JP2010189223A - 石英ガラスの製造方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】常温で製造した水素と液体水素を気化した低温の水素とを切り替えて、あるいは混ぜて使用した場合でも安定して石英ガラスを製造できる方法、及び装置を提供する。
【解決手段】複数のバーナに水素と酸素を供給して生成した酸水素火炎中に珪素化合物を導入し、火炎加水分解反応で生成した二酸化珪素を堆積する石英ガラスの製造方法において、常温で製造した水素と液体水素を気化した低温の水素とを切り替えて、あるいは混ぜてバーナに供給する際の水素の流量を、熱容量測定を測定原理とする第一の流量測定器と熱容量測定を測定原理としない第二の流量測定器とを直列に設置し、前記第一の流量測定器で測定される水素流量と前記第二の流量測定器で測定される水素流量との流量比Rを逐次求め、該流量比Rを前記流量制御装置に設定された水素流量に乗じて水素の流量を制御する。
【選択図】図3

Description

本発明は、光ファイバ用母材などに好適に用いられる石英ガラスに係り、特に液体水素を気化させた水素を使用する、石英ガラスの製造方法及び装置に関する。
液体水素を低温貯槽に貯蔵し、これを昇温・気化して後段に接続された設備に供給する水素供給設備が実用化されている。例えば、高純度の石英ガラスを製造するケースが挙げられ、これには、VAD法やOVD法を使用した方法があり、いずれの方法も、水素と酸素をバーナに供給して燃焼させた酸水素火炎に四塩化珪素(SiCl4)などの珪素化合物を供給して加水分解反応により二酸化珪素(SiO2)を生成、堆積させて多孔質母材を製造し、これを電気炉で加熱して透明な高純度の石英ガラスを得ている。
VAD法による石英ガラスの製造方法は、火炎加水分解反応で生成したSiO2を回転しつつ引き上げられる出発材の先端に堆積させることで、順次多孔質母材が形成される。このVAD法による製造装置は、製造される多孔質母材の先端位置を検出する機構と、先端位置が一定になるよう引き上げ速度を調節する機構を備えている。
OVD法による石英ガラスの製造方法は、出発材を回転させ、堆積用バーナを出発材に沿って往復移動させつつ二酸化珪素を出発材の周囲に堆積させることで、多孔質母材が形成される。このようにして形成された多孔質母材は、次に加熱炉内で1500℃程度の高温に加熱され、透明な石英ガラスとなる。このときの炉内は、ガラス中への気泡の残留を減らすためにヘリウム雰囲気とされることが多い。必要に応じて、透明なガラスとする前に塩素含有雰囲気で1000℃から1200℃程度の温度に加熱して脱水処理が行われる。
VAD法で屈折率の高いコア部と、屈折率がコア部より低いクラッド部からなる石英ガラス製光ファイバ用プリフォームを製造する場合、コア堆積用バーナには、石英ガラスの屈折率を高めるための添加剤としてゲルマニウムが供給されることが多い。ゲルマニウムは化合物の形で供給され、例えば、四塩化ゲルマニウム(GeCl4)が使用される。GeCl4は酸水素火炎中で加水分解され、GeO2が生成する。
SiCl4やGeCl4は常温では液体であり、キャリアガスでバブリングし気化させて供給するか、あるいは沸点よりも高い温度まで加熱し、直接気化させて供給される。後者の場合でも、バーナに到達するまでの間に凝縮して再度液化することがないよう、別のガスで希釈されることが多い。バブリングして気化させる場合には、キャリアガスと原料ガスとの混合ガス中の原料ガス濃度が大気圧に左右されるのに対し、沸点より高い温度まで加熱して直接気化させる方法では、任意の原料ガス濃度が正確に得られるためより好ましい。
ここで使用される水素は、常温で製造されたものあるいは常温で貯蔵されたものでもよいが、その供給が止まったときのバックアップとして液体水素の使用が考えられる。
なお、VAD法やOVD法の設備において、バーナに供給されるガスの流量はMFC(マスフローコントローラ)を用いて制御される。
常温で製造された水素を使用しているVAD装置で、この水素が遮断された際に、液体水素を気化した水素に切り替えて使用したところ、意図せず引き上げ速度が2%程度上昇した。調べてみるとコア径が細くなっていた。コア径は、コア堆積用バーナに供給される水素の流量で概ねその太さが決定される。また、引き上げ速度は、コア堆積用バーナに供給される水素の流量とSiCl4の流量で概ね決定される。
