JP2010191405A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

定着装置及び画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2010191405A
JP2010191405A JP2009201600A JP2009201600A JP2010191405A JP 2010191405 A JP2010191405 A JP 2010191405A JP 2009201600 A JP2009201600 A JP 2009201600A JP 2009201600 A JP2009201600 A JP 2009201600A JP 2010191405 A JP2010191405 A JP 2010191405A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
crown portion
fixing roller
fixing
roller
reverse
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009201600A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5327716B2 (ja
Inventor
Yoshihiro Fukuhata
好博 福畑
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2009201600A priority Critical patent/JP5327716B2/ja
Priority to US12/873,628 priority patent/US8391766B2/en
Publication of JP2010191405A publication Critical patent/JP2010191405A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5327716B2 publication Critical patent/JP5327716B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Fixing For Electrophotography (AREA)

Abstract

【課題】記録媒体の曲げ剛性を向上させることにより、記録媒体の分離性を向上させることが可能な定着装置を提供する。
【解決手段】定着ローラ61のクラウン部61aと加圧ローラ62の逆クラウン部62bを対応させると共に、定着ローラ61の逆クラウン部61bと加圧ローラ62のクラウン部62aを対応させて、定着ローラ61と加圧ローラ62を互いに圧接させた定着装置である。定着ローラ61においてクラウン部61aを逆クラウン部61bよりも厚くなるように形成し、加熱源63によって加熱される定着ローラ61の内周面の加熱温度を、逆クラウン部61bよりもクラウン部61aにおいて高くなるように構成した。
【選択図】図5

