JP2010197930A - 走査型画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】水平走査と垂直走査の同期や、設計解像度と違う解像度の映像が入力された場合の同期を、簡便な構成で取ることで良好な表示品位を確保できる走査型画像表示装置を提供する。
【解決手段】本発明の走査型画像表示装置は、光源と、水平走査用スキャナーと、垂直走査用スキャナーと、映像信号を画素位置にあわせたアドレスに保持するメモリーと、2つのスキャナーの走査位置に対応したメモリーのアドレスから、映像信号を読み出す手段と、読み出した映像信号にしたがって、光源の光量を調節する手段と、を備えている。
【選択図】図2
【解決手段】本発明の走査型画像表示装置は、光源と、水平走査用スキャナーと、垂直走査用スキャナーと、映像信号を画素位置にあわせたアドレスに保持するメモリーと、2つのスキャナーの走査位置に対応したメモリーのアドレスから、映像信号を読み出す手段と、読み出した映像信号にしたがって、光源の光量を調節する手段と、を備えている。
【選択図】図2
Description
本発明は、走査型画像表示装置に関するものである。
近年、レーザー光などのビーム状の光を被投射面上でラスタースキャンして画像を表示する走査型画像表示装置が提案されている。この装置では、レーザー光の供給を停止することで完全な黒を表現できるため、例えば液晶ライトバルブを用いたプロジェクター等に比べて高コントラストの表示が可能である。また、レーザー光を使用した画像表示装置は、レーザー光が単一波長であるために色純度が高い、コヒーレンスが高いためにビームを整形しやすい(絞りやすい)等の特性を持つことから、高解像度、高色再現性を実現する高画質ディスプレーとして期待されている。また、走査型画像表示装置は、液晶ディスプレー、プラズマディスプレーなどと異なり、固定された画素を持たないため、画素数という概念がなく、解像度を変換し易いという利点も持っている。レーザー光を走査させることで画像を表示する画像表示装置の技術としては、例えば、特許文献1に提案されるものがある。
特許文献1ではポリゴンミラーを用いた装置が紹介されているが、画像フォーマットの高解像度化に伴い、スキャン周波数も高くなってきており、ポリゴンミラーやガルバノミラーでは限界を迎えつつある。そこで、近年、高速側のスキャナーにMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術を利用したシステムが発表されている。MEMS技術を利用したスキャナー(以下、単にMEMSスキャナーという)とは、シリコン等の半導体材料の微細加工技術を用いて製作するものであり、トーションバネ等で支持したミラーを静電力等により駆動するものである。このスキャナーは、静電力とバネの復元力との相互作用でミラーを往復運動させて、光を走査することができる。MEMSスキャナーを用いることにより、従来のスキャナーに比べて高周波数、大偏角のスキャナーを実現することができる。これにより、高解像度の画像を表示することが可能になる。
ところで、高速のMEMSスキャナーを実現するには、ミラーを共振点で往復運動させなければならないため、ある解像度を想定し、その解像度に合うようにミラーの共振点を設計、製作する必要がある。しかしながら、ミラーの共振周波数が表示画像のリフレッシュレートの公倍数となるように製作できなかった場合、共振点からずらしてミラーを駆動することになり、十分な走査振幅が確保できなくなってしまう。逆に走査周波数を共振周波数に合わせてしまうと、水平走査と垂直走査の同期が取れなくなり、画像に乱れが生じてしまう。さらに、たとえミラーの共振周波数が完全にリフレッシュレートの公倍数となるように製作できたとしても、使用環境や光の照射状態によってMEMSミラーの温度が変わることが十分考えられ、それによりミラーの共振点が微妙に変化してしまい、同様の状況となってしまう。