JP2006138011A - ダイヤモンド膜被覆部材およびその製造方法 - Google Patents

ダイヤモンド膜被覆部材およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 CVD法などにより基材上にダイヤモンド膜が被覆されたダイヤモンド膜被覆部材で、耐摩耗性に加え耐溶着性に優れたダイヤモンド膜被覆部材およびその製造方法を提供する。
【解決手段】 基材の表面にダイヤモンド膜が被覆されたダイヤモンド膜被覆部材であって、前記ダイヤモンド膜の表面を構成するダイヤモンド結晶粒子の平均粒径が2μm以下、表面粗さRaが0.4μm以下で、前記ダイヤモンド結晶粒子が研磨されて曲面になっていることを特徴とする。また、ダイヤモンド膜被覆部材を製造する方法は、ダイヤモンド膜の断面において微細ダイヤモンドが前記ダイヤモンド膜の成長方向に細長く配列し、かつその短径が0.001μm以上0.08μm以下の構造を有するダイヤモンド膜の表面を、粘弾性流動研磨法または弾性を有する砥粒複合体および/または角のない微細砥粒を用いた投射式研磨法により研磨することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、CVD法などにより基材上にダイヤモンド膜が被覆されたダイヤモンド膜被覆部材およびその製造方法に関するもので、耐摩耗性に加え耐溶着性や高い付着強度が要求される用途に好適なダイヤモンド膜被覆部材およびその製造方法に関する。より具体的には、半導体製造に用いられるハンダが被覆されたリードや樹脂をカットするための工具、あるいはハンダが被覆されたリードを曲げるための工具、その他ワイヤーボンディング周辺部品など特に軟質金属が摺動する部位において金属の溶着が問題となる用途に好適なダイヤモンド膜被覆部材およびその製造方法に関する。
ダイヤモンドは耐摩耗性や耐溶着性に優れており、これらの特性を利用して工具や部品などに広く応用されている。ダイヤモンドの中でも、単結晶ダイヤモンドは高価でかつ大きさに制限があり、加工も容易ではないため、大面積を必要とする部分あるいは複雑な形状を有する部分では使用できず、このような用途では化学的気相合成法により形成されたダイヤモンド膜が使用されている。
通常、ダイヤモンド膜を構成するダイヤモンドの結晶粒径は4μmより大きく、隣り合う結晶の粒界には深くて鋭いV字型の凹凸が存在する。このようなダイヤモンド膜が被覆された部材を工具などに使用した場合、耐摩耗性は向上するが、耐溶着性については上記のように凹凸が存在するため悪く、相手材料が溶着しやすいという問題が起こりうる。
このような問題を解決するため、近年では微粒結晶で構成されるダイヤモンド膜を被覆した部材が提案されている。この例として、基材に熱膨張係数が5.0×10−6/℃以下の超硬合金を使用し、ダイヤモンド結晶粒径が3μm以下で、かつラマン分光分析の結果によるダイヤモンド合成率が0.1以下であり、ダイヤモンド膜の表面粗さがRmaxで3μm以下としたダイヤモンド膜被覆工具がある。(例えば、特許文献1参照)
また、別の例として、ダイヤモンド膜は微結晶の多層構造とし、ダイヤモンド膜の表面の結晶粒径を2μm以下としたダイヤモンド膜被覆工具がある。(例えば、特許文献2参照)
特開平11−58106号公報 特開2002−79406号公報
上記のようなダイヤモンド膜を被覆した工具では、微粒結晶で構成されたダイヤモンド膜を有するので耐溶着性を向上させることはできるが、全てにおいて満足できるものではない。その理由は、微粒結晶によりダイヤモンド膜表面の凹凸は非常に小さくなるが、結晶の稜線や粒界は存在しており、これらが相手材料を溶着させる原因となる。また、溶着の状態は、ダイヤモンド膜表面に存在する凹凸の高さ分布の幅によっても大きな影響を受け、高さ分布の幅が大きいと溶着しやすいという問題が発生する。一方、摺動部材ではダイヤモンド膜表面の不規則な位置に突出したダイヤモンド粒子が点在しているので、この表面を相手材料が接触しながら移動する際にこれらの突出したダイヤモンド粒子が接触する位置に集中荷重が発生し、相手材料を引っ掻いて溶着を誘発させる問題がある。これらの問題を解決する方法として、ダイヤモンド膜表面を研磨する方法があるが、ダイヤモンドは地球上の物質で最も硬く、これを研磨するためにはダイヤモンドを砥粒として使い、大きな力で機械的に押しつけて研磨する必要がある。例えば、ダイヤモンド膜表面を遊離砥粒を塗布したスキーフ盤により機械的に研磨を行う方法が考えられる。また、ダイヤモンド膜表面の凸部にレーザービームを照射し、熱化学的にダイヤモンド膜表面を平滑化する方法もある。