Description

本発明は、記録媒体を加熱及び加圧して画像を記録媒体に定着させる定着装置、及びその定着装置を備えた画像形成装置に関する。
複写機、プリンタ、ファクシミリ、あるいはこれらの複合機等の画像形成装置には、記録媒体としての記録用紙に転写されたトナー画像を熱と圧力によって定着させる定着装置が多く用いられている。定着装置としては、例えば、内部にヒータ等の加熱源を有する定着ローラに加圧ローラを圧接したタイプや、前記定着ローラに無端状の加圧ベルトを押圧部材によって押圧したタイプなどがある。これらの定着装置は、定着ローラと加圧ローラの圧接部、又は定着ローラと加圧ベルトとの圧接部に形成された定着ニップに、トナー画像が転写された記録用紙を通過させることによって、その記録用紙を加熱及び加圧し、トナー画像を記録用紙に定着するようにしている。
図23は、定着ローラ100と加圧ローラ200を有する定着装置の簡略図である。図23に示すように、トナー画像Tが転写された記録用紙Pは、定着ローラ100と加圧ローラ200との間の定着ニップNを通過後、図の一点鎖線aの方向に搬出されるようになっている。しかし、上記のような熱定着タイプの定着装置は、定着時に記録用紙P上のトナーTを熱で溶融させるため、溶融したトナーTの定着ローラ100に対する付着力によって、記録用紙Pの搬送方向が一点鎖線aの方向から定着ローラ100側へ変化させられることがある。そして、溶融したトナーTの付着力によって、記録用紙Pが一点鎖線bで示す境界線を越えて定着ローラ100側に搬出された場合、記録用紙Pの定着ローラ100への巻き付きが発生する。
ここで、溶融したトナーの定着ローラへの付着力をF1、記録用紙を巻き付かせるのに要する曲げ力(記録用紙を一点鎖線aから一点鎖線bへ角度θだけ曲げるのに要する力)をF2とすると、F1<F2の関係を満たす場合に、記録用紙を定着ローラから分離して搬出させることができる。
従来では、記録用紙を定着ローラから分離しやすくするために、トナーにワックス等の離型剤を含有させることにより、上記トナーの付着力F1を低下させることが行われている(下記特許文献1参照)。また、記録用紙を定着ローラから分離しやすくするために、図23の二点鎖線に示すように、定着ローラの径を小さくすることによって、巻き付きが発生する境界線を一点鎖線bから一点鎖線b´の位置に変更して、記録用紙を巻き付かせるのに要する曲げ力F2を大きくする方法もある。
しかしながら、上記のようにトナーの付着力を低下させたり、定着ローラの径を小さくしたりしても、薄紙などの曲げ剛性(コシ)の小さい記録用紙を使用すると、記録用紙を巻き付かせるのに要する曲げ力F2が小さくなるため、定着ローラへの巻き付きが発生することがある。
そこで、本発明は、斯かる事情に鑑み、記録媒体の曲げ剛性を向上させることにより、記録媒体の分離性を向上させることが可能な定着装置、及びその定着装置を備えた画像形成装置を提供しようとするものである。
請求項1の発明は、内部に加熱源を有する円筒状の定着ローラと、当該定着ローラに圧接して配設された加圧ローラを備え、前記定着ローラと前記加圧ローラが互いに圧接して形成された定着ニップに記録媒体を通過させることにより、当該記録媒体上の未定着画像を記録媒体に定着させる定着装置において、前記定着ローラは、外周面がクラウン状に形成されたクラウン部と、外周面が逆クラウン状に形成された逆クラウン部を、それぞれ少なくとも1つずつ有し、前記加圧ローラは、外周面がクラウン状に形成されたクラウン部と、外周面が逆クラウン状に形成された逆クラウン部を、それぞれ少なくとも1つずつ有し、前記定着ローラの前記クラウン部と前記加圧ローラの前記逆クラウン部を対応させると共に、前記定着ローラの前記逆クラウン部と前記加圧ローラの前記クラウン部を対応させて、前記定着ローラと前記加圧ローラを互いに圧接させた定着装置であって、前記定着ローラにおいて前記クラウン部を前記逆クラウン部よりも厚くなるように形成し、前記加熱源によって加熱される前記定着ローラの内周面の加熱温度を、前記逆クラウン部よりも前記クラウン部において高くなるように構成したものである。
請求項1の発明によれば、定着ローラのクラウン部と加圧ローラの逆クラウン部を対応させると共に、定着ローラの逆クラウン部と加圧ローラのクラウン部を対応させて、定着ローラと加圧ローラを圧接させているため、定着ニップは湾曲して形成される。画像の定着を行う際、湾曲した定着ニップに記録媒体が侵入することによって、記録媒体も湾曲した状態となる。このように、記録媒体を湾曲させることにより、記録媒体の見かけ上の剛性を向上させて定着ニップから搬出することができ、記録媒体を定着ニップから搬出する際に、記録媒体が定着ローラに巻き付くことを抑制することが可能となる。
また、クラウン部と逆クラウン部を対応させて定着ローラと加圧ローラを圧接することによって、定着ニップにおける接触圧のばらつきを抑制することができる。これにより、定着した画像に光沢度ムラが発生するなどの不具合を抑制することができ、良好な画像形成を実現することができる。
また、加熱源によって加熱される定着ローラの内周面の加熱温度を、逆クラウン部よりもクラウン部において高くなるように構成することによって、クラウン部と逆クラウン部のそれぞれにおける表面温度のばらつきを抑制することができる。これにより、定着した画像に光沢度ムラが発生するなどの不具合を抑制することができ、良好な画像形成を実現することができる。
請求項2の発明は、請求項1に記載の定着装置において、前記定着ローラと前記加圧ローラとを無負荷状態で互いの前記クラウン部と前記逆クラウン部を接触させて配設した場合に、対応させて配設した前記クラウン部と前記逆クラウン部との間に隙間が生じないように構成したものである。
定着ローラと加圧ローラを無負荷状態で互いに接触させた場合に、対応するクラウン部と逆クラウン部との間に隙間が生じていると、定着ローラと加圧ローラを圧接して負荷状態とした際に、軸方向に渡って定着ニップに圧力ムラが生じ、画像ノイズの発生する虞がある。そこで、上記のように、定着ローラと加圧ローラを無負荷状態で互いに接触させた場合に、対応するクラウン部と逆クラウン部との間に隙間が生じないようにすることによって、画像ノイズの発生を抑制することができると共に、記録用紙の分離性を確保することが可能である。
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の定着装置において、前記定着ローラと前記加圧ローラのそれぞれの前記クラウン部と前記逆クラウン部を、軸方向に連続して形成したものである。
クラウン部と逆クラウン部を軸方向に連続して形成することにより、記録媒体にシワの発生を抑制することができると共に、記録用紙の分離性を確保することができる。
請求項4の発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の定着装置において、前記定着ローラ及び前記加圧ローラは弾性層を有するものであって、前記定着ローラと前記加圧ローラとを無負荷状態で互いの前記クラウン部と前記逆クラウン部を接触させて配設した場合に、軸方向の任意の断面における前記定着ローラ及び前記加圧ローラの前記弾性層の厚みの和が一定となるように設定したものである。
定着ローラと加圧ローラを無負荷状態で接触させた場合に、各ローラの弾性層の厚みの和を一定にすることによって、定着ローラ及び加圧ローラの回転方向における圧力ピーク値を軸方向に渡って一定にすることができる。これにより、定着ニップにおける圧力ムラを抑制することができ、画像ノイズの発生を抑制することが可能である。
請求項5の発明は、内部に加熱源を有する円筒状の定着ローラと、無端状の加圧ベルトと、当該加圧ベルトの内周面を押圧して加圧ベルトを前記定着ローラに圧接させる押圧部材を備え、前記定着ローラと前記加圧ベルトが互いに圧接して形成された定着ニップに記録媒体を通過させることにより、当該記録媒体上の未定着画像を記録媒体に定着させる定着装置において、前記定着ローラは、外周面がクラウン状に形成されたクラウン部と、外周面が逆クラウン状に形成された逆クラウン部を、それぞれ少なくとも1つずつ有し、前記押圧部材の前記加圧ベルトを押圧する押圧面に、凸状に形成した凸面部と、凹状に形成した凹面部を、それぞれ少なくとも1つずつ有し、前記定着ローラの前記クラウン部と前記押圧部材の前記凹面部を対応させて配設すると共に、前記定着ローラの前記逆クラウン部と前記押圧部材の前記凸面部を対応させて配設して、前記押圧部材によって前記加圧ベルトを押圧し、前記定着ローラと前記加圧ベルトを互いに圧接させた定着装置であって、前記定着ローラにおいて前記クラウン部を前記逆クラウン部よりも厚くなるように形成し、前記加熱源によって加熱される前記定着ローラの内周面の加熱温度を、前記逆クラウン部よりも前記クラウン部において高くなるように構成したものである。
請求項5の発明は、定着ローラのクラウン部と押圧部材の凹面部を対応させて配設すると共に、定着ローラの逆クラウン部と押圧部材の凸面部を対応させて配設して、定着ローラと加圧ベルトを互いに圧接させているため、定着ニップは湾曲して形成される。この場合も、上記請求項1の発明と同様に、記録媒体を定着ニップに侵入させることによって、記録媒体を湾曲させることができ、記録媒体の見かけ上の剛性を向上させて定着ニップから搬出することができる。これにより、記録媒体を定着ニップから搬出させる際に、記録媒体が定着ローラに巻き付くことを抑制することができる。
また、請求項5の発明は、クラウン部と凹面部を対応させ、逆クラウン部と凸面部を対応させて、定着ローラと加圧ベルトを圧接させるため、請求項1の発明と同様に、定着ニップにおける接触圧のばらつきを抑制することが可能である。これにより、定着した画像に光沢度ムラが発生するなどの不具合を抑制することができ、良好な画像形成を実現することができる。
また、請求項5の発明は、請求項1の発明と同様に、加熱源によって加熱される定着ローラの内周面の加熱温度を、逆クラウン部よりもクラウン部において高くなるように構成している。このため、クラウン部と逆クラウン部のそれぞれにおける表面温度のばらつきを抑制することができ、光沢度ムラ等の不具合を抑制して良好な画像形成を実現することができる。
請求項6の発明は、請求項5に記載の定着装置において、前記定着ローラと前記押圧部材とを無負荷状態で前記クラウン部と前記凹面部を接触させると共に前記逆クラウン部と前記凸面部を接触させて配設した場合に、対応させて配設した前記クラウン部と前記凹面部及び前記逆クラウン部と前記凸面部との間に隙間が生じないように構成したものである。
定着ローラと押圧部材を無負荷状態で互いに接触させた場合に、対応するクラウン部と凹面部との間、及び対応する逆クラウン部と凸面部との間に隙間が生じていると、定着ローラと押圧部材を圧接して負荷状態とした際に、軸方向に渡って定着ニップに圧力ムラが生じ、画像ノイズの発生する虞がある。そこで、上記のように、定着ローラと押圧部材を無負荷状態で互いに接触させた場合に、対応するクラウン部と凹面部との間、及び対応する逆クラウン部と凸面部との間に隙間が生じないようにすることによって、画像ノイズの発生を抑制することができると共に、記録用紙の分離性を確保することが可能である。
請求項7の発明は、請求項5又は6に記載の定着装置において、前記定着ローラの前記クラウン部と前記逆クラウン部を軸方向に連続して形成し、前記押圧部材の前記凸面部と前記凹面部を連続して形成したものである。
クラウン部と逆クラウン部を軸方向に連続して形成し、凸面部と凹面部を連続して形成することにより、記録媒体にシワの発生を抑制することができると共に、記録用紙の分離性を確保することができる。
請求項8の発明は、請求項5から7のいずれか1項に記載の定着装置において、前記定着ローラ及び前記押圧部材は弾性層を有するものであって、前記定着ローラと前記押圧部材とを無負荷状態で前記クラウン部と前記凹面部を接触させると共に前記逆クラウン部と前記凸面部を接触させて配設した場合に、軸方向の任意の断面における前記定着ローラ及び前記押圧部材の前記弾性層の厚みの和が一定となるように設定したものである。
定着ローラと押圧部材を無負荷状態で接触させた場合に、それぞれの弾性層の厚みの和を一定にすることによって、定着ローラの回転方向における圧力ピーク値を軸方向に渡って一定にすることができる。これにより、定着ニップにおける圧力ムラを抑制することができ、画像ノイズの発生を抑制することが可能である。
請求項9の発明は、請求項1から8のいずれか1項に記載の定着装置において、前記加熱源の発熱量を、前記定着ローラの前記逆クラウン部よりも前記クラウン部において大きくなるように設定したものである。
加熱源の発熱量を、定着ローラの逆クラウン部よりもクラウン部において大きくなるように設定することによって、定着ローラの内周面の加熱温度を、逆クラウン部よりもクラウン部において高くすることができる。これにより、クラウン部と逆クラウン部のそれぞれにおける表面温度のばらつきを抑制することができ、良好な画像形成を実現することが可能となる。
請求項10の発明は、請求項9に記載の定着装置において、前記加熱源を、光透過性材料から成る発光管内に螺旋状のフィラメントを配設したヒータランプによって構成すると共に、当該ヒータランプに部分的に発熱量の大きい高発熱部を構成し、当該高発熱部の長手方向の中央部を、前記定着ローラの前記クラウン部の頂部に対応させて配設し、前記高発熱部の配設範囲を、前記クラウン部の軸方向長さの10分の3以上であって2分の1以下の範囲内に設定したものである。
高発熱部の長手方向の中央部を、クラウン部の頂部に対応させて配設すると共に、高発熱部の配設範囲を、クラウン部の軸方向長さの10分の3以上であって2分の1以下の範囲内になるように設定することにより、高発熱部によって加熱される範囲が軸方向に広くなり過ぎるのを抑えることができる。これにより、定着ローラの表面温度のばらつきを効果的に抑制することが可能となる。
請求項11の発明は、請求項10に記載の定着装置において、前記フィラメントの巻き径を部分的に大きくして、前記高発熱部を構成したものである。
フィラメントの巻き径を大きくすることにより、定着ローラの軸方向の単位長さに対するフィラメントの配設量が増加すると共に、フィラメントを定着ローラの内周面に対して接近させることができるので、ヒータランプに部分的に発熱量の大きい高発熱部を構成することが可能である。
請求項12の発明は、請求項10に記載の定着装置において、前記フィラメントの単位長さ当たりの巻き数を部分的に多くして、前記高発熱部を構成したものである。
フィラメントの単位長さ当たりの巻き数を多くすることによって、定着ローラの軸方向の単位長さに対するフィラメントの配設量を増加させることができるので、ヒータランプに部分的に発熱量の大きい高発熱部を構成することが可能である。
請求項13の発明は、請求項1から8のいずれか1項に記載の定着装置において、前記定着ローラの内周面に塗料を塗布して定着ローラの内周面における熱吸収率を軸方向に渡って異ならせることによって、当該定着ローラの内周面における熱吸収率を、前記逆クラウン部よりも前記クラウン部において高くなるように構成したものである。
定着ローラの内周面における熱吸収率を、逆クラウン部よりもクラウン部において高くなるように構成することによって、定着ローラの内周面の加熱温度を、逆クラウン部よりもクラウン部において高くすることができる。これにより、クラウン部と逆クラウン部のそれぞれにおける表面温度のばらつきを抑制することができ、良好な画像形成を実現することが可能となる。
請求項14の発明は、請求項13に記載の定着装置において、前記定着ローラの内周面に塗料を塗布する部分と塗布しない部分を設けることにより、当該定着ローラの内周面における熱吸収率を、前記逆クラウン部よりも前記クラウン部において高くなるように構成したものである。
定着ローラの内周面に塗料を塗布する部分と塗布しない部分を設けることにより、定着ローラの内周面における熱吸収率を軸方向に渡って異ならせることができるので、クラウン部の内周面における熱吸収率を、逆クラウン部の熱吸収率よりも高くすることが可能である。これにより、定着ローラの内周面の加熱温度を、逆クラウン部よりもクラウン部において高くすることができ、クラウン部と逆クラウン部のそれぞれにおける表面温度のばらつきを抑制することができる。
