JP2010189659A - 粘着剤組成物および粘着テープ又はシート類 - Google Patents

粘着剤組成物および粘着テープ又はシート類 Download PDF

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Abstract

【課題】良好な初期凝集力を発揮することができ、また各種被着体に対して優れた粘着力を発揮することができ、しかも液状状態でのポットライフが長い粘着剤組成物を提供する。
【解決手段】(a)アルキル基の炭素数が4〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルをモノマー主成分とするポリマーをベースポリマーとして含有する粘着剤組成物であって、前記ポリマー(a):100重量部に対し、(b)分子中に少なくとも1個のヒドロキシル基を含有するキシレンホルムアルデヒド系粘着付与樹脂:10〜100重量部、(c)分子中に2個以上のイソシアネート基を含有する化合物:0.5〜10重量部、(d)分子中に2個以上のヒドロキシル基を含有する化合物:0.01〜10重量部を含んでいることを特徴とする粘着剤組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、粘着剤組成物および粘着テープ又はシート類に関し、さらに詳しくは、汎用的に用いられる優れた接着性を示す粘着剤組成物および粘着テープ又はシート類に関する。
従来用いられている粘着剤組成物により形成された粘着テープ又はシート類は、常温において指圧程度の力で接着できるため、接合用、包装用、表面保護用、電気絶縁用等幅広い分野で使用されている。特に接合用途においては、信頼性、安全性の面から優れた接着性を要求されることが多い。
優れた接着性を発現させるためには、粘着剤主成分(又はベースポリマー)であるポリマー(例えば、アクリル系粘着剤の場合は、アクリル系ポリマー)の改質、粘着付与剤の種類や量の選択など様々な改良が行われてきた。例えば、アクリル系ポリマーの改質には、一般的な溶液重合方法における官能性モノマーの配合のみならず、紫外線照射による重合方法(いわゆる「UV重合方法」)による高分子量化などにより強接着が発現できている。
しかしながら、官能性モノマーなどの配合による検討には限界があり、UV重合方法では、生産性が低いことによるコストアップなどが問題となっている。
また、一般的に、アクリル系ポリマーに粘着付与樹脂を添加する例は少ないが、例えば、非極性表面に対する接着性を向上させるために添加する場合がある。しかし、この場合も、汎用の石油樹脂系粘着付与樹脂などは、アクリル系ポリマーに対する相溶性に劣るため、十分な量を添加することができず、目的とする粘着力(接着力)などを得ることができていなかった。
一方、一般的に、アクリル系ポリマーに架橋剤を添加して凝集力を向上させるが、粘着力と凝集力とはトレードオフの関係にあり、両特性を高いレベルで維持することが困難であるのが現状である。
さらに、架橋剤の中で、イソシアネート系架橋剤は比較的、粘着力と凝集力とのバランスがとりやすい架橋剤であるが、水酸基との架橋反応の場合、両者の添加量が多いと反応速度が速すぎ、溶液状でのポットライフが短く、一方、添加量が少ないと架橋反応が遅くなり、初期凝集力を確保するためのエージングが必要となるなど、生産性に大きな影響を及ぼし、いずれも好ましくなかった。
また、アクリル系粘着剤に、イソシアネート系化合物と、1分子中に2個以上の水酸基を含有したアミン系化合物とを添加し、経時安定性や曲面接着力を向上させる手法が開示されている(特許文献1参照)。しかしながら、この配合系では、十分な時間のポットライフを確保することができない。
特開平8−41433号公報
従って、本発明の目的は、良好な初期凝集力を発揮することができ、また各種被着体に対して優れた粘着力を発揮することができ、しかも液状状態でのポットライフが長い粘着剤組成物、および該粘着剤組成物が用いられた粘着テープ又はシート類を提供することにある。
本発明者らは上記の目的を達成するために鋭意検討した結果、特定の(メタ)アクリル酸エステルをモノマー主成分とするアクリル系ポリマーに、特定の粘着付与樹脂と、特定のイソシアネート系化合物と、特定の水酸基含有化合物とを、それぞれ、特定量添加して粘着剤組成物を調製すると、該粘着剤組成物は、良好な初期凝集力を発揮することができ、また各種被着体に対して優れた粘着力を発揮することができ、しかも液状状態でのポットライフを十分に長くさせることができることを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成されたものである。
すなわち、本発明は、(a)アルキル基の炭素数が4〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルをモノマー主成分とするポリマーをベースポリマーとして含有する粘着剤組成物であって、前記ポリマー(a):100重量部に対し、(b)分子中に少なくとも1個のヒドロキシル基を含有するキシレンホルムアルデヒド系粘着付与樹脂:10〜100重量部、(c)分子中に2個以上のイソシアネート基を含有する化合物:0.5〜10重量部、(d)分子中に2個以上のヒドロキシル基を含有する化合物:0.01〜10重量部を含んでいることを特徴とする粘着剤組成物である。
前記化合物(d)としては、分子中に2個以上のヒドロキシル基を含有し且つ分子中に窒素原子を含有する化合物が好適である。
本発明には、前記粘着剤組成物により構成された粘着剤層を有する粘着テープ又はシート類も含まれる。
本発明の粘着剤組成物によれば、良好な初期凝集力を発揮することができ、また各種被着体に対して優れた粘着力を発揮することができ、しかも液状状態でのポットライフが長い。
[(a)ポリマー]
本発明の粘着剤組成物では、ベースポリマー(粘着剤の基本成分)として、アルキル基の炭素数が4〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステル(アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル)をモノマー主成分とするポリマー(a)(「ポリマー(a)」と称する場合がある)が用いられている。該ポリマー(a)は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
アルキル基の炭素数が4〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステル[(メタ)アクリル酸C4-12アルキルエステル]としては、アルキル基の炭素数が4〜12である(メタ)アクリル酸アルキルエステルであれば特に制限されないが、例えば、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸ネオペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシルなどが挙げられる。(メタ)アクリル酸C4-12アルキルエステルは単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