上記引き上げ速度の上昇とコア径の変化はSiCl4の流量を変えず、水素の流量を1%程度減少させたときの変化に相当していた。
さらに、OVD装置を使用して、同様に常温で製造された水素から液体水素を気化した水素に切り替えたところ、得られた多孔質母材の密度が低下していた。この場合も、水素の流量を減少させたときの変化に相当していた。
MFCに供給される段階での水素の圧力及び温度は、切り替えの前後で同程度に保たれており、常温で製造された水素と液体水素の純度及び不純物濃度には、このような影響を及ぼす差は見られなかった。
また、常温で製造された水素と液体水素を気化させた水素を凡そ1対1で混ぜて使用した。これは、常温で製造された水素の供給が一部停止し、必要な水素量を確保できなかったため、バックアップの液体水素由来の水素を付加して使用したものである。この際にも、上記のようにVADでの引上げ速度が変化したが、その変化は1%程度であり、水素の流量を0.5%程度減らした場合に相当した。
水素分子には、図1に模式的に示したように、核スピンの向きが異なる2種類の異性体が存在する。2原子分子である水素分子は2個の陽子を持っており、この2個の陽子のスピンの向きが同一であるものをオルソ水素と称し、反対であるものをパラ水素と称している。
図2は、各温度における平衡状態でのパラ水素濃度を示し、200K以上の常温での平衡状態では、水素はオルソ水素とパラ水素が3:1の比率となっているが、液体水素の沸点(20K)付近での平衡状態では、ほぼすべてがパラ水素となっている。なお、常温でオルソとパラが平衡状態にある水素をノーマル水素と称する。オルソ水素からパラ水素への転換は緩やかであり、また発熱反応であるため、常温の水素をオルソ水素とパラ水素の比率を変えないまま液体水素にした場合、低温貯槽内でオルソ水素からパラ水素への転換が進んで発熱が起こり、大量の液体水素が蒸発する。
このような反応を防止し安定した状態で液体水素を貯蔵するため、通常は、水素の液化プロセスでオルソ・パラ転換を進め、ほぼすべてがパラ水素の液体水素として製造され、輸送・貯蔵されている。
気化された液体水素が金属配管を経て後段の水素を使用する設備に供給されるまでの間に、配管内表面の磁性体原子との接触による触媒作用により、ある程度のパラ水素はオルソ水素に転換される。しかしながら、数百メートル程度の配管ではこの転換が完全に行われるほどの触媒作用はなく、水素を使用する時点でもパラ水素の濃度は、ノーマル水素よりも高いままであると考えられる。他方、常温で製造あるいは貯蔵されていた水素は、ほぼノーマル水素になっていると考えられる。
オルソ水素とパラ水素ではその物性値が異なり、0℃における定圧比熱はパラ水素が30.35[J/(mol・K)]、ノーマル水素が28.59[J/(mol・K)]であり、6%程度異なる。
通常、水素の流量を制御するために使用されるMFC(マスフローコントローラ)はサーマル式が主流で、通過する流体の熱容量を測定して制御しているため、比熱の異なる流体に対しては、その流体毎にコンバージョンファクターを適用して流量の精度を保証している。水素の流量を測定するには熱容量を測定しない方式のものもあり、例えばコリオリ式がある。しかしながら、これはサーマル式に比べると大変高価である。
以上のことから、ノーマル水素用のコンバージョンファクターを適用したMFCでノーマル水素よりもパラ水素の濃度が高い水素を制御すると、パラ水素の濃度に応じて実流量は、ノーマル水素に比べて0〜6%の範囲で少なくなることになる。例えば、パラ水素の濃度が37%程度の水素では、実流量は1%程度少なくなる。
水素の実流量にこのような0〜6%の変化があると、製造される製品の特性に大きな影響を及ぼし、不良品の割合が高まるため問題となっていた。
このような問題に対して、特許文献1はノーマル水素のまま液体水素として貯蔵する技術を提案している。これは磁場をかけることにより、オルソ水素のパラ水素への転換を抑制するというものであるが、この方法は、液体水素製造設備に付随した低温貯槽のみならず、輸送に使用されるローリー車、水素供給設備に付随する低温貯槽のすべてに、同様の磁場をかける設備を備える必要があり、実用的ではない。
