JP2010202518A - 凹凸補正化粧料 - Google Patents

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Abstract

【課題】肌上の小皺や毛穴などの好ましくない凹凸を目立たなくする凹凸補正性能に優れ、また凹凸補正効果の持続性に優れた凹凸補正化粧料を提供する。
【解決手段】平均粒子径が1〜30μmのポリエチレンテレフタレート微粉砕粉末,部分架橋型オルガノポリシロキサン重合物、及び該部分架橋型オルガノポリシロキサン重合物成分を膨潤せしめる油剤を含有する凹凸補正化粧料である。上記のポリエチレンテレフタレート微粉砕粉末の含有量は1.0〜50質量%が好ましい。また、上記の部分架橋型オルガノポリシロキサン重合物の含有量は0.5〜15質量%が好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、肌上の小皺や毛穴などの好ましくない凹凸を目立たなくするための化粧料、すなわち凹凸補正化粧料に関する。
肌上の凹凸を目立たなくするための凹凸補正化粧料には、従来から、光散乱を利用して凹凸をぼかし、肌の凹凸を見えにくくする方法が採用されている。そして、この方法には、化粧料にポリスチレン、ナイロン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、二酸化ケイ素などの球状粉末、或いは球状粉末で被覆した板状粉体、もしくは特定の屈折率を持つ粉体を配合し、これらの粉体が持つ光散乱効果を利用して凹凸補正効果を上げている。例えば、平均粒子径1.0〜15.0μmのオルガノポリシロキサンエラストマー球状粉体、揮発性シリコーン、及びシリコーン樹脂を配合したメーキャップ化粧料(特許文献1)、また部分架橋型オルガノポリシロキサン重合体、部分架橋型ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン重合体、屈折率1.3〜1.5の粉体、シリコーン油及び水を含有する凹凸補正化粧料(特許文献2)が提案されている。
また、デキストリン脂肪酸エステル、揮発性油分、屈折率が1.4〜1.6の油分、及び屈折率が1.3〜1.6であり、平均粒子径3〜30μmの球状粉末を含有する透明固形組成物(特許文献3)、雲母チタンと有機高分子微粒子からなる複合化板状粒子及び平均粒子径1〜20μmの球状粉体を含有するメークアップ化粧料(特許文献4)が提案されている。また、平均粒子径0.5〜20μmのポリエチレンテレフタレート粉体を、化粧料全量に対して1〜80重量%含有する化粧料が知られており、このポリエチレンテレフタレート粉体を体質顔料として配合した化粧料は、伸びがよく、色くすみが少なく、成型(プレス)が容易であるとされている(特許文献5)。
特開平8−319215号公報 特開2002−322030号公報 特開2005−213145号公報 特開2005−263708号公報 特開2008−63305号公報
本発明は、肌上の小皺や毛穴などの好ましくない凹凸を目立たなくする凹凸補正性能に優れ、また凹凸補正効果の持続性に優れた凹凸補正化粧料を提供することを目的とする。
化粧料に凹凸補正効果を付与するには、従来、前述のごとく、光散乱を利用して凹凸をぼかし、肌の凹凸を見えにくくすべく、入射光を様々な方向に拡散反射させる性質を持つ球状粉末、或いは特定の屈折率(1.3〜1.5)を持つ粉体が採用されている。これに対し、本発明者らは、屈折率が1.58であるポリエチレンテレフタレートについて、これを粉砕して得た平均粒子径が1〜30μmのポリエチレンテレフタレート微粉砕粉末が、付着性に優れ、特異な光散乱性を示し、部分架橋オルガノポリシロキサンと組み合わせることで、優れた凹凸補正効果発揮し、その持続性がよいことを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、次の成分(A)〜(C);
(A)平均粒子径が1〜30μmのポリエチレンテレフタレート微粉砕粉末
(B)部分架橋型オルガノポリシロキサン重合物
(C)成分(B)を膨潤せしめる油剤
