JP2010192712A - Simoxウェーハの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】バルク層の埋め込みシリコン酸化膜との界面付近に存在する欠陥集合層を低減または消滅可能なSIMOXウェーハの製造方法を提供する。
【解決手段】バルク層の埋め込みシリコン酸化膜との界面付近にアモルファスシリコン領域部を形成し、その後、この領域部に単結晶シリコンからなる活性層やバルク層は溶融しないが、高吸光係数のアモルファスシリコンは溶融する条件でレーザ光を照射した。これにより、アモルファスシリコン領域部のみが欠陥集合層とともに溶融し、その後、これを冷却して固化することで、欠陥集合層の低減または消滅が図れる。
【選択図】図1d

Description

この発明はSIMOXウェーハの製造方法、詳しくはバルク層の埋め込みシリコン酸化膜との界面付近に存在する欠陥集合層を低減または消滅可能なSIMOXウェーハの製造方法に関する。
近年、貼り合わせSOIウェーハに比べて製造工程数が少ないため、将来性が高いと嘱望されているSOI(Silicon On Insulator)技術に、SIMOX(Separation by Implanted Oxygen)法がある。SIMOXウェーハは、シリコン単結晶からなるシリコンウェーハの表面より酸素イオンを注入し、ウェーハ表面から所定の深さの領域に埋込みシリコン酸化膜を形成する。
具体的には、シリコン単結晶のシリコンウェーハを室温〜500℃の温度に保持し、鏡面仕上げされたウェーハ表面から、1×1017〜1×1018atoms/cmの酸素を表層の所定深さ位置にイオン注入し、イオン注入領域部を形成する(イオン注入工程)。その後、酸素がイオン注入されたシリコンウェーハを熱処理炉に挿入し、酸化性ガスの雰囲気下、高温熱処理(1300℃〜1390℃、10時間程度)を施すことで、イオン注入領域部を埋め込みシリコン酸化膜とする。これにより、シリコンウェーハが表面側の活性層と裏面側のバルク層とに2分割される。
ところで、SIMOXウェーハを製造する際には、埋め込みシリコン酸化膜の直下には、厚さ200nm程度の欠陥集合層が必然的に形成される(非特許文献1)。これは、熱処理の過程において、酸素注入領域が埋め込みシリコン酸化膜へと変質する時に過剰の格子間シリコンを吐き出し、この過剰格子間シリコンが凝集することで欠陥(欠陥集合層)を形成するものと推察される。この欠陥集合層は、ウェーハ内部の重金属をゲッタリングする効果を有している。
J.Electrochem.Soc.,142,2059,(1995)
しかしながら、欠陥集合層は、デバイス形成プロセス中、SIMOXウェーハに対して数msの短時間でのアニールを施すフラッシュランプアニールやレーザスパイクアニールを行った際、線欠陥の一種である転位の発生源となり易かった。これは、上記熱処理手法を使用することで、短時間でウェーハ表面のみが高温加熱されるため、表層部に大きな応力が生じ、欠陥集合層から容易に転位が発生して移動するからである。
そこで、発明者は鋭意研究の結果、単結晶シリコンに比べて、吸光係数が高くかつ低融点(1100℃前後、シリコンは1420℃)のアモルファスシリコンに着目した。すなわち、まずバルク層の埋め込みシリコン酸化膜との界面付近(欠陥集合層を含む)に、例えばシリコンをイオン注入することで、アモルファスシリコン領域部を形成する。その後、アモルファスシリコン領域部にレーザ光などの高エネルギ光を、吸光係数が低い単結晶シリコン製の活性層やバルク層は溶融しないものの、高吸光係数・低融点のアモルファスシリコンは溶融する条件で照射する。または、溶融しなくても、アモルファスシリコンが固相エピタキシーにより単結晶化する条件で、アモルファスシリコン領域部に高エネルギ光を照射する。これにより、上記溶融する照射条件の場合には、アモルファスシリコン領域部のみが欠陥集合層とともに溶融し、その後、冷却して固化することで、液相エピタキシーによりアモルファスシリコン領域部が単結晶化し、欠陥集合層の低減または消滅が図られる。一方、上記溶融しない照射条件の場合でも、固相エピタキシーによりアモルファスシリコン領域部が単結晶化する。
