JP2010201753A - 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】液滴を安定的に一方の電位に維持して反対電位の他の部材との間で所定の電位差を確実に確保することができる液体噴射ヘッドを提供する。
【解決手段】液滴を吐出するノズル開口21が形成されたノズルプレート20と、前記ノズル開口21に連通する複数の圧力発生室12と、複数の前記圧力発生室12に連通して圧力発生室に液体を供給する共通液体室と、前記各圧力発生室12内に液滴吐出のための圧力を発生させる圧力発生手段と、前記ノズルプレート20の圧力発生室と反対側に設けられたカバー部235とを具備する液体噴射ヘッドであって、前記ノズルプレート20は、前記カバー部235よりも電気伝導率が小さいとともに、前記ノズルプレート20には前記共通液体室の液体を前記カバー部235に接触させるよう前記共通液体室に対応する位置の少なくとも一部に開口部20Bを設ける。
【選択図】図5
【解決手段】液滴を吐出するノズル開口21が形成されたノズルプレート20と、前記ノズル開口21に連通する複数の圧力発生室12と、複数の前記圧力発生室12に連通して圧力発生室に液体を供給する共通液体室と、前記各圧力発生室12内に液滴吐出のための圧力を発生させる圧力発生手段と、前記ノズルプレート20の圧力発生室と反対側に設けられたカバー部235とを具備する液体噴射ヘッドであって、前記ノズルプレート20は、前記カバー部235よりも電気伝導率が小さいとともに、前記ノズルプレート20には前記共通液体室の液体を前記カバー部235に接触させるよう前記共通液体室に対応する位置の少なくとも一部に開口部20Bを設ける。
【選択図】図5
Description
本発明は液体噴射ヘッド及び液体噴射装置に関し、特にノズルから噴射するインクを帯電させてドット抜けを検出する場合に適用して有用なものである。
液体噴射ヘッドであるインクジェット式記録ヘッドとしては、インク滴を吐出するノズル開口と連通する圧力発生室の一部を振動板で構成し、この振動板を圧電素子で変形させて圧力発生室のインクを加圧し、ノズル開口からインク滴を吐出させる撓み振動モードの圧電素子を有するものが知られている。ここで、ノズルプレートに形成されたノズル開口に連通し、隔壁によって区画された複数の圧力発生室が並設された流路形成基板と、流路形成基板の圧力発生室に相対向する領域に振動板となる絶縁膜を介して下電極膜、圧電体層及び上電極膜を積層形成した圧電素子と、流路形成基板に接合されて圧力発生室の共通のインク室となるリザーバーの一部を構成するリザーバー部が設けられたリザーバー形成基板とを備えているものを代表的な一例として挙げることができる(例えば、特許文献1参照)。
ところで、この種のインクジェット式記録ヘッドを有するインクジェット式記録装置では、所定の印字品質を確保するため、印字前等の所定のタイミングでドット抜け検出を行っている。かかるドット抜け検出の手法は種々提案されているが、その一つとして、フラッシングボックスとノズルプレートとの間に電圧を印加することによりインクを帯電させ、帯電したインクが吐出されることによりフラッシングボックスとノズルプレートとの間の電位の変化を表わす電位信号を出力させることにより、この電位信号の振幅に基づきドット抜けを検出する方式が提案されている(例えば、特許文献2参照)。これは、帯電したインクが正常に吐出された場合とそうでない場合とで電位信号の振幅が異なることを利用したものである。ちなみに、複数のノズルからなる特定のノズル列において、インクを正常に吐出することができないノズルの数が多ければ多いほど出力される電位信号の振幅は小さくなるので、電位信号の振幅を検出することによりドット抜けを生起しているノズル数を把握することができる。
上述の如き電位信号に基づくドット抜け検出は、通常ノズルプレートをグランドに接続するとともに、フラッシングボックスをプラス側とする電圧を印加することにより実現している。すなわち、ノズル開口を介して吐出されるインクをマイナス側に帯電させることができるようにノズルプレートがSUS等の導電性の材料で形成されていることを前提としている。
一方、ノズル開口をノズルプレートの所定位置に高精度に形成すべくドライエッチング技術を適用するため、ノズルプレートを半導体であるシリコンで形成し、シリコン製のノズルプレート表面に絶縁膜を形成し、ノズル開口を設けたものも存在する。
