JP2010196853A - 防振装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】内筒及び外筒と、これらの間に設けられて両者を連結するゴム弾性体とを有する防振装置において、簡単な構造で、外筒の歪みを抑えつつ共振振幅を抑える。
【解決手段】内筒3と、当該内筒3の周囲に設けられる外筒5と、これら内筒3及び外筒5の間に設けられて両者を連結するゴム弾性体7と、を備えたトルクロッド1である。外筒5の外周面に配設されているウエイト9をさらに備えている。ウエイト9は、外筒5の周壁の厚さよりも薄い板厚を有し、当該外筒5に溶接によって接合されているプレート部19と、当該プレート部19のカシメ部19cによりかしめ固定されているウエイト本体部29と、を有している。
【選択図】図1

Description

本発明は、振動体と支持体とを弾性的に連結する防振装置に関し、特に、共振振幅を抑えるための質量体を備える防振装置に関するものである。
従来から、内筒及び外筒と、これらの間に設けられて両者を連結するゴム弾性体とを有し、例えば、エンジンや変速機(パワープラント)と車体とを弾性的に連結する、エンジンマウントやトルクロッド等として用いられる防振装置が知られている。この種の防振装置は、内筒を車体側及びパワープラント側のいずれか一方に固定するとともに、外筒を他方に固定することで、当該パワープラントからの振動を吸収し或いは減衰させて、車体への伝達を抑制するために用いられる。
また、この種の防振装置にマス部材(質量体)を取り付けて、当該防振装置の共振振幅を抑えることも知られている。例えば、特許文献1には、第1内筒と第1外筒とこれらの間に介設される第1防振基体(ゴム弾性材)とを備え、エンジン側に取り付けられる第1ブッシュと、第2内筒と第2外筒とこれらの間に介設される第2防振基体(ゴム弾性材)とを備え、車体側に取り付けられる第2ブッシュと、第1及び第2ブッシュを連結する連結部材とを備えたトルクロッドにおいて、第2ブッシュの外周面から外方へ向けて張り出すフランジ部を厚み方向に貫通して形成される貫通孔に、マス部材を圧入固定したものが開示されている。
特開2008−95821号公報
ところで、上記特許文献1のものでは、フランジ部に形成された貫通孔に質量体を圧入固定することから工数が増大するとともに、質量体を外筒に取り付けるのではなくフランジ部に取り付けることから、質量体の取付位置が振動の発生源から遠くなり、共振振幅の抑制効果が小さくなるおそれがある。
そこで、構造の簡略化を図りつつ質量体の取付位置を振動の発生源に近づけるために、質量体を外筒に直接溶接することが考えられるが、壁厚の薄い外筒の外周面に厚い質量体を溶接によって取り付けると、質量体の引付力によって外筒が変形することにより、シビアな寸法精度が要求されるゴム弾性体が変形してそのばね特性に悪影響を与えるという問題や、内筒とゴム弾性体とからなる防振基体を外筒に圧入するタイプのものでは、その圧入が困難になるという問題がある。
ここで、「引付力」とは、例えば、板厚及び形状の異なるプレート同士を組み付けたときに、薄肉のプレートを厚肉のプレートに引き付けるように作用する力を指し、特に、板厚及び形状の異なるプレートを溶接する場合には、厚肉のプレート側では溶接材の溶け込みが浅く、熱容量の小さい薄肉のプレート側では溶接材の溶け込みが深くなることにより、あたかも薄肉プレートを厚肉プレートに溶着させるように作用する力を指す。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、内筒及び外筒と、これらの間に設けられて両者を連結するゴム弾性体とを有する防振装置において、簡単な構造で、外筒の歪みを抑制しつつ共振振幅を抑えることができる技術を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明では、外筒の外周面に溶接される質量体を、外筒の周壁の厚さ以下の板厚を有する薄肉のプレート部と、厚肉の質量体本体に分けて、当該薄肉のプレート部に歪みを集中させ易くしている。
