JP2010222600A - 炭素膜の形成方法、炭素膜被覆部材及びcmpパッドコンディショナー - Google Patents
炭素膜の形成方法、炭素膜被覆部材及びcmpパッドコンディショナー Download PDFInfo
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Abstract
【課題】成膜速度が高められるとともに、品質が充分に確保される炭素膜の形成方法、炭素膜被覆部材及びCMPパッドコンディショナーを提供する。
【解決手段】CVD法を用い、基材1の表面1Aに炭素膜2を成膜する炭素膜の形成方法であって、前記表面1Aに、前記基材1と同種の粒子3を分散させる工程と、CVD法により、前記表面1Aと前記粒子3の外周面とにより形成された段部4に種粒子5を捕捉させるとともに、前記種粒子5を核にして炭素膜2を成長させる工程と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図2
【解決手段】CVD法を用い、基材1の表面1Aに炭素膜2を成膜する炭素膜の形成方法であって、前記表面1Aに、前記基材1と同種の粒子3を分散させる工程と、CVD法により、前記表面1Aと前記粒子3の外周面とにより形成された段部4に種粒子5を捕捉させるとともに、前記種粒子5を核にして炭素膜2を成長させる工程と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図2
Description
本発明は、例えば、ダイヤモンド粒子等からなり、工具や部材などに被覆される炭素膜の形成方法、炭素膜被覆部材及びCMPパッドコンディショナーに関する。
近年、化学気相蒸着(CVD)法により、ダイヤモンド粒子やDLC(ダイヤモンドライクカーボン)からなる炭素膜を、電子デバイスや工具等に利用する研究が活発に行われている。すなわち、前記炭素膜を工具や部材等に成膜することによって、これらの工具や部材等に求められる耐摩耗性、硬さ、剛性等の力学的特性に対応するようにしている。
このような炭素膜は、その成膜される基材の表面において、核を起点に成長することが知られている。すなわち、成膜時に前記表面に付着した種粒子が核となり、この核を起点に拡散するようにして、炭素膜が形成されていく。尚、成膜時において早期に核が形成されれば、その分、成膜時間が短縮することとなる。また、このような種粒子が、前記表面に高密度かつ均一に分散した状態から炭素膜が形成された場合、炭素膜がより高精度に形成される。
詳しくは、前述のように種粒子が分散し形成された炭素膜には、200nm以下の微小なダイヤモンド粒子、すなわち、所謂ナノクリスタルダイヤモンドが形成されやすくなるとともに、これらのダイヤモンド粒子同士の間隙が形成されにくくなり、緻密で滑らかな炭素膜が形成される。
従来、炭素膜の品質を確保するため、種々の手法が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
従来、炭素膜の品質を確保するため、種々の手法が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
一方、半導体産業の進展とともに、金属、半導体、セラミックスなどの表面を高精度に仕上げる加工の必要性が高まっており、特に、半導体ウェーハでは、その集積度の向上とともにナノメーターオーダーの表面仕上げが要求されている。このような高精度の表面仕上げに対応するために、半導体ウェーハに対して、多孔性のCMPパッドを用いたCMP(ケミカルメカニカルポリッシュ)研磨が一般に行われている。
半導体ウェーハ等の研磨加工に用いられるCMPパッドは、研磨時間が経過していくにつれ目詰まりや圧縮変形を生じ、その表面状態が次第に変化していく。すると、研磨速度の低下や不均一研磨等の好ましくない現象が生じるので、CMPパッドコンディショナーを用い、CMPパッドの表面を研削加工することにより、CMPパッドの表面状態を一定に保って、良好な研磨状態を維持する工夫が行われている。