そこで、シリコン製のノズルプレートを有するインクジェット式記録ヘッドには、前述の如きドット抜け検出方式を適用することができない。ノズルプレートを安定にグランド電位に維持することができないからである。
なお、このような問題は、インク滴を噴射するインクジェット式記録ヘッドだけでなく、他の液滴を噴射する液体噴射ヘッドにおいても同様に存在する。
本発明はこのような事情に鑑み、液滴を安定的に一方の電位に維持することができる液体噴射ヘッド及び液体噴射装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明の一態様は、液滴を吐出するノズル開口が形成されたノズルプレートと、前記ノズル開口に連通する複数の圧力発生室と、複数の前記圧力発生室に連通して圧力発生室に液体を供給する共通液体室と、前記各圧力発生室内に液滴吐出のための圧力を発生させる圧力発生手段と、前記ノズルプレートの圧力発生室と反対側に設けられたカバー部とを具備する液体噴射ヘッドであって、前記ノズルプレートは、前記カバー部よりも電気伝導率が小さいとともに、前記ノズルプレートには前記共通液体室の液体を前記カバー部に接触させるよう前記共通液体室に対応する位置の少なくとも一部に開口部を設けたことを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
かかる本態様によれば、液滴をノズルプレートよりも電気伝導性が高いカバー部に接触させることができるので、カバー部を介して液滴を安定的に一方の電位に維持することが容易に可能となる。
かかる本態様によれば、液滴をノズルプレートよりも電気伝導性が高いカバー部に接触させることができるので、カバー部を介して液滴を安定的に一方の電位に維持することが容易に可能となる。
ここで、前記ノズルプレートはシリコンで、前記カバー部は金属でそれぞれ形成するのが望ましい。この場合には、他の部材との熱膨張率が同じであるため、圧電素子等に熱を加えて配線等を接続しても加熱による悪影響を生起することはないからである。
また本発明の他の態様は、上記液体噴射ヘッドと、前記カバー部と他の導電部材との間に所定の電位差を形成するための電源手段と、前記カバー部と前記他の導電部材との間の電位の変化を表す電位信号に基づき前記ノズル開口からの液滴の吐出状況を判定する電位検出手段とを有する液体噴射装置にある。
本態様によれば、カバー部を介して共通液体室の液体を一方の電位に安定的に帯電させることができるので、ノズルプレートが絶縁体であってもカバー部と前記他の導電部材との間の電位の変化を検出することで容易且つ確実にドット抜けを検出することができる。
本態様によれば、カバー部を介して共通液体室の液体を一方の電位に安定的に帯電させることができるので、ノズルプレートが絶縁体であってもカバー部と前記他の導電部材との間の電位の変化を検出することで容易且つ確実にドット抜けを検出することができる。
以下に本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
図1は本形態に係るインクジェット式記録ヘッドユニットの分解斜視図、図2はその組立斜視図、図3はその要部断面図である。
図1は本形態に係るインクジェット式記録ヘッドユニットの分解斜視図、図2はその組立斜視図、図3はその要部断面図である。
これらの図に示すように、インクジェット式記録ヘッドユニット200(以下、ヘッドユニット200と言う)は、カートリッジケース210と、複数個(本形態では4個)のヘッド220が、カバーヘッド240及び固定板250からなるカバー部235とともに一体化されたインクジェット式記録ヘッド219を有する。
これらのうち、カートリッジケース210は、インクカートリッジ(図示なし)がそれぞれ装着されるカートリッジ装着部211を有する前記インクカートリッジの保持部材である。インクカートリッジは、例えばブラック及び3色のカラーインクが充填された別体で構成されたインク供給手段である。すなわち、カートリッジケース210には、各色のインクカートリッジがそれぞれ装着される。
また、図3に特に明示するように、カートリッジケース210には、一端が各カートリッジ装着部211に開口するとともに他端がヘッドケース230側に開口する複数のインク連通路212が設けられている。さらに、カートリッジ装着部211のインク連通路212の開口部分には、インクカートリッジのインク供給口に挿入されるインク供給針213が固定されている。この固定は、インク内の気泡や異物を除去するためにインク連通路212に形成されたフィルタ(図示なし)を介して行なわれる。
