JP2010201441A - 接合方法 - Google Patents

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勇人 佐藤
Hisashi Hori
久司 堀
Nobushiro Seo
伸城 瀬尾
Tomohiro Kawamoto
知広 河本
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Abstract


【課題】突合部に対して溶接を行った後に摩擦攪拌接合を行う接合方法において、摩擦攪拌によって形成された塑性化領域に溶接金属が混入し難い接合方法を提供することを課題とする。
【解決手段】一対の金属部材1,1の表面12側に現れる突合部J1に、金属部材1,1の表面12よりも盛り上がった肉盛部Gを肉盛溶接によって形成して突合部J1を接合する仮接合工程と、突合部J1に対して摩擦攪拌用回転ツールKによって摩擦攪拌を行って金属部材1,1を接合する本接合工程と、を含む接合方法であって、前記本接合工程では、ショルダ部K1の外周面で摩擦攪拌用回転ツールKの進行方向前側に形成された肉盛部Gを剥ぎ取りながら突合部J1を摩擦攪拌接合する。
【選択図】図4

Description

本発明は、金属部材の接合方法に関する。
金属部材同士を接合する方法として、摩擦攪拌接合(FSW=Friction Stir Welding)が知られている。摩擦攪拌接合は、回転ツールを回転させつつ金属部材同士の突合部に沿って移動させ、回転ツールと金属部材との摩擦熱により突合部の金属を塑性流動させることで、金属部材同士を固相接合させるものである。回転ツールは、円柱状を呈するショルダ部の下端面に攪拌ピン(プローブ)を突設してなるものが一般的である。
例えば、特許文献1には、金属部材同士の突合部に予め溝を形成し、当該溝に肉盛溶接を行なった後、肉盛溶接によって形成された溶接金属に対して回転ツールを圧入して摩擦攪拌接合を行う技術が開示されている。かかる接合方法によれば、突合部を仮接合した後に、摩擦攪拌接合を行うことができるため、摩擦攪拌接合時の金属部材同士の目開きを防ぐことができる。また、予め溝を形成することで肉盛溶接の作業を容易に行うことができる。
特開2008−284607号公報
特許文献1に係る摩擦攪拌接合では、溶接金属の上方から回転ツールを押し込み、金属部材と溶接金属とを一緒に摩擦攪拌するため、摩擦攪拌によって形成された塑性化領域に溶接金属が多く混入するという問題があった。
このような観点から本発明は、突合部に対して溶接を行った後に摩擦攪拌接合を行う接合方法において、摩擦攪拌によって形成された塑性化領域に溶接金属が混入し難い接合方法を提供することを課題とする。
このような課題を解決する本発明は、一対の金属部材の突合部に、前記金属部材の表面よりも盛り上がった肉盛部を肉盛溶接によって形成して前記突合部を接合する仮接合工程と、前記突合部に対して摩擦攪拌用回転ツールによって摩擦攪拌を行って前記金属部材同士を接合する本接合工程と、を含む接合方法であって、前記摩擦攪拌用回転ツールは、柱状のショルダ部と、このショルダ部の底面中央に突設された攪拌ピンとを備え、前記本接合工程では、前記ショルダ部の外周面で前記摩擦攪拌用回転ツールの進行方向前側に形成された前記肉盛部を剥ぎ取りながら前記突合部に対して摩擦攪拌接合を行うことを特徴とする。
かかる接合方法によれば、本接合工程において、肉盛溶接よって形成された肉盛部が摩擦攪拌用回転ツールの移動に伴って剥ぎ取られるため、摩擦攪拌によって形成される塑性化領域に溶接金属が混入し難くなる。これにより、接合部分の品質を向上させることができる。なお、前記仮接合工程では、肉盛部を突合部に沿って連続的に形成してもよいし、断続的に形成してもよい。
また、前記本接合工程では、前記ショルダ部の下端面を前記金属部材の表面よりも下方に押し込み、前記肉盛部とともに前記金属部材の表層を剥ぎ取りながら前記突合部に対して摩擦攪拌接合を行うことが好ましい。かかる接合方法によれば、肉盛部をより確実に剥ぎ取ることができる。