このようなCMPパッドコンディショナーは、例えば、円板状の基板(基材)と、この基板のCMPパッド側を向く表面に形成された複数の切刃とを有している。そして、これらの切刃を、ダイヤモンド粒子等からなる炭素膜で被覆して、鋭い切れ味や耐摩耗性を確保するようにしている。
しかしながら、前述の炭素膜においては、成膜速度のさらなる向上が要求されている。
また、特に、炭素膜の膜厚が比較的薄く設定される場合に、成膜された炭素膜が粗く形成され品質が確保できないことがあり、炭素膜を緻密に、かつ、高精度に形成することへの要望があった。
また、特に、炭素膜の膜厚が比較的薄く設定される場合に、成膜された炭素膜が粗く形成され品質が確保できないことがあり、炭素膜を緻密に、かつ、高精度に形成することへの要望があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、成膜速度が高められるとともに、品質が充分に確保される炭素膜の形成方法、炭素膜被覆部材及びCMPパッドコンディショナーを提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提案している。
すなわち、本発明は、CVD法を用い、基材の表面に炭素膜を成膜する炭素膜の形成方法であって、前記表面に、前記基材と同種の粒子を分散させる工程と、CVD法により、前記表面と前記粒子の外周面とにより形成された段部に種粒子を捕捉させるとともに、前記種粒子を核にして炭素膜を成長させる工程と、を備えることを特徴とする。
すなわち、本発明は、CVD法を用い、基材の表面に炭素膜を成膜する炭素膜の形成方法であって、前記表面に、前記基材と同種の粒子を分散させる工程と、CVD法により、前記表面と前記粒子の外周面とにより形成された段部に種粒子を捕捉させるとともに、前記種粒子を核にして炭素膜を成長させる工程と、を備えることを特徴とする。
本発明に係る炭素膜の形成方法によれば、予め、基材の表面に、該基材と同種の粒子を分散させるので、これらの粒子が、前記表面から突出するように配されるとともに、該表面と粒子の外周面とが段部を形成することとなる。従って、次いで、CVD法により、前記表面に炭素膜を成膜する際、種粒子が前記段部に捕捉されやすくなり、該表面において、これらの種粒子が、成膜段階の比較的早期に、高密度かつ均一に分散される。このように分散された種粒子を核にして炭素膜が成長するので、成膜速度が大幅に高められるとともに、炭素膜の品質が充分に確保される。
詳しくは、前述のように種粒子が分散した状態で成膜された炭素膜には、200nm以下の微小なダイヤモンド粒子、すなわち、所謂ナノクリスタルダイヤモンドが形成されやすくなるとともに、これらのダイヤモンド粒子同士の間隙が形成されにくくなり、緻密で滑らかな炭素膜が形成される。
また、前述のように、基材と同種の粒子を前記表面に分散させているので、炭素膜と基材との界面における組成が安定し、炭素膜の基材に対する結合力が安定して確保されるとともに、該炭素膜の剥離強度が充分に確保される。
また、本発明に係る炭素膜の形成方法において、前記粒子を分散させる工程は、前記粒子を分散させた溶剤内に前記基材を浸漬させた後、この基材を乾燥させることとしてもよい。
本発明に係る炭素膜の形成方法によれば、前記粒子を分散させた溶剤内に基材を浸漬させた後、この基材を乾燥させることで、基材の表面に粒子を分散させるので、これらの粒子が前記表面により均一に精度よく分散される。従って、炭素膜の成膜速度が確実に高められるとともに、成膜される炭素膜の品質が向上する。
また、本発明に係る炭素膜の形成方法において、前記粒子の平均粒径が、5〜50nmの範囲内に設定されることとしてもよい。