また、映像ソフト側から見ると、近年、解像度や走査方式(インターレース方式、プログレッシブ方式等)、画面のアスペクト比等が異なる多くの映像フォーマットが世間に出回っていることから、1台の画像表示装置で異なるフォーマットの映像を視聴したいというユーザーからの要求がある。しかしながら、上述したように、MEMSスキャナーを固有の解像度に合わせて製作しているため、想定した解像度以外の映像フォーマットが画像表示装置に入力されると、画面内で画像が縮んだり、全部が表示しきれなかったり、あるいは水平走査と垂直走査の同期が取れないために画像に乱れが生じる、等の不具合が生じていた。また、このような不具合を生じさせないように画像処理による解像度変換を行う方法もあるが、この場合、画像処理回路に大きな負担を掛けることになる。
また、垂直走査を一時停止させることにより、水平走査との同期を取る方法が、特許文献2に開示されている。しかし、高速に動作しているスキャナーを待機させることは、機械的な負担があったり、画像表示に使える時間の減少を招いたりする。
以上、MEMSミラーを用いた場合の問題点を例に挙げて説明したが、この問題点はMEMSミラーを用いた装置に限るものではなく、例えば共振型ガルバノミラーなど、他の共振型スキャナーを用いた装置に共通の問題である。
本発明は、上記課題の少なくとも一つを解決するように、以下の適用例または形態として実現され得る。
〔適用例1〕本適用例の走査型画像表示装置は、光源と、前記光源から射出される光を水平方向に略一定の周波数で走査する水平走査用スキャナーと、前記光を垂直方向に略一定の周波数で走査する垂直走査用スキャナーと、映像信号を画素位置に対応するアドレスに保持するメモリーと、前記メモリーの、2つの前記スキャナーの走査位置で決まる画素位置に対応したアドレスから映像信号を読み出す手段と、読み出された前記映像信号にしたがって前記光源の光量を調節する手段と、を備えたことを特徴とする。
なお、ここで言う「水平走査用スキャナー」は、2方向の走査のうち、高速側の走査を担うスキャナーであり、「垂直走査用スキャナー」は、低速側の走査を担うスキャナーであり、画像の水平・垂直とは必ずしも一致しない。例えば、画像フォーマット上は水平側が高速であっても、実際の装置を構成する場合には画像信号からの画素情報を再構成し、画像の垂直側を高速とする場合も考えられる。
なお、ここで言う「水平走査用スキャナー」は、2方向の走査のうち、高速側の走査を担うスキャナーであり、「垂直走査用スキャナー」は、低速側の走査を担うスキャナーであり、画像の水平・垂直とは必ずしも一致しない。例えば、画像フォーマット上は水平側が高速であっても、実際の装置を構成する場合には画像信号からの画素情報を再構成し、画像の垂直側を高速とする場合も考えられる。
前述の[発明が解決しようとする課題]の項で述べたように、走査型画像表示装置には、スキャナーの製作誤差の問題、スキャナー使用時の特性変化等によって、映像信号のフォーマットで決まる水平走査用スキャナーが走査すべき周波数と、製作された水平走査用スキャナーが実際に走査可能な周波数との間にずれ(差異)が生じることある。また、様々な映像フォーマットを持つ映像信号が入力されることによっても、同様のずれが生じることがある。その場合、水平走査用スキャナーが想定している解像度と違う解像度の映像信号が入力された場合、画素を描画しすぎてしまったり、逆に描画し切れなかったりしてしまう。しかし、本適用例の走査型画像表示装置は、映像信号を画素位置にあわせたメモリーのアドレスに保持し、さらに走査位置に対応したメモリーのアドレスから映像信号を読み出し、そのデータにあわせた光量に調整するため、スキャナーのタイミングはずれても、結果として正しい位置には描画されるため、正常に表示することができる。
〔適用例2〕また、上記適用例に記載の走査型画像表示装置であって、前記水平走査用スキャナーと、前記垂直走査用スキャナーとを、画像表示中に待機させることなく略一定の周波数で走査させ続けることが望ましい。