請求項15の発明は、請求項13に記載の定着装置において、前記定着ローラの内周面に塗布する塗料の厚さを軸方向に渡って異ならせることにより、当該定着ローラの内周面における熱吸収率を、前記逆クラウン部よりも前記クラウン部において高くなるように構成したものである。
定着ローラの内周面に塗布する塗料の厚さを軸方向に渡って異ならせることにより、定着ローラの内周面における熱吸収率を軸方向に渡って異ならせることができるので、クラウン部の内周面における熱吸収率を、逆クラウン部の熱吸収率よりも高くすることが可能である。これにより、定着ローラの内周面の加熱温度を、逆クラウン部よりもクラウン部において高くすることができ、クラウン部と逆クラウン部のそれぞれにおける表面温度のばらつきを抑制することができる。
請求項16の発明は、請求項13に記載の定着装置において、前記定着ローラの内周面に塗布する塗料の種類を軸方向に渡って異ならせることにより、当該定着ローラの内周面における熱吸収率を、前記逆クラウン部よりも前記クラウン部において高くなるように構成したものである。
定着ローラの内周面に塗布する塗料の種類を軸方向に渡って異ならせることにより、定着ローラの内周面における熱吸収率を軸方向に渡って異ならせることができるので、クラウン部の内周面における熱吸収率を、逆クラウン部の熱吸収率よりも高くすることが可能である。これにより、定着ローラの内周面の加熱温度を、逆クラウン部よりもクラウン部において高くすることができ、クラウン部と逆クラウン部のそれぞれにおける表面温度のばらつきを抑制することができる。
請求項17の発明は、請求項1から8のいずれか1項に記載の定着装置において、前記定着ローラと前記加熱源との間に加熱源の熱を一部遮蔽する熱遮蔽部材を介在させると共に、当該熱遮蔽部材の熱遮蔽量を、前記定着ローラの前記逆クラウン部よりも前記クラウン部において小さくなるように構成したものである。
熱遮蔽部材の熱遮蔽量を定着ローラの逆クラウン部よりもクラウン部において小さくなるように構成することによって、定着ローラの内周面の加熱温度を、逆クラウン部よりもクラウン部において高くすることができ、クラウン部と逆クラウン部のそれぞれにおける表面温度のばらつきを抑制することができる。
請求項18の発明は、請求項1から17のいずれか1項に記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
本発明に係る定着装置を画像形成装置に適用可能である。
本発明によれば、記録媒体を定着装置から搬出する際に、記録媒体の見かけ上の剛性を向上させて記録媒体が定着ローラに巻き付くことを抑制することができる。これにより、記録媒体がジャム化する等の不具合の発生を抑制することができ、信頼性の高い定着装置及び画像形成装置を提供することができる。また、本発明は、定着ニップにおける接触圧のばらつきを抑制することができる。これにより、定着した画像に光沢度ムラ等が発生するのを抑制することができ、良好な画像形成を維持することが可能である。
また、本発明の構成によれば、定着ローラの表面温度が軸方向に渡ってばらつくのを抑制することができるため、定着ニップにおける定着温度を均一に維持することができる。これにより、定着した画像に光沢度ムラ等が発生するのを抑制することができ、良好な画像形成を実現することが可能である。
本発明のカラー画像形成装置の全体構成を示す概略図である。 本発明の実施例1に係る定着装置の概略図である。 本発明の実施例1に係る定着ローラの断面図である。 本発明の実施例1に係る加圧ローラの断面図である。 前記定着ローラと前記加圧ローラの断面図である。 クラウン部と逆クラウン部の振幅及び高低差を説明するための模式図である。 前記定着ローラ内に配設されたヒータランプの概略図である。 前記定着ローラ内にヒータランプを配設した状態を示す断面図である。 本発明の実施例2に係る定着装置の要部を示す断面図である。 本発明の実施例3に係る定着装置の要部を示す断面図である。 本発明の実施例4に係る定着装置の要部を示す断面図である。 本発明の実施例5に係る定着装置の要部を示す断面図である。 本発明の実施例6に係る定着装置の要部を示す断面図である。 本発明の実施例7に係る定着装置の概略図である。 本発明の実施例7に係る定着ローラと加圧ベルトと押圧部材の断面図である。 記録用紙の見かけ上の剛性の測定方法を説明するための図である。 定着ニップの湾曲数と記録用紙の見かけ上の剛性との関係を示すグラフである。 記録用紙の分離性を比較する試験結果を示すグラフであって、(A)はクラウン部と逆クラウン部をいずれか1つのみ有する場合の試験結果を示し、(B)はクラウン部と逆クラウン部をそれぞれ1つずつ有する場合の試験結果を示す。 本発明に係る定着ローラの簡略図である。 クラウン部と逆クラウン部のそれぞれの表面温度にばらつきが生じる場合を説明するための図である。 本発明の構成を採用することによって、クラウン部と逆クラウン部の表面温度のばらつきが抑制されること説明するための図である。 高発熱部の配設比率と光沢度差との関係を示すグラフである。 定着ローラに記録用紙が巻き付く作用を説明するための図である。
図1は、本発明に係るカラー画像形成装置を示す概略構成図である。図1に示す本発明の画像形成装置1は、タンデム型のカラープリンタである。この画像形成装置1の本体の上方にあるボトル収容部2には、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した4つのトナーボトル2Y、2M、2C、2Kが着脱自在(交換自在)に設置されている。ボトル収容部2の下方には中間転写ユニット3が配設されている。その中間転写ユニット3の中間転写ベルト30に対向するように、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した作像部4Y、4M、4C、4Kが並設されている。
各作像部4Y、4M、4C、4Kには、それぞれ、像担持体としての感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kが配設されている。また、各感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの周囲には、それぞれ、帯電部6、現像部7、クリーニング部8、除電部(図示省略)等が配設されている。そして、各感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上で、作像プロセス(帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、クリーニング工程)がおこなわれて、各感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上に各色の画像が形成されることになる。
感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kは、図示しない駆動モータによって図1中の時計方向に回転駆動される。そして、帯電部6の位置で、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面が一様に帯電される(帯電工程)。その後、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、露光部3から発せられたレーザ光の照射位置に達して、この位置での露光走査によって各色に対応した静電潜像が形成される(露光工程)。
その後、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、現像部7との対向位置に達して、この位置で静電潜像が現像されて、各色のトナー像が形成される(現像工程)。その後、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、中間転写ベルト30及び第1転写バイアスローラ31Y、31M、31C、31Kとの対向位置に達して、この位置で感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上のトナー像が中間転写ベルト30上に転写される(1次転写工程)。このとき、感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上には、僅かながら未転写トナーが残存する。
その後、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、クリーニング部8との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上に残存した未転写トナーがクリーニング部8のクリーニングブレードによって機械的に回収される(クリーニング工程)。最後に、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、図示しない除電部との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上の残留電位が除去される。こうして、感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上で行われる一連の作像プロセスが終了する。
その後、現像工程を経て各感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上に形成した各色のトナー像を、中間転写ベルト30上に重ねて転写する。こうして、中間転写ベルト30上にカラー画像が形成される。ここで、中間転写ユニット3は、中間転写ベルト30、4つの1次転写バイアスローラ31Y、31M、31C、31K、2次転写バックアップローラ32、クリーニングバックアップローラ33、テンションローラ34、中間転写クリーニング部35等で構成される。中間転写ベルト30は、3つのローラ32〜34によって張架・支持されると共に、1つのローラ32の回転駆動によって図1中の矢印方向に無端移動される。
4つの1次転写バイアスローラ31Y、31M、31C、31Kは、それぞれ、中間転写ベルト30を感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kとの間に挟み込んで1次転写ニップを形成している。そして、1次転写バイアスローラ31Y、31M、31C、31Kに、トナーの極性とは逆の転写バイアスが印加される。そして、中間転写ベルト30は、矢印方向に走行して、各1次転写バイアスローラ31Y、31M、31C、31Kの1次転写ニップを順次通過する。こうして、感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上の各色のトナー像が、中間転写ベルト30上に重ねて1次転写される。
その後、各色のトナー像が重ねて転写された中間転写ベルト30は、2次転写ローラ36との対向位置に達する。この位置では、2次転写バックアップローラ32が、2次転写ローラ36との間に中間転写ベルト30を挟み込んで2次転写ニップを形成している。そして、中間転写ベルト30上に形成された4色のトナー像は、この2次転写ニップの位置に搬送された記録媒体としての記録用紙P上に転写される。このとき、中間転写ベルト30には、記録用紙Pに転写されなかった未転写トナーが残存する。その後、中間転写ベルト30は、中間転写クリーニング部35の位置に達する。そして、この位置で、中間転写ベルト30上の未転写トナーが回収される。こうして、中間転写ベルト30上で行われる一連の転写プロセスが終了する。
ここで、2次転写ニップの位置に搬送された記録用紙Pは、画像形成装置1の本体の下方に配設された給紙部10から、給紙ローラ11やレジストローラ対12等を経由して搬送されたものである。詳しくは、給紙部10には、記録用紙Pが複数枚重ねて収納されている。そして、給紙ローラ11が図1中の反時計方向に回転駆動されると、一番上の記録用紙Pがレジストローラ対12のローラ間に向けて給送される。
レジストローラ対12に搬送された記録用紙Pは、回転駆動を停止したレジストローラ対12のローラニップの位置で一旦停止する。そして、中間転写ベルト30上のカラー画像にタイミングを合わせて、レジストローラ対12が回転駆動されて、記録用紙Pが2次転写ニップに向けて搬送される。こうして、記録用紙P上に、所望のカラー画像が転写される。
その後、2次転写ニップの位置でカラー画像が転写された記録用紙Pは、定着装置27の位置に搬送される。定着装置27は、例えば定着ローラ61と加圧ローラ62を有しており、定着ローラ61と加圧ローラ62が圧接した定着ニップに記録用紙Pが搬入されることによって、表面に転写されたカラー画像が記録用紙P上に定着される。その後、記録用紙Pは、排紙ローラ対13のローラ間を経て、装置外へと排出される。排紙ローラ対13によって装置外に排出された記録用紙Pは、出力画像として、スタック部14上に順次スタックされる。こうして、画像形成装置における一連の画像形成プロセスが完了する。
以下、本発明の特徴部分である上記定着装置27の構成について説明する。
図2に本発明の実施例1に係る定着装置の構成を示す。図2に示すように、定着装置27は、定着ローラ61と、その定着ローラ61に圧接して配設された加圧ローラ62を備える。定着ローラ61と加圧ローラ62が互いに圧接された箇所には定着ニップNが形成されている。
定着ローラ61は、円筒状に形成された金属製の芯材611と、その芯材611の外周面を被覆する弾性層612と、その弾性層612の外周面を被覆する離型層613を有する。芯材611の内部には、加熱源63が軸方向に渡って配設されており、加熱源63が発熱することによって定着ローラ61が加熱されるようになっている。また、定着ローラ61の周囲には、定着ローラ61の表面温度を検知する温度検知装置64が配設してある。図示しない制御装置が、温度検知装置64が検知した定着ローラ61の表面温度に基づいて加熱源63の発熱量を制御することにより、定着ローラ61の表面温度が所定の定着温度となるように構成されている。加圧ローラ62は、円筒状に形成された金属製の芯材621と、その芯材621の外周面を被覆する弾性層622と、その弾性層622の外周面を被覆する離型層623を有する。
図3は、定着ローラ61を軸方向に切断した断面図である。なお、図3において、図2に示す符号と同一の符号は、図2に示す部材と同一の部材を示す。図3に示すように、定着ローラ61は、外周面がクラウン状に形成されたクラウン部61aと、外周面が逆クラウン状に形成された逆クラウン部61bを、それぞれ少なくとも1つずつ有している。この場合、定着ローラ61には、複数のクラウン部61aと複数の逆クラウン部61bが軸方向に交互に連続して配設されており、定着ローラ61の外周面は、全体として軸方向に波打つように形成されている。なお、上記「クラウン状」とは軸方向の両端へ向かってローラの径が小さくなる形状のことをいい、上記「逆クラウン状」とは軸方向の両端へ向かってローラの径が大きくなる形状のことをいう。
また、図3に示すように、定着ローラ61の芯材611及び離型層613は、それぞれ軸方向に均一な厚さに形成されている。一方、弾性層612の厚さは軸方向に渡って変化するように形成されている。このように、弾性層612の厚さを軸方向に渡って変化させることによって、定着ローラ61にクラウン部61aと逆クラウン部61bを構成している。また、図3に示す実施例と異なり、芯材611の厚さを軸方向に渡って変化させる、あるいは芯材611及び弾性層612の両方の厚さを軸方向に渡って変化させて、クラウン部61aと逆クラウン部61bを構成してもよい。
図4は、加圧ローラ62を軸方向に切断した断面図である。なお、図4において、図2に示す符号と同一の符号は、図2に示す部材と同一の部材を示す。図4に示すように、加圧ローラ62は、外周面がクラウン状に形成されたクラウン部62aと、外周面が逆クラウン状に形成された逆クラウン部62bを、それぞれ少なくとも1つずつ有している。また、加圧ローラ62においても、複数のクラウン部62aと複数の逆クラウン部62bは軸方向に交互に連続して配設されており、加圧ローラ62の外周面は、全体として軸方向に波打つように形成されている。なお、ここでいう「クラウン状」及び「逆クラウン状」は、上記と同様のことをいう。