また、前記本接合工程では、前記摩擦攪拌用回転ツールの前進角を0°に設定して相対的に移動させることが好ましい。かかる接合方法によれば、塑性化領域内に肉盛部が混入し難くなるとともに、金属部材の表面を均一に押圧することができる。
また、前記仮接合工程の前に、前記突合部の側方の両側にタブ材を配置して、前記金属部材と前記タブ材とを突き合わせるタブ材配置工程と、前記タブ材と前記金属部材とを接合するタブ材接合工程と、を含み、前記本接合工程では、前記タブ材に設定される摩擦攪拌の開始位置を、前記肉盛部の一端から前記摩擦攪拌用回転ツールの前記ショルダ部の外径の1/2よりも離れた位置に設定することが好ましい。
かかる接合方法によれば、本接合工程の開始位置を容易に設定することができる。また、摩擦攪拌用回転ツールで肉盛部を押し込まないため、塑性化領域に溶接金属がより混入し難くなる。
また、前記本接合工程の前に、摩擦攪拌を行う開始位置に前記摩擦攪拌用回転ツールの前記攪拌ピンを挿入するための下穴を形成する下穴形成工程を含むことが好ましい。かかる接合方法によれば、摩擦攪拌用回転ツールを金属部材に押し込む際の圧入抵抗を小さくすることができる。
また、一対の前記金属部材の突合部に対して、前記金属部材の裏面側から前記摩擦攪拌用回転ツールによって摩擦攪拌接合を行う本接合工程を行って、前記金属部材の表面側に形成された塑性化領域と、前記金属部材の裏面側に形成された塑性化領域とを重複させることが好ましい。かかる接合法によれば、突合部の気密性及び水密性を高めることができる。
本発明に係る接合方法によれば、突合部に対して溶接を行った後に当該溶接部分に対して摩擦攪拌接合を行っても、摩擦攪拌によって形成された塑性化領域に溶接金属が混入し難い。
第一の実施形態に係る金属部材、第一タブ材および第二タブ材の配置を説明するための図であって、(a)は斜視図、(b)は平面図、(c)は(b)のI−I線断面図、(d)は(b)のII−II線断面図である。 第一の実施形態で用いる摩擦攪拌用回転ツールを示した図であって、(a)は、側断面図、(b)は、底面図である。 第一の実施形態に係る第一の予備工程を示した斜視図である。 第一の実施形態に係る第一の本接合工程を示した図であって、(a)は、開始位置を示し、(b)は、金属部材内における摩擦攪拌時を示した拡大断面図である。 第一の実施形態に係る第二の本接合工程を示した断面図である。
[ 第一の実施形態 ]
第一の実施形態では、図1に示すように、金属部材1,1を直線状に繋ぎ合せる場合を例示する。すなわち、第一の実施形態は、摩擦攪拌を利用した金属部材同士の接合方法であって、金属部材同士の突合部に対して仮接合としての溶接を行った後に、仮接合された状態の突合部に対して本接合としての摩擦攪拌を行う接合方法を例示する。
まず、接合すべき金属部材1,1を詳細に説明するとともに、この金属部材1,1を接合する際に用いられる第一タブ材2と第二タブ材3を詳細に説明する。
金属部材1は、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金、チタン、チタン合金、マグネシウム、マグネシウム合金など摩擦攪拌可能な金属材料からなる。本実施形態では、一方の金属部材1および他方の金属部材1を、同一組成の金属材料で形成している。金属部材1,1の形状・寸法に特に制限はないが、少なくとも突合部J1における厚さ寸法を同一にすることが望ましい。
第一タブ材2および第二タブ材3は、金属部材1,1の突合部J1を挟むように配置されるものであって、それぞれ、金属部材1,1に添設され、金属部材1の側面14側に現れる金属部材1,1の継ぎ目(境界線)を覆い隠す。第一タブ材2および第二タブ材3の材質に特に制限はないが、本実施形態では、金属部材1と同一組成の金属材料で形成している。また、第一タブ材2および第二タブ材3の形状・寸法にも特に制限はないが、本実施形態では、その厚さ寸法を突合部J1における金属部材1の厚さ寸法と同一にしている。
次に、図2を参照して、本接合に用いる本接合用回転ツールK(摩擦攪拌用回転ツールKともいう)を詳細に説明する。
