JP2010202957A - 炭素膜、炭素膜の製造方法及びcmpパッドコンディショナー - Google Patents
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Abstract
【課題】ノジュールの発生を抑制し、品質が安定して確保される炭素膜、炭素膜の製造方法及びCMPパッドコンディショナーを提供する。
【解決手段】基材1を被覆する炭素膜2であって、平均粒径が200nmを超えるダイヤモンド粒子からなる第1炭素膜11と、平均粒径が200nm以下のダイヤモンド粒子又はDLCからなる第2炭素膜12と、を備え、前記第1、第2炭素膜11、12が、前記基材1側からこの順に形成されていることを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】基材1を被覆する炭素膜2であって、平均粒径が200nmを超えるダイヤモンド粒子からなる第1炭素膜11と、平均粒径が200nm以下のダイヤモンド粒子又はDLCからなる第2炭素膜12と、を備え、前記第1、第2炭素膜11、12が、前記基材1側からこの順に形成されていることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、工具や部材等を被覆する炭素膜、炭素膜の製造方法、及び、この炭素膜を用いたCMPパッドコンディショナーに関する。
近年、化学気相蒸着(CVD)法により、基材に種々の薄膜を形成し利用する技術が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
また、このようなCVD法により、ダイヤモンド粒子やDLC(ダイヤモンドライクカーボン)からなる炭素膜を、電子デバイスや工具等に利用する研究が活発に行われている。すなわち、前記炭素膜を工具や部材等に成膜することによって、これらの工具や部材等に求められる耐摩耗性、硬さ、剛性等の力学的特性に対応するようにしている。
また、このようなCVD法により、ダイヤモンド粒子やDLC(ダイヤモンドライクカーボン)からなる炭素膜を、電子デバイスや工具等に利用する研究が活発に行われている。すなわち、前記炭素膜を工具や部材等に成膜することによって、これらの工具や部材等に求められる耐摩耗性、硬さ、剛性等の力学的特性に対応するようにしている。
一方、半導体産業の進展とともに、金属、半導体、セラミックスなどの表面を高精度に仕上げる加工の必要性が高まっており、特に、半導体ウェーハでは、その集積度の向上とともにナノメーターオーダーの表面仕上げが要求されている。このような高精度の表面仕上げに対応するために、半導体ウェーハに対して、多孔性のCMPパッドを用いたCMP(ケミカルメカニカルポリッシュ)研磨が一般に行われている。
半導体ウェーハ等の研磨加工に用いられるCMPパッドは、研磨時間が経過していくにつれ目詰まりや圧縮変形を生じ、その表面状態が次第に変化していく。すると、研磨速度の低下や不均一研磨等の好ましくない現象が生じるので、CMPパッドコンディショナーを用い、CMPパッドの表面を研削加工することにより、CMPパッドの表面状態を一定に保って、良好な研磨状態を維持する工夫が行われている。
このようなCMPパッドコンディショナーは、例えば、円板状の基板(基材)と、この基板のCMPパッド側を向く表面に形成された複数の切刃とを有している。そして、これらの切刃を、CVD法を用い、ダイヤモンド粒子からなる前記炭素膜で被覆することによって、鋭い切れ味や耐摩耗性を確保するようにしている。
また、前記炭素膜が、平均粒径200nm以下のダイヤモンド粒子、すなわち、所謂ナノクリスタルダイヤモンドや、前記DLCで形成される場合、炭素膜の表面が比較的滑らかに形成されるので、切刃を高精度に形成できる。また、前記ナノクリスタルダイヤモンドや前記DLCからなる炭素膜は、CMPパッドコンディショナー以外の、摺動特性を必要とする工具や部材等にも用いられる。
