JP2010197976A - 光ファイバ - Google Patents

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Abstract

【課題】シングルモード動作と大きな実効断面積とを両立し、且つ曲げ損失がより低減された光ファイバを提供する。
【解決手段】光ファイバ4は、コア領域10と、このコア領域10を取り囲むクラッド領域20と、このクラッド領域20を取り囲むジャケット領域30とを備え、ファイバ軸に沿って一様な屈折率分布を有し、ファイバ軸に垂直な断面において、高屈折率背景領域22に対して低屈折率領域21が、ファイバ軸を中心とした正六角形の各頂点と当該正六角形の各辺の中点とに設けられ、コア領域10は、正六角形の各頂点と当該正六角形の各辺の中点とに低屈折率領域21が配置されることにより、低屈折率領域21の内側に形成され、クラッド領域20は、低屈折率領域21を含み、正六角形を構成する一辺及びこの辺に対向する辺において、その両端及び中点に設けられた低屈折率領域21Aは、他の前記低屈折率領域21Bよりも小さい。
【選択図】図4

Description

本発明は、光ファイバに関する。
高次モードの光の漏洩を増加させることにより、実質的にシングルモード動作を行い、且つ大きな実効断面積を実現する光ファイバとして、例えば、下記特許文献1,2では、コア領域の周囲を取り囲むクラッド領域に複数の低屈折率領域が離散的に配置される構成が示されている。
特開2007−310135号公報 特表2007−522497号公報
しかしながら、上記の特許文献に記載の光ファイバでは、シングルモード動作と大きな実効断面積とを両立できるものの、曲げ損失の低減が十分ではなく、使用条件によっては曲げ損失による影響が大きくなる場合がある。
本発明は上記を鑑みてなされたものであり、シングルモード動作と大きな実効断面積とを両立し、且つ曲げ損失がより低減された光ファイバを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る光ファイバは、コア領域と、このコア領域を取り囲むクラッド領域と、このクラッド領域を取り囲むジャケット領域とを備え、ファイバ軸に沿って一様な屈折率分布を有し、ファイバ軸に垂直な断面において、高屈折率背景領域に対して低屈折率領域が、ファイバ軸を中心とした正六角形の各頂点と当該正六角形の各辺の中点とに設けられ、コア領域は、正六角形の各頂点と当該正六角形の各辺の中点とに低屈折率領域が配置されることにより、低屈折率領域の内側に形成され、クラッド領域は、低屈折率領域を含み、正六角形を構成する一辺及びこの辺に対向する辺において、その両端及び中点に設けられた低屈折率領域は、他の低屈折率領域よりも小さいことを特徴とする。
また、本発明に係る光ファイバの異なる態様として、コア領域と、このコア領域を取り囲むクラッド領域と、このクラッド領域を取り囲むジャケット領域とを備え、ファイバ軸に沿って一様な屈折率分布を有し、ファイバ軸に垂直な断面において、高屈折率背景領域に対して低屈折率領域が、ファイバ軸を中心とした正六角形の各頂点と当該正六角形の各辺の中点とに設けられ、コア領域は、正六角形の各頂点と当該正六角形の各辺の中点とに低屈折率領域が配置されることにより、低屈折率領域の内側に形成され、クラッド領域は、低屈折率領域を含み、正六角形を構成する一辺及びこの辺に対向する辺において、その両端及び中点に設けられた低屈折率領域は、他の低屈折率領域よりも大きいことを特徴とする。
上記のように、クラッド領域に含まれる正六角形を構成する一辺及びこの辺に対向する辺の両端及び中点に設けられた低屈折率領域が、他の低屈折率領域よりも大きいか、または小さい構成を有することによって、この光ファイバは、実効断面積を同等に維持しながら、曲げ損失が抑制される。
本発明によれば、シングルモード動作と大きな実効断面積とを両立し、且つ曲げ損失がより低減された光ファイバが提供される。