しかしながら、これらの方法では、曲面部を研磨することができず、工具のように複雑な形状を有するものでは、研磨するのはほとんど不可能である。また、平面を研磨する場合であっても、この方法では研磨される速度が速く、ダイヤモンド膜の膜厚が5μm以下の場合、基材が露出しやすく、研磨加工の歩留まりは非常に悪くなってしまう。さらに、基材が露出しなくてもスキーフ盤の表面に傷などが発生すると、研磨中にスキーフ盤がダイヤモンド膜に悪影響を及ぼし、ダイヤモンド膜に亀裂が発生してしまう。そして、このような状態が続くとダイヤモンド膜は剥離してしまうという問題が発生する。
以上のようなことから、本発明は、耐摩耗性、耐溶着性および高い付着強度を向上させたダイヤモンド膜被覆部材およびその製造方法を提供するものである。
本発明のダイヤモンド膜被覆部材の第1の特徴は、基材の表面にダイヤモンド膜が被覆されたダイヤモンド膜被覆部材であって、前記ダイヤモンド膜の表面を構成するダイヤモンド結晶粒子の平均粒径が2μm以下、表面粗さRaが0.4μm以下で、前記ダイヤモンド結晶粒子が研磨されて曲面になっていることである。
ダイヤモンド結晶粒子の平均粒径が2μm以下で表面粗さRaが0.4μm以下であると、ダイヤモンド膜表面の凹凸は小さくなる。この表面に、例えば投射式研磨装置により砥粒や砥粒複合体などを投射すればダイヤモンド膜表面の凹凸に満遍なく衝突し、主にダイヤモンド膜表面に存在するダイヤモンド結晶粒子の稜線部のエッジが研磨されて丸みを帯び、曲面になる。投射圧力を適切に調整することによりダイヤモンド結晶粒子のエッジを主に研磨し、曲面化させることができる。また、この曲面化の過程ではダイヤモンド膜表面の欠陥組織の除去も伴う。ダイヤモンド膜の最表面は成膜工程の完了に伴い、ダイヤモンド膜の成長が止まった部分である。そのため、この最表面には不定形炭素成分が多いなど多くの欠陥組織が存在し、これらの欠陥組織はダイヤモンド膜の耐溶着性を低下させる。本発明のダイヤモンド膜は、上記の曲面化の過程において、凹凸のあるダイヤモンド膜の表面を、凸部だけでなく凹部も除去されているので、欠陥の少ないダイヤモンドの相となっており、ダイヤモンドの優れた耐溶着性を十分に発揮させることが可能になる。本発明のダイヤモンド膜は、非導電性のものに加え、不純物としてホウ素や窒素などの元素をドーピングした導電性を有するダイヤモンド膜も含まれる。
第2の特徴は、前記基材の表面粗さは、Rmax0.8μm以上4.0μm以下であることである。
基材の表面粗さをRmax0.8μm以上とすることで、基材へのダイヤモンド膜の付着強度を向上させることができ、Rmax4.0μm以下とすることで、このような粗さの面に加工する際にチッピングが起こりにくくなって精度の良い切刃を有する工具とすることができるとともに、ダイヤモンド膜表面に摺動される相手材料などが溶着しにくい面とすることができる。基材の表面粗さが粗い面に、微粒のダイヤモンド結晶粒子からなるダイヤモンド膜を形成した場合、ダイヤモンド膜の表面粗さも粗くなり摺動部材などでは溶着しやすくなるが、本発明のようにダイヤモンド結晶粒子が研磨されて曲面になっているものでは、ダイヤモンド膜の表面粗さが粗くても溶着しにくいという効果が得られる。
第3の特徴は、前記ダイヤモンド膜の表面積率が1.06以下であることである。
上記のように、ダイヤモンド膜表面にはダイヤモンド結晶粒子により形成される微細な凹凸が多数存在しており、ダイヤモンド膜の表面積は全く凹凸のない面の面積よりも大きくなる。ここでいう表面積率とは、研磨されたダイヤモンド膜が形成されている部分において、ダイヤモンド膜の表面積を全く凹凸のない面の面積で割った値のことをいう。本発明の如く、ダイヤモンド結晶粒子により形成される稜線を曲面化すると滑らかな面になり、表面積率は1.00に近づいていく。この表面積率を1.06以下の値にすることでより優れた耐溶着性を得ることができる。なお、表面面積率は原子間力顕微鏡(AFM)や走査型プローブ顕微鏡(SPM)で測定することができる。
第4の特徴は、前記ダイヤモンド膜の表面で最も低い部分を0とした場合の凹凸の高さに関する分布図において、その半値幅が250nm以内であることである。