第1の発明は、内筒と、当該内筒の周囲に設けられる外筒と、これら内筒及び外筒の間に設けられて両者を連結するゴム弾性体と、を備えた防振装置であって、上記外筒の外周面に配設されている質量体をさらに備えており、上記質量体は、上記外筒の周壁の厚さ以下の板厚を有し、当該外筒に溶接によって接合されているプレート部と、当該プレート部によりかしめ固定されている質量体本体と、を有していることを特徴とするものである。
第1の発明では、外筒の外周面に配設される質量体を、外筒の周壁の厚さ以下の薄肉のプレート部と、十分な厚さを有する質量体本体とに分け、当該プレート部を外筒の外周面に溶接によって接合しているので、あたかも薄肉部材を厚肉部材に溶着させるように作用する引付力は、外筒ではなく当該プレート部を歪ませるように働き易くなる。このように、歪みをプレート部に集中し易くすることによって、外筒の歪みが抑えられるので、ゴム弾性体の変形によるそのばね特性への悪影響を抑えることができ、また、外筒の形状が維持されるので、内筒とゴム弾性体とからなる防振基体を外筒へ圧入するタイプのものにおいても、防振基体の圧入を容易に行うことができる。
また、質量体本体はプレート部によりかしめ固定されているので、ボルト締結等を行う必要がなく、構造が簡単になる。
さらに、外筒の外周面に直接溶接されるプレート部を介して厚板の質量体本体を外筒に取り付けるので、振動の発生源に極めて近い部分に十分な重さを有する質量体が配置されることになる。したがって、簡単な構造で、質量体による共振振幅の抑制効果を如何なく発揮させることができる。
なお、「両者(内筒及び外筒)を連結するゴム弾性体」とは、外筒と直接連結されているもののみならず、例えば、樹脂外筒体や金属製外筒体等を介して外筒と連結されているものも含む。
第2の発明は、上記第1の発明において、上記プレート部は、筒軸方向から見て上記外筒の略周方向に延びており、その両端部で当該外筒の外周面に溶接されているとともに、当該両端部以外の部位で上記質量体本体をかしめていることを特徴とするものである。
第2の発明では、プレート部の両端部には歪みが集中し易くなるが、質量体本体はこれら両端部以外の部位でかしめ固定されているので、当該部位には、プレート部の歪みによる影響が生じ難い。これにより、質量体本体をかしめている部位における隙間や緩み等の発生が抑えられるので、質量体本体を強固に固定することができる。
第3の発明は、上記第2の発明において、上記プレート部は、上記両端部以外の部位が上記外筒の外周面と間隔をあけた状態で当該外筒の外周面に取り付けられていることを特徴とするものである。
第3の発明では、プレート部は、溶接部(両端部)以外の部位が外筒の外周面と間隔をあけて配置されているので、防振装置が振動した場合にも、プレート部の両端部以外の部位と外筒とは接触し難い。これにより、プレート部と外筒とが接触と離間とを繰り返すことにより生じるビビリ音の発生を抑制することができる。
第4の発明は、上記第1〜第3のいずれか1つの発明において、上記質量体本体には凹部が形成されており、上記プレート部は、上記質量体を巻き込むようにかしめるカシメ部を有しており、上記カシメ部の先端部が上記凹部に収容されていることを特徴とするものである。
第4の発明では、質量体本体は、カシメ部によって巻き込まれるようにかしめられているので、巻き込み方向には移動し難い。また、カシメ部の先端は、質量体本体に形成された凹部に収容されているので、質量体本体が巻き込み軸方向に移動しようとすると、カシメ部の先端部における巻き込み軸方向両端部が、質量体本体の凹部を区画する壁面に当接する。このように、質量体本体は、巻き込み方向及び巻き込み軸方向に移動し難くなっているので、プレート部に対してより一層強固に固定される。
