JP2010197129A - シャシダイナモメータ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】前輪用シャシダイナモメータ2のモータ23と後輪用シャシダイナモメータ3のモータ23の回転速度を制御し、前輪用シャシダイナモメータ2のローラ22の周速度LVFと後輪用シャシダイナモメータ3のローラ22の周速度LVRとの平均速度MVが所定速度未満であるときには、平均速度MVが0から指定平均速度n×TrgΔVまで大きくなるにつれて、周速度LVFと周速度LVRの速度差ΔVが0から漸増し、平均速度MVがn×TrgΔVとなったときに目標速度差TrgΔVとなるようにする。また、平均速度MVが指定平均速度n×TrgΔV以上であるときには、速度差ΔVが目標値TrgΔVを維持するようにする。
【選択図】図4
Description
そして、このような4WDシステムの試験を行う場合には、前輪と後輪とを、停止状態から、所定の速度差をもって回転する状態に遷移させる際に、できるだけ現実の状況に即した態様で当該遷移が行われるように、前輪と後輪との各々の速度を制御する必要がある。
図1に、本実施形態に係るシャシダイナモメータの構成を模式的に示す。
ここで、図1aはシャシダイナモメータの上面模式図を、図1bはシャシダイナモメータの側面模式図を示している。
図示するように、このシャシダイナモメータは、四輪駆動の自動車用のシャシダイナモメータであり、ピット1と、ピット1内に配置された前輪用ダイナモメータ2と、ピット1内に配置された後輪用ダイナモメータ3と、4つのベルト固定装置4と、制御装置5とを備えている。
さて、図2に、前輪用ダイナモメータ2の正面図を模式的に表しているように、前輪用ダイナモメータ2は、ベース21、左右一対の円筒形状のローラ22、ベース21に固定されたモータ23を有している。そして、各ローラ22の中心軸24は、ベース21に固定された二つの支柱25によって回動可能に支持されている。また、左側のローラ22の中心軸24の右端は、左軸トルク計26を介在して、モータ23のモータ軸27の左端に連結し、右側のローラ22の中心軸24の左端は、右軸トルク計28を介在して、モータ23のモータ軸27の右端に連結している。また、モータ23には、モータ軸27のモータ23の回転速度VFを検出し、検出した回転速度VFを制御装置5に出力する回転速度計29が設けられている。
さて、図1に戻り、前輪用ダイナモメータ2と後輪用ダイナモメータ3は各々のローラ22の頂部がピット1上面に設けられた開口から露出するように配置されている。
そして、自動車の試験は、図示するように、ピット1上に自動車を進行させ、左右の前輪を前輪用ダイナモメータ2の左右のローラ22上にそれぞれ位置決めすると共に、左右の後輪を後輪用ダイナモメータ3の左右のローラ22上にそれぞれ位置決めした上で、自動車をピットに対して4つのベルト固定装置4を用いて固定して行う。
前後速度差試験を行う場合、オペレータは、予め試験パラメータとして、前後輪速度差目標値TrgΔV、 前後輪速度差安定時前後輪平均速度指定値nを制御装置に設定する。
そして、自動車を、運転者または自動運転により、所望の速度推移で運転する。
一方、制御装置の目標値設定部51は、設定された試験パラメータを用いて前後速度差制御処理を行い、前輪用ダイナモメータ2のモータ23の回転速度の制御値CNTVFと、後輪用ダイナモメータ3のモータ23の回転速度の制御値CNTVRを出力する。この前後速度差制御処理の詳細については後述する。
図3に、この前後速度差制御処理の手順を示す。
図示するように、この処理では、以下の処理を、テスト終了がオペレータから指示されるまで(ステップ310)、繰り返し行う。
すなわち、まず、前輪用ダイナモメータ2の回転速度計29が検出した回転速度VFと後輪用ダイナモメータ2の回転速度計29が検出した回転速度VRとから、自動車の前輪と後輪の周速度の平均速度MVを、各ローラ22の直径をRとして、
MV= (VF - VR)×R×π
によって算出する(ステップ302)。
そして、V が n×TrgΔV以下であれば、
速度差制御値CNTΔVを、
CNTΔV= (TrgΔV/2)×[MV/(n×TrgΔV)]により設定する(ステップ306)。
