JP2010202675A - 印刷用フィルム - Google Patents
印刷用フィルム Download PDFInfo
- Publication number
- JP2010202675A JP2010202675A JP2009039259A JP2009039259A JP2010202675A JP 2010202675 A JP2010202675 A JP 2010202675A JP 2009039259 A JP2009039259 A JP 2009039259A JP 2009039259 A JP2009039259 A JP 2009039259A JP 2010202675 A JP2010202675 A JP 2010202675A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- compound
- group
- film
- component
- mass
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
【解決手段】(A)ゴム変性スチレン系樹脂25〜75質量%、及び、(B)ポリアミド系樹脂25〜75質量%からなる熱可塑性樹脂組成物(I)を成形してなる厚さ50〜500μmの印刷用フィルムが提供される。前記成分(A)は、ゴム質重合体の存在下にビニル系単量体を重合して得られるグラフト共重合体、または、該グラフト共重合体とビニル系単量体の(共)重合体との混合物からなる。ビニル系単量体は、芳香族ビニル化合物及びシアン化ビニル化合物に加え、官能基含有ビニル系単量体を成分(A)中の0.1〜1.2質量%含有し、成分(A)のアセトン可溶分の極限粘度(メチルエチルケトン、30℃)は0.15〜1.5dl/gである。組成物(I)100質量部に対し5〜30質量部のゴム質重合体を含有する。
【選択図】なし
Description
前記成分(A)は、ゴム質重合体(a)の存在下にビニル系単量体(b1)を重合して得られるグラフト共重合体(A1)、または、該グラフト共重合体(A1)とビニル系単量体(b2)の(共)重合体(A2)との混合物からなり、
前記ビニル系単量体(b1)及びビニル系単量体(b2)は、何れも、芳香族ビニル化合物及びシアン化ビニル化合物を必須単量体成分として含有し、
前記ビニル系単量体(b1)及びビニル系単量体(b2)の少なくとも何れか1方は、さらに、水酸基含有不飽和化合物、エポキシ基含有不飽和化合物、置換または非置換のアミノ基含有不飽和化合物、カルボキシル基含有不飽和化合物、酸無水物基含有不飽和化合物及びオキサゾリン基含有不飽和化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種の官能基含有ビニル系単量体を含有し、
前記成分(A)中の前記官能基含有ビニル系単量体の含有量は0.1〜1.2質量%であり、
前記成分(A)のアセトン可溶分の極限粘度(メチルエチルケトン、30℃)は0.15〜1.5dl/gであり、
前記熱可塑性樹脂組成物(I)は、該樹脂組成物(I)100質量部に対して5〜30質量部のゴム質重合体(a)を含有する、印刷用フィルム、が提供される。
本発明で使用する成分(A)は、ゴム質重合体(a)の存在下にビニル系単量体(b1)を重合して得られるグラフト共重合体(A1)、または、該グラフト共重合体(A1)とビニル系単量体(b2)の(共)重合体(A2)との混合物からなるゴム変性スチレン系樹脂である。(共)重合体(A2)は、ゴム質重合体(a)の不存在下にビニル系単量体(b2)を重合して得られる。
上記ゴム質重合体(a)としては、特に限定されず、例えば、共役ジエン系ゴム質重合体、非共役ジエン系ゴム質重合体が挙げられる。共役ジエン系ゴム質重合体としては、例えば、ポリブタジエン、ブタジエン・スチレン共重合体、ブタジエン・アクリロニトリル共重合体、及びこれらの水素添加物が挙げられる。非共役ジエン系ゴム質重合体としては、例えば、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・1−ブテン・非共役ジエン共重合体、エチレン・1−オクテン共重合体、エチレン・1−オクテン・非共役ジエン共重合体等のエチレン・α−オレフィン系共重合体ゴム;アクリル系ゴム;シリコーン系ゴム;シリコーン・アクリル系IPNゴム等が挙げられる。これらは1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらのゴム質重合体(a)のうち、本発明では、共役ジエン系ゴム質重合体が好ましい。
