JP2010188558A - 塗布フィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ポリエステル樹脂(A)、オキサゾリン基含有ポリマー(B)およびメラミン系化合物(C)を含有する塗布液を塗布し、乾燥して形成された塗布層をポリエステルフィルムの片面に有することを特徴とする塗布フィルム、および当該塗布フィルムの塗布層上にポリビニルブチラール層を有することを特徴とする積層体。
【選択図】 なし
Description
本発明のポリエステルフィルムに用いられるポリエステルとは、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、1,4−シクロヘキシルジカルボン酸のようなジカルボン酸またはそのエステルとエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールのようなグリコールとを溶融重縮合させて製造されるポリエステルである。これらの酸成分とグリコール成分とからなるポリエステルは、通常行われている方法を任意に使用して製造することができる。
本発明で用いる塗布液において、ポリエステル樹脂(A)を構成する成分として、下記のような多価カルボン酸および多価ヒドロキシ化合物を例示できる。すなわち、多価カルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、フタル酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2−カリウムスルホテレフタル酸、5−ソジウムスルホイソフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、グルタル酸、コハク酸、トリメリット酸、トリメシン酸、無水トリメリット酸、無水フタル酸、p−ヒドロキシ安息香酸、トリメリット酸モノカリウム塩およびそれらのエステル形成性誘導体などを用いることができ、多価ヒドロキシ化合物としては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、p−キシリレングリコール、ビスフェノールA−エチレングリコール付加物、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリテトラメチレンオキシドグリコール、ジメチロールプロピオン酸、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジメチロールエチルスルホン酸ナトリウム、ジメチロールプロピオン酸カリウムなどを用いることができる。常法の重縮合反応によってポリエステルを合成することができる。
JIS K 7136(ISO 14782)にしたがって、濁度計NDH2000(日本電色工業(株)製)を用いてフィルムの濁度(ヘーズ)を測定し、塗布層を設けていないフィルムに対するヘーズの上昇を求めた。塗布層を設けていないフィルムに対して、塗布層を設けることによるヘーズの上昇が小さいほど、塗布層の透明性が優れると言える。透明性は下記基準により判定した。
○:ヘーズの上昇が0.3%未満
×:ヘーズの上昇が0.3%以上
・評価用PVBシートの作成
粉末状のPVB(分子量約11万、ブチラール化度65モル%、水酸基量約34モル%)6重量部、トリ(エチレングリコール)ビス(2−エチルヘキサノエート)(可塑剤)4重量部を45重量部のトルエンと混合し膨潤させた後、45重量部のエタノールを加え溶解させた。この溶液をテフロン(登録商標)製シャーレに深さ4mmになるように入れ、熱風オーブンにて100℃、1時間乾燥して、厚さ約0.4mmのPVBシートを作成した。
上記PVBシートを幅1cm、長さ10cmに切り出し、2枚の供試フィルムで塗布面がPVBシートに向くように挟み、ヒートシールテスター(テスター産業(株)製 TP−701)で熱圧着した。熱圧着の条件は以下のとおりである。
荷重:1000N(接着面におおよそ1MPaの圧力がかかる);温度:140℃;時間:1分
放冷後、圧着部分を手で剥離し、下記の基準により接着性を判定した。
◎:極めて良好(無理に剥がすと供試フィルムまたはPVBシートが損傷するほど接着している)
○:良好(接着界面で剥離するが強い力を要する)
△:普通(接着界面で剥離するが軽い手応えがある)
×:不良(接着界面でほとんど手応えがなく、簡単に剥離する)
塗布層を設けていないポリエステルフィルムを粉砕し、180℃で乾燥し、小型押出機(ラボプラストミル:東洋精機社)にて約300℃にて溶融し、再ペレット化した。次いで、得られたペレットを用いて溶融製膜し、ブランクフィルムとした。一方、塗布層を設けたポリエステルフィルムを用いて、ポリエステルフィルムを作成した。このフィルムの黄変着色度を下記の基準により評価した。得られたフィルムの厚さは、約100μmであった。黄変着色度は、フィルムをロール状に巻いたときの黄変着色程度を端面方向からブランクフィルムと比較して目視評価した。
◎:端面の黄変着色度がブランクフィルム並み
○:端面のフィルムがやや黄変着色しているが、実用上問題ない
△:端面のフィルムが黄変着色しており、実用上配合量に制限が必要である
×:端面のフィルムの黄変着色度が大で実用性に欠ける
テレフタル酸56モル%、イソフタル酸40モル%、5−ソジウムスルホイソフタル酸4モル%、エチレングリコール70モル%、1,4ブタンジオール17モル%およびジエチレングリコール13モル%からなるポリエステルの水分散体
テレフタル酸50モル%、イソフタル酸50モル%、エチレングリコール73モル%、ジエチレングリコール27モル%からなるポリエステルを、無水ピロメリット酸と反応させ、分子量15000、カルボン酸基量87mgKOH/gのポリエステルを得た。このポリエステルをアンモニアで中和させることにより、水分散させた。この水分散液中でMMAを乳化重合させてアクリルグラフトポリエステルを得た(水分散体)。ポリエステルとMMAの仕込み量比は、50/50重量%であった。
(メタ)アクリル系モノマーとの共重合タイプ。オキサゾリン価 220g(固形分)/当量((株)日本触媒製 エポクロス WS−700)
・オキサゾリン基含有ポリマー:B2
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとの共重合タイプ。オキサゾリン価 130g(固形分)/当量((株)日本触媒製 エポクロス WS−300)
アルキロールメラミン(DIC(株)製 ベッカミンJ101)
平均粒径0.05μmのシリカゾル(日産化学工業(株)製 スノーテックス)
メチルメタクリレート41モル%、エチルアクリレート46モル%、アクリロニトリル7モル%、N−メチロールアクリルアミド5モル%、メタクリル酸1モル%からなるアクリレートの水分散体
固有粘度0.65のポリエチレンテレフタレートのチップを十分に乾燥した後、280〜300℃に加熱溶融し、T字型口金よりシート状に押し出し、静電密着法を用いて表面温度40〜50℃の鏡面冷却ドラムに密着させながら冷却固化させて、未延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを作成した。このフィルムを85