設計例1に係る光ファイバ1の断面図である。 設計例2に係る光ファイバ2の断面図である。 設計例3に係る光ファイバ3の断面図である。 設計例4に係る光ファイバ4の断面図である。 設計例5に係る光ファイバ5の断面図である。 設計例1に係る光ファイバ1の構造解を求めた図である。 設計例2に係る光ファイバ2の構造解を求めた図である。 設計例3に係る光ファイバ3の構造解を求めた図である。 設計例4に係る光ファイバ4の構造解を求めた図である。 設計例5に係る光ファイバ5の構造解を求めた図である。 光ファイバの曲げ損失の測定方法を説明する図である。 光ファイバの曲げ損失の測定結果を示す図である。 光ファイバ1の基底モードにおける光強度分布を示す図である。 光ファイバ4の基底モードにおける光強度分布を示す図である。 光ファイバ4の製造方法の例を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
(設計例1)
図1は、設計例1に係る光ファイバ1の断面図である。この図は、光ファイバ1のファイバ軸に対して垂直な断面を示している。図1に示される光ファイバ1は、コア領域10と、このコア領域を取り囲むクラッド領域20と、このクラッド領域20を取り囲むジャケット領域30とを有し、ファイバ軸に沿って一様である屈折率分布を有する。
光ファイバ1のクラッド領域20は、ファイバ軸に垂直な断面において、高屈折率背景領域22に対して低屈折率領域21が、ファイバ軸を中心とした正六角形の各頂点に設けられて構成される。この低屈折率領域21は例えばフッ素が添加されたシリカガラスにより構成される。
一方、この低屈折率領域21を含んで構成されるクラッド領域20の内側に形成されるコア領域10は、例えば純シリカガラスにより構成される。また、フッ素が添加されたシリカガラスにより構成される低屈折率領域21の周囲の高屈折率背景領域22は、純シリカガラスにより構成される。上記の構成を有することにより、低屈折率領域21の屈折率は、高屈折率背景領域22及びコア領域10の屈折率よりも低くなる。
さらに、ジャケット領域30は、低屈折率領域21及び高屈折率背景領域22からなるクラッド領域20の外周を覆うように構成される。
図1に示すように、低屈折率領域21の直径はそれぞれdであり、隣接する低屈折率領域21の中心間の距離(低屈折率領域21の周期(ピッチ))はΛである。
(設計例2)
図2は、設計例2に係る光ファイバ2の断面図である。図2に示す設計例2に係る光ファイバ2が設計例1に係る光ファイバ1と異なる点は、クラッド領域20に含まれる低屈折率領域21がファイバ軸を中心とした正六角形の各頂点及び各辺の中点の合計12箇所に設けられている点である。この低屈折率領域21は、設計例1に係る光ファイバ1と同様にフッ素が添加されたシリカガラスにより構成される。また、クラッド領域20の高屈折率背景領域22は、設計例1に係る光ファイバ1と同様に、純シリカガラスにより構成される。
さらに、このクラッド領域20の内側に形成されるコア領域10は、上述の12箇所に設けられた低屈折率領域21の内側に構成される。
なお、この設計例2に係る光ファイバ2に含まれる低屈折率領域21の直径はそれぞれdであり、隣接する低屈折率領域21の中心間の距離(ピッチ)はΛである。
(設計例3)
図3は、設計例3に係る光ファイバ3の断面図である。図3に示す設計例3に係る光ファイバ3は、クラッド領域20を形成する低屈折率領域21の大きさが2種類ある点が設計例2に係る光ファイバ2と異なる点である。
図3に示すように光ファイバ3の低屈折率領域21のうち、ファイバ軸を中心とする正六角形の各頂点に位置する6つの領域21Aの直径dは、当該正六角形の各辺の中点に位置する6つ領域21Bの直径dに比較して大きい。このように低屈折率領域21の大きさが2種類ある点以外は、光ファイバ3は光ファイバ2と同様の構成を有している。なお、隣接する低屈折率領域21(21A,21B)の中心間の距離(ピッチ)はΛである。
(設計例4)
図4は、設計例4に係る光ファイバ4の断面図である。図4に示す設計例4に係る光ファイバ4は、クラッド領域20を形成する低屈折率領域21の大きさが2種類ある点は設計例3に係る光ファイバ3と同様であるが、異なる大きさの低屈折率領域21の配置が光ファイバ3とは異なる。
すなわち、設計例4に係る光ファイバ4では、正六角形を構成する一辺及びこの辺に対向する辺において、その両端及び中点に設けられた領域21Bの直径dは、他の領域21Aの直径dよりも小さい。このように低屈折率領域21の大きさが2種類ある点以外は、光ファイバ4は光ファイバ3と同様の構成を有している。なお、隣接する低屈折率領域21(21A,21B)の中心間の距離(ピッチ)はΛである。