図2の(a)に示す摩擦攪拌用回転ツールKは、工具鋼など金属部材1よりも硬質の金属材料からなり、円柱状を呈するショルダ部K1と、このショルダ部K1の下端面K11に突設された攪拌ピン(プローブ)K2と、下端面K11に突設された攪拌用突条体K3と、攪拌ピンK2の周面に刻設された攪拌翼K4とを備えて構成されている。摩擦攪拌用回転ツールKの寸法・形状は、金属部材1の材質や厚さ等に応じて設定すればよい。
攪拌ピンK2は、ショルダ部K1の下端面K11の中央から垂下しており、本実施形態では先細りの円錐台状に成形されている。平坦に形成されたショルダ部K1の下端面K11には、攪拌用突条体K3が突設されている。攪拌用突条体K3は、図2の(b)に示すように、攪拌ピンK2の周囲を取り囲むように下端面K11に渦巻き状に形成されている。攪拌用突条体K3を備えることで、塑性流動化された金属が攪拌ピンK2側に流動するため、摩擦攪拌の効率を高めるとともに接合欠陥の発生を防止することができる。なお、攪拌用突条体K3の長さや巻回数等は適宜設定すればよい。攪拌ピンK2の周面には、攪拌効果を高めるために螺旋状に刻設された攪拌翼K4が形成されている。
攪拌ピンK2の長さLは、突合部J1(図1の(a)参照)における金属部材1の肉厚tの1/2以上3/4以下となるように設定することが望ましく、より好適には、1.01≦2L/t≦1.10という関係を満たすように設定することが望ましい。
攪拌ピンK2の最大外径Yに対する攪拌ピンK2の長さLの比は、1.33〜2.03で構成することが望ましい。また、攪拌ピンK2の最小外径Yに対する攪拌ピンK2の最大外径Yの比は、2.00〜2.67で構成することが望ましい。また、攪拌ピンK2の最大外径Yに対するショルダ部K1の外径Yの比が、1.56〜2.14で構成することが望ましい。
以下、本実施形態に係る接合方法について説明する。
本実施形態に係る接合方法は、(1)準備工程、(2)第一の予備工程、(3)第一の本接合工程、(4)第二の予備工程、(5)第二の本接合工程を含む。なお、第一の予備工程、第一の本接合工程は、金属部材1の表面12側から実行される工程であり、第二の予備工程、第二の本接合工程は、金属部材1の裏面13側から実行される工程である。
(1)準備工程 :
図1を参照して準備工程を説明する。準備工程は、接合すべき金属部材1,1や摩擦攪拌の開始位置や終了位置が設けられる当て部材(第一タブ材2および第二タブ材3)を準備する工程であり、本実施形態では、接合すべき金属部材1,1を突き合せる突合工程と、金属部材1,1の突合部J1の両側に第一タブ材2と第二タブ材3を配置するタブ材配置工程と、第一タブ材2と第二タブ材3を溶接により金属部材1,1に仮接合する溶接工程とを具備している。
突合工程では、図1の(c)に示すように、一方の金属部材1の側面11に他方の金属部材1の側面11を密着させるとともに、一方の金属部材1の表面12と他方の金属部材1の表面12を面一にし、さらに、一方の金属部材1の裏面13と他方の金属部材1の裏面13を面一にする。
タブ材配置工程では、図1の(b)に示すように、金属部材1,1の突合部J1の一端側に第一タブ材2を配置してその当接面21を金属部材1,1の側面14,14に当接させるとともに、突合部J1の他端側に第二タブ材3を配置してその当接面31を金属部材1,1の側面14,14に当接させる。このとき、図1の(d)に示すように、第一タブ材2の表面22と第二タブ材3の表面32を金属部材1の表面12と面一にするとともに、第一タブ材2の裏面23と第二タブ材3の裏面33を金属部材1の裏面13と面一にする。
溶接工程では、図1の(a)および(b)に示すように、金属部材1と第一タブ材2とにより形成された入隅部2a,2a(すなわち、金属部材1の側面14と第一タブ材2の側面24とにより形成された角部2a,2a)を溶接して金属部材1と第一タブ材2とを接合し、金属部材1と第二タブ材3とにより形成された入隅部3a,3a(すなわち、金属部材1の側面14と第二タブ材3の側面34とにより形成された角部3a,3a)を溶接して金属部材1と第二タブ材3とを接合する。なお、入隅部2a,3aの全長に亘って連続して溶接を施してもよいし、断続して溶接を施してもよい。
準備工程が終了したら、金属部材1,1、第一タブ材2および第二タブ材3を図示せぬ摩擦攪拌装置の架台に載置し、クランプ等の図示せぬ治具を用いて移動不能に拘束する。なお、溶接工程を省略する場合には、図示せぬ摩擦攪拌装置の架台上で、突合工程とタブ材配置工程を実行する。