尚、上記ゲル含率は、以下の方法により求めることができる。まず、ゴム質重合体(a)の1グラムをアセトン(アクリル系ゴムの場合はアセトニトリル)20mlに投入し、25℃の温度条件下で、攪拌機を用い、1,000rpmで2時間攪拌する。その後、遠心分離機(回転数;22,000rpm)で1時間遠心分離し、不溶分と可溶分とを分離して得られる不溶分を秤量(質量をW1グラムとする。)し、下記式により算出する。
上記ビニル系単量体(b1)としては、芳香族ビニル化合物及びシアン化ビニル化合物が必須成分として使用され、所望により、水酸基含有不飽和化合物、エポキシ基含有不飽和化合物、置換または非置換のアミノ基含有不飽和化合物、カルボキシル基含有不飽和化合物、酸無水物基含有不飽和化合物及びオキサゾリン基含有不飽和化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種の官能基含有ビニル系単量体が使用される。これらの官能基含有ビニル系単量体を使用することにより、本発明の成分(A)と成分(B)との相溶性を改善することができる。
但し、本発明では、ビニル系単量体(b1)及びビニル系単量体(b2)の少なくとも何れか1方は上記官能基含有ビニル系単量体を含有する必要があるので、ビニル系単量体(b2)が上記官能基含有ビニル系単量体を含有しない場合、ビニル系単量体(b1)は上記官能基含有ビニル系単量体を含有する必要がある。なお、本明細書中、上記官能基含有ビニル系単量体を含有しないビニル系単量体(b1)をビニル系単量体(b1−1)と、上記官能基含有ビニル系単量体を含有するビニル系単量体(b1)をビニル系単量体(b1−2)と、記載することもある。
上記ビニル系単量体(b2)としては、芳香族ビニル化合物及びシアン化ビニル化合物が必須成分として使用され、所望により、水酸基含有不飽和化合物、エポキシ基含有不飽和化合物、置換または非置換のアミノ基含有不飽和化合物、カルボキシル基含有不飽和化合物、酸無水物基含有不飽和化合物及びオキサゾリン基含有不飽和化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種の官能基含有ビニル系単量体が使用される。
但し、本発明では、ビニル系単量体(b1)及びビニル系単量体(b2)の少なくとも何れか1方は上記官能基含有ビニル系単量体を含有する必要があるので、ビニル系単量体(b1)が上記官能基含有ビニル系単量体を含有しない場合、ビニル系単量体(b2)は上記官能基含有ビニル系単量体を含有する必要がある。なお、本明細書中、上記官能基含有ビニル系単量体を含有しないビニル系単量体(b2)をビニル系単量体(b2−1)と、上記官能基含有ビニル系単量体を含有するビニル系単量体(b2)をビニル系単量体(b2−2)と、記載することもある。
本発明で使用する成分(A)は、グラフト共重合体(A1)、または、該グラフト共重合体(A1)とビニル系単量体(b2)の(共)重合体(A2)との混合物から本質的に構成される。
成分(A1−1):ゴム質重合体(a)の存在下に、芳香族ビニル化合物及びシアン化ビニル化合物をからなるビニル系単量体(b1−1)(但し、官能基含有ビニル系単量体を含有しない)を重合して得られるグラフト共重合体。
成分(A1−2):ゴム質重合体(a)の存在下に、芳香族ビニル化合物及びシアン化ビニル化合物、並びに、水酸基含有不飽和化合物、エポキシ基含有不飽和化合物、置換または非置換のアミノ基含有不飽和化合物、カルボキシル基含有不飽和化合物、酸無水物基含有不飽和化合物及びオキサゾリン基含有不飽和化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種の官能基含有ビニル系単量体からなるビニル系単量体(b1−2)を重合して得られるグラフト共重合体。
成分(A2−1):ゴム質重合体(a)の不存在下に、芳香族ビニル化合物及びシアン化ビニル化合物をからなるビニル系単量体(b2−1)(但し、官能基含有ビニル系単量体を含有しない)を重合して得られる(共)重合体。
成分(A2−2):ゴム質重合体(a)の不存在下に、芳香族ビニル化合物及びシアン化ビニル化合物、並びに、水酸基含有不飽和化合物、エポキシ基含有不飽和化合物、置換または非置換のアミノ基含有不飽和化合物、カルボキシル基含有不飽和化合物、酸無水物基含有不飽和化合物及びオキサゾリン基含有不飽和化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種の官能基含有ビニル系単量体からなるビニル系単量体(b2−2)を重合して得られる(共)重合体。
上記重合開始剤は、反応系に一括して又は連続的に添加することができる。また、上記重合開始剤の使用量は、上記ビニル系単量体の全量を100質量部とした場合、通常、0.1〜5質量部、好ましくは0.5〜2質量部である。