(設計例5)
図5は、設計例5に係る光ファイバ5の断面図である。図5に示す設計例5に係る光ファイバ5は、クラッド領域20を形成する低屈折率領域21の大きさが2種類ある点は設計例4に係る光ファイバ4と同様であるが、低屈折率領域21の配置に対するその領域の大きさの関係が光ファイバ4とは異なる。
すなわち、設計例5に係る光ファイバ5では、正六角形を構成する一辺及びこの辺に対向する辺において、その両端及び中点に設けられた領域21Aの直径dは、他の領域21Bの直径dよりも大きい。このように、正六角形を構成する一辺及びこの辺に対向する辺において、その両端及び中点に設けられた領域21Aと、それ以外の領域21Bの大きさが光ファイバ4と光ファイバ5とは逆となる。なお、隣接する低屈折率領域21(21A,21B)の中心間の距離(ピッチ)はΛである。
(評価1:構造解の算出)
ここで、高屈折率背景領域22を構成する純シリカガラスと、低屈折率領域21を構成するフッ素添加シリカガラスとの間の比屈折率差Δは、以下の数式(1)に示すように算出される。
上記の数式(1)において、nは純シリカの屈折率であり、nはフッ素添加シリカの屈折率である。後述の計算においては、上記の全ての設計例の光ファイバ1〜5について、比屈折率差Δ=0.1%であると仮定し、すなわち、フッ素添加シリカの屈折率は純シリカのよりも0.00145小さいとした。なお、比屈折率差の微小な差は、光ファイバ1〜5の曲げ損失特性に対して大きな影響は与えない。
ここで、一般的なステップインデックス型ファイバと異なって、設計例1〜5に係る光ファイバ1〜5はリーク特性を有する。これは、クラッド領域20の高屈折率背景領域22とコア領域10とが同じ屈折率を有するからである。しかしながら、低屈折率領域21の径d(d,d)とピッチΛとを変化させることで、従来の光ファイバでは実現することが出来なかった、異なるモードにおける閉じ込め損失の変更を実現することができる。このように、基底モードにおける閉じ込め損失LfundがLfund<0.1dB/mであるのに対して、高次モードの閉じ込め損失L2ndは、L2nd>1dB/mとすることができ、この場合、この光ファイバはシングルモードのように動作する。更に、想定外の非線形効果を回避する目的から、目標とする実効断面積Aeffは、波長1064nmに対してAeff=1400μm(コア領域10の径が50μmであるとき)とされる。
図6、図7は、光ファイバ1及び2について、波長1064nmにおいて基底モードであるHE11の実効断面積を、ピッチΛと、ピッチに対する低屈折率領域21の径の比(d/Λ)とに基づいてそれぞれ算出し、図の右側のスケールに対応する濃淡により示したものである。ここで、シリカの屈折率nをn=1.45であると仮定し、比屈折率差Δ=0.1%と仮定した。目標となる実効断面積Aeff=1400μmをより視覚的に分かりやすくするために、図6及び図7には、この実効断面積Aeff=1400μmに相当する箇所に曲線(図中の一点鎖線)を設けた。また、波長1064nmにおいて高次モード(すなわち、TE01モード、TM01モード、縮退HE21モードのように、LP11に類似するモード)に対する閉じ込め損失が1dB/mとなる値にも曲線(図中の実線)を設けている。これは、光ファイバの用途が、Ybが添加された高出力のファイバレーザであり、デバイス長が2〜3m程度のものであるからである。したがって、高次モードの光の伝播を抑制するためには、閉じ込め損失が1dB/m以上である必要があるからである。更に、基底モードにおける閉じ込め損失は微小であることが好ましいことから、波長1064nmの基底モードにおいて、閉じ込め損失が0.1dB/mとなる箇所にも曲線(図中の破線)を設けた。
上記の計算の結果によれば、光ファイバ1の場合、図6に示すように、高次モードにおける閉じ込め損失の境界を示す実線が基底モードにおける閉じ込め損失の境界を示す破線よりも図中上部にあることが確認できる。すなわち、光ファイバ1では、比d/Λの増加に対応して全てのモードにおける閉じ込め損失の値が減少することから、実効断面積Aeff=1400μmであり、基底モードにおける閉じ込め損失が0.1dB/mより小さく、且つ高次モードにおける閉じ込め損失が1dB/mよりも大きくなる条件を全て満たす解があることが示されている。より具体的には、図6から、光ファイバ1の構造が低屈折率領域21間のピッチΛ=42.3μmであり、ピッチに対する低屈折率領域21の径の比d/Λ=0.81である場合に、上記の条件を満たすことが確認された。