CNTΔV = TrgΔV/2
により設定する(ステップ312)。
そして、前輪の回転速度の制御値CNTVFと、後輪の回転速度の制御値CNTVRを、
CNTVF = {(MV) + (CNTΔV)}/(R×π)
CNTVR = {(MV) - (CNTΔV)}/(R×π)
によって算出し出力する(ステップ308)。
このような前後速度差制御処理によれば、前輪用ダイナモメータ2のローラ22の周速度すなわち自動車の前輪の周速度LVFと、後輪用ダイナモメータ3のローラ22の周速度すなわち自動車の後輪の周速度LVRと、周速度LVFと周速度LVRとの速度差ΔVは、周速度LVFと周速度LVRとの平均速度MVと、ユーザから設定された試験パラメータ(前後輪速度差目標値TrgΔV、 前後輪速度差安定時前後輪平均速度指定値n)に従って、以下のように制御されることになる。
このような制御の結果、たとえば、図4bに示すように、自動車の前輪の周速度LVFと自動車の後輪の周速度LVRとの平均速度MVが時間tと共に推移した場合には、自動車の前輪の周速度LVFと、自動車の後輪の周速度LVと、周速度LVFと周速度LVRとの速度差ΔVは、図4b、cに示すように変化する。なお、図4bに周速度LVFと周速度LVRの時間変化を、図4cに速度差ΔVの時間変化を表したものである。
次に、平均速度MVがVb(但し、Vb<n×TrgΔV)まで漸減する期間、T3については、平均速度MVがn×TrgΔVに到るまでは、周速度LVFと周速度LVRとは同じ加速度で減少し、速度差ΔVをTrgΔVに維持する。一方、平均速度MVがn×TrgΔV以下となると、周速度LVFと周速度LVRとが異なる加速度で減少し、これにより速度差ΔVも速度差TrgΔVから漸減していく。
なお、オペレータは、試験パラメータ(前後輪速度差目標値TrgΔV、 前後輪速度差安定時前後輪平均速度指定値n)を任意に設定することができ、後輪速度差安定時前後輪平均速度指定値nによって、速度差ΔVを安定させる最小の平均速度MVを、前後輪速度差目標値TrgΔVによって、速度差ΔVを安定させる値を、適宜、所望の値に設定することができる。
Claims (3)
- 自動四輪車用のシャシダイナモメータであって、
自動四輪車の前輪が載置される前輪用ローラと当該前輪用ローラと連結した前輪用モータとを有する前輪用ダイナモメータと、
前記自動四輪車の後輪が載置される後輪用ローラと当該後輪用ローラと連結した後輪用モータとを有する後輪用ダイナモメータと、
前記前輪用ローラの回転速度を検出する前輪用回転計と、
前記後輪用ローラの回転速度を検出する後輪用回転計と、
前記前輪用回転計が検出した回転速度と、前記後輪用回転計が検出した回転速度と、設定された指定平均速度と、設定された目標速度差とに応じて、前記前輪用モータと前記後輪用モータとを制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記前輪用回転計が検出した回転速度と前記後輪用回転計が検出した回転速度とより求まる前記前輪と後輪の周速度の平均速度が、前記指定平均速度以下である場合に、前記平均速度が零のとき零となり、前記平均速度が大きいほど大きくなり、前記平均速度が前記指定平均速度と一致したときに前記目標速度差と一致するように定まる速度差制御値に、前記前輪用ローラの周速度と前記後輪用ローラの周速度との速度差が等しくなるように、前記前輪用モータと前記後輪用モータとを制御することを特徴とするシャシダイナモメータ。
- 請求項1記載のシャシダイナモメータであって、
前記制御手段は、前記平均速度が前記指定平均速度を超える場合には、前記速度差が、前記目標速度差を維持するように、前記前輪用モータと前記後輪用モータとを制御することを特徴とするシャシダイナモメータ。
- 請求項1または2記載のシャシダイナモメータであって、
前記指定平均速度は、前記目標速度差の1/2を超える値であり、前記速度差制御値は、前記平均速度を前記指定平均速度で除算した値に、前記目標速度差を乗算した値として定まることを特徴とするシャシダイナモメータ。
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