(メタ)アクリル酸C4-12アルキルエステルは、モノマー主成分として用いられており、モノマー成分全量に対して50重量%以上(好ましくは70重量%以上、さらに好ましくは85重量%以上)の割合で用いることができる。モノマー成分全量に対する(メタ)アクリル酸C4-12アルキルエステルの割合が、50重量%未満であると、粘着力や保持力が低下し、粘着テープ又はシート類として必要な良好な粘着力や保持力が得られなくなる場合がある。
なお、モノマー成分全量に対する(メタ)アクリル酸C4-12アルキルエステルの割合の上限としては、特に制限されず、例えば、98重量%以下(好ましくは97重量%以下)であることが望ましい。
ポリマー(a)では、必要に応じて、(メタ)アクリル酸C4-12アルキルエステルに対して共重合が可能なモノマー(共重合性モノマー)が併用されていてもよい。なお、このような共重合性モノマーの割合は、モノマー成分全量に対して50重量%未満の範囲で、モノマー成分の種類などに応じて適宜選択することができるが、良好な粘着性を発現させるためには、ポリマー(a)のガラス転移温度が−20℃以下(好ましくは−70〜−35℃)となるような使用量であることが望ましい。
このような共重合性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピルなどの(メタ)アクリル酸C1-3アルキルエステル;(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸ノナデシル、(メタ)アクリル酸エイコシルなどの(メタ)アクリル酸C13-20アルキルエステル;(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル[(メタ)アクリル酸シクロヘキシルなど]や、(メタ)アクリル酸イソボルニル等の非芳香族性環含有(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸アリールエステル[(メタ)アクリル酸フェニルなど]、(メタ)アクリル酸アリールオキシアルキルエステル[(メタ)アクリル酸フェノキシエチルなど]や、(メタ)アクリル酸アリールアルキルエステル[(メタ)アクリル酸ベンジルエステル]等の芳香族性環含有(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イソクロトン酸等のカルボキシル基含有モノマー又はその酸無水物(無水マレイン酸、無水イコタン酸など);ビニルスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレートなどのスルホン酸基含有モノマー;スチレン、置換スチレン(α−メチルスチレン等)、ビニルトルエンなどのスチレン系モノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアノ含有モノマー;エチレン、プロピレン、イソプレン、ブタジエン、イソブチレンなどのオレフィン系モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル系モノマー;塩化ビニル、塩化ビニリデン;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メチロールプロパン(メタ)アクリルアミドなどの(N−置換)アミド系モノマー;(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸メチルグリシジルなどのエポキシ基含有アクリル系モノマー;(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルの他、ビニルアルコール、アリルアルコールなどのヒドロキシル基含有モノマー;(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルアミノエチルなどの(メタ)アクリル酸アミノアルキル系モノマー;N−ビニルピロリドン、N−メチルビニルピロリドン、N−ビニルピリジン、N−ビニルピペリドン、N−ビニルピリミジン、N−ビニルピペラジン、N−ビニルピラジン、N−ビニルピロール、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルオキサゾール、N−ビニルモルホリン、N−ビニルカプロラクタム、(メタ)アクリロイルモルホリンなどの窒素原子含有環を有するモノマー;N−シクロヘキシルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−フェニルマレイミドなどのマレイミド系モノマー;2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネートなどのイソシアネート基含有モノマー;(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチルなどの(メタ)アクリル酸アルコキシアルキル系モノマー;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテルなどのビニルエーテル系モノマー;2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェートなどのリン酸基含有モノマー;N−メチルイタコンイミド、N−エチルイタコンイミド、N−ブチルイタコンイミド、N−オクチルイタコンイミド、N−2−エチルヘキシルイタコンイミド、N−シクロヘキシルイタコンイミド、N−ラウリルイタコンイミドなどのイタコンイミド系モノマー;N−(メタ)アクリロイルオキシメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクルロイル−6−オキシヘキサメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−8−オキシオクタメチレンスクシンイミドなどのスクシンイミド系モノマー;N−ビニルカルボン酸アミド類;(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコールなどのグリコール系アクリルエステルモノマー;(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルなどの酸素原子含有複素環を有するモノマー;フッ素系(メタ)アクリレートなどのフッ素原子を含有するアクリル酸エステル系モノマー;シリコーン系(メタ)アクリレートなどのケイ素原子を含有するアクリル酸エステル系モノマー;1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、ジビニルベンゼン、ブチルジ(メタ)アクリレート、ヘキシルジ(メタ)アクリレートなどの多官能モノマー等が挙げられる。
共重合性モノマーは1種のみが用いられていてもよく、2種以上が併用されていてもよい。
ポリマー(a)は、公知乃至慣用の重合方法により調製することができる。ポリマー(a)の重合方法としては、例えば、溶液重合方法、乳化重合方法、塊状重合方法や、紫外線照射による重合方法(UV重合方法)などが挙げられ、粘着力、保持力などの粘着特性のバランスや、コストなどの点で、溶液重合方法が好適である。
