JP4494741B2 - 光ファイバ母材製造装置および光ファイバ母材製造方法 - Google Patents
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Description
この装置31は、光ファイバ母材となるガラス微粒子を堆積、成長させるための母材合成装置部32を備えている。母材合成装置部32は、母材の原料となる四塩化珪素や屈折率を制御するための添加物(例えばゲルマニウム)を含む化合物(例えば、四塩化ゲルマニウム)の液体原料をそれぞれ母材合成装置部32に導入する原料導入タンクとして貯蔵タンク35a、35bを備えている。33a、33bは、母材合成装置部32に原料を導入する導入配管である。ここでは、母材の原料が四塩化珪素の場合を説明するが、他の原料についても同様である。
また、液体四塩化ゲルマニウムの場合は、貯蔵タンク35bから導入配管33bを経て、例えば高温に加熱することが可能な気化容器(ここでは図示していない)によって気化され、気体状態で質量流量制御器39bにより流量を制御されてバーナ34に送られる。四塩化珪素と四塩化ゲルマニウムは共に、加水分解反応によってゲルマニウムを含むガラス微粒子を生成し、出発材に吹付けられ堆積する。このようにして、光ファイバ母材が製造される。
しかし、この質量流量制御器39a、39bは、例えば液体原料がゲル化して形成したシリカガラスを主成分とする粒子によって、そのセンサー部や制御バルブ部等が閉塞したり故障したりすることがあった。これにより、得られる母材の品質不良が発生し、所望の特性を有する光ファイバの製造が不可能になるという問題があった。
(1)貯蔵タンク、前記貯蔵タンクに原料液を導入する部材、母材合成装置部、前記貯蔵タンクから前記母材合成装置部に原料液を導入する原料導入配管及び前記原料導入配管中に配置されている流量コントローラを有する光ファイバ母材製造装置であって、前記貯蔵タンクに原料液を導入する部材は、0.1〜1μmのメッシュフィルタと、前記貯蔵タンクの直前に設置された透明な耐腐食性チューブと、前記耐腐食性チューブの側方からレーザー光を照射し、含まれる粒子によって散乱されるレーザー光強度を測定することにより前記メッシュフィルタを通過させた原料液中に含まれる粒子数を測定する測定手段とを備えていることを特徴とする光ファイバ母材製造装置、及び
(2)(a)原料液を0.1〜1μmのメッシュフィルタを通過させる工程と、
(b)前記メッシュフィルタを通過させた原料液を、透明な耐腐食性チューブを通過させ、前記耐腐食性チューブの側方からレーザー光を照射し、含まれる粒子によって散乱されるレーザー光強度を測定することにより前記メッシュフィルタを通過させた原料液中に含まれる粒子数を測定する工程と、
(c)前記(b)工程直後に貯蔵タンクに原料液を導入する工程と、
(d)貯蔵タンクから原料導入配管および前記原料導入配管中に配置されている流量コントローラを介して母材合成装置部に原料を導入する工程と、
を有し、
前記(c)工程の貯蔵タンク中に導入される原料液を粒径2μm以上の粒子数が10個/ミリリットル以下とすることを特徴する光ファイバ母材製造方法
を提供するものである。
また、本発明の光ファイバ母材製造装置は、長期間安定に光ファイバ母材を生産性よく製造することができる。
このような本発明に用いられる光ファイバ母材製造用原料液、例えば液体の四塩化珪素は、例えば金属珪素と塩酸を反応させ、出来た生成物を高純度(一般的には純度99.9999%以上。以下同様。)に蒸留精製することによって調製することができる。また、例えば液体の四塩化ゲルマニウムは、例えば金属ゲルマニウムと塩素ガスを反応させ、出来た生成物を高純度に蒸留精製することによって調製することができる。これらの原料液は、水分と反応すると直ぐにガラス粒子を生成するため、前記の粒子数の範囲にする観点からは、調整過程において空気との接触を極力少なくするように、配管系統のリークを極めて微少に、可能であれば全くない状態に管理することが必要である。さらに、原料液の調整過程で含有するガラス粒子を除去する工程の0.1〜1μmメッシュのメッシュフィルタを通過させる工程を経る。
さらに、従来行われていなかった粒子の含有量を測定する工程であるメッシュフィルタを通過させた原料液を、透明な耐腐食性チューブを通過させ、耐腐食性チューブの側方からレーザー光を照射し、含まれる粒子によって散乱されるレーザー光強度を測定することにより前記メッシュフィルタを通過させた原料液中に含まれる粒子数を測定する工程が原料液の調整過程に設けられる。
実施例1