を含有することを特徴とする凹凸補正化粧料である。
上記の成分(A)のポリエチレンテレフタレート微粉砕粉末の含有量は1.0〜50質量%(以下、「質量%」を「%」と記す)が好ましい。また、成分(B)の部分架橋型オルガノポリシロキサン重合物の含有量は0.5〜15%が好ましい。
本発明の凹凸補正化粧料は、平均粒子径が1〜30μmのポリエチレンテレフタレート微粉砕粉末が、部分架橋型オルガノポリシロキサン重合物と相俟って優れた凹凸補正効果を発揮する。特に、開きが目立つ毛穴(毛穴の上面の面積が0.3〜0.6mm程度の毛穴)に対する毛穴隠し効果に優れる。また本発明の凹凸補正化粧料は、凹凸補正効果の持続性が優れている。
本発明で用いる成分(A)は、平均粒子径が1〜30μmのポリエチレンテレフタレート微粉砕粉末である。ポリエチレンテレフタレート微粉砕粉末は、パウダー、ペレット、フレークなどの形状のポリエチレンテレフタレートを粉砕して得られる。殊に、ポリエチレンテレフタレートの非晶質部分を溶解除去した、主として結晶質からなるポリエチレンテレフタレートを粉砕して製造したポリエチレンテレフタレート微粉砕粉末が好ましく用いられる。このポリエチレンテレフタレート微粉砕粉末は、粉砕により微細な粉末にしたものであるから、粒子の形状が一定していない、すなわち不定形である。
成分(A)は、例えば、次のようにして製造する。ペレット状のポリエチレンテレフタレートを、水酸化ナトリウムなどの解重合触媒の存在下又は不存在化で、エチレングリコールと接触せしめ、その非晶質部分を溶出させ、多孔質状ポリエチレンテレフタレートとなす。この多孔質状ポリエチレンテレフタレートを洗浄、乾燥し、その後ロッドミル、ボールミル、ハンマーミル、円盤型ミル、ジェットミルなどの粉砕機で平均粒子径1〜30μmに微粉砕して製造する。このポリエチレンテレフタレート微粉砕粉末については、特許文献5に記載されているものを用いることができる。このポリエチレンテレフタレート微粉砕粉末の市販品としてはスノーリーフP(オーケン社製)などがある。
成分(A)のポリエチレンテレフタレート微粉砕粉末の平均粒子径は、1〜30μmであり、好ましくは5〜10μm、さらに好ましくは6〜7μmである。ポリエチレンテレフタレート微粉砕粉末の平均粒子径が1μm未満の場合、及び30μmを超える場合は、滑らかな使用感が劣る。また、成分(A)のポリエチレンテレフタレート微粉砕粉末の含有量は、1.0〜50%、好ましくは、3.0〜40%である。含有量が1.0%未満では、凹凸補正効果が十分に得られない場合があり、50%を超えると、乳化組成物の場合は安定性が劣ることがある。
本発明で用いる成分(B)は、部分架橋型オルガノポリシロキサン重合物である。この部分架橋型オルガノポリシロキサン重合物は、オルガノポリシロキサンを架橋結合させて得られる、一部に三次元架橋構造を有する重合物である。これは、例えば、特公平8−6035号公報、特開平4−272932号公報、特開平5−140320号公報、特開2001−342255号公報、国際公開第2003/024413号パンフレットに記載されている。
成分(B)の部分架橋型オルガノポリシロキサン重合物は、例えば、次の(a)に示されるケイ素原子に結合した水素原子を平均で1.5個以上分子中に含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと、(b)に示される分子中に平均で1.5個以上のビニル性反応部位を有する化合物との付加重合によって得ることができる。
(a)は、SiO単位、HSiO1.5単位、RSiO1.5単位、RHSiO単位、RSiO単位、RSiO0.5単位及びRHSiO0.5単位(ここで、Rは脂肪族不飽和基を除く、置換もしくは非置換の炭素数1〜30の一価炭化水素基である。一価炭化水素基は、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、ビニル基等の脂肪族不飽和基、メチル基、エチル基、プロピル基等の水素原子をフェニル基、トリル基等のアリール基で置換されたアラルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フルオロ基を含有するハロゲン化炭化水素基、エチレンオキサイド基を含有する炭化水素基等である。)からなる群から選択された少なくとも1種の構造単位で構成され、且つケイ素原子に結合した水素原子を平均で1.5個以上分子中に含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンである。
