JP2010199040A - セルスタックおよびこれを備えた燃料電池装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】薄型化および発電性能の向上が可能な燃料電池のセルスタック、およびこれを備えた燃料電池装置を提供する。
【解決手段】セルスタック20は、それぞれアノード極に重ねて設けられアノード流路板56と、カソード極に重ねて設けられたカソード流路板54と、を備え、アノード流路板と他の単セルのカソード流路板とが向かい合って積層された複数の単セル40と、単セル間で、アノード流路板とカソード流路板との間に挟持され、アノード流路板とカソード流路板との間に密閉された空間部を形成する枠状のシール部材64と、各単セルの燃料流路に接続されたアノード流入路58bと、各単セルの空気流路に接続されたカソード流入路58aと、を備えている。アノード流路板は、アノード極に生じたガスを空間部に放出する排気孔56bを有し、シール部材およびカソード流路板の少なくとも一方は、空間部内に放出されたガスをカソード流入路に導くシール破断部73を有している。
【選択図】 図3
【解決手段】セルスタック20は、それぞれアノード極に重ねて設けられアノード流路板56と、カソード極に重ねて設けられたカソード流路板54と、を備え、アノード流路板と他の単セルのカソード流路板とが向かい合って積層された複数の単セル40と、単セル間で、アノード流路板とカソード流路板との間に挟持され、アノード流路板とカソード流路板との間に密閉された空間部を形成する枠状のシール部材64と、各単セルの燃料流路に接続されたアノード流入路58bと、各単セルの空気流路に接続されたカソード流入路58aと、を備えている。アノード流路板は、アノード極に生じたガスを空間部に放出する排気孔56bを有し、シール部材およびカソード流路板の少なくとも一方は、空間部内に放出されたガスをカソード流入路に導くシール破断部73を有している。
【選択図】 図3
Description
本発明は、電子機器等の電源として使用される燃料電池のセルスタックおよびこれを備えた燃料電池装置に関する。
現在、携帯可能なノート型のパーソナルコンピュータ(以下、ノートPCと称する)、モバイル機器等の電子機器の電源としては、主に、リチウムイオンバッテリなどの二次電池が用いられている。近年、これら電子機器の高機能化に伴う消費電力の増加や更なる長時間使用の要請から、高出力で充電の必要のない小型燃料電池が新たな電源として期待されている。燃料電池には種々の形態があるが、特に、燃料としてメタノール溶液を使用するダイレクトメタノール方式の燃料電池(以下、DMFCと称する)は、水素を燃料とする燃料電池に比べて燃料の取扱いが容易で、システムが簡易であることから、電子機器の電源として注目されている。
通常、DMFCにおける単セルは、電解質板あるいは固体高分子電解質膜等の電解質層の両面に、触媒層とカーボンペーパで構成されたアノードとカソードとを一体化した膜・電極接合体(以下、MEAと称する)を備えている。単セルのアノードに対向する主面側に燃料流路と、単セルのカソードに対応する主面側に空気流路とを備えたセパレータと、単セルと、を複数ずつ交互に積層してセルスタックを構成している。この場合、アノードとカソードとが積層された双極プレート構造とし、アノード燃料流れ場に気体透過性膜を置き、この気体透過性膜に隣接した位置に気体状流出物を放出するチャネルを設ける構造が提案されている。隣合うセパレータ間には内部破断パッキングが設けられ、燃料が酸化剤供給路あるいは電池の外部に流出ことを防止している(例えば、特許文献1)。
セパレータに形成された溝を通して、アノードには燃料が、カソードには酸化剤が供給される。アノードでは燃料の酸化反応が起こり、メタノールが水と反応して酸化され、二酸化炭素、プロトン、電子を生成する。プロトンは高分子電解質膜を透過しカソードに移動する。カソードでは、空気中の酸素ガスが水素イオン、電子と結合して還元され水を生成する。その過程で外部回路に電子が流れて電流を取り出す。また、アノードで燃料の反応により生じた二酸化炭素は、生成物排出流路を経てセルスタックの外部に排出される。
しかしながら、上記セルスタックのように、双極セパレータを挟んで複数のセルを積層した場合、スタックのサイズが大きくなり、小型化が難しい。そのため、セルスタック全体が厚くなり、燃料電池全体を小型化する上で障害となる。また、アノードで生成された炭酸ガスをセルスタックの外部に排出して処理する構成とした場合、炭酸ガスを流す長い流路が必要となり、また、炭酸ガスを処理する手段が別途必要となり、装置全体の大型化を招く。