本発明に係る炭素膜の形成方法によれば、前記粒子の平均粒径が、5〜50nmの範囲内に設定されるので、基材の表面に分散されたこれらの粒子が、精度よく段部を形成するとともに、より確実に種粒子を捕捉することとなる。詳しくは、前記平均粒径が5nm未満に設定された場合は、前記段部が充分な大きさに形成されず、種粒子が捕捉されにくくなることがある。また、前記平均粒径が50nmを超えて設定された場合は、段部が大きくなりすぎて、種粒子が捕捉されにくくなることがある。
また、本発明に係る炭素膜の形成方法において、前記表面に分散された前記粒子の分散密度が、1×106〜2.5×106個/mm2の範囲内に設定されることとしてもよい。
本発明に係る炭素膜の形成方法によれば、基材の表面に分散された前記粒子の分散密度が、1×106〜2.5×106個/mm2の範囲内に設定されるので、炭素膜の成膜速度が確実に高められるとともに、該炭素膜がより緻密に高精度に形成される。詳しくは、前記分散密度が1×106個/mm2未満に設定された場合は、成膜速度が充分に高められず、また、成膜された炭素膜の品質が確保できないことがある。また、前記分散密度が2.5×106個/mm2を超えて設定された場合は、炭素膜の基材に対する剥離強度が確保できないことがある。
また、本発明は、前述の炭素膜の形成方法により製造された炭素膜被覆部材であって、前記基材と炭素膜との界面に、前記粒子が分散されていることを特徴とする。
また、本発明に係る炭素膜被覆部材において、前記炭素膜の膜厚が、1〜5μmの範囲内に設定されることとしてもよい。
本発明に係る炭素膜被覆部材によれば、炭素膜の膜厚が、1〜5μmの範囲内と比較的薄く設定されていても、滑らかで高強度の、品質の高い炭素膜が得られる。すなわち、前述のように、基材の表面に種粒子が高密度かつ均一に分散された状態で、これらの種粒子を核として、炭素膜が緻密に形成されていることから、炭素膜の品質が充分に確保される。詳しくは、炭素膜の膜厚が、1μm未満に設定された場合は、炭素膜の剛性が充分に確保できないことがある。また、炭素膜の膜厚が、5μmを超えて設定された場合は、前述の効果が充分に得られないことがある。
また、本発明は、基材と、この基材の表面に突出して形成された切刃と、前記表面を被覆する炭素膜とを備え、前記表面に対向配置されたCMPパッドに、前記切刃を用い研削加工を施すCMPパッドコンディショナーであって、この炭素膜が、前述の炭素膜の形成方法により形成されていることを特徴とする。
本発明に係るCMPパッドコンディショナーによれば、前述の炭素膜を用い基材の表面を被覆しているので、該表面の切刃の強度が充分に確保されるとともに、該切刃が高精度に形成される。従って、CMPパッドコンディショナーのCMPパッドに対する研削性能が安定して確保されるとともに、工具寿命が延長する。また、炭素膜の成膜が短時間で比較的簡便に行えることから、CMPパッドコンディショナーの生産性が向上する。
本発明に係る炭素膜の形成方法によれば、炭素膜の成膜速度が高められるとともに、品質が充分に確保される。また、このような炭素膜を比較的容易に形成できる。
また、本発明に係る炭素膜被覆部材によれば、炭素膜の基材に対する剥離強度が確保され、性能が安定する。
また、本発明に係るCMPパッドコンディショナーによれば、CMPパッドを精度よく安定して研削加工でき、工具寿命が延長する。
また、本発明に係る炭素膜被覆部材によれば、炭素膜の基材に対する剥離強度が確保され、性能が安定する。
また、本発明に係るCMPパッドコンディショナーによれば、CMPパッドを精度よく安定して研削加工でき、工具寿命が延長する。
本実施形態のCMPパッドコンディショナー(炭素膜被覆部材)10は、円板状又は円環板状をなし、図1に示すように、その中心軸周りに回転する基板(基材)1と、この基板1の表面1Aに突出して形成された複数の切刃(不図示)と、表面1Aを被覆する炭素膜2とを有している。また、CMPパッドコンディショナー10は、これらの切刃を用いて、該表面1Aに対向配置されたCMPパッドに研削加工を施す。また、前記切刃は、例えば、多角錐状、多角柱状、円錐状又は切頭円錐状等に形成されている。尚、これらの切刃も炭素膜2で被覆されている。また、CMPパッドは、半導体ウェーハに対して研磨加工を施す。