(b)は次の(b−1)〜(b−3)から選ばれる1種又は2種以上である。
(b−1)は、SiO単位、(CH=CH)SiO1.5単位、RSiO1.5単位、R(CH=CH)SiO単位、RSiO単位、RSiO0.5単位及びR(CH=CH)SiO0.5単位(ここで、Rは脂肪族不飽和基を除く置換もしくは非置換の炭素数1〜30の一価炭化水素基である。一価炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、ビニル基等の脂肪族不飽和基、メチル基、エチル基、プロピル基等の水素原子をフェニル基、トリル基等のアリール基で置換されたアラルキル基、シクロヘキシル基や、フルオロ基を含有するハロゲン化炭化水素基、エチレンオキサイド基を含有する炭化水素基等が挙げられる。)からなる群から選択された少なくとも1種の構造単位で構成され、且つ分子中にケイ素原子に結合したビニル基を平均で1.5個以上含有するオルガノポリシロキサンである。
(b−2)は、下記一般式(イ)で表わされるポリオキシアルキレンである。
2m−1O(CO)(CO)2m−1 ・・・(イ)
(式中、hは2〜200の整数、iは0〜200の整数、h+iは3〜200の整数、mは2〜6をそれぞれ示す)
(b−3)は、下記一般式(ロ)で表される不飽和炭化水素である。
2n−1(CH2n−1 ・・・(ロ)
(但し、nは2〜6、jは1以上の整数である。)
成分(B)の具体例としては、INCI名(International Nomenclature Cosmetic Ingredient labeling names)で表すと、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー等の部分架橋型メチルポリシロキサン、(ジメチコン/フェニルジメチコン)クロスポリマー等の部分架橋型メチルフェニルポリシロキサンが挙げられる。また、分子中にポリオキシアルキレン基を含有する重合物としては、例えば、(ジメチコン/(PEG−10/15))クロスポリマー等の部分架橋型ポリエーテル変性シリコーンが挙げられる。また、分子中に長鎖アルキル基を含有する重合物としては、例えば、(ビニルジメチコン/ラウリルジメチコン)クロスポリマー等の部分架橋型アルキル変性シリコーンが挙げられる。分子中にポリオキシアルキレン基及び長鎖アルキル基を含有する重合物としては、例えば、PEG−15ラウリルジメチコンクロスポリマー等の部分架橋型アルキル・ポリエーテル共変性シリコーンが挙げられる。分子中にハロゲン化炭化水素基を含有する重合物としては、例えば、(トリフルオロプロピルジメチコン/トリフルオロプロピルジビニルジメチコン)クロスポリマー等の部分架橋型フッ素変性シリコーンが挙げられる。これらの1種又は2種以上を適宜選択して用いることができる。
成分(B)の部分架橋型オルガノポリシロキサン重合物は、成分(C)で膨潤させなくても凹凸補正効果を有すると考えられるが、そのまま化粧料に配合した場合は、部分架橋型オルガノポリシロキサン重合物が固体状態のまま不均一に分散され、良質の凹凸補正化粧料が得られない。そのため、本発明では成分(C)で膨潤させた状態で化粧料に存在させる。また、成分(B)の部分架橋型オルガノポリシロキサン重合物は、成分(C)との混合物として市販されていることが多いが、その場合は、成分(B)は成分(C)で潤膨された状態にある。本発明では、この市販された状態のものも使用できる。