一方、光ファイバ2では、図7に示すように上記の実効断面積Aeff=1400μmであり、基底モードにおける閉じ込め損失が0.1dB/mより小さく、且つ高次モードにおける閉じ込め損失が1dB/mよりも大きくなる条件を全て満たす構造解が得られなかった。これは、高次モードにおける閉じ込め損失の境界を示す実線と、基底モードにおける閉じ込め損失の境界を示す破線と、の関係が光ファイバ1に係る算出結果(図6)とは逆転している(すなわち、実線が破線よりも図中下部にある)ことに由来する。
また、図8〜図10は、光ファイバ3〜5について、波長1064nmにおいて基底モードの実効断面積を、ピッチΛと、ピッチに対する低屈折率領域21のうち相対的に小さい領域(d)の径の比(d/Λ)とに基づいてそれぞれ算出したものである。なお、低屈折率領域21のうち相対的に大きい領域(d)の径のピッチΛに対する比(d/Λ)は、いずれの光ファイバ3〜5についても、曲げ損失を低くする目的からd/Λ=0.95となるように固定した。なお、光ファイバ4及び光ファイバ5については、低屈折率領域21が2回対称な配置となっていることから、基底モードの実効断面積及び実効屈折率について偏波があると理論上は考えられるが、これらの光ファイバ4,5ではコア領域10の面積が大きいため、波長1064nmにおける偏波依存性は非常に小さい。したがって、これらの光ファイバ4,5において幾何学的に引き起こされる複屈折は10−7未満である。
なお、図8〜図10では、図6,7と同様に、実効断面積Aeff=1400μmに相当する箇所に曲線(図中の一点鎖線)を設けた。また、波長1064nmにおいて高次モードに対する閉じ込め損失が1dB/mとなる値にも曲線(図中の実線)を設け、さらに、波長1064nmの基底モードにおいて、閉じ込め損失が0.1dB/mとなる箇所にも曲線(図中の破線)を設けた。
図8〜図10では、実効断面積の大きさの傾向はほぼ同じである。ただし、図8に示すように、光ファイバ3では実効断面積Aeff=1400μmであり、基底モードにおける閉じ込め損失が0.1dB/mより小さく、且つ高次モードにおける閉じ込め損失が1dB/mよりも大きくなる条件を全て満たす構造解が得られなかった。一方、図9及び図10に示すように、光ファイバ4及び光ファイバ5についてはそれぞれ構造解を得ることができた。具体的には、光ファイバ4については、図9に示すように、低屈折率領域21間のピッチΛ=19.4μmであり、ピッチΛに対する低屈折率領域21の径d及びdの比が、それぞれd/Λ=0.95、d/Λ=0.82である場合に、上記の条件を満たすことが確認された。また、光ファイバ5については、図10に示すように、低屈折率領域21間のピッチΛ=19.2μmであり、ピッチΛに対する低屈折率領域21の径d及びdの比が、それぞれd/Λ=0.95、d/Λ=0.82である場合に、上記の条件を満たすことが確認された。
(評価2:曲げ損失の評価)
次に、上記の光ファイバ1〜5のうち、実効断面積Aeff=1400μmであり、基底モードにおける閉じ込め損失が0.1dB/mより小さく、且つ高次モードにおける閉じ込め損失が1dB/mよりも大きくなる条件を全て満たす構造解が得られた光ファイバ1,4,5についての波長1064nmにおける曲げ損失を算出した。なお、この算出に用いられる各ファイバはそれぞれ上述の計算により求められた構造解を満たすとする。すなわち、光ファイバ1は、低屈折率領域21間のピッチΛ=42.3μmであり、ピッチに対する低屈折率領域21の径の比d/Λ=0.81である。また、光ファイバ4は、低屈折率領域21間のピッチΛ=19.4μmであり、ピッチΛに対する低屈折率領域21の径d及びdの比が、それぞれd/Λ=0.95、d/Λ=0.82である。また、光ファイバ5は、低屈折率領域21間のピッチΛ=19.2μmであり、ピッチΛに対する低屈折率領域21の径d及びdの比が、それぞれd/Λ=0.95、d/Λ=0.82であるとする。
