JP2007248095A - 自動四輪車用のシャシーダイナモメータの制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】速度同期制御部522は、前輪用ダイナモメータ2の回転速度計27が出力する回転速度VFと後輪用ダイナモメータ3の回転速度計27が出力する回転速度VRとの速度差が0となるようにモータ22の発生トルクまたは回転速度を調整する速度差調整信号を生成する。加速度同期制御部526は、回転速度VFとVRとの角加速度差にダイナモメータの回転慣性質量を乗じたトルク分、モータ22の発生トルクを調整する角加速度差調整信号を生成する。そして、速度差調整信号を角加速度差調整信号とを調整信号加算器527で加算した速度同期信号で、走行抵抗トルク制御ブロック51が算出した前輪用ダイナモメータ2のモータ22と後輪用ダイナモメータ3のモータ22の制御パラメータ値を、両モータの回転が同期するように補正する。
【選択図】図3
Description
一方、前述した目標抵抗のみにのみ着目した制御では、前輪用のローラと後輪用のローラを厳密に同角速度、同角加速度で回転させることは困難である。
そこで、本発明は、自動四輪車用のシャシーダイナモメータにおいて、前輪用のローラと後輪用のローラを、より精度よく同角速度で同期して回転させることを課題とする。
すなわち、本発明は、さらに、自動四輪車の前輪が載置される前輪用ローラと当該前輪用ローラと連結した前輪用モータと前記前輪用ローラと前記前輪間に作用する力を計測する前輪用測定装置と前記前輪用ローラの回転速度を計測する前輪用回転速度計測装置と、前記自動四輪車の後輪が載置される後輪用ローラと当該後輪用ローラと連結した後輪用モータと前記後輪用ローラと前記後輪間に作用する力を計測する後輪用測定装置と前記後輪用ローラの回転速度を計測する後輪用回転速度計測装置を備えた自動四輪車用のシャシーダイナモメータの制御装置を、前記前輪用測定装置の測定値と前記後輪用測定装置の測定値を、所定の目標値とするための、前記前輪用モータと前記後輪用モータ各々の制御量を作用力制御用制御量として算出する作用力制御手段と、前記前輪用モータと前記後輪用モータとの回転を同期させるための前記前輪用モータと前記後輪用モータ各々の制御量を回転同期用制御量を算出する回転同期手段と、前記作用力制御手段が前記前輪用モータについて算出した作用力制御用制御量と前記回転同期手段が前記前輪用モータについて算出した回転同期用制御量とを加算した制御量で、前記前輪用モータを制御する前輪用モータ制御手段と、前記作用力制御手段が前記後輪用モータについて算出した作用力制御用制御量と前記回転同期手段が前記後輪用モータについて算出した回転同期用制御量とを加算した制御量で、前記後輪用モータを制御する後輪用モータ制御手段とを含めて構成したものである。ただし、前記回転同期手段は、前記前輪用回転速度計測装置が計測した前記前輪用ローラの回転速度と前記後輪用回転速度計測装置が計測した前記後輪用ローラの回転速度との差分を減少させる方向に、前記前輪用モータと前記後輪用モータ各々の発生トルクを変化させるための、前記前輪用モータと前記後輪用モータ各々の制御量を第1制御量として求める第1制御量算出手段と、前記前輪用回転速度計測装置が計測した前記前輪用ローラの回転速度より求まる当該前輪用ローラの角加速度と、前記後輪用回転速度計測装置が計測した前記後輪用ローラの回転速度より求まる当該後輪用ローラの角加速度との差分を減少させる方向に、前記前輪用モータと前記後輪用モータ各々の発生トルクを変化させるための、前記前輪用モータと前記後輪用モータ各々の制御量を第2制御量算出手段と、前記前輪用モータと前記後輪用モータ各々について、求めた前記第1制御量と前記第2制御量とを加算して前記回転同期用制御量を算出する回転同期用制御量算出手段とを備えたものである。