上記にあるように、水平走査用スキャナーと垂直走査用スキャナーの周波数にずれが生じても、正しい位置に描画できるため、タイミングを合わせるために、一方もしくは両方のスキャナーを待機させることなく走査し続けても、画像が乱れることがなく、平易なスキャナー制御手段で、高品質な画像を描画できる。
〔適用例3〕また、上記適用例に記載の走査型画像表示装置であって、前記水平走査用スキャナーの走査可能な周波数が、前記映像信号のフォーマットで決まる前記水平走査用スキャナーが走査すべき目標走査周波数よりも大きい場合に、前記垂直走査用スキャナーによる垂直走査を、前記映像信号のフォーマットで決まる垂直走査周波数より大きい周波数にする手段を備えたことが望ましい。
映像信号のフォーマットで決まる垂直走査周波数のままでは、走査可能な周波数が大きいため、所定の時間より短い時間で全ての走査線が表示されてしまう。すると、垂直走査方向に縮んだ表示となってしまう。そこで垂直走査周波数を大きく、つまり走査を速くすることにより、適切な位置に走査線を表示することが可能となる。
〔適用例4〕また、上記適用例に記載の走査型画像表示装置であって、前記水平走査用スキャナーの走査可能な周波数が、前記映像信号のフォーマットで決まる前記水平走査用スキャナーが走査すべき目標走査周波数よりも小さい場合に、前記垂直走査用スキャナーによる垂直走査を、前記映像信号のフォーマットで決まる垂直走査周波数より小さい周波数にする手段を備えたことが望ましい。
映像信号のフォーマットで決まる垂直走査周波数のままでは、走査可能な周波数が小さいため、全ての走査線を表示することができない。そこで、垂直走査周波数を小さく、つまり走査を遅くすることにより、全ての走査線を表示することが可能となる。
〔適用例5〕また、上記適用例に記載の走査型画像表示装置であって、前記水平走査用スキャナーの走査可能な周波数をn(n:自然数)、前記映像信号のフォーマットで決まる前記水平走査用スキャナーが走査すべき目標走査周波数をm(m:自然数)としたとき、前記垂直走査用スキャナーによる垂直走査を、前記映像信号のフォーマットで決まる垂直走査周波数のn/m倍にする手段を備えたことが望ましい。
〔適用例6〕また、上記適用例に記載の走査型画像表示装置であって、前記メモリーの行、列と、前記映像信号の行、列を一致させて、保持することが望ましい。
これにより、走査位置と映像信号の同期を取ることが容易となり、簡便な回路で画像表示装置を構成することが可能となる。
〔適用例7〕また、上記適用例に記載の走査型画像表示装置であって、前記メモリーが対応する最大の映像フォーマットの1画面分以下の容量を持つことが望ましい。
これにより、回路規模が小さく、低コストで画像表示装置を製造することが可能となる。
〔適用例8〕また、上記適用例に記載の走査型画像表示装置であって、前記メモリー内の前記映像信号を、複数回画像表示に利用することが望ましい。
〔適用例9〕また、上記適用例に記載の走査型画像表示装置であって、前記メモリー内の前記映像信号が、画像表示に利用されなくても、新しい前記映像信号を上書きして、前記メモリー内に保持することが望ましい。
上記、適用例8および適用例9に記載の構成によれば、映像信号の要・不要の判断が必要なく、常に最新の映像信号を表示することが、簡易な構成で可能となる。
〔適用例10〕また、上記適用例に記載の走査型画像表示装置であって、前記垂直走査用スキャナーによる走査周波数に応じて変化させた際に、前記光源から射出される光のビーム径を拡大・縮小することが可能な、ビーム径調整手段を備えたことが望ましい。
〔適用例11〕また、上記適用例に記載の走査型画像表示装置であって、少なくとも前記水平走査用スキャナーが、共振型のMEMSスキャナーであることが望ましい。
共振型のMEMSスキャナーは、小型、高速、高精度、静粛性が高い等の特徴を持っているため、この構成によれば、小型、静粛で表示品位の高い走査型画像表示装置を実現することができる。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態を図1〜図4を参照して説明する。