本発明に係る防振装置によれば、質量体を、質量体本体と外筒の周壁の厚さ以下の薄肉のプレート部とに分け、当該プレート部を溶接によって外筒の外周面に接合しているので、引付力による歪みがプレート部に集中し易くなり、外筒の歪みが抑えられる。また、質量体本体をプレート部によってかしめ固定することで外筒に取り付けるので、振動の発生源に極めて近い部分に十分な重さを有する質量体が配置されることになる。したがって、簡単な構造で、外筒の歪みを抑えつつ防振装置の共振振幅を抑えることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本実施形態に係るトルクロッドの斜視図であり、図2は、トルクロッドの上面図であり、図3は、トルクロッドの側面図であり、図4は、トルクロッドの変速機及び車体への取付状態を示す平面図である。なお、図4に示すように、トルクロッド(防振装置)1は、その前端(外筒5の設けられている側の端)が車両前後方向後側を向き且つその上面が車両上下方向上側を向いた状態で変速機40(パワープラント側)及び車体フレーム6(車体側)に取り付けられているが、以下、トルクロッド1を基準に、具体的には、外筒5の設けられている側を前後方向前側とし、外筒5の筒軸方向を上下方向として説明する。
トルクロッド1は、車体フレーム6に取り付けられる内筒3と、当該内筒3の周囲に設けられる外筒5と、これら内筒3及び外筒5の間に設けられて両者を連結するゴム弾性体7と、ミッションブラケット8を介して当該外筒5と変速機40とを連結するブラケット2と、当該外筒5の外周面に配設されているウエイト(質量体)9と、を備えていて、変速機40からの振動の車体への伝達を低減する。
外筒5は、板金を加工することにより上記ブラケット2と一体形成されており、上面視で前端部に左右方向に延びる直線壁部5aを有する略円筒状をなしている。ブラケット2は、底壁部2aと側壁部2bとを有しており、外筒5は当該底壁部2aから膨出するように上方に延びている。
ブラケット2の底壁部2aは、上面視で後端に左右方向に延びる直線部を有する略円形の前側底壁部2cと、当該前側底壁部2cの後端から後方に行くほど下方に傾斜し、上面視で略台形状をなす後側底壁部2dとを有している。
ブラケット2の側壁部2bは、前側底壁部2cの周縁部及び後側底壁部2dの側縁部から上方に延びている。この側壁部2bは後方ほど高くなるように形成されており、側壁部2bの上端部は剛性を高めるために外方に折り曲げられている。側壁部2bの左右両側の後端部2e,2fは後側底壁部2dの後端よりもさらに後方に延びて左右方向に対向している。ブラケット2は、図4に示すように、当該左右両側の後端部2e,2fの間にミッションブラケット8を挟み込み、右側の後端部2fに設けられたナット2gにボルト(図示せず)を螺合させることで、変速機40側に固定される。
上記内筒3は、上面視略三角形状の柱状体に形成されていて、その中央に上下方向に延びる取付孔3aが貫通形成されている。この内筒3は、当該取付孔3aに挿通されたボルト16を車体フレーム6に締結することにより、車体側に固定される。なお、図中の符合3b,3bは、内筒3の軽量化を図るための肉抜き穴を示す。
上記ゴム弾性体7は、上面視でハ字状に拡開するように形成された一対の脚部7a,7bと、ストッパ部7cと、上面視で前端部に左右方向に延びる直線部7eを有する円環状に形成され、これら一対の脚部7a,7b及びストッパ部7cを連結する連結部7dとを有している。一対の脚部7a,7bは、連結部7dの直線部7eの両端から軸心に向かって延び、それぞれ略三角柱状の内筒3の二面に加硫接着されている。ストッパ部7cは、内筒3が変位した際、当該内筒3の残りの一面と当接するように配設されている。
また、ゴム弾性体7(連結部7d)の外周面には、樹脂製外筒体4が一体に射出成形されている。これにより、ゴム弾性体7は、樹脂の射出成形圧で筒軸直交方向に予備圧縮されて、耐久性が向上している。そして、内筒3とゴム弾性体7と樹脂製外筒体4とからなる防振基体を、外筒5の直線壁部5aと連結部7dの直線部7eとを揃えて当該外筒5に圧入して、接着剤(図示せず)を介して外筒5の内周面に接着することにより、内筒3と外筒5とがゴム弾性体7によって連結されている。
上記ウエイト9は、外筒5の外周面に溶接によって接合されているプレート部19と、当該プレート部19によりかしめ固定されているウエイト本体部(質量体本体)29と、を有しており、トルクロッド1の共振振幅を抑えるようになっている。