ところで、CVD法を用いて基材に薄膜を形成した際、該薄膜の表面に、ノジュールと呼ばれる瘤状の隆起部が形成されることがある。すなわち、平滑に形成すべき前記表面に、意図しないノジュールがその周辺部よりも突出して形成され、薄膜の品質を低下させることがあった。前述のCMPパッドコンディショナーにおいては、前記ノジュールが形成されると、CMPパッドに対する研削性能が安定しなくなるという問題が生じる。また、前記炭素膜として、前記ナノクリスタルダイヤモンドや前記DLCを用いた場合には、このようなノジュールが数多く発生していた。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、ノジュールの発生を抑制し、品質が安定して確保される炭素膜、炭素膜の製造方法及びCMPパッドコンディショナーを提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提案している。
すなわち、本発明は、基材を被覆する炭素膜であって、平均粒径が200nmを超えるダイヤモンド粒子からなる第1炭素膜と、平均粒径が200nm以下のダイヤモンド粒子又はDLCからなる第2炭素膜と、を備え、前記第1、第2炭素膜が、前記基材側からこの順に形成されていることを特徴とする。
すなわち、本発明は、基材を被覆する炭素膜であって、平均粒径が200nmを超えるダイヤモンド粒子からなる第1炭素膜と、平均粒径が200nm以下のダイヤモンド粒子又はDLCからなる第2炭素膜と、を備え、前記第1、第2炭素膜が、前記基材側からこの順に形成されていることを特徴とする。
本発明に係る炭素膜によれば、平均粒径が200nmを超えるダイヤモンド粒子からなる第1炭素膜と、平均粒径が200nm以下のダイヤモンド粒子、すなわち、所謂ナノクリスタルダイヤモンド、又は、DLC(Diamond−Like Carbon)からなる第2炭素膜とが、基材側からこの順に形成されているので、ノジュールの発生が確実に抑制される。尚、前記DLCとは、主として炭化水素、或いは、炭素の同素体からなる非晶質(アモルファス)の硬質炭素膜を示す。
詳しくは、一般に、前記ノジュールは、基材に炭素膜を成膜する初期の段階で生成され、基材と炭素膜との界面において核を中心に成長するが、本発明の発明者は、このような炭素膜について鋭意研究を重ねた結果、炭素膜のうち、平均粒径が200nmを超えるダイヤモンド粒子からなる第1炭素膜を基材に直接成膜した場合には、その発生頻度が大幅に低減されるという知見を得るに至った。
すなわち、炭素膜のうち、比較的粒径の小さいダイヤモンド粒子からなる前記ナノクリスタルダイヤモンドや、SP3結合及びSP2結合の混在するアモルファスの前記DLCにおいては、その結晶構造が比較的無秩序であることから、基材に直接成膜した場合に、ノジュールの成長が助長され、ノジュールが数多く発生する。特に、前記DLCにおいては、このようなノジュールの発生が顕著に見受けられる。これに対比して、本発明に係る前記第1炭素膜は、SP3結合の比較的粒径の大きいダイヤモンド粒子からなり、結晶構造が秩序立っていることから、基材に直接成膜した際、ノジュールの発生や成長が確実に抑制される。従って、炭素膜の品質が安定して確保される。
また、炭素膜の表層をなす第2炭素膜が、前記ナノクリスタルダイヤモンド又は前記DLCからなるので、該炭素膜の表面が比較的滑らかに形成される。従って、この炭素膜に被覆される工具や部材等の形状が、高精度に形成される。また、この炭素膜は表面が滑りやすくされていることから、例えば、摺動特性を必要とする工具や部材等にも用いることができる。
また、この第2炭素膜は、同種の元素からなる第1炭素膜に成膜されているので、第1炭素膜と第2炭素膜との界面にノジュールが発生するようなことが確実に防止される。
また、この第2炭素膜は、同種の元素からなる第1炭素膜に成膜されているので、第1炭素膜と第2炭素膜との界面にノジュールが発生するようなことが確実に防止される。
また、本発明に係る炭素膜において、前記第1炭素膜の膜厚が、3〜8μmの範囲内に設定されていることとしてもよい。
本発明に係る炭素膜によれば、第1炭素膜の膜厚が3〜8μmの範囲内に設定されているので、第1炭素膜が、均一に精度よく形成される。すなわち、前記膜厚が3μm未満に設定された場合には、膜厚が安定しなかったり空隙が形成されたりして、均一に成膜できないことがある。また、前記膜厚が8μmを超えて設定された場合には、該第1炭素膜内のダイヤモンド粒子の平均粒径が大きくなり過ぎて、所望の表面粗さや機械的強度を有する炭素膜を得られなくなることがある。