基板1は、炭化珪素(SiC)、窒化珪素(Si3N4)、窒化アルミニウム(AlN)等のセラミックス材料からなり、その表面1Aには、基板1と同種の材料からなる粒子3が分散されている。すなわち、これらの粒子3は、基板1と炭素膜2との界面に分散されている。また、これらの粒子3は、その平均粒径が、5〜50nmの範囲内に設定されている。また、基板1の表面1Aにおけるこれらの粒子3の分散密度は、1×106〜2.5×106個/mm2の範囲内に設定されている。
また、炭素膜2は、平均粒径が200nm以下のダイヤモンド粒子、すなわち、所謂ナノクリスタルダイヤモンドからなり、その膜厚が、1〜5μmの範囲内に設定されている。
次に、基板1の表面1Aに炭素膜2を形成する手順について説明する。
まず、基板1の表面1Aに、予め前記切刃に対応する形状を付与しておく。
まず、基板1の表面1Aに、予め前記切刃に対応する形状を付与しておく。
次いで、図2(a)に示すように、この表面1Aに、基板1と同種の粒子3を分散させる。
詳しくは、粒子3を分散させた溶剤を予め用意し、この溶剤内に基板1を浸漬させた後、溶剤内から基板1を引き上げ乾燥させることで、表面1Aに、粒子3を高密度かつ均一に分散させる。尚、これらの粒子3の平均粒径は、5〜50nmの範囲内に設定され、表面1Aにおけるこれらの粒子3の分散密度は、1×106〜2.5×106個/mm2の範囲内に設定される。また、この際、これらの粒子3は、表面1Aから突出するように配されるとともに、該表面1Aと粒子3の外周面とが段部4を夫々形成する。
詳しくは、粒子3を分散させた溶剤を予め用意し、この溶剤内に基板1を浸漬させた後、溶剤内から基板1を引き上げ乾燥させることで、表面1Aに、粒子3を高密度かつ均一に分散させる。尚、これらの粒子3の平均粒径は、5〜50nmの範囲内に設定され、表面1Aにおけるこれらの粒子3の分散密度は、1×106〜2.5×106個/mm2の範囲内に設定される。また、この際、これらの粒子3は、表面1Aから突出するように配されるとともに、該表面1Aと粒子3の外周面とが段部4を夫々形成する。
次いで、気相合成法熱フィラメント炉からなる反応容器を用い、CVD法により、基板1の表面1Aに炭素膜2を成膜する。
この際、図2(b)に示すように、まず、反応容器内の種粒子5が、段部4における表面1Aの部分及び粒子3の外周面の部分に夫々付着するようにして、該段部4に捕捉される。
この際、図2(b)に示すように、まず、反応容器内の種粒子5が、段部4における表面1Aの部分及び粒子3の外周面の部分に夫々付着するようにして、該段部4に捕捉される。
尚、これらの段部4は、前述したように、表面1Aに高密度かつ均一に分散された粒子3に対応して夫々形成されるので、これらの段部4に捕捉された種粒子5も、表面1Aにおいて高密度かつ均一に分散されることとなる。
このように段部4に捕捉された種粒子5は、炭素膜2の核となり、これらの種粒子5を起点に拡散するようにして、炭素膜2が成長する。
このようにして、基板1の表面1Aに、図2(c)に示す炭素膜2が形成され、CMPパッドコンディショナー10が製造される。
このように段部4に捕捉された種粒子5は、炭素膜2の核となり、これらの種粒子5を起点に拡散するようにして、炭素膜2が成長する。
このようにして、基板1の表面1Aに、図2(c)に示す炭素膜2が形成され、CMPパッドコンディショナー10が製造される。
以上説明したように、本実施形態に係るCMPパッドコンディショナー10の炭素膜2の形成方法によれば、予め、基板1の表面1Aに、基板1と同種の粒子3を分散させるので、これらの粒子3が、表面1Aから突出するように配されるとともに、該表面1Aと粒子3の外周面とが段部4を形成することとなる。従って、次いで、CVD法により、表面1Aに炭素膜2を成膜する際、種粒子5が段部4に捕捉されやすくなり、該表面1Aにおいて、これらの種粒子5が、成膜段階の比較的早期に、高密度かつ均一に分散される。このように分散された種粒子5を核にして炭素膜2が成長するので、成膜速度が大幅に高められるとともに、炭素膜2の品質が充分に確保される。