プレート部19は、外筒5の周壁の厚さT1よりも薄い板厚t1を有していて、上面視で(筒軸方向から見て)外筒5の略周方向に延びており、その両端部19d,19dで当該外筒5の外周面に溶接されている。より詳しくは、プレート部19は、板金製の略T字状のプレートを曲げ加工したものであり、左右方向に延びて外筒5の直線壁部5aと当接する長方形板状のプレート本体部19aと、当該プレート本体部19aの左右両端部から各々前後方向後側に延びるプレート脚部19b,19bと、当該プレート本体部19aの中央部に設けられ、底壁部19eと側壁部19fと頂壁部19gと先端部19hとからなり、ウエイト本体部29を巻き込むようにかしめるカシメ部19cとを有しており、各プレート脚部19b,19bの後端部(プレート部19の両端部)19d,19dは、その上下方向の全幅に亘って、外筒5の外周面にマグ溶接により接合されている。なお、溶接方法はマグ溶接に限らず、アークスポット溶接等を採用してもよい。
このように、外筒5の周壁の厚さT1よりも薄いプレート部19を、当該外筒5の外周面に溶接することで、厚肉の外筒5側では溶接材の溶け込みが浅くなるとともに、薄肉のプレート部19側では溶接材の溶け込みが深くなる。このため、あたかもプレート部19を外筒5に溶着させるように引付力が作用するので、当該プレート部19に歪みが誘発され、外筒5には歪みが生じ難くなる。
ウエイト本体部29は、鋳鉄製であり、左右方向に延びる略直方体状をなしていて、その上面に開口する凹部29aが形成されている。このウエイト本体部29は、プレート部19の両端部19d,19d以外の部位で、より具体的には、プレート本体部19aの左右方向中央部で、カシメ部19cによりかしめ固定されている。換言すると、カシメ部19cは、ウエイト本体部29の凹部29aの左右方向における幅と略同じ幅を有していて、プレート本体部19aから前方に延びる底壁部19eがウエイト本体部29の下面に、底壁部19eの前端から上方に延びる側壁部19fがウエイト本体部29の前面に、側壁部19fの上端から後方に延びる頂壁部19gがウエイト本体部29の上面にそれぞれ接触した状態で、ウエイト本体部29を巻き込むようにかしめている。頂壁部19gの後端から下方に延びるカシメ部19cの先端部19hは、ウエイト本体部29の凹部29aに収容されて、当該凹部29aを区画する前側の壁面に接触している。
このように、ウエイト本体部29は、カシメ部19cによってかしめられているので、巻き込み方向(上下方向及び前後方向)への移動が規制されている。また、凹部29aと略同じ幅を有するカシメ部19cの先端部19hが、凹部29aに収容されているので、ウエイト本体部29が左右方向へ移動しそうになると、カシメ部19cの先端部19hにおける左右両端が、凹部29aを区画する左右の壁面29b,29cに当接する。このように、ウエイト本体部29は巻き込み軸方向(左右方向)への移動も規制されている。
なお、上述の如く、薄肉のプレート部19に歪みが誘発されるが、曲げ加工されたカシメ部19cにより、プレート部19全体の剛性が高まり外筒5側が歪むことも考えられるので、プレート部19を外筒5の外周面に溶接した後に、カシメ部19cを折り曲げてウエイト本体部29をかしめ固定するのが望ましい。
−効果−
本実施形態によれば、外筒5の外周面に配設されるウエイト9を、外筒5の周壁の厚さT1よりも薄い板厚t1を有する薄肉のプレート部19と、十分な厚さを有するウエイト本体部29とに分け、当該プレート部19の両端部19d,19dを外筒5の外周面に溶接によって接合しているので、あたかも薄肉部材を厚肉部材に溶着させるように作用する引付力は、外筒5ではなく当該プレート部19を歪ませるように働く。このように、プレート部19に歪みを集中させることによって、外筒5の歪みが抑えられるので、ゴム弾性体7の変形によるそのばね特性への悪影響を抑えるとともに、外筒5の形状が維持されるので、内筒3とゴム弾性体7と樹脂製外筒体4とからなる防振基体の外筒5への圧入を容易に行うことができる。
また、このように外筒5の外周面に直接溶接されるプレート部19によってウエイト本体部29をかしめ固定することにより、当該ウエイト本体部29がプレート部19を介して外筒5に取り付けられるので、振動の発生源に極めて近い部分に十分な重さを有するウエイト9が配置されることになる。したがって、簡単な構造で、ウエイト9による共振振幅の抑制効果を如何なく発揮させることができる。