また、本発明は、前述した炭素膜の製造方法であって、CVD法により、前記第1、第2炭素膜を連続して成膜することを特徴とする。
本発明に係る炭素膜の製造方法によれば、CVD法により、第1、第2炭素膜を連続して成膜することから、例えば、これらの第1、第2炭素膜を、同一の反応容器内で成膜できる。従って、炭素膜を比較的容易に、かつ、精度よく形成できる。
また、本発明は、基材に形成された切刃を用いて、前記基材に対向配置されたCMPパッドに研削加工を施すCMPパッドコンディショナーであって、前記切刃が炭素膜で被覆され、この炭素膜として、前述の炭素膜を用いたことを特徴としている。
本発明に係るCMPパッドコンディショナーによれば、前述の炭素膜を用いて基材の切刃を被覆しているので、切刃を精度よく形成できる。従って、CMPパッドコンディショナーのCMPパッドに対する研削性能が安定して確保される。
本発明に係る炭素膜によれば、ノジュールの発生が抑制され、品質が安定して確保される。
また、本発明に係る炭素膜の製造方法によれば、このような炭素膜を比較的容易かつ高精度に製造することができる。
また、本発明に係るCMPパッドコンディショナーによれば、前述の炭素膜で切刃が被覆されるので、CMPパッドを精度よく安定して研削加工できる。
また、本発明に係る炭素膜の製造方法によれば、このような炭素膜を比較的容易かつ高精度に製造することができる。
また、本発明に係るCMPパッドコンディショナーによれば、前述の炭素膜で切刃が被覆されるので、CMPパッドを精度よく安定して研削加工できる。
本実施形態のCMPパッドコンディショナー10は、円板状又は円環板状をなし、その中心軸周りに回転する基板(基材)1と、この基板1に形成された複数の切刃(不図示)とを有し、これらの切刃を用いて、基板1に対向配置されたCMPパッドに研削加工を施すものである。また、これらの切刃は、例えば、多角錐状、多角柱状、円錐状又は切頭円錐状等をなし、基板1において前記CMPパッド側を向く表面から突出して形成されている。また、CMPパッドは、半導体ウェーハに対して研磨加工を施す。
基板1は、炭化珪素(SiC)や窒化珪素(Si3N4)等のセラミックス材料からなり、図1に示すように、基板1のCMPパッド側を向く表面1Aは、炭素膜2で被覆されている。また、図示しないが、表面1Aに形成された前記切刃も炭素膜2で被覆されている。
また、炭素膜2は、基板1の表面1Aに、第1炭素膜11及び第2炭素膜12を順次積層するように形成されている。
第1炭素膜11は、基板1の表面1Aに成膜され、SP3結合のダイヤモンド粒子からなる。詳しくは、第1炭素膜11は、平均粒径が200nmを超える比較的粒径の大きい共有結合のダイヤモンド粒子からなる。また、第1炭素膜11は、ラマンシフトスペクトルにおいて1332cm−1付近に特徴的なピークを有する。また、第1炭素膜11の膜厚は、3〜8μmの範囲内に設定される。
第1炭素膜11は、基板1の表面1Aに成膜され、SP3結合のダイヤモンド粒子からなる。詳しくは、第1炭素膜11は、平均粒径が200nmを超える比較的粒径の大きい共有結合のダイヤモンド粒子からなる。また、第1炭素膜11は、ラマンシフトスペクトルにおいて1332cm−1付近に特徴的なピークを有する。また、第1炭素膜11の膜厚は、3〜8μmの範囲内に設定される。
また、第2炭素膜12は、第1炭素膜11においてCMPパッド側を向く表面11Aに成膜され、平均粒径が200nm以下に設定されたダイヤモンド粒子、すなわち、所謂ナノクリスタルダイヤモンドからなる。また、第2炭素膜12は、ラマンシフトスペクトルにおいて1150cm−1付近に特徴的なピークを有する。また、第2炭素膜12は、炭素膜2の表層をなしている。
次に、このCMPパッドコンディショナー10を製造する手順について説明する。
まず、基板1を用意する。尚、基板1の表面1Aには、予め前記切刃に対応する形状を付与しておく。
まず、基板1を用意する。尚、基板1の表面1Aには、予め前記切刃に対応する形状を付与しておく。