また、図4に示すように、加圧ローラ62の芯材621及び離型層623は、それぞれ軸方向に均一な厚さに形成されている。一方、弾性層622の厚さは軸方向に渡って変化するように形成されている。このように、弾性層622の厚さを軸方向に渡って変化させることによって、加圧ローラ62にクラウン部62aと逆クラウン部62bを構成している。また、加圧ローラ62も、上記定着ローラ61と同様に、芯材621の厚さを軸方向に渡って変化させる、あるいは芯材621及び弾性層622の両方の厚さを軸方向に渡って変化させて、クラウン部62aと逆クラウン部62bを構成することも可能である。
また、図3及び図4において、クラウン部61a,62a及び逆クラウン部61b,62bは、定着ローラ61及び加圧ローラ62の少なくとも記録媒体(記録用紙)の最大通過幅Wの全体に対応する部分に渡って配設されているが、クラウン部61a,62a及び逆クラウン部61b,62bを、記録媒体の最大通過幅Wの一部に対応する部分にのみ配設してもよい。
図5は、実施例1に係る定着ローラ61と加圧ローラ62を圧接させた状態の軸方向の断面図である。なお、この図において加圧ローラ62を定着ローラ61へ押圧する手段は図示していない。図5に示すように、定着ローラ61のクラウン部61aと加圧ローラ62の逆クラウン部62bを対応させると共に、定着ローラ61の逆クラウン部61bと加圧ローラ62のクラウン部62aを対応させて、定着ローラ61と加圧ローラ62を圧接させている。
なお、定着ローラ61と加圧ローラ62が有するクラウン部61a,62a及び逆クラウン部61b,62bの個数は、それぞれ1つ以上であれば特に限定しない。ただし、定着ローラ61と加圧ローラ62を圧接させた状態で、全てのクラウン部61a,62aに対して全ての逆クラウン部61b,62bを対応させることができるように、それぞれの個数を合わせている。
また、定着ローラ61と加圧ローラ62の対応させるクラウン部61a,62aと逆クラウン部61b,62bは、互いに一致する形状に形成されていることが好ましい。言い換えれば、定着ローラ61と加圧ローラ62に押圧力を付与しないで(無負荷状態で)互いに接触させた場合に、対応するクラウン部と逆クラウン部との間に隙間が生じないように構成することが好ましい。仮に、定着ローラ61と加圧ローラ62を無負荷状態で接触させた場合に、対応するクラウン部と逆クラウン部との間に隙間が生じていると、各ローラ61,62を圧接して負荷状態とした際に、軸方向に渡って定着ニップNに圧力ムラが生じ、画像ノイズの発生する虞があるからである。具体的には、定着ローラ61と加圧ローラ62の一方における外周面の軸方向断面がsin曲線形状(正弦曲線形状)となっている場合、他方の外周面の軸方向断面を前記sin曲線形状と同振幅・同周期長であるが逆位相のsin曲線形状(逆正弦曲線形状)に形成する。なお、上記隙間が生じない範囲は、少なくとも記録媒体の最大通過幅に渡っていればよい。また、各ローラ61,62をsin曲線形状以外の曲線形状に形成することも可能である。
また、定着ローラ61と加圧ローラ62とを無負荷状態で互いのクラウン部と逆クラウン部を接触させて配設した状態において、軸方向の任意の位置におけるそれぞれの弾性層の厚みの和は、一定となるように設定することが望ましい。これら弾性層の厚みの和が一定でない場合は、各ローラ61,62の回転方向における圧力ピーク値が軸方向に渡って異なるため、定着ニップにおいて圧力ムラが生じ、画像ノイズの発生原因となるからである。
図6は、定着ローラ61又は加圧ローラ62のクラウン部61a,62aと逆クラウン部61b,62bを拡大した図である。図6において、符号S1はクラウン部61a,62aの頂部Qにおける高さ(振幅)を示し、符号S2は逆クラウン部61b,62bの底部Uにおける高さ(振幅)を示す。また、同図における符号Hは、クラウン部61a,62aの頂部Qと逆クラウン部61b,62bの底部Uとの高低差を示している。
本発明では、定着ローラ61と加圧ローラ62を互いに圧接させた負荷状態において、定着ニップNにおけるクラウン部と逆クラウン部の上記高低差Hは、0.16mm以上であって0.8mm以下に設定されることが望ましい。なお、高低差Hをこのように設定した方が望ましい理由については、下記の本発明の作用・効果の説明において詳しく述べる。
上記負荷状態においては、各ローラ61,62の弾性層が圧縮されるため、各ローラ61,62を圧接させない無負荷状態に比べて、上記高低差は小さくなる。一般に、定着ローラ61と加圧ローラ62において、弾性層の圧縮率が20%を越えると弾性層に塑性変形が生じ、これが画像ノイズや異音の発生原因となるため、弾性層の圧縮率は通常20%以下となるように設定している。本発明の実施例では、弾性層の圧縮率を20%と設定しているため、各ローラ61,62を圧接した状態での上記高低差Hは、無負荷状態での高低差Hの80%となる。従って、圧接しない無負荷状態における高低差Hは、圧接する負荷状態における高低差Hよりも大きく設定されている。具体的には、弾性層の圧縮率を20%に設定した本発明において、無負荷状態での高低差Hは負荷状態の高低差(0.16mm〜0.8mm)の1.25倍になるため、0.2mm以上であって1mm以下の範囲内で設定される。
また、この実施例では、定着ローラ61と加圧ローラ62における、クラウン部61a,62aの高さ(振幅)S1と、逆クラウン部61b,62bの高さ(振幅)S2は、同じ値に設定されているため、無負荷状態における各高さS1,S2は、上記無負荷状態における高低差H(0.2mm〜1mm)の2分の1の範囲内に設定される。従って、無負荷状態における各高さS1,S2は、それぞれ0.1mm以上であって0.5mm以下の範囲内で設定されている。
また、図5に示すように、定着ローラ61と加圧ローラ62は、画像形成装置内に所定間隔をあけて配設された2つの側板71,72の間に、ボールベアリング等の複数の軸受73を介して回転可能に取り付けられている。また、各軸受73は側板71,72に対して固定されている。
定着ローラ61の図の左端部に配設された軸受73は、定着ローラ61の外周に形成された段部74と抜け止め輪75によって挟まれて取り付けられている。すなわち、定着ローラ61の図の左端部は、軸方向に移動しないように位置決めされている。一方、定着ローラ61の図の右端部に配設された軸受73は、定着ローラ61に対して軸方向に移動可能に取り付けられている。従って、定着ローラ61の図の右端部は、軸方向に変位可能となっている。
また、加圧ローラ62の図の左端部に配設された軸受73は、加圧ローラ62の外周に形成された段部76と抜け止め輪77によって挟まれて取り付けられている。すなわち、加圧ローラ62の図の左端部は、上記定着ローラ61と同様に、軸方向に移動しないように位置決めされている。一方、加圧ローラ62の図の右端部に配設された軸受73は、加圧ローラ62に対して軸方向に移動可能に取り付けられている。従って、加圧ローラ62の図の右端部も、上記定着ローラ61と同様に、軸方向に変位可能に構成されている。
このように、定着ローラ61と加圧ローラ62は、それぞれの軸方向の同じ側の端部を、軸方向に位置決めし、その位置決めした端部と反対側の端部を軸方向に変位可能となるように構成されている。なお、位置決めする端部又は変位可能に構成する端部は、定着ローラ61と加圧ローラ62の同じ側の端部であれば、どちらの端部であってもよい。
図7は、上記定着ローラ61内に配設された加熱源63としてのヒータランプ40の概略図である。このヒータランプ40は、石英ガラス等の光透過性材料から成る発光管41を有する。発光管41内には不活性ガスが封入されている。また、発光管41内には、タングステン素線を螺旋状に巻回して構成されたフィラメント42が配設してある。フィラメント42は、複数の支持体43によって支持されており、これによりフィラメント42は発光管41の内面に接触しないようになっている。発光管41の両端の封止部41a,41bには、モリブデン等から成る金属箔44が配設されている。各金属箔44の一端はフィラメント42と接続され、金属箔44の他端はモリブデンやタングステン等から成る電極棒45と接続されている。各電極棒45は図示しない外部リード線と電気的に接続されており、各電極棒45の間に電圧を印加させることによって、フィラメント42に通電し発熱させるようになっている。
また、このヒータランプ40は、長手方向に渡って発熱量が異なるように構成されている。具体的には、フィラメント42の巻き径を部分的に大きくして複数の高発熱部42Hを構成している。フィラメント42の巻き径を大きくすることにより、定着ローラ61の軸方向の単位長さに対するフィラメント42の配設量が増加すると共に、フィラメント42を定着ローラ61の内周面に対して接近させることができるので、ヒータランプ40に部分的に発熱量の大きい高発熱部42Hを構成することが可能である。また、高発熱部42Hに対して、フィラメント42の巻き径の小さい部分を低発熱部42Lと呼ぶと、フィラメント42は、巻き径の大きい複数の高発熱部42Hと巻き径の小さい複数の低発熱部42Lを交互に有している。なお、フィラメント42の高発熱部42Hと低発熱部42Lにおける単位長さ当たりの巻き数(ピッチ)や太さは、長手方向に渡って同じである。
そして、図8に示すように、定着ローラ61内にヒータランプ40を配設した状態で、フィラメント42の巻き径の大きい高発熱部42Hを、定着ローラ61のクラウン部61aに対応させて配設している。一方、逆クラウン部61bには、高発熱部42Hを対応させて配設しておらず、低発熱部42Lのみを対応させて配設している。また、高発熱部42Hの長手方向の中央部Oは、クラウン部61aの頂部Qに対応させて配設されている。さらに、高発熱部42Hの配設範囲Cは、クラウン部61aの軸方向長さBの10分の3以上であって2分の1以下の範囲内になるように設定してある。このように、クラウン部61aの内周面に対応させて高発熱部42Hを配設することによって、クラウン部61aにおける発熱量を、逆クラウン部61bにおける発熱量よりも大きくなるように構成している。
次に、本発明の実施例2に係る定着装置の構成について説明する。図9に示すように、本発明の実施例2に係るヒータランプ40は、フィラメント42の単位長さ当たりの巻き数を部分的に多くして、高発熱部42Hを構成している。フィラメント42の単位長さ当たりの巻き数を多くすることによって、定着ローラ61の軸方向の単位長さに対するフィラメント42の配設量を増加させることができるので、ヒータランプ40に部分的に発熱量の大きい高発熱部42Hを構成することが可能である。この場合、ヒータランプ40は、巻き数の多い複数の高発熱部42Hと巻き数の少ない複数の低発熱部42Lを交互に有する。なお、フィラメント42の高発熱部42Hと低発熱部42Lにおける巻き径や太さは、長手方向に渡って同じである。
そして、本発明の実施例2においても、上記本発明の第1実施例と同様に、定着ローラ61内にヒータランプ40を配設した状態で、フィラメント42の高発熱部42Hを、定着ローラ61のクラウン部61aに対応させて配設している。また、高発熱部42Hの長手方向の中央部Oは、クラウン部61aの頂部Qに対応させて配設されている。さらに、高発熱部42Hの配設範囲Cは、クラウン部61aの軸方向長さBの10分の3以上であって2分の1以下の範囲内になるように設定してある。
また、本発明の実施例2に係る定着装置において、上記説明した構成以外の構成については、本発明の実施例1と同様であるので説明を省略する。なお、本発明の実施例1及び実施例2において説明した方法以外の方法によっても、フィラメント42に高発熱部42Hを構成することが可能である。例えば、フィラメント42の太さ(径)を部分的に太く形成することにより、高発熱部42Hを構成することができる。
以下、本発明の実施例3に係る定着装置の構成について説明する。図10に示すように、実施例3に係る定着ローラ61は、クラウン部61aの内周面に熱吸収率を向上させるための黒色塗料を塗布して、塗膜80を形成している。一方、定着ローラ61の逆クラウン部61bの内周面には、黒色塗料は塗布されておらず塗膜80は形成されていない。このように、クラウン部61aの内周面のみに、熱吸収率を向上させる塗膜80を形成することによって、クラウン部61aの内周面における熱吸収率を、逆クラウン部61bの内周面における熱吸収率よりも高くなるように構成している。また、上記黒色塗料としては、耐熱塗料のオキツモ(登録商標)を使用している。ただし、それ以外に、テツゾール(登録商標)、又はセルモブラック等の耐熱塗料を、上記黒色塗料として用いることも可能である。
なお、本発明の実施例3に係るヒータランプ40は、長手方向に渡って発熱量がほぼ均一となるように構成されている。すなわち、本発明の実施例3は、上記本発明の実施例1及び実施例2と異なり、フィラメント42の巻き径、単位長さ当たりの巻き数、及び太さは、長手方向に渡って同じになるように構成されている。
以上、本発明の実施例3に係る定着装置の構成について説明したが、その他の構成については、上記本発明の実施例1と同様に構成されているので説明を省略する。
以下、本発明の実施例4に係る定着装置の構成について説明する。図11に示すように、実施例4に係る定着ローラ61の内周面には、全体に渡って熱吸収率を向上させるための黒色塗料を塗布して塗膜80を形成している。ただし、この塗膜80の厚さは軸方向に渡って異なっており、黒色塗料を多く塗布して厚く形成された(色の濃い)膜厚部80Dと、黒色塗料を少なく塗布して薄く形成された(色の淡い)膜薄部80Lが形成されている。そして、定着ローラ61のクラウン部61aの内周面に、膜厚部80Dを形成している。一方、逆クラウン部61bの内周面には、膜厚部80Dは形成されておらず、膜薄部80Lのみが形成されている。このように、クラウン部61aの内周面に、熱吸収率を向上させる塗膜80を厚く(濃く)形成することによって、クラウン部61aの内周面における熱吸収率を、逆クラウン部61bの内周面における熱吸収率よりも高くなるように構成している。なお、本発明の実施例4において、ヒータランプ40は長手方向に渡って発熱量がほぼ均一となるように構成されている。
以上、本発明の実施例4に係る定着装置の構成について説明したが、その他の構成については、上記本発明の実施例1と同様に構成されているので説明を省略する。
上記本発明の実施例3及び実施例4では、定着ローラ61の内周面に、熱吸収率を向上させる塗料を塗布しているが、定着ローラ61の内周面を塗装することによってクラウン部61aと逆クラウン部61bのそれぞれの内周面における熱吸収率を異ならせることができれば、熱吸収率を低下させる塗料を使用することも可能である。具体的には、逆クラウン部61bの内周面に熱吸収率を低下させる塗料を塗布することにより、クラウン部61aの内周面における熱吸収率を逆クラウン部61bの内周面における熱吸収率に対して相対的に高くすることができる。また、熱吸収性を低下させる塗料を定着ローラ61の内周面全体に塗布する場合は、クラウン部61aの内周面に前記塗料を薄く塗布することにより、クラウン部61aの内周面における熱吸収率を逆クラウン部61bの内周面における熱吸収率に対して相対的に高くすることができる。ただし、熱効率を向上させる観点から、熱吸収率を低下させる塗料を使用するよりは、熱吸収率を向上させる塗料を使用する方が好ましい。
以下、本発明の実施例5に係る定着装置の構成について説明する。図12に示すように、実施例5に係る定着ローラ61の内周面には、軸方向に渡って異なる種類の塗料が塗布されている。ここでは、2種類の塗料が使用されており、これらの塗料は互いに熱吸収率(又は熱遮蔽率)が異なる。そして、定着ローラ61のクラウン部61aの内周面には、相対的に熱吸収率の高い(又は熱遮蔽率の低い)塗膜81が形成されている。一方、逆クラウン部61bの内周面には、相対的に熱吸収率の低い(又は熱遮蔽率の高い)塗膜82のみが形成されている。このように、クラウン部61aの内周面に、相対的に熱吸収率の高い(又は熱遮蔽率の低い)塗膜81を形成することによって、クラウン部61aの内周面における熱吸収率を、逆クラウン部61bの内周面における熱吸収率よりも高くなるように構成している。なお、本発明の実施例5において、ヒータランプ40は長手方向に渡って発熱量がほぼ均一となるように構成されている。