ここでは、高エネルギ光による熱処理を説明したが、通常の抵抗加熱炉やハロゲンランプアニール炉などによる熱処理でも、アモルファスシリコン領域部が結晶性を回復することで、欠陥集合層の低減または消滅することを知見し、この発明を完成させた。
この発明は、バルク層の埋め込みシリコン酸化膜との界面付近に存在する欠陥集合層を低減または消滅させることができるSIMOXウェーハの製造方法を提供することを目的としている。
請求項1に記載の発明は、シリコン単結晶からなるシリコンウェーハに、その表面より酸素をイオン注入するイオン注入工程と、該イオン注入工程後、前記シリコンウェーハを熱処理してその表層に埋め込みシリコン酸化膜を形成し、前記シリコンウェーハをシリコン単結晶からなる活性層とシリコン単結晶からなるバルク層とに2分割する酸化膜形成工程と、該酸化膜形成工程後、前記埋め込みシリコン酸化膜直下の前記バルク層の界面付近に、アモルファスシリコン領域部を形成するアモルファス化工程と、該アモルファス化工程後、前記活性層および前記埋め込みシリコン酸化膜を溶融させず、前記アモルファスシリコン領域部のみを高エネルギ光の照射による光加熱または抵抗加熱を行うことで単結晶化する単結晶化工程とを備えたSIMOXウェーハの製造方法である。
請求項1に記載の発明によれば、バルク層のうち、埋め込みシリコン酸化膜との界面付近をアモルファス化し、ここにアモルファスシリコン領域部を形成する。その後、高エネルギ光の照射による光加熱または抵抗加熱により、活性層および埋め込みシリコン酸化膜は溶融せず、かつアモルファスシリコン領域部のみを溶融する熱処理を行い、これを冷却して固化させる(液相エピタキシー)。あるいは、アモルファスシリコン領域部を溶融させない固相エピタキシーの条件、例えば1050℃で加熱を行う。これにより、アモルファスシリコン領域部を単結晶化し、バルク層の一部とする。
すなわち、アモルファスシリコンは、高エネルギ光の波長に依存するものの単結晶シリコンに比べて吸光係数が高く、かつ低融点である。そのため、光加熱式のアニール炉や抵抗加熱式のアニール炉を使用すれば、単結晶シリコンの融点より低い加熱温度で、アモルファスシリコン領域部のみを単結晶化させることができる。これにより、埋め込みシリコン酸化膜直下のバルク層の界面付近に欠陥集合層が存在しても、液相エピタキシーまたは固相エピタキシーにより、欠陥集合層を含めてアモルファスシリコン領域部が単結晶化する。その結果、SIMOXウェーハの欠陥集合層の低減または消滅を図ることができる。
シリコンウェーハは、単結晶シリコンウェーハである。
単結晶シリコンの融点は1420℃、アモルファスシリコンの融点は1100℃前後である。
アモルファスシリコン領域部は、シリコンウェーハの表層の平面視した全域に形成しても、その平面視した一部に形成してもよい。
アモルファスシリコン領域部の厚さ(欠陥集合層を含む)は、0.1〜1.0μmである。0.1μm未満では、欠陥集合層を完全に消滅させることはできない。また、1.0μmを超えれば高電圧注入装置が必要となる。これはイオン電流の低い装置であるため、生産性が大幅に低下する。アモルファスシリコン領域部の好ましい厚さは、0.2〜0.5μmである。この範囲であれば、ドーズ量の大幅な増加がなく、中電流イオン注入装置が適用でき、生産性の低下を抑制することができる。