図1に、本実施形態に係るシャシーダイナモメータの構成を模式的に示す。
ここで、図1aはシャシーダイナモメータの上面模式図を、図1bはシャシーダイナモメータの側面模式図を示している。
図示するように、このシャシーダイナモメータは、自動四輪車用のシャシーダイナモメータであり、ピット1と、ピット1内に配置された前輪用ダイナモメータ2と、ピット1内に配置された後輪用ダイナモメータ3と、4つのベルト固定装置4、制御装置5とを備えている。
図2に、前輪用ダイナモメータ2を例にとり、前輪用ダイナモメータ2と後輪用ダイナモメータ3の構成を示す。
図中、aは前輪用ダイナモメータ2の正面図、bはシャシーダイナモメータの右側面図、cはシャシーダイナモメータの上面図を表している。ただし、図中bの右側面図ではローラ(波線で示す)透視した形態を示している。
図示するように、前輪用ダイナモメータ2は、ベース21、ベース21に設けた油圧浮揚機構によって、ベース21に揺動可能に支持されたモータ22、モータ22の左右においてモータ22のシャフト24に連結した二つのローラ23、モータ22に固定されたアーム25、アーム25に連結されたトルク検出器26、ローラ23の回転速度を計測する回転速度計27とを備えている。ここで、トルク検出器26としてはロードセルを用いることができる。または、トルク検出器26に代えて、ローラ23とモータのシャフト24間に働くトルクを計測する軸トルク計を用いるようにしてもよい。
さて、図1に戻り、前輪用ダイナモメータ2と後輪用ダイナモメータ3はローラ23の頂部がピット1上面に設けられた開口から露出するように配置されている。
そして、自動車の試験は、図示するように、ピット1上に自動車を進行させ、前輪を前輪用ダイナモメータ2のローラ23上に位置決めすると共に、後輪を後輪用ダイナモメータ3のローラ23上に位置決めした上で、自動車をピット1に対して4つのベルト固定装置4を用いて固定して行う。
次に、制御装置5の詳細について説明する。
以下、図示するように、前輪用ダイナモメータ2の回転速度計27の出力する回転速度をVF、前輪用ダイナモメータ2のトルク検出器26の出力する荷重をTQF、後輪用ダイナモメータ3の回転速度計27の出力する回転速度をVR、後輪用ダイナモメータ3のトルク検出器26の出力する荷重をTQRとして、制御装置5の構成、動作を説明する。
一方、速度同期制御ブロック52において、速度加算器521は、前輪用ダイナモメータ2の回転速度計27が出力する回転速度VFから、後輪用ダイナモメータ3の回転速度計27が出力する回転速度VRを減じて求まる速度差を表す速度差信号を速度同期制御部522に出力し、速度同期制御部522は、速度差信号が表す速度差が0となるようにモータ22の発生トルクまたは回転速度を調整するための、モータ22の制御パラメータの調整量を表す速度差調整信号を生成する。
次に、前輪モータ用加算器53は、抵抗トルク制御ブロック51から出力されたトルク制御信号と速度同期制御ブロック52から出力される速度同期信号とを加算し、前モータ電力変換部54に前モータ制御信号として出力する。そして、前モータ電力変換部54は、前輪用ダイナモメータ2のモータ22に、前モータ制御信号が表す制御パラメータに従った電力を供給し駆動する。