(2)第一の予備工程 :
第一の予備工程は、第一の本接合工程に先だって行われる工程であり、本実施形態では、金属部材1,1と第一タブ材2との突合部J2を肉盛溶接により接合する第一タブ材接合工程と、金属部材1,1の突合部J1を肉盛溶接により仮接合する仮接合工程と、金属部材1,1と第二タブ材3との突合部J3を肉盛溶接により接合する第二タブ材接合工程と、第一の本接合工程における摩擦攪拌の開始位置に下穴を形成する下穴形成工程とを具備している。
第一タブ材接合工程では、図3に示すように、金属部材1,1と第一タブ材2との突合部J2に対してTIG溶接又はMIG溶接等の肉盛溶接を行う。これにより、突合部J2には、溶接金属からなる肉盛部Gが形成される。肉盛部Gは、金属部材1,1の表面12よりも突出するように形成される。同様に、第二タブ材接合工程では、金属部材1,1と第二タブ材3との突合部J3に対してTIG溶接又はMIG溶接等の肉盛溶接を行う。
仮接合工程では、金属部材1,1の突合部J1の全長に亘って、TIG溶接又はMIG溶接等の肉盛溶接を行う。これにより、突合部J1には、溶接金属からなる肉盛部Gが形成される。肉盛部Gは、金属部材1,1の表面12よりも突出するように形成される。なお、本実施形態では、突合部J1の全長に亘って連続的に肉盛溶接を行ったが、断続的に肉盛溶接を行ってもよい。これにより、作業手間を少なくすることができる。
下穴形成工程は、図4の(a)に示すように、第一の本接合工程における摩擦攪拌の開始位置SM1に下穴P1を形成する工程である。下穴P1を設けることで、摩擦攪拌用回転ツールKを金属部材1に押し込む際の圧入抵抗を低減することができる。本実施形態では、下穴P1の中心から、肉盛部Gの第二タブ材3側の一端までの距離d10を、摩擦攪拌用回転ツールKのショルダ部K1の外径Yの二分の一よりも大きく設定している。これにより、摩擦攪拌用回転ツールKを第二タブ材3に圧入する際に、摩擦攪拌用回転ツールKが肉盛部Gを上方から押し込むことがないため、肉盛部Gが塑性化領域に混入し難い。
(3)第一の本接合工程 :
第一の本接合工程は、金属部材1,1の突合部J1を表面側から本格的に接合する工程である。本実施形態に係る第一の本接合工程では、図2に示す摩擦攪拌用回転ツールKを使用し、金属部材1の表面12側から突合部J1に形成された肉盛部Gを剥ぎ取りながら摩擦攪拌接合を行う。
第一の本接合工程では、図4の(a)及び(b)に示すように、開始位置SM1に形成した下穴P1に本接合用回転ツールKの攪拌ピンK2を挿入(圧入)し、挿入した攪拌ピンK2を途中で離脱させることなく終了位置EM1まで移動させる。すなわち、第一の本接合工程では、下穴P1から摩擦攪拌を開始し、終了位置EM1まで連続して摩擦攪拌を行う。なお、本実施形態では、第二タブ材3に摩擦攪拌の開始位置SM1を設け、第一タブ材2に終了位置EM1を設けているが、開始位置SM1と終了位置EM1の位置を限定する趣旨ではない。
図4の(a)及び(b)を参照して第一の本接合工程についてより詳細に説明する。まず、図4の(a)に示すように、下穴P1(開始位置SM1)の直上に摩擦攪拌用回転ツールKを位置させ、続いて、摩擦攪拌用回転ツールKを右回転させつつ下降させる。摩擦攪拌用回転ツールKを所定の押込み量で第二タブ材3に圧入したら、その押込み量を保った状態で摩擦攪拌用回転ツールKを突合部J1に向けて相対移動させる。本実施形態では、摩擦攪拌用回転ツールKの回転軸と金属部材1の表面との角度(前進角)を0°に設定して摩擦攪拌用回転ツールKを移動させる。
図4の(b)に示すように、摩擦攪拌用回転ツールKが肉盛部Gに接触すると、高速回転するショルダ部K1の外周面で摩擦攪拌用回転ツールKの進行方向前側を覆っている肉盛部Gを剥ぎ取るとともに、攪拌ピンK2および攪拌用突条体K3で摩擦攪拌接合を行う。当該摩擦攪拌接合によって、突合部J1には表側塑性化領域W1が形成される。