この発明は以上の点に鑑みなされたもので、その目的は、薄型化および発電性能の向上が可能な燃料電池のセルスタック、およびこれを備えた燃料電池装置を提供することにある。
この発明の態様に係る燃料電池装置のセルスタックは、それぞれアノード極、カソード極、およびこれらアノード極とカソード極との間に挟持された電解質層と、前記アノード極に燃料を供給する燃料流路を有し、前記アノード極に重ねて設けられアノード流路板と、前記カソード極に空気を供給する空気流路を有し、前記カソード極に重ねて設けられたカソード流路板と、を備え、前記アノード流路板と他の単セルのカソード流路板とが向かい合って積層された複数の単セルと、
単セルの前記アノード流路板と隣り合う他の単セルのカソード流路板との間に挟持され、アノード流路板と隣り合う他の単セルのカソード流路板との間に密閉された空間部を形成する枠状のシール部材と、
前記複数の単セルおよび前記シール部材を貫通して延び、各単セルの前記燃料流路に接続されたアノード流入路と、前記複数の単セルおよびシール部材を貫通して延び、各単セルの前記空気流路に接続されたカソード流入路と、を備え、
前記アノード流路板は、前記アノード極に生じたガスを前記空間部に放出する排気孔を有し、前記シール部材および前記カソード流路板の少なくとも一方は、前記空間部内に放出されたガスを前記カソード流入路に導くシール破断部を有している。
単セルの前記アノード流路板と隣り合う他の単セルのカソード流路板との間に挟持され、アノード流路板と隣り合う他の単セルのカソード流路板との間に密閉された空間部を形成する枠状のシール部材と、
前記複数の単セルおよび前記シール部材を貫通して延び、各単セルの前記燃料流路に接続されたアノード流入路と、前記複数の単セルおよびシール部材を貫通して延び、各単セルの前記空気流路に接続されたカソード流入路と、を備え、
前記アノード流路板は、前記アノード極に生じたガスを前記空間部に放出する排気孔を有し、前記シール部材および前記カソード流路板の少なくとも一方は、前記空間部内に放出されたガスを前記カソード流入路に導くシール破断部を有している。
この発明の他の態様に係る燃料電池装置は、前記セルスタックを有し、化学反応により発電を行う起電部と、燃料を収容する燃料タンクと、前記燃料タンクから前記セルスタックに燃料を供給する燃料供給部と、前記セルスタックに空気を供給する空気供給部と、を備えている。
以上構成によれば、薄型化および発電性能の向上が可能な燃料電池のセルスタック、およびこれを備えた燃料電池装置を提供することができる。
以下、図面を参照しながら、この発明の実施形態に係る燃料電池装置について詳細に説明する。
図1は第1の実施形態に係る燃料電池装置の構成を概略的に示している。図1に示すように、燃料電池装置10は、メタノールを液体燃料とするDMFCとして構成されている。燃料電池装置10は、起電部を構成するセルスタック20、燃料タンク12、およびセルスタック20に燃料および空気を供給する循環系24、燃料電池装置全体の動作を制御する電池制御部51を備えている。
図1は第1の実施形態に係る燃料電池装置の構成を概略的に示している。図1に示すように、燃料電池装置10は、メタノールを液体燃料とするDMFCとして構成されている。燃料電池装置10は、起電部を構成するセルスタック20、燃料タンク12、およびセルスタック20に燃料および空気を供給する循環系24、燃料電池装置全体の動作を制御する電池制御部51を備えている。
燃料タンク12は密閉構造を有し、燃料電池装置10に対して脱着自在な燃料カートリッジとして形成されている。燃料タンク12には、液体燃料として高濃度のメタノールが収容されている。燃料を消費した際、燃料タンク12を容易に交換又は補充可能となっている。
循環系24は、燃料タンク12から供給された燃料を、セルスタック20を通して循環させるアノード流路32、およびセルスタック20を通して空気を含む気体を流すカソード流路34、アノード流路内およびカソード流路内に設けられた複数の補機を有している。アノード流路32およびカソード流路34は、それぞれ配管等によって形成されている。
図2はセルスタック20の積層構造を示し、図3はセルスタック20を分解して示す斜視図、図4はセルスタックを構成する単セルを分解して示す斜視図、図5は図3の線A−Aに沿った単セルの断面図、図6は、セルスタックのシール部材を示す平面図、図7は、セルスタック20を破断して模式的に示す図2の線B−Bに沿った断面図、図8は、シール部材の一部を拡大して示す斜視図である。