次いで、この基板1の表面1Aに、種結晶のダイヤモンド粉末を付着させる。詳しくは、種結晶としてダイヤモンド微粒子からなるダイヤモンド粉末を用い、該ダイヤモンド粉末を、表面1Aに塗布等によって分散させ均一に付着させる。
次いで、気相合成法熱フィラメント炉からなる反応容器を用い、CVD法により、第1、第2炭素膜11、12をこの順に連続して成膜する。詳しくは、同一の反応容器内において、まず、メタン(CH4)濃度:1%程度の設定で第1炭素膜11を成膜し、次に、CH4濃度:3.5%程度の設定で第2炭素膜12を成膜し、炭素膜2を形成する。
このようにして、CMPパッドコンディショナー10が製造される。
このようにして、CMPパッドコンディショナー10が製造される。
以上説明したように、本実施形態に係るCMPパッドコンディショナー10によれば、基板1の表面1Aに、平均粒径が200nmを超えるダイヤモンド粒子からなる第1炭素膜11と、前記ナノクリスタルダイヤモンドからなる第2炭素膜12と、が順次成膜され、炭素膜2が形成されているので、該炭素膜2に前記ノジュールが形成されるようなことが確実に抑制される。
詳しくは、一般に、前記ノジュールは、基板1に炭素膜を成膜する初期の段階で生成され、基板1と炭素膜との界面において核を中心に成長するが、本実施形態では、炭素膜のうち、平均粒径が200nmを超えるダイヤモンド粒子からなる第1炭素膜11を、基板1に直接成膜しているので、このようなノジュールの発生や成長が大幅に低減される。
すなわち、炭素膜のうち、比較的粒径の小さいダイヤモンド粒子からなる前記ナノクリスタルダイヤモンドや、SP3結合及びSP2結合の混在するアモルファスのDLCにおいては、その結晶構造が比較的無秩序であることから、基板1に直接成膜した場合に、ノジュールの成長が助長され、ノジュールが数多く発生する。特に、前記DLCにおいては、ノジュールの発生が顕著に見受けられる。これに対比して、本実施形態における第1炭素膜11は、SP3結合の比較的粒径の大きいダイヤモンド粒子からなり、結晶構造が秩序立っていることから、基板1に直接成膜した際、ノジュールの発生や成長が確実に抑制される。従って、炭素膜2の品質が安定して確保される。
また、炭素膜2の表層をなす第2炭素膜12が、前記ナノクリスタルダイヤモンドからなるので、該炭素膜2のCMPパッド側を向く表面が比較的滑らかに形成される。従って、この炭素膜2に被覆される前記切刃が、高精度に形成される。
また、この第2炭素膜12は、同種の元素からなる第1炭素膜11に成膜されているので、第1炭素膜11と第2炭素膜12との界面にノジュールが発生するようなことが確実に防止される。
また、この第2炭素膜12は、同種の元素からなる第1炭素膜11に成膜されているので、第1炭素膜11と第2炭素膜12との界面にノジュールが発生するようなことが確実に防止される。
また、第1炭素膜11の膜厚が3〜8μmの範囲内に設定されているので、第1炭素膜11が、均一に精度よく形成される。すなわち、前記膜厚が3μm未満に設定された場合には、膜厚が安定しなかったり空隙が形成されたりして、均一に成膜できないことがある。また、前記膜厚が8μmを超えて設定された場合には、この第1炭素膜11内のダイヤモンド粒子の平均粒径が大きくなり過ぎて、所望の表面粗さや機械的強度を有する炭素膜2を得られなくなることがある。
また、本実施形態に係る炭素膜2の製造方法によれば、CVD法により、第1、第2炭素膜11、12を連続して成膜することから、これらの第1、第2炭素膜11、12を、同一の反応容器内で成膜できる。従って、炭素膜2を比較的容易に、かつ、精度よく形成できる。
また、基板1の表面1Aに、種結晶のダイヤモンド粉末を付着させた後、第1炭素膜11を成膜するので、表面1Aに分散されたダイヤモンド粉末が核となり、第1炭素膜11が比較的早期に成長するとともに、該表面1Aに精度よく均一に形成される。
また、このCMPパッドコンディショナー10は、前述の炭素膜2を用いて基板1の切刃を被覆しているので、切刃の切れ味が安定して確保される。従って、CMPパッドコンディショナー10のCMPパッドに対する研削性能が安定する。