以上、本発明の実施例5に係る定着装置の構成について説明したが、その他の構成については、上記本発明の実施例1と同様に構成されているので説明を省略する。
以下、本発明の実施例6に係る定着装置の構成について説明する。図13に示すように、実施例6に係る定着装置は、定着ローラ61とヒータランプ40との間にヒータランプ40の熱を一部遮蔽する熱遮蔽部材90を介在させている。この熱遮蔽部材90は、例えば複数の貫通孔92が形成された円筒状部材91によって構成されている。円筒状部材91は、図示しない固定部材によって回転しないように固定されている。また、円筒状部材91の材質としては、金属等の耐熱性を有する素材を適用している。前記複数の貫通孔92の一部は大きく開口して形成されており、その大きく開口して形成された貫通孔92が定着ローラ61のクラウン部61aの内周面に対向して配設されている。一方、逆クラウン部61bの内周面には、小さい貫通孔92のみが対向して配設されている。このように、クラウン部61aの内周面に大きい貫通孔92を対向させて配設することにより、クラウン部61aにおける熱遮蔽量が、逆クラウン部61bにおける熱遮蔽量よりも小さくなるようにしている。なお、本発明の実施例6において、ヒータランプ40は長手方向に渡って発熱量がほぼ均一となるように構成されている。
また、上記熱遮蔽部材90を熱遮蔽率の異なる材料を一体的に組み合わせて構成し、相対的に熱遮蔽率の低い部分をクラウン部61aに対向させて配設することによっても、クラウン部61aにおける熱遮蔽量を、逆クラウン部61bにおける熱遮蔽量よりも小さくすることが可能である。
以上、本発明の実施例6に係る定着装置の構成について説明したが、その他の構成については、上記本発明の実施例1と同様に構成されているので説明を省略する。
以下、本発明の実施例7に係る定着装置の構成について説明する。図14に示すように、実施例7に係る定着装置27は、定着ローラ61と、加圧ベルト65と、その加圧ベルト65の内周面を押圧して加圧ベルト65を定着ローラ61に圧接させる押圧部材66を備える。また、定着ローラ61と加圧ベルト65が互いに圧接された箇所には定着ニップNが形成されている。
定着ローラ61は、図2において説明した本発明の実施例1と同様に、円筒状に形成された金属製の芯材611と、その芯材611の外周面を被覆する弾性層612と、その弾性層612の外周面を被覆する離型層613を有する。また、定着ローラ61の内部には、加熱源63が配設してあり、定着ローラ61の周囲には、定着ローラ61の表面温度を検知する温度検知装置64が配設してある。
加圧ベルト65はポリイミドフィルム等から成る無端状のベルト部材によって構成されている。加圧ベルト65は、押圧部材66に張力を作用させない状態で掛け渡され、定着ローラ61に従動回転するように構成されている。押圧部材66は、シリコンゴム等によって構成された弾性層661と、その弾性層661を保持するホルダ662を有する。ホルダ662は、図示しないバネ等の付勢手段によって定着ローラ61側へ付勢されている。
図15は、本発明の実施例7に係る定着ローラ61と加圧ローラ62の軸方向の断面図である。図15に示すように、実施例7に係る定着ローラ61は、本発明の実施例1の定着ローラ61と同様に構成されている。従って、実施例7に係る定着ローラ61は、外周面がクラウン状に形成されたクラウン部61aと、外周面が逆クラウン状に形成された逆クラウン部61bを、それぞれ少なくとも1つずつ有している。また、クラウン部61aと逆クラウン部61bは、芯材611及び弾性層612の少なくとも一方の厚さを軸方向に渡って変化させることにより構成することが可能である。
一方、押圧部材66は、加圧ベルト65を押圧する押圧面660に、凸状に形成した凸面部66aと、凹状に形成した凹面部66bを、それぞれ少なくとも1つずつ有している。この場合、押圧面660には、複数の凸面部66aと複数の凹面部66bが長手方向に交互に連続して配設されており、押圧面660は、全体として長手方向に波打つように形成されている。
また、図15に示すように、押圧部材66は、ホルダ662の厚さを長手方向に変化させて、押圧部材66の押圧面660に凸面部66aと凹面部66bを構成している。これ以外に、弾性層661の厚さを長手方向に変化させて、あるいは、弾性層661とホルダ662の両方の厚さを長手方向に変化させて、凸面部66aと凹面部66bを構成することも可能である。
また、図15において、凸面部66aと凹面部66bは、押圧部材66の少なくとも記録媒体の最大通過幅Wの全体に対応する部分に渡って配設されているが、凸面部66aと凹面部66bを、記録媒体の最大通過幅Wの一部に対応する部分にのみ配設してもよい。
押圧部材66によって加圧ベルト65を定着ローラ61へ圧接させた状態で、定着ローラ61のクラウン部61aと押圧部材66の凹面部66bを対応させて配設すると共に、定着ローラ61の逆クラウン部61bと押圧部材66の凸面部66aを対応させて配設している。また、対応するクラウン部61aと凹面部66b、逆クラウン部61bと凸面部66aは、互いに一致する形状に形成されている。このように配設された定着ローラ61及び押圧部材66によって加圧ベルト65が挟まれることにより、その挟まれた箇所において、加圧ベルト65は波打つように形成される。ただし、加圧ベルト65が定着ローラ61と押圧部材66との挟持から解放された箇所においては、加圧ベルト65は平坦面状となっている。
定着ローラ61が有するクラウン部61a及び逆クラウン部61bの個数、押圧部材66が有する凸面部66a及び凹面部66bの個数は、それぞれ1つ以上であれば特に限定しない。ただし、押圧部材66によって加圧ベルト65を定着ローラ61へ圧接させた状態で、全てのクラウン部61a及び逆クラウン部61bに対して全ての凸面部66a及び凹面部66bを対応させることができるように、それぞれの個数を合わせている。
また、本発明の実施例7において、定着ローラ61のクラウン部61a及び逆クラウン部61b、押圧部材66の凸面部66a及び凹面部66bのそれぞれの形状は、sin曲線状や、一部に直線部を有する形状などに形成することが可能である。
また、対応させるクラウン部61aと凹面部66b、及び対応させる逆クラウン部61bと凸面部66aは、互いに一致する形状に形成されていることが好ましい。言い換えれば、定着ローラ61と押圧部材66に押圧力を付与しないで(無負荷状態で)互いに接触させた場合に、対応するクラウン部と凹面部との間、対応する逆クラウン部と凸面部との間に隙間が生じないように構成することが好ましい。具体的には、定着ローラ61と押圧部材66の一方における外周面の軸方向断面(又は長手方向断面)がsin曲線形状(正弦曲線形状)となっている場合、他方の外周面の軸方向(又は長手方向断面)を前記sin曲線形状と同振幅・同周期長であるが逆位相のsin曲線形状(逆正弦曲線形状)に形成する。なお、上記隙間が生じない範囲は、少なくとも記録媒体の最大通過幅に渡っていればよい。
また、この実施例においても、定着ローラ61と押圧部材66とを無負荷状態で互いの凸と凹とを接触させて配設した状態において、軸方向の任意の位置におけるそれぞれの弾性層の厚みの和は、一定となるように設定することが望ましい。
また、定着ローラ61と押圧部材66とを加圧ベルト65を介して互いに圧接させた負荷状態において、定着ニップNにおける凹凸の高低差は、0.16mm以上であって0.8mm以下に設定されることが望ましい。なお、上記実施例と同様に、押圧部材66と定着ローラ21を圧接した負荷状態において弾性層の圧縮率を20%と設定している場合は、無負荷状態での高低差は負荷状態の高低差(0.16mm〜0.8mm)の1.25倍になるため、0.2mm以上であって1mm以下の範囲内で設定される。
なお、図15において、定着ローラ61と押圧部材66の画像形成装置に対する取付構造は図示省略しているが、定着ローラ61と押圧部材66は、それぞれの同じ側の端部が軸方向又は長手方向に位置決めされ、それぞれの位置決めされた端部と反対側の端部が軸方向又は長手方向に変位可能に構成されている。
また、本発明の実施例7において、定着ローラ61を加熱する加熱源63としては、上記本発明の実施例1〜6と同様にヒータランプ40を適用している。そして、実施例7に係る定着装置においても、本発明の実施例1又は2と同様にヒータランプ40の発熱量を軸方向に渡って異ならせることによって、クラウン部61aの内周面における発熱量を、逆クラウン部61bの内周面における発熱量よりも高くなるように構成している。また、本発明の実施例3、4又は5と同様に、実施例7に係る定着ローラ61の内周面に塗料を塗布することによって、クラウン部61aの内周面における熱吸収率を、逆クラウン部61bの内周面における熱吸収率よりも高くなるように構成してもよい。あるいは、実施例7に係る定着装置に、本発明の実施例6と同様の熱遮蔽部材90を配設することによって、クラウン部61aにおける熱遮蔽量を、逆クラウン部61bにおける熱遮蔽量よりも小さくなるようにしてもよい。
以下、本発明の各実施例の作用・効果を説明する。
本発明の実施例1〜6に係る定着装置は、図2に示すように、定着ローラ61と加圧ローラ62を有する。この定着装置によって画像の定着を行う場合は、加熱源(ヒータランプ)63を発熱させて、図示しない制御装置が温度検知装置46の検知温度に基づいて加熱源63の発熱量を制御し、定着ローラ61の表面温度が所定の温度となるようにする。そして、矢印X方向に回転する定着ローラ61と、矢印Y方向に回転する加圧ローラ62との間に、未定着のトナー画像Tが形成された記録用紙Pを矢印A方向に侵入させる。記録用紙Pを定着ローラ61と加圧ローラ62の間に侵入させることによって、定着ニップNにおいて記録用紙Pが加熱及び加圧され、記録用紙P上の未定着トナー画像Tが記録用紙Pに定着される。
本発明の実施例1〜6は、クラウン部と逆クラウン部を対応させて定着ローラ61と加圧ローラ62を圧接させているため、定着ニップNは波打つように湾曲して形成されている(図5参照)。その湾曲した定着ニップNに記録用紙Pが侵入することによって、記録用紙Pは湾曲する。このように記録用紙Pを湾曲させることにより、記録用紙Pの見かけ上の剛性を向上させて定着ニップNから搬出することができる。これにより、本発明の定着装置は、記録用紙Pを定着ニップNから搬出する際に、記録用紙Pが定着ローラ61に巻き付くことを抑制することができ、記録用紙Pを良好に搬出することが可能となる。
また、図14に示す本発明の実施例7に係る定着装置によって画像の定着を行う場合は、上記と同様に、定着ローラ61を所定の表面温度となるように加熱する。そして、矢印X方向に回転する定着ローラ61と、矢印Y方向に従動回転する加圧ベルト65との間に、未定着のトナー画像Tが形成された記録用紙Pを矢印A方向に侵入させ、定着ニップNにおいて記録用紙Pを加熱及び加圧して、記録用紙P上の未定着トナー画像Tを記録用紙Pに定着させる。
本発明の実施例7では、定着ローラ61のクラウン部61aと押圧部材66の凹面部66bを対応させて配設すると共に、定着ローラ61の逆クラウン部61bと押圧部材66の凸面部66aを対応させて配設して、定着ローラ61と加圧ベルト65を互いに圧接させているため、定着ニップNは波打つように湾曲して形成される(図15参照)。従って、この場合も上記と同様に、記録用紙Pを定着ニップNに侵入させることによって、記録用紙Pを湾曲させることができ、記録用紙Pの見かけ上の剛性を向上させて定着ニップNから搬出することができる。これにより、記録用紙Pを定着ニップNから搬出させる際に、記録用紙Pが定着ローラ61に巻き付くことを抑制することができる。
以上のように、本発明の構成によれば、従来と異なり定着ニップを湾曲させることにより、記録用紙の見かけ上の剛性を大きくして搬出することができ、記録用紙の分離性を向上させることが可能である。また、本発明者は、定着ニップの湾曲数と、定着ニップから搬出される記録用紙の見かけ上の剛性との関係を調べる試験をした。以下、その試験について詳しく説明する。
試験に使用する定着装置として、クラウン部及び逆クラウン部を有する定着ローラと加圧ローラを備えた本発明の定着装置と、クラウン部及び逆クラウン部を有しない定着ローラと加圧ローラを備えた従来の定着装置を適用した。また、本発明の試験装置は、クラウン部と逆クラウン部をそれぞれ3個ずつ有するタイプと、それぞれ7個ずつ有するタイプの2タイプを用意し、本発明の各タイプの試験装置においてクラウン部及び逆クラウン部の無負荷状態での振幅(高さ)を0.2mmとした。また、試験に使用する全ての定着装置において、定着ローラの弾性層と加圧ローラの弾性層のそれぞれの厚さを1.7mmに設定した。そして、各定着装置において、坪量(単位面積当たりの重量)が64g/m2、69g/m2、90g/m2である各種用紙を搬出したときの各種用紙の見かけ上の剛性を測定した。
前記各種用紙の見かけ上の剛性の測定方法について簡単に説明する。まず、図16に示すように、記録用紙Pを定着ローラ61と加圧ローラ62の間の定着ニップNを通過させ、記録用紙Pの前方の端部に変位測定装置70からのレーザ光Lが照射されたら記録用紙Pの搬送を停止する。停止した記録用紙Pの振動が無くなってから、撓んだ記録用紙Pに変位測定装置70からレーザ光Lを照射し、その記録用紙Pの変位を測定する。その後、記録用紙Pを所定距離だけ進行させて、再び記録用紙Pにレーザ光Lを照射し、その変位を測定する。そして、得られた記録用紙Pの変位から記録用紙Pの見かけ上の剛性を算出する。
図17に、定着ニップの湾曲数と各種用紙の見かけ上の剛性との関係を示すグラフを図示する。図17において、縦軸は記録用紙の見かけ上の剛性を表し、横軸は定着ニップの湾曲数を表している。ここでは、定着ニップの湾曲数を、クラウン部と逆クラウン部の個数で表している。具体的には、クラウン部及び逆クラウン部が無い場合は定着ニップの湾曲数は0、クラウン部と逆クラウン部を3個ずつ有する場合は定着ニップの湾曲数は3と表している。また、同図において、▲でプロットしたのは坪量が90g/m2の記録用紙の測定値、■でプロットしたのは坪量が69g/m2の記録用紙の測定値、●でプロットしたのは坪量が64g/m2の記録用紙の測定値である。
図17のグラフを見れば、定着ニップの湾曲が0である従来の定着装置を使用した場合に比べて、定着ニップの湾曲数が3又は7である本発明の定着装置を使用した場合は、各種用紙の見かけ上の剛性が大きくなっていることが分かる。さらに、定着ニップの湾曲数が3の場合より7の場合の方が記録用紙の見かけ上の剛性が大きいことから、定着ニップの湾曲数が多いほど各種用紙の見かけ上の剛性を大きくする効果があると推察される。なお、図17に示す試験結果は、本発明の一実施例における記録用紙の見かけ上の剛性の向上効果を示すものであるが、それ以外の本発明の実施例においても同様の効果を得られる。
上述したように、クラウン部(又は凸面部)の頂部と、逆クラウン部(又は凹面部)の底部との高低差は、負荷状態において、0.16mm以上であって0.8mm以下となるように設定することが好ましい。この高低差を0.16mm以上とするのが好ましいのは、高低差が0.16mm未満となると、定着ニップにおいて記録用紙の湾曲量が少なくなり、記録用紙を良好に分離させるために必要な記録用紙の見かけ上の剛性が得られなくなるからである。また、高低差を0.8mm以下とするのが好ましいのは、高低差が0.8mmを越えると、クラウン部と逆クラウン部(又は凸面部と凹面部)における回転速度差が大きくなり記録用紙にシワが発生する虞があるからである。従って、クラウン部(又は凸面部)と逆クラウン部(又は凹面部)との高低差を上記の範囲に設定することによって、記録用紙の見かけ上の剛性を十分に確保して記録用紙の定着ローラへの巻き付きを確実に抑制することができると共に、記録用紙にシワが発生するのを抑制して良好な画像形成を行うことが可能となる。
また、記録用紙にシワを発生させることなく、記録用紙の分離性を確保するには、定着ローラ61と加圧ローラ62のそれぞれのクラウン部と逆クラウン部を軸方向に連続して形成することが好ましい。クラウン部と逆クラウン部とが互いに離れた位置に配設した場合など、クラウン部と逆クラウン部を連続して形成していない場合は、記録用紙を搬送する際にシワが発生する虞がある。なお、同様の理由で、図14及び図15に示す加圧ベルトを用いた定着装置の実施例においても、定着ローラ61のクラウン部と逆クラウン部を軸方向に連続して配設すると共に、押圧部材66の凸面部と凹面部を長手方向に連続して配設することが好ましい。