成分(B)は、混合物の形態で市販されており、部分架橋型メチルポリシロキサンと環状シリコーンとの混合物としてKSG−15(固形分5質量%)(以下、単に「%」で示す。)、部分架橋型メチルポリシロキサンとジメチルポリシロキサンとの混合物としてKSG−16(固形分20〜30%)、部分架橋型メチルフェニルポリシロキサンとフェニルトリメチコンとの混合物としてKSG−18(固形分10〜20%)、部分架橋型ポリエーテル変性シリコーンとジメチルポリシロキサンとの混合物としてKSG−210(固形分20〜30%)、部分架橋型アルキル変性シリコーンと油剤との混合物としてKSG−41(固形分25〜35%)、KSG−42(固形分20〜30%)、KSG−43(固形分25〜35%)及びKSG−44(固形分25〜35%)、部分架橋型アルキル・ポリエーテル共変性シリコーンと油剤との混合物としてKSG−310(固形分25〜35%)、KSG−320(固形分20〜30%)、KSG−330(固形分15〜25%)、KSG−340(固形分25〜35%)及びKSG−340(固形分25〜35%)(以上、信越化学工業社製)が挙げられる。また、部分架橋型フッ素変性シリコーンは、フルオロアルキル基含有環状オルガノポリシロキサン等の環状フッ素含有シリコーンとの混合物として用いられ、例えばKSG−51(固形分15〜25%:信越化学工業社製)がある。
成分(B)の部分架橋型オルガノポリシロキサン重合物の配合量は、本発明の凹凸補正化粧料中に0.5〜15%が好ましく、更に好ましくは1.0〜10%の範囲である。成分(B)の配合量がこの範囲であると、良好な感触を損なうことなく、成分(A)のポリエチレンテレフタレート微粉砕粉末と相俟って凹凸補正効果を高めるという点で好ましい。また、長鎖アルキル基を含有する部分架橋型オルガノポリシロキサン重合物を用いると、長鎖アルキル基を含有しない部分架橋型オルガノポリシロキサン重合物が持つさらさら感に加え、付着性が良好になり好ましい。
本発明で用いる成分(C)は、成分(B)を膨潤せしめる油剤である。この成分(B)を膨潤せしめる油剤とは、成分(B)の部分架橋型オルガノポリシロキサン重合物が、この油剤を自重以上の量含んで膨潤することができるもので、25℃において液状のものである。例えばシリコ−ン油、炭化水素油、エステル油、グリセライド油、天然動植物油剤、半合成油剤、フッ素系油剤等が挙げられる。
成分(C)としてのシリコーン油は、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、メチルトリメチコン等であり、これらを1種又は2種以上用いることができる。なお、本発明において、成分(C)は低粘度のものが好ましく、更に、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等の環状シリコーン、25℃での粘度が1〜5mm/sの直鎖シリコ−ン等の揮発性シリコーン油は、膨潤性(膨潤しやすさ)と使用感(感触)という点で好ましい。また、25℃での粘度が6〜100mm/sの鎖状の非揮発性シリコーン油は、揮発し難いため、膨潤後の濃度変化がなく、好ましい場合がある。これらの市販品としては、KF−96A−6cs、KF−96A−10cs、KF−96A−20cs、KF−96A−30cs、KF−96A−50cs、KF−96A−100cs、KF−995、KF−994、TMF−1.5、KF−56A(以上信越化学工業社製)、DC345 Fluid、SH−245 Fluid(以上東レ・ダウコ−ニング社製)等が挙げられ、これらは1種又は2種以上用いることができる。
成分(C)としての炭化水素油は、スクワラン、スクワレン、合成スクワラン、植物性スクワラン、軽質流動イソパラフィン、イソドデカン、流動パラフィン、ポリイソブチレン、α−オレフィンオリゴマー、ミネラルオイル等である。