図2および図3に示すように、セルスタック20は、複数、例えば、11個の単セル40と、シール部材64とを交互に積層して構成されている。積層方向の両端には、エンドプレート43が積層され、これらエンドプレート同士をねじ止め等によって互いに締結することにより、これらエンドプレート43間に、複数の単セル40およびシール部材64が積層状態で保持されている。
図3ないし図5に示すように、単セル40は、それぞれ触媒層とカーボンペーパで構成されたほぼ矩形板状のカソード極(空気極)42およびアノード極(燃料極)44、これらカソード極、アノード極間に挟持されたほぼ矩形状の高分子電解質膜46とを一体化した膜・電極接合体(以下、MEAと称する)50を備えている。また、MEA50は、アノード極44の外面上に重ねて設けられた矩形状の気液分離膜48を一体に備えている。高分子電解質膜46は、カソード極42およびアノード極44よりも大きな面積に形成され、その周縁部は、アノード極およびカソード極の周縁部から外側に突出している。高分子電解質膜46の周縁部両面には、それぞれ矩形枠状のガスケット52a、52bが熱溶着シート53により貼付されている。
単セル40は、それぞれ細長い矩形の金属板により形成されたカソード流路板54およびアノード流路板56を有している。これらのカソード流路板54およびアノード流路板56は例えばSUSにより形成されている。カソード流路板54はカソード極42に重ねて積層され、アノード流路板56はアノード極44、ここでは、気液分離膜48に重ねて積層されている。これにより、MEA50は、カソード流路板54とアノード流路板56との間に挟持されている。なお、MEA50、ガスケット52a、52b、カソード流路板54、およびアノード流路板56は、熱溶着シート53、55を間に挟んで、熱溶着(加熱および加圧する)することにより、互いに接合されている。
カソード流路板54、アノード流路板56、およびガスケット52a、52bの長手方向の一端部には、空気および燃料がそれぞれ通るカソード流入路58a、アノード流入路58bがそれぞれ形成され、長手方向他端には、カソード側およびアノード側の反応生成物がそれぞれ排出されるカソード流出路60a、アノード流出路60bが形成されている。カソード流入路58a、アノード流入路58b、カソード流出路60a、アノード流出路60bは、それぞれセルスタック20の積層方向に沿って、単セル40およびシール部材64を貫通して延びている。
カソード流路板54において、カソード極42と対向する側の壁面には、カソード極42に空気を供給する溝状の空気流路54aが形成されている。この空気流路54aは、カソード流入路58aからカソード流出路60aまで蛇腹状に延びている。
アノード流路板56において、アノード極44と対向する側の壁面には、アノード極44に燃料を供給する溝状の燃料流路56aが形成されている。この燃料流路56aは、アノード流入路58bからアノード流出路60bまで蛇腹状に延びている。アノード流路板56は、気液分離膜48で分離された気体、ここでは、水蒸気を含む二酸化炭を単セル40の外部に放出する複数の排気孔56bを有している。排気孔56bは、それぞれアノード流路板56に貫通形成され、燃料流路56aに沿って並んで設けられている。各排気孔56bは、気液分離膜48と対向している。
図2、図3、および図7に示すように、上記のように構成された複数の単セル40は、直列的に並んで積層されている。すなわち、複数の単セル40は、1つの単セル40のカソード流路板54と、隣り合う他の単セル40のアノード流路板56とが向かい合うように、積層されている。そして、カソード流路板54の空気流路54aを形成している凸部、およびアノード流路板56の燃料流路56aを形成している凸部は、互いに接触し電気的に導通している。
隣り合う単セル40のカソード流路板54とアノード流路板56との間に、矩形状の開口64aを中央部に有する細長い矩形枠状のシール部材64が挟まれている。シール部材64は、弾性を有する材料、例えば、ゴムで形成され、カソード流路板54とアノード流路板56の周縁部に密着するような硬度および寸法に形成されている。
図3、図4、および図7に示すように、シール部材64は、シール部材64の長手方向の一端部には、空気および燃料がそれぞれ通るカソード流入路58a、アノード流入路58bがそれぞれ形成され、長手方向他端には、カソード側およびアノード側の反応生成物がそれぞれ排出されるカソード流出路60a、アノード流出路60bが形成されている。
シール部材64は、左右両面の周縁に沿って延びる細長い周縁シール64b、カソード流入路58aの周囲に突設された環状シール部66a、アノード流入路58bの周囲に突設された環状シール部66b、カソード流出路60aの周囲に突設された環状シール部68a、アノード流出路60bの周囲に突設された環状シール部68bを一体に有している。