上記乳化剤の使用量は、上記ビニル系単量体(b1)の全量を100質量部とした場合、通常、0.1〜5質量部、好ましくは0.1〜3質量部である。
上記グラフト共重合体(A1)のグラフト率は、通常20〜170%であり、好ましくは20〜150%、更に好ましくは30〜150%である。このグラフト率20%未満では、フィルムに成形した際に、表面にフローマークが発生する場合があり、機械的強度が十分でない場合がある。また、グラフト率が170%を超えると、グラフト共重合体(A1)の粘度が高くなる場合があり、薄肉化が困難な場合がある。
なお、上記グラフト共重合体(A1)のグラフト率は、その製造時に用いる連鎖移動剤の種類及び使用量、重合開始剤の種類及び使用量、重合時の単量体成分の添加方法及び添加時間等を適宜選択することにより調整することができる。
また、上記(共)重合体(A2)の極限粘度[η](溶媒としてメチルエチルケトンを使用し、30℃で測定)は、通常0.15〜1.5dl/g、好ましくは0.2〜1.2dl/g、より好ましくは0.2〜0.9dl/gである。上記極限粘度[η]が0.15未満では、耐熱性、機械的強度が十分でなくなる可能性がある。上記極限粘度[η]が1.5を超えると、製膜性が十分でなくなる可能性がある。
上記極限粘度は、製造時に用いる連鎖移動剤の種類及び使用量、重合開始剤の種類及び使用量、重合温度等を適宜選択することにより調整することができる。
本発明で使用する成分(B)としては、3員環以上のラクタム、重合可能なω−アミノ酸、又は、二塩基酸とジアミン等の重縮合によって得られるポリアミドが挙げられる。具体的には、ε−カプロラクタム、アミノカプロン酸、エナントラクタム、7−アミノヘプタン酸、11−アミノウンデカン酸、9−アミノノナン酸、α−ピロリドン、α−ピペリドン等の重合体、ヘキサメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、メタキシリレンジアミン等のジアミンと、テレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二塩基酸、グルタール酸等のジカルボン酸と重縮合せしめて得られる重合体又はこれらの共重合体、例えば、ナイロン4、6、7、8、11、12、6.6、6.9、6.10、6.11、6.12、6T、6/6.6、6/12、6/6T、6T/6I、MXD6等が挙げられる。これらの化合物は、単独で使用しても、2種以上混合して使用してもよい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物(I)は、上記成分(A)及び上記成分(B)を所定の配合比率で混合し溶融混練することにより得られる。
別法として、特開2005−178276号公報に記載のように、予め図柄が印刷されたPETフィルムから本発明の印刷用フィルムの表面に図柄を転写させる方法で印刷層を形成することもできる。
透明樹脂層は、通常、熱可塑性樹脂の成形樹脂層からなる。該熱可塑性樹脂は、透明であれば特に限定されず、例えば、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂、ポリアミド系樹脂、四フッ化エチレン系樹脂、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合樹脂、四フッ化エチレン−エチレン共重合樹脂、四フッ化エチレン−パーフルオロビニルエーテル共重合樹脂、三フッ化塩化エチレン樹脂、フッ化ビニリデン樹脂等が使用できる。これらの熱可塑性樹脂のうち、印刷層への密着性の点から、アクリル系樹脂を使用することが好ましい。アクリル系樹脂としては、メチルメタクリレートを構成単量体成分として含有するものが好ましい。
下記の実施例及び比較例における、各種評価項目の測定方法を以下に示す。
(1−1)マスメルトフローレート(MFR)
ISO1133に準じ、測定温度240℃、荷重98Nの条件で測定を行った。測定値の単位は、g/10分である。
展色印刷を行っていないフィルムを1インチ幅×300mm長に切り、これに500g荷重を吊り下げた試験サンプルを130℃に保持した恒温槽内に10秒間放置し、放置前に測定した100mm長(L0)に対する伸び(L1)を測定し、L1/L0×100(%)として求めた。
フィルムの一方の表面に硬化性溶剤系インクを用いて展色印刷し、その後、温度23℃及び湿度50%RHの恒温恒湿室に24時間静置して印刷層を塗工した。その後、JIS K−7128に基づき、エレメンドルフ測定機(東洋精機(株)製)を用いてフィルムのMD方向/TD方向の両方についてエレメンドルフ引張強度を測定した。