本実施形態では、レーザー光を走査してスクリーン上に画像を表示するレーザースキャン型画像表示装置(走査型画像表示装置)を例に挙げて説明する。
図1は本実施形態のレーザースキャン型画像表示装置の要部を示す斜視図、図2は同装置の制御部を示すブロック図、図3は同装置の垂直走査の方法を示す概念図、である。
以下、本発明の第1実施形態を図1〜図4を参照して説明する。
本実施形態では、レーザー光を走査してスクリーン上に画像を表示するレーザースキャン型画像表示装置(走査型画像表示装置)を例に挙げて説明する。
図1は本実施形態のレーザースキャン型画像表示装置の要部を示す斜視図、図2は同装置の制御部を示すブロック図、図3は同装置の垂直走査の方法を示す概念図、である。
本実施形態のレーザースキャン型画像表示装置(以下、単に画像表示装置という)1は、図1に示すように、赤(R)、緑(G)、青(B)の各色のレーザー光を射出するレーザー光源(光源)2R,2G,2Bと、ダイクロイックミラー3A,3Bと、MEMSスキャナー(水平走査用スキャナー)4と、ガルバノスキャナー(垂直走査用スキャナー)5と、投射方向変更ミラー6と、スクリーン7と、筐体8とを備えている。本実施形態の画像表示装置1は、筐体8内にレーザー光源2R,2G,2Bや上記の各種光学系を収納し、透過型のスクリーン7の背面側から投射した画像をスクリーン7の前面から鑑賞する、いわゆるリアプロジェクションタイプの画像表示装置である。
赤色レーザー光源2Rから射出される赤色光Lrの光路に対して、青色レーザー光源2Bから射出される青色光Lbの光路と緑色レーザー光源2Gから射出される緑色光Lgの光路とが直交するように、各レーザー光源2R,2G,2Bが配置されている。赤色レーザー光源2Rからの赤色光Lrの光路と青色レーザー光源2Bからの青色光Lbの光路とが交差する位置に、青色光Lbを反射し、赤色光Lrを透過するダイクロイックミラー3Aが設置されている。赤色光Lrと青色光Lbが合成された光Lrbの光路と緑色レーザー光源2Gからの緑色光Lgの光路とが交差する位置に、緑色光Lgを反射し、赤色光Lrと青色光Lbを透過するダイクロイックミラー3Bが設置されている。各ダイクロイックミラー3A,3Bは、青色光Lbまたは緑色光Lgがミラーの反射面に対して45°の入射角で入射する角度で配置されている。これらダイクロイックミラー3A,3Bにより、各レーザー光源2R,2G,2Bからの各色光が合成され、フルカラーの画像を形成する光となる。
MEMSスキャナー4は、ダイクロイックミラー3A,3Bにより合成された後の光Lrgbをスクリーン7の水平方向に走査するものであり、合成後の光Lrgbの光路上に配置されている。本実施形態におけるMEMSスキャナー4は、スクリーン7の左から右への光の走査時、右から左への光の走査時のそれぞれに往復で画像を描画する。MEMSスキャナー4は、例えば単結晶シリコンのマイクロマシニング技術を用いて可動ミラー9、トーションバー10、支持枠11を一体加工したものである。可動ミラー9が、例えば静電力によるトーションバー10の捩れと復元によってトーションバー10を中心として所定の角度範囲内で往復回動運動を行う。この動作により、MEMSスキャナー4は回動運動の周方向に所定の偏角をもって光を走査することができる。また、MEMSスキャナー4は共振点で動作させることによって、大偏角、高速の走査を行わせることができる。
ガルバノスキャナー5は、ダイクロイックミラー3A,3Bにより合成された後の光Lrgbをスクリーン7の垂直方向に走査するものであり、MEMSスキャナー4を射出した後の光の光路上に配置されている。本実施形態におけるガルバノスキャナー5は、スクリーン7の上から下への走査の片道で画像を描画する。ガルバノスキャナー5は、モーター12の駆動軸13を中心として回転可能とされたミラー14を備えている。ミラー14の回転動作により、ガルバノスキャナー5は回転運動の周方向に所定の偏角をもって光を走査することができる。