ヘッドケース230は、カートリッジケース210の底面に固着されている。ヘッド220は、複数の圧電素子300を有するとともに、カートリッジケース210とは反対側の端面に圧電素子300の駆動によってノズル開口21からインク滴を吐出するもので、インクカートリッジの各色のインクを吐出するようインク色毎に対応して複数個設けられている。そこで、ヘッドケース230も各ヘッド220に対応してそれぞれ独立して複数個設けられている。
上述の如きヘッド220及びヘッドケース230について図4及び図5を追加してさらに詳細に説明する。ここで、図4はヘッド220及びヘッドケース230の要部の分解斜視図、図5はヘッド220及びヘッドケース230の断面図である。
両図に示すように、ヘッド220は、ノズルプレート20、流路形成基板10、保護基板30及びコンプライアンス基板40の4つの基板で構成されている。これらのうち流路形成基板10は、本形態では、シリコン単結晶基板からなり、その一方面には予め熱酸化により形成した二酸化シリコンからなる弾性膜50が形成されている。この流路形成基板10には、複数の隔壁によって区画された圧力発生室12が形成されている。本形態では、流路形成基板10の幅方向に関し2個づつの2列の圧力発生室12が、流路形成基板10の他方面側から異方性エッチングにより形成されている。また、各列の圧力発生室12の長手方向外側には、後述する保護基板30に設けられるリザーバー部31と連通し、各圧力発生室12の共通のインク室となるリザーバー100を構成する連通部13が形成されている。連通部13は、インク供給路14を介して各圧力発生室12の長手方向一端部とそれぞれ連通されている。
流路形成基板10の開口面側には、ノズルプレート20が接着剤や熱溶着フィルム等を介して固着されている。このノズルプレート20には各圧力発生室12のインク供給路14とは反対側で連通するノズル開口21が穿設されている。かくして、本形態においては、1個のヘッド220にノズル開口21が並設されたノズル列21Aが2列設けられている。
本形態におけるノズルプレート20は、半導体であるシリコン単結晶基板で形成してあり、共通液体室であるリザーバー100の底面に対向する部分にはリザーバー100の壁面の一部を形成するように開口部20Bが設けてある。この開口部20Bを介してリザーバー100内のインクが導電部である固定板250及びカバーヘッド240に電気的に接続された状態となっているが、この点については後に詳述する。
また、ノズルプレート20の流路形成基板10と反対側表面には、絶縁性(電気伝導性が低い)撥液膜を形成している。
一方、流路形成基板10の開口面とは反対側には弾性膜50上に圧電素子300が配設されている。この圧電素子300は、酸化ジルコニウムからなる絶縁体膜、金属からなる下電極膜、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等からなる圧電体層及び金属からなる上電極膜を順次積層することで形成される。
保護基板30は、圧電素子300が形成された流路形成基板10上に接合されている。リザーバー部31は、本形態では、保護基板30を厚さ方向に貫通して圧力発生室12の幅方向に亘って形成されており、上述のように流路形成基板10の連通部13と連通されて各圧力発生室12の共通のインク室となるリザーバー100を構成している。また、保護基板30の圧電素子300に対向する領域には、圧電素子300の運動を阻害しない程度の空間を有する圧電素子保持部32が設けられている。このような保護基板30は、ガラス、セラミック、金属、プラスチック等で好適に形成し得るが、流路形成基板10の熱膨張率と略同一の材料を用いることが好ましく、本例では、流路形成基板10と同一材料のシリコン単結晶基板を用いて形成している。
さらに、保護基板30上には、各圧電素子300を駆動するための駆動IC110が設けられている。この駆動IC110の各端子は、図示しないボンディングワイヤー等を介して各圧電素子300の個別電極から引き出された引き出し配線と接続されている。そして、駆動IC110の各端子には、図1に示すような、フレキシブルプリントケーブル(FPC)等の外部配線111を介して外部と接続され、外部から外部配線111を介して印刷信号等の各種信号を受け取るようになっている。