このような値を有するダイヤモンド膜は耐溶着性が非常に優れている。これはダイヤモンド膜に存在している凹凸の高さ分布の幅が大きくなると、極端に突出した部分がダイヤモンド膜表面に存在していることとなり、この突出した部分で相手材料が溶着してしまう。そしてこの部分を起点にして、溶着する範囲は広がっていく。従って、半値幅を250nm以内とすることで溶着の起点となる凹凸が大幅に少なくなり、溶着するのを防止することができる。なお、ダイヤモンド膜の表面で最も低い部分とは、ある一定の測定範囲の中で凹凸の大きさを測定した時の最も低い部分とする。
第5の特徴は前記ダイヤモンド膜の曲面がトロコイド曲線状またはサイクロイド曲線状であることである。
ダイヤモンド膜表面をこのような形状にすることにより、相手材料が滑らかに接触することになり、ダイヤモンド膜表面への溶着が防止される。
第6の特徴は、前記ダイヤモンド膜の表面の一部が酸素で終端しており、その表面に存在する酸素の割合が2at%以上であることである。
一般的にCVDダイヤモンド膜の最表面は水素で終端していることが知られている。これはCVDダイヤモンド膜を成膜する場合に、炭化水素ガスを水素ガスで希釈して行われているために起こる。ダイヤモンド膜の表面で終端している元素の種類によりダイヤモンド膜の濡れ性は大きく変化する。ダイヤモンド膜の表面を酸素で終端させると、ハンダなどの相手材料に対し、耐溶着性をより向上させることができる。上記のような投射式研磨を空気中で行うことでダイヤモンド結晶粒子の稜線部を研磨して曲面にすれば、ダイヤモンド膜の表面が酸素で終端されると考えられる。この終端元素の分析方法としてはESCAやLEED(低速電子線回折)、RHEED(反射高速電子線回折)で測定することができる。
第7の特徴は、前記ダイヤモンド膜の表面の一部がハロゲン元素で終端しており、その表面に存在するハロゲン元素の割合が2at%以上であることである。
ダイヤモンド膜の表面がハロゲン元素で終端しているものも上記の酸素の場合と同じく、耐溶着性は向上する。このようにする方法としては、ハロゲン元素を含有する砥粒を用いて投射式研磨を行う方法や、投射式研磨を行った後、ハロゲン元素のプラズマで表面処理をしたり、イオンビームでごく表面だけハロゲンイオンを注入する方法などがある。
第8の特徴は、前記ダイヤモンド膜は、その断面において微細ダイヤモンドが前記ダイヤモンド膜の成長方向に細長く配列し、かつその短径が0.001μm以上0.08μm以下であることである。
このような組織のダイヤモンド膜を使用することで、上記のような投射式研磨を行った場合にダイヤモンド膜にクラックが発生するのを防止できるので、剥離が起こりにくく耐溶着性の高いダイヤモンド膜を得ることができる。特に、ダイヤモンド膜の厚みが0.5μm以上5μm以下のときは、ダイヤモンド膜自体の強度が低くなるので、このような組織にする効果は大きい。
第9の特徴は、前記微細ダイヤモンドのアスペクト比が4以上20以下であることである。
このようにすることで、ダイヤモンド膜の靭性を更に向上させることができる。
第10の特徴は、前記ダイヤモンド膜の水素含有量は、原子比で1%以上5%以下であることである。
このようにすることで、ダイヤモンド膜の靭性が向上するとともに、ダイヤモンド膜の表面が比較的に軟らかくなり、研磨により曲面が得られやすくなる。
第11の特徴は、前記ダイヤモンド膜をラマン分光分析して得られたSP3結合によるピークの高さDとSP2結合または不定形炭素によるピークの高さGとの関係が4≧D/G≧0.5であることである。
このようにすることで、水素含有量の特定と同様に、ダイヤモンド膜の靭性が向上するとともに、ダイヤモンド膜の表面が比較的に軟らかくなり、研磨により曲面が得られやすくなる。
第12の特徴は、前記ダイヤモンド膜の膜厚が0.5μm以上5μm以下であることである。
このような膜厚にすると、ダイヤモンド膜の表面の凹凸は非常に微細になり、ダイヤモンド結晶粒子の稜線も研磨しやすくなるので、耐溶着性が優れたものとなる。また、膜厚が薄いと成膜時間も少なくて済むので経済的でもある。
一方、本発明のダイヤモンド膜被覆部材の製造方法の第1の特徴は、基材の表面にダイヤモンド膜が被覆されたダイヤモンド膜被覆部材を製造する方法であって、
前記ダイヤモンド膜は、その断面において微細ダイヤモンドが前記ダイヤモンド膜の成長方向に細長く配列し、かつその短径が0.001μm以上0.08μm以下の構造を有するダイヤモンド膜であり、このダイヤモンド膜の表面を、粘弾性流動研磨法により研磨することである。
また、上記の粘弾性流動研磨法に代え、弾性を有する砥粒複合体および/または角のない微細砥粒を用いた投射式研磨法により研磨することを別の特徴とする。