成分(C)としてのエステル油は、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、カプリン酸セチル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸−2−エチルヘキシル、パルミチン酸−2−ヘキシルデシル、ミリスチン酸−2−ヘプチルウンデシル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸−2−オクチルドデシル、ミリスチン酸−2−ヘキシルデシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジ−2−ヘキシルデシル、アジピン酸−ジ−ヘプチルウンデシル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、ジ−2−エチルへキサン酸エチレングリコール、ジ−2−エチルへキサン酸ネオペンチルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、クエン酸トリエチル、コハク酸−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、炭酸ジアルキル、ラウリン酸ヘキシル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、リンゴ酸ジイソステアリル等である。
成分(C)としてのグリセライド油は、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、アセトグリセライド、トリイソオクタン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセラリル、トリミリスチン酸グリセリル、テトライソステアリン酸ジグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、ジイソステアリン酸ジグリセリル等である。
成分(C)としての天然動植物油剤及び半合成油剤は、アボガド油、アマニ油、アーモンド油、オリーブ油、カヤ油、肝油、キョウニン油、小麦胚芽油、ゴマ油、コメ胚芽油、コメヌカ油、サザンカ油、サフラワー油、シナギリ油、シナモン油、タートル油、大豆油、茶実油、ツバキ油、月見草油、トウモロコシ油、ナタネ油、胚芽油、パーシック油、パーム油、レッドパーム油、パーム核油、ヒマシ油、ヒマワリ油、ブドウ油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、綿実油、ヤシ油、トリヤシ油脂肪酸グリセライド、落花生油、液状ラノリン、還元ラノリン、ラノリンアルコール、酢酸ラノリン等である。
成分(C)としてのフッ素系油剤は、フルオロアルキル基含有環状オルガノポリシロキサン等であり、特開平09−268110号公報記載されるものが挙げられ、例えばINCI名でトリフルオロプロピルシクロテトラシロキサン/トリフルオロプロピルシクロペンタシロキサン(KF−5002:信越化学工業社製)が挙げられる。
そして、成分(B)の部分架橋型オルガノポリシロキサン重合物が部分架橋型シリコーン[(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー]の場合は、成分(C)として、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、メチルトリメチコン等のシリコーン油を用いることが好ましく、特に、直鎖シリコーンでは、重合度の低いシリコンKF−96A−6cs、KF−96A−10cs、KF−96A−20cs、KF−96A−30cs、KF−96A−50cs、KF−96A−100cs、を用いるのが好ましい。
成分(B)が部分架橋型アルキル変性シリコーンの場合は、成分(C)には2−エチルヘキサン酸グリセリル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、カプリン酸セチル等のエステル油を用いることが好ましい。また、成分(B)が部分架橋型ポリエーテル変性シリコーンの場合は、成分(C)にはジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、メチルトリメチコン等のシリコーン油を用いることが好ましく、特に、直鎖シリコーンでは、25℃での粘度が6〜100mm/sである低粘度のジメチルポリシロキサン(6mm/s)、(10mm/s)、(20mm/s)、(30mm/s)、(50mm/s)、(100mm/s)が好ましい。
