JP2010189787A - ヘルメット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ヘルメット本体2の固定軸基部材5に係合部を介して回動自在かつ着脱可能に支持されたシールド板4を備える。前記係合部は、シールド板4を全開位置と全閉位置との間の常用範囲の中で回動させる場合は係合状態になり、シールド板4を前記常用範囲の外に回動させた場合は非係合状態になる係止片(第1〜第3の係止片26,27,36、係止片43、上側係止片54、下側係止片55および係合用突起52の係止片)を備える。前記係止片の一部は、シールド板4を常用範囲の中の所定の取付位置に位置付けて固定軸基部材5にヘルメット外側から押し付けることにより弾性によって係合が解除される方向に移動する爪片24によって形成されている。
【選択図】 図12
Description
特許文献1に開示されたヘルメットは、前面開口部を有するヘルメット本体と、このヘルメット本体の左右両側部に取付けられた固定軸基部材と、この固定軸基部材に回動自在かつ着脱可能に取付けられたシールド板とを備えている。このシールド板は、前記前面開口部を開閉するためのものである。
一方、シールド板には、前記固定側係合部に係合する可動側係合部と、前記円弧状係合部にヘルメットの前側から係合可能な係合用突起とが設けられている。
前記固定側係合部と前記可動側係合部とは、シールド板を前面開口部が全開になる位置よりさらに上に開いて所定の着脱位置に位置付けることによって、係合が解除されるように構成されている。
(1)シールド板を着脱位置に位置付けて左右方向の一方に位置する係合用突起を左右方向の一方に位置する円弧状係合部に係合させる。
(2)左右方向の一方に位置する可動側係合部を左右方向の一方に位置する固定側係合部にヘルメットの側方から挿入する。
(4)左右方向の他方に位置する可動側係合部を左右方向の他方に位置する固定側係合部にヘルメットの側方から挿入する。
(5)シールド板を閉じる。このようにシールド板を閉じることによって、固定側係合部と可動側係合部とが係合状態になり、シールド板を固定軸基部材(ヘルメット本体)に取付けることができる。
この爪片は、シールド板側の可動側係合部がヘルメット外側から押し付けられることによって、圧縮コイルばねの弾発力に抗して係合が解除される方向へ移動するように構成されている。
特許文献2,3に記載のヘルメットにおいて、シールド板をヘルメット本体に取付けるためには、シールド板を所定の着脱位置に位置付けた状態で可動側係合部を固定側係合部にヘルメット外側から押し付けることによって行う。
一方、シールド板をヘルメット本体から取外すためには、シールド板を前記着脱位置に位置付けた状態で前記爪片を係合が解除される方向へ人為的にスライドさせ、可動側係合部が小突起と係合している状態でシールド板の両側部を変形させながらヘルメットの側方へ引くことによって強制的に行う。
しかし、特許文献2,3に示すヘルメットでは、シールド板をヘルメット本体から取外すときに爪片を係合が解除される方向へスライドさせなければならず、可動側係合部と小突起との係合を解除するためにシールド板の両端部を変形させなければならない。このため、この構造を採用すると、シールド板を簡単にヘルメット本体から取外すことができなくなってしまう。
シールド板の回動軸部分をヘルメット本体から取外すためには、シールド板を前記常用範囲の外に回動させて前記係合部の係合を解除させ、この状態でシールド板の両側部を側方に引くことによって行う。
この結果、本発明によれば、シールド板の着脱が容易なヘルメットを提供することができる。
図1に示すヘルメット1は、自動二輪車(図示せず)などの乗員が被るもので、ヘルメット本体2の前面開口部3を開閉するためにシールド板4を備えている。シールド板4は、透明な合成樹脂材料によって所定の形状に成形されており、ヘルメット本体2に設けられている固定軸基部材5に回動自在かつ着脱可能に取付けられている。シールド板4は、無色透明に形成する他に、着色させて半透明に形成することもできる。
固定軸基部材5は、プラスチック材料によって所定の形状に成形されており、2本の固定用ボルト(図1参照)13,14によってヘルメット本体2に固定されている。
前記軸受部21aの突出側端部には、図4(B)に示すように、軸受部21aの内側(軸孔25内)に延在する第1、第2の係止片26,27が設けられている。これらの第1、第2の係止片26,27は、図2に示すように、前記中心Cを挟んで互いに対向する位置に位置付けられており、図2に示す側面視において、中心Cを中心として所定の長さだけ周方向に延在する円弧状に形成されている。
さらに、スライダ22における前記第1のガイド部21bに保持される一側部{図7(A)において左側の端部}は、図6および図7(B)に示すように、前記段差部32と同じ厚みとなるように、他の部位に較べて薄く形成されている。
可動側係合部51は、図9(A)および図10、図11に示すように、シールド板4の板状本体4aからシールド板4の内側に向けて突出する円筒53と、この円筒53の先端部から径方向の外側に突出する上側係止片54および下側係止片55とから構成されている。
上側係止片54と下側係止片55とは、前記円筒53の軸心を中心として周方向に所定長さだけ延在する円弧状であって、前記軸孔25の孔壁面に摺動自在に嵌合できる形状に形成されている。
