JP2010194599A - 自動鋼板曲げ装置による加熱位置修正方法及び装置 - Google Patents

自動鋼板曲げ装置による加熱位置修正方法及び装置 Download PDF

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一貴 池田
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Abstract

【課題】 曲げ対象鋼板が位置ずれしても加熱手段を加熱線位置に配置できるようにする。
【解決手段】 加熱手段をNC制御して線状加熱を行う自動鋼板曲げ装置の所要個所にレーザ変位センサを設け、その検出信号を入力する制御部を備える。制御部では、定盤上に設定する機械座標系をレーザ変位センサにより走査させて曲げ対象鋼板の位置を求める一方、曲げ対象鋼板上に設定したワーク座標系にて所要の加熱方案に基づいて配置される加熱線の位置に応じたNCプログラムを作成し、次いで、ワーク座標系に関するNCプログラムによる加熱手段の位置を、曲げ対象鋼板の位置情報に基づく機械座標系に対するワーク座標系の原点シフト量を設定することで機械座標系に置き換えてから加熱手段をNC制御して線状加熱を行わせ、その後、所要の頻度でレーザ変位センサによる曲げ対象鋼板の位置を再検出してワーク座標系の原点シフト量を順次更新させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、曲げ対象鋼板上に設定した加熱線の位置を加熱手段で走査しながら該鋼板の加熱線部分を加熱して曲げ加工を行うようにしてある自動鋼板曲げ装置にて、曲げ変形に伴って曲げ対象鋼板の位置が変位しても、変位後の曲げ対象鋼板上に設定されている加熱線位置に応じて上記加熱手段による加熱位置を修正できるようにするための自動鋼板曲げ装置による加熱位置修正方法及び装置に関するものである。
一般に、船舶、橋梁等に用いられる金属板の曲げ加工には、線状加熱による曲げ加工方法が採用されていることが多い。
この線状加熱による曲げ加工は、金属板を所要の点熱源で線状に局所加熱した後、冷却すると周囲から拘束を受けて塑性歪を発生して変形する性質を利用し、金属板上に線状の加熱個所(加熱線)を適当に配置することで対象金属板を目的曲面に曲げ加工する技術である。
従来、線状加熱による金属板の曲げ加工は長い経験を経て修得する技能とされていて、熟練者が勘や技能により加熱位置、方向、加熱条件などを定めて行われていた。しかし、近年では、線状加熱を機械的に行う方法として、有限要素法(FEM)を応用して、曲げ加工すべき金属板表面を多数の領域に分割すると共に、該各分割領域毎に、目的形状に曲げ加工するために要する目的固有歪を求め、該目的固有歪の面内収縮歪成分と曲げ歪成分を与えるための加熱条件と加熱位置からなる加熱方案を策定し、該加熱方案に基づいて、たとえば、金属板(曲げ対象鋼板)の片面における上記分割領域に、曲線状の加熱線を交差配置して、該加熱線に沿って加熱手段を移動させながら、主に該加熱源の移動速度を制御パラメータとして入熱量を変化させることで、上記金属板に設定された各加熱線をそれぞれ上記加熱方案で定めた所定の入熱量で局所加熱し、上記各分割領域を個々に目的形状に曲げることにより、金属板全体を目的曲面に曲げるようにする手法が採られるようになってきている。
上記曲げ対象鋼板の線状加熱を行うための装置としては、図6及び図7にその一例の概略を示す如き自動鋼板曲げ装置が従来提案されている。
すなわち、上記自動鋼板曲げ装置は、図6及び図7に示すように、ビーム2と該ビーム2を支持する脚柱3とからなるガントリー(門型の架構)1を、水平面内の一軸方向となる矢印X方向に走行可能に備え、且つ上記ビーム2に、上下方向(Z方向)に伸縮可能な加熱手段昇降用のアーム4が、水平面内で上記X方向と直交するY方向へ横行可能に設けてある。更に、上記アーム4の下端には、加熱コイルの如き加熱手段(加熱源)5を、図示しない自在継手を介して任意の方向へ首振り(旋回)可能に取り付けてなる構成としてある。
以上の構成としてある自動鋼板曲げ装置によれば、上記ガントリー1のX方向の走行と上記アーム4のY方向への横行による該アーム4の下端部に取り付けてある加熱手段5の自動鋼板曲げ装置の有するX−Y直交座標系での移動を、NC制御することにより、該加熱手段5を、曲げ対象鋼板6の表面部に設定される加熱線(図示せず)に沿わせて所望の移動速度で移動させるようにしてある。更に、この際、上記アーム4を、上記加熱手段5を介して曲げ対象鋼板6の表面より受ける反力が一定になるよう上下方向(Z方向)への伸縮作動を制御することで、上記曲げ対象鋼板6の表面部に設定してある加熱線に沿わせて上記加熱手段5を移動させる際、該加熱手段5を、加熱によって常時連続的且つ複雑に変形する上記曲げ対象鋼板6の表面の曲面形状に追従して昇降させて、曲げ対象鋼板6の表面に密着させたまま移動させることできるようにしてある(たとえば、特許文献1参照)。
なお、従来の自動鋼板曲げ装置では、通常、図8に示す如く、定盤7上に複数台の自動ジャッキ8を設けた構成としてある。これにより、上記各自動ジャッキの上側に上記曲げ対象鋼板6を載置し、線状加熱に伴って該曲げ対象鋼板6に生じる曲げ変形に応じて上記各自動ジャッキ8を伸縮作動させることで、任意の形状の曲げ対象鋼板6を、上記各自動ジャッキ8により定盤7上方の所定の高さ位置に保持することができるようにしてある。