また、成分(B)が部分架橋型アルキルポリエーテル変性シリコーンの場合は、成分(C)には軽質流動イソパラフィン、イソドデカン、α−オレフンオリゴマー、スクワラン、合成スクワラン、植物性スクワラン、スクワレン、流動パラフィン、ミネラルオイル等を用いることが好ましい。また、成分(B)が部分架橋型フッ素変性シリコーンの場合は、成分(C)にはフッ素系油剤を用いることが好まく、特にフルオロアルキル基含有環状オルガノポリシロキサンが好ましい。
成分(C)の配合量は、本発明の凹凸補正化粧料中に1.5〜45%が好ましく、更に好ましくは3.0〜30%の範囲である。配合量がこの範囲であると凹凸補正化粧料中における成分(B)の分散性が良いという点で好ましい。
本発明の凹凸補正化粧料は、次のようにして製造する。例として、O/W型乳化化粧料の製造方法を記載する。成分(B)の部分架橋型オルガノポリシロキサン重合物を成分(C)の油剤と混合して成分(B)を膨潤させ、70℃程度に加温して均一に混合させ、これを油系とする。この油系を、水、乳化剤を含む水系に徐々に添加し、乳化物を調製する。次いで、成分(A)のポリエチレンテレフタレート微粉砕粉末と必要に応じ他の成分を添加し、均一混合してO/W型凹凸補正乳化化粧料を製造する。
本発明の凹凸補正化粧料には、目的に応じて本発明の効果を損なわない量的、質的範囲において、上記成分の他に通常化粧料に使用される成分、例えば、成分(C)以外の油剤、多価アルコール、成分(A)以外の粉体、紫外線吸収剤、水溶性高分子、パラオキシ安息香酸誘導体、フェノキシエタノール等の防腐剤、植物抽出物等の美容成分、香料等を配合することができる。
成分(C)以外の油剤は、エモリエント剤、感触調整剤等の目的で通常化粧料に用いられる油剤であり、動物油、植物油、合成油等の起源、及び、固形油、半固形油、液体油、揮発性油等の性状を問わず、炭化水素類、油脂類、ロウ類、硬化油類、エステル油類、脂肪酸類、高級アルコール類、フッ素系油類、ラノリン誘導体類、油性ゲル化剤類等である。具体的には、ワセリン、ポリイソブチレン、ポリブテン、パラフィンワックス、セレシンワックス、マイクロクリスタリンワックス、エチレンプロピレンコポリマー、モクロウ、モンタンワックス、フィッシュトロプスワックス等の炭化水素類、オリーブ油、ヒマシ油、ホホバ油、ミンク油、マカデミアンナッツ油等の油脂類、ミツロウ、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ゲイロウ等のロウ類、セチルイソオクタネート、ミリスチン酸オクチルドデシル、トリベヘン酸グリセリル、ロジン酸ペンタエリトリットエステル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、コレステロール脂肪酸エステル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)等の室温で半固体乃至固体のエステル類、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等の脂肪酸類、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール類、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン、パーフルオロポリエーテル等のフッ素系油剤類等が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。本発明の凹凸補正化粧料にこれら油剤を含有する場合の含有量は、概ね1〜30%が好ましい。
また、前記の多価アルコールは、感触調整、防腐剤、保湿剤等の目的で通常化粧料に使用される、例えば、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等であり、これらを一種又は二種以上用いることができる。本発明の凹凸補正化粧料にこれら多価アルコールを含有する場合の含有量は、1〜30%が好ましい。