このような構造のダイヤモンド膜を上記のいずれかの研磨方法により研磨を行うことで容易にダイヤモンド膜表面の欠陥組織を除去し、かつダイヤモンド膜の表面形状を滑らかにすることができるので、耐溶着性の高いダイヤモンド膜被覆部材を得ることができる。また、表面の曲面化により摩擦係数を大幅に低下させるので、摩耗が抑えられ部材自体の寿命を延ばすことが可能になる。さらに、従来のスキーフ盤などでの機械的研磨と比較して研磨時の衝撃荷重が極めて小さいことにより、亀裂の発生も大幅に減少させることができる。
第2の特徴は、前記基材の表面のうち、少なくとも前記ダイヤモンド膜が形成されている部分が曲面または曲面と平面が混在した形状であることである。
本発明の製造方法による研磨方法であれば、このような複雑な形状の表面であっても、容易に滑らかな形状とすることができ、耐溶着性の高いダイヤモンド膜被覆部材とすることができる。
本発明のダイヤモンド被覆部材の製造方法により、より効果的にダイヤモンド被覆部材を製造するには、そのダイヤモンド膜は、水素含有量は原子比で1%以上5%以下とし、かつラマン分光分析して得られたSP3結合によるピークの高さDとSP2結合または不定形炭素によるピークの高さGとの関係は4≧D/G≧0.5とすることが好ましい。このような構成のダイヤモンド膜を研磨することにより、上記の効果をより高めることができる。
本発明のダイヤモンド膜被覆部材は、耐摩耗性に加えて耐溶着性に優れ、溶着が起こっても容易に除去することができる。特にハンダが被覆された電子部品のリードや樹脂をカットするための工具、ハンダが被覆された電子部品のリードを曲げ加工するための工具や、その他ワイヤーボンディング周辺部品など軟質金属がダイヤモンド膜表面を摺動する工具や部材で金属の溶着が問題となる用途で大きな効果が得られる。
本発明のダイヤモンド膜被覆部材は、超硬合金などの基材の表面にダイヤモンド膜が被覆されており、そのダイヤモンド膜を構成するダイヤモンド結晶粒子の平均粒径は2μm以下のものが被覆され、表面粗さRaは0.4μm以下になっている。このダイヤモンド膜の表面が研磨されており、ダイヤモンド結晶粒子の稜線部が曲面になっている。
ダイヤモンド膜表面の研磨方法としては、粘弾性流動研磨法、あるいは弾性を有する砥粒複合体や角の取れた微細砥粒を使用した投射式研磨法などが挙げられる。粘弾性流動研磨とは炭化珪素砥粒やダイヤモンド砥粒を粘土状の半固体の粘弾性体と絡めたものを研磨メディアとし、従来の研磨方法では届かない部品の内部へ機械的な圧力をかけて押し込み、連続的に圧接移動させながら研磨する方法である。本発明における研磨メディアの例としてはシリコーンとダイヤモンド砥粒を混ぜたものが挙げられる。また、投射式研磨とは砥粒を噴射口から被研磨材へ噴出させることにより研磨する方法であるが、本発明のダイヤモンド膜の研磨においては砥粒の衝撃を何らかの形で均一分散させることが必要である。そのためには弾性を有する砥粒を用いたり、角を丸めた砥粒を使用するのが好ましい。また、砥粒の粒径も重要な因子であり、#5000以下の微細な砥粒を用いる事が好ましい。
以上のような研磨方法はダイヤモンド膜の微細な凹凸面に均一な圧力をかけながら結晶レベルでの倣い研磨を行うことができるので、本発明のダイヤモンド膜の表面形状を容易に得ることができる。また、既存の研磨されたダイヤモンド膜では凹部が研磨されず、研磨された面と研磨されていない面との境界は鋭いエッジが形成されているが、本発明のダイヤモンド膜では、短時間に容易に低コストで凹部まで研磨されて滑らかな曲面が形成される。
このように研磨されたダイヤモンド膜の表面はトロコイド曲線状またはサイクロイド曲線状で、その表面積率は1.06以下になり、ダイヤモンド膜の表面で最も低い部分を0とした場合の凹凸の高さに関する分布図において、その半値幅が250nm以内になって滑らかな曲面が形成されている。
また、ダイヤモンド膜表面への溶着を防止するため、ダイヤモンド膜表面の一部が酸素またはハロゲン元素で終端しており、その表面に存在する酸素やハロゲン元素の割合は2at%以上になっている。
ダイヤモンド膜の構造は、その断面において微細ダイヤモンドがダイヤモンド膜の成長方向に細長く配列しており、その短径すなわちダイヤモンド膜の面と平行な方向の微細ダイヤモンドの径は、0.001μm以上0.08μm以下になっている。この微細ダイヤモンドのアスペクト比は4以上20以下になっており、水素含有量は、原子比で1%以上5%以下になっている。そして、そのダイヤモンド膜はラマン分光分析して得られたSP3結合によるピークの高さDとSP2結合または不定形炭素によるピークの高さGとの関係が4≧D/G≧0.5になっている。
