JP2010196375A - 水洗大便器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、ボウル形状に形成された汚物受け面2bと、この汚物受け面の上縁に位置し、その第1吐水口2cから吐水された洗浄水W1を旋回させるリム導水路2dを含むリム部2aと、を備えたボウル部2と、このボウル部のリム部の後方側に設けられ、ボウル部内へ推進して所定方向に洗浄水W4を噴射するノズル部12aを備えた局部洗浄装置12と、ボウル部のリム部の後端部におけるリム導水路に形成され、局部洗浄装置のノズル部が通過可能なノズル開口部2jと、ボウル部のリム部の後端部におけるリム導水路内に位置するようにノズル開口部に開閉可能に取り付けられたシャッター14cと、を有することを特徴としている。
【選択図】図1
Description
従来の局部洗浄装置を備えた水洗大便器においては、例えば、特許文献1に記載されているように、局部洗浄装置が便器本体の後部上面に設置されており、この局部洗浄装置の高さを低くするため、便器本体の後部上面に凹溝を設け、洗浄水を噴射する局部に噴射するノズルをこの凹溝内に収納したものがある。
そこで、このような問題を解決するために、例えば、特許文献2に記載されている従来の水洗大便器においては、局部洗浄装置のノズルの前端部に開閉蓋を設け、この開閉蓋が便器洗浄中のノズルの前端部を閉鎖することにより、ノズルのむき出しを防ぐと共に汚水の飛び散り等によるノズルの汚れを防いでいる。
このように構成された本発明においては、ノズル開口部に開閉可能に取り付けられた蓋部材がボウル部のリム部の後端部におけるリム導水路内に位置しているため、蓋部材に飛着した汚水について、便器洗浄時にリム部の第1の吐水部から吐水されてリム導水路を旋回する洗浄水の水流で洗い流すことができる。また、ノズル開口部に取り付けられた蓋部材にも便器洗浄時の洗浄水を行き渡らせて洗い流すことにより、ボウル部内の不洗浄領域を極力減らすことができる。
このように構成された本発明においては、ノズル開口部を閉鎖した状態の蓋部材の前面がボウル部のリム部後端部におけるほぼ鉛直な平坦面とほぼ面一になるため、蓋部材の前面に飛着した汚水を便器洗浄時にボウル部のリム部後端部のリム導水路を流れる洗浄水で確実に洗い流すことができる。
このように構成された本発明においては、ボウル部が第2の吐水部を備えているため、ボウル部のリム部の後端部がほぼ鉛直な平坦面を形成しているにもかかわらず、洗浄性能を損なうことなく、蓋部材に飛着した汚水を便器洗浄時に第2の吐水部から吐水された洗浄水で確実に洗い流すことができる。
図1は本発明の実施形態による水洗大便器の断面図であり、図2は本発明の実施形態による水洗大便器の正面図である。また、図3は本発明の実施形態による水洗大便器を斜め上方から見た分解斜視図であり、図4は本発明の実施形態による水洗大便器を斜め下方から見た分解斜視図である。
まず、図1〜図4に示すように、符号1は水洗大便器を示し、陶器等からなる便器本体1aと、この便器本体1aの上部に設置された便座ユニット1bとを有する。また、本実施形態による水洗大便器1は、壁掛け式の便器として構成されている。
なお、本実施形態では、壁掛け式の便器の例を示しているが、このような便器に限定されるものではなく、例えば、床置き式の便器でもよい。
ここで、第1吐水口2cから吐水された洗浄水W1を汚物受け面2bの上縁からその下方に掛けての内壁面を旋回させる「リム導水路2d」とは、凹溝になっている箇所のみを示すのではなく、ほぼ平坦面でも洗浄水が旋回して通過する箇所を含むことを意味している。
ここで、リム部2aの後端部を形成している「ほぼ鉛直な平坦面2f」とは、リム部2aの後端部上端から汚物受け面2b側に向かって前後方向に約10度の範囲まで傾斜した平坦面も含むことを意味している。
すなわち、リム部2aの後端部を形成する面については、ボウル部2を上方から見た場合、汚水等による汚れを目視できれば傾斜していてもよい。
なお、上述した第3吐水口2gについては、設けていなくてもよい。
図5は本実施形態による水洗大便器の便座ユニットの保持プレートを斜め下方から見た斜視図である。また、図6は、図1に示す本実施形態による水洗大便器の便座ユニットの保持プレート及び局部洗浄装置の部分を拡大した部分拡大断面図である。さらに、図7は、本実施形態による水洗大便器の便座ユニットの保持プレートを便器本体の上面の所定位置に組み込んだ状態におけるシャッターの部分の拡大正面図であり、図8は、図7のVIII−VIII断面図である。
局部洗浄装置12は、複数の細長い円筒状部材が軸方向に入れ子状に伸長可能に設けられたノズル部12aを備えている。この局部洗浄装置12のノズル部12aは、本実施形態では一例として3つの円筒状部材が入れ子状に重ねて設けられているが、局部洗浄を行う際、ノズル部12aが前方へ伸長し、その先端部(噴射部)12bが前方のボウル部2内の空間に向かって推進するようになっている。そして、この伸長した状態のノズル部12aについては、水道又は給水タンク等の外部の給水源(図示せず)の洗浄水の一部が、逆流防止のため設けられたサブタンク12c、ポンプ(図示せず)等を経た後、熱交換器(図示せず)を通過して適温に温められた温水を洗浄水として先端部(噴射部)12bから所定方向に噴射するものである。