溶液重合方法等の重合時に用いられる重合開始剤としては、公知乃至慣用の重合開始剤を用いることができ、例えば、2,2´−アゾビスイソブチロニトリル、2,2´−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2´−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2´−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1´−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2´−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、ジメチル−2,2´−アゾビス(2−メチルプロピオネート等のアゾ系重合開始剤;ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジクミルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン等の過酸化物系重合開始剤などが挙げられる。なお、溶液重合の場合は、油溶性の重合開始剤を用いることが好ましい。重合開始剤は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。重合開始剤の使用量は、通常の使用量であればよく、例えば、全モノマー成分100重量部に対して0.01〜1重量部程度の範囲から選択することができる。
また、重合時などでは、分子量を調整するための連鎖移動剤が用いられていてもよい。連鎖移動剤としては、公知乃至慣用の連鎖移動剤を用いることができ、例えば、ラウリルメルカプタン、グリシジルメルカプタン、2−メルカプトエタノール、メルカプト酢酸、チオグリコール酸2−エチルヘキシル、2,3−ジメチルカプト−1−プロパノール、α−メチルスチレンダイマーなどが挙げられる。連鎖移動剤は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。連鎖移動剤の使用量は、通常の使用量であればよく、例えば、全モノマー成分100重量部に対して0.01〜15重量部程度の範囲から選択することができる。
なお、溶液重合では、各種の一般的な溶剤を用いることができる。溶剤としては、公知乃至慣用の溶剤を用いることができ、例えば、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル類;トルエン、ベンゼン等の芳香族炭化水素類;n−ヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類などの各種有機溶剤が挙げられる。溶剤は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
本発明では、ポリマー(a)は、重量平均分子量が30万以上130万以下(35万〜85万、さらに好ましくは40万以上80万以下)であることが重要である。アクリル系ポリマー(a)の重量平均分子量が30万未満である場合、粘着剤として必要な粘着力を発揮させることができない場合があり、一方、130万を超えていると、粘着剤の粘度上昇による塗工性不良などの問題が生じる場合がある。
ポリマー(a)の重量平均分子量は、重合開始剤や連鎖移動剤の種類やその使用量、重合の際の温度や時間の他、モノマー濃度、モノマー滴下速度などによりコントロールすることができる。
なお、ポリマー(a)の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)により測定することができる。より具体的には、GPC測定装置として、商品名「HLC−8120GPC」(東ソー株式会社製)を用いて、ポリスチレン換算値により、次のGPCの測定条件で測定して求めることができる。
GPCの測定条件
・サンプル濃度:0.2重量%(テトラヒドロフラン溶液)
・サンプル注入量:10μl
・溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
・流量(流速):0.6mL/min
・カラム温度(測定温度):40℃
・カラム:商品名「TSKgelSuperHM−H/H4000/H3000/H2000」(東ソー株式会社製)
・検出器:示差屈折計(RI)
[(b)粘着付与樹脂]
本発明の粘着剤組成物では、粘着付与樹脂(粘着付与剤)として、分子中に少なくとも1個の極性基を含有する粘着付与樹脂(b)と[「粘着付与樹脂(b)」と称する場合がある]が用いられている。粘着付与樹脂(b)を用いることにより、各種被着体に対する十分な粘着力を確保することができるとともに、塗工(塗布)前の粘着剤組成物溶液の状態でのポットライフを長くすることができる(延長できる)効果を発揮することが可能となっている。すなわち、本発明の粘着剤組成物では、ベースポリマーとしてのポリマー(a)に、特定量の粘着付与樹脂(b)と、特定量のイソシアネート化合物(c)と、特定量のヒドロキシ化合物(d)とが組み合わせられているので、良好な初期凝集力を発揮して、優れた保持力で被着体を接着させることができる。また、各種被着体に対する粘着力が十分であり、被着体の表面が非極性表面であっても、良好な粘着力で被着体を接着させることができる。しかも、塗工前の液状状態でのポットライフが十分に長く、塗工作業性が優れている。
一方、粘着付与樹脂(b)が用いられておらず、ベースポリマーとしてのポリマー(a)に、イソシアネート化合物(c)と、ヒドロキシ化合物(d)とが組み合わせられた系では、初期凝集力が良好で保持力が優れていても、各種被着体に対する粘着力が十分でなく、しかも、塗工(塗布)前の粘着剤組成物溶液の状態でのポットライフが短い。
粘着付与樹脂(b)において、極性基としては、高い極性を有する基であれば特に制限されないが、例えば、水酸基(ヒドロキシル基)、カルボキシル基、アミノ基、メルカプト基、エポキシ基、カルボジイミド基、イソシアネート基、ウレタン結合を有する基、尿素結合を有する基、アミド結合を有する基などが挙げられる。好ましい極性基としては、水酸基、カルボキシル基が挙げられ、特に、水酸基が好適である。極性基は、粘着付与樹脂(b)1分子中に1種のみが含まれていてもよく、2種以上が組み合わせられて含まれていてもよい。
粘着付与樹脂(b)において、極性基は、分子中に少なくとも1個(1個以上)含有されていれば、その数は特に制限されず、粘着付与樹脂の種類などに応じて適宜選択することができる。なお、粘着付与樹脂の種類によっては、極性基を多数有しており、その数を正確には規定することができない場合があるが、その場合であっても、分子中に極性基を1個以上有していることは確かである。