ダイヤモンド膜の厚みは0.5μm以上5μm以下になっており、薄くて表面が滑らかな形状になっている。本発明のダイヤモンド膜では、微細構造で表面が滑らかな形状になっているので、強度向上のために膜厚を厚くする必要がなく、5μmの厚みにまで形成すれば十分である。
本発明のダイヤモンド膜で、研磨されて曲面になったダイヤモンド結晶粒子の状態を従来のダイヤモンド膜と比較するため、以下の試験を行った。
ダイヤモンド膜被覆部材として円盤状の試料片3ヶを製作し、ダイヤモンド膜表面の形状を原子間力顕微鏡(以下、AFMと記す)を用いて測定した。基材として、WC粒径が1μm以下、Co含有量が10wt%、表面粗さがRa0.015μmおよびRmax0.1μmの超硬合金を準備し、その表面に基材温度900℃、水素流量2000sccm、メタン流量45sccm、合成圧力3.9kpaの条件でダイヤモンド膜を合成した。ダイヤモンド膜の膜厚は2μmになるよう被覆した。
次に、1ヶの試料片のダイヤモンド膜表面に、弾性を有する砥粒複合体を用いた投射式研磨法により1分間研磨処理を行った(試料片1、本発明)。別の1ヶの試料片はダイヤモンド膜の表面を加工せずそのままのものとした(試料片2、比較例)。残りの1ヶの試料片はダイヤモンド膜表面をスキーフ盤を使用して研磨処理を15秒間行った(試料片3、比較例)。
これらの試料片の表面形状をAFMにより測定を行った。その結果を図1に示す。図1の(a)は試料片1、(b)は試料片2、(c)は試料片3のダイヤモンド膜表面付近の断面形状の一部を示しており、下側の色の薄い部分がダイヤモンド膜である。また、各試料片の表面粗さの数値を表1に示す。
本発明の試料片1のように投射式研磨を行ったものは、行わなかったものと比較して表面粗さのピーク値の部分(周囲に比べて突出した部分)が鋭利でなく、突出部分の先端が丸みを帯びた形状になっていることが分かる。また、試料片3のようにスキーフ盤で研磨したものでは、研磨時間が15秒と非常に短い時間ではあるが、ダイヤモンド膜表面がほぼ完全に平滑になっていることが分かる。試料片3のダイヤモンド膜表面をSEMにより観察をすると、ダイヤモンド膜を構成する結晶粒子同士の粒界はほとんど残っていないことがわかる。しかし、本発明の試料片1では結晶粒子同士の粒界が認められる。このことから本発明のダイヤモンド膜は、結晶粒子自身は残った状態で結晶粒子の稜線が主に曲面化されていることを示す。また、試料片3をさらに追加でスキーフ盤により10秒間研磨を行ったところ、ダイヤモンド膜は除去されてしまい、基材が露出した。このようなことからスキーフ盤による研磨は研磨時間を制御する点で難しいことが分かった。さらに、前述のように、スキーフ盤による研磨処理は表面が複雑な形状を有する基材には適用する事ができないため、問題は多い。
本発明のダイヤモンド膜で、研磨されて曲面になったダイヤモンド結晶粒子の状態を従来のダイヤモンド膜とさらに比較するため、以下の試験を行った。
ダイヤモンド膜被覆部材として円盤状の試料片2ヶを製作し、ダイヤモンド膜表面の形状を走査型白色干渉技術を用いた3次元表面構造解析装置(ZYGO社製)を用いて測定した。基材として、WC粒径が1μm以下、Co含有量が10wt%、表面粗さがRmax0.6μmの超硬合金を準備し、その表面に基材温度900℃、水素流量2000sccm、メタン流量45sccm、合成圧力3.9kpaの条件でダイヤモンド膜を合成した。ダイヤモンド膜の膜厚は2μmになるよう被覆した。
次に、1ヶの試料片のダイヤモンド膜表面に、弾性を有する砥粒複合体を用いた投射式研磨法により1分間研磨処理を行った(試料片4、本発明)。もう1ヶの試料片はダイヤモンド膜の表面を加工せずそのままのものとした(試料片5、比較例)。
これらの試料片の表面形状を走査型白色干渉技術を用いた3次元表面構造解析装置により測定を行った。その結果を図2に示す。図2の(a)は試料片4、(b)は試料片5のダイヤモンド膜表面の3次元イメージを示している。また、各試料片の表面粗さの数値を表2に示す。
本発明の試料片4のように投射式研磨を行ったものは、行わなかったものと比較して極端に突出したピークがないことが分かる。試料片5に見られるような突出した鋭いピークはダイヤモンド膜の結晶粒子の稜線によるものであり、これが投射式研磨を行うことにより極度に突出した部分が除去され、図2(a)のように突出したピークのない表面形状になる。