ところで、上記図6及び図7に示した自動鋼板曲げ装置により曲げ対象鋼板を線状加熱して曲げ加工を行う実加熱工程では、所要の加熱方案により曲げ対象鋼板6の表面に設定されている各加熱線を、所要の加熱順序で加熱するようにしているため、曲げ対象鋼板6は、各加熱線を順次加熱することによって常時連続的且つ複雑に変形されるようになる。そのため、加熱順序として先に加熱する加熱線を線状加熱することによって曲げ対象鋼板6が初期形状と異なる所要形状に変形されると、該変形された所要形状の曲げ対象鋼板6上に設定されている加熱順序として後から加熱する加熱線の位置は、初期形状の曲げ対象鋼板6上で対応する加熱順序の加熱線が当初設定されていた位置より変位するようになる。特に、上記曲げ対象鋼板6を大曲率で曲げ加工を行おうとすると、曲げ対象鋼板6の変形に伴う加熱線の位置の変位は顕著になる。
したがって、上記初期形状の曲げ対象鋼板6における当初の加熱線設定位置の位置情報を基に作成したNCプログラムを用いて、上記図6及び図7に示した自動鋼板曲げ装置のガントリー1のX方向の走行と、アーム4のY方向への横行を介し加熱手段5をNC制御して、該加熱手段5の曲げ対象鋼板6上での移動を行わせると、加熱順序として先に加熱する加熱線の線状加熱に伴い変形量の大きな変形が生じた曲げ対象鋼板6においては、該変形状態の曲げ対象鋼板6における加熱順序として後から加熱する加熱線の位置と、上記NC制御される加熱手段5による実際の加熱位置に、大きな狂いが生じるようになることから、加工精度が悪化する虞が懸念される。
更に、所要の加熱方案によって初期形状の曲げ対象鋼板6の板端部付近に加熱線が配設されている場合は、上記したように加熱順序として先に加熱する加熱線を線状加熱することによって曲げ対象鋼板6に変形量の大きな変形が生じて該曲げ対象鋼板6の平面形状が収縮すると、上記初期形状の曲げ対象鋼板6における加熱線の当初設定位置の位置情報に基づくNCプログラムでNC制御される加熱手段が、曲げ対象鋼板6の板端部から脱落する虞も懸念される。
以上のことに鑑みて、所要の加熱方案に基づいて初期形状の曲げ対象鋼板6に設定された加熱線のうち、加熱順序として先に加熱する加熱線を線状加熱することにより曲げ対象鋼板6が変形し、更には、曲げ対象鋼板6の平面形状が収縮することに起因して、該曲げ対象鋼板6上に設定されている加熱順序として後から加熱する加熱線の位置に変位が生じても、該加熱順序として後から加熱する加熱線の変位先の位置に応じて、実加熱工程で曲げ対象鋼板6を加熱するために用いる加熱手段5の位置を修正できるようにするための加熱位置の修正方法が従来提案されている。
これは、初期形状の曲げ対象鋼板(金属板)6における加熱線の配置と、各加熱線の加熱条件と、各加熱線の加熱順序が定められた加熱方案を基にして、実加熱工程の実施前に、上記加熱方案により初期形状の曲げ対象鋼板6に対して配置が設定されている各加熱線を、設定された加熱順序に従って、設定された加熱条件で順次線状加熱するときに該各加熱線の線状加熱ごとに上記曲げ対象鋼板6に生じることとなる変形を解析し、次に、上記曲げ対象鋼板6の加熱変形解析により、或る加熱順序までの加熱線の線状加熱により生じる曲げ対象鋼板6の変形に伴って、加熱順序として次の加熱線の位置が、初期形状の曲げ対象鋼板6における対応する加熱線の当初設定位置より変位すると判断される場合に、該加熱順序として次の加熱線の変位後の位置情報に基づいて、実加熱工程で加熱線の加熱に用いる加熱手段5をNC制御(自動制御)するための制御データを予め修正してなるNCプログラムを作成するようにしてある(たとえば、特許文献2参照)。
特許第2666685号公報 特開2009−12057号公報
ところが、上記図6及び図7に示した従来の自動鋼板曲げ装置では、図8に示したように、定盤7上に設けた複数の自動ジャッキ8によって任意の形状に曲げ加工される曲げ対象鋼板6を支持するようにしているが、線状加熱の実加熱工程で曲げ対象鋼板6に設定してある所要の加熱線位置の加熱とその後の冷却による曲げ変形を行わせると、その変形に伴われて該曲げ対象鋼板6が上記自動ジャッキ8の上で上記自動鋼板曲げ装置の定盤7に対して相対変位したり、定盤7に対して相対的に回転変位することで、加熱前に曲げ対象鋼板6を配置した当初の鋼板配置位置からの位置ずれを生じる虞があるというのが実状である。
上記のようにして線状加熱の実加熱工程の途中で曲げ対象鋼板6に加熱前の当初鋼板配置位置からの位置ずれが生じると、該曲げ対象鋼板6上に設定してある加熱線の位置も変化してしまうため、その後の工程で、図6及び図7に示した自動鋼板曲げ装置にて、未加熱の加熱線位置の加熱を行うために、加熱前の当初鋼板配置位置に配置された曲げ対象鋼板6上の加熱線設定位置の位置情報を基に作成したNCプログラムを用いて加熱手段5を自動鋼板曲げ装置の有するX−Y直交座標系に対してNC制御しても、上記当初鋼板配置位置からの位置ずれを生じた曲げ対象鋼板6上の加熱線位置と、上記NC制御される加熱手段5による実際の加熱位置に、狂いが生じるようになることから、仕上げ精度が悪化する虞が懸念される。
更に、曲げ対象鋼板6の板端部付近に加熱線が配設されている場合は、加熱前の当初鋼板配置位置に配置された曲げ対象鋼板6上の加熱線設定位置の位置情報を基に作成したNCプログラムによりNC制御される加熱手段5が、上記実加熱工程の途中で当初鋼板配置位置からの位置ずれを生じた曲げ対象鋼板6の板端部を越える虞があり、このようにして加熱手段5が曲げ対象鋼板6の板端部を越えた場合、曲げ対象鋼板6の板端部の溶け落ちによる施工精度不良が生じる虞や、更には、曲げ対象鋼板6の板端部から上記加熱手段5が脱落して自動復帰できない場合は、自動化の障害となる虞も懸念される。