また、本発明者は、定着ローラ及び加圧ローラが、クラウン部と逆クラウン部をいずれか1つのみ有する場合と、クラウン部と逆クラウン部をそれぞれ1つずつ有する場合において、記録用紙の分離性を比較する試験を行った。その結果を図18に示す。
図18において、(A)はクラウン部と逆クラウン部をいずれか1つのみ有する場合の試験結果を示し、(B)はクラウン部と逆クラウン部をそれぞれ1つずつ有する場合の試験結果を示す。また、図18(A)(B)において、縦軸は記録用紙の見かけ上の剛性を表し、横軸は定着ローラと加圧ローラとを圧接した状態(負荷状態)の定着ニップにおけるクラウン部及び逆クラウン部の高低差を表している。また、同図の(A)(B)において、一点鎖線αは、記録用紙を定着ローラに対して良好に分離することができる場合とできない場合を分ける記録用紙の見かけ上の剛性の境界線を示し、一点鎖線βは、記録用紙にシワが発生する虞がある場合とその虞がない場合を分けるクラウン部と逆クラウン部の高低差の境界線を示す。詳しくは、記録用紙の見かけ上の剛性が境界線αより大きい場合、記録用紙は良好に分離することができ、反対に見かけ上の剛性が境界線αより小さい場合は、記録用紙を良好に分離することができない。また、クラウン部及び逆クラウン部の高低差が境界線βより大きい場合は、記録用紙にシワが発生し、反対に高低差が境界線βより小さい場合は、記録用紙にシワが発生しない。
図18(A)に示すように、クラウン部と逆クラウン部をいずれか1つのみ有する場合は、記録用紙の見かけ上の剛性を境界線αより大きくして記録用紙を良好に分離するためには、クラウン部等の高低差を約1.6mmより大きく設定しなければならず、記録用紙にシワが発生することが危惧される。これに対し、図18(B)に示すクラウン部と逆クラウン部をそれぞれ1つずつ有する場合は、図18(A)と同じ高低差の値であっても、記録用紙の見かけ上の剛性が大幅に向上していることが分かる。そのため、クラウン部と逆クラウン部をそれぞれ1つずつ有する場合は、図18(B)に示すように、記録用紙の見かけ上の剛性を境界線αより大きく設定しつつ、かつ、クラウン部と逆クラウン部の高低差を記録用紙にシワの発生しない約0.72mm〜約0.8mmの範囲内で設定することが可能となる。従って、クラウン部と逆クラウン部をそれぞれ1つずつ有する場合は、記録用紙の良好な分離性と、記録用紙にシワを発生させない良好な画像形成の両方を実現することができる。
以上のように、クラウン部と逆クラウン部をそれぞれ1つずつ有する場合は、クラウン部と逆クラウン部をいずれか1つのみ有する場合に比べて、記録用紙の見かけ上の剛性を向上させる効果が著しく大きくなる。そのため、本発明は、定着ローラ及び加圧ローラが、クラウン部と逆クラウン部をそれぞれ少なくとも1つずつ有していることを特徴としている。また、上述したように、クラウン部と逆クラウン部の個数を増やすことにより、記録用紙の見かけ上の剛性を一層高めることができ、分離性をさらに向上させることが可能である。
なお、図18に示す試験結果は、本発明の一実施例における記録用紙の見かけ上の剛性の向上効果を示すものであるが、それ以外の本発明の実施例においても同様の効果を奏することが可能である。
ところで、既に開示されている特開2005−352297号公報、特公平7−104636号公報、特許3119405号公報、特許3267416号公報等に記載された定着ローラと加圧ローラは、一方がクラウン部又は逆クラウン部を有するローラで構成され、他方はストレート状のローラで構成されている。この場合、定着ローラと加圧ローラを圧接させると、ストレート状の面に、クラウン形状又は逆クラウン形状の曲面が圧接されるため、定着ニップにおいて接触圧の高い部分と低い部分が生じ、軸方向に渡って接触圧のばらつきが大きくなる。このように定着ニップにおいて接触圧のばらつきが大きいと、画像を定着する際、接触圧が大きい箇所を通過した画像部分は光沢度が高くなり、接触圧が小さい箇所を通過した画像部分は光沢度が低くなる傾向にあるため、画像の光沢度ムラが生じ良好な画像形成ができなくなる不具合が生じる。
これに対し、本発明の実施例1〜6に係る定着装置は、クラウン部と逆クラウン部を対応させて、定着ローラと加圧ローラを配設している。また、本発明の実施例7に係る定着装置は、クラウン部と凹面部を対応させると共に逆クラウン部と凸面部を対応させて、定着ローラと押圧部材を配設している。このように、本発明は、クラウン部又は凸面部から成る凸形状と、逆クラウン部又は凹面部から成る凹形状を、対応させて定着ニップを形成しているため、定着ニップにおける接触圧のばらつきを抑制して、接触圧を均一にすることが可能である。これにより、画像の光沢度ムラを抑制して良好な画像形成を実現することが可能である。さらに、定着ニップにおける接触圧のばらつきを効果的に抑制するには、対応するクラウン部と逆クラウン部、又は、対応するクラウン部と凹面部及び対応する逆クラウン部と凸面部の、それぞれの形状を互いに一致する形状に形成することが望ましい。
また、上述のように、定着ローラ61と加圧ローラ62を無負荷状態で互いに接触させた場合に、対応するクラウン部と逆クラウン部との間に隙間が生じないように構成することにより、各ローラ61,62を圧接して負荷状態とした際に、軸方向に渡って定着ニップに圧力ムラが生じるのを抑制することができる。これにより、画像ノイズの発生を抑制することができると共に、記録用紙の分離性を確保することが可能である。また、このことは、図14及び図15に記載の加圧ベルトを用いた定着装置の実施例においても同様である。従って、この実施例においても、定着ローラ61と押圧部材66を無負荷状態で互いに接触させた場合に、対応するクラウン部と凹面部との間、対応する逆クラウン部と凸面部との間に隙間が生じないように構成することが好ましい。
さらに、定着ローラ61と加圧ローラ62とを無負荷状態で互いのクラウン部と逆クラウン部を接触させて配設した状態において、軸方向の任意の位置におけるそれぞれの弾性層の厚みの和を、一定に設定することによって、各ローラ61,62の回転方向における圧力ピーク値を軸方向に渡って一定にすることが可能である。これによっても、定着ニップにおいて圧力ムラの発生を抑えることができ、画像ノイズの発生を抑制することが可能となる。なお、同様の理由で、加圧ベルトを用いた定着装置の実施例においても、定着ローラ61と押圧部材66とを無負荷状態で互いの凸と凹を接触させて配設した状態で、軸方向の任意の位置におけるそれぞれの弾性層の厚みの和は、一定となるように設定することが好ましい。
また、本発明の実施例1〜6に係る定着装置において、定着ローラを定着温度まで上昇させると、定着ローラは熱膨張によって軸方向に伸長する。この定着ローラの伸長によって互いに対応して配設したクラウン部と逆クラウン部が位置ずれすると、定着ニップにおいて接触圧のばらつきが大きくなる虞がある。その虞を解消するため、本発明は、定着ローラと加圧ローラのそれぞれの同じ側の端部を軸方向に位置決めすると共に、それぞれの位置決めされた端部と反対側の端部を軸方向に変位可能に構成している(図5参照)。これにより、定着ローラに熱膨張による伸長が生じても、定着ローラと加圧ローラを軸方向の同じ端部側に伸長(変位)させて、クラウン部と逆クラウン部との間の位置ずれを抑制することができ、定着ニップにおける接触圧にばらつきが生じるのを抑制することが可能である。
また、同様に、本発明の実施例7に係る定着装置においても、定着ローラと押圧部材のそれぞれの同じ側の端部を位置決めすると共に、それと反対側の端部を変位可能に構成することによって、定着ローラの熱膨張による定着ニップの接触圧のばらつきを抑制することが可能である。
以上、定着ニップにおける接触圧のばらつきを抑制することにより、良好な画像形成を行うことについて説明したが、光沢度ムラ等の無い良好な画像形成を行うには、定着ニップにおいて接触圧を均一にする以外に、温度を均一にすることも重要である。しかしながら、本発明の定着装置が備える定着ローラ61は、クラウン部61aと逆クラウン部61bを有していることにより、長手方向に渡って厚さが異なっているため、定着ローラ61の表面温度に軸方向に渡ってばらつきが生じる虞がある。
例えば、図19に示すように、厚さが均一な芯金611に厚さの異なる弾性層612を被覆して構成した定着ローラ61の内周面を、加熱源63によって軸方向に渡って均一な温度に加熱した場合、そのときのクラウン部61aの最大厚さ(G1)の部分と逆クラウン部61bの最小厚さ(G2)の部分において、温度が変化する様子を図20に示す。図20において、実線はクラウン部61aの温度を示し、一点鎖線は逆クラウン部61bの温度を示す。
定着ローラ61の内周面を軸方向に渡って均一な温度に加熱した場合、図20に示すように、クラウン部61aの内周面の温度T1と、逆クラウン部61bの内周面の温度T2は、同様の値となっている。しかしながら、クラウン部61aは逆クラウン部61bに比べて、弾性層612が厚く形成されているため(G1>G2)、熱が表面にまで伝達されるまでの温度低下量が大きく、クラウン部61aの表面における温度T10は、逆クラウン部61bの表面における温度T20よりも低くなる。このように、クラウン部61aと逆クラウン部61bにおいて、表面温度のばらつきが生じると、定着された画像に光沢度ムラが生じ画像品質が低下するといった問題が起こる。また、定着ローラ61の表面温度のばらつきは、芯金611の厚さが異なる場合も起こりうるが、ゴム等から成る弾性層612の厚さが異なる場合の方がばらつきは顕著となる傾向にある。
そこで、本発明の実施例1及び2では、ヒータランプ40の高発熱部42Hをクラウン部61aに対応させて配設することによって(図8、図9参照)、クラウン部61aにおける発熱量を、逆クラウン部61bにおける発熱量よりも大きくなるようにしている。これにより、図21に示すように、クラウン部61aの内周面の温度T1を、逆クラウン部61bの温度T2よりも大きくすることができ、クラウン部61aと逆クラウン部61bのそれぞれの表面に伝達される温度T10,T20のばらつきを抑制して均一な表面温度にすることが可能である。
また、本発明の実施例3〜5は、定着ローラ61の内周面に塗料を塗布することによって(図10〜図12参照)、クラウン部61aの内周面における熱吸収率を、逆クラウン部61bの内周面における熱吸収率よりも高くなるようにしている。この場合も、上記と同様に、クラウン部61aの内周面の温度T1を、逆クラウン部61bの温度T2よりも大きくすることができ、クラウン部61aと逆クラウン部61bのそれぞれの表面温度T10,T20のばらつきを抑制することが可能である。
また、本発明の実施例6は、定着ローラ61とヒータランプ40との間に熱遮蔽部材90を配設することによって(図13参照)、クラウン部61aにおける熱遮蔽量を、逆クラウン部61bにおける熱遮蔽量よりも小さくなるようにしている。この場合も、上記と同様に、クラウン部61aの内周面の温度T1を、逆クラウン部61bの温度T2よりも大きくすることができ、クラウン部61aと逆クラウン部61bのそれぞれの表面温度T10,T20のばらつきを抑制することが可能である。
なお、加圧ベルトを有する本発明の実施例7に係る定着装置においても、本発明の実施例1〜6と同様に、定着ローラ61の内周面の加熱温度を、逆クラウン部61bよりもクラウン部61aにおいて高くなるように構成しているので、定着ローラ61のクラウン部61aと逆クラウン部61bにおける表面温度のばらつきを抑制することが可能である。
ところで、ヒータランプ40のフィラメント42から発せられる輻射熱は、定着ローラ61の径方向に限らず、軸方向にも伝達される。例えば、図8又は図9に示す本発明の実施例1又は2において、高発熱部42Hをクラウン部61aの軸方向長さBの全体に渡って配設すると、高い温度で加熱する範囲が軸方向に広くなり過ぎて、定着ローラ61の表面温度のばらつきを効果的に抑制できないことも考えられる。そこで、本発明者は、クラウン部61aの軸方向長さBに対する高発熱部42Hの配設範囲Cと、定着ローラ61の表面温度のばらつきとの関係を調べる試験を行った。以下、この試験について詳しく説明する。
図8又は図9に示す本発明の実施例1又は2と同様に、ヒータランプに高発熱部と低発熱部を構成し、高発熱部の発光量を、低発熱部の発光量(100%)に対して、150%、200%、300%とした3タイプの定着装置を用意した。そして、それぞれのタイプの定着装置において、定着ローラのクラウン部の軸方向長さに対する高発熱部の配設比率を、0%〜100%の間の任意の比率に変化させ、それぞれの配設比率の場合において画像の定着を行い、定着された画像の光沢度を測定した。なお、このときの光沢度評価試験には、日本電色工業株式会社製の光沢度計PG−1M(商品名)を使用し、JISZ8741における60度鏡面光沢度測定方法により測定し、評価を行った。
図22に、高発熱部の配設比率と光沢度差との関係を示すグラフを図示する。図22において、横軸は高発熱部の配設比率を表し、縦軸は光沢度の差を表している。また、図22において、点線は低発熱部に対する高発熱部の発光量が150%の場合の測定値、実線は200%の場合の測定値、一点鎖線は300%の場合の測定値を示す。図22に示すグラフより、高発熱部の配設比率が0%に近づくにつれて、光沢度の差が大きくなっていることが分かる。これは、高発熱部の配設比率が0%に近づくと、ヒータランプの発光量が長手方向に渡って均一になるため、厚く形成されたクラウン部と薄く形成された逆クラウン部において表面温度にばらつきが生じたためである。また、反対に、高発熱部の配設比率が100%に近づく場合も、光沢度の差が大きくなる。これは、高発熱部の配設比率が100%に近づくと、高発熱部によって加熱される範囲が定着ローラの軸方向に広くなり過ぎて、定着ローラの表面温度のばらつきを効果的に抑制できなかったためである。
一方、図22に示すように、高発熱部の配設比率が30%から50%の間に設定した場合は、光沢度の差が小さくなっていることが確認できる。このことから、高発熱部の配設比率を30%から50%の間で設定することによって、高発熱部による過剰な加熱を抑え、クラウン部と逆クラウン部における表面温度のばらつきを効果的に抑制することができたことが分かる。
そこで、本発明の実施例1及び2では、図8及び図9において説明したように、高発熱部42Hの長手方向の中央部Oを、クラウン部61aの頂部Qに対応させて配設し、高発熱部42Hの配設範囲Cを、クラウン部61aの軸方向長さBの10分の3(30%)以上であって2分の1(50%)以下の範囲内になるように設定している。これにより、高発熱部42Hによって加熱される範囲が軸方向に広くなり過ぎるのを抑えることができ、定着ローラの表面温度のばらつきを効果的に抑制することが可能となる。
以上のように、本発明の構成によれば、定着ローラの表面温度が軸方向に渡ってばらつくのを抑制することができるため、定着ニップにおける定着温度を均一に維持することができる。これにより、画像に光沢度ムラ等の不具合が発生するのを抑制することができ、良好な画像形成を実現することが可能となる。
また、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加え得ることは勿論である。例えば、本発明の定着装置を、図1に示すカラー画像形成装置に限らず、モノクロ画像形成装置や、複写機、プリンタ、ファクシミリ、あるいはこれらの複合機等にも搭載することが可能である。
27 定着装置
40 ヒータランプ
42 フィラメント
42H 高発熱部
42L 低発熱部
61 定着ローラ
61a クラウン部
61b 逆クラウン部
62 加圧ローラ
62a クラウン部
62b 逆クラウン部
63 加熱源
65 加圧ベルト
66 押圧部材
66a 凸面部
66b 凹面部
80 塗膜
80D 膜厚部
80L 膜薄部
81 塗膜
82 塗膜
90 熱遮蔽部材
92 貫通孔
660 押圧面
B 軸方向長さ
C 配設範囲
N 定着ニップ
O 長手方向の中央部
P 記録用紙
Q 頂部
特開2004−109697号公報