本発明のダイヤモンド膜被覆部材および従来のダイヤモンド膜被覆部材として、ディスク状の試料片を製作し、溶着性の試験を行った。基材として、WC粒径1μm以下、Co含有量10wt%の超硬合金を準備し、その表面にダイヤモンド膜を表3の条件にて合成した。本発明1、本発明2、比較例1および比較例2の基材は、表面が研磨されて鏡面になっているもの(表面粗さRmax0.4μm)を使用し、本発明3の基材は、表面が研削された面になっているもの(表面粗さRmax4.0μm)を使用した。
このようにしてダイヤモンド膜を形成した試料片について、本発明1、本発明2、本発明3および比較例1については、ダイヤモンド膜表面をシリコーンとダイヤモンド砥粒を用いた粘弾性流動研磨法により5分間研磨を行い、フッ素プラズマでそれぞれ処理した。フッ素プラズマ処理は本発明1および比較例1は5分間、本発明2および本発明3は10分間行った。また、比較例2については、研磨を行わずにダイヤモンド膜を合成したままのものとした。
以上のようにして製作したそれぞれの試料片について、ダイヤモンドの粒径、ダイヤモンド膜表面の面粗さ、ダイヤモンドの稜線部の形状、表面積率、凹凸の高さ分布、終端構造、ダイヤモンド結晶の短径およびアスペクト比による断面組織の状態、水素含有量、ダイヤモンド結合の割合について分析を行い、評価を行った。分析方法については、以下のようにして行った。粒径についてはSEM観察により、面粗さについてはAFMまたは3D−SEMにより、表面積率と凹凸の高さ分布についてはAFMまたは3D−SEMにより分布曲線を測定し、その半値幅により評価した。ダイヤモンドの稜線部の形状については、AFMまたは3D−SEMにより評価し、判断した。AFMまたは3D−SEMを使って測定したものについては、面粗さなどの大きさによりAFMと3D−SEMを使い分けて測定を行い、本発明3と比較例1は3D−SEMを使用し、その他のものはAFMを使用した。また、ダイヤモンド膜表面の終端構造についてはESCAにより評価を行った。なお、これにより得られた酸素終端量については、ダイヤモンド膜表面に存在する水分やその他の不純物など前もって判明している存在量を除いて計算された値を示している。さらに、ダイヤモンド膜中の水素含有量についてはRBS/HFS分析により、ダイヤモンド膜中のダイヤモンド結合とグラファイトや不定形炭素などに対する割合についてはラマン分光分析により評価を行った。Dはダイヤモンド結合によるラマンピークを、Gはグラファイトや不定形炭素によるラマンピークをそれぞれ示している。ダイヤモンド膜の断面組織は、ダイヤモンド膜を切断し、切断面を研磨した後、水素プラズマにて800℃で30分処理することにより得られた断面組織を10万倍のSEM観察により評価を行った。耐溶着性については、各試料片をピンオンディスク装置のディスク部分に取り付け、ハンダをピンとすることによるピンオンディスク法により評価を行った。ハンダのピンは、錫−銀−銅、および錫−ビスマスからなる2種類のピンをそれぞれ用いた。ピンオンディスク法による試験条件は、回転速度500rpm、回転させる回数は1000回、ピンに加える荷重は2Nとしダイヤモンド膜表面にハンダによる摺動痕が形成されるかどうかで耐溶着性を評価した。これらの評価結果を表2に示す。
表4の結果より、本発明のダイヤモンド膜被覆部材は優れた耐溶着性を示すことが確認され、特に本発明2は溶着が非常に起こりやすい錫−ビスマスからなるハンダに対しても優れた耐溶着性を示すことが確認された。本発明3のように基材の表面粗さが粗いためにダイヤモンド膜の表面粗さが粗くなったものでも、溶着を起こさず本発明の効果が現れている。
本発明のダイヤモンド膜被覆部材および従来のダイヤモンド膜被覆部材の例として、半導体パッケージのリード加工に用いられるカッティングダイを製作し、性能評価試験を行った。基材として、実施例3と同じものを使用し、その表面にダイヤモンド膜を表5の条件にて合成した。本発明4、本発明5、比較例3および比較例4の基材は、表面が研磨されて鏡面になっているもの(表面粗さRmax0.4μm)を使用し、本発明6の基材は、表面が研削された面になっているもの(表面粗さRmax4.0μm)を使用した。
このようにしてダイヤモンド膜を形成したカッティングダイについて、本発明4、本発明5、本発明6および比較例3については、角の取れたダイヤモンド砥粒を用いた投射式研磨法によりダイヤモンド膜表面の研磨を30秒間行った。また、比較例4については、研磨を行わずにダイヤモンド膜を合成したままのものとした。
