JPH01208397A - ダイヤモンド被覆体及びこれを用いた切削工具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、ダイヤモンド薄膜を被覆した単結晶ダイヤモ
ンド被覆体及び該被覆体を工具に用い金属や非金属材料
を精密に切削加工するためのダイヤモンド切削工具に関
するものである。

［従来の技術］ 従来、金属や非金属材料の切削又は研磨加工に使用され
ているダイヤモンド素材は、天然又は人造の単結晶ダイ
ヤモンド及び焼結体多結晶ダイヤモンドが使用されてい
る。

このうち焼結体多結晶ダイヤモンドは粗切削と中仕上げ
切削においてとくに優れており寿命の点でも有利である
が、焼結体であるためにバインダーを含みバインダ一部
分から摩耗するために鏡面仕上げなどの精密な加工には
適していない。

一方、単結晶ダイヤモンドは、形状の精度が良い点に大
きい特徴があるため、切削工具並びにドレッサー、硬度
計圧子及び測定子若しくはゲージアンビルなどの耐摩耗
工具として用いられている。

しかし、単結晶ダイヤモンドを工具として使用する場合
、原・石のシャンク等への固定は、通常、機械的保持法
、直接ロウ付は法若しくは焼結法により行われている。

いずれの固定方法によっても、単結晶ダイヤモンドの体
積の・うち、工具の表面に露出している部分よりもこれ
を固定するための固定代の部分の方が２〜３倍の体積を
占める。

この場合、工具の表面に露出した部分が使用により摩耗
するとこれを再度研磨して使用するが、この研磨により
露出部分がなくなると固定部分を残したまま廃棄しなけ
ればならない。これは高価な単結晶ダイヤモンドの損失
である。

また、単結晶ダイヤモンドは、結晶の硬さに大きな異方
性があるため刃先部の加工が困難で、工具製作のための
研磨方向が限定されるので、刃先部の形状及び大きさな
どが制約され、工具の刃先部の正確な刃付けをすること
ができない欠点がある。

［発明が解決しようとする課題］ 本発明は、再生可能な表面を持ち、結晶表面の異方性に
よる加工製作の困難性のないダイヤモンド素材を提供し
、さらに、前記焼結ダイヤモンド切削工具の欠点及び単
結晶ダイヤモンド切削工具の欠点のないダイヤモンド切
削工具を提供することを目的とするものである。

１課題を解決するための手段】 本発明者らは、単結晶ダイヤモンドとほぼ同一硬度を有
するダイヤモンド薄膜表面を、単結晶ダイヤモンドの上
に気相合成法により析出させた薄膜被覆体を形成し、こ
の薄膜被覆部を使用して、例えばこの薄膜被覆部に工具
の刃先部を形成し、これを使用して該薄膜部が摩耗する
と再度ダイヤモンド薄膜を摩耗部分に形成してこれを研
磨して元の形状に復元して再使用する方法を着想して本
発明を完成するに至った。

すなわち、本発明は、単結晶ダイヤモンドの表面に気相
合成法によりダイヤモンド薄膜を析出させたダイヤモン
ド被覆体及び単結晶ダイヤモンドの表面をダイヤモンド
薄膜により被覆しｔ；ダイヤモンド切削工具を提供する
ものである。

本発明のダイヤモンド被覆体に用いる単結晶ダイヤモン
ドは、天然ダイヤモンドまたは人造ダイヤモンドのいず
れも使用することができるが、これをあらかじめ使用す
る形状に粗研磨しておくのが望ましい。また、−旦、本
発明の製造方法によって被覆したものを使用してダイヤ
モンド薄膜が使用により摩耗しｔ；単結晶ダイヤモンド
も本発明の製造方法の原料に用いることができる。

このように予備粗研層する寸法形状は使用する態様によ
って相違するが、例えば、工具に使用する場合は、所望
の工具の刃先部の形状の寸法より２〜９０μｍ程度小さ
い寸法で研磨成形しておくのが望ましい。このようにす
ることにより、これにダイヤモンド薄膜を余分に析出さ
せて、所望の形状より大きくなった部分を研磨して所望
の形状にすることができる。

本発明のダイヤモンド被覆体の製造は公知の方法に準じ
て行うことができる（日経技術図書株式会社発行、ダイ
ヤモンドツール（１９８７）第７９〜８８ページ）。

すなわち、ダイヤモンド薄膜の被覆工程に用いることの
できる気相合成法は、物理蒸着方法及び化学蒸着方法を
使用することができ、特に、化学蒸着方法（ＣＶＤ）で
は、熱分解蒸着法、プラズマ蒸着法（プラズマＣＶＤ）
、電子線蒸着法（ＥＡＣＶＤ）などの方法を使用するこ
とができる。