本実施形態の画像表示装置1の制御部(垂直走査用スキャナー制御手段)21は、図2に示すように、映像フォーマット検出部22、ガルバノスキャナー駆動信号生成部24、メモリー制御部25、データ格納用メモリー26、等を備えている。映像信号の中には、画素毎の色情報、輝度情報等を含む画素データ、垂直同期信号(以下、v_syncと記載することもある)、水平同期信号(以下、h_syncと記載することもある)が含まれている。映像フォーマット検出部22は、映像信号中の水平同期信号h_syncを受けて、現在入力されている映像信号のフォーマット(解像度)を検出する。
ガルバノスキャナー駆動信号生成部24は、映像フォーマット検出部22による映像フォーマット検出結果を受けて、垂直走査周波数信号を生成する。
データ格納用メモリー26は、少なくとも1フレーム分の画素データを格納可能なフレームバッファーメモリーである。そして、メモリー制御部25は、画素データや垂直同期信号v_sync、あるいは水平同期信号h_sync、水平・垂直両スキャナーから走査位置信号を受けて、データ格納用メモリー26に格納位置(アドレス)を決定するとともに、書込タイミング信号、読出タイミング信号などを生成する。
ガルバノスキャナー駆動回路27は、ガルバノスキャナー駆動信号生成部24からの垂直走査周波数信号を受け、ガルバノスキャナー5を実際に駆動するための信号を生成し、ガルバノスキャナー5を駆動する。レーザー駆動回路28は、データ格納用メモリー26から読み出された画素データを受け、各レーザー光源2R,2G,2Bを実際に駆動するための信号を生成し、各レーザー光源2R,2G,2Bを駆動する。
ここで、本実施形態の画像表示装置1における画像表示の一例を、図3を用いて説明する。映像フォーマットをシネマ対応、ハイビジョン対応時に用いられる1080p(解像度:1920×1080{2200×1125},60Hz)と仮定する。なお、{ }内の解像度は光ビームの帰線時間を考慮した値である。この映像フォーマットを持つ映像信号に対応できるようにMEMSスキャナー4を設計すると、1/60秒(1映像フレーム時間)間に1125ラインを走査する周波数(目標走査周波数)で共振するMEMSスキャナー4を製作する必要がある。すなわち、本実施形態のMEMSスキャナー4が往復描画であることを考えると、1125ライン×60Hz/2=33.75kHzで共振するMEMSスキャナー4を製作する必要がある。
共振が1HzもずれることなくMEMSスキャナー4を製作できれば、図3の破線のように、1125ライン分の時間がちょうど1映像フレーム時間になるが、実際には非常に難しい。例えば、設計目標値が33.75kHzのところ、34kHzのMEMSスキャナー4、すなわち共振周波数が設計値よりも大きい周波数(走査可能な周波数)のスキャナーができてしまったとする。この場合、図3の実線のように、1125ライン分の時間(1走査フレーム時間)が1映像フレーム時間より短くなってしまう。本実施例では、1映像フレーム時間が終わるまで垂直走査を待機させることなく、略一定の周波数でそのままガルバノスキャナー5を初期位置に戻し、次の走査周期を始める構成になっている。
そのままでは、映像信号との同期が取れなくなり、スキャナーが1行、1列を走査しているときに、映像信号はまだ次のフレームの信号になっていない。また、MEMSスキャナー4とガルバノスキャナー5の同期も取れなくなり、ガルバノスキャナー5が垂直走査を始めた時点では、MEMSスキャナー4は、画面中央付近を操作している可能性もあり、意図した位置に映像信号を描画できなくなり、画像が乱れてしまう。そこで、図4のように画素データが並んでいて、データ格納用メモリー26のアドレスがA1、A2・・・Am×nであるとすると、A1から順にP1,1、P1,2・・・P2,1・・・Pm,nと画素データをデータ格納用メモリー26に保存していく。
