摺動性能が高く、かつ、ベルト形状維持コロ68a,68bやベルトガイド部材63と定着ベルト58との間の摺動性能が高くなり、ベルト形状維持コロ68a,68bやベルトガイド部材63が定着ベルト58の駆動に対して負荷にならないようにすることができる。
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々に変形される。
1 画像形成装置
46 定着装置
58 定着ベルト
59 加圧ローラ
59a 弾性層(ローラ部)
62 バックアップ部材
63 ベルトガイド部材
68a,68b ベルト形状維持コロ
N 定着ニップ部
46 定着装置
58 定着ベルト
59 加圧ローラ
59a 弾性層(ローラ部)
62 バックアップ部材
63 ベルトガイド部材
68a,68b ベルト形状維持コロ
N 定着ニップ部
Claims (4)
- 画像を担持した記録材を、定着ベルトと加圧ローラの圧接で形成されるニップ部で挟持搬送させて加熱する定着装置であって、
前記定着ベルトと前記加圧ローラが、(前記定着ベルトの幅)>(前記加圧ローラのローラ部の軸方向長)の関係を有し、かつ、前記加圧ローラのローラ部の両端部にそれぞれベルト形状維持コロが設けられていることを特徴とする、定着装置。 - 前記ベルト形状維持コロの硬度が前記加圧ローラのローラ部の硬度より相対的に低いことを特徴とする、請求項1に記載の定着装置。
- 前記定着ベルト内には、バックアップ部材にて圧力をかけられたベルトガイド部材が設けられ、前記定着ベルトの外周表面の転がり摩擦係数μ1、前記加圧ローラのローラ部の外周表面の転がり摩擦係数μ2、前記ベルト形状維持コロの外周表面の転がり摩擦係数μ3および前記ベルトガイド部材の定着ベルト摺接面の転がり摩擦係数μ4が、μ2>μ1≧μ3>μ4の関係であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の定着装置。
- 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の定着装置を備えたことを特徴とする、画像形成装置。
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---|---|---|---|
JP2009046582A JP2010204163A (ja) | 2009-02-27 | 2009-02-27 | 定着装置および画像形成装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US9811031B2 (en) | 2012-01-11 | 2017-11-07 | Ricoh Company, Ltd. | Fixing device capable of enhancing durability of endless belt and image forming apparatus incorporating the same |
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2009
- 2009-02-27 JP JP2009046582A patent/JP2010204163A/ja active Pending
Cited By (2)
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US9811031B2 (en) | 2012-01-11 | 2017-11-07 | Ricoh Company, Ltd. | Fixing device capable of enhancing durability of endless belt and image forming apparatus incorporating the same |
US10935911B2 (en) | 2012-01-11 | 2021-03-02 | Ricoh Company, Ltd. | Fixing device capable of enhancing durability of endless belt and image forming apparatus incorporating the same |
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