特許文献2の方法は、液体水素を気化した水素を常温で製造した水素の代わりに使用した際の、サーマル式のMFCで測定される水素流量の変化について調べて、予めその係数を求めておき、実際に液体水素を気化した水素を使用する際に、先に求めた係数を水素流量設定値に乗じる方法もあるが、液体水素を気化した水素と常温で製造された水素を混ぜて使用する際には対応しきれない。
特開2006−009917号 特願2008−187924号
本発明の目的は、常温で製造した水素を液体水素を気化した水素と切り替えて、あるいは混ぜて使用した場合でも安定して製造することのできる石英ガラスの製造方法及び装置を提供することにある。
本発明の石英ガラスの製造方法は、1本以上のバーナを使用し、該バーナに水素と酸素を供給して生成した酸水素火炎中に珪素化合物を導入し、火炎加水分解反応で生成した二酸化珪素を堆積する石英ガラスの製造方法において、バーナに常温で製造されたあるいは貯蔵された水素を供給し、ときにバックアップとして低温貯槽で貯蔵された液体水素を気化して供給し、該水素の流量をガスの熱容量測定を測定原理とする流量制御装置を用いて制御するに際し、該流量制御装置の前段に熱容量測定を測定原理とする第一の流量測定器と熱容量測定を測定原理としない第二の流量測定器とを直列に設置し、前記第一の流量測定器で測定される水素流量と前記第二の流量測定器で測定される水素流量との流量比Rを逐次求め、該流量比Rを前記流量制御装置に設定された水素流量に乗じて水素の流量を制御することを特徴としている。
前記二酸化珪素の堆積には、回転しつつ引き上げられる出発材の先端に順次堆積が行われるVAD法を、あるいは回転する出発材の周囲に堆積が行われるOVD法を採用しても良い。珪素化合物には四塩化珪素を使用し、少なくとも1本のバーナ火炎中に、珪素化合物に加えてゲルマニウム化合物、例えば、四塩化ゲルマニウムが導入される。
本発明の石英ガラスの製造装置は、1本以上のバーナを使用し、該バーナに水素と酸素を供給して生成した酸水素火炎中に珪素化合物を導入し、火炎加水分解反応で生成した二酸化珪素を堆積する石英ガラスの製造装置において、バーナに常温で製造されたあるいは貯蔵された水素を供給するライン、ときにバックアップとして低温貯槽で貯蔵された液体水素を気化して供給する気化供給装置、及び水素の流量を制御するガスの熱容量測定を測定原理とする流量制御装置を有し、該流量制御装置の前段に、熱容量測定を測定原理とする第一の流量測定器と熱容量測定を測定原理としない第二の流量測定器とを直列に設置してなることを特徴としている。
前記ガスの熱容量測定を測定原理とする流量制御装置には、サーマル式のマスフローコントローラが使用される。前記熱容量測定を測定原理とする第一の流量測定器にはサーマル式のマスフローメータを、前記熱容量測定を測定原理としない第二の流量測定器にはコリオリ式のマスフローメータが使用される。
本発明によれば、液体水素を気化した水素を常温で製造した水素と切り替えて、あるいは混ぜて使用した場合でもVAD法で製造される石英ガラス製光ファイバプリフォームの特性を安定させることができる。また、OVD法による石英ガラスの製造でも密度の変化に起因する不良の発生を防ぐことができる。
オルソ水素とパラ水素のスピン状態を表す模式図である。 各温度における平衡状態でのパラ水素濃度を示し、縦軸はパラ水素濃度(%)、横軸は温度(K)である。 本発明の実施例で使用した、水素の供給形態を説明する模式図である。 VAD法による光ファイバ用母材の製造方法を説明する模式図である。 VAD法により製造される光ファイバ用母材の屈折率分布を示す概略図であり、縦軸は比屈折率差を、横軸はプリフォームの径方向位置を示している。 VAD法による光ファイバ用母材の製造装置に供給する水素を、常温で製造された水素から液体水素を気化した水素に切り替えたときの引き上げ速度の変化を表す図であり、縦軸はスート堆積体の引き上げ速度(mm/min)を示し、横軸は左から右に進む時間(一目盛が2.4時間)である。図中の(a)は実施例1によるものであり、(b)は 比較例1によるものである。 OVD法による光ファイバ用母材の製造方法を説明する模式図である。