なお、特許文献2に示された加熱位置の修正方法は、曲げ対象鋼板6に設定された加熱線を所要の加熱順序で順次加熱するときに、該曲げ対象鋼板6に生じる変形や平面形状の収縮を予め解析し、この解析された曲げ対象鋼板6の変形や平面形状の収縮に伴われて生じる加熱線位置の変位を予測し、該予測される加熱線位置の変位後の位置に対応できるように、実加熱工程で加熱線の加熱に用いる加熱手段5をNC制御するための制御データを予め修正したNCプログラムを作成するものであるため、曲げ対象鋼板6の変形に伴う加熱線位置の変化に追従して実加熱工程で加熱手段による加熱位置を修正するには有効であるが、加熱対象となる曲げ対象鋼板6自体の位置ずれに対応することができるものではない。
しかも、上記実加熱工程での曲げ対象鋼板6の位置ずれは、自動鋼板曲げ装置のX−Y直交座標系に対しての変位方向や変位量、回転変位するときの回転量が不定なため、実加熱工程で加熱線の加熱に用いる加熱手段5をNC制御(自動制御)するための制御データに予め修正を加えたNCプログラムを作成するという手法では対応できない。
したがって、上記のような実加熱工程で曲げ対象鋼板6の位置ずれが生じた場合の対応としては、自動鋼板曲げ装置の定盤7に対して上記曲げ対象鋼板6自体を移動させることで正確な位置に配材されるよう位置を修正することや、上記位置ずれが生じた曲げ対象鋼板6の位置に合わせてNCプログラムの修正を行うことが考えられるが、いずれも作業性が悪いという問題がある。
そこで、本発明は、自動鋼板曲げ装置で線状加熱を行う曲げ対象鋼板が、実加熱工程の途中で位置ずれを生じても、該位置ずれに伴う曲げ対象鋼板上の加熱線位置の変位に追従して実加熱工程で曲げ対象鋼板を加熱するために用いる加熱手段の位置を自動的に修正できるようにするための自動鋼板曲げ装置による加熱位置の修正方法及び装置を提供しようとするものである。
本発明は、上記課題を解決するために、請求項1に対応して、定盤上に配置する曲げ対象鋼板の表面に設定してある加熱線に沿って加熱手段を移動させて線状加熱を行うことで該曲げ対象鋼板の曲げ加工を行うようにしてある自動鋼板曲げ装置における上記定盤上に、機械座標系を設定して、上記曲げ対象鋼板の機械座標系における位置を求め、且つ上記曲げ対象鋼板上に上記機械座標系とは別のワーク座標系を設定して、該ワーク座標系にて、所要の加熱方案に基づいて上記曲げ対象鋼板上に配置される加熱線の位置に応じて加熱手段を移動させるためのワーク座標系に関するNCプログラムを作成した後、上記機械座標系における曲げ対象鋼板の位置情報から求めた原点シフト量で機械座標系の原点に対する上記ワーク座標系の原点を設定することで、上記ワーク座標系に関するNCプログラムに基づく上記加熱手段を配置すべき位置を、機械座標系に置き換え、該機械座標系に置き換えられた加熱手段を配置すべき位置に応じて加熱手段を機械座標系でNC制御して線状加熱処理を行い、その後、1本又は所要の複数本の加熱線の線状加熱を行うごとに、上記曲げ対象鋼板の上記定盤上の機械座標系での位置を検出し、該検出された機械座標系における曲げ対象鋼板の位置情報から求める原点シフト量で機械座標系の原点に対する上記ワーク座標系の原点を再び設定してから、上記ワーク座標系に関するNCプログラムに基づく上記加熱手段を配置すべき位置を、機械座標系に置き換え、該機械座標系に置き換えられた加熱手段を配置すべき位置に応じて加熱手段を機械座標系でNC制御して線状加熱処理を行うようにする自動鋼板曲げ装置による加熱位置修正方法とする。
更に、上記構成において、曲げ対象鋼板の機械座標系における位置情報から、該曲げ対象鋼板上のワーク座標系の座標軸の機械座標系の座標軸に対する軸回転角度を求めて、機械座標系における曲げ対象鋼板の位置情報から求めた原点シフト量で機械座標系の原点に対する上記ワーク座標系の原点を設定するときに、該ワーク座標系を、上記機械座標系に対して上記軸回転角度で回転した状態で設定するようにする。
又、請求項3に対応して、定盤上に配置する曲げ対象鋼板の表面に設定してある加熱線に沿って加熱手段をNC制御して線状加熱を行うことで該曲げ対象鋼板の曲げ加工を行うようにしてある自動鋼板曲げ装置における上記定盤上に設定される機械座標系を走査して該定盤上に配置された曲げ対象鋼板の板端部を検出するための変位センサを設け、更に、加熱手段をNC制御する制御部を備えて、該制御部に上記変位センサの検出信号を入力できるようにし、且つ上記制御部に、上記変位センサの検出信号を基に上記定盤上に設定した機械座標系における上記曲げ対象鋼板の位置を検出する機能と、上記曲げ対象鋼板上に上記機械座標系とは別に設定したワーク座標系を設定する機能と、該ワーク座標系で所要の加熱方案に基づいて上記曲げ対象鋼板上に配置される加熱線の位置に応じて加熱手段を移動させるためのワーク座標系に関するNCプログラムを作成する機能と、該ワーク座標系に関するNCプログラムに基づく上記加熱手段を配置すべき位置を、上記機械座標系における曲げ対象鋼板の位置情報から求めた原点シフト量で機械座標系の原点に対する上記ワーク座標系の原点を設定することで機械座標系に置き換えて、該機械座標系に置き換えられた加熱手段を配置すべき位置に応じて加熱手段を機械座標系でNC制御して線状加熱処理を行わせる機能と、更に、1本又は所要の複数本の加熱線の線状加熱を行うごとに、上記変位センサの検出信号を基に機械座標系における曲げ対象鋼板の位置を再検出する機能と、上記曲げ対象鋼板上のワーク座標系に関するNCプログラムに基づく上記加熱手段を配置すべき位置を、上記機械座標系における曲げ対象鋼板の再検出した位置情報から求めた原点シフト量で機械座標系の原点に対する上記ワーク座標系の原点を再び設定することで機械座標系に置き換えて、該機械座標系に置き換えられた加熱手段を配置すべき位置に応じて加熱手段を機械座標系でNC制御して線状加熱処理を行わせる機能とを付与させてなるものとした構成を有する自動鋼板曲げ装置による加熱位置修正装置とする。