まず光ファイバ母材製造用原料液として、金属珪素と塩酸を反応させて、四塩化珪素原料液を製造した。それを、温度を制御した蒸留装置によって精製し、不純物を除去して、高純度四塩化珪素原料液とした。
このようにして得られた光ファイバ母材製造用原料液を用いて、次のようにして光ファイバ母材を製造した。
得られた光ファイバ母材製造用四塩化珪素原料液を、図2に示す光ファイバ母材製造装置31の保管貯蔵タンク35aに貯蔵させ、次に導入配管33aに設けられた高温に加熱することが可能な気化容器(ここでは図示していない)に前記原料液を移送して加熱気化させ、続いて質量流量制御器39aによって気体された原料の流量を制御し、母材合成装置部32に設けられた酸水素火炎バーナ34に導いた。そして火炎加水分解反応によって気化した原料をガラス微粒子とし、種棒に吹付け、光ファイバ母材を成長させて製造した。
なお、原料液を保管貯蔵タンク35aに充填する前に、0.1μmメッシュのフィルタを通過させた。さらに、前記フィルタを通過させた原料液を前記保管貯蔵タンク35aに充填する直前に、透明なガラス配管を通過させ、リオン社製パーティクルカウンタKL−11Aを用いて、前記ガラス配管の側方からレーザー光を照射し、含まれる粒子によって散乱されるレーザー光強度を測定することによって、ガラス配管を通過する原料液に含まれる粒子の大きさと数を測定した。
光ファイバ母材製造用原料液として、金属ゲルマニウムと塩素ガスを反応させて、四塩化ゲルマニウム原料液を製造した。それを、温度を制御した蒸留装置によって精製し、不純物を除去して、高純度四塩化ゲルマニウム原料液とした。
このようにして得られた光ファイバ母材製造用四塩化ゲルマニウム原料液を用いて、次のようにして光ファイバ母材を製造した。
得られた光ファイバ母材製造用四塩化ゲルマニウム原料液を、図2に示す光ファイバ母材製造装置31の保管貯蔵タンク35bに貯蔵させ、次に導入配管33bに設けられた高温に加熱することが可能な気化容器(ここでは図示していない)に前記原料液を移送して加熱気化させ、続いて質量流量制御器39bによって気体された原料の流量を制御し、母材合成装置部32に設けられた酸水素火炎バーナ34に導いた。
同時に、実施例1に記載の方法で四塩化珪素原料を酸水素火炎バーナー34に導き、火炎加水分解反応によって気化した原料をガラス微粒子とし、種棒に吹付け、光ファイバ母材を成長させて製造した。
なお、四塩化ゲルマニウム原料液を保管貯蔵タンク35bに充填する前に、0.1μmメッシュのフィルタを通過させた。さらに、前記フィルタを通過させた原料液を前記保管貯蔵タンク35bに充填する直前に、透明なガラス配管を通過させ、リオン社製パーティクルカウンタKL−11Aを用いて、前記ガラス配管の側方からレーザー光を照射し、含まれる粒子によって散乱されるレーザー光強度を測定することによって、ガラス配管を通過する原料液に含まれる粒子の大きさと数を測定した。
32 母材合成装置部
33a、33b 導入配管
35a、35b 貯蔵タンク
39a、b 質量流量制御器
Claims (2)
- 貯蔵タンク、前記貯蔵タンクに原料液を導入する部材、母材合成装置部、前記貯蔵タンクから前記母材合成装置部に原料液を導入する原料導入配管及び前記原料導入配管中に配置されている流量コントローラを有する光ファイバ母材製造装置であって、前記貯蔵タンクに原料液を導入する部材は、0.1〜1μmのメッシュフィルタと、前記貯蔵タンクの直前に設置された透明な耐腐食性チューブと、前記耐腐食性チューブの側方からレーザー光を照射し、含まれる粒子によって散乱されるレーザー光強度を測定することにより前記メッシュフィルタを通過させた原料液中に含まれる粒子数を測定する測定手段とを備えていることを特徴とする光ファイバ母材製造装置。
- (a)原料液を0.1〜1μmのメッシュフィルタを通過させる工程と、
(b)前記メッシュフィルタを通過させた原料液を、透明な耐腐食性チューブを通過させ、前記耐腐食性チューブの側方からレーザー光を照射し、含まれる粒子によって散乱されるレーザー光強度を測定することにより前記メッシュフィルタを通過させた原料液中に含まれる粒子数を測定する工程と、
(c)前記(b)工程直後に貯蔵タンクに原料液を導入する工程と、
(d)貯蔵タンクから原料導入配管および前記原料導入配管中に配置されている流量コントローラを介して母材合成装置部に原料液を導入する工程と、
を有し、
前記(c)工程の貯蔵タンク中に導入される原料液の粒径2μm以上の粒子数を10個/ミリリットル以下とすることを特徴する光ファイバ母材製造方法。
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