本発明は、バーナに供給される水素が、常温で製造されたもの又は貯蔵された水素、あるいはバックアップとして低温貯槽で貯蔵された液体水素を気化した水素、もしくはこれらの水素を混ぜたものであれ、水素流量の正確な制御を可能としたものであり、水素の流量をガスの熱容量測定を測定原理とする流量制御装置を用いて制御するに際し、該流量制御装置の前段に熱容量測定を測定原理とする第一の流量測定器と熱容量測定を測定原理としない第二の流量測定器とを直列に設置し、前記第一の流量測定器で測定される水素流量と前記第二の流量測定器で測定される水素流量との流量比Rを逐次求め、これを前記流量制御装置に設定された水素流量に乗じて水素の流量を制御するものである。
つまり、VAD法などによる石英ガラスの製造装置に供給される水素流量の制御に、ガスの熱容量測定を測定原理とする流量制御装置を使用し、その前段に前記第一の流量測定器として例えばサーマル式のマスフローメータと、前記第二の流量測定器として例えばコリオリ式のマスフローメータを直列で接続し、測定されたこれらの流量比Rを逐次製造装置の水素流量設定値fH_Setとして反映させるものである。例えば、サーマル式のマスフローメータが示す値がコリオリ式のマスフローメータの示す値の1.01倍のとき(R=1.01)は、製造装置の水素流量設定値fH_に1.01を乗じる(fH_Set=fH×
1.01)。このように水素の実流量が水素の由来によって変わらないようにすることで、水素を切り替えた際の製造への影響をなくすことができる。
なお、R=FT/FC、FT:サーマル式のマスフローメータの示す値、FC:コリオリ式のマスフローメータの示す値であり、fH_Set=fH×
R、 fH:水素流量設定値(本来流したい水素の流量)、fH_Set:調整された水素流量設定値(サーマル式のMFCに指示される調整設定流量)である。
本発明では熱容量測定を測定原理としない流量測定器としてコリオリ式のものを使用したが、熱容量にかかわらず流量が正しく測定できるものであればこれに限らなくとも同じ効果が得られることは容易に類推される。
[実施例1]
図3に、水素を使用する設備への水素ガス供給ラインを模式的に示した。図において、常温で製造された水素を供給するラインに、バックアップとして液体水素を貯蔵しこれを気化して供給する、液体水素貯蔵コンテナと気化器からなる水素供給設備のラインが接続されており、液体水素ラインの配管と常温で製造された水素を供給するラインの配管には合流する直前に弁を設け、それぞれのラインから供給される水素が単独で使用できるようになっている。水素を使用する設備にはガスの熱容量測定を測定原理とする流量制御装置が組み込まれており、その前段にサーマル式のマスフローメータ(MFMT)とコリオリ式のマスフローメータ(MFMC)が直列に接続されている。
水素を使用する設備として、VAD法、OVD法によりスート堆積体を製造する設備と石英ガラスを加工するガラス旋盤がそれぞれ複数台設置され、それぞれに前記水素ガスの供給ラインが接続されている。VAD法により製造されるのは、光ファイバ用プリフォームのコア部とクラッド部の一部であり、OVD法で製造されるのは残りのクラッド部である。
図4にVAD装置の概略を示した。VAD装置はコア堆積用バーナとクラッド堆積用バーナを有し、それぞれにサーマル式のMFCで流量制御された水素、酸素、不活性ガス、原料として気化されたSiCl4が供給されている。酸水素火炎内に供給されたSiCl4は加水分解反応によりSiO2となり、回転しつつ引き上げられる出発材の先端に順次堆積され、スート堆積体が形成される。スート堆積体の先端付近はカメラにより監視され、この先端位置が堆積中上下しないよう、PIDコントローラにより引き上げ速度が調整されている。
コア用堆積バーナにはSiCl4の他にGeCl4も供給される。GeCl4は火炎加水分解反応によりGeO2となり、最終的に製造される石英ガラスに添加され屈折率を高める。コア用バーナのみにGeCl4を供給することにより、コア部の屈折率のみが高められ、図5のような光ファイバとして有用な屈折率分布を持った光ファイバ用プリフォームが製造される。
光ファイバ用プリフォームには、長手方向に安定した屈折率分布を持つことが要求され、屈折率分布の変動は光ファイバの特性に変動を引き起こし、信号の伝送に多大な影響を与えるため、好ましくない。
そこで、常にサーマル式のマスフローメータMFMTとコリオリ式のマスフローメータMFMCで測定される水素の流量比Rを測定し、水素を使用する設備の水素流量設定値にこれを乗じることで、常温で製造された水素から液体水素を気化させた水素に切り替えた場合に生じる水素の実流量の変動を防止した。