更に、上記構成において、制御部を、変位センサの検出信号を基に検出される曲げ対象鋼板の機械座標系における位置情報から、該曲げ対象鋼板上のワーク座標系の座標軸の機械座標系の座標軸に対する軸回転角度を求める機能と、曲げ対象鋼板上のワーク座標系に関するNCプログラムに基づく上記加熱手段を配置すべき位置を、上記機械座標系における曲げ対象鋼板の再検出した位置情報から求めた原点シフト量で機械座標系の原点に対する上記ワーク座標系の原点を設定することで機械座標系に置き換えるときに、該ワーク座標系を、上記機械座標系に対して上記軸回転角度で回転した状態で設定できる機能とを有するものとした構成とする。
本発明によれば、以下のような優れた効果を発揮する。
(1)定盤上に配置する曲げ対象鋼板の表面に設定してある加熱線に沿って加熱手段を移動させて線状加熱を行うことで該曲げ対象鋼板の曲げ加工を行うようにしてある自動鋼板曲げ装置における上記定盤上に、機械座標系を設定して、上記曲げ対象鋼板の機械座標系における位置を求め、且つ上記曲げ対象鋼板上に上記機械座標系とは別のワーク座標系を設定して、該ワーク座標系にて、所要の加熱方案に基づいて上記曲げ対象鋼板上に配置される加熱線の位置に応じて加熱手段を移動させるためのワーク座標系に関するNCプログラムを作成した後、上記機械座標系における曲げ対象鋼板の位置情報から求めた原点シフト量で機械座標系の原点に対する上記ワーク座標系の原点を設定することで、上記ワーク座標系に関するNCプログラムに基づく上記加熱手段を配置すべき位置を、機械座標系に置き換え、該機械座標系に置き換えられた加熱手段を配置すべき位置に応じて加熱手段を機械座標系でNC制御して線状加熱処理を行い、その後、1本又は所要の複数本の加熱線の線状加熱を行うごとに、上記曲げ対象鋼板の上記定盤上の機械座標系での位置を検出し、該検出された機械座標系における曲げ対象鋼板の位置情報から求める原点シフト量で機械座標系の原点に対する上記ワーク座標系の原点を再び設定してから、上記ワーク座標系に関するNCプログラムに基づく上記加熱手段を配置すべき位置を、機械座標系に置き換え、該機械座標系に置き換えられた加熱手段を配置すべき位置に応じて加熱手段を機械座標系でNC制御して線状加熱処理を行うようにする自動鋼板曲げ装置による加熱位置修正方法及び装置としてあるので、自動鋼板曲げ装置の定盤上に配置する曲げ対象鋼板に、実加熱工程の途中で位置ずれが生じても、位置ずれ後の曲げ対象鋼板上に設定されている加熱線の位置に合わせて加熱手段を自動的に配置することができて、該加熱線の位置を正確に線状加熱処理することが可能になる。よって、実加熱工程の途中で曲げ対象鋼板が位置ずれしても、仕上げ精度が悪化する虞を未然に防止できる。
(2)更に、加熱手段が曲げ対象鋼板の板端部を越える虞を未然に防止できるため、曲げ対象鋼板の板端部の溶け落ちによる施工精度不良が生じる虞を未然に防止することが可能になる。
(3)しかも、実加熱工程で曲げ対象鋼板に位置ずれが生じた場合であっても、所要の加熱方案に基づいてワーク座標系に関して作成したNCプログラム自体を変更する必要はないため、作業性を高いものとすることができる。
(4)曲げ対象鋼板の機械座標系における位置情報から、該曲げ対象鋼板上のワーク座標系の座標軸の機械座標系の座標軸に対する軸回転角度を求めて、機械座標系における曲げ対象鋼板の位置情報から求めた原点シフト量で機械座標系の原点に対する上記ワーク座標系の原点を設定するときに、該ワーク座標系を、上記機械座標系に対して上記軸回転角度で回転した状態で設定するようにすることにより、実加熱工程の途中で定盤上に配置した曲げ対象鋼板に回転変位による位置ずれが生じても、回転変位した曲げ対象鋼板上に設定されている加熱線の位置に合わせて加熱手段を自動的に配置することができるようになるため、該加熱線の位置を正確に線状加熱処理することが可能になる。
本発明の自動鋼板曲げ装置による加熱位置修正方法及び装置の実施の一形態として加熱位置修正方法の手順を示すフロー図である。 図1の加熱位置修正方法で用いる本発明の加熱位置修正装置の構成を示す概要図である。 図2の加熱位置修正装置におけるレーザ変位センサによる曲げ対象鋼板の板端部の検出原理を示す概略側面図である 図2の加熱位置修正装置による曲げ対象鋼板のコーナ部の検出原理を示す概略平面図である。 図2の加熱位置修正装置により加熱位置を修正する原理を示すもので、(イ)は自動鋼板曲げ装置で曲げ対象鋼板の線状加熱による曲げ加工を行う前の初期状態を、(ロ)は曲げ対象鋼板に位置ずれが生じた状態をそれぞれ示す平面図である。 線状加熱を行うために従来提案されている自動鋼板曲げ装置の一例の概略を示す正面図である。 図6の装置の概略切断側面図である。 従来の自動鋼板曲げ装置における曲げ対象鋼板の支持手段の概要を示す側面図である。
以下、本発明を実施するための形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図5(イ)(ロ)は本発明の自動鋼板曲げ装置による加熱位置修正方法及び装置の実施の一形態を示すもので、図1は手順のフローを示し、図2乃至図5(イ)(ロ)は装置構成を示してある。