カソード流路板54とアノード流路板56との間に挟持されたシール部材64は、周縁シール64bがカソード流路板54およびアノード流路板56の周縁部に気密に接触することにより、カソード流路板54とアノード流路板56との間に、密閉された空間部70を形成している。環状シール部66aは、カソード流路板54およびアノード流路板56に気密に接触し、カソード流入路58aを気密に覆っている。環状シール部66bは、カソード流路板54およびアノード流路板56に気密に接触し、アノード流入路58bを気密に覆っている。環状シール部68aは、カソード流路板54およびアノード流路板56に気密に接触し、カソード流出路60aを気密に覆っている。環状シール部68bは、カソード流路板54およびアノード流路板56に気密に接触し、アノード流出路60bを気密に覆っている。
図3、図6、および図8に示すように、シール部材64の環状シール部の内、カソード流入路58aの周囲に設けられた環状シール部66aは、その一部を切欠くことにより、あるいは溝を形成することにより、形成されたシール破断部73を有している。シール部材64によってカソード流路板54とアノード流路板56との間に形成された密閉空間部70は、このシール破断部73を通して、カソード流入路58aに連通している。
アノード流路板56の排気孔56bから密閉空間部70に排気された二酸化炭素は、シール部材64の環状シール部66aに形成されたシール破断部73を通り、カソード流入路58aに送られ、カソード流入路58aを流れる空気と混ざった後、隣の下流側の単セル40に供給される。
図2、図3および図7に示すように、エンドプレート43間に、交互に積層された複数の単セル40およびシール部材64において、複数の単セル40のカソード流入路58aおよびアノード流入路58bと、シール部材64のカソード流入路58aおよびアノード流入路58bとは、それぞれ互いに連通している。同様に、複数の単セル40のカソード流出路60aおよびアノード流出路60bと、シール部材64のカソード流出路60aおよびアノード流出路60bとは、それぞれ互いに連通している。
図2に示すように、積層方向一端側に位置した単セル40のカソード流路板54には、電力を取り出すための陰極端子71が設けられ、積層方向他端側に位置した単セル40のアノード流路板56には電力を取り出すための陽極端子72が設けられている。
図1および図2に示すように、セルスタック20のカソード流入路58aおよびカソード流出路60aは、循環系24のカソード流路34に接続されている。セルスタック20のアノード流入路58bおよびアノード流出路60bは、循環系24のアノード流路32に接続されている。
図1に示すように、カソード流路34の上流端34aおよび下流端34bは、それぞれ大気に連通している。カソード流路34は、セルスタック20のカソード流入路58aおよびカソード流出路60aに接続されている。カソード流路34に設けられる補機は、セルスタック20の上流側でカソード流路34に接続された送気ポンプ38を含んでいる。送気ポンプ38はセルスタック30のカソード極42に空気を供給する空気供給部を構成している。
アノード流路32は、セルスタック20のアノード流入路58bおよびアノード流出路60bに接続され閉ループを形成している。アノード流路32に設けられた補機は、燃料タンク12の燃料供給口に配管接続された燃料ポンプ14、燃料ポンプ14の出力部に配管を介して接続された混合タンク16、混合タンク16の出力部とセルスタック20の流入側との間に接続された送液ポンプ17を備えている。混合タンク16は、燃料タンク12と共に、この発明における燃料タンクの一部を構成している。
送液ポンプ17の出力部はアノード流路32を介してセルスタック20のアノード流入路58bに接続される。燃料ポンプ14および送液ポンプ17はセルスタック20に燃料を供給する燃料供給部を構成している。セルスタック20のアノード流出路60bの出力側は、アノード流路32を介して混合タンク16の入力部に接続されている。
電池制御部51は、セルスタック20の陰極端子71および陽極端子72に接続され、セルスタック20で発生した電力を取り出し電子機器55に供給するとともに、セルスタック20の各単セル40の電圧測定、セルスタックから引き出す電流制御を行う。