なお、本明細書において、MD方向はTダイからの樹脂の押出方向、TD方向はMD方向に対して直角の方向を意味する。
振子式フィルム衝撃試験機(フィルムインパクトテスター:安田精機製作所製)を用いて、100mm×100mmのフィルムのフィルムインパクト(塗工前)を測定した。
また、上記フィルムの一方の表面に硬化性溶剤系インクを用いて展色印刷し、その後、温度23℃及び湿度50%RHの恒温恒湿室に24時間静置して印刷層を塗工した。その後、上記と同様の方法で塗工面からのフィルムインパクト(塗工後)を測定した。そして、下記式に従い、フィルムインパクト保持率を求めた。
フィルムの一方の表面に硬化性溶剤系インクを用いて展色印刷し、その後、温度23℃及び湿度50%RHの恒温恒湿室に24時間静置して印刷層を塗工した。フィルムから100mm(MD)×100mm(TD)の試験片を切り出し、MD方向の対称軸に沿って折り曲げ、その後TD方向の対称軸に沿って折り曲げた。折り曲げた試験片を、JIS Z0237に準拠し、手動式圧着ロール(2000g)を用い、5mm/秒の速度で、各折り目上を2往復させた。その後、折り目をひろげて元の状態に戻し、試験片の状態を目視にて観察した。以下に判断基準を示した。
○ : 折り目が割れていない。
× : 折り目が割れている。
フィルムの一方の表面に硬化性溶剤系インクを用いて展色印刷し、その後、温度23℃及び湿度50%RHの恒温恒湿室に24時間静置して印刷層を形成した。そして、印刷層の表面に、幅18mm及び長さ約75mmの粘着テープ(ニットウ社製)を貼り付け、指圧でしごいて密着させ、その後、一気に剥がした。印刷層が残存しているかどうかを目視で観察し、下記基準に従って判定した。尚、粘着テープの貼り付け及び引き剥がしは、JIS K5600−5−6に準じて行った。
○:密着性が良好であり、実用上問題ない、
×:印刷層が剥離。
各実施例及び比較例においてフィルムを製膜する際に下記基準で評価を行った。
○:安定して製膜を行うことができ、表面が均一で美麗なフィルムが得られた。
△:時々フィルムの端部が蛇行したり、破断が生じる。
×:安定して製膜を行うことができず、表面が不均一で美麗なフィルムが得られなかった。
直径9cm×高さ40cmの筒状物の外周面に、300mm幅(MD)×215mm長さ(TD)にカットした展色印刷していないフィルムを巻きつけ、下記の基準で評価した。なお、フィルムは、そのMD方向の辺が筒状物の周方向に沿うようにした。
評価基準
○:フィルム全体を筒状物に巻き付けられる。
×:フィルム全体を筒状物に巻き付けられない。
展色印刷していないフィルムを15mm幅(MD)×100mm長さ(TD)に切り、恒温恒湿槽(40℃×90%)内に24時間放置した後、フィルムの長さ(TD)方向の寸法変化率を下記式に従って求めた。
表1記載の重合方法で得られ、表1記載の共重合割合及び物性値を備えた重合体を使用した。
B1:ナイロン6;NOVAMID 1015J(商品名:三菱エンジニアリングプラスチック社製)、相対粘度3.0(98%硫酸法)。
B2:ナイロン6;NOVAMID 1020J(商品名:三菱エンジニアリングプラスチック社製)、相対粘度3.5(98%硫酸法)。
C1:ステアリン酸カルシウム;Ca−St(商品名:日東化成工業製)
C2:ペンタエリストールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート];IRGANOX 1010(商品名:チバスペシャルティ・ケミカルズ(株)製)
表2に記載の配合割合で、表2に記載の各成分をヘンシェルミキサーにより混合した後、二軸押出機(日本製鋼所製、TEX44、バレル設定温度250℃)で混練し、ペレット化した。得られたペレットを用い、下記方法によりフィルムを製造した。
まず、Tダイ(ダイ幅;1400mm、リップ間隔;0.5mm)を備え、スクリュー径65mmの押出機を備えたフィルム成形機を用い、押出機にペレットを供給して、Tダイから、溶融温度270℃で樹脂を吐出させ、軟質フィルムとした。その後、この軟質フィルムをエアーナイフによりキャストロール(ロールの表面温度;95℃、実施例5のみ30℃)に面密着させ、冷却固化しフィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表2に示した。
尚、フィルムの肉厚は、シックネスゲージ(型式「ID−C1112C、ミツトヨ社製)を用い、フィルム製造開始から1時間経過後のフィルムを切り取り、フィルム幅方向の中心、及び、中心より両端に向けて、10mm間隔で肉厚を測定し、その平均値とした。フィルムの端部から20mmの範囲にある測定点の値は、上記平均値の計算から除去した。