このように本実施形態によれば、前輪と前輪用のローラ23との間や後輪と後輪用のローラ23との間で作用する力を、試験車両に加えるべき走行抵抗によって規定される値とするための制御量に、前輪用のローラ23と後輪用のローラ23の角加速度の差分にダイナモメータの回転慣性質量を乗じた制御量を加えた制御量で前輪用のローラ23と後輪用のローラ23の回転を制御する。したがって、自動四輪車の車輪と前輪用のローラ23との間で作用する力と、自動四輪車の車輪と後輪用のローラ23との間で作用する力に差が生じて、前輪用のローラ23と後輪用のローラ23の角加速度に差異が生じたときに、前輪用のローラ23と後輪用のローラ23の角加速度の差分にダイナモメータの回転慣性質量を乗じて当該力の差異の大きさを求めると共に、求めた当該力の差異に応じた大きさの、生じた角加速度の差異を解消する方向の制御量を、前輪用のローラ23と後輪用のローラ23の回転の制御量に加えることにより、当該力の差異の、前輪用のローラ23と後輪用のローラ23の回転に対する影響を直ちに打ち消すことができる。したがって、当該力の差異による影響によって、前輪用のローラ23と後輪用のローラ23に、回転速度の差が生じてしまうことを抑止することができる。
Claims (4)
- 自動四輪車の前輪が載置される前輪用ローラと当該前輪用ローラと連結した前輪用モータと前記前輪用ローラと前記前輪間に作用する力を計測する前輪用測定装置と前記前輪用ローラの回転速度を計測する前輪用回転速度計測装置と、前記自動四輪車の後輪が載置される後輪用ローラと当該後輪用ローラと連結した後輪用モータと前記後輪用ローラと前記後輪間に作用する力を計測する後輪用測定装置と前記後輪用ローラの回転速度を計測する後輪用回転速度計測装置を備えた自動四輪車用のシャシーダイナモメータの制御装置であって、
前記前輪用測定装置の測定値と前記後輪用測定装置の測定値を、所定の目標値とするための、前記前輪用モータと前記後輪用モータ各々の制御量を作用力制御用制御量として算出する作用力制御手段と、
前記前輪用回転速度計測装置が計測した前記前輪用ローラの回転速度より求まる当該前輪用ローラの角加速度と、前記後輪用回転速度計測装置が計測した前記後輪用ローラの回転速度より求まる当該後輪用ローラの角加速度との差分を解消するための前記前輪用モータと前記後輪用モータ各々の制御量を回転同期用制御量として算出する回転同期手段と、
前記作用力制御手段が前記前輪用モータについて算出した作用力制御用制御量と前記回転同期手段が前記前輪用モータについて算出した回転同期用制御量とを加算した制御量で、前記前輪用モータを制御する前輪用モータ制御手段と、
前記作用力制御手段が前記後輪用モータについて算出した作用力制御用制御量と前記回転同期手段が前記後輪用モータについて算出した回転同期用制御量とを加算した制御量で、前記後輪用モータを制御する後輪用モータ制御手段とを有することを特徴とするシャシーダイナモメータの制御装置。
- 自動四輪車の前輪が載置される前輪用ローラと当該前輪用ローラと連結した前輪用モータと前記前輪用ローラと前記前輪間に作用する力を計測する前輪用測定装置と前記前輪用ローラの回転速度を計測する前輪用回転速度計測装置と、前記自動四輪車の後輪が載置される後輪用ローラと当該後輪用ローラと連結した後輪用モータと前記後輪用ローラと前記後輪間に作用する力を計測する後輪用測定装置と前記後輪用ローラの回転速度を計測する後輪用回転速度計測装置を備えた自動四輪車用のシャシーダイナモメータの制御装置であって、
前記前輪用測定装置の測定値と前記後輪用測定装置の測定値を、所定の目標値とするための、前記前輪用モータと前記後輪用モータ各々の制御量を作用力制御用制御量として算出する作用力制御手段と、
前記前輪用回転速度計測装置が計測した前記前輪用ローラの回転速度と前記後輪用回転速度計測装置が計測した前記後輪用ローラの回転速度との差分を零とするための前記前輪用モータと前記後輪用モータ各々の制御量を回転同期用制御量として算出する回転同期手段と、
前記作用力制御手段が前記前輪用モータについて算出した作用力制御用制御量と前記回転同期手段が前記前輪用モータについて算出した回転同期用制御量とを加算した制御量で、前記前輪用モータを制御する前輪用モータ制御手段と、