シールド板4の上側係止片54と下側係止片55とにおける径方向の外側の端縁部であって、シールド板4の板状本体4aとは反対側の部位には、図9(A)に示すように、傾斜面56が形成されている。この傾斜面56は、上側、下側係止片54,55の厚みが径方向の外側に向かうにしたがって漸次薄くなるように形成されている。なお、この傾斜面56と、固定側係合部11の第1〜第3の係止片26,27,36に形成されている傾斜面28,37は、平坦面に形成する他に断面円弧状に湾曲させて形成することもできる。
この係合用突起52が形成されている位置は、図16に示すように、可動側係合部51の上側係止片54と下側係止片55とが前記上側扇状空間S1、下側扇状空間S2内に挿入される状態において、前記ガイド溝41の幅広部41a内に挿入されるような位置である。この実施例においては、前記固定側係合部11の第1〜第3の係止片26,27,36、円弧状係合部12の係止片43、可動側係合部51の上側係止片54、下側係止片55および係合用突起52の係止片52bとによって、本発明でいう係止片が構成されている。
また、可動側係合部51の下側係止片55は、シールド板4が全開位置P2にあるときは固定側係合部11の第3の係止片36に係合された状態にあり、シールド板4が閉じることによって、図15に示すように、前記第3の係止片36のみならず第2の係止片27にも係合するようになる。このように可動側係合部51の上側係止片54と下側係止片55とが固定側係合部11の第1〜第3の係止片26,27,36に係合することによって、シールド板4の両端部をヘルメット本体2から取外すことはできなくなる。
この状態において、可動側係合部51の上側係止片54は、固定側係合部11の第1の係止片26よりヘルメット1の後方に移動し、上側扇状空間S1内に位置するようになる。また、可動側係合部51の下側係止片55は、固定側係合部11の第3の係止片36より上方に移動し、下側扇状空間S2内に位置するようになる。すなわち、シールド板4が取外し位置P3に移動することによって、図17(A)に示すように、可動側係合部51と固定側係合部11との係合状態が解除される。
この結果、この実施例に示したように、シールド板4の着脱が容易なヘルメット1を提供することができる。
また、シールド板4をヘルメット本体2に取付けるときの取付位置は、全開位置P2に限定されることはなく、全閉位置P1と全開位置P2との間であればどこでもよく、適宜変更することができる。
この図18に示す切り欠き62によって、本発明の請求項6記載の発明でいう第1の切り欠き部が構成されている。
この実施例においては、係合用突起52が切り欠き62まで移動するようにシールド板4を移動させることによって、係合用突起52と円弧状係合部12との係合を解除することができる。
柱状部73と第3の係止片36とは、図示してはいないが、シールド板4を取付位置(全開位置P2)に位置付けた状態で可動側係合部51の下側係止片55(例えば図12参照)と対向する位置に形成されている。
Claims (7)
- 前面開口部を有するヘルメット本体と、
前記ヘルメット本体の左右両側部に固定されたシールド板支持用の固定軸基部材と、
前記固定軸基部材に係合部を介して回動自在かつ着脱可能に支持されたシールド板とを備えたヘルメットにおいて、
前記係合部は、シールド板を前記前面開口部が全開になる全開位置と前記前面開口部が全閉になる全閉位置との間の常用範囲の中で回動させる場合は係合状態になり、かつシールド板を前記常用範囲の外に回動させた場合は非係合状態になる係止片を備え、
前記係止片の一部は、シールド板を前記常用範囲の中の所定の取付位置に位置付けて固定軸基部材にヘルメット外側から押し付けることにより弾性によって係合が解除される方向に移動する爪片によって形成されているヘルメット。 - 請求項1記載のヘルメットにおいて、前記係合部が非係合状態になるシールド板の位置は、シールド板が前記全開位置より開いた位置であるヘルメット。
- 請求項1または請求項2記載のヘルメットにおいて、前記係合部は、シールド板の回動軸部に位置する固定軸基部材の固定側係合部およびシールド板の可動側係合部と、前記回動軸部とは離間した位置において円弧状に延在する固定軸基部材の円弧状係合部およびこれに係合するシールド板の係合用突起とから構成され、
前記爪片は、前記固定側係合部と円弧状係合部とのうちいずれか一方に設けられているヘルメット。 - 請求項3記載のヘルメットにおいて、前記爪片は、前記固定軸基部材に移動自在に支持されたスライダと、このスライダと前記固定軸基部材との間に設けられたばね部材とによって構成されているヘルメット。
- 請求項3記載のヘルメットにおいて、前記爪片は、前記固定軸基部材に一体成形により一体に形成されているヘルメット。
- 請求項3ないし請求項5のうちいずれか一つに記載のヘルメットにおいて、前記円弧状係合部の一部であって、前記シールド板が前記固定側係合部と前記可動側係合部との係合が解除される位置に位置している状態で前記係合用突起と対応する部分には、前記係合用突起が挿通可能な第1の切り欠き部が設けられているヘルメット。
- 請求項3ないし請求項6のうちいずれか一つに記載のヘルメットにおいて、前記円弧状係合部の一部には、前記係合用突起との係合が解除される第2の切り欠き部が形成されているヘルメット。
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