上記構成の燃料電池装置10を電子機器55の電源として用いる場合、まず、メタノールを収容した燃料タンク12を装着し、燃料電池装置10の循環系24に接続する。この状態で、燃料電池装置10の発電を開始する。この場合、電池制御部51の制御の下、燃料ポンプ14、送液ポンプ17および送気ポンプ38を作動させる。燃料ポンプ14により、アノード流路32を通して燃料タンク12から混合タンク16に高濃度のメタノールが供給され、混合タンクで水と混合されて所定濃度に希釈される。混合タンク16内で希釈されたメタノール水溶液は、送液ポンプ17によりアノード流路32からセルスタック20内のアノード流入路58bに送られる。更に、メタノール水溶液は、各アノード流路板56の燃料流路56aを通り、単セル40のアノード極44に供給される。その後、未反応のメタノール水溶液は、セルスタック20のアノード流出路60bに送られ、更に、アノード流路32を通って混合タンク16へ戻される。
一方、送気ポンプ38により、カソード流路34の上流端34aからカソード流路34内に大気、つまり、空気が吸い込まれる。この空気は図示しない吸気フィルタを通過した後、カソード流路34を通してセルスタック20のカソード流入路58aに供給され、更に、各カソード流路板54の空気流路54aを通って各単セル40のカソード極42へ供給される。カソード極42で反応して湿気を含んだ空気は、セルスタック20のカソード流出路60aへ送られ、更に、カソード流路34を通って外部に排気される。
セルスタック20の各単セル40において、図7に示すように、アノード側では燃料流路56aを通して燃料(メタノール水溶液)がアノード極44のアノード触媒に供給され、化学反応が起き、二酸化炭素(CO2)が放出されるとともに、e-(電子)が発生し、燃料流路56aを形成するアノード流路板56を導電する。この際、H+も発生し、それが高分子電解質膜46を通り、カソード極42側へ供給される。一方、カソード側ではカソード流路板54を導電したe-と高分子電解質膜46を通り抜けたH+と、空気流路54aより供給される空気中の酸素とがカソード極42上で化学反応し、水を形成する。この過程で、アノード極44とカソード極42との間、すなわち、アノード流路板56とカソード流路板54との間に電子が流れて電流を取り出すことができる。
一連の反応の中で、アノード極44で発生した二酸化炭素は、気液分離膜48により、MEA50内で、気体(二酸化炭素、水蒸気)と液体(未反応の燃料)とに分離され、二酸化炭素はアノード流路板56の排気孔56bを通り、密閉空間部70に放出される。密閉空間部70に排気された二酸化炭素は、シール部材64の環状シール部66aに形成されたシール破断部73を通り、カソード流入路58aに送られ、カソード流入路58aを流れる空気と混ざった後、隣の下流側の単セル40に供給される。そして、空気と混ざった二酸化炭素は、単セル40のカソード極42に供給され、カソード触媒により燃焼処理される。
セルスタック20で発生した電力は、電池制御部51によりセルスタック20から引き出され電子機器55に供給される。
以上のように構成された燃料電池装置によれば、セルスタック20において、アノード・カソード一体型セルを最小単位とし、スタック化することができる。そのため、従来のような双極プレートを用いるスタックに比べ、スタックサイズを小さくすることができる。
単セル40間に設けられたシール部材64により密閉空間部70を形成し、アノード極側に生じた二酸化炭素ガスをこの密閉空間を通して直ぐにカソード流入路に合流させ、空気とともに上流側の単セルに送ることにより、単セルのカソード極により二酸化炭素ガスを燃焼処理することができる。そのため、アノード側で生成された二酸化炭素ガスをセルスタックの外部に排出して処理する必要がなく、二酸化炭酸ガスを流す長い流路あるいは二酸化炭酸ガスを処理する別途手段が不要となり、セルスタックおよび装置全体の小型化および薄型化を図ることが可能となる。同時に、放出された二酸化炭素ガスを高温の単セル間の密閉空間部70を通すことにより、二酸化炭素ガス中に含まれる蒸気の結露を防止することができる。これにより、単セル40間の電気抵抗を低減することができるとともに、カソードに供給される空気中に含まれる水分を低減し、発電効率の向上を図ることが可能となる。
以上のことから、本実施形態によれば、小型、薄型化および発電性能の向上が可能な燃料電池のセルスタック、およびこれを備えた燃料電池装置を提供することができる。
上述した実施形態において、単セル間の密閉空間部とカソード流入路とを連通するシール破断部は、シール部材の環状シール部に設けられているが、これに限らず、単セルのカソード流路板側に設けてもよい。
図9に示すように、この発明の第2の実施形態に係る燃料電池装置のセルスタック20によれば、単セル40を構成するカソード流路板54は、カソード流入路58aの周囲に位置し、シール部材64の環状シール部66aに気密に接触する環状の凸部76aを有している。この環状の凸部の一部に、密閉空間部70とカソード流入路58aとを連通する切欠が形成され、この切欠により、シール破断部74が形成されている。
第2の実施形態において、セルスタック20および燃料電池装置の他の構成は、前述した第1の実施形態と同一であり、同一の部分には同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。そして、第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
この発明は上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化可能である。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
例えば、セルスタックにおいて、積層する単セルの数は、11個に限らず、必要に応じて増減可能である。各構成要素の形状、材質等は、上述した実施形態に限定されることなく、適宜選択可能である。燃料電池装置は、送気ポンプを省略し、空気の拡散、対流によりセルスタックに空気を供給する構成としてもよい。この発明に係る燃料電池装置は、パーソナルコンピュータ、モバイル機器、携帯端末等の種々の電子機器およびその他の機器の電源にも適用可能である。
10…燃料電池装置、12…燃料タンク、14…燃料ポンプ、16…混合タンク、
17…送液ポンプ、20…セルスタック、24…循環系、32…アノード流路、
34…カソード流路、40…単セル、42…カソード極、43…エンドプレート、
44…アノード極、46…高分子電解質膜、48…気液分離膜、50…MEA、
51…電池制御部、54…カソード流路板、54a…空気流路、
56…アノード流路板、56a…燃料流路、56b…排気孔、
58a…カソード流入路、58b…カソード流出路、64…シール部材、
66a、66b、68a、68b…環状シール部、70…空間部、
73、74…シール破断部、76a…凸部
17…送液ポンプ、20…セルスタック、24…循環系、32…アノード流路、
34…カソード流路、40…単セル、42…カソード極、43…エンドプレート、
44…アノード極、46…高分子電解質膜、48…気液分離膜、50…MEA、
51…電池制御部、54…カソード流路板、54a…空気流路、
56…アノード流路板、56a…燃料流路、56b…排気孔、
58a…カソード流入路、58b…カソード流出路、64…シール部材、
66a、66b、68a、68b…環状シール部、70…空間部、
73、74…シール破断部、76a…凸部
Claims (8)
- アノード極、カソード極、およびこれらアノード極とカソード極との間に挟持された電解質層と、前記アノード極に燃料を供給する燃料流路を有し、前記アノード極に重ねて設けられアノード流路板と、前記カソード極に空気を供給する空気流路を有し、前記カソード極に重ねて設けられたカソード流路板と、をそれぞれ備え、前記アノード流路板と他の単セルのカソード流路板とが向かい合って積層された複数の単セルと、
単セルの前記アノード流路板と隣り合う他の単セルのカソード流路板との間に挟持され、アノード流路板と隣り合う他の単セルのカソード流路板との間に密閉された空間部を形成する枠状のシール部材と、
前記複数の単セルおよび前記シール部材を貫通して延び、各単セルの前記燃料流路に接続されたアノード流入路と、前記複数の単セルおよびシール部材を貫通して延び、各単セルの前記空気流路に接続されたカソード流入路と、を備え、
前記アノード流路板は、前記アノード極に生じたガスを前記空間部に放出する排気孔を有し、
前記シール部材および前記カソード流路板の少なくとも一方は、前記空間部内に放出されたガスを前記カソード流入路に導くシール破断部を有している燃料電池装置のセルスタック。 - 前記シール部材は、前記カソード流入路の周囲に位置し、前記カソード流路板に気密に接触する環状シール部を有し、前記シール破壊部は、前記環状シール部に形成され、前記空間部と前記カソード流入路とを連通する切欠を有している請求項1に記載のセルスタック。
- 前記カソード流路板は、前記カソード流入路の周囲に位置し、前記シール部材に気密に接触する環状の凸部を有し、前記シール破壊部は、前記環状の凸部に形成され、前記空間部と前記カソード流入路とを連通する切欠を有している請求項1に記載のセルスタック。