本発明の凹凸補正化粧料の剤型としては、水中油型、油中水型、マルチプルエマルション、油性型、粉体型等が挙げられ、水中油型、油中水型、油性型が好ましい。形態は、液状、半固形状、固形状等が挙げられ、液状が好ましい。用途としては、凹凸補正用化粧料だけでなく、凹凸補正効果を期待するファンデーション、白粉、頬紅、コンシーラー、コントロールカラー、下地料等のメーキャップ化粧料や乳液、クリーム、美容液、デイクリーム、日焼け止め等のスキンケア化粧料等に適用可能である。
実施例1〜6及び比較例1〜5:O/W型化粧下地
表1に示す成分を用いて、下記の製造方法によりO/W型化粧下地を製造した。そして、「毛穴隠し効果」及び「毛穴隠し効果の持続性」を、下記の官能評価法で評価した。それらの結果を併せて表1に示した。
Figure 2010202518
(製造方法)
A.成分(1)〜(8)を70℃にて均一に混合溶解する。
B.成分(9)〜(11)を70℃にて均一に混合溶解する。
C.BにAを添加し、デスパーミキサーにて70℃にて乳化する。
D.Cに成分(12)〜(16)を加え、デスパーミキサーにて均一に混合する。
E.Dを冷却する。
F.Eに成分(17)〜(21)を40℃にて加え、デスパーミキサーにて均一に混合し、O/W型化粧下地を得た。
(官能評価方法)
専門パネル員20名により、前記製造方法で得られた各化粧下地を顔に使用し、「毛穴隠し効果」及び「毛穴隠し効果の持続性」について、パネル各人が下記絶対評価にて6段階に評価し評点を付け、各化粧下地ごとにパネル全員の評点合計から、その平均値を算出し、下記4段階判定基準により判定した。
[絶対評価基準]
(評点): (評価)
6点 : 非常に良好
5点 : 良好
4点 : やや良好
3点 : 普通
2点 : やや不良
1点 : 不良
[4段階判定基準]
(判定):(評点の平均値):(評価)
◎ :5点を超える:非常に良好
○ :3点を超え5点以下:良好
△ :1点を超え3点以下:やや不良
× :1点以下:不良
表1から明らかなように、本発明の成分(A)のポリエチレンテレフタレート微粉砕粉末、成分(B)の部分架橋型オルガノポリシロキサン重合物及び成分(C)のジメチコンを配合した実施例1〜6は、「毛穴隠し効果」及び「毛穴隠し効果の持続性」が、いずれも非常に良好乃至良好であった。これに対し、成分(A)、成分(B)、成分(C)を配合しない比較例1、成分(B)、成分(C)を配合しない比較例2、成分(A)を配合しない比較例3は、いずれも、「毛穴隠し効果」及び「毛穴隠し効果の持続性」が不良乃至やや不良であった。また、成分(A)の不定形ポリエチレンテレフタレート粉末に代えてウレタン粉末又は無水ケイ酸を配合した比較例4、比較例5も「毛穴隠し効果」及び「毛穴隠し効果の持続性」が不良乃至やや不良であった。実施例1〜6のO/W型化粧下地は、化粧下地としても使用しやすいものであった。
また、Skin Analyzer Clinical Suite RSA-100(インフォワード社製)を用いて、顔全体の開きが目立つ毛穴の総数を実測した。次に、実施例1、2及び比較例1〜5の各化粧下地を顔の素肌に塗布し、同じく顔全体の開きが目立つ毛穴の総数を実測した。更に、塗布後4時間経過後の各毛穴の総数を実測した。それらの値を、表1に併記した。これらの実測値から考察される「毛穴隠し効果」及び「毛穴隠し効果の持続性」の評価も、上記官能評価と一致していた。
なお、上記のアナライザー装置でモノクロ写真を撮影し、このモノクロ画像中で、周辺部位に比べて「やや暗い部分」と「暗い部分」として縁辺を検出できる対象物のうち、丸みを帯びていて、かつサイズ(毛穴の上面の面積)が0.3〜0.6mmの連続した領域を検出し、これを「開きが目立つ毛穴」と称した。
実施例7: W/O型凹凸補正ファンデーション
(成分) (%)
1.部分架橋型オルガノポリシロキサン重合物の混合物(注5) 5.0
2.ポリオキシエチレンメチルシロキサン・ポリオキプロピレンオレイル
メチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体(注6) 2.0
3.PEG−3ジメチコン(注7) 1.0
4.ジメチルポリシロキサン(6mm/s) 20.0
5.精製水 残量
6.1,3−ブチレングリコール 14.5
7.1,2−ペンタンジオール 0.5
8.シリコーン処理赤酸化鉄(注8) 1.0