「欠陥集合層」とは、埋め込みシリコン酸化膜の直下に形成された厚さ200nm以内の格子間シリコン原子の集合体である。
「アモルファス化」の方法としては、例えばイオン注入装置によるシリコンのイオン注入を採用することができる。具体的には、イオン注入時に活性層および埋め込みシリコン酸化膜より下方の領域にシリコンのイオン注入ピークが存在し、その付近ではアモルファスシリコン領域部(アモルファス層)が形成されるように、例えばシリコンのイオンを加速エネルギ50〜100KeV、ドーズ量1×1015atoms/cmの条件で注入し、上記アモルファス化を行う。
アモルファスシリコン領域部の単結晶化工程では、光加熱方式のアニール装置または抵抗加熱方式のアニール炉を使用し、アモルファスシリコン領域部の単結晶化を行う。
光加熱方式としては、例えば各種のランプアニール法(通常のハロゲンランプによるランプアニール法)、スパイククランプアニール法、フラッシュランプアニール法など)、レーザアニール法(レーザスパイクアニール法など)を採用することができる。
高エネルギ光としては、光加熱方式に応じた例えばランプ光、レーザ光などを採用することができる。
高エネルギ光の照射エネルギは、パルス照射の場合、レーザ光の照射時間に依存する。そのため、装置仕様により条件が大きく異なるものの、例えば100n秒程度のパルス時間の場合には、0.5〜3.0J/cmとする。0.5J/cm未満では、レーザ出力が小さすぎて加熱に時間を要する。そのため、生産性の低下などが課題となる。また、3.0J/cmを超えれば、単結晶シリコンからなる活性層が溶融する。高エネルギ光の好ましい照射エネルギは、0.7〜2.0J/cmである。この範囲であれば、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)用の市販装置により対応することができる。
請求項2に記載の発明は、前記酸化膜形成工程では、酸化性ガスの雰囲気で前記シリコンウェーハを熱処理することによって、前記シリコンウェーハに表面酸化膜が形成され、前記酸化膜形成工程と前記アモルファス化工程との間に、前記表面酸化膜を除去する酸化膜除去工程が設けられた請求項1に記載のSIMOXウェーハの製造方法である。
酸化膜除去方法としては、例えばフッ酸溶液にシリコンウェーハを浸漬する方法などを採用することができる。
請求項3に記載の発明は、前記アモルファス化工程では、前記シリコンウェーハに、シリコン、アルゴン、ゲルマニウムを含む非ドーパント群の中の何れか1つを、5×1014〜1×1017atoms/cmでイオン注入する請求項1または請求項2に記載のSIMOXウェーハの製造方法である。
シリコン、アルゴン、ゲルマニウムなどは、シリコンウェーハに対する非ドーパントの一種である。そのイオン注入量は、5×1014〜1×1017atoms/cmである。
5×1014atoms/cm未満では、電子顕微鏡による観察でもアモルファスシリコン領域部を明確に視認することができず、欠陥集合層を完全に消失させるまでにいかない。また、1×1017atoms/cmを超えれば、イオン注入の稼動時間が長くなる。好ましいイオン注入量は、1×1015〜1×1016atoms/cmである。この範囲であれば、アモルファス領域の幅も広がり、かつ生産性の観点からも大幅な低下を生じさせない。
シリコン、アルゴン、酸素またはゲルマニウムなどの非ドーパントのイオン注入エネルギは、40〜200keVである。40keV未満では、埋め込みシリコン酸化膜や活性層にダメージを与える可能性がある。また、200keVを超えれば、欠陥集合層より下部領域にアモルファス層が形成され、欠陥集合層をアモルファス化するにはドーズ量を大きくする必要がある。好ましいイオン注入エネルギは、50〜150keVである。この範囲であれば、イオン注入装置の電流値が大きくなり、生産性の低下を抑制することができる。