Claims (18)

  1. 内部に加熱源を有する円筒状の定着ローラと、当該定着ローラに圧接して配設された加圧ローラを備え、前記定着ローラと前記加圧ローラが互いに圧接して形成された定着ニップに記録媒体を通過させることにより、当該記録媒体上の未定着画像を記録媒体に定着させる定着装置において、
    前記定着ローラは、外周面がクラウン状に形成されたクラウン部と、外周面が逆クラウン状に形成された逆クラウン部を、それぞれ少なくとも1つずつ有し、
    前記加圧ローラは、外周面がクラウン状に形成されたクラウン部と、外周面が逆クラウン状に形成された逆クラウン部を、それぞれ少なくとも1つずつ有し、
    前記定着ローラの前記クラウン部と前記加圧ローラの前記逆クラウン部を対応させると共に、前記定着ローラの前記逆クラウン部と前記加圧ローラの前記クラウン部を対応させて、前記定着ローラと前記加圧ローラを互いに圧接させた定着装置であって、
    前記定着ローラにおいて前記クラウン部を前記逆クラウン部よりも厚くなるように形成し、前記加熱源によって加熱される前記定着ローラの内周面の加熱温度を、前記逆クラウン部よりも前記クラウン部において高くなるように構成したことを特徴とする定着装置。
  2. 前記定着ローラと前記加圧ローラとを無負荷状態で互いの前記クラウン部と前記逆クラウン部を接触させて配設した場合に、対応させて配設した前記クラウン部と前記逆クラウン部との間に隙間が生じないように構成した請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記定着ローラと前記加圧ローラのそれぞれの前記クラウン部と前記逆クラウン部を、軸方向に連続して形成した請求項1又は2に記載の定着装置。
  4. 前記定着ローラ及び前記加圧ローラは弾性層を有するものであって、前記定着ローラと前記加圧ローラとを無負荷状態で互いの前記クラウン部と前記逆クラウン部を接触させて配設した場合に、軸方向の任意の断面における前記定着ローラ及び前記加圧ローラの前記弾性層の厚みの和が一定となるように設定した請求項1から3のいずれか1項に記載の定着装置。
  5. 内部に加熱源を有する円筒状の定着ローラと、無端状の加圧ベルトと、当該加圧ベルトの内周面を押圧して加圧ベルトを前記定着ローラに圧接させる押圧部材を備え、前記定着ローラと前記加圧ベルトが互いに圧接して形成された定着ニップに記録媒体を通過させることにより、当該記録媒体上の未定着画像を記録媒体に定着させる定着装置において、
    前記定着ローラは、外周面がクラウン状に形成されたクラウン部と、外周面が逆クラウン状に形成された逆クラウン部を、それぞれ少なくとも1つずつ有し、
    前記押圧部材の前記加圧ベルトを押圧する押圧面に、凸状に形成した凸面部と、凹状に形成した凹面部を、それぞれ少なくとも1つずつ有し、
    前記定着ローラの前記クラウン部と前記押圧部材の前記凹面部を対応させて配設すると共に、前記定着ローラの前記逆クラウン部と前記押圧部材の前記凸面部を対応させて配設して、前記押圧部材によって前記加圧ベルトを押圧し、前記定着ローラと前記加圧ベルトを互いに圧接させた定着装置であって、
    前記定着ローラにおいて前記クラウン部を前記逆クラウン部よりも厚くなるように形成し、前記加熱源によって加熱される前記定着ローラの内周面の加熱温度を、前記逆クラウン部よりも前記クラウン部において高くなるように構成したことを特徴とする定着装置。
  6. 前記定着ローラと前記押圧部材とを無負荷状態で前記クラウン部と前記凹面部を接触させると共に前記逆クラウン部と前記凸面部を接触させて配設した場合に、対応させて配設した前記クラウン部と前記凹面部及び前記逆クラウン部と前記凸面部との間に隙間が生じないように構成した請求項5に記載の定着装置。
  7. 前記定着ローラの前記クラウン部と前記逆クラウン部を軸方向に連続して形成し、前記押圧部材の前記凸面部と前記凹面部を連続して形成した請求項5又は6に記載の定着装置。
  8. 前記定着ローラ及び前記押圧部材は弾性層を有するものであって、前記定着ローラと前記押圧部材とを無負荷状態で前記クラウン部と前記凹面部を接触させると共に前記逆クラウン部と前記凸面部を接触させて配設した場合に、軸方向の任意の断面における前記定着ローラ及び前記押圧部材の前記弾性層の厚みの和が一定となるように設定した請求項5から7のいずれか1項に記載の定着装置。
  9. 前記加熱源の発熱量を、前記定着ローラの前記逆クラウン部よりも前記クラウン部において大きくなるように設定した請求項1から8のいずれか1項に記載の定着装置。
  10. 前記加熱源を、光透過性材料から成る発光管内に螺旋状のフィラメントを配設したヒータランプによって構成すると共に、当該ヒータランプに部分的に発熱量の大きい高発熱部を構成し、当該高発熱部の長手方向の中央部を、前記定着ローラの前記クラウン部の頂部に対応させて配設し、前記高発熱部の配設範囲を、前記クラウン部の軸方向長さの10分の3以上であって2分の1以下の範囲内に設定した請求項9に記載の定着装置。
  11. 前記フィラメントの巻き径を部分的に大きくして、前記高発熱部を構成した請求項10に記載の定着装置。
  12. 前記フィラメントの単位長さ当たりの巻き数を部分的に多くして、前記高発熱部を構成した請求項10に記載の定着装置。
  13. 前記定着ローラの内周面に塗料を塗布して定着ローラの内周面における熱吸収率を軸方向に渡って異ならせることによって、当該定着ローラの内周面における熱吸収率を、前記逆クラウン部よりも前記クラウン部において高くなるように構成した請求項1から8のいずれか1項に記載の定着装置。
  14. 前記定着ローラの内周面に塗料を塗布する部分と塗布しない部分を設けることにより、当該定着ローラの内周面における熱吸収率を、前記逆クラウン部よりも前記クラウン部において高くなるように構成した請求項13に記載の定着装置。
  15. 前記定着ローラの内周面に塗布する塗料の厚さを軸方向に渡って異ならせることにより、当該定着ローラの内周面における熱吸収率を、前記逆クラウン部よりも前記クラウン部において高くなるように構成した請求項13に記載の定着装置。
  16. 前記定着ローラの内周面に塗布する塗料の種類を軸方向に渡って異ならせることにより、当該定着ローラの内周面における熱吸収率を、前記逆クラウン部よりも前記クラウン部において高くなるように構成した請求項13に記載の定着装置。
  17. 前記定着ローラと前記加熱源との間に加熱源の熱を一部遮蔽する熱遮蔽部材を介在させると共に、当該熱遮蔽部材の熱遮蔽量を、前記定着ローラの前記逆クラウン部よりも前記クラウン部において小さくなるように構成した請求項1から8のいずれか1項に記載の定着装置。
  18. 請求項1から17のいずれか1項に記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
JP2009201600A 2009-01-21 2009-09-01 定着装置及び画像形成装置 Expired - Fee Related JP5327716B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009201600A JP5327716B2 (ja) 2009-01-21 2009-09-01 定着装置及び画像形成装置
US12/873,628 US8391766B2 (en) 2009-09-01 2010-09-01 Fixing device and image forming apparatus incorporating same