コンプライアンス基板40は保護基板30上に接合されており、そのリザーバー100に対向する領域には、リザーバー100にインクを供給するためのインク導入口44が厚さ方向に貫通して形成されている。また、コンプライアンス基板40のリザーバー100に対向する領域のインク導入口44以外の領域は、厚さ方向に薄く形成された可撓部である封止膜41となっており、リザーバー100は、封止膜41により封止されている。すなわち、コンプライアンス基板40は、図5に明示するように、封止膜41と固定板42とから形成されている。ここで、封止膜41は、剛性が低く可撓性を有する材料(例えば、厚さが6μmのポリフェニレンサルファイド(PPS)フィルム)で形成されており、また固定板42は、金属等の硬質の材料(例えば、厚さが30μmのステンレス鋼(SUS)等)で形成されている。この固定板42のリザーバー100に対向する領域は、厚さ方向に完全に除去された開口部43となっているため、リザーバー100の一方面は可撓性を有する封止膜41のみで封止されている。かくして、封止膜41により、リザーバー100内にコンプライアンスを与えるように構成してある。
ヘッドケース230には、保護基板30上に設けられた駆動IC110に対向する領域に厚さ方向に貫通した駆動IC保持部233が設けられており、外部配線111は、駆動IC保持部233を挿通して駆動IC110と接続されている。
かかるヘッド220及びヘッドケース230は、図1乃至図3に示すように、カートリッジケース210にノズル列21Aの並び方向に所定の間隔で4つ固定されている。すなわち、ヘッドユニット200には、ノズル列21Aが8列設けられていることになる。
このように複数のヘッド220を用いて並設されたノズル開口21からなるノズル列21Aの多列化を図ることで、1つのヘッド220にノズル列21Aを多列形成するのに比べて歩留まりの低下を防止することができる。また、ノズル列21Aの多列化を図るために複数のヘッド220を用いることで、1枚のシリコンウェハーから形成できるヘッド220の取り数を増大させることができ、シリコンウェハーの無駄な領域を減少させて製造コストを低減することができる。
また、このような4つのヘッド220は、図1及び図3に示すように、複数のヘッド220のインク滴吐出面に接合された共通の固定部材であるカバー部235の固定板250によって位置決めされて保持されている。固定板250は、平板からなり、ノズル開口21を露出する露出開口部251と、露出開口部251を画成すると共にヘッド220のインク滴吐出面の少なくともノズル列21Aの両端部側に接合される接合部252とを具備する。接合部252は、複数のヘッド220に亘ってインク滴吐出面の外周に沿って設けられた固定用枠部253と、隣接するヘッド220の間に延設されて露出開口部251を分割する固定用梁部254とで構成され、固定用枠部253及び固定用梁部254からなる接合部252が複数のヘッド220のインク滴吐出面側に同時に接合されている。かかる固定板250は、例えばステンレス鋼などの金属で形成してある。この結果、ノズルプレート20の開口部20B(図5参照)を介して接触するリザーバー100内のインクと固定板250とは電気的に同電位とすることができる。
なお、本形態では、固定板250の厚さを0.1mmとした。また、固定板250とノズルプレート20との接合は、特に限定されず、例えば、熱硬化性のエポキシ系接着剤や、紫外線硬化型の接着剤等を用いて好適に行うことができる。
このように、固定板250が、固定用梁部254によって隣接するヘッド220の間を塞いでいるため、隣接するヘッド220の間にインクが侵入することがなく、圧電素子300や駆動IC110などのヘッド220のインクによる劣化及び破壊を防止することができる。また、ヘッド220のインク滴吐出面と固定板250との間は、接着剤によって隙間なく接着されているため、隙間に被記録媒体が入り込むのを防止して固定板250の変形及び紙ジャムを防止することができる。
さらに、ヘッドユニット200には、図1及び図2に示すように、固定板250に対してヘッド220とは反対側に、各ヘッド220を覆うように箱形状を有するカバーヘッド240が設けられている。このカバーヘッド240は固定板250とともに本形態におけるカバー部235を形成するもので、固定板250の露出開口部251に対応して開口部241が設けられた固定部242と、ヘッド220のインク滴吐出面の側面側に、固定板250の外周に亘って屈曲するように設けられた側壁部245とを具備する。
固定部242は、固定板250の固定用枠部253に対応して設けられた枠部243と、固定板250の固定用梁部254に対応して設けられて開口部241を分割する梁部244とで構成されている。また、枠部243及び梁部244からなる固定部242は、固定板250の接合部252に接合されている。ここで、カバーヘッド240は、例えばステンレス鋼などの金属材料で形成してあり、金属材料で形成された金属板をプレス加工により形成してもよく、成形により形成するようにしてもよい。また、カバーヘッド240と固定板250とは導電性接着剤で接合してある。この結果、ノズルプレート20の開口部20B及び固定板250を介して接触するリザーバー100内のインクとカバーヘッド240とは電気的に同電位とすることができる。すなわち、カバーヘッド240をグランドに接続した場合、リザーバー100内のインクをグランド電位とすることができる。
なお、固定板250の固定用梁部254のリザーバー100の底部に対応する位置に貫通孔を設けた場合にはカバーヘッド240と固定板250とを接合する接着剤の種類に特に限定はなく、例えば熱硬化性のエポキシ系接着剤を用いることもできる。この場合には、固定用梁部254に設けた貫通孔を介してリザーバー100内のインクをカバーヘッド240と接触させることができるからである。ただし、貫通孔周辺はインクに耐性のある接着剤を用いて、インクが漏れ出さないようにしなければならない。
さらに、上述の如くヘッド220のインク滴吐出面とカバーヘッド240との間が隙間なく接合されているため、隙間に被記録媒体が入り込むのを防止してカバーヘッド240の変形及び紙ジャムを防止することができる。また、カバーヘッド240の側壁部245が、複数のヘッド220の外周縁部を覆うことで、ヘッド220の側面へのインクの回り込みを確実に防止することができる。
また、本形態におけるカバーヘッド240は、図2及び図3に示すように、ヘッド220及びヘッドケース230を保持した保持部材であるカートリッジケース210に固定されている。さらに詳言すると、カートリッジケース210には、インク滴吐出面側に突出して、カバーヘッド240の固定孔247に挿入される突起部215が設けられており、この突起部215をカバーヘッド240の固定孔247に挿入するとともに突起部215の先端部を加熱してかしめることで、カートリッジケース210にカバーヘッド240が固定されている。このようなカートリッジケース210に設けられた突起部215を、フランジ部246の固定孔247よりも小径の外径とすることで、カバーヘッド240をインク滴吐出面の面方向に位置決めしてカートリッジケース210に固定することができる。
また、カバーヘッド240と、複数のヘッド220が接合された固定板250とは、カバーヘッド240の固定孔247と複数のノズル列21Aとの位置決めにより固定されている。
かかる本形態によれば、ヘッド220は、インクカートリッジからのインクをインク連通路212(図3参照)及びインク供給連通路231を介してインク導入口44から取り込み、リザーバー100からノズル開口21に至るまで内部をインクで充満させる。かかる状態で、駆動IC110からの記録信号に従い、圧力発生室12に対応するそれぞれの圧電素子300に電圧を印加し、弾性膜50及び圧電素子300をたわみ変形させることにより、各圧力発生室12内の圧力を上げてノズル開口21からインク滴を吐出させる。
ここで、リザーバー100内のインクは絶縁部材であるノズルプレート20の開口部20Bを介して導電部であるカバー部235に接触しているので、カバー部235をグランドに落とすことにより、インクを安定的にグランド電位とすることができる。この結果、カバー部235とフラッシングボックス等の他の導電部材との間に所定電圧を印加するとともに、ノズル開口21からインクを吐出させて行うドット抜け検出を良好に実施することができる。
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態を説明したが、勿論、本発明は上述したものに限定されるものではない。例えば、上記実施の形態ではノズルプレート20を絶縁部材であるシリコンで形成したが、カバー部235はノズルプレート20よりも電気伝導率が高ければ良く、例えばカバー部235を良導電性の金属材料で形成した場合等ではノズルプレート20をSUSで形成しても良い場合がある。ただ、ノズルプレート20をシリコンで形成した場合、流路形成基板10等の他の基板と熱膨張率が同じであるため、アクチュエーターに熱を加えてCOF等を接続しても加熱による悪影響を生起することはない。また、ノズルプレート20とカバー部235とをともにSUSで形成し、ノズルプレート20の表面に絶縁性の保護膜等を形成するというように、表面の皮膜によって所定の電気伝導性を持ち、ノズルプレート20よりもカバー部235の電気伝導率が高いようにしても良い。
以上、本発明の実施形態を説明したが、勿論、本発明は上述したものに限定されるものではない。例えば、上記実施の形態ではノズルプレート20を絶縁部材であるシリコンで形成したが、カバー部235はノズルプレート20よりも電気伝導率が高ければ良く、例えばカバー部235を良導電性の金属材料で形成した場合等ではノズルプレート20をSUSで形成しても良い場合がある。ただ、ノズルプレート20をシリコンで形成した場合、流路形成基板10等の他の基板と熱膨張率が同じであるため、アクチュエーターに熱を加えてCOF等を接続しても加熱による悪影響を生起することはない。また、ノズルプレート20とカバー部235とをともにSUSで形成し、ノズルプレート20の表面に絶縁性の保護膜等を形成するというように、表面の皮膜によって所定の電気伝導性を持ち、ノズルプレート20よりもカバー部235の電気伝導率が高いようにしても良い。
また、インクジェット式記録ヘッドの構成は、上述したものに限定されるものではない。ノズルプレートが絶縁体等で形成されている場合において、リザーバーのインクがカバー部を介して電気的に接続されるような構造となっていれば、インクジェット式記録ヘッドの方式は特に限定されない。例えば、上述の実施形態では、撓み振動を利用してインクを吐出させるようにしたが、縦振動を利用するもの、静電気力を利用するもの、発熱素子等を利用するもの等であっても良い。
さらに、本形態のインクジェット式記録ヘッドは、インクカートリッジ等と連通するインク流路を具備する記録ヘッドユニットの一部を構成して、インクジェット式記録装置に搭載される。図6は、そのインクジェット式記録装置の一例を示す概略図である。同図に示すように、インクジェット式記録装置における記録ヘッドユニット1A及び1Bは、インク供給手段を構成するカートリッジ2A及び2Bが着脱可能に設けられ、この記録ヘッドユニット1A及び1Bを搭載したキャリッジ3は、装置本体4に取り付けられたキャリッジ軸5に軸方向移動自在に設けられている。この記録ヘッドユニット1A及び1Bは、例えば、それぞれブラックインク組成物及びカラーインク組成物を吐出するものとしている。
そして、駆動モーター6の駆動力が図示しない複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリッジ3に伝達されることで、記録ヘッドユニット1A及び1Bを搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸5に沿って移動される。一方、装置本体4にはキャリッジ軸5に沿ってプラテン8が設けられており、図示しない給紙ローラーなどにより給紙された紙等の記録媒体である記録シートSがプラテン8に巻き掛けられて搬送されるようになっている。
さらに、図6に示すインクジェット式記録装置の場合、ドット抜け検出のための装置も搭載している。図7はドット抜け検出時の態様を示す説明図である。同図に示すように、ドット抜け検出時には、ヘッドユニット200のカバー部235をグランドに落とすとともに、直流電源410のプラス側を導電体であるフラッシングボックス400に接続する。この結果、フラッシングボックス400とカバー部235との間には所定の電位差が発生する。この結果、フラッシングボックス400はプラスに帯電するとともに、カバー部235に電気的に接続されているリザーバー100(図5参照)内のインクはマイナスに帯電する。かかる状態でインク滴が吐出された場合、フラッシングボックス400とカバー部235との間の電位差が変化する。かかる電位差変化の程度はドット抜けを生起しているノズルの数が多いノズル列程小さい。すなわち、複数のノズルからなる特定のノズル列において、インクを正常に吐出することができないノズルの数が多ければ多いほど出力される電位信号の振幅は小さくなるので、電位信号の振幅を検出することによりドット抜けを生起しているノズル数を把握することができる。電位検出部420では、このとき得られる電位差を表す電位信号を検出して分析することによりドット抜けの程度を検出し、その出力信号OUTでフラッシングボックス400における吸引の程度を制御する。すなわち、ドット抜けが多い場合には大きな吸引力でクリーニングを行う。
図8はこのとき電位検出部420に供給される電位信号の一例を示す波形図である。同図は、#1、#2、#3の各タイミングで異なるノズル列においてインクを吐出させた場合に得られる電位信号を示しており、#1で吐出させたノズル列がドット抜けを生起していることを示している。
かかるドット抜け検出は印刷毎に印字前に行う。具体的には、先ずヘッドユニット200を非印字領域のホームポジションに移動させる。この結果ヘッドユニット200はフラッシングボックスと相対向することになるので、この位置でインクを吐出させる。この結果得られる電位信号でドット抜けが検出された場合には所定の吸引を行い、再度ドット抜け検出を行う。この結果ドット抜けが除去された場合、所定の印字を行う。
なお上述した実施形態においては、本発明の液体噴射ヘッドの一例としてインクジェット式記録ヘッドを説明したが、液体噴射ヘッドの基本的構成は上述したものに限定されるものではない。本発明は、広く液体噴射ヘッドの全般を対象としたものであり、インク以外の液体を噴射するものにも勿論適用することができる。液体噴射ヘッドとしては、例えば、プリンター等の画像記録装置に用いられる各種の記録ヘッド、液晶ディスプレー等のカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレー、FED(電界放出ディスプレー)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等が挙げられる。
10 流路形成基板、 12 圧力発生室、 20 ノズルプレート、 20B 開口部、 21 ノズル開口、 100 リザーバー、 200 ヘッドユニット、 219 インクジェット式記録ヘッド、 220 ヘッド、 235 カバー部、 240 カバーヘッド、 250 固定板、 300 圧電素子
Claims (3)
- 液滴を吐出するノズル開口が形成されたノズルプレートと、前記ノズル開口に連通する複数の圧力発生室と、複数の前記圧力発生室に連通して圧力発生室に液体を供給する共通液体室と、前記各圧力発生室内に液滴吐出のための圧力を発生させる圧力発生手段と、前記ノズルプレートの圧力発生室と反対側に設けられたカバー部とを具備する液体噴射ヘッドであって、
前記ノズルプレートは、前記カバー部よりも電気伝導率が小さいとともに、前記ノズルプレートには前記共通液体室の液体を前記カバー部に接触させるよう前記共通液体室に対応する位置の少なくとも一部に開口部を設けたことを特徴とする液体噴射ヘッド。 - 請求項1に記載する液体噴射ヘッドにおいて、
前記ノズルプレートはシリコンで、前記カバー部は金属でそれぞれ形成したことを特徴とする液体噴射ヘッド。 - 請求項1又は請求項2に記載する液体噴射ヘッドと、前記カバー部と他の導電部材との間に所定の電位差を形成するための電源手段と、前記カバー部と前記他の導電部材との間の電位の変化を表す電位信号に基づき前記ノズル開口からの液滴の吐出状況を判定する電位検出手段とを有することを特徴とする液体噴射装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009048920A JP2010201753A (ja) | 2009-03-03 | 2009-03-03 | 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2009048920A JP2010201753A (ja) | 2009-03-03 | 2009-03-03 | 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2010201753A true JP2010201753A (ja) | 2010-09-16 |
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ID=42963733
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2009048920A Withdrawn JP2010201753A (ja) | 2009-03-03 | 2009-03-03 | 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2010201753A (ja) |
-
2009
- 2009-03-03 JP JP2009048920A patent/JP2010201753A/ja not_active Withdrawn
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