以上のようにして製作したそれぞれのカッティングダイについて、ダイヤモンドの粒径、ダイヤモンド膜表面の面粗さ、ダイヤモンドの稜線部の形状、表面積率、凹凸の高さ分布、終端構造、ダイヤモンド結晶の短径およびアスペクト比による断面組織の状態、水素含有量、ダイヤモンド結合の割合について分析を行い、評価を行った。分析方法については、実施例3と同様に行った。ダイヤモンド膜の評価として、ダイヤモンド膜表面にクラックが発生した状況を確認し、耐溶着性の確認については、このカッティングダイを用いて錫−ビスマスのハンダがメッキされたリードの切断を行い、工具に付着したハンダの除去が必要なクリーニングインターバルを測定した。これらの評価結果を表6に示す。
表6の結果より、本発明のダイヤモンド膜被覆部材は優れた耐溶着性を示すことが確認され、特に本発明5はより優れた耐溶着性を示すだけでなく、投射式研磨によるクラックが発生しないことも確認された。本発明6のように基材の表面粗さが粗いためにダイヤモンド膜表面の表面粗さが粗くなったものでも、溶着を起こさず本発明の効果が現れている。これは、ダイヤモンド結晶粒子の平均粒径が1μm以下であり、かつダイヤモンド結晶粒子が研磨されて曲面になっていること、そしてダイヤモンド膜の表面粗さがRa0.4μm以下であることの3条件が揃うことにより得られる効果である。比較例3のように、ダイヤモンド結晶粒子の平均粒径が4μm以下というように結晶粒子全体の粒径が大きくなると本発明の効果は得られないことがわかる。
本発明のダイヤモンド膜被覆部材および従来のダイヤモンド膜被覆部材として、ディスク状の試料片を製作し、摩擦係数の違いと溶着性の試験を行った。
ダイヤモンド膜被覆部材として、円盤状の試料片6ヶを製作し、ダイヤモンド膜表面の摩擦係数および溶着の状況の試験を行った。基材として、WC粒径が1μm以下、Co含有量が10wt%の超硬合金を準備し、その表面に基材温度800℃、水素流量2000sccm、メタン流量45sccm、合成圧力3.9kpaの条件でダイヤモンド膜を合成した。ダイヤモンド膜を構成するダイヤモンドの平均粒径はいずれも0.8μmであり、膜厚は2μmになるよう被覆した。なお、基材の表面粗さは、Rmaxが0.4μmのもの(本発明7、比較例5)、1.0μmのもの(本発明8、比較例6)、4.0μmのもの(本発明9、比較例7)の3種類とした。
上記の6ヶの試料片のうち、本発明7〜9のものについて、ダイヤモンド膜表面に、弾性を有する砥粒複合体を用いた投射式研磨法により3分間研磨処理を行った。比較例5〜7のものについては研磨処理を行わず、被覆したままの状態のものとした。
これら6ヶの試料片をそれぞれ図3に示すようなピンオンディスク装置のディスク部分に取り付け、軟質金属をピンとすることによるピンオンディスク法により評価を行った。軟質金属のピンは、自動車部品や産業機械関係で幅広く使用されるAl−Si−Cu系のダイキャストアルミニウム合金であるADC12相当の材料を使用した。ピンオンディスク法による試験条件は、回転速度500min−1で、回転半径1mmの位置にピンが接触するように回転させ、ピンに加える荷重は2Nとしてダイヤモンド膜表面への溶着の状況を確認した。また、ピンの上方に歪みセンサーを設置し、摩擦力によるピンの変位量をデジタル信号化して算出することにより摩擦係数を測定した。これらの結果を表7に示す。
上記の結果より、本発明のダイヤモンド膜は何れのものも、摩擦係数が低くなっており、ダイヤモンド膜の表面を研磨処理していないものと比較すると、摩擦係数が大幅に低くなることがわかる。また、これに伴い、軟質金属が溶着するのを防止できる効果も見られた。さらに、本発明9のように基材の表面粗さが粗く、ダイヤモンド膜の表面粗さも粗くなっているものでも摩擦係数を大幅に下げることができ、摺動部材などへの用途に適したものである。
本発明は、超硬合金などの基材にダイヤモンド膜を被覆したダイヤモンド膜被覆部材で、特に耐溶着性を要求される工具や摺動部材などに利用することができる。
原子間力顕微鏡によるダイヤモンド膜表面付近の断面の測定結果を示す図。 3次元表面構造解析装置によるダイヤモンド膜表面の測定結果を示す図。 ダイヤモンド膜表面への溶着の状態を試験する装置の概略図。
符号の説明
1 ダイヤモンド膜
2 円盤状基材
3 ピン
4 回転速度
5 回転半径
6 ピンに加える荷重

Claims (15)