さらに、外筒5の外周面に溶接されるプレート部19の両端部19d,19dには歪みが集中し易くなるが、ウエイト本体部29はプレート本体部19aの左右方向中央部で、カシメ部19cによりかしめられているので、当該カシメ部19cには、プレート部19の歪みによる影響が生じ難い。これにより、カシメ部19cにおける隙間や緩み等の発生が抑えられるので、ウエイト本体部29を強固に固定することができる。
また、ウエイト本体部29は、カシメ部19cによって巻き込まれるようにかしめられているので、上下方向及び前後方向には移動し難い。また、カシメ部19cの先端19hは、ウエイト本体部29に形成された凹部29aに収容されているので、ウエイト本体部29が左右方向に移動しようとすると、カシメ部19cの先端部19hにおける巻き込み軸方向両端部が、ウエイト本体部29の凹部29aを区画する壁面29b,29cに当接する。このように、ウエイト本体部29は、上下方向、前後方向及び左右方向に移動し難くなっているので、プレート部19に対して一層強固に固定される。
(実施形態2)
本実施形態は、上記各実施形態とは異なり、防振装置をエンジンマウント11として用いるものである。以下、上記各実施形態と異なる点について説明する。
図5は、本実施形態に係るエンジンマウントの斜視図であり、図6は、エンジンマウントを筒軸方向から見た図である。なお、図6では、図を見易くするために、外筒15のフランジ部15aを破線で示している。
エンジンマウント11は、図示しない変速機側に取り付けられる内筒13とゴム弾性体17とを有する防振基体と、当該防振基体の周囲に設けられる外筒15と、2つの金属製ブラケット12a,12bと、当該外筒15の外周面に配設されているウエイト(質量体)9と、を備えている。
外筒15は、略円筒状をなしており、その外周に筒径方向外側に延びるように一体的に取り付けられた上記金属製ブラケット12a,12bによって振動受け側の車体フレーム(図示せず)に連結されている。
上記内筒13は、略円柱状に形成されていて、その筒軸方向両端部がそれぞれボルト等により結合されるブラケット(図示せず)によって、振動源側のパワープラント(図示せず)に連結されるようになっている。なお、図中の符合37は、内筒13の筒軸方向一方側の端部に外嵌され、パワープラント側のブラケットなどに当接することによって、内筒13と外筒15との相対移動を規制するストッパーを示す。
防振基体は、上記内筒13及びゴム弾性体17に加えて、ゴム弾性体17と外筒15との間に介在する外筒体33と、このゴム弾性体17の内部における内筒13と外筒体33の中間部分に埋設された中間筒体43と、ゴム弾性体17の内部における内筒13にそれぞれ形成された主流体室及び副流体室(図示せず)と、これら両流体室を連通するオリフィス通路(図示せず)とをさらに備えている。各流体室には液体及び気体が封入されている。そして、主流体室及び副流体室の液体がオリフィス通路を介して相互に流通することによって、内筒13からゴム弾性体17に作用する低周波・大振幅の振動が減衰されるようになっている。
上記ウエイト9は、その両端部39d,39dで外筒15の外周面に溶接によって接合されているプレート部39と、当該プレート部39にかしめ固定されている直方体状のウエイト本体部(質量体本体)49と、を有しており、エンジンマウント11の共振振幅を抑えるようになっている。
プレート部39は、外筒15の周壁の厚さT2よりも薄い板厚t2を有しており、筒軸方向から見て外筒15の略周方向に延びていて、その両端部39d,39d以外の部位が外筒15の外周面と間隔をあけた状態で当該外筒15の外周面に溶接されている。
より詳しくは、プレート部39は、板金製の略十字状のプレートを曲げ加工したものであり、筒軸方向から見て垂直二等分線が径方向と一致し且つ外筒15の外周面から離間している長方形板状のプレート本体部39aと、当該プレート本体部39aの両端部から当該プレート本体部39aと直交するように外筒15の外周面に向かって延びるプレート脚部39b,39bと、当該プレート本体部39aの中央部における筒軸方向両側に設けられ、各々側壁部39eと頂壁部39fと先端部39gとからなり、ウエイト本体部49を巻き込むようにかしめるカシメ部39c,39cとを有している。各プレート脚部39b,39bの端部39d,39dは、その筒軸方向全幅に亘って、外筒15の外周面にマグ溶接により接合されている。すなわち、プレート部39は、各プレート脚部39b,39bの端部39d,39dのみが外筒15の外周面と接触しており、変速機が振動した場合にも、プレート本体部39aと外筒15とが接触しないようになっている。