粘着付与樹脂(b)としては、分子中に少なくとも1個の極性基を含有する粘着付与樹脂であれば特に限定することなく使用することができ、例えば、テルペン系粘着付与樹脂、フェノール系粘着付与樹脂、ロジン系粘着付与樹脂、エポキシ系粘着付与樹脂、ポリアミド系粘着付与樹脂、ケトン系粘着付与樹脂、エラストマー系粘着付与樹脂などの粘着付与樹脂のうち、分子中に少なくとも1個の極性基を有するものが挙げられる。粘着付与樹脂(b)は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
具体的には、テルペン系粘着付与樹脂としては、例えば、α−ピネン重合体、β−ピネン重合体、ジペンテン重合体などのテルペン系樹脂や、これらのテルペン系樹脂を変性(フェノール変性、芳香族変性、水素添加変性、炭化水素変性など)した変性テルペン系樹脂(例えば、テルペンフェノール系樹脂、スチレン変性テルペン系樹脂、芳香族変性テルペン系樹脂、水素添加テルペン系樹脂など)などのテルペン系粘着付与樹脂の中から、分子中に少なくとも1個の極性基を有するものを用いることができる。
また、フェノール系粘着付与樹脂としては、各種フェノール類(例えば、フェノール、m−クレゾール、3,5−キシレノール、p−アルキルフェノール、レゾルシンなど)とホルムアルデヒドとの縮合物(例えば、アルキルフェノール系樹脂、キシレンホルムアルデヒド系樹脂など)、前記フェノール類とホルムアルデヒドとをアルカリ触媒で付加反応させたレゾールや、前記フェノール類とホルムアルデヒドとを酸触媒で縮合反応させて得られるノボラックの他、ロジン類(未変性ロジン、変性ロジンや、各種ロジン誘導体など)にフェノールを酸触媒で付加させ熱重合することにより得られるロジン変性フェノール樹脂などのフェノール系粘着付与樹脂の中から、分子中に少なくとも1個の極性基を有するものを用いることができる。
さらにまた、ロジン系粘着付与樹脂としては、例えば、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジンなどの未変性ロジン(生ロジン)や、これらの未変性ロジンを水添化、不均化、重合などにより変性した変性ロジン(水添ロジン、不均化ロジン、重合ロジンの他、その他の化学的に修飾されたロジンなど)の他、各種のロジン誘導体などのロジン系粘着付与樹脂の中から、分子中に少なくとも1個の極性基を有するものを用いることができる。なお、前記ロジン誘導体としては、例えば、未変性ロジンをアルコール類によりエステル化したロジンのエステル化合物や、水添ロジン、不均化ロジン、重合ロジンなどの変性ロジンをアルコール類によりエステル化した変性ロジンのエステル化合物などのロジンエステル類;未変性ロジンや変性ロジン(水添ロジン、不均化ロジン、重合ロジンなど)を不飽和脂肪酸で変性した不飽和脂肪酸変性ロジン類;ロジンエステル類を不飽和脂肪酸で変性した不飽和脂肪酸変性ロジンエステル類;未変性ロジン、変性ロジン(水添ロジン、不均化ロジン、重合ロジンなど)、不飽和脂肪酸変性ロジン類や不飽和脂肪酸変性ロジンエステル類におけるカルボキシル基を還元処理したロジンアルコール類;未変性ロジン、変性ロジンや、各種ロジン誘導体等のロジン類(特に、ロジンエステル類)の金属塩などが挙げられる。
粘着付与樹脂(b)としては、極性基として水酸基やカルボキシル基(特に水酸基)を分子中に少なくとも1個含有する粘着付与樹脂を好適に用いることができる。例えば、分子中に少なくとも1個の水酸基を含有する粘着付与樹脂としては、分子中に少なくとも1個の水酸基を含有するテルペン系粘着付与樹脂、分子中に少なくとも1個の水酸基を含有するフェノール系粘着付与樹脂を好適に用いることができる。分子中に少なくとも1個の水酸基を含有するテルペン系粘着付与樹脂としては、例えば、分子中に少なくとも1個の水酸基を含有するテルペンフェノール系粘着付与樹脂などが挙げられる。分子中に少なくとも1個の水酸基を含有するフェノール系粘着付与樹脂としては、例えば、分子中に少なくとも1個の水酸基を含有するアルキルフェノール系粘着付与樹脂、分子中に少なくとも1個の水酸基を含有するロジン変性フェノール系粘着付与樹脂、分子中に少なくとも1個の水酸基を含有するキシレンホルムアルデヒド系粘着付与樹脂などが挙げられる。従って、粘着付与樹脂(b)が、分子中に少なくとも1個の極性基を含有し、且つテルペンフェノール系粘着付与樹脂、アルキルフェノール系粘着付与樹脂、ロジン変性フェノール系粘着付与樹脂、およびキシレンホルムアルデヒド系粘着付与樹脂から選択された少なくとも1種の粘着付与樹脂を好適に用いることができる。
粘着付与樹脂(b)としては、市販品から適宜選択して使用することができ、例えば、分子中に少なくとも1個の水酸基を含有するキシレンホルムアルデヒド系粘着付与樹脂としては、商品名「ニカノールH−80」、商品名「ニカノールL」(以上、三菱瓦斯化学株式会社製)などを使用することができる。
粘着剤組成物中に含まれている粘着付与樹脂(b)の配合量(含有量)は、前記ポリマー(a):100重量部に対して10〜100重量部であり、好ましくは15〜80重量部(さらに好ましくは20〜60重量部)である。粘着付与樹脂(b)の配合量が、前記ポリマー(a):100重量部に対して10重量部未満である場合、粘着付与樹脂の添加効果が十分でなく、目的とする粘着力が得られなくなり、また、ポットライフ延長効果も発現されなくなる。一方、粘着付与樹脂(b)の配合量が、前記ポリマー(a):100重量部に対して100重量部を超える場合、架橋剤[分子中に2個以上のイソシアネート基を含有する化合物(c)]による架橋が不十分となり、また、ポリマー(a)との相溶性に劣ることによる粘着力低下などの問題が生じる。
なお、本発明では、粘着付与樹脂として、前記粘着付与樹脂(b)を用いることが必須であるが、粘着付与樹脂(b)が用いられていれば、分子中に極性基を含有していない粘着付与樹脂が併用されていてもよい。分子中に極性基を含有していない粘着付与樹脂としては、炭化水素系粘着付与樹脂(例えば、石油系粘着付与樹脂やスチレン系粘着付与樹脂など)が挙げられる。
[(c)イソシアネート化合物]
本発明の粘着剤組成物では、架橋剤(硬化剤)として、分子中に2個以上のイソシアネート基を含有する化合物(c)[「イソシアネート化合物(c)」と称する場合がある]が用いられている。イソシアネート化合物(c)を、分子中に2個以上のヒドロキシル基を含有する化合物(d)[「ヒドロキシ化合物(d)」と称する場合がある]とともに用いることにより、イソシアネート化合物(c)のイソシアネート基と、ヒドロキシ化合物(d)のヒドロキシル基とが速やかに反応するため、良好な初期凝集力を発揮することができ、そのため、特に生産性に多大なる影響を及ぼす凝集力を発現させるのに必要なエージング時間を大幅に短縮させ、優れた保持力で被着体を接着させることができる。
なお、前述のように、イソシアネート化合物(c)と、ヒドロキシ化合物(d)と、粘着付与樹脂(b)とが特定の割合で組み合わされているので、本発明の粘着剤組成物は、初期凝集力が優れているだけでなく、各種被着体に対する粘着力が良好であり、しかも塗工前の液状状態でのポットライフを、塗工するには十分な長い時間で確保することが可能となっている。