これに対し、比較例1は、成分(B)を使用しなかった例であり、耐溶剤性(割れ性等)が劣る。
比較例2は、成分(A)を使用しなかった例であり、耐吸湿性に劣る。
比較例3は、成分(B)の配合量が本発明の範囲外で低く、耐溶剤性(割れ性等)が劣る。
比較例4は、厚さが薄すぎる例であり、耐溶剤性(割れ性等)及び耐熱性に劣る。
比較例5は、厚さが厚すぎる例であり、フィルム貼り追随性(可撓性)に劣る。
比較例6は、ビニル系単量体として官能基含有不飽和化合物を使用しなかった例であり、TD方向とMD方向の引き裂き強度の差が大きく、機械的強度が不均一であった。
比較例7は、ビニル系単量体として官能基含有不飽和化合物を多量に配合した例であり、製膜性に劣る。
比較例8は、ゴム量が本発明の範囲外で高く、製膜性に劣る。
実施例1のフィルムの印刷面に、透明樹脂フィルムを150℃、20kg/cm2、15分のプレス条件で熱圧着して透明樹脂層を積層して化粧フィルムを作成した。なお、透明フィルムとして、メチルメタクリレート/ブチルアクリレート/スチレン=81/16/3の割合(質量比、3成分の合計は100質量部)の共重合体からなる厚さ50μmのアクリル系樹脂フィルムを用いた。その結果、製膜性に問題はなく、美麗な外観の化粧フィルムが得られた。
実施例5のフィルムを用いた以外、実施例11と同様の方法で化粧フィルムを作成した。その結果、製膜性に問題はなく、美麗な外観の化粧フィルムが得られた。
Claims (8)
- (A)ゴム変性スチレン系樹脂25〜75質量%、及び、(B)ポリアミド系樹脂25〜75質量%からなる熱可塑性樹脂組成物(I)を成形してなる厚さ50〜500μmの印刷用フィルムであって、
前記成分(A)は、ゴム質重合体(a)の存在下にビニル系単量体(b1)を重合して得られるグラフト共重合体(A1)、または、該グラフト共重合体(A1)とビニル系単量体(b2)の(共)重合体(A2)との混合物からなり、
前記ビニル系単量体(b1)及びビニル系単量体(b2)は、何れも、芳香族ビニル化合物及びシアン化ビニル化合物を必須単量体成分として含有し、
前記ビニル系単量体(b1)及びビニル系単量体(b2)の少なくとも何れか1方は、さらに、水酸基含有不飽和化合物、エポキシ基含有不飽和化合物、置換または非置換のアミノ基含有不飽和化合物、カルボキシル基含有不飽和化合物、酸無水物基含有不飽和化合物及びオキサゾリン基含有不飽和化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種の官能基含有ビニル系単量体を含有し、
前記成分(A)中の前記官能基含有ビニル系単量体の含有量は0.1〜1.2質量%であり、
前記成分(A)のアセトン可溶分の極限粘度(メチルエチルケトン、30℃)は0.15〜1.5dl/gであり、
前記熱可塑性樹脂組成物(I)は、該樹脂組成物(I)100質量部に対して5〜30質量部のゴム質重合体(a)を含有する、印刷用フィルム。 - 前記熱可塑性樹脂組成物(I)は、該樹脂組成物(I)100質量部に対して10〜22質量部のゴム質重合体(a)を含有する請求項1に記載の印刷用フィルム。
- 前記ゴム質重合体(a)が共役ジエン系ゴムである請求項1又は2に記載の印刷用フィルム。
- 前記成分(A1)は、下記成分(A1−1)及び/又は下記成分(A1−2)である請求項1に記載の印刷用フィルム。
成分(A1−1):ゴム質重合体(a)の存在下に、芳香族ビニル化合物及びシアン化ビニル化合物をからなるビニル系単量体(b1−1)を重合して得られるグラフト共重合体。
成分(A1−2):ゴム質重合体(a)の存在下に、芳香族ビニル化合物及びシアン化ビニル化合物、並びに、水酸基含有不飽和化合物、エポキシ基含有不飽和化合物、置換または非置換のアミノ基含有不飽和化合物、カルボキシル基含有不飽和化合物、酸無水物基含有不飽和化合物及びオキサゾリン基含有不飽和化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種の官能基含有ビニル系単量体からなるビニル系単量体(b1−2)を重合して得られるグラフト共重合体。 - 前記成分(A2)は、下記成分(A2−1)及び/又は下記成分(A2−2)である請求項1に記載の印刷用フィルム。
成分(A2−1):ゴム質重合体(a)の不存在下に、芳香族ビニル化合物及びシアン化ビニル化合物をからなるビニル系単量体(b2−1)を重合して得られる(共)重合体。