ここで、先ず、本発明の自動鋼板曲げ装置による加熱位置修正方法を実施するための装置構成について説明すると、本発明の自動鋼板曲げ装置による加熱位置修正装置は、図2乃至図5(イ)(ロ)に示す如く、図6及び図7に示したと同様に、X方向に走行するガントリー1と、該ガントリー1のビーム2に沿いY方向に横行する上下方向に伸縮自在なアーム4と、該アーム4の伸縮部4aの下端部に設けた加熱手段5を備えてなる自動鋼板曲げ装置に、図8に示したと同様に定盤7上にて曲げ対象鋼板6を支持するための複数の自動ジャッキ8を備えた構成において、上記アーム4の伸縮部4a以外の所要個所に、センサ取付部材10を設けて、該センサ取付部材10に、変位センサとして、たとえば、レーザ変位センサ9を下向きに取り付ける。この際、該レーザ変位センサ9が、アーム4の下端部に取り付けてある加熱手段5の真上に位置しないようにし、上記ガントリー1のX方向の走行と上記アーム4のY方向の横行の組み合わせにより、上記レーザ変位センサ9を、自動鋼板曲げ装置の定盤7に設定するX−Y直交座標系(以下、機械座標系(X,Y)という)内で任意の座標に移動させることができるようにする。これにより、上記定盤7上に複数の自動ジャッキ8を介して曲げ対象鋼板6を支持させた状態にて、上記ガントリー1のX方向の走行と上記アーム4のY方向の横行で上記下向きのレーザ変位センサ9により上記定盤7上に設定してある機械座標系(X,Y)を走査させると、上記レーザ変位センサ9が、図3に実線で示すように曲げ対象鋼板6の外部の上方位置から、図3に二点鎖線で示すように曲げ対象鋼板6の上方位置へ移動させられる過程、あるいは逆に、図3に二点鎖線で示すように曲げ対象鋼板6の上方位置から、図3に実線で示すように曲げ対象鋼板6の外部の上方位置へ移動させられる過程で、レーザ変位センサ9が図3に一点鎖線で示す如く曲げ対象鋼板6の板端部の上方を横切るときに、該レーザ変位センサ9によりその真下の測定対象までの距離の急変が検出されるようにしてある。
更に、上記ガントリー1の走行と上記アーム4の横行の制御を介して上記加熱手段5をNC制御する制御部11を備え、且つ該制御部11に、上記レーザ変位センサ9の検出信号を入力できるようにする。
そのため、上記制御部11には、上記アーム4の所要個所にセンサ取付部材10を介して取り付けてある上記レーザ変位センサ9の位置についての情報が、たとえば、上記アームの下端部に取り付けてある本来のNC制御対象である上記加熱手段5に対し、機械座標系(X,Y)内でどの方向にどれだけ離れた位置に取り付けてある等の情報として予め与えてあるものとし、上記制御部11で、上記レーザ変位センサ9の上記機械座標系(X,Y)内での位置を把握できるようにしてある。これにより、上記制御部11では、上記ガントリー1のX方向の走行と上記アーム4のY方向の横行の制御を介して上記レーザ変位センサ9を上記機械座標系(X,Y)内の任意の座標へ移動させることができるようにしてあると共に、上記レーザ変位センサ9より入力される検出信号で、該レーザ変位センサ9の真下の測定対象までの距離の急変が検出される時点におけるレーザ変位センサ9の位置情報を基に、上記定盤7上に複数の自動ジャッキ8を介して支持させてある上記曲げ対象鋼板6の板端部の機械座標系(X,Y)における座標を検出できるようにしてある。
更に又、上記制御部11は、図4に示すように、上記自動鋼板曲げ装置の定盤7に設定する機械座標系(X,Y)内で、X軸方向に所要寸法離れた所要の2個所で上記レーザ変位センサ9をY軸方向に沿わせて走査させるときに検出される上記曲げ対象鋼板6の1つの辺、たとえば、辺6aの2個所についての板端部の検出座標a(Xa,Ya)及び検出座標b(Xb,Yb)と、Y軸方向に所要寸法離れた所要の2個所で上記レーザ変位センサ9をX軸方向に沿わせて走査させるときに検出される上記曲げ対象鋼板6の上記辺6aに隣接する別の辺6bの2個所についての板端部の検出座標c(Xc,Yc)及び検出座標d(Xd,Yd)とを基に、上記検出座標aとbを結んで作られる直線と、上記検出座標cとdを結んで作られる直線の交点から、上記曲げ対象鋼板6の上記2つの辺6aと辺6bに挟まれたコーナ部P1の機械座標系(X,Y)での座標を算出することができるようにしてある。
又、図5(イ)に示すように、上記曲げ対象鋼板6の4辺6a,6b,6c,6dのうち、上記辺6aと辺6bとは別の組み合わせの隣接する2つの辺について上記と同様の処理を行うことで、上記曲げ対象鋼板6の別のコーナ部の座標、たとえば、辺6cと辺6dについて上記と同様に2個所ずつ板端部の座標を検出する処理を行なうことで、上記辺曲げ対象鋼板6cと曲げ対象鋼板6dに挟まれた上記コーナ部P1と対角に位置するコーナ部P2の座標を検出することができるようにしてある。
次に、上記制御部11による処理内容に即して本発明の自動鋼板曲げ装置による加熱位置修正方法について詳述する。
図1は上記制御部11による処理手順のフローを示すもので、制御部11は、先ず、図5(イ)に示すように、自動鋼板曲げ装置の定盤7上の所要個所に曲げ対象鋼板6を配置して自動ジャッキ8(図2参照)を介し支持させた初期状態にて、前述した処理手順により、上記レーザ変位センサ9による上記機械座標系(X,Y)でのY軸方向に沿う走査と、X軸方向に沿う操作により上記曲げ対象鋼板6の各辺6a,6b,6c,6dについて2個所ずつ板端部の座標を検出してから、上記曲げ対象鋼板6の対角位置の2つのコーナ部P1とP2を検出する(ステップ1:S1)。
次に、上記2つのコーナ部P1とP2の座標を基に、機械座標系(X,Y)での曲げ対象鋼板6の位置を求めて、該求められた曲げ対象鋼板6の位置が上記自動曲げ装置による曲げ加工可能な所定の枠内にあることを確認する(ステップ2:S2)。