  1. 基材の表面にダイヤモンド膜が被覆されたダイヤモンド膜被覆部材であって、
    前記ダイヤモンド膜の表面を構成するダイヤモンド結晶粒子の平均粒径が2μm以下、表面粗さRaが0.4μm以下で、前記ダイヤモンド結晶粒子が研磨されて曲面になっていることを特徴とするダイヤモンド膜被覆部材。
  2. 前記基材の表面粗さは、Rmax0.8μm以上4.0μm以下であることを特徴とする請求項1に記載のダイヤモンド膜被覆部材。
  3. 前記ダイヤモンド膜の表面積率が1.06以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のダイヤモンド膜被覆部材。
  4. 前記ダイヤモンド膜の表面で最も低い部分を0とした場合の凹凸の高さに関する分布図において、その半値幅が250nm以内であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のダイヤモンド膜被覆部材。
  5. 前記ダイヤモンド結晶粒子の曲面がトロコイド曲線状またはサイクロイド曲線状であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のダイヤモンド膜被覆部材。
  6. 前記ダイヤモンド膜の表面の一部が酸素で終端しており、その表面に存在する酸素の割合が2at%以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のダイヤモンド膜被覆部材。
  7. 前記ダイヤモンド膜の表面の一部がハロゲン元素で終端しており、その表面に存在するハロゲン元素の割合が2at%以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のダイヤモンド膜被覆部材。
  8. 前記ダイヤモンド膜は、その断面において微細ダイヤモンドが前記ダイヤモンド膜の成長方向に細長く配列し、かつその短径が0.001μm以上0.08μm以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のダイヤモンド膜被覆部材。
  9. 前記微細ダイヤモンドのアスペクト比が4以上20以下であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のダイヤモンド膜被覆部材。
  10. 前記ダイヤモンド膜の水素含有量は、原子比で1%以上5%以下であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のダイヤモンド膜被覆部材。
  11. 前記ダイヤモンド膜をラマン分光分析して得られたSP3結合によるピークの高さDとSP2結合または不定形炭素によるピークの高さGとの関係が4≧D/G≧0.5であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のダイヤモンド膜被覆部材。
  12. 前記ダイヤモンド膜の膜厚が0.5μm以上5μm以下であることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載のダイヤモンド膜被覆部材。
  13. 基材の表面にダイヤモンド膜が被覆されたダイヤモンド膜被覆部材を製造する方法であって、
    前記ダイヤモンド膜は、その断面において微細ダイヤモンドが前記ダイヤモンド膜の成長方向に細長く配列し、かつその短径が0.001μm以上0.08μm以下の構造を有するダイヤモンド膜であり、このダイヤモンド膜の表面を、粘弾性流動研磨法により研磨することを特徴とするダイヤモンド膜被覆部材の製造方法。
  14. 基材の表面にダイヤモンド膜が被覆されたダイヤモンド膜被覆部材を製造する方法であって、
    前記ダイヤモンド膜は、その断面において微細ダイヤモンドが前記ダイヤモンド膜の成長方向に細長く配列し、かつその短径が0.001μm以上0.08μm以下の構造を有するダイヤモンド膜であり、このダイヤモンド膜の表面を、弾性を有する砥粒複合体および/または角のない微細砥粒を用いた投射式研磨法により研磨することを特徴とするダイヤモンド膜被覆部材の製造方法。
  15. 前記基材の表面のうち、少なくとも前記ダイヤモンド膜が形成されている部分が曲面または曲面と平面が混在した形状であることを特徴とする請求項13または14に記載のダイヤモンド膜被覆部材の製造方法。
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