本実施形態では、摩擦攪拌用回転ツールKの押込み量L(金属部材1の表面12からショルダ部K1の下端面K11までの距離)は、例えば0.5mm〜1.0mmに設定する。このように、ショルダ部K1の下端面K11が肉盛部Gの下端よりも下側に位置した状態で摩擦攪拌接合を行うことにより、金属部材1の表層が剥ぎ取られる。これにより、表層とともに肉盛部Gを確実に剥ぎ取ることができる。なお、押込み量Lは、肉盛部Gを剥ぎ取ることができる量(長さ)で適宜設定すればよい。
摩擦攪拌用回転ツールKが第一タブ材2に設定した終了位置EM1に達したら、摩擦攪拌用回転ツールKを第一タブ材2から離脱させる。
(4)第二の予備工程 :
第二の予備工程では、第一の本接合工程が終了したら、金属部材1,1の表裏を逆にして第二の本接合工程の開始位置に下穴を形成する下穴形成工程を行う。
(5)第二の本接合工程 :
第二の本接合工程は、金属部材1,1の突合部J1を裏面側から本格的に接合する工程である。本実施形態に係る第二の本接合工程では、図5に示すように、摩擦攪拌用回転ツールKを使用し、第二タブ材3に設定された開始位置SM2から第一タブ材2に設定された終了位置EM2まで、突合部J1に沿って摩擦攪拌接合を行う。第二の本接合工程では、金属部材1,1の表面側に形成された表側塑性化領域W1と裏面側に形成された裏側塑性化領域W2との先端側が重複することが好ましい。かかる構成によれば、突合部J1の深さ方向全体に対して摩擦攪拌接合を行うことができるため、水密性および気密性を高めることができる。本実施形態に係る第二の本接合工程では、摩擦攪拌用回転ツールKの攪拌ピンK2の先端を、表側塑性化領域W1に入り込ませて摩擦攪拌を行う。これにより、表側塑性化領域W1に仮に接合欠陥が発生した場合であっても、当該接合欠陥を補修することができる。
以上説明した本実施形態では、仮接合工程を行うことで、金属部材1,1を仮付けした状態で第一の本接合工程を行うことができるため、金属部材1,1の目開きを防止することができる。また、第一の本接合工程では、仮接合工程で形成された肉盛部Gを剥ぎ取りながら摩擦攪拌接合を行うため、摩擦攪拌によって形成される塑性化領域に溶接金属が混入し難い。これにより、接合部分の品質をより高めることができる。
また、図4の(a)に示すように、下穴P1の中心から、肉盛部Gの第二タブ材3側の一端までの距離d10を、摩擦攪拌用回転ツールKのショルダ部K1の外径Yの二分の一よりも大きく設定している。これにより、摩擦攪拌用回転ツールKを第二タブ材3に圧入する際に、摩擦攪拌用回転ツールKが肉盛部Gを上方から押し込むことがないため、肉盛部Gが塑性化領域に混入し難い。また、肉盛部Gの一端部に摩擦攪拌用回転ツールKのショルダ部K1の外周面が当たるので、肉盛部Gをきれいに剥ぎ取ることができる。
また、本実施形態では、摩擦攪拌用回転ツールKの前進角を0°で設定したため、肉盛部Gが塑性化領域内に巻き込まれるのを防ぐことができるとともに、金属部材1の表面12を均一に押圧することができる。
なお、本実施形態は前記した工程に限定されるものではなく適宜変更が可能である。例えば、第二の本接合工程を行う前に、金属部材1,1の裏面側に現れる突合部J1に対して肉盛溶接を行ってもよい。この場合は、第二の本接合工程において、第一の本接合工程と同様に肉盛部を剥ぎ取りながら摩擦攪拌接合を行うことが好ましい。
また、本実施形態では、摩擦攪拌用回転ツールKの前進角を0°で設定したが、肉盛部Gが塑性化領域に巻き込まれない程度に摩擦攪拌用回転ツールKを傾けて移動させてもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、前記した形態に限定されず発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更してもかまわない。例えば、本実施形態では、摩擦攪拌用回転ツールKに、攪拌用突条体K3を設けたが、攪拌用突条体K3を備えていない回転ツールを用いてもよい。
摩擦攪拌用回転ツールKの各要素の条件(寸法)を表1に示す。表1は、摩擦攪拌用回転ツールKと同等の構成からなるツールI〜ツールIVにおいて、ピン(攪拌ピン)長さ
、ピンの最大径、ピンの最小径及びショルダ径の各寸法、各寸法の割合及び回転数・接合速度を示す。表1に記載した各ツールI〜ツールIVを用いて、一対のアルミニウム合金(5052アルミニウム合金)に対して摩擦攪拌接合を行い各ツールI〜ツールIVにおける接合状況について観察した。