次いで、別途所要の加熱方案策定手法により予め策定された曲げ対象鋼板6の初期形状に対する加熱線(図示せず)の配置と、該各加熱線の加熱条件と、各加熱線の加熱順序に関する加熱方案が上記制御部11に与えられると(ステップ3:S3)、該制御部11では、上記加熱方案に基づいて、上記曲げ対象鋼板6の1つのコーナ部、たとえば、コーナ部P1を基準として該曲げ対象鋼板6上にワーク座標系(x,y)を設定して、該ワーク座標系(x,y)内での加熱線位置を求めてから(ステップ4:S4)、上記ワーク座標系(x,y)内での加熱線位置に沿わせて加熱手段5を所定の加熱条件が得られるように移動させるための該ワーク座標系(x,y)に関するNCプログラムを作成する(ステップ5:S5)。
その後、ワーク座標系(x,y)の原点を上記機械座標系(X,Y)の原点から上記ステップ1(S1)で求めた曲げ対象鋼板6のコーナ部P1の座標までのシフト量(dx,dy)により設定することで、上記ステップ5(S5)で設定されたワーク座標系(x,y)に関するNCプログラムに基づいて加熱手段5を上記ワーク座標系(x,y)内で移動させるための該加熱手段5の位置の座標を、上記機械座標系(X,Y)の座標に置き換え(ステップ6:S6)、この置き換えられた加熱手段5の機械座標系(X,Y)での位置座標に応じて上記ガントリー1のX方向の走行と、アーム4のY方向の横行とをNC制御することにより、曲げ対象鋼板6上に設定された加熱線に沿わせて加熱手段5を移動させて線状加熱を行うようにする(ステップ7:S7)。
上記のようにして加熱方案で定められた加熱順序に従って或る加熱順序の加熱線の線状加熱工程が終了すると、制御部11は、上記ステップ7(S7)で加熱線の線状加熱を実施することによって曲げ対象鋼板6に設定してあるすべての加熱線の線状加熱が終了したか否か、すなわち、線状加熱を実施した加熱線が、上記加熱方案で加熱順序として最後に設定された加熱線であるか否かの判断を行い(ステップ8:S8)、加熱順序として最後以外の加熱線である場合はステップ9(S9)へ進むようにする。
その後、上記ステップ9(S9)では、上記ステップ1(S1)と同様に、上記レーザ変位センサ9による上記機械座標系(X,Y)でのY軸方向に沿う走査と、X軸方向に沿う操作により上記曲げ対象鋼板6の各辺6a,6b,6c,6dについて2個所ずつ板端部の座標を検出してから、上記曲げ対象鋼板6の対角位置の2つのコーナ部P1とP2を検出する。
この際、上記ステップ7(S7)で行った線状加熱による曲げ対象鋼板6の曲げ加工に伴って、該曲げ対象鋼板6が自動ジャッキ8(図2参照)の上でX−Y方向への変位による位置ずれを生じた場合は、上記ステップ9(S9)で検出される曲げ対象鋼板6のコーナ部P1の機械座標系(X,Y)における座標が、上記ステップ1(S1)で検出された座標より変化する。又、上記曲げ対象鋼板6に回転変位による位置ずれが生じた場合は、上記ステップ9(S9)で検出される曲げ対象鋼板6の対角位置の2つのコーナ部P1とP2の機械座標系(X,Y)での座標を結ぶ直線の傾きが、上記ステップ1(S1)で求めたコーナ部P1とP2の機械座標系(X,Y)での座標を結ぶ直線の傾きより変化する。
この点に鑑みて、ステップ10(S10)では、図5(ロ)に示すように、上記ステップ7(S7)で或る加熱順序の加熱線の線状加熱を行った後の曲げ対象鋼板6について上記ステップ(S9)で得られるコーナ部P1の機械座標系(X,Y)での座標を基に、新たなワーク座標系(x,y)の原点シフト量(dx,dy)を求めると共に、2つのコーナ部P1とP2の機械座標系(X,Y)での相対位置を基に、曲げ対象鋼板6の回転変位に伴う該曲げ対象鋼板6上に設定してあるワーク座標系(x,y)の座標軸が機械座標系(X,Y)の座標軸より傾いている軸回転角度θを算出するようにしてある。
なお、曲げ対象鋼板6の或る加熱順序の加熱線の線状加熱による曲げ加工を行うと、該曲げ対象鋼板6の平面形状が変化したり収縮することで、2つのコーナ部P1とP2の相対位置が厳密には変化している。そのため、上記曲げ対象鋼板6の実加熱工程での回転変位をより確実に検出できるようにするには、特許文献2に示されているように、実加熱工程の実施前に、予め、初期形状の曲げ対象鋼板6における加熱線の配置と、各加熱線の加熱条件と、各加熱線の加熱順序が定められた加熱方案を基に、上記加熱方案により初期形状の曲げ対象鋼板6に対して配置が設定されている各加熱線を、設定された加熱順序に従って、設定された加熱条件で順次線状加熱するときに該各加熱線の線状加熱ごとに上記曲げ対象鋼板6に生じることとなる変形を解析しておき、この曲げ対象鋼板6の加熱変形解析に基づいて、上記ステップ7(S7)で実施した或る加熱順序の加熱線の線状加熱後に得られると想定される所要の変形状態の曲げ対象鋼板6の各コーナ部P1とP2についての相対的な位置関係と、上記ステップ9(S9)で検出される実加熱工程で加熱変形された曲げ対象鋼板6の各コーナ部P1とP2の相対的な位置関係を比較することで、上記曲げ対象鋼板6の回転変位を検出するようにすればよい。
その後、上記ステップ10(S10)で求めた、機械座標系(X,Y)に対するワーク座標系(x,y)の原点シフト量(dx,dy)、及び、軸回転角度θを用いてワーク座標系(x,y)の原点を再設定することで、上記ステップ5(S5)で設定されたワーク座標系(x,y)に関するNCプログラムに基づいて加熱手段5を上記ワーク座標系(x,y)内で加熱順序として次に加熱する加熱線に沿わせて移動させるための該加熱手段5の位置の座標を、上記機械座標系(X,Y)の座標に再度置き換えた後(ステップ11:S11)、上記ステップ7へ戻って、上記置き換えられた加熱手段5の機械座標系(X,Y)での位置座標に応じて上記ガントリー1のX方向の走行と、アーム4のY方向の横行とをNC制御することにより、曲げ対象鋼板6上に設定された加熱順序として次に加熱する加熱線に沿わせて加熱手段5を移動させて線状加熱を行うようにする(ステップ7:S7)。