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009011232 2009-01-21
JP2009011232 2009-01-21
JP2009201600A JP5327716B2 (ja) 2009-01-21 2009-09-01 定着装置及び画像形成装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010191405A true JP2010191405A (ja) 2010-09-02
JP5327716B2 JP5327716B2 (ja) 2013-10-30

Family

ID=42817470

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009201600A Expired - Fee Related JP5327716B2 (ja) 2009-01-21 2009-09-01 定着装置及び画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5327716B2 (ja)

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS54163040A (en) * 1978-06-15 1979-12-25 Ricoh Co Ltd Fixing device
JPS60186465U (ja) * 1984-05-21 1985-12-10 ウシオ電機株式会社 複写機用加熱ロ−ラ定着装置
JPH0479372U (ja) * 1990-11-22 1992-07-10
JPH06138789A (ja) * 1992-10-26 1994-05-20 Canon Inc 定着装置並びに画像形成装置
JPH07129014A (ja) * 1993-11-04 1995-05-19 Canon Inc 加熱定着装置
JP2001210454A (ja) * 2000-01-28 2001-08-03 Toshiba Lighting & Technology Corp 管形ヒータおよび加熱装置
JP2001265146A (ja) * 2000-03-22 2001-09-28 Ricoh Co Ltd 加熱定着装置
JP2005010673A (ja) * 2003-06-20 2005-01-13 Ricoh Co Ltd 定着装置および該定着装置を有する画像形成装置
JP2005352297A (ja) * 2004-06-11 2005-12-22 Konica Minolta Business Technologies Inc 定着装置および画像形成装置
JP2006337521A (ja) * 2005-05-31 2006-12-14 Kyocera Mita Corp 定着装置及びこれを備えた画像形成装置

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS54163040A (en) * 1978-06-15 1979-12-25 Ricoh Co Ltd Fixing device
JPS60186465U (ja) * 1984-05-21 1985-12-10 ウシオ電機株式会社 複写機用加熱ロ−ラ定着装置
JPH0479372U (ja) * 1990-11-22 1992-07-10
JPH06138789A (ja) * 1992-10-26 1994-05-20 Canon Inc 定着装置並びに画像形成装置
JPH07129014A (ja) * 1993-11-04 1995-05-19 Canon Inc 加熱定着装置
JP2001210454A (ja) * 2000-01-28 2001-08-03 Toshiba Lighting & Technology Corp 管形ヒータおよび加熱装置
JP2001265146A (ja) * 2000-03-22 2001-09-28 Ricoh Co Ltd 加熱定着装置
JP2005010673A (ja) * 2003-06-20 2005-01-13 Ricoh Co Ltd 定着装置および該定着装置を有する画像形成装置
JP2005352297A (ja) * 2004-06-11 2005-12-22 Konica Minolta Business Technologies Inc 定着装置および画像形成装置
JP2006337521A (ja) * 2005-05-31 2006-12-14 Kyocera Mita Corp 定着装置及びこれを備えた画像形成装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP5327716B2 (ja) 2013-10-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5488879B2 (ja) 定着装置及び画像形成装置
US8588668B2 (en) Fixing device and image forming apparatus incorporating same
US8364051B2 (en) Fixing device and image forming apparatus including same
US8559860B2 (en) Fixing device and image forming apparatus including same
JP4951990B2 (ja) 弾性体ロール及び定着装置
US8358948B2 (en) Fixing device and image forming apparatus incorporating same
US8391766B2 (en) Fixing device and image forming apparatus incorporating same
JP5031477B2 (ja) 定着装置
JP2011180502A (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP2013117579A (ja) 像加熱装置及び画像形成装置
JP2008122849A (ja) 定着装置
JP5309457B2 (ja) 定着装置および画像形成装置
US9519249B2 (en) Fixing device and image forming apparatus
JP6922427B2 (ja) 定着装置および画像形成装置
JP7378701B2 (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP5495112B2 (ja) 定着装置、及び画像形成装置
JP5327716B2 (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP5278069B2 (ja) 定着装置及び画像形成装置
US10579000B2 (en) Fixing member, fixing apparatus, and image forming apparatus
JP2010139984A (ja) 定着装置およびこれを備える画像形成装置
JP5376329B2 (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP2011197273A (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP5294070B2 (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP2010223997A (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP2012181560A (ja) 定着装置及びこの定着装置を備える画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120625

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130627

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130701

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130714

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees