JP2010202171A - ホイールキャップ - Google Patents
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Abstract
【課題】車両の走行安定性および燃費の向上と、ブレーキ装置の冷却効率の向上とを高い次元で両立し得るホイールキャップを提供する。
【解決手段】ホイールキャップ1は、車輪のホイールに取り付けられるホイールキャップであって、開口部12を有するキャップ本体10と、車輪の回転速度に応じて開口部12を開放する第1状態と開口部12を塞ぐ第2状態とを切り換え可能にキャップ本体10に連結されたシャッター部材20と、シャッター部材20を弾性をもって第1状態となる方向に付勢する戻りばね26と、を備える。シャッター部材20は、キャップ本体10の回転中心Xからずれた位置に一端が連結され、当該一端を支点に回動することで第1状態と第2状態との間を遷移する。
【選択図】図2
【解決手段】ホイールキャップ1は、車輪のホイールに取り付けられるホイールキャップであって、開口部12を有するキャップ本体10と、車輪の回転速度に応じて開口部12を開放する第1状態と開口部12を塞ぐ第2状態とを切り換え可能にキャップ本体10に連結されたシャッター部材20と、シャッター部材20を弾性をもって第1状態となる方向に付勢する戻りばね26と、を備える。シャッター部材20は、キャップ本体10の回転中心Xからずれた位置に一端が連結され、当該一端を支点に回動することで第1状態と第2状態との間を遷移する。
【選択図】図2
Description
本発明は、車両のホイールに取り付けられるホイールキャップに関する。
車両のディスクホイールに対して、その外面を覆うように取り付けられるホイールキャップであって、通風用の開口部(以下、適宜、通風口と称する場合がある)を設けることで、ディスクホイールに設けられたブレーキ装置で発生した熱を外部に放散しやすくした構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。
ホイールキャップに通風口を設けた場合、車両の走行中に、ホイール側から通風口を通って外側に向かう空気の流れが生じ得る。ホイール側から外側に向かう空気の流れが生じた場合、通風口から噴出した空気は車両側面の気流を乱す可能性があった。特に、車両が高速走行している場合に車両側面の気流を乱す可能性があった。車両側面の気流が乱れると、車両の走行安定性が低下するおそれや、車両の空気抵抗が増大して燃費が低下するおそれがあった。
そこで、車両側面における気流の乱れを防ぐために、ホイールキャップに設けられた通風口の大きさを小さくすることが考えられる。しかしながら、ホイールキャップの通風口が小さいと、ホイール側から外側に流れる空気の量が不足し、ブレーキ装置の冷却効率が低下してしまうおそれがあった。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、車両の走行安定性および燃費の向上と、ブレーキ装置の冷却効率の向上とを高い次元で両立し得るホイールキャップを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様のホイールキャップは、車輪のホイールに取り付けられるホイールキャップであって、開口部を有するキャップ本体と、車輪の回転速度に応じて前記開口部を開放する第1状態と前記開口部を塞ぐ第2状態とを切り換え可能に前記キャップ本体に連結されたシャッター部材と、前記シャッター部材を弾性をもって第1状態となる方向に付勢する付勢部材と、を備え、前記シャッター部材は、前記キャップ本体の回転中心からずれた位置に一端が連結され、当該一端を支点に回動することで第1状態と第2状態との間を遷移することを特徴とする。
この態様によれば、車両の走行安定性および燃費の向上と、ブレーキ装置の冷却効率の向上とを高い次元で両立できる。
上記態様において、前記キャップ本体は複数の開口部を有し、前記シャッター部材は、前記複数の開口部に対応して複数設けられ、複数のシャッター部材のうちいずれか1つのシャッター部材の遷移に同期して他のシャッター部材が遷移するように前記複数のシャッター部材を互いに連結する連結部材を備えてもよい。これによれば、より確実に車両の走行安定性および燃費の向上と、ブレーキ装置の冷却効率の向上とを図ることができる。
本発明によれば、車両の走行安定性および燃費の向上と、ブレーキ装置の冷却効率の向上とを高い次元で両立できる。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための最良の形態(以下、実施形態という)について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係るホイールキャップを外側から見た概略斜視図である。図2は、実施形態1に係るホイールキャップを内側から見た概略斜視図である。なお、図2では、シャッター部材を1つだけ図示し、残りのシャッター部材の図示を省略している。
図1は、実施形態1に係るホイールキャップを外側から見た概略斜視図である。図2は、実施形態1に係るホイールキャップを内側から見た概略斜視図である。なお、図2では、シャッター部材を1つだけ図示し、残りのシャッター部材の図示を省略している。
図1に示すように、本実施形態に係るホイールキャップ1は、図示しない車輪のホイールに従来周知の方法で取り付けられるホイールキャップであり、開口部12を有するキャップ本体10を備えている。本実施形態では、略涙滴形状の5つの開口部12が同心円上に等間隔に配置されているが、開口部12の個数、形状、配置などは特に限定されない。
また、図2に示すように、ホイールキャップ1は、キャップ本体10の内側の面に、シャッター部材20と、戻りばね26(付勢部材)とを備えている。シャッター部材20は、車輪の回転速度に応じて開口部12を開放する第1状態と開口部12を塞ぐ第2状態とを切り換え可能にキャップ本体10に連結されている。具体的には、キャップ本体10の回転中心Xからずれた位置に連結軸14が突設されている。そして、シャッター部材20は開口部12の形状と同様に略涙滴型であり、その一端が連結軸14に対して回動可能に連結されている。これにより、シャッター部材20は、図2において矢印Aで示すように、連結軸14に連結された一端を支点に回動し、開口部12を開放する第1状態(実線で示す状態)と、開口部12を塞ぐ第2状態(破線で示す状態)との間を遷移する。以下、適宜、第1状態にあるときのシャッター部材20の位置を第1位置、第2状態にあるときのシャッター部材20の位置を第2位置という場合がある。
連結軸14には、戻りばね26が設けられ、また、シャッター部材20の連結軸14近傍には係止棒24が設けられている。係止棒24は、キャップ本体10と対向する側のシャッター部材20の主表面から突出しており、戻りばね26は、所定の付勢力を持って係止棒24に当接している。そして、戻りばね26は、開口部12が開放される方向、すなわちシャッター部材20が第1状態となる方向にシャッター部材20を付勢している。
シャッター部材20の他端側、すなわち連結軸14に連結された連結端と反対側の開放端側の端部領域には、重り部材22が設けられており、重り部材22の設けられた位置がシャッター部材20の重心となっている。また、キャップ本体10には、第1状態と第2状態との間を遷移するシャッター部材20の開放端側端部が描く軌跡に沿って延び、シャッター部材20の開放端側端部がスライド可能に嵌合する凹部を有するスライドレール16が設けられている。シャッター部材20は、その開放端側端部がスライドレール16に嵌合した状態で連結軸14を支点にして回動するため、第1状態と第2状態との間の遷移がスムーズに行われる。
スライドレール16は、各シャッター部材20に対応してキャップ本体10に設けられており、各1つの開口部12とスライドレール16とシャッター部材20とで一セットとなっている。スライドレール16の端部のうち、第1位置に近い側の端部16aは、隣接する他セットのうち第1位置に近い側の他セットの開口部12の側端まで延びている。したがって、第1状態にあるシャッター部材20は、第2位置において、その側面が第2位置に近い側で隣接する他セットのスライドレール16の端部16aに当接して、シャッター部材20の回動が第2位置にて停止される。開口部12の周縁には側壁13が連結されており、側壁13の開放端側端部が第2状態にあるシャッター部材20の表面と密接することで、開口部12が確実に塞がれる。
続いて、上述の構成を備えたホイールキャップ1の動作を説明する。図3(A)は、シャッター部材の第1状態から第2状態への遷移を説明するための図であり、図3(B)は、シャッター部材の第2状態から第1状態への遷移を説明するための図である。
本実施形態に係るホイールキャップ1では、シャッター部材20が回動する際の支点となる連結軸14が、車輪の回転中心であるキャップ本体10の回転中心Xからずれた位置に配置されている。そのため、車輪が所定回転方向に回転したときにシャッター部材20にかかる遠心力によって、連結軸14を軸にしてシャッター部材20を回動させる方向の力が生じる。本実施形態では、遠心力によって生じる力がシャッター部材20を第2状態に遷移させる方向の力となるように、第1状態にあるときのシャッター部材20の位置と第2状態にあるときのシャッター部材20の位置とが規定されている。また、所定回転方向に回転している車輪の回転速度が低下したときに、シャッター部材20にかかる慣性力がシャッター部材20を第1状態に遷移させる方向の力となるように、第1状態にあるときのシャッター部材20の位置と第2状態にあるときのシャッター部材20の位置とが規定されている。
具体的には、図3(A)に示すように、第1状態にあるときのシャッター部材20の重心Yの位置は、回転中心Xと連結軸14とを通る基準線Mに対して、車輪の所定回転方向の進み側に位置している。また、第1状態にあるときのシャッター部材20の重心Yの位置、すなわち重り部材22の中心が、第2状態にあるときのシャッター部材20の重心Yの位置よりも、車輪の所定回転方向の進み側に位置している。また、第1状態にあるときのシャッター部材20の重心Yと回転中心Xを通る線と基準線Mとがなす角度αの大きさと、第2状態にあるときのシャッター部材20の重心Yと回転中心Xを通る線と基準線Mとがなす角度βの大きさとを比較すると、α>βとなっている。
すなわち、ホイールキャップ1では、車輪の回転速度が増加したときにシャッター部材20にかかる慣性力と、車輪の回転によりシャッター部材20にかかる遠心力によって、シャッター部材20が戻りばね26の付勢力に抗して、第1状態から第2状態に遷移するとともに第2状態に維持される。また、車輪の回転速度が低下したときにシャッター部材20にかかる慣性力と、戻りばね26の付勢力によって、シャッター部材20が第2状態から第1状態に遷移するとともに第1状態に維持される。ここで、本実施形態では、前記所定回転方向は、車両が前進する回転方向である。
図3(A)に示すように、シャッター部材20には、戻りばね26により第1状態に遷移する方向の付勢力bがかかっている。そのため、車輪の停止時、あるいは車輪の回転速度が所定速度以下の場合には、シャッター部材20は第1状態となっている。シャッター部材20が第1状態にあって、車輪が矢印B方向に回転すると、車輪の回転の加速により、シャッター部材20には、シャッター部材20を第1状態から第2状態に遷移させる方向の慣性力が作用する。また、シャッター部材20には遠心力aがかかる。シャッター部材20に遠心力aがかかると、遠心力aから第2状態に遷移させる方向の力cが生じる。車輪の回転によるシャッター部材20の慣性力と第2状態に遷移させる方向の力cの大きさの合計が、戻りばね26の付勢力bの大きさを上回ると、シャッター部材20は第1状態から第2状態に遷移し始める。
シャッター部材20が第1位置から第2位置に近づくにつれて、戻りばね26の付勢力bは次第に大きくなるが、車輪の速度が増加するにつれてシャッター部材20にかかる遠心力aが増大し、それにともなって第2状態に遷移させる方向の力cも増大する。そのため、シャッター部材20は、加速による慣性力および第2状態に遷移させる方向の力cの合計と付勢力bとがバランスしながら第2状態に遷移していく。
シャッター部材20が第2位置に到達して第2状態となると、シャッター部材20は、隣接する他セットのスライドレール16に当接して回動が停止される。そのため、シャッター部材20が第2状態となった後、車輪の回転速度がさらに上昇しても、シャッター部材20は第2位置で停止したままとなる。また、車輪が所定速度に到達して等速度で回転し始めると、シャッター部材20の慣性力は第2状態に遷移させる方向に作用しなくなるが、シャッター部材20には遠心力によって第2状態に遷移させる方向の力cがかかり続ける。そのため、シャッター部材20は戻りばね26の付勢力に抗して第2状態を維持し続ける。
そして、図3(B)に示すように、シャッター部材20が第2状態にあって、車輪の回転速度が低下すると、シャッター部材20にかかる遠心力aが小さくなり、それにともなって第2状態に遷移させる方向の力cも小さくなる。一方、シャッター部材20には、車輪の回転速度の減速によって、シャッター部材20を第2状態から第1状態に遷移させる方向の慣性力dが作用する。そして、第2状態に遷移させる方向の力cの大きさが、戻りばね26の付勢力bと第1状態に遷移させる方向の慣性力dの大きさの合計を下回ると、シャッター部材20は第2状態から第1状態に遷移し始める。
シャッター部材20が第2位置から第1位置に近づくにつれて、戻りばね26の付勢力が小さくなるが、車輪の速度が低下するにつれてシャッター部材20にかかる遠心力aが減少し、それにともなって第2状態に遷移させる方向の力cも減少する。そのため、シャッター部材20は、減速による慣性力dおよび戻りばね26の付勢力bの合計と、第2状態に遷移させる方向の力cとがバランスしながら第1状態に遷移していく。
シャッター部材20が第1位置に到達して第1状態となると、シャッター部材20の回動が停止される。車輪の回転が停止するか、あるいは車輪が等速回転し始めると、シャッター部材20の慣性力は第1状態に遷移させる方向に作用しなくなるが、シャッター部材20には戻りばね26の付勢力bがかかり続ける。そのため、シャッター部材20は第1状態を維持し続ける。
以上説明した動作により、シャッター部材20は第1状態と第2状態との間を遷移する。
以上の構成による動作を総括すると、本実施形態に係るホイールキャップ1は、車輪の回転速度に応じて開口部12を開放する第1状態と開口部12を塞ぐ第2状態とを切り換え可能にキャップ本体10に連結されたシャッター部材20を備える。そして、シャッター部材20は、キャップ本体10の回転中心Xからずれた位置に一端が連結され、当該一端を支点に回動して第1状態と第2状態との間を遷移している。そのため、車輪の回転速度が増加すると、シャッター部材20に対して第2状態に遷移させる方向の力がかかり、一方、車輪の回転速度が低下すると、シャッター部材20に対して第1状態に遷移させる方向の力がかかる。したがって、車輪の回転速度に応じて、より確実に、あるいは高精度に開口部12の開口度、すなわち遮蔽量を調整することが可能となる。
そして、これにより、車両側面の気流を乱す可能性が高く、またブレーキの使用頻度が比較的低いためにブレーキ装置の冷却があまり必要とされない高速走行状態では開口部を塞ぎ、車両側面の気流を乱す可能性が低く、ブレーキ装置の十分な冷却が求められやすい低速走行状態では開口部を開くことができる。よって、車両の走行安定性および燃費の向上と、ブレーキ装置の冷却効率の向上とを高い次元で両立することができる。また、車速あるいは車輪の回転速度と開口部12の開口面積との関係は、シャッター部材20の質量(重り部材22の質量)と、戻りばね26の付勢力の大きさの調整によって、自由に設定することが可能である。
また、本実施形態にかかるホイールキャップ1では、電気的な駆動手段などを用いずに、簡単な構成でシャッター部材20の変位を行っている。そのため、車両本体から遠く、路面に近い位置に設けられるために電気的な配線が困難であり、また路面から受ける衝撃が大きいホイールキャップとして、より好適な構成である。
(実施形態2)
実施形態2では、複数のシャッター部材のうちいずれか1つのシャッター部材の移動に同期して他のシャッター部材が移動するように複数のシャッター部材を互いに連結する連結部材を備えた点が実施形態1と異なる。なお、ホイールキャップ1の全体構成、シャッター部材20の状態切り換え動作は実施形態1と基本的に同一である。実施形態1と同一の構成については同一の符号を付し、その説明は適宜省略する。
実施形態2では、複数のシャッター部材のうちいずれか1つのシャッター部材の移動に同期して他のシャッター部材が移動するように複数のシャッター部材を互いに連結する連結部材を備えた点が実施形態1と異なる。なお、ホイールキャップ1の全体構成、シャッター部材20の状態切り換え動作は実施形態1と基本的に同一である。実施形態1と同一の構成については同一の符号を付し、その説明は適宜省略する。