また、この曲げ損失の測定に関しては、曲げられた光ファイバの損失を評価するためにV−FEM(有限要素法)を用いて評価を行った。また、それぞれの光ファイバについて、2種類の方向に曲げて評価を行った。各光ファイバに対する具体的な曲げ方向を図11に示す。図11(A)は光ファイバ1についてであり、図11(B)は光ファイバ4についてであり、図11(C)は光ファイバ5についてである。
そして、各光ファイバ1,4,5について2種類の方向(A−A’方向及びB−B’方向)における曲げ損失を評価した結果を図12に示す。図12に示すように、光ファイバ4,5は光ファイバ1よりも曲げ損失が低減されることが確認された。さらに、光ファイバ4は、光ファイバ5より僅かながら曲げ損失が低減されることが確認された。これはフッ素添加シリカにより構成される大きさの異なる低屈折率領域21(21A,21B)の配置が異なることに由来すると考えられる。なお、光ファイバ4において、図11(B)に示すA−A’方向と平行な方向における最小の曲げ損失は、曲げ半径15cmの条件において0.5dB/m以下であることが確認された。
(評価3:光強度分布)
上記の光ファイバ1,4について、光ファイバを曲げた際の光強度分布を算出した。なお、算出に用いた光ファイバ1,4の各パラメータは上記の評価2に用いた光ファイバと同様である。すなわち、光ファイバ1は、低屈折率領域21間のピッチΛ=42.3μmであり、ピッチに対する低屈折率領域21の径の比d/Λ=0.81であり、光ファイバ4は、低屈折率領域21間のピッチΛ=19.4μmであり、ピッチΛに対する低屈折率領域21の径d及びdの比が、それぞれd/Λ=0.95、d/Λ=0.82である。また、曲げ方向は図11(A)(B)に示すA−A’方向に平行な方向であり、曲げ半径は15cmとした。
図13は光ファイバ1に係る光強度分布であり、図14は光ファイバ4に係る光強度分布を示す図である。図13に示す光ファイバ1では光強度が大きい領域がクラッド領域20近傍に相当する位置にあるのと比較して、図14に示す光ファイバ4では光強度が大きい領域がより光ファイバの内側にあることが確認された。
以上の評価1〜3の結果から、光ファイバ4及び光ファイバ5のように、正六角形を構成する一辺及びこの辺に対向する辺において、その両端及び中点に設けられた低屈折率領域21の大きさと他の低屈折率領域21の大きさとが異なる場合には、シングルモード動作と大きな実効断面積とを両立し、且つ曲げ損失が低減されることが確認された。
なお、上記評価1〜3では、波長1064nmについてのみ評価を行ったが、他の波長においても、光ファイバ4及び光ファイバ5は、他の光ファイバ1〜3と比較して、シングルモード動作と大きな実効断面積との両立且つ曲げ損失の低減という本発明に係る効果が奏される。また、実効断面積Aeffを他の条件とした場合であっても、光ファイバ4及び光ファイバ5は、他の光ファイバ1〜3と比較して、曲げ損失が低減される。
(光ファイバの製造方法)
次に、上記の光ファイバ4又は光ファイバ5に示す光ファイバの製造方法について説明する。
まず、第1の製造方法として、スタック法について説明する。図15はスタック法による光ファイバの製造方法について説明する図であり、光ファイバの製造に用いられる各種部材をまとめた状態6を示す。図15に示すように、ファイバ軸となる中心に設けられた1本の高屈折率のロッド110及びこのロッド110を取り囲んで正六角形となるように最密に配置された6本のロッド110と、低屈折率領域121Aとこの低屈折率領域121Aの周囲を取り囲む高屈折率領域121B(この領域の屈折率はロッド110と同じとされる)とからなるロッド121と、低屈折率領域121Aよりも径が小さい低屈折率領域122Aとこの低屈折率領域122Aの周囲を取り囲む高屈折率領域122B(この領域の屈折率はロッド110と同じとされる)とからなるロッド122と、を、その断面が所望の構造(例えば図3に示す断面)となるように積層した後、これらをジャケット領域30となるジャケット管130内に配置し、コラプス後に線引、または直接ロッドイン線引することにより光ファイバ4と同様の構成を有する光ファイバが得られる。
なお、ロッド121,122のように、その断面の内部に低屈折率な領域があり、その周囲を高屈折率な領域が取り囲む構成を有するロッドは、例えばコラプス法により作成される。なお、ロッド110,121及び122による配列が崩れないように、図15に示すように、ロッド110と同様の屈折率を有し且つ径が小さいスペーサーロッド123を挿入する態様とすることもできる。