読み出す際は、MEMSスキャナー4およびガルバノスキャナー5から得られる走査位置信号より、a行、b列をスキャンしていることがわかるため、映像フレーム順とは関係なく、Pa,bが格納されているデータ格納用メモリー26のA(a−1)×b+bから映像信号を読み出す。これにより、映像信号とスキャナー、MEMSスキャナー4とガルバノスキャナー5のいずれの同期も関係なく、レーザー光源2R,2G,2Bを正しい画素データで制御できる。
このように、本実施形態の画像表示装置によれば、共振型のMEMSスキャナー4の走査周波数が設計と異なったとしても、ガルバノスキャナー5を待機させたりせず、略一定の周波数で動かしつづけても、画素データPa,bはa行、b列の位置に表示され、画像の乱れが生じることなく良好な表示品位を確保することができる。また、本実施形態の場合、MEMSスキャナー4の走査周波数が設計値よりも大きい場合であるが、小さい場合も同様の手順で画像の乱れが生じることなく良好な表示品位を確保することができる。
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態について説明する。
本実施形態のレーザースキャン型画像表示装置の基本構成は第1実施形態と全く同様であり、画像表示の方式が第1実施形態と異なるのみである。よって、この点についてのみ、図5を用いて説明する。図5は、本実施形態の画像表示装置における垂直走査の方法を示す概念図である。
以下、本発明の第2実施形態について説明する。
本実施形態のレーザースキャン型画像表示装置の基本構成は第1実施形態と全く同様であり、画像表示の方式が第1実施形態と異なるのみである。よって、この点についてのみ、図5を用いて説明する。図5は、本実施形態の画像表示装置における垂直走査の方法を示す概念図である。
本実施形態においては、想定したのとは異なる映像フォーマット、例えば720p(解像度:1280×720{1650×750},60Hz)の映像フォーマットを持つ映像信号が入力されたとする。この場合、720pの映像フォーマットを表示しようとすれば、本来、MEMSスキャナー4は、1映像フレーム時間中に750ラインだけ走査できれば足りる。ところが、MEMSスキャナー4は共振点で駆動しないと振幅が大幅に減ってしまうため、結局、設計通りに駆動させることとなり、映像フォーマット側は720pでありながら、1125ライン分を走査することになる。すると、1映像フレーム分の映像信号の描画が実際には1フレーム期間の2/3(=750/1125、1走査フレーム時間)で完了してしまう。このとき、ガルバノスキャナー5側も想定した映像フォーマットに対応する垂直走査速度で走査していると、画像が垂直方向に2/3の大きさに縮んで表示されてしまう。そこで、ガルバノスキャナー5の垂直走査の周波数を3/2倍(2/3の逆数)にして垂直走査を行えば、垂直方向に2/3に縮んだ画像が3/2倍に伸びて表示されることになり、正常な状態に戻すことができる。
しかしこのままでは、1映像フレーム時間が余っており、次のフレームの映像データが入力されていないにも関わらず、MEMSスキャナー4とガルバノスキャナー5は、次の走査フレームを始めてしまい、第1走査フレーム終了時から、表示する画素データが無いため、画像が表示されなくなってしまう。そこで、データ格納用メモリー26のアドレスが図6のようになっていたとすると、画素データPa,bを走査位置とは無関係に、アドレスAa,bに格納しておく。一方、読み出しも画素データとは無関係に、走査位置がa行、b列の時はAa,bのアドレスからデータを読み出す。このようにすると、第2走査フレームは、第1映像フレームの画素データが表示される。第3走査フレームでは第2映像フレームの画素データが表示され、画像の乱れが生じることなく良好な表示品位を確保することができる。
[第3実施形態]
以下、本発明の第3実施形態について説明する。
本実施形態のレーザースキャン型画像表示装置の基本構成は第1実施形態と全く同様であり、画像表示の方式が第1実施形態と異なるのみである。よって、この点についてのみ、図7を用いて説明する。図7は、本実施形態の画像表示装置における垂直走査の方法を示す概念図である。