以降は上記ステップ7(S7)の後、ステップ11(S11)までの手順を、加熱順序として最後に加熱する加熱線の線状加熱が行われるまで順次繰り返して曲げ対象鋼板6の実加熱工程を行うようにする。
しかる後、上記ステップ7(S7)で加熱順序として最後に加熱する加熱線についての線状加熱処理が実施された後は、ステップ8(S8)に進んだ時点で、上記ステップ7(S7)で線状加熱が実施された加熱線が、加熱方案にて加熱順序として最後に設定された加熱線であると判断されるため、この場合は、ステップ12(S12)へ進んで、線状加熱による曲げ対象鋼板6の曲げ加工処理を終了するようにする。
このように、本発明の自動鋼板曲げ装置の加熱位置修正方法及び装置によれば、自動鋼板曲げ装置の定盤7上に複数の自動ジャッキ8を介して支持してある曲げ対象鋼板6に、実加熱工程の途中で、位置ずれが生じても、位置ずれ後の曲げ対象鋼板6上に設定されている加熱線の位置に合わせて加熱手段を自動的に配置して、該加熱線位置の線状加熱処理を行うことが可能になる。したがって、実加熱工程の途中で曲げ対象鋼板6が位置ずれしても、仕上げ精度が悪化する虞を未然に防止できる。更に、加熱手段5が曲げ対象鋼板6の板端部を越える虞を未然に防止できるため、曲げ対象鋼板6の板端部の溶け落ちによる施工精度不良が生じる虞を解消することができる。
上記のように実加熱工程で曲げ対象鋼板6に位置ずれが生じて、該曲げ対象鋼板6の位置ずれに伴って変位する加熱線に自動的に加熱手段を追従させて配置する場合であっても、所要の加熱方案に基づいてワーク座標系(x,y)に関して作成したNCプログラム自体を変更する必要はなく、位置ずれした後の曲げ対象鋼板6のコーナ部P1とP2の機械座標系(X,Y)での座標を基に、上記曲げ対象鋼板6上に設定してあるワーク座標系(x,y)の機械座標系(X,Y)に対する原点シフト量(dx,dy)、及び、ワーク座標系(x,y)の機械座標系(X,Y)に対する軸回転角度θを再設定することで対応することができるため、作業性を高いものとすることができる。
なお、本発明は上記実施の形態のみに限定されるものではなく、ステップ3(S3)で制御部11に与える加熱方案を策定するための手法としては、従来提案されているいかなる加熱方案策定手法を用いるようにしてもよい。
ステップ4(S4)における所要の加熱方案に基づいてワーク座標系(x,y)内での加熱線位置を求める処理や、ステップ5(S5)におけるワーク座標系(x,y)に関するNCプログラムを作成する処理は、制御部11とは別体の処理装置で行わせるようにしてもよい。
ステップ9(S9)では、曲げ対象鋼板6の対角位置の2つのコーナ部P1とP2を検出するものとして示したが、曲げ対象鋼板6のコーナ部P1と、該コーナ部P1と1つの辺を挟んで隣接する別のコーナ部の2つのコーナ部を検出するようにしてもよい。
上記実施の形態では、実加熱工程を実施するときの初期状態では、図5(イ)に示すように、自動鋼板曲げ装置の定盤7に設定される機械座標系(X,Y)の座標軸に対して、曲げ対象鋼板6上に設定されるワーク座標系(x,y)の座標軸が平行になっているものとして示したが、初期状態で曲げ対象鋼板6の上のワーク座標系(x,y)の座標軸が、上記自動鋼板曲げ装置の定盤7に設定される機械座標系(X,Y)の座標軸に対して傾いていてもよい、この場合は、ステップ1(S1)で検出される曲げ対象鋼板6の2つのコーナ部P1,P2の座標と、該曲げ対象鋼板6の当初の平面形状の情報を制御部11与えることで、該制御部11にて、ステップ10(S10)と同様の処理により上記ワーク座標系(x,y)の座標軸の上記機械座標系(X,Y)の座標軸に対する軸回転角度を求めた後、ステップ6(S6)でワーク座標系(x,y)の原点を設定するときに、上記ステップ11(S11)と同様にして、ワーク座標系(x,y)の原点シフト量(dx,dy)に上記軸回転角度を加味して設定するようにすればよい。このようにすれば、曲げ対象鋼板6を定盤7上に最初に配置するときにも、正確な位置合わせが不要になるため、上記曲げ対象鋼板6を上記定盤7上に搬入して自動ジャッキ8上に配設するのに要する手間及び時間をより削減できる効果が期待できる。
ステップ9(S9)でのレーザ変位センサ9による曲げ対象鋼板6の各辺6a,6b,6c,6dの板端部の座標の検出を介した上記曲げ対象鋼板6の対角位置の2つのコーナ部P1とP2の検出と、ステップ10(S10)でのワーク座標系(x,y)の機械座標系(X,Y)の座標軸に対する軸回転角度θの算出と、ステップ11(S11)における機械座標系(X,Y)に対する原点シフト量(dx,dy)、及び、軸回転角度θを用いたワーク座標系(x,y)の原点の再設定の処理は、ステップ7(S7)で1つの加熱線の線状加熱を行う度ごとではなく、該ステップ7(S7)で所要の複数本の加熱線の線状加熱を行ってから、ステップ8(S8)を経てステップ9,10,11(S9,S10,S11)へ進むようにしてもよい。
図5(ロ)では、ワーク座標系(x,y)の直交する2軸のうち、x軸が曲げ対象鋼板6の1つの辺6aに沿うものとして示したが、y軸が曲げ対象鋼板6の辺6bに沿う配置としてもよい。
定盤7に設定される機械座標系(X,Y)の範囲内に曲げ対象鋼板6を収めることができるようにしてあれば、定盤7の平面形状や曲げ対象鋼板6の平面形状の縦横比はそれぞれ図5(イ)(ロ)に示したものより適宜変更してもよい。又、定盤7と曲げ対象鋼板6のサイズの比は図5(イ)(ロ)に示した比率以外の比率としてもよい。
レーザ変位センサ9は、定盤7上に設定される機械座標系(X,Y)について走査できるようにしてあれば、アーム4の伸縮部4a以外の所要個所に対する取付位置、取付方法は自在に変更してもよい。