成分(A2−2):ゴム質重合体(a)の不存在下に、芳香族ビニル化合物及びシアン化ビニル化合物、並びに、水酸基含有不飽和化合物、エポキシ基含有不飽和化合物、置換または非置換のアミノ基含有不飽和化合物、カルボキシル基含有不飽和化合物、酸無水物基含有不飽和化合物及びオキサゾリン基含有不飽和化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種の官能基含有ビニル系単量体からなるビニル系単量体(b2−2)を重合して得られる(共)重合体。 - 請求項1乃至5の何れか1項に記載の印刷用フィルムの少なくとも一方の面に印刷層が積層された化粧フィルム。
- 前記印刷層の上に透明樹脂層が積層された請求項6に記載の化粧フィルム。
- 請求項1乃至5の何れか1項に記載の印刷用フィルムの少なくとも1面にアンカーコート処理を施さずに直接印刷層を積層する化粧フィルムの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009039259A JP5231283B2 (ja) | 2008-02-28 | 2009-02-23 | 印刷用フィルム |
Applications Claiming Priority (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008048754 | 2008-02-28 | ||
JP2008048754 | 2008-02-28 | ||
JP2009026551 | 2009-02-06 | ||
JP2009026551 | 2009-02-06 | ||
JP2009039259A JP5231283B2 (ja) | 2008-02-28 | 2009-02-23 | 印刷用フィルム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010202675A true JP2010202675A (ja) | 2010-09-16 |
JP5231283B2 JP5231283B2 (ja) | 2013-07-10 |
Family
ID=42964501
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009039259A Expired - Fee Related JP5231283B2 (ja) | 2008-02-28 | 2009-02-23 | 印刷用フィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5231283B2 (ja) |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002047362A (ja) * | 2000-07-31 | 2002-02-12 | Nippon A & L Kk | 貼合成形用加飾フィルム及び加飾フィルム貼合成形品 |
JP2005506431A (ja) * | 2001-09-21 | 2005-03-03 | バイエル アクチェンゲゼルシャフト | 耐衝撃性改良ポリマー組成物 |
WO2006009052A1 (ja) * | 2004-07-15 | 2006-01-26 | Toray Industries, Inc. | 熱可塑性樹脂組成物 |
JP2007063303A (ja) * | 2005-08-29 | 2007-03-15 | Techno Polymer Co Ltd | 制電性樹脂組成物および成形品 |
JP2007327011A (ja) * | 2006-06-09 | 2007-12-20 | Kaneka Corp | 塗装用熱可塑性樹脂組成物及び、塗装を施した成形品 |
-
2009
- 2009-02-23 JP JP2009039259A patent/JP5231283B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002047362A (ja) * | 2000-07-31 | 2002-02-12 | Nippon A & L Kk | 貼合成形用加飾フィルム及び加飾フィルム貼合成形品 |
JP2005506431A (ja) * | 2001-09-21 | 2005-03-03 | バイエル アクチェンゲゼルシャフト | 耐衝撃性改良ポリマー組成物 |
WO2006009052A1 (ja) * | 2004-07-15 | 2006-01-26 | Toray Industries, Inc. | 熱可塑性樹脂組成物 |
JP2007063303A (ja) * | 2005-08-29 | 2007-03-15 | Techno Polymer Co Ltd | 制電性樹脂組成物および成形品 |