Figure 2010201441
ピンの長さ/ピン最大径の値が2.03を超えると、ピンが破損した。一方、ピンの長さ/ピン最大径の値が1.33未満であると、摩擦攪拌装置への負荷が大きくなるため不適切であった。
ピン最大径/ピン最小径の値が2.67を超えると、ピン最大径が大き過ぎてメタルが溢れ出し、表面欠陥が発生した。一方、ピン最大径/ピン最小径の値が2.00未満であると、ピン最大径が小さ過ぎて、ピン先端の入熱が不足して接合欠陥が発生した。
ショルダ径/ピン最大径の値が2.14を超えると、表面欠陥の発生は防げるが、摩擦攪拌装置への負荷が大きくなり不適切であった。一方、ショルダ径/ピン最大径の値が1.56未満であると、ショルダからメタルが溢れ出して表面欠陥が発生した。
1 金属部材
2 第一タブ材
3 第二タブ材
J1〜J3 突合部
G 肉盛部
K 摩擦攪拌用回転ツール
K1 ショルダ部
K2 攪拌ピン
K3 攪拌用突条体
K4 攪拌翼
P1 下穴
W1,W2 塑性化領域

Claims (8)

  1. 一対の金属部材の突合部に、前記金属部材の表面よりも盛り上がった肉盛部を肉盛溶接によって形成して前記突合部を接合する仮接合工程と、前記突合部に対して摩擦攪拌用回転ツールによって摩擦攪拌を行って前記金属部材同士を接合する本接合工程と、を含む接合方法であって、
    前記摩擦攪拌用回転ツールは、柱状のショルダ部と、このショルダ部の底面中央に突設された攪拌ピンとを備え、
    前記本接合工程では、前記ショルダ部の外周面で前記摩擦攪拌用回転ツールの進行方向前側に形成された前記肉盛部を剥ぎ取りながら前記突合部に対して摩擦攪拌接合を行うことを特徴とする接合方法。
  2. 前記本接合工程では、前記ショルダ部の下端面を前記金属部材の表面よりも下方に押し込み、前記肉盛部とともに前記金属部材の表層を剥ぎ取りながら前記突合部に対して摩擦攪拌接合を行うことを特徴とする請求項1に記載の接合方法。
  3. 前記本接合工程では、前記摩擦攪拌用回転ツールの前進角を0°に設定して相対的に移動させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の接合方法。
  4. 前記仮接合工程では、前記突合部に沿って連続した前記肉盛部を形成することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の接合方法。
  5. 前記仮接合工程では、前記突合部に沿って断続的に前記肉盛部を形成することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の接合方法。
  6. 前記仮接合工程の前に、前記突合部の側方の両側にタブ材を配置して、前記金属部材と前記タブ材とを突き合わせるタブ材配置工程と、前記タブ材と前記金属部材とを接合するタブ材接合工程と、を含み、
    前記本接合工程では、前記タブ材に設定される摩擦攪拌の開始位置を、前記肉盛部の一端から前記摩擦攪拌用回転ツールの前記ショルダ部の外径の1/2よりも離れた位置に設定することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の接合方法。
  7. 前記本接合工程の前に、摩擦攪拌を行う開始位置に前記摩擦攪拌用回転ツールの前記攪拌ピンを挿入するための下穴を形成する下穴形成工程を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の接合方法。
  8. 一対の前記金属部材の突合部に対して、前記金属部材の裏面側から前記摩擦攪拌用回転ツールによって摩擦攪拌接合を行う本接合工程を行って、前記金属部材の表面側に形成された塑性化領域と、前記金属部材の裏面側に形成された塑性化領域とを重複させることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の接合方法。

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