以下、本発明の第3実施形態について説明する。
本実施形態のレーザースキャン型画像表示装置の基本構成は第1実施形態と全く同様であり、画像表示の方式が第1実施形態と異なるのみである。よって、この点についてのみ、図7を用いて説明する。図7は、本実施形態の画像表示装置における垂直走査の方法を示す概念図である。
本実施形態においては、第1実施形態と同じ1080p用の走査システムに対して、解像度:2560×1440{3080×1575},60Hzの映像フォーマットを持つ映像信号が入力されるものと仮定する。この映像フォーマットの場合、MEMSスキャナー4は1映像フレーム時間の間に1575ライン走査しなければならない。ところが、MEMSスキャナー4は実際には1125ラインしか走査できず、ガルバノスキャナー5側も想定した映像フォーマットに対応する垂直走査速度で走査していると、1126ライン以降の画素データは描画されなくなってしまうため、1575ライン走査する(1走査フレーム)必要がある。そのためには、1映像フレーム時間の7/5(=1575/1125)の時間がかかる。そこで、1走査フレーム時間を7/5、つまり垂直走査周波数を5/7(7/5の逆数)にして垂直走査を行えば、1走査フレーム中に表示されない画素データがなくなり、正常な状態に戻すことができる。
第2映像フレームに第1走査フレームが掛かってしまっているため、このままでは、映像フレームと走査フレームのずれが徐々に大きくなってしまい、ついには、表示されないまま新しい画素データに上書きされてしまう。しかし、第2実施形態と同様にデータ格納用メモリー26に画素データを格納しておき、走査位置に応じて読み出せば、画素データ自体は正しい位置に表示でき、画素データの要・不要を判断する必要がなく、簡便な制御で、画像の乱れが生じることなく良好な表示品位を確保することができる。
また、データ格納用メモリー26に表示されないデータを貯めていく必要が無いので、例えば本実施形態の表示装置の対応する映像フォーマットが、解像度:2560×1440{3080×1575}のものが最大であれば、2560×1440個(有効画素分、帰線時間除く)の容量があればよく、回路規模が小さくできるため表示装置自体を小さくできるという効果も有する。
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。例えば上記実施形態で、ガルバノスキャナー5による走査周波数を大きくした際に、光源2R,2G,2Bから射出される光のビーム径を拡大し、走査周波数を小さくした場合はビーム径を小さくする、ズームレンズ等のビーム径調整手段をさらに備える構成としても良い。この構成によれば、走査周波数を大きくしても、画素が粗くなることがなく、滑らかな画像を得ることができる。
また、上記実施形態では水平走査用スキャナーがMEMSスキャナー4であり、垂直走査用スキャナーがガルバノスキャナー5である例を示したが、これらのスキャナーに限ることなく、他の種類のスキャナーを用いることもできる。ただし、高速側の水平走査用スキャナーは共振型スキャナーであることが望ましい。また、水平走査用スキャナーが初期位置を左端とする往復走査、垂直走査用スキャナーが初期位置を上端とする片道走査の例を挙げたが、これも適宜変更が可能である。その他、画像表示装置の構成や映像フォーマット等に関する上記の具体的な記載はほんの一例であり、適宜変更が可能である。また、画像表示装置全体としてリアプロジェクションタイプの画像表示装置の例を挙げたが、本発明はフロントプロジェクションタイプの画像表示装置にも適用可能である。さらに、光源からの光を直接スクリーンに照射する画像表示装置の例を挙げたが、一度空中に像を作り投写レンズでその像をスクリーンに照射する画像表示装置や、光源からの光で特開平8−248357号公報に開示されているような光書き込み型のデバイスを制御する画像表示装置などにも適用可能である。