前記作用力制御手段が前記後輪用モータについて算出した作用力制御用制御量と前記回転同期手段が前記後輪用モータについて算出した回転同期用制御量とを加算した制御量で、前記後輪用モータを制御する後輪用モータ制御手段とを有することを特徴とするシャシーダイナモメータの制御装置。
- 自動四輪車の前輪が載置される前輪用ローラと当該前輪用ローラと連結した前輪用モータと前記前輪用ローラと前記前輪間に作用する力を計測する前輪用測定装置と前記前輪用ローラの回転速度を計測する前輪用回転速度計測装置と、前記自動四輪車の後輪が載置される後輪用ローラと当該後輪用ローラと連結した後輪用モータと前記後輪用ローラと前記後輪間に作用する力を計測する後輪用測定装置と前記後輪用ローラの回転速度を計測する後輪用回転速度計測装置を備えた自動四輪車用のシャシーダイナモメータの制御装置であって、
前記前輪用測定装置の測定値と前記後輪用測定装置の測定値を、所定の目標値とするための、前記前輪用モータと前記後輪用モータ各々の制御量を作用力制御用制御量として算出する作用力制御手段と、
前記前輪用モータと前記後輪用モータとの回転を同期させるための前記前輪用モータと前記後輪用モータ各々の制御量を回転同期用制御量を算出する回転同期手段と、
前記作用力制御手段が前記前輪用モータについて算出した作用力制御用制御量と前記回転同期手段が前記前輪用モータについて算出した回転同期用制御量とを加算した制御量で、前記前輪用モータを制御する前輪用モータ制御手段と、
前記作用力制御手段が前記後輪用モータについて算出した作用力制御用制御量と前記回転同期手段が前記後輪用モータについて算出した回転同期用制御量とを加算した制御量で、前記後輪用モータを制御する後輪用モータ制御手段とを有し、
前記回転同期手段は、
前記前輪用回転速度計測装置が計測した前記前輪用ローラの回転速度と前記後輪用回転速度計測装置が計測した前記後輪用ローラの回転速度との差分を減少させる方向に、前記前輪用モータと前記後輪用モータ各々の発生トルクを変化させるための、前記前輪用モータと前記後輪用モータ各々の制御量を第1制御量として求める第1制御量算出手段と、
前記前輪用回転速度計測装置が計測した前記前輪用ローラの回転速度より求まる当該前輪用ローラの角加速度と、前記後輪用回転速度計測装置が計測した前記後輪用ローラの回転速度より求まる当該後輪用ローラの角加速度との差分を減少させる方向に、前記前輪用モータと前記後輪用モータ各々の発生トルクを変化させるための、前記前輪用モータと前記後輪用モータ各々の制御量を第2制御量算出手段と、
前記前輪用モータと前記後輪用モータ各々について、求めた前記第1制御量と前記第2制御量とを加算して前記回転同期用制御量を算出する回転同期用制御量算出手段とを有することを特徴とするシャシーダイナモメータの制御装置。
- 請求項3記載のシャシーダイナモメータの制御装置であって、
前記第1制御量算出手段は、前記前輪用モータの第1制御量と前記後輪用モータの第1制御量として、前記前輪用回転速度計測装置が計測した前記前輪用ローラの回転速度と前記後輪用回転速度計測装置が計測した前記後輪用ローラの回転速度との差分に応じた大きさの、相互に正負が逆の二つの制御量を算出し、
前記第2制御量算出手段は、前記前輪用モータの第2制御量と前記後輪用モータの第2制御量として、前記前輪用回転速度計測装置が計測した前記前輪用ローラの回転速度より求まる当該前輪用ローラの角加速度と、前記後輪用回転速度計測装置が計測した前記後輪用ローラの回転速度より求まる当該後輪用ローラの角加速度との差分に応じた大きさの、相互に正負が逆の二つの制御量を算出することを特徴とするシャシーダイナモメータの制御装置。
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