変位センサとしては、定盤7上に設定される機械座標系(X,Y)について走査することで、該定盤7上に配置される曲げ対象鋼板6の板端部を正確に検出できれば、レーザ変位センサ9以外のいかなる形式の非接触式の変位センサを用いるようにしてもよい。更には、上記曲げ対象鋼板6の板端部を検出できれば、変位センサ以外のセンサを用いることも可能である。
その他本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々変更を加え得ることは勿論である。
5 加熱手段
6 曲げ対象鋼板
7 定盤
9 レーザ変位センサ(変位センサ)
11 制御部

Claims (4)

  1. 定盤上に配置する曲げ対象鋼板の表面に設定してある加熱線に沿って加熱手段を移動させて線状加熱を行うことで該曲げ対象鋼板の曲げ加工を行うようにしてある自動鋼板曲げ装置における上記定盤上に、機械座標系を設定して、上記曲げ対象鋼板の機械座標系における位置を求め、且つ上記曲げ対象鋼板上に上記機械座標系とは別のワーク座標系を設定して、該ワーク座標系にて、所要の加熱方案に基づいて上記曲げ対象鋼板上に配置される加熱線の位置に応じて加熱手段を移動させるためのワーク座標系に関するNCプログラムを作成した後、上記機械座標系における曲げ対象鋼板の位置情報から求めた原点シフト量で機械座標系の原点に対する上記ワーク座標系の原点を設定することで、上記ワーク座標系に関するNCプログラムに基づく上記加熱手段を配置すべき位置を、機械座標系に置き換え、該機械座標系に置き換えられた加熱手段を配置すべき位置に応じて加熱手段を機械座標系でNC制御して線状加熱処理を行い、その後、1本又は所要の複数本の加熱線の線状加熱を行うごとに、上記曲げ対象鋼板の上記定盤上の機械座標系での位置を検出し、該検出された機械座標系における曲げ対象鋼板の位置情報から求める原点シフト量で機械座標系の原点に対する上記ワーク座標系の原点を再び設定してから、上記ワーク座標系に関するNCプログラムに基づく上記加熱手段を配置すべき位置を、機械座標系に置き換え、該機械座標系に置き換えられた加熱手段を配置すべき位置に応じて加熱手段を機械座標系でNC制御して線状加熱処理を行うようにすることを特徴とする自動鋼板曲げ装置による加熱位置修正方法。
  2. 曲げ対象鋼板の機械座標系における位置情報から、該曲げ対象鋼板上のワーク座標系の座標軸の機械座標系の座標軸に対する軸回転角度を求めて、機械座標系における曲げ対象鋼板の位置情報から求めた原点シフト量で機械座標系の原点に対する上記ワーク座標系の原点を設定するときに、該ワーク座標系を、上記機械座標系に対して上記軸回転角度で回転した状態で設定するようにする請求項1記載の自動鋼板曲げ装置による加熱位置修正方法。
  3. 定盤上に配置する曲げ対象鋼板の表面に設定してある加熱線に沿って加熱手段をNC制御して線状加熱を行うことで該曲げ対象鋼板の曲げ加工を行うようにしてある自動鋼板曲げ装置における上記定盤上に設定される機械座標系を走査して該定盤上に配置された曲げ対象鋼板の板端部を検出するための変位センサを設け、更に、加熱手段をNC制御する制御部を備えて、該制御部に上記変位センサの検出信号を入力できるようにし、且つ上記制御部に、上記変位センサの検出信号を基に上記定盤上に設定した機械座標系における上記曲げ対象鋼板の位置を検出する機能と、上記曲げ対象鋼板上に上記機械座標系とは別に設定したワーク座標系を設定する機能と、該ワーク座標系で所要の加熱方案に基づいて上記曲げ対象鋼板上に配置される加熱線の位置に応じて加熱手段を移動させるためのワーク座標系に関するNCプログラムを作成する機能と、該ワーク座標系に関するNCプログラムに基づく上記加熱手段を配置すべき位置を、上記機械座標系における曲げ対象鋼板の位置情報から求めた原点シフト量で機械座標系の原点に対する上記ワーク座標系の原点を設定することで機械座標系に置き換えて、該機械座標系に置き換えられた加熱手段を配置すべき位置に応じて加熱手段を機械座標系でNC制御して線状加熱処理を行わせる機能と、更に、1本又は所要の複数本の加熱線の線状加熱を行うごとに、上記変位センサの検出信号を基に機械座標系における曲げ対象鋼板の位置を再検出する機能と、上記曲げ対象鋼板上のワーク座標系に関するNCプログラムに基づく上記加熱手段を配置すべき位置を、上記機械座標系における曲げ対象鋼板の再検出した位置情報から求めた原点シフト量で機械座標系の原点に対する上記ワーク座標系の原点を再び設定することで機械座標系に置き換えて、該機械座標系に置き換えられた加熱手段を配置すべき位置に応じて加熱手段を機械座標系でNC制御して線状加熱処理を行わせる機能と、を付与させてなるものとした構成を有することを特徴とする自動鋼板曲げ装置による加熱位置修正装置。
  4. 制御部を、変位センサの検出信号を基に検出される曲げ対象鋼板の機械座標系における位置情報から、該曲げ対象鋼板上のワーク座標系の座標軸の機械座標系の座標軸に対する軸回転角度を求める機能と、曲げ対象鋼板上のワーク座標系に関するNCプログラムに基づく上記加熱手段を配置すべき位置を、上記機械座標系における曲げ対象鋼板の再検出した位置情報から求めた原点シフト量で機械座標系の原点に対する上記ワーク座標系の原点を設定することで機械座標系に置き換えるときに、該ワーク座標系を、上記機械座標系に対して上記軸回転角度で回転した状態で設定できる機能とを有するものとした請求項3記載の自動鋼板曲げ装置による加熱位置修正装置。
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