イソシアネート化合物(c)としては、分子中にイソシアネート基を少なくとも2個有する化合物であれば特に制限されない。イソシアネート化合物(c)としては、例えば、脂肪族ポリイソシアネート類、脂環族ポリイソシアネート類、芳香族ポリイソシアネート類、芳香脂肪族ポリイソシアネート類などが挙げられる。イソシアネート化合物(c)は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
前記脂肪族ポリイソシアネート類には、例えば、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,2−エチレンジイソシアネート、2−メチル−1,5−ペンタンジイソシアネート、3−メチル−1,5−ペンタンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネートなどが含まれる。
また、脂環族ポリイソシアネート類には、例えば、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルジイソシアネート、シクロペンチルジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加キシレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、水素添加テトラメチルキシレンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネートなどが含まれる。
芳香族ポリイソシアネート類には、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2´−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4´−ジフェニルエ−テルジイソシアネート、2−ニトロジフェニル−4,4´−ジイソシアネート、2,2´−ジフェニルプロパン−4,4´−ジイソシアネート、3,3´−ジメチルジフェニルメタン−4,4´−ジイソシネ−ト、4,4´−ジフェニルプロパンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、ナフチレン−1,4−ジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、3,3´−ジメトキシジフェニル−4,4´−ジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネートなどが含まれる。
芳香脂肪族ポリイソシアネートには、例えば、キシリレン−1,4−ジイソシアネート、キシリレン−1,3−ジイソシアネート等の芳香脂肪族ジイソシアネートなどが含まれる。
また、イソシアネート化合物(c)としては、前記例示の脂肪族ポリイソシアネート類、脂環族ポリイソシアネート類、芳香族ポリイソシアネート類、芳香脂肪族ポリイソシアネート類による二重体や三量体、反応生成物又は重合物(例えば、ジフェニルメタンジイソシアネートの二重体や三量体、トリメチロールプロパンとトリレンジイソシアネートとの反応生成物、トリメチロールプロパンとヘキサメチレンジイソシアネートとの反応生成物、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、ポリエーテルポリイソシアネート、ポリエステルポリイソシアネートなど)なども用いることができる。
なお、イソシアネート化合物(c)において、例えば、トリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネート3量体付加物として、商品名「コロネートL」[日本ポリウレタン工業(株)製]や、トリメチロールプロパン/ヘキサメチレンジイソシアネート3量体付加物として、商品名「コロネートHL」[日本ポリウレタン工業(株)製]などが市販されている。
粘着剤組成物中に含まれているイソシアネート化合物(c)の配合量(含有量)は、前記ポリマー(a):100重量部に対して0.5〜10重量部であり、好ましくは1〜8重量部(さらに好ましくは2〜7重量部)である。イソシアネート化合物(c)の配合量が、前記ポリマー(a):100重量部に対して0.5重量部未満である場合、必要とする架橋効果が得られなくなり、凝集力が不足する。一方、イソシアネート化合物(c)の配合量が、前記ポリマー(a):100重量部に対して10重量部を超える場合、凝集力が過多となり、逆に粘着力が十分でなくなる。
なお、本発明では、イソシアネート化合物(c)とともに、イソシアネート化合物(c)以外の架橋剤(例えば、多官能性メラミン化合物や多官能性エポキシ化合物など)を用いることができる。
[(d)ヒドロキシ化合物]
本発明の粘着剤組成物では、架橋助剤(硬化助剤)として、分子中に2個以上のヒドロキシル基を含有する化合物(d)[ヒドロキシ化合物(d)]が用いられている。ヒドロキシ化合物(d)としては、分子中に2個以上のヒドロキシル基を含有する化合物であれば特に制限されない。ヒドロキシ化合物(d)としては、例えば、脂肪族ポリオール、脂環式ポリオール、芳香族ポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、アクリルポリオール、ポリウレタンポリオールなどが挙げられる。ヒドロキシ化合物(d)は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
前記脂肪族ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、2,4−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、3−メチル−2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,3,5−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、1,10−デカンジオール、2−メチル−1,9−ノナンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,18−オクタデカンジオール、ダイマージオール等の脂肪族ジオールなどが挙げられる。
脂環式ポリオールとしては、1,4−シクロヘキサンジオール、2,2´−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン等の脂環式ジオール成分などが挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、テトラヒドロフラン等を開環重合させたポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、およびこれらを共重合させたコポリエーテル等のポリエーテルジオールが挙げられる。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、1,18−オクタデカンジオール等のジオール成分と、コハク酸、メチルコハク酸、アジピン酸、ピメリック酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,12−ドデカン二酸、1,14−テトラデカン二酸やこれらの酸無水物または低級アルキルエステルなどのジカルボン酸成分又はその誘導体とを、単独若しくは混合物状態で脱水反応して得られるポリエステルジオールなどが挙げられる。
ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、ポリトリメチレンカーボネートジオール、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール、ポリ3−メチル(ペンタメチレン)カーボネートジオールや、これらの共重合物などの他、エチレングリコール、1,3−トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,18−オクタデカンジオールなどの多価アルコールと、ジエチレンカーボネート、ジメチルカーボネートなどのジアルキルカーボネートとの脱アルコール反応等で得られるポリカーボネートジオールなどが挙げられる。
ポリカプロラクトンポリオールとしては、例えば、ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトンなどの環状エステルモノマーの開環重合により得られるカプロラクトン系ポリエステルジオール等が挙げられる。
アクリルポリオールやポリウレタンポリオールとしては、ヒドロキシル基を複数有するアクリル系樹脂やウレタン系樹脂などが挙げられる。
また、ヒドロキシ化合物(d)としては、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等のポリオールも用いることができる。
さらにまた、ヒドロキシ化合物(d)としては、分子中に2個以上のヒドロキシル基を含有するとともに、分子中に窒素原子を含有する化合物[「窒素原子含有ヒドロキシ化合物(d)」と称する場合がある]を用いることができる。窒素原子含有ヒドロキシ化合物(d)は、分子中に窒素原子を少なくとも1個含有していればよく、分子中における窒素原子の数は特に制限されない。従って、窒素原子含有ヒドロキシ化合物(d)としては、分子中に2個以上のヒドロキシル基を含有するとともに、分子中に窒素原子を少なくとも1個含有する化合物を用いることができる。具体的には、窒素原子含有ヒドロキシ化合物(d)としては、例えば、N,N,N´,N´−テトラキス(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、N,N,N´,N´−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、N,N,N´,N´−テトラキス(2−ヒドロキシエチル)トリメチレンジアミン、N,N,N´,N´−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)トリメチレンジアミン;エチレンジアミンのポリオキシエチレン縮合物、エチレンジアミンのポリオキシプロピレン縮合物、エチレンジアミンのポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物などのアルキレンジアミンのポリオキシアルキレン縮合物;ジエタノールアミン、ジプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−メチルジイソプロパノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N−エチルジイソプロパノールアミン、N−ブチルジエタノールアミン、N−ブチルジイソプロパノールアミン等のジアルコールアミン類;トリエタノールアミン、トリプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン等のトリアルコールアミン類などを例示することができる。窒素原子含有ヒドロキシ化合物(d)としては、例えば、N,N,N´,N´−テトラキス(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、N,N,N´,N´−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、N,N,N´,N´−テトラキス(2−ヒドロキシエチル)トリメチレンジアミン、N,N,N´,N´−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)トリメチレンジアミンを好適に用いることができる。
さらに、ヒドロキシ化合物(d)としては、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)エタン、1,1,5,5−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、α,α,α´,α´−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α´,α´−テトラキス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−p−キシレン、α,α,α´,α´−テトラキス(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−p−キシレン、α,α,α´,α´−テトラキス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−p−キシレン、α,α,α´,α´−テトラキス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−p−キシレン、α,α,α´,α´−テトラキス(4,5−ジヒドロキシ−2−ジメチルフェニル)−p−キシレン、α,α,α´,α´−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)−α,α´−ジメチル−p−キシレンなども用いることができる。
粘着剤組成物中に含まれているヒドロキシ化合物(d)の配合量(含有量)は、前記ポリマー(a):100重量部に対して0.01〜10重量部であり、好ましくは0.015〜9重量部(さらに好ましくは0.02〜8重量部)である。ヒドロキシ化合物(d)の配合量が、前記ポリマー(a):100重量部に対して0.01重量部未満である場合、必要とする架橋効果が得られなくなり、凝集力が不足する。一方、ヒドロキシ化合物(d)の配合量が、前記ポリマー(a):100重量部に対して10重量部を超える場合、凝集力が過多となり、逆に粘着力が十分でなくなる。
本発明では、ヒドロキシ化合物(d)としては、窒素原子含有ヒドロキシ化合物(d)、すなわち、分子中に2個以上のヒドロキシル基を含有し且つ分子中に窒素原子を含有する化合物を好適に用いることができる。ヒドロキシ化合物(d)として窒素原子含有ヒドロキシ化合物(d)を用いると、架橋促進効果をさらに高めることが可能となり、より一層優れた初期凝集力を発揮させることが可能となる。
なお、本発明では、ヒドロキシ化合物(d)とともに、ヒドロキシ化合物(d)以外の架橋助剤を用いることができる。