請求項4に記載の発明は、前記アモルファスシリコン領域部は、前記バルク層のうち、前記埋め込みシリコン酸化膜との界面から深さ1.0μm以内に形成された請求項1〜請求項3のうち、何れか1項に記載のSIMOXウェーハの製造方法である。
アモルファスシリコン領域部が、バルク層の埋め込みシリコン酸化膜との界面から深さ1.0μmを超えれば、高電圧注入装置が必要となる。これはイオン電流の低い装置であることから、生産性が大幅に低下してしまう。ウェーハ表層の好ましい深さ領域は、ウェーハ表面から0.2〜0.5μmである。この範囲であれば、ドーズ量の大幅な増加がなく、中電流イオン注入装置が適用でき、生産性の低下を抑制することができる。
請求項5に記載の発明は、前記単結晶化工程では、前記アモルファスシリコン領域部のみを、アモルファスシリコンの融点未満の温度で熱処理して単結晶化させる請求項1〜請求項4のうち、何れか1項に記載のSIMOXウェーハの製造方法である。
加熱処理方法としては、光加熱方式のアニール炉を採用することができる。その他、抵抗加熱方式のアニール炉を適用してもよい。
アモルファスシリコンの融点未満の温度は、例えば1000℃〜1050℃である。
請求項6に記載の発明は、前記高エネルギ光は、波長200〜800nmのレーザ光である請求項1〜請求項5のうち、何れか1項に記載のSIMOXウェーハの製造方法である。
レーザ光としては、シリコン、特にアモルファスシリコンによる吸光係数が高い領域のものを採用することができる。例えば、YAGレーザの第3高調波(波長355nm)のパルスレーザ光、第2高調波(波長532nm)、ダイオードレーザなどを出力するレーザ発振源でもよい。
レーザ光の波長が300nm未満では、単結晶シリコンの吸光係数がアモルファスシリコンより大きくなり、活性層が優先的に加熱される。また、800nmを超えれば、単結晶シリコンおよびアモルファスシリコンの吸光係数がほとんどゼロになり、レーザ光がシリコンウェーハを透過してしまう。レーザ光の好ましい波長は、400〜600nmである。この範囲であれば、アモルファスシリコンの吸光係数は単結晶シリコンの吸光係数よりも高く、より速くアモルファスシリコン領域部のみを加熱することができる。
レーザ光の照射エネルギ、レーザ光の照射パルス数、レーザ光のパルス幅は、レーザ光の種類に応じてそれぞれ選択される。
請求項1に記載の発明によれば、バルク層の埋め込みシリコン酸化膜との界面付近をアモルファス化し、ここにアモルファスシリコン領域部を形成する。その後、アモルファスシリコン領域部を高エネルギ光の照射による光加熱または抵抗加熱により単結晶化させることで、バルク層の一部とする。
アモルファスシリコンは、単結晶シリコンに比べて特定の波長領域で吸光係数が高く、かつ融点も低い。そのため、光加熱式のアニール炉または抵抗加熱式のアニール炉を使用することで、単結晶シリコンの融点より低い加熱温度でアモルファスシリコン領域部が単結晶化する。
その結果、バルク層の埋め込みシリコン酸化膜との界面付近に欠陥集合層が存在しても、溶融時または溶融を伴わない熱処理時に、欠陥集合層を含めてアモルファスシリコン領域部が単結晶化する。よって、SIMOXウェーハの欠陥集合層の低減または消滅を図ることができる。
この発明の実施例1に係るSIMOXウェーハの製造方法の酸素イオン注入工程を示すウェーハ表層の要部拡大断面図である。 この発明の実施例1に係るSIMOXウェーハの製造方法の酸化膜形成工程を示すウェーハ表層の要部拡大断面図である。 この発明の実施例1に係るSIMOXウェーハの製造方法のアモルファス化工程を示すウェーハ表層の要部拡大断面図である。 この発明の実施例1に係るSIMOXウェーハの製造方法の単結晶化工程を示すウェーハ表層の要部拡大断面図である。 この発明の実施例1に係るSIMOXウェーハの製造方法の単結晶化工程直後のウェーハ表層の要部拡大断面図である。 この発明の実施例2に係るSIMOXウェーハの製造方法の単結晶化工程を示すウェーハ表層の要部拡大断面図である。 この発明の実施例2に係るSIMOXウェーハの製造方法の単結晶化工程直後のウェーハ表層の要部拡大断面図である。