図6の(a)は、水素の切り替え前後において、引き上げ速度に大きな変動がなかったことを示しており、製造された製品に特性の変動は皆無であった。
OVD装置でも水素の切り替え時に、水素を使用する設備の水素流量設定値に同様に水素の流量比Rを乗じる補正を行った。その結果、常温で製造された水素を使用したときと、液体水素を気化させた水素を使用したときで、製造された多孔質母材の密度に差は見られなかった。
また、常温で製造された水素に、液体水素を気化させた水素を0〜100%の範囲で混ぜて使用し、同様の補正を行ったところ、その割合を変化させても製造中に異常は見られず、製造された製品に特性の変動は皆無であった。
[比較例1]
上記のような水素を使用する設備の水素流量設定値に係数の乗算を行わなかった以外は、実施例1と同様の水素の切り替えを行った。
その結果、各VAD装置では引き上げ速度が2%速くなった。図6(b)に切り替え前後の引き上げ速度の変化を示した。この変化により、屈折率分布とコア径及びクラッド径の変動となって現れたため、光ファイバ用プリフォームとして使用できなくなった。また、一部の装置ではスート堆積体が割れてしまった。これは水素の実流量が急に変わり、密度が急激に変化したためと考えられる。
各OVD装置でも、MFCの制御値の変更を行わないまま水素の切り替えを行った。その結果、製造された多孔質母材の密度は1.5%程度減少した。その結果、外径が大きくなり、その外径が後工程の加熱炉に入らない太さであったため透明ガラス化が行なえなくなったロットがあった。

Claims (10)

1本以上のバーナを使用し、該バーナに水素と酸素を供給して生成した酸水素火炎中に珪素化合物を導入し、火炎加水分解反応で生成した二酸化珪素を堆積する石英ガラスの製造方法において、バーナに常温で製造されたあるいは貯蔵された水素を供給し、ときにバックアップとして低温貯槽で貯蔵された液体水素を気化して供給し、該水素の流量をガスの熱容量測定を測定原理とする流量制御装置を用いて制御するに際し、該流量制御装置の前段に熱容量測定を測定原理とする第一の流量測定器と熱容量測定を測定原理としない第二の流量測定器とを直列に設置し、前記第一の流量測定器で測定される水素流量と前記第二の流量測定器で測定される水素流量との流量比Rを逐次求め、該流量比Rを前記流量制御装置に設定された水素流量に乗じて水素の流量を制御することを特徴とする石英ガラスの製造方法。
前記二酸化珪素が、回転しつつ引き上げられる出発材の先端に順次堆積されるいわゆるVAD法である請求項1に記載の石英ガラスの製造方法。
前記二酸化珪素が、回転する出発材の周囲に堆積されるいわゆるOVD法である請求項1に記載の石英ガラスの製造方法。
前記珪素化合物が四塩化珪素である請求項1に記載の石英ガラスの製造方法。
少なくとも1本のバーナ火炎中に、珪素化合物に加えてゲルマニウム化合物が導入されている請求項1に記載の石英ガラスの製造方法。
前記ゲルマニウム化合物が四塩化ゲルマニウムである請求項5に記載の石英ガラスの製造方法。
1本以上のバーナを使用し、該バーナに水素と酸素を供給して生成した酸水素火炎中に珪素化合物を導入し、火炎加水分解反応で生成した二酸化珪素を堆積する石英ガラスの製造装置において、バーナに常温で製造されたあるいは貯蔵された水素を供給するライン、ときにバックアップとして低温貯槽で貯蔵された液体水素を気化して供給する気化供給装置、及び水素の流量を制御するガスの熱容量測定を測定原理とする流量制御装置を有し、該流量制御装置の前段に、熱容量測定を測定原理とする第一の流量測定器と熱容量測定を測定原理としない第二の流量測定器とを直列に設置してなることを特徴とする石英ガラスの製造装置。
前記ガスの熱容量測定を測定原理とする流量制御装置が、サーマル式のマスフローコントローラである請求項7に記載の石英ガラスの製造装置。
前記熱容量測定を測定原理とする第一の流量測定器が、サーマル式のマスフローメータである請求項7に記載の石英ガラスの製造装置。
前記熱容量測定を測定原理としない第二の流量測定器が、コリオリ式のマスフローメータである請求項7に記載の石英ガラスの製造装置。
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