- 前記複数の単セルおよび前記シール部材を貫通して延び、各単セルの前記燃料流路に接続されたアノード流出路と、前記複数の単セルおよびシール部材を貫通して延び、各単セルの前記空気流路に接続されたカソード流出路と、を有している請求項1に記載のセルスタック。
- セルスタックを有し、化学反応により発電を行う起電部と、
燃料を収容する燃料タンクと、
前記燃料タンクから前記セルスタックに燃料を供給する燃料供給部と、
前記セルスタックに空気を供給する空気供給部と、を備え、
前記セルスタックは、それぞれアノード極、カソード極、およびこれらアノード極とカソード極との間に挟持された電解質層と、前記アノード極に燃料を供給する燃料流路を有し、前記アノード極に重ねて設けられアノード流路板と、前記カソード極に空気を供給する空気流路を有し、前記カソード極に重ねて設けられたカソード流路板と、をそれぞれ備え、前記アノード流路板と他の単セルのカソード流路板とが向かい合って積層された複数の単セルと、
単セルの前記アノード流路板と隣り合う他の単セルのカソード流路板との間に挟持され、アノード流路板と隣り合う他の単セルのカソード流路板との間に密閉された空間部を形成する枠状のシール部材と、
前記複数の単セルおよび前記シール部材を貫通して延び、各単セルの前記燃料流路に接続されたアノード流入路と、前記複数の単セルおよびシール部材を貫通して延び、各単セルの前記空気流路に接続されたカソード流入路と、を備え、
前記アノード流路板は、前記アノード極に生じたガスを前記空間部に放出する排気孔を有し、前記シール部材および前記カソード流路板の少なくとも一方は、前記空間部内に放出されたガスを前記カソード流入路に導くシール破断部を有している燃料電池装置。 - 前記シール部材は、前記カソード流入路の周囲に位置し、前記カソード流路板に気密に接触する環状シール部を有し、前記シール破壊部は、前記環状シール部に形成され、前記空間部と前記カソード流入路とを連通する切欠を有している請求項5に記載の燃料電池装置。
- 前記カソード流路板は、前記カソード流入路の周囲に位置し、前記シール部材に気密に接触する環状の凸部を有し、前記シール破壊部は、前記環状の凸部に形成され、前記空間部と前記カソード流入路とを連通する切欠を有している請求項5に記載の燃料電池装置。
- 前記複数の単セルおよび前記シール部材を貫通して延び、各単セルの前記燃料流路に接続されたアノード流出路と、前記複数の単セルおよびシール部材を貫通して延び、各単セルの前記空気流路に接続されたカソード流出路と、を有している請求項5に記載の燃料電池装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009045935A JP2010199040A (ja) | 2009-02-27 | 2009-02-27 | セルスタックおよびこれを備えた燃料電池装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2009045935A JP2010199040A (ja) | 2009-02-27 | 2009-02-27 | セルスタックおよびこれを備えた燃料電池装置 |
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JP2010199040A true JP2010199040A (ja) | 2010-09-09 |
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ID=42823548
Family Applications (1)
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JP2009045935A Pending JP2010199040A (ja) | 2009-02-27 | 2009-02-27 | セルスタックおよびこれを備えた燃料電池装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108232370A (zh) * | 2018-01-16 | 2018-06-29 | 苏州讴德新能源发展有限公司 | 空气燃料电池及其空气通道结构件、组件、箱体结构 |
JP2018160447A (ja) * | 2017-03-22 | 2018-10-11 | 株式会社東芝 | 膜電極接合体、電気化学セル、スタック、燃料電池及び車両 |
-
2009
- 2009-02-27 JP JP2009045935A patent/JP2010199040A/ja active Pending
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