尚、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、本実施形態では、炭素膜2をCMPパッドコンディショナー10に用いることとしたが、これに限定されるものではない。すなわち、この炭素膜2を、ドリル、エンドミル、バイト等の切削工具に用いたり、電子デバイス等の部材に用いたりしてもよい。また、炭素膜2は表面が滑りやすくされていることから、CMPパッドコンディショナー10以外の、摺動特性を必要とする工具や部材等にも用いることができる。
例えば、本実施形態では、炭素膜2をCMPパッドコンディショナー10に用いることとしたが、これに限定されるものではない。すなわち、この炭素膜2を、ドリル、エンドミル、バイト等の切削工具に用いたり、電子デバイス等の部材に用いたりしてもよい。また、炭素膜2は表面が滑りやすくされていることから、CMPパッドコンディショナー10以外の、摺動特性を必要とする工具や部材等にも用いることができる。
また、第2炭素膜12が、前記ナノクリスタルダイヤモンドからなることとしたが、これに限定されるものではなく、前記ナノクリスタルダイヤモンドの代わりに、SP3結合及びSP2結合の混在するアモルファスのDLCからなることとしてもよい。このように、第2炭素膜12がDLCからなる場合にも、炭素膜2の前記表面が比較的滑らかに形成されて、前述の作用効果を奏する。尚、第2炭素膜12をDLCとする場合は、前記反応容器内において、CH4濃度:5%程度の設定で第2炭素膜12を成膜すればよい。
また、本実施形態では、基板1が、SiCやSi3N4等からなることとしたが、それ以外のセラミックス材料で形成されていても構わない。
また、第1、第2炭素膜11、12の各膜厚は、本実施形態で説明した前述の範囲内に限定されるものではない。
また、第1、第2炭素膜11、12の各膜厚は、本実施形態で説明した前述の範囲内に限定されるものではない。
また、本実施形態では、第1、第2炭素膜11、12を、同一の反応容器内で成膜することとしたが、これに限定されるものではなく、別々の反応容器内において、夫々成膜することとしても構わない。
また、成膜の前に、予め基板1の表面1Aに種結晶のダイヤモンド粉末を付着させることとしたが、該表面1Aに、前記ダイヤモンド粉末を付着させずに第1炭素膜11を成膜しても構わない。
また、成膜の前に、予め基板1の表面1Aに種結晶のダイヤモンド粉末を付着させることとしたが、該表面1Aに、前記ダイヤモンド粉末を付着させずに第1炭素膜11を成膜しても構わない。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。ただし本発明はこの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
実施例1として、まず、SiCからなる基板1、及び、Si3N4からなる基板1を夫々用意し、これらの基板1の表面1Aに、種結晶のダイヤモンド粉末を均一に夫々付着させ、種付け処理した。次いで、これらの基板1の表面1Aに、気相合成法熱フィラメント炉を用いたCVD法により、前記第1炭素膜11と、前記ナノクリスタルダイヤモンドからなる第2炭素膜12とを順次成膜して、炭素膜2を形成した。このようにして、CMPパッドコンディショナー10を夫々作製した。
実施例1として、まず、SiCからなる基板1、及び、Si3N4からなる基板1を夫々用意し、これらの基板1の表面1Aに、種結晶のダイヤモンド粉末を均一に夫々付着させ、種付け処理した。次いで、これらの基板1の表面1Aに、気相合成法熱フィラメント炉を用いたCVD法により、前記第1炭素膜11と、前記ナノクリスタルダイヤモンドからなる第2炭素膜12とを順次成膜して、炭素膜2を形成した。このようにして、CMPパッドコンディショナー10を夫々作製した。
詳しくは、第1炭素膜11は、CH4濃度:1%の設定で、膜厚3μmとなるように成膜した。また、第2炭素膜12は、CH4濃度:3.5%の設定で、膜厚10μmとなるように成膜した。
次いで、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、これらのCMPパッドコンディショナー10におけるノジュール密度(すなわち炭素膜2の前記表面における単位面積あたりのノジュール数)を測定した。