ウエイト本体部49は、略直方体状をなしていて、その筒径方向外側の面に開口する凹部49aが形成されており、プレート部39の両端部39d,39d以外の部位で、より具体的には、プレート本体部39aの中央部で、カシメ部39c,39cによりかしめ固定されている。換言すると、カシメ部39c,39cは、ウエイト本体部49の凹部49aと略同じ幅を有していて、プレート本体部39aから筒径方向外側に延びる側壁部39e,39eがウエイト本体部49の筒軸方向両側の面に、側壁部39e,39eの筒径方向外側の端部から各々筒軸方向一方側及び他方側に延びる頂壁部39f,39fがウエイト本体部49の筒径方向外側の面にそれぞれ接触した状態で、ウエイト本体部49を筒軸方向両側から巻き込むようにかしめている。頂壁部39f,39fの端部から筒径方向内側に延びるカシメ部39c,39cの先端部39g,39gは、ウエイト本体部49の凹部49aに収容されて、当該凹部49aを区画する筒軸方向両側の壁面に接触している。
このように、ウエイト本体部49は、カシメ部39cによってかしめられているので、巻き込み方向(筒軸方向及び筒径方向)への移動が規制されている。また、凹部49aと略同じ幅を有するカシメ部39c,39cの先端部39g,39gが、凹部49aに収容されているので、ウエイト本体部49が筒軸方向及び筒径方向に直交する巻き込み軸方向へ移動しそうになると、カシメ部39c,39cの先端部39g,39gにおける巻き込み軸方向の両端が、凹部49aを区画する壁面49b,49cに当接する。このように、ウエイト本体部49は巻き込み軸方向への移動も規制されている。
−効果−
本実施形態によれば、プレート部39は、溶接部39d,39d以外の部位が外筒15の外周面と間隔をあけて配置されているので、プレート部39と外筒15とが接触と離間とを繰り返すことにより生じるビビリ音の発生を抑制することができる。
また、ウエイト本体部49は、プレート部39のカシメ部39c,39cにより筒軸方向両側からかしめられているので、当該プレート部39に対してより一層強固に固定される。
(参考例)
当該参考例は、上記各実施形態とは異なり、ウエイト10を外筒15の外周面ではなく外筒15のフランジ部15aに溶接するものである。以下、上記実施形態2と同じ構成要素についてはその説明を省略する。
図7は、当該参考例に係るエンジンマウントを筒径方向から見た図である。エンジンマウント11は、外筒15の筒軸方向一方側(図8では手前側)の端部を筒径方向外側に90度折り曲げて形成されたフランジ部15aを有している。
ウエイト10は、プレート部20と、当該プレート部20に取り付けられている直方体状のウエイト本体部30と、を有している。プレート部20は、矩形板状のプレート本体部20aと、当該プレート本体部20aの筒軸方向一方側の端部から筒径方向外側に延びる取付部20bと、側壁部20dと頂壁部20eとからなるカシメ部20cとを有しており、当該取付部20bのみがフランジ部15aに溶接されている。また、カシメ部20cは、プレート本体部20aの筒軸方向他方側の端部から筒径方向外側に延びる側壁部20dがウエイト本体部30の筒軸方向他方側の面に、側壁部20dの端部から筒軸方向一方側に延びる頂壁部20eがウエイト本体部30の筒径方向外側の面にそれぞれ接触した状態で、ウエイト本体部30を巻き込むようにかしめている。
この参考例によれば、外筒15に形成されたフランジ部15aを利用することにより、外筒15の歪みを抑えつつ、振動の発生源である外筒15にウエイト10を取り付けることができる。
(その他の実施形態)
本発明は、実施形態に限定されず、その精神又は主要な特徴から逸脱することなく他の色々な形で実施することができる。