これらの方法は、原料として、炭化水素（特にメタン）
と水素の混合ガスを用い、この水素過剰の混合ガス雰囲
気下で、温度７００〜１０００°Ｃに設定した単結晶ダ
イヤモンドを陽極台上に置き、例えば、電子線またはプ
ラズマを発生させ炭化水素を分解しダイヤモンド薄膜を
陽極台上の単結晶ダイヤモンドの表面に析出させる方法
によって本発明のダイヤモンド被覆体を製造することが
できる。

例えば、電子線及びプラズマを用いた場合の本発明のダ
イヤモンド薄膜作成条件は、第１表に示すような条件で
行うことができる。

（以下余白） 第１表 本発明のダイヤモンド被覆体において、被覆するダイヤ
モンド薄膜の厚さは、この被覆体を使用する態様に応じ
て自由に選択することができる。

例えば、工具に使用する場合は析出させるダイヤモンド
薄膜の厚さは、通常５〜１００μｍ１好ましくは１０〜
４０μｍのものを使用することができる。この場合、被
覆ダイヤモンド膜の厚さは５μｍ以下では刃先部の研磨
成形が困難となり、また、１００μｍあれば、通常は、
研磨により所望の刃先部の平面又は曲面形状にするのに
十分な研磨式を確保することができるので、被覆ダイヤ
モンド膜の厚さを１００μｍ以上にする必要は少なく、
かえっ１て薄膜析出工程に長時間要する点で製造工程上
から不利になる。

本発明のダイヤモンド切削工具は、刃先部具外の構造は
、従来より公知の単結晶ダイヤモンド工具として使用さ
れていたものはどのような構造のものも使用することが
できる。

また、刃先部の形状も従来使用されている切削工具の刃
先の形状のものは総て本発明の切削工具に使用すること
ができる。

本発明の特徴は、刃先部がダイヤモンドからなり、しか
も刃先部のダイヤモンドが２層になっていることにあり
、このようにして得られる本発明のダイヤモンド工具、
例えば、気相合成法によりダイヤモンド薄膜を単結晶ダ
イヤモンド表面に形成させたものは、緻密な微細多結晶
ダイヤモンド膜を被覆したものであるので、単結晶ダイ
ヤモンドのような異方性がなく、刃先部の成形加工又は
曲面性は加工が容易でさらに切削加工作業による摩耗も
均一なため耐用時間が長いダイヤモンド切′　　削工具
を提供することができる。

しかも、切削工具の拘先部表面のダイヤモンド膜が摩耗
した場合には、必要に応じて、偏った摩耗を均一に研磨
した上、この上に気相合成によりダイヤモンド薄膜を析
出させ、この薄膜部分を再度所定の形に研磨して原形に
復元することができる。

［発明の作用］ 本発明の製造方法において、気相合成法により析出する
ダイヤモンド薄膜は微細多結晶ダイヤモンド膜であるの
で該結晶膜に方向性がなく、まｔ；焼結体多結晶ダイヤ
モンドのようにバインダーを含んでいないので摩耗強度
等が大きい。

また、このダイヤモンド薄膜はダイヤモンド基板上に最
も強固に結合するので、超硬合金上にダイヤモンド薄膜
を析出させた場合より単結晶ダイヤモンドチップとの接
着結合力は極めて強固であり、両者は完全に一体化され
る。

このようにダイヤモンド薄膜を被覆した単結晶ダイヤモ
ンドチップは、単結晶部分が表面になく、刃先部の成形
において、表面被覆層の洋さの範囲内で刃先部の研磨成
形をしているかぎり結晶の異方性の影響がないので正確
な形状の刃付は加工が容易となる。

また、ダイヤモンド薄膜を被覆した気相合成ダイヤモン
ドチップは結晶の方向性が無いため、被削材を長時間切
削加工したときに、刃先部に局部的な偏った摩耗が起こ
らないので切削工具の寿命が延長する。

さらに被覆したダイヤモンド膜が摩耗して切削工具とし
て使用できなくなった場合でも、再びダイヤモンド薄膜
を被覆して刃先部の再研署することにより工具の再生利
用が可能となり、高価な単結晶ダイヤモンドを有効に使
用することができる。