詳しくは、前述のように種粒子5が分散した状態で成膜された炭素膜2には、200nm以下の微小なダイヤモンド粒子、すなわち、所謂ナノクリスタルダイヤモンドが形成されやすくなるとともに、これらのダイヤモンド粒子同士の間隙が形成されにくくなり、緻密で滑らかな炭素膜2が形成される。
また、前述のように、基板1と同種の粒子3を表面1Aに分散させているので、炭素膜2と基板1との界面における組成が安定し、炭素膜2の基板1に対する結合力が安定して確保されるとともに、該炭素膜2の剥離強度が充分に確保される。
また、これらの粒子3を基板1の表面1Aに分散させる際、予め粒子3を分散させた溶剤内に基板1を浸漬させた後、この基板1を乾燥させることとしているので、これらの粒子3が表面1Aにより均一に精度よく分散される。従って、炭素膜2の成膜速度が確実に高められるとともに、成膜される炭素膜2の品質が向上する。
また、粒子3の平均粒径が、5〜50nmの範囲内に設定されるので、基板1の表面1Aに分散されたこれらの粒子3が、精度よく段部4を形成するとともに、より確実に種粒子5を捕捉することとなる。詳しくは、前記平均粒径が5nm未満に設定された場合は、段部4が充分な大きさに形成されず、種粒子5が捕捉されにくくなることがある。また、前記平均粒径が50nmを超えて設定された場合は、段部4が大きくなりすぎて、種粒子5が捕捉されにくくなることがある。
また、基板1の表面1Aに分散された粒子3の分散密度が、1×106〜2.5×106個/mm2の範囲内に設定されるので、炭素膜2の成膜速度が確実に高められるとともに、該炭素膜2がより緻密に高精度に形成される。詳しくは、前記分散密度が1×106個/mm2未満に設定された場合は、成膜速度が充分に高められず、また、成膜された炭素膜2の品質が確保できないことがある。また、前記分散密度が2.5×106個/mm2を超えて設定された場合は、炭素膜2の基板1に対する剥離強度が確保できないことがある。
また、本実施形態のCMPパッドコンディショナー10によれば、炭素膜2の膜厚が、1〜5μmの範囲内と比較的薄く設定されていても、滑らかで高強度の、品質の高い炭素膜2が得られる。すなわち、前述のように、基板1の表面1Aに種粒子5が高密度かつ均一に分散された状態で、これらの種粒子5を核として、炭素膜2が緻密に形成されていることから、炭素膜2の品質が充分に確保される。詳しくは、炭素膜2の膜厚が、1μm未満に設定された場合は、炭素膜2の剛性が充分に確保できないことがある。また、炭素膜2の膜厚が、5μmを超えて設定された場合は、前述の効果が充分に得られないことがある。
また、このCMPパッドコンディショナー10は、前述の炭素膜2を用い基板1の表面1Aを被覆しているので、該表面1Aの前記切刃の強度が充分に確保されるとともに、該切刃が高精度に形成される。従って、CMPパッドコンディショナー10のCMPパッドに対する研削性能が安定して確保されるとともに、工具寿命が延長する。また、炭素膜2の成膜が短時間で比較的簡便に行えることから、CMPパッドコンディショナー10の生産性が向上する。
尚、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、本実施形態では、炭素膜被覆部材として、CMPパッドコンディショナー10を用いて説明したが、これに限定されるものではない。すなわち、炭素膜被覆部材として、基材と、この基材の表面1Aを被覆する炭素膜2とを有し、基材と炭素膜2との界面に該基材と同種の粒子3が分散された、例えば、ドリル、エンドミル、バイト等の切削工具や電子デバイス等の部材を用いても構わない。