本発明の粘着剤組成物はそのまま使用してもよいが、必要に応じて各種添加剤が添加されていてもよい。このような添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、剥離調整剤、可塑剤、軟化剤、充填剤、着色剤(顔料や染料など)、老化防止剤、界面活性剤、帯電防止剤などが挙げられる。これらの添加剤の使用量は、いずれもアクリル系感圧性接着剤に適用される通常の量であってもよい。
本発明の粘着剤組成物は、前述のように、アルキル基の炭素数が4〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルをモノマー主成分とするポリマー(a)[ポリマー(a)]と、分子中に少なくとも1個の極性基を含有する粘着付与樹脂(b)と[粘着付与樹脂(b)]、分子中に2個以上のイソシアネート基を含有する化合物(c)[イソシアネート化合物(c)]と、分子中に2個以上のヒドロキシル基を含有する化合物(d)[ヒドロキシ化合物(d)]とを、ポリマー(a):100重量部に対し、粘着付与樹脂(b):10〜100重量部、イソシアネート化合物(c):0.5〜10重量部、ヒドロキシ化合物(d):0.01〜10重量部の割合で含んでいる。本発明の粘着剤組成物は、前記成分[ポリマー(a)、粘着付与樹脂(b)、イソシアネート化合物(c)、ヒドロキシ化合物(d)の他、必要に応じて各種添加剤など]を、それぞれ所定量で混合又は混練することにより調製することができる。
[粘着テープ又はシート類]
本発明の粘着テープ又はシート類は、前記粘着剤組成物により構成された粘着剤層を有している。なお、前記粘着剤組成物は、ポットライフが長いので、粘着剤組成物の塗工作業性が優れており、粘着テープ又はシート類を優れた作業性で作製することができる。また、粘着テープ又はシート類は、良好な初期凝集力を発揮して、優れた保持力で接着させることができる。さらにまた、粘着テープ又はシート類は、各種被着体に対して優れた粘着力で接着させることができる。
粘着テープ又はシート類としては、例えば、前記粘着剤組成物からなる粘着剤層は、基材の少なくとも片面に形成された構成を有していてもよく、剥離フィルム上に形成された構成を有していてもよい。すなわち、粘着テープ又はシート類は、前記粘着剤組成物からなる粘着剤層を備えていれば、基材を有する粘着テープ又はシート類(基材付き粘着テープ又はシート類)であってもよく、基材を有しない粘着テープ又はシート類(例えば、基材レス粘着テープ又はシート類)であってもよい。なお、基材付き粘着テープ又はシート類の場合、粘着剤層は、基材の片面のみに設けられていてもよく、基材の両面に設けられていてもよい。
なお、粘着テープ又はシート類は、本発明の効果を損なわない範囲で、他の層(例えば、中間層、下塗り層など)を有していてもよい。
粘着剤層は、単層、積層体のいずれの形態を有していてもよい。粘着剤層の厚み(粘着剤層が基材の両面に形成されている場合は、一方の側の粘着剤層の厚み)は、例えば、5〜1000μm(好ましくは10〜200μm)程度である。
前記基材としては、例えば、ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリイミド系樹脂、フッ素系樹脂、セロハンなどのプラスチックからなるプラスチックフィルム;クラフト紙、和紙等の紙;マニラ麻、パルプ、レーヨン、アセテート繊維、ポリエステル繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリアミド繊維、ポリオレフィン繊維などの天然繊維、半合成繊維又は合成繊維の繊維状物質などからなる単独又は混紡などの織布や不織布等の布;天然ゴム、ブチルゴム等からなるゴムシート;ポリウレタン、ポリクロロプレンゴム等からなる発泡体による発泡体シート;アルミニウム箔、銅箔等の金属箔;これらの複合体などが挙げられる。基材としては、ポリエチレン製フィルムやポリエステル製フィルム(ポリエチレンテレフタレート製フィルム等)などのプラスチックフィルムを好適に用いることができる。なお、基材は透明、半透明、不透明のうちいずれであってもよい。また、基材の表面には、例えば、コロナ放電処理、プラズマ処理等の物理的処理、下塗り処理、背面処理等の化学的処理などの適宜な公知乃至慣用の表面処理が施されていてもよい。
基材の厚さは、取扱性等を損なわない範囲で適宜選択できるが、一般に10〜1000μm(好ましくは20〜500μm)程度である。
基材付き粘着テープ又はシート類は、粘着テープ又はシート類の種類に応じて、通常の粘着テープ又はシート類の製造方法に従って製造することができる。基材付き粘着テープ又はシート類としては、例えば、基材の少なくとも一方の面(片面又は両面)に、前記粘着剤組成物を、乾燥後の厚さが所定の厚さとなるように直接塗工する方法、セパレータ上に前記粘着剤組成物を、乾燥後の厚さが所定の厚さとなるように塗工して粘着剤層を形成した後、該粘着剤層を基材に転写する方法などにより、作製することができる。また、基材の背面に背面処理層(離型処理層)が形成されている場合、基材の片面に形成された粘着剤層と、背面の背面処理層とを重ね合わせてロール状に巻回することにより、ロール状に巻回した粘着テープを作製することができる。
なお、粘着剤層の保護のために、粘着剤層上に剥離ライナーを積層しておくのが望ましい。また、剥離ライナーを利用しない場合は、基材の背面に剥離処理剤(シリコーン系剥離剤、フッ素系剥離剤、長鎖アルキル系剥離剤など)により背面処理を施して、背面処理層を形成することが好ましい。
一方、基材レス粘着テープ又はシート類は、例えば、剥離ライナー上に、前記粘着剤組成物を塗布した後、乾燥し、架橋させて硬化させることにより、作製することができる。もちろん、剥離ライナーにおいて、粘着剤組成物を塗布する面は、剥離層側の面であればよい。なお、剥離ライナーにおいて、剥離層は基材の片面又は両面に設けることができる。
前記剥離ライナーとしては、特に制限されず、公知の剥離ライナーから適宜選択して用いることができる。剥離ライナーとしては、基材の少なくとも一方の面に剥離層が形成されたものを好適に用いることができる。剥離ライナーの基材としては、プラスチックフィルムが好適に用いられるが、紙、発砲体、金属箔などであってもよい。剥離ライナーの基材の厚みは、目的に応じて適宜選択できる。なお、前記剥離ライナーの基材のプラスチックフィルムの素材としては、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体などのポリオレフィン、ポリ塩化ビニルなどの熱可塑性樹脂などが挙げられる。プラスチックフィルムは、無延伸フィルム及び延伸(一軸延伸又は二軸延伸)フィルムの何れであってもよい。
また、剥離層としては、慣用の剥離ライナーにおける剥離層として用いられている剥離層(例えば、シリコーン系剥離剤による剥離層、フッ素系剥離剤による剥離層、長鎖アルキル系剥離剤による剥離層など)を用いることができる。
なお、粘着剤組成物の塗布は、慣用のコーター、例えば、グラビヤロールコーター、リバースロールコーター、キスロールコーター、ディップロールコーター、バーコーター、ナイフコーター、スプレーコーターなどを用いて行うことができる。