1…画像表示装置、2R,2G,2B…レーザー光源(光源)、4…MEMSスキャナー(水平走査用スキャナー)、5…ガルバノスキャナー(垂直走査用スキャナー)、7…スクリーン、21…制御部(垂直走査用スキャナー制御手段)、22…映像フォーマット検出部、24…ガルバノスキャナー駆動信号生成部、25…メモリー制御部、26…データ格納用メモリー。
Claims (11)
- 光源と、
前記光源から射出される光を水平方向に略一定の周波数で走査する水平走査用スキャナーと、
前記光を垂直方向に略一定の周波数で走査する垂直走査用スキャナーと、
映像信号を画素位置に対応するアドレスに保持するメモリーと、
前記メモリーの、2つの前記スキャナーの走査位置で決まる画素位置に対応したアドレスから映像信号を読み出す手段と、
読み出された前記映像信号にしたがって前記光源の光量を調節する手段と、を備えたことを特徴とする走査型画像表示装置。 - 前記水平走査用スキャナーと、前記垂直走査用スキャナーとを、画像表示中に待機させることなく略一定の周波数で走査させ続けることを特徴とする請求項1に記載の走査型画像表示装置。
- 前記水平走査用スキャナーの走査可能な周波数が、前記映像信号のフォーマットで決まる前記水平走査用スキャナーが走査すべき目標走査周波数よりも大きい場合に、前記垂直走査用スキャナーによる垂直走査を、前記映像信号のフォーマットで決まる垂直走査周波数より大きい周波数にする手段、を備えたことを特徴とする請求項1に記載の走査型画像表示装置。
- 前記水平走査用スキャナーの走査可能な周波数が、前記映像信号のフォーマットで決まる前記水平走査用スキャナーが走査すべき目標走査周波数よりも小さい場合に、前記垂直走査用スキャナーによる垂直走査を、前記映像信号のフォーマットで決まる垂直走査周波数より小さい周波数にする手段、を備えたことを特徴とする請求項1に記載の走査型画像表示装置。
- 前記水平走査用スキャナーの走査可能な周波数をn(n:自然数)、前記映像信号のフォーマットで決まる前記水平走査用スキャナーが走査すべき目標走査周波数をm(m:自然数)としたとき、前記垂直走査用スキャナーによる垂直走査を、前記映像信号のフォーマットで決まる垂直走査周波数のn/m倍にする手段、を備えたことを特徴とする請求項1に記載の走査型画像表示装置。
- 前記メモリーの行、列と、前記映像信号の行、列を一致させて、保持することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の走査型画像表示装置。
- 前記メモリーが、対応する最大の映像フォーマットの1画面分以下の容量を持つことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の走査型画像表示装置。
- 前記メモリー内の前記映像信号を、複数回画像表示に利用することを特徴とする請求項1〜3および請求項5のいずれか一項に記載の走査型画像表示装置。
- 前記メモリー内の前記映像信号が、画像表示に利用されなくても、新しい前記映像信号を上書きして、前記メモリー内に保持することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の走査型画像表示装置。
- 前記垂直走査用スキャナーによる走査周波数に応じて変化させた際に、前記光源から射出される光のビーム径を拡大・縮小することが可能な、ビーム径調整手段を備えたことを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の走査型画像表示装置。
- 少なくとも、前記水平走査用スキャナーが共振型のMEMSスキャナーであることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の走査型画像表示装置。
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2009
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