以下、この発明の実施例を具体的に説明する。
この発明の実施例1に係るSIMOXウェーハの製造方法を説明する。
まず、チョクラルスキー法により直径310mm、初期酸素濃度1.0×1018atoms/cmの空孔リッチなボイド欠陥が存在するシリコン単結晶インゴットを引き上げる。その際、ドーパントとしてボロンを、シリコン単結晶インゴットの比抵抗が10mΩ・cmとなるまで添加する。得られたシリコン単結晶インゴットには、ブロック切断、外径研削、スライス、面取り、ラッピング、鏡面研磨を順次施し、厚さ775μm、直径300mmの鏡面仕上げされた多数枚のシリコンウェーハを得る。
次に、図1のフローシートを参照し、その後のSIMOXウェーハの製造方法を説明する。
まず、シリコンウェーハ10の表面から、中電流イオン注入装置を使用し、180keVの加速電圧で酸素イオンを注入する(図1a)。このときのドーズ量は、4×1017atoms/cmである。これにより、ウェーハ表面から深さ約0.2μmの位置にイオン注入領域部11が形成される。
その後、シリコンウェーハ10を熱処理炉に挿入し、1350℃で20時間、熱処理する。雰囲気ガスとしては、アルゴンと酸素との混合比が99:1の混合ガスをアニール初期で導入し、その後、酸素濃度60%のアルゴンと酸素との混合ガスを用いて10時間程度保持する。これにより、注入された酸素とシリコンとが結合し、イオン注入領域部11にSiOからなる厚さ0.07μmの埋め込みシリコン酸化膜12が形成される。その結果、シリコンウェーハ11の表面側に厚さ0.05μmの活性層13が形成される一方、シリコンウェーハ10の裏面側にバルク層14が形成される。これにより、活性層13とバルク層14との間に、埋め込みシリコン酸化膜12が介在されたSIMOX構造が作製される(図1b)。このとき、必然的にバルク層14の埋め込みシリコン酸化膜12との界面付近には、厚さ約200nmの欠陥集合層15が現出する。
次に、SIMOX構造が作製されたシリコンウェーハ10を中電流イオン注入装置の炉内に挿入し、室温下での180keVの加速電圧で、1×1015atoms/cmのシリコン(Si)を、活性層13の表面からイオン注入する(図1c、アモルファス化工程)。
これにより、バルク層14の埋め込みシリコン酸化膜12との界面付近(埋め込みシリコン酸化膜12からウェーハ深さ方向へ0.2μmの領域)が、アモルファスシリコン領域部16となる。すなわち、アモルファスシリコン領域部16には、欠陥集合層15が含まれる。
続いて、シリコンウェーハ10をパルス方式のレーザアニール炉に挿入する。ここで、YAGレーザ光(波長532nm、パルス幅120ナノ秒、照射エネルギ0.9J/cm)を、活性層13の表面から照射する(図1d、単結晶化工程)。
前述したように、アモルファスシリコン領域部16は、単結晶シリコンに比べて吸光係数が高い。そこで、レーザアニール炉を使用し、前記照射エネルギ量で、活性層13およびバルク層14は溶けず、欠陥集合層15を含むアモルファスシリコン領域部16のみが溶融する(図1d)。その後、溶融したアモルファスシリコン領域部16を固化させ、単結晶シリコン層に変質させる(図1e)。これにより、アモルファスシリコン領域部16がバルク層14と一体化したSIMOXウェーハ20が作製される。