結果を表1に示す。
結果を表1に示す。
[実施例2]
また、実施例2として、基板1の表面1Aに、第1炭素膜11と、前記DLCからなる第2炭素膜12とを順次成膜し、CMPパッドコンディショナー10を作製した。詳しくは、第2炭素膜12は、CH4濃度:5%の設定で、膜厚10μmとなるように成膜した。それ以外は、実施例1と同様の条件として測定を行った。
また、実施例2として、基板1の表面1Aに、第1炭素膜11と、前記DLCからなる第2炭素膜12とを順次成膜し、CMPパッドコンディショナー10を作製した。詳しくは、第2炭素膜12は、CH4濃度:5%の設定で、膜厚10μmとなるように成膜した。それ以外は、実施例1と同様の条件として測定を行った。
[比較例1]
また、比較例1として、基板1の表面1Aに、前記ナノクリスタルダイヤモンドからなる炭素膜を直接成膜し、CMPパッドコンディショナーを作製した。詳しくは、前記炭素膜は、CH4濃度:3.5%の設定で、膜厚10μmとなるように成膜した。それ以外は、実施例1と同様の条件として測定を行った。
また、比較例1として、基板1の表面1Aに、前記ナノクリスタルダイヤモンドからなる炭素膜を直接成膜し、CMPパッドコンディショナーを作製した。詳しくは、前記炭素膜は、CH4濃度:3.5%の設定で、膜厚10μmとなるように成膜した。それ以外は、実施例1と同様の条件として測定を行った。
[比較例2]
また、比較例2として、基板1の表面1Aに、前記DLCからなる炭素膜を直接成膜し、CMPパッドコンディショナーを作製した。詳しくは、前記炭素膜は、CH4濃度:5%の設定で、膜厚10μmとなるように成膜した。それ以外は、実施例1と同様の条件として測定を行った。
また、比較例2として、基板1の表面1Aに、前記DLCからなる炭素膜を直接成膜し、CMPパッドコンディショナーを作製した。詳しくは、前記炭素膜は、CH4濃度:5%の設定で、膜厚10μmとなるように成膜した。それ以外は、実施例1と同様の条件として測定を行った。
表1に示す通り、実施例1においては、比較例1に対比して、前記ノジュール密度が1/3程度に低減された。
また、実施例2においては、比較例2に対比して、前記ノジュール密度が1/4程度に低減された。
このように、実施例1、2では、ノジュールの発生が確実に抑制されることが確認された。
また、実施例2においては、比較例2に対比して、前記ノジュール密度が1/4程度に低減された。
このように、実施例1、2では、ノジュールの発生が確実に抑制されることが確認された。
1 基板(基材)
2 炭素膜
10 CMPパッドコンディショナー
11 第1炭素膜
12 第2炭素膜
2 炭素膜
10 CMPパッドコンディショナー
11 第1炭素膜
12 第2炭素膜
Claims (4)
- 基材を被覆する炭素膜であって、
平均粒径が200nmを超えるダイヤモンド粒子からなる第1炭素膜と、
平均粒径が200nm以下のダイヤモンド粒子又はDLCからなる第2炭素膜と、を備え、
前記第1、第2炭素膜が、前記基材側からこの順に形成されていることを特徴とする炭素膜。 - 請求項1に記載の炭素膜であって、
前記第1炭素膜の膜厚が、3〜8μmの範囲内に設定されていることを特徴とする炭素膜。 - 請求項1又は2に記載の炭素膜を製造するための炭素膜の製造方法であって、
CVD法により、前記第1、第2炭素膜を連続して成膜することを特徴とする炭素膜の製造方法。 - 基材に形成された切刃を用いて、前記基材に対向配置されたCMPパッドに研削加工を施すCMPパッドコンディショナーであって、
前記切刃が炭素膜で被覆され、前記炭素膜として、請求項1又は2に記載の炭素膜を用いたことを特徴とするCMPパッドコンディショナー。
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2009
- 2009-03-05 JP JP2009052507A patent/JP2010202957A/ja active Pending
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