次に、第2の製造方法として、穴あけ法について説明する。例えば、図3に示す光ファイバ4を作成する場合、コア領域10及びクラッド領域20が含まれる直径の純シリカからなるロッドを用意する。そして、低屈折率領域21A及び21Bが配置される箇所に低屈折率領域21A及び21Bがそれぞれ所望の大きさとなるような径(すなわち2種類の異なる直径)の穴を設ける。そして、この穴に純シリカよりも低屈折率である(例えば、フッ素が添加されたシリカガラスからなる)ロッドを挿入し、コラプス後線引するか、又はロッドイン線引することにより作成することができる。
また、2種類の異なる直径の穴を設けることに代えて、1種類の直径の穴を低屈折率領域21A及び21Bが配置される箇所に設けた後、例えば図15に示すロッド121及び122を、低屈折率領域の大きさが所望の大きさとなるように配置することとしてもよい。なお、純シリカからなるジャケット領域30を外部に形成した後に線引することもできる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明に係る光ファイバは種々の変更を行うことができる。例えば、上記実施形態では、コア領域10及び高屈折率背景領域22には純シリカが用いられ、低屈折率領域21にはフッ素が添加されたシリカを用いられる構成について説明したが、低屈折率領域21がコア領域10及び高屈折率背景領域22に対して相対的に屈折率が低くなる条件であれば、材料を変更してもよい。変更例としては、例えば、コア領域10及び高屈折率背景領域22には、Ge,Cl,Ti,Alのうち少なくとも1種の元素が添加されたシリカガラスを用い、低屈折率領域21として、純シリカガラスまたはF,B,Clのうち少なくとも1種の元素が添加されたシリカガラスを用いる態様とすることができる。また、コア領域10及び高屈折率背景領域22と、低屈折率領域21と、の両方に共通の元素を添加して各領域の添加量を調整することにより所望の屈折率を得ることも可能である。また、本発明に係る光ファイバはコア領域10に希土類元素を添加することも可能である。例えば図15に示すコアロッド110の少なくとも一部にYbが添加されたシリカガラスを用いることで、シングルモード動作と大きな実効断面積とを両立し、且つ曲げ損失がより低減されたファイバレーザ用光ファイバが実現される。
1〜5…光ファイバ、10…コア領域、20…クラッド領域、21…高屈折率領域、22…低屈折率領域、30…ジャケット領域。

Claims (2)

  1. コア領域と、このコア領域を取り囲むクラッド領域と、このクラッド領域を取り囲むジャケット領域とを備え、
    ファイバ軸に沿って一様な屈折率分布を有し、
    前記ファイバ軸に垂直な断面において、高屈折率背景領域に対して低屈折率領域が、前記ファイバ軸を中心とした正六角形の各頂点と当該正六角形の各辺の中点とに設けられ、
    前記コア領域は、前記正六角形の各頂点と当該正六角形の各辺の中点とに前記低屈折率領域が配置されることにより、前記低屈折率領域の内側に形成され、
    前記クラッド領域は、前記低屈折率領域を含み、
    前記正六角形を構成する一辺及びこの辺に対向する辺において、その両端及び中点に設けられた前記低屈折率領域は、他の前記低屈折率領域よりも大きい
    ことを特徴とする光ファイバ。
  2. コア領域と、このコア領域を取り囲むクラッド領域と、このクラッド領域を取り囲むジャケット領域とを備え、
    ファイバ軸に沿って一様な屈折率分布を有し、
    前記ファイバ軸に垂直な断面において、高屈折率背景領域に対して低屈折率領域が、前記ファイバ軸を中心とした正六角形の各頂点と当該正六角形の各辺の中点とに設けられ、
    前記コア領域は、前記正六角形の各頂点と当該正六角形の各辺の中点とに前記低屈折率領域が配置されることにより、前記低屈折率領域の内側に形成され、
    前記クラッド領域は、前記低屈折率領域を含み、
    前記正六角形を構成する一辺及びこの辺に対向する辺において、その両端及び中点に設けられた前記低屈折率領域は、他の前記低屈折率領域よりも小さい
    ことを特徴とする光ファイバ。

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