また、ノズル収納部14aの前端部(開口部14b)の下端部には、その前端から後方側に切欠き14dが形成されており、シャッター14cが開口部14bを閉鎖した状態であっても、切欠き14dに相当する部分が開放されるようになっている。この切欠き14dについては、局部洗浄の前後にノズル収納部14a内でノズル部12aの先端部(噴射部)12b自体の自己洗浄が行われた際の洗浄後の水がノズル収納部14aの外部(ボウル部2側)に排水されるドレン孔として機能するようになっている。
さらに、シャッター14cの回動部14eには、シャッター14cを開口部14b側へ付勢する付勢手段であるねじりばね14gが設けられている。
シャッター14cの後端部14fが保持プレート14のノズル収納部14aにおける開口部14bの縁部に当接して閉鎖位置にあるとき、シャッター14cの前面14hがボウル部2のリム部2aの後端部における平坦面2fとほぼ面一になっている。
なお、パッキン14jについては、その下端の一部等を切り取ることにより、シャッター14cの外周縁14iの下端部とノズル開口部2jの凹部2kとの間にわずかな隙間を設け、局部洗浄装置12のノズル部12aの自己洗浄後に保持プレート14側のノズル収納部14aの切欠き14dから排水された水をボウル部2内へ流下させるようにしてもよい。
ここで、図9は、本実施形態による水洗大便器における局部洗浄時の局部洗浄装置の部分を拡大した図6と同様な部分拡大断面図である。
使用者の用便後、局部洗浄装置12による局部洗浄が開始されると、まず、図6に示すように、シャッター14cが閉鎖位置にある状態で、ノズル収納部14a内でノズル部12aの先端部(噴射部)12b自体の自己洗浄が所定時間行われる。このとき、シャッター14cの後端部14fは、保持プレート14のノズル収納部14aにおける開口部14bの縁部に当接しており、シャッター14cの前面14hは、ボウル部2のリム部2aの後端部における平坦面2fとほぼ面一になっている。
また、自己洗浄が行われた際の洗浄後の水は、ノズル収納部14aの前端部(開口部14b)の下端部の切欠き14dを経てシャッター14cとノズル開口部2jとのわずかな隙間等からにじみ出てボウル部2内へ流下する。
そして、ノズル部12aの先端部(噴射部)12bがシャッター14cの後端部14fに接触して前方へ押し出し、シャッター14cを回動部14eを中心に前方へ回動させて、開口部14bを開放すると共に、ノズル部12aの先端部(噴射部)12bを前方のボウル部2内の空間に向かって推進して、ボウル部2内の空間の所定位置で停止する(図9参照)。
所定時間の噴射後、ノズル部12aが後方へ引っ込み、その先端部(噴射部)12bが開口部14bよりも後退すると、ねじりばね14gの付勢力によりシャッター14cが開口部14bを閉鎖する。
ノズル部12aがノズル収納部14a内の元の位置に戻ると、シャッター14cが閉鎖位置にある状態で、再びノズル部12aの先端部(噴射部)12b自体の自己洗浄が所定時間行われ、局部洗浄の全工程が終了となる。
さらに、リム部2aの後端部を平坦面2fにすることにより、シャッター14cの形状をボウル部2の湾曲した部分の形状に合わせて湾曲させる等の設計を行う必要がなくなるため、シャッター14cをリム部2aの後端部に設けやすくなる。
また、リム部2aの平坦面2fの位置についても、より後方に配置させることができるため、リム部2aの平坦面2fが前方に位置することによってボウル部2の開口が小さくなるといった不具合が発生しなくなる。
1a 便器本体
1b 便座ユニット
2 ボウル部
2a リム部
2b 汚物受け面
2c 第1吐水口
2d リム導水路
2e 第2吐水口
2f 平坦面
2g 第3吐水口
2h 下側段部
2i 凹部
2j ノズル開口部
2k 凹部
4 導水路
6 排水トラップ管路
8 便座
10 便蓋
12 局部洗浄装置
12a ノズル部
12b 噴射部
12c サブタンク
14 保持プレート
14a ノズル収納部
14b 開口部
14c シャッター
14d 切欠き
14e 回動部
14f シャッターの後端部
14g ねじりばね
14h シャッターの前面
14i シャッターの外周縁
14j パッキン
Claims (3)
- 洗浄水によって洗浄され、汚物を排出する水洗大便器であって、
ボウル形状に形成された汚物受け面と、この汚物受け面の上縁に位置し、第1の吐水部とこの第1の吐水部から吐水された洗浄水を旋回させるリム導水路とが形成されたリム部と、を備えたボウル部と、
このボウル部のリム部の後方側に設けられ、上記ボウル部内へ推進して所定方向に洗浄水を噴射するノズル部を備えた局部洗浄部と、
上記ボウル部のリム部の後端部におけるリム導水路に形成され、上記局部洗浄部のノズル部が通過可能なノズル開口部と、
上記ボウル部のリム部の後端部におけるリム導水路内に位置するように上記ノズル開口部に開閉可能に取り付けられた蓋部材と、
を有することを特徴とする水洗大便器。 - 上記ボウル部のリム部は、その後端部がほぼ鉛直な平坦面を形成し、この平坦面に上記ノズル開口部が形成され、このノズル開口部を閉鎖した状態の上記蓋部材の前面が上記平坦面とほぼ面一になるように構成されている請求項1記載の水洗大便器。
- 上記ボウル部は、更に、上記第1の吐水部から吐水された洗浄水の旋回流と同一の旋回方向に且つ上記蓋部材に向かって吐水する第2の吐水部を備えている請求項1又は2に記載の水洗大便器。
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