このように、単結晶化工程で欠陥集合層15を含めてアモルファスシリコン領域部16を溶かし、その後の冷却、固化によりこれを単結晶シリコン化するようにしたので、バルク層14の埋め込みシリコン酸化膜12との界面付近に存在する欠陥集合層15の低減または消滅を図ることができる。
次に、図2のフローシートを参照して、この発明の実施例2に係るSIMOXウェーハの製造方法を説明する。
この実施例2のSIMOXウェーハの製造方法は、以下の点を特徴としている。すなわち、図1cに示すSIMOX構造が作製されたシリコンウェーハ10を用意し、これをキセノンランプを熱光源としたフラッシュランプ炉内に挿入する(図2a)。次に、1250℃まで炉内温度を高めて、ミリ秒レベルの時間だけ加熱する。
これにより、欠陥集合層15を含むアモルファスシリコン領域部16のみが、溶融を伴わないシリコン層16Aとなる。その結果、溶融を伴わないシリコン層16Aとの界面を基準とし、バルク層14の固体領域の結晶性(結晶面および結晶方位など)を引き継いで、溶融を伴わないシリコン層16Aが単結晶化する。これにより、実施例1の場合と同じように、アモルファスシリコン領域部16がバルク層14と一体化したSIMOXウェーハ20Aが作製される(図2b)。
その他の構成、作用および効果は、実施例1とから推測可能な範囲であるので、説明を省略する。
10 シリコンウェーハ、
11 イオン注入領域部、
12 埋め込みシリコン酸化膜、
13 活性層、
14 バルク層、
16 アモルファスシリコン領域部、
16A 溶融を伴わないシリコン層、
20,20A SIMOXウェーハ。

Claims (6)

  1. シリコン単結晶からなるシリコンウェーハに、その表面より酸素をイオン注入するイオン注入工程と、
    該イオン注入工程後、前記シリコンウェーハを熱処理してその表層に埋め込みシリコン酸化膜を形成し、前記シリコンウェーハをシリコン単結晶からなる活性層とシリコン単結晶からなるバルク層とに2分割する酸化膜形成工程と、
    該酸化膜形成工程後、前記埋め込みシリコン酸化膜直下の前記バルク層の界面付近に、アモルファスシリコン領域部を形成するアモルファス化工程と、
    該アモルファス化工程後、前記活性層および前記埋め込みシリコン酸化膜を溶融させず、前記アモルファスシリコン領域部のみを高エネルギ光の照射による光加熱または抵抗加熱を行うことで単結晶化する単結晶化工程とを備えたSIMOXウェーハの製造方法。
  2. 前記酸化膜形成工程では、酸化性ガスの雰囲気で前記シリコンウェーハを熱処理することによって、前記シリコンウェーハに表面酸化膜が形成され、
    前記酸化膜形成工程と前記アモルファス化工程との間に、前記表面酸化膜を除去する酸化膜除去工程が設けられた請求項1に記載のSIMOXウェーハの製造方法。
  3. 前記アモルファス化工程では、前記シリコンウェーハに、シリコン、アルゴン、ゲルマニウムを含む非ドーパント群の中の何れか1つを、5×1014〜1×1017atoms/cmでイオン注入する請求項1または請求項2に記載のSIMOXウェーハの製造方法。
  4. 前記アモルファスシリコン領域部は、前記バルク層のうち、前記埋め込みシリコン酸化膜との界面から深さ1.0μm以内に形成された請求項1〜請求項3のうち、何れか1項に記載のSIMOXウェーハの製造方法。
  5. 前記単結晶化工程では、前記アモルファスシリコン領域部のみを、アモルファスシリコンの融点未満の温度で熱処理して単結晶化させる請求項1〜請求項4のうち、何れか1項に記載のSIMOXウェーハの製造方法。
  6. 前記高エネルギ光は、波長200〜800nmのレーザ光である請求項1〜請求項5のうち、何れか1項に記載のSIMOXウェーハの製造方法。
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