上記各実施形態では、プレート部19,39をその両端部19d,39d,…で外筒5,15に溶接したが、これに限らず、例えばウエイト本体部29,49をプレート部19,39に比して極めて大きくするような場合には、溶接強度を確保するために、プレート部19,39を、その両端部19d,39d,…以外の部分や両端部19d,39d,…に加えて他の部分で外筒5,15に溶接してもよい。
さらに、上記実施形態1では、外筒5に当接するプレート部19をトルクロッド1に、外筒15と間隔をあけて配設されるプレート部39をエンジンマウント11にそれぞれ適用したが、これに限らず、例えば、外筒15と間隔をあけて配設されるプレート部39をトルクロッド1と組み合わせてもよい。
また、上記各実施形態では、プレート部19,39を外筒5,15の周壁の厚さT1,T2よりも薄い板厚t1,t2としたが、これに限らず、プレート部19,39の厚さt1,t2を外筒5,15の周壁の厚さT1,T2と同じ厚さにしてもよい。この場合には、プレート部19,39の材質として、外筒5,15の材質と剛性等が同等又はそれ以下の材質のものを用いるのが望ましい。すなわち、外筒5,15に対するプレート部19,39の厚さ及び材質は、外筒5に歪みが生じ難くなるような組合せであれば、必要に応じて適宜組合せることができる。
さらに、上記各実施形態では、ウエイト本体部29,49に凹部29a,49aを形成したが、これに限らず、例えば上記参考例に示す如く、凹部29a,49aを形成することなく、カシメ部19c,39cで単に巻き込むようにかしめ固定してもよい。
このように、上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
以上説明したように、本発明は、内筒及び外筒と、これらの間に設けられて両者を連結するゴム弾性体と、共振振幅を抑えるための質量体とを備える防振装置等について有用である。
本発明の実施形態1に係るトルクロッドの斜視図である。 トルクロッドの上面図である。 トルクロッドの側面図である。 トルクロッドの変速機及び車体への取付状態を示す平面図である。 実施形態2に係るエンジンマウントの斜視図である。 実施形態2に係るエンジンマウントを筒軸方向から見た図である。 参考例に係るエンジンマウントを筒径方向から見た図である。
1 トルクロッド(防振装置)
3 内筒
5 外筒
7 ゴム弾性体
9 ウエイト(質量体)
19 プレート部
19c カシメ部
19d プレート部の端部
19h カシメ部の先端部
29 ウエイト本体部(質量体本体)
29a 凹部
11 エンジンマウント(防振装置)
13 内筒
15 外筒
17 ゴム弾性体
39 プレート部
39c カシメ部
39d プレート部の端部
39g カシメ部の先端部
49 ウエイト本体部(質量体本体)
49a 凹部

Claims (4)

  1. 内筒と、当該内筒の周囲に設けられる外筒と、これら内筒及び外筒の間に設けられて両者を連結するゴム弾性体と、を備えた防振装置であって、
    上記外筒の外周面に配設されている質量体をさらに備えており、
    上記質量体は、上記外筒の周壁の厚さ以下の板厚を有し、当該外筒に溶接によって接合されているプレート部と、当該プレート部によりかしめ固定されている質量体本体と、を有していることを特徴とする防振装置。
  2. 請求項1記載の防振装置において、
    上記プレート部は、筒軸方向から見て上記外筒の略周方向に延びており、その両端部で当該外筒の外周面に溶接されているとともに、当該両端部以外の部位で上記質量体本体をかしめていることを特徴とする防振装置。
  3. 請求項2記載の防振装置において、
    上記プレート部は、上記両端部以外の部位が上記外筒の外周面と間隔をあけた状態で当該外筒の外周面に取り付けられていることを特徴とする防振装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の防振装置において、
    上記質量体本体には凹部が形成されており、
    上記プレート部は、上記質量体を巻き込むようにかしめるカシメ部を有しており、
    上記カシメ部の先端部が上記凹部に収容されていることを特徴とする防振装置。
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