実施形態1の構成において、車輪の回転速度が低下すると、シャッター部材20には、シャッター部材20を第2状態から第1状態に遷移させる方向の慣性力dが作用するが、車両の減速による慣性力もシャッター部材20に作用する。この車両の減速による慣性力は、車両の進行方向の力であり、図3における左方向の力である。そのため、車両の減速による慣性力は、キャップ本体10の下側に位置するシャッター部材20には、当該シャッター部材20を第1状態から第2状態に遷移させる方向の力となる。そのため、戻りばね26の付勢力bと、車輪の回転速度の低下による第1状態に遷移させる方向の慣性力dが、車両の減速による慣性力と相殺されてしまい、車輪の下側に位置するシャッター部材20の第1状態への遷移が妨げられてしまう可能性がある。
そこで、本実施形態にかかるホイールキャップ1は、複数のシャッター部材20のうちいずれか1つのシャッター部材20の移動に同期して他のシャッター部材20が移動するように、複数のシャッター部材20を互いに連結する連結部材30を備えている。
図4(A)は、実施形態2に係るホイールキャップの概略背面図であり、図4(B)は、実施形態2の変形例に係るホイールキャップの概略背面図である。
図4(A)に示すように、連結部材30は、本体部31と、長穴34を有する連結腕部32を含む。本体部31は、連結軸14を通る円の内側においてキャップ本体10に対して、キャップ本体10の回転とは独立に回転可能に連結されている。本体部31は、その回転中心がキャップ本体10の回転中心Xと重なるように配置されている。本体部31の外周端部には、複数のシャッター部材20のそれぞれの係止棒24に向かって延びるように、複数の連結腕部32が設けられている。各連結腕部32の開放端側には、長穴34が設けられている。長穴34は、その長手方向がキャップ本体10の径方向と一致するように配置されている。
本実施形態では、係止棒24はシャッター部材20を貫通して両側の主表面から突出しており、キャップ本体10と対向する側の主表面から突出した部分は戻りばね26に当接し、他方の主表面から突出した部分は長穴34にスライド可能に挿入されている。係止棒24は、シャッター部材20が第1状態のときに回転中心Xに近い側の長穴34の第1端部に位置し、シャッター部材20が第2状態のときに回転中心Xから遠い側の長穴34の第2端部に位置するように、長穴34に挿入されている。
このような構成において、矢印Bで示す方向に車輪が回転すると、シャッター部材20が矢印Cで示す方向に変位して、第1状態から第2状態に遷移し始める。シャッター部材20が第1状態から第2状態に遷移し始めると、それにともなって係止棒24も長穴34の内側面に当接しながら矢印C方向に変位しつつ、第1端部側から第2端部側にスライドする。そのため、連結腕部32が矢印Dで示す方向に回転し始める。いずれか1つのシャッター部材20が所定量だけ変位して係止棒24が所定量だけ移動し、当該係止棒24が挿入された1つの連結腕部32が所定角度だけ回転すると、本体部31に連結された他の連結腕部32も同じ角度だけ回転する。これにより、他の連結腕部32の長穴34に挿入された係止棒24が強制的に同じ量だけ変位させられるため、他のシャッター部材20が同じ量だけ変位することになる。よって、1つのシャッター部材20の遷移に同期して、他のシャッター部材20を遷移させることができる。また、各シャッター部材20の変位量を等しくすることができる。
なお、連結部材30の構成は上述の構造に限定されず、たとえばリレーロッドのように隣り合うシャッター部材20の係止棒24同士を連結する構成であってもよい。
また、図4(B)に示すように、車輪の加減速に応じてより大きな慣性力がシャッター部材20にかかるように、連結部材30に対してイナーターなどのイナーシャトルク生成部材40を設けてもよい。
車輪の回転速度が低下することで作用する、シャッター部材20を第2状態から第1状態に遷移させる方向の慣性力dは、車輪の回転によりシャッター部材20にかかる遠心力よりも小さい。そこで、連結部材30に対して、車輪の回転による遠心力(回転数)の影響を受けずに、車輪の回転の加減速により慣性力を発生するイナーシャトルク生成部材40を設ける。これにより、矢印Bの方向に回転していた車輪が減速したときに、イナーシャトルク生成部材40には矢印Bの方向の慣性力が作用し、当該慣性力によって連結部材30に挿入された係止棒24に対して矢印Eの方向の力がかかる。そのため、当該慣性力は、シャッター部材20に対して第1状態に遷移させる方向の力として作用する。したがって、車輪の回転速度の減少量が小さい場合であっても、第1状態に遷移させる方向の力を確実に発生させてシャッター部材20をより確実に第1状態に遷移させることが可能となる。なお、イナーシャトルク生成部材40の構造は上述の構造に限定されず、イナーシャトルク生成部材40は連結部材30とは独立に設けられていてもよい。
以上の構成による動作を総括すると、本実施形態に係るホイールキャップ1によれば、実施形態1で得られる効果に加えて、さらに次のような効果が得られる。すなわち、本実施形態に係るホイールキャップ1は、係止棒24が挿入される長穴34が形成された連結腕部32を複数有する連結部材30を備えている。そのため、複数のシャッター部材20のうちいずれか1つのシャッター部材20の遷移に同期して、他のシャッター部材20を遷移させることができる。したがって、より確実に車両の走行安定性および燃費の向上と、ブレーキ装置の冷却効率の向上とを図ることができる。また、複数のシャッター部材20の遷移量を等しくすることができるため、ホイールキャップ1の見栄えを向上させることができる。さらに、車輪が一回転する間に開口部12の遮蔽量が変化するような、急激なシャッター部材20の遷移が生じた場合であっても、シャッター部材20の耐久性が低下するのを防止することができる。
また、イナーシャトルク生成部材40を設けた場合には、車輪の加減速量が小さい場合であっても、シャッター部材20により大きな慣性力をかけることができる。そのため、シャッター部材20をより確実に遷移させることが可能となり、より確実に車両の走行安定性および燃費の向上と、ブレーキ装置の冷却効率の向上とを図ることができる。また、イナーシャトルク生成部材40を設けることで、シャッター部材20の変位速度をより自由に設定することが可能となる。
本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、実施の形態の各要素を適宜組み合わせたものも、本発明の実施の形態として有効である。また、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を実施の形態に対して加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施の形態も本発明の範囲に含まれ得る。各図に示す構成は、一例を説明するためのもので、同様な機能を達成できる構成であれば、適宜変更可能であり、同様な効果を得ることができる。
X 回転中心、 1 ホイールキャップ、 10 キャップ本体、 12 開口部、 20 シャッター部材、 26 戻りばね、 30 連結部材、 32 連結腕部。
Claims (2)
- 車輪のホイールに取り付けられるホイールキャップであって、
開口部を有するキャップ本体と、
車輪の回転速度に応じて前記開口部を開放する第1状態と前記開口部を塞ぐ第2状態とを切り換え可能に前記キャップ本体に連結されたシャッター部材と、
前記シャッター部材を弾性をもって第1状態となる方向に付勢する付勢部材と、
を備え、前記シャッター部材は、前記キャップ本体の回転中心からずれた位置に一端が連結され、当該一端を支点に回動することで第1状態と第2状態との間を遷移することを特徴とするホイールキャップ。 - 前記キャップ本体は複数の開口部を有し、
前記シャッター部材は、前記複数の開口部に対応して複数設けられ、
複数のシャッター部材のうちいずれか1つのシャッター部材の遷移に同期して他のシャッター部材が遷移するように前記複数のシャッター部材を互いに連結する連結部材を備えたことを特徴とする請求項1に記載のホイールキャップ。
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