例えば、本実施形態では、炭素膜被覆部材として、CMPパッドコンディショナー10を用いて説明したが、これに限定されるものではない。すなわち、炭素膜被覆部材として、基材と、この基材の表面1Aを被覆する炭素膜2とを有し、基材と炭素膜2との界面に該基材と同種の粒子3が分散された、例えば、ドリル、エンドミル、バイト等の切削工具や電子デバイス等の部材を用いても構わない。
また、本実施形態では、炭素膜2は、平均粒径が200nm以下のダイヤモンド粒子(ナノクリスタルダイヤモンド)からなることとしたが、これに限定されるものではない。すなわち、炭素膜2が、平均粒径が200nmを超える比較的粒径の大きいSP3結合のダイヤモンド粒子や、SP3結合及びSP2結合の混在するアモルファスのDLC等からなることとしても構わない。
また、基板1の表面1Aに粒子3を分散させる手法として、粒子3を分散させた溶剤内に基板1を浸漬させた後、この基板1を乾燥させることとして説明したが、これに限定されるものではない。すなわち、それ以外の塗布等によって、基板1の表面1Aに粒子3を分散させても構わない。
また、粒子3の平均粒径は、前述の範囲内に限定されるものではない。
また、基板1の表面1Aに分散された粒子3の分散密度は、前述の範囲内に限定されない。
また、炭素膜2の膜厚は、前述の範囲内に限定されない。
また、基板1の表面1Aに分散された粒子3の分散密度は、前述の範囲内に限定されない。
また、炭素膜2の膜厚は、前述の範囲内に限定されない。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。ただし本発明はこの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
実施例1として、まず、SiCからなる基板1、及び、Si3N4からなる基板1を夫々用意し、これらの基板1の表面1Aに、基板1と同種の粒子3を夫々分散させた。詳しくは、予めガスアトマイズ法やプラズマ処理等により製造された粉状の粒子3を用意し、この粒子3をイソプロピルアルコールやイソブチルアルコール等の分散剤(溶剤)に分散させ、超音波洗浄機などを用い、この分散剤内に基板1を浸漬させた後、該基板1を分散剤内から引き上げ乾燥して、基板1の表面1Aに粒子3を分散させた。尚、粒子3の平均粒径、及び、表面1Aにおける分散密度は、前述した範囲内に夫々設定した。
実施例1として、まず、SiCからなる基板1、及び、Si3N4からなる基板1を夫々用意し、これらの基板1の表面1Aに、基板1と同種の粒子3を夫々分散させた。詳しくは、予めガスアトマイズ法やプラズマ処理等により製造された粉状の粒子3を用意し、この粒子3をイソプロピルアルコールやイソブチルアルコール等の分散剤(溶剤)に分散させ、超音波洗浄機などを用い、この分散剤内に基板1を浸漬させた後、該基板1を分散剤内から引き上げ乾燥して、基板1の表面1Aに粒子3を分散させた。尚、粒子3の平均粒径、及び、表面1Aにおける分散密度は、前述した範囲内に夫々設定した。
次いで、これらの基板1の表面1Aに、気相合成法熱フィラメント炉を用いたCVD法により、炭素膜2を成膜した。尚、この際、成膜開始から0.5h経過後に、基板1を反応容器から取り出し、炭素膜2の成膜速度、及び、炭素膜2内に形成されたダイヤモンド粒子の平均粒径を夫々測定した。結果を表1に示す。
[比較例1]
また、比較例1として、基板1の表面1Aに粒子3を分散させずに、該表面1Aに炭素膜2を成膜した。それ以外は、実施例1と同様の条件として測定を行った。
また、比較例1として、基板1の表面1Aに粒子3を分散させずに、該表面1Aに炭素膜2を成膜した。それ以外は、実施例1と同様の条件として測定を行った。
表1に示す通り、実施例1は、比較例1に対して成膜速度が6割以上も高められることが確認された。
また、実施例1においては、このように成膜速度が高められているにも係わらず、炭素膜2内のダイヤモンド粒子の平均粒径が200nm以下とされ、緻密な炭素膜2が形成されることがわかった。尚、実施例1において、炭素膜2を引き続き成膜したところ、その成膜速度:2.0μm/hが、膜厚5μmに達するまで維持されることが確認された。
一方、比較例1においては、前記平均粒径が500nm程度とされ、炭素膜が比較的粗く形成された。
また、実施例1においては、このように成膜速度が高められているにも係わらず、炭素膜2内のダイヤモンド粒子の平均粒径が200nm以下とされ、緻密な炭素膜2が形成されることがわかった。尚、実施例1において、炭素膜2を引き続き成膜したところ、その成膜速度:2.0μm/hが、膜厚5μmに達するまで維持されることが確認された。
一方、比較例1においては、前記平均粒径が500nm程度とされ、炭素膜が比較的粗く形成された。
1 基板(基材)
1A 基板の表面
2 炭素膜
3 基板と同種の粒子
4 段部
5 炭素膜の種粒子
10 CMPパッドコンディショナー(炭素膜被覆部材)
1A 基板の表面
2 炭素膜
3 基板と同種の粒子
4 段部
5 炭素膜の種粒子
10 CMPパッドコンディショナー(炭素膜被覆部材)
Claims (7)
- CVD法を用い、基材の表面に炭素膜を成膜する炭素膜の形成方法であって、
前記表面に、前記基材と同種の粒子を分散させる工程と、
CVD法により、前記表面と前記粒子の外周面とにより形成された段部に種粒子を捕捉させるとともに、前記種粒子を核にして炭素膜を成長させる工程と、を備えることを特徴とする炭素膜の形成方法。 - 請求項1に記載の炭素膜の形成方法であって、
前記粒子を分散させる工程は、前記粒子を分散させた溶剤内に前記基材を浸漬させた後、この基材を乾燥させることを特徴とする炭素膜の形成方法。 - 請求項1又は2に記載の炭素膜の形成方法であって、
前記粒子の平均粒径が、5〜50nmの範囲内に設定されることを特徴とする炭素膜の形成方法。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載の炭素膜の形成方法であって、
前記表面に分散された前記粒子の分散密度が、1×106〜2.5×106個/mm2の範囲内に設定されることを特徴とする炭素膜の形成方法。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載の炭素膜の形成方法により製造された炭素膜被覆部材であって、
前記基材と炭素膜との界面に、前記粒子が分散されていることを特徴とする炭素膜被覆部材。 - 請求項5に記載の炭素膜被覆部材であって、
前記炭素膜の膜厚が、1〜5μmの範囲内に設定されることを特徴とする炭素膜被覆部材。 - 基材と、この基材の表面に突出して形成された切刃と、前記表面を被覆する炭素膜とを備え、
前記表面に対向配置されたCMPパッドに、前記切刃を用い研削加工を施すCMPパッドコンディショナーであって、
前記炭素膜が、請求項1〜4のいずれか一項に記載の炭素膜の形成方法により形成されていることを特徴とするCMPパッドコンディショナー。
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JP2009068396A Withdrawn JP2010222600A (ja) | 2009-03-19 | 2009-03-19 | 炭素膜の形成方法、炭素膜被覆部材及びcmpパッドコンディショナー |
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JP (1) | JP2010222600A (ja) |
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2009
- 2009-03-19 JP JP2009068396A patent/JP2010222600A/ja not_active Withdrawn
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