9.シリコーン処理黄酸化鉄 1.5
10.シリコーン処理黒酸化鉄 0.5
11.ポリエチレンテレフタレート微粉砕粉末(注3) 10.0
12.水添レシチン 0.2
13.2−エチルへキサン酸グリセリル 20.0
14.香料 0.1
注5:KSG−16(信越化学工業社製)
注6:KF−6026(信越化学工業社製)
注7:KF−6015(信越化学工業社製)
注8:メチルポリシロキサン2%処理
(製造方法)
A:1〜4をデスパーにて均一に分散する。
B:8〜13をローラーにて均一分散し、Aに添加する。
C:Bに5〜7を徐々に加え乳化する。
D:Cに14を加え、脱泡後、容器に充填する。
得られたW/O型凹凸補正ファンデーションは、「毛穴隠し効果」及び「毛穴隠し効果の持続性」に優れたもので、ファンデーションとしても使用しやすいものであった。
実施例8: スティック状凹凸補正コンシーラー
(成分) (%)
1.ジメチルポリシロキサン(10mm/s) 10.0
2.ジオクタン酸ネオペンチルグリコール 残量
3.部分架橋型オルガノポリシロキサン重合物の混合物(注9) 10.0
4.セレシンワックス 7.0
5.カルナウバワックス 1.0
6.ポリエチレンワックス 2.0
7.ラウリン酸亜鉛 5.0
8.酸化チタン 5.0
9.ポリエチレンテレフタレート微粉砕粉末(注3) 10.0
10.赤酸化鉄 1.0
11.黄酸化鉄 1.5
12.黒酸化鉄 0.5
13.香料 0.1
注9:KSG−210(信越化学工業社製)
(製造方法)
A:1〜6を90℃で加熱溶解する。
B:Aに7〜12を均一に分散する。
C:Bに13を加え、溶解、脱泡後、スティック状容器に充填する。
得られたスティック状凹凸補正コンシーラーは、「毛穴隠し効果」及び「毛穴隠し効果の持続性」に優れたもので、コンシーラーとしても使用しやすいものであった。
実施例9: ゲル状凹凸補正化粧料
(成分) (%)
1.部分架橋型オルガノポリシロキサン重合物の混合物(注10) 60.0
2.ポリエチレンテレフタレート微粉砕粉末(注3) 39.9
3.香料 0.1
注10:KSG−43(信越化学工業社製)
(製造方法)
A:1〜3を均一に分散混合し、脱泡後、容器に充填する。
得られたゲル状凹凸補正化粧料は、「毛穴隠し効果」及び「毛穴隠し効果の持続性」に優れたものであった。
実施例10: 油性固形状凹凸補正ファンデーション
(成分) (%)
1.タルク 15.0
2.マイカ 10.0
3.酸化チタン 5.0
4.ベンガラ 1.0
5.黄酸化鉄 3.0
6.黒酸化鉄 0.2
7.ポリエチレンテレフタレート微粉砕粉末(注3) 10.0
8.ポリエチレンワックス 6.0
9.マイクロクリスタリンワックス 7.0
10.流動パラフィン 20.0
11.部分架橋型オルガノポリシロキサン重合物の混合物(注11) 5.0
12.ジメチルポリシロキサン(20mm/s) 10.0
13.トリ(カプリル/カプリン酸)グリセリル 残量
14.香料 0.1
注11:KSG−310(信越化学工業社製)
(製造方法)
A:8〜13を90℃で加熱溶解する。
B:Aに1〜7を均一に分散する。
C:Bに14を加え、溶解、脱泡後、皿状容器に充填する。
得られた油性固形状凹凸補正ファンデーションは、「毛穴隠し効果」及び「毛穴隠し効果の持続性」に優れたもので、ファンデーションとしても使用しやすいものであった。

Claims (3)

  1. 次の成分(A)〜(C);
    (A)平均粒子径が1〜30μmのポリエチレンテレフタレート微粉砕粉末
    (B)部分架橋型オルガノポリシロキサン重合物
    (C)成分(B)を膨潤せしめる油剤
    を含有することを特徴とする凹凸補正化粧料。
  2. 成分(A)のポリエチレンテレフタレート微粉砕粉末の含有量が、1.0〜50質量%である請求項1に記載の凹凸補正化粧料。
  3. 成分(B)の部分架橋型オルガノポリシロキサン重合物の含有量が、0.5〜15質量%である請求項1又は2に記載の凹凸補正化粧料。
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