［実施例］ 本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。

実施例１ 刃先角９０６、ノーズ半径約ＩＲの単結晶ダイヤモンド
チップに、直流プラズマＣＶＤ法により、圧力２００Ｔ
ｏｒｒとし、温度ａＯＯ°０において、メタン濃度はメ
タン／水素−１／１００とし、２時間の合成時間という
条件で、ダイヤモンド薄膜を４０μｍの厚さに被覆し、
ダイヤモンド被覆体を製造した。

しかる後、刃先角９０６、ノーズ半径ＩＲに研磨して単
結晶ダイヤモンドバイトに形成して、これをシャンクに
装着し第１図に示すようなダイヤモンド工具を作成した
。

実施例２ 摩耗して使用不能となった実施例１のダイヤモンド工具
の刃先部分を取り外し、その単結晶ダイヤモンドチップ
上の被覆薄膜を刃先角９０°、ノーズ半径ＩＲに再研磨
し、そのチップ上にダイヤモンド薄膜を実施例１と同様
の操作の気相合成法により２０μｍ被覆した。

しかる後、刃先角９０°、ノーズ半径ＩＲに刃付けして
、実施例１と同様の形状の単結晶ダイヤモンドバイトを
復元した。

［発明の効果］ 本発明により製造されるダイヤモンド被覆体は、ダイヤ
モンド切削工具、ダイス工具その他のもの例えば、ドレ
ッサー、硬度計圧子、測定子、ゲージアンビルなどの耐
摩耗工具に使用することができる。

本発明のダイヤモンド切削工具は、ダイヤモンド薄膜が
基体の単結晶ダイヤモンドに強固に固定されていて、表
面硬度及び形状の安定性、すなわち、切削性能について
は、単結晶ダイヤモンド切削工具と同等であり、しかも
表面のダイヤモンド薄膜は摩耗すれば元どおりに再生す
ることができる利点がある。そのため、高価な単結晶ダ
イヤモンド基体を半永久的に使用することができる。

一方、本発明のダイヤモンド切削工具の表面層のダイヤ
モンド薄膜は、焼結体多結晶ダイヤモンドのようにバイ
ンダーを含んでいないため摩耗強度が大きく耐用時間が
長い。

また、このダイヤモンド薄膜はダイヤモンド基板上に最
も強固に結合しているで、単結晶ダイヤモンドチップと
の接着結合力は極めて強固であり単結晶ダイヤモンドと
完全に一体的になっているため単結晶ダイヤモンドの刃
先部と同様の切削作業性を有する。

このようにダイヤモンド薄膜を被覆した単結晶ダイヤモ
ンドチップは、異方性のある単結晶部分が表面になく、
刃先部の成形に際して表面被覆層を研磨しているかぎり
結晶の異方性がないので精度よく正確な形状の刃付は加
工が容易となりその結果切削加工精度も向上する。

また、ダイヤモンド薄膜を被覆した気相合成ダイヤモン
ドチップは結晶の異方性が無いため、これを切削加工に
使用したときに、偏った摩耗が起こらないので切削工具
の寿命が延長する。

さらに被覆したダイヤモンド膜が摩耗して切削工具とし
て使用できなくなった場合でも、再びダイヤモンド薄膜
を被覆して刃先部を再研磨することにより工具の再生利
用が可能となり、高価な単結晶ダイヤモンド基体を何回
でも半永久的に使用することができる。

このように、本発明によれば、単結晶ダイヤモンドチッ
プの結晶の異方性に基く刃付は加工の困難さを排除し、
これにより切削製品の工作精度を向上させることができ
、また切削加工時の不均一摩耗を改善して単結晶ダイヤ
モンドの刃先部の場合より耐用時間を延長し、かつ再生
により貴重な単結晶ダイヤモンド基体を何回でも半永久
的に再生して使用することができるという二重に耐用期
間を延長できる利点があるなどダイヤモンド工具におけ
る有用性は非常に大きいものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例に係る切削工具の斜視図であり
、第２図はその刃先部の横断面拡大図である。 図中の符号は、１；ダイヤモンド刃先部、２；シャンク
部、３；固定部、４：止めネジ、５；単結晶ダイヤモン
ド、６：ダイヤモンド薄膜である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １　単結晶ダイヤモンドの表面に気相合成法によりダイ
   ヤモンド薄膜を析出させたことを特徴とするダイヤモン
   ド被覆体。 ２　単結晶ダイヤモンドの表面をダイヤモンド薄膜によ
   り被覆したダイヤモンドチップを用いた切削工具。