本発明の粘着テープ又はシート類は、SUSステンレス板に対する180°粘着力(引張速度300mm/分、23℃、50%RH)が、例えば、5N/20mm以上(例えば、5〜25N/20mm)、好ましくは8N/20mm以上(例えば、8〜23N/20mm)であることが望ましい。
粘着力(剥離力)は、例えば、ポリマー(a)を構成するモノマー成分の種類や割合、重合開始剤の種類や量、重合温度や重合時間、粘着付与樹脂(b)、イソシアネート化合物(c)やヒドロキシ化合物(d)の種類や量を適宜選択することにより調整できる。
本発明の粘着テープ又はシート類は、前述のように、各種被着体に対する接着力が優れており、汎用的に用いられる粘着テープ又はシート類として用いることができる。本発明の粘着テープ又はシート類は、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂などのプラスチックやガラスなどの被着体に対して適用することができる。
以下に、この発明の実施例を記載して、より具体的に説明する。なお、以下において、部とあるのは重量部を、%とあるのは重量%を、それぞれ意味する。
(実施例1)
重合容器に、アクリル酸n−ブチル95部、アクリル酸5部、トルエン150部を仕込み、室温で1時間窒素置換を行った。その後、60℃に昇温し、重合開始剤として2,2−アゾビスイソブチロニトリルを0.2部添加して、63℃で7時間重合を行い、重量平均分子量が50万のアクリル系ポリマーの共重合物溶液を得た。この共重合物溶液に、共重合物の固形分100部に対して、粘着付与樹脂として水酸基を有するキシレンホルムアルデヒド系粘着付与樹脂(商品名「ニカノールH−80」三菱瓦斯化学株式会社製)を30部と、ヒドロキシ化合物として窒素原子を含有するヒドロキシ化合物(商品名「EDP−300」旭電化株式会社製)を0.05部、イソシアネート化合物(商品名「コロネートL」日本ポリウレタン工業株式会社製)を4部添加し、十分混合して、粘着剤組成物を得た。
前記粘着剤組成物を、セパレータ上に、乾燥後の厚みが80μmとなるように塗工し、110℃の温度で3分間乾燥して粘着剤層を形成し、該粘着剤層を厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに転写して、粘着テープを得た。
(実施例2)
ヒドロキシ化合物として窒素原子を含有するヒドロキシ化合物(商品名「EDP−1100」旭電化株式会社製)を6部添加したこと以外は、実施例1と同様にして粘着剤組成物を得た。また、この粘着剤組成物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着テープを得た。
(比較例1)
ヒドロキシ化合物として窒素原子を含有するヒドロキシ化合物(商品名「EDP−300」旭電化株式会社製)を添加しないことを除いては、実施例1と同様にして粘着剤組成物を得た。また、この粘着剤組成物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着テープを得た。
(比較例2)
ヒドロキシ化合物として窒素原子を含有するヒドロキシ化合物(商品名「EDP−300」旭電化株式会社製)を11部添加したこと以外は、実施例1と同様にして粘着剤組成物を得た。また、この粘着剤組成物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着テープを得た。
(比較例3)
粘着付与樹脂として水酸基を有するキシレンホルムアルデヒド系粘着付与樹脂(商品名「ニカノールH−80」三菱瓦斯化学株式会社製)を添加しないことを除いては、実施例1と同様にして粘着剤組成物を得た。また、この粘着剤組成物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着テープを得た。
(比較例4)
粘着付与樹脂としてC5系石油樹脂(商品名「マルカクリアーH」丸善石油化学株式会社製;この粘着付与樹脂の分子中には極性基が含有されていない)を30部添加したこと以外は、実施例1と同様にして粘着剤組成物を得た。また、この粘着剤組成物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着テープを得た。
(評価)
実施例及び比較例で得られた各粘着テープについて、保持力、接着力、ポットライフを下記の方法(保持力測定方法、接着力測定方法、ポットライフ評価方法)により測定又は評価した。その結果を表1に示す。
(保持力測定方法)
10×100mmの粘着テープを、被着体としてのベーク板に10mm幅×20mmの接着面積で2kgのローラーを1往復させる方法で圧着し、40℃で1時間放置した後、端部に500gの荷重をかけ、JIS Z 0237に準じて、圧着時からのずれを測定し、40℃1時間後のずれの大きさ(距離)で保持力を評価した。
なお、保持力については、初期凝集力を確認する為、粘着テープを作製した後、23℃の環境下で24時間放置したものと、23℃の環境下で7日間放置したものとの2点について測定した。
(粘着力測定方法)
20×100mmの接着テープ(粘着テープを作製した後、23℃の環境下で7日間放置したもの)を、下記被着体に2kgのローラーを1往復させる方法で圧着し、下記の放置条件で放置させた後、180°ピール剥離試験(引張り速度300mm/分、23℃、50%RH)により、その剥離に要する力(180°剥離力)(N/20mm)を測定して、粘着力を評価した。
被着体:ステンレス(SUSステンレス)板
放置条件:23℃×20分
(ポットライフ評価方法)
粘着剤組成物の溶液を、30℃2時間保存した後、セパレータに塗布し、ムラなく均一に塗工できるか確認することにより、ポットライフを下記の評価基準により評価した。
ポットライフの評価基準
○:粘着剤組成物溶液をセパレータ上にムラなく均一に塗布できた。
△:粘着剤組成物溶液をセパレータ上に塗布すると塗布ムラが生じるが、徐々にレベリングした。
×:粘着剤組成物溶液をセパレータ上に塗布すると塗布ムラが生じた。
Figure 2010189659
表1より、実施例1〜2に係る粘着テープは、保持力や粘着力が良好であり、しかもポットライフが長く、優れていることが確認された。

Claims (3)

  1. (a)アルキル基の炭素数が4〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルをモノマー主成分とするポリマーをベースポリマーとして含有する粘着剤組成物であって、前記ポリマー(a):100重量部に対し、(b)分子中に少なくとも1個のヒドロキシル基を含有するキシレンホルムアルデヒド系粘着付与樹脂:10〜100重量部、(c)分子中に2個以上のイソシアネート基を含有する化合物:0.5〜10重量部、(d)分子中に2個以上のヒドロキシル基を含有する化合物:0.01〜10重量部を含んでいることを特徴とする粘着剤組成物。
  2. 化合物(d)が、分子中に2個以上のヒドロキシル基を含有し且つ分子中に窒素原子を含有する化合物である請求項1記載の粘着剤組成物。
  3. 請求項1又は2記載の粘着剤組成物により構成された粘着剤層を有する粘着テープ又はシート類。
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