JP2007327011A (ja) * | 2006-06-09 | 2007-12-20 | Kaneka Corp | 塗装用熱可塑性樹脂組成物及び、塗装を施した成形品 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5231283B2 (ja) | 2013-07-10 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
WO2009107394A1 (ja) | 印刷用フィルム及び面材 | |
JP2011168681A (ja) | フッ素系(メタ)アクリル樹脂、そのフッ素系樹脂組成物、そのフッ素系樹脂フィルムおよびフッ素系樹脂積層アクリル系樹脂フィルム | |
JP2003534432A (ja) | ポリアミドおよび塊状重合方法により製造されたゴム改質ポリマーを含むポリマーブレンド | |
WO2011090200A1 (ja) | 異形押出成形用樹脂組成物及び異形押出樹脂成形品 | |
JP5316147B2 (ja) | 熱可塑性樹脂組成物および成形品 | |
JP5182180B2 (ja) | 面材 | |
JP4798678B2 (ja) | アクリル樹脂フィルムおよびこれを用いた積層体 | |
JP2007056172A (ja) | ゴム強化樹脂、成形体及び積層体 | |
JP2733326B2 (ja) | 熱可塑性インターポリマーとポリアミドとの強化/充填混合物およびその製造方法 | |
JPH10237261A (ja) | 艶消しアクリルフィルムおよびアクリルフィルムを積層した艶消し成形品 | |
JP4777617B2 (ja) | 熱板融着用樹脂組成物および車両用灯具のランプハウジング成形品 | |
JP5231283B2 (ja) | 印刷用フィルム | |
JP5158001B2 (ja) | 印刷用フィルム | |
JP2009166332A (ja) | 高外観積層体の製造方法 | |
JP2006008722A (ja) | 熱可塑性樹脂組成物およびそれからなる成形品 | |
KR101931756B1 (ko) | 친환경 데코시트용 열가소성 수지 조성물 및 이를 이용한 데코시트 | |
KR101718943B1 (ko) | 친환경 데코레이션시트 조성물 및 이를 이용한 데코시트 | |
JP5348970B2 (ja) | スチレン系エラストマー用加工助剤、スチレン系エラストマー組成物及び成形体 | |
JP5059361B2 (ja) | 積層体及びその製造方法 | |
JP2007277381A (ja) | インフレーション成形用アクリル系ゴム強化樹脂組成物及び薄肉体 | |
WO2022138269A1 (ja) | ポリアミド樹脂用添加剤及びポリアミド樹脂組成物 | |
JPH0269547A (ja) | ポリアミド及び(メタ)アクリルアミド樹脂共重合体から成る熱可塑性成形用配合物、並びにその製造法及び使用法 | |
JP2022136597A (ja) | アクリル樹脂フィルム及びナンバープレート | |
JP2009166331A (ja) | 高外観積層体 | |
JP2005272496A (ja) | フィルム |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20111124 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20121128 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130115 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130130 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20130312 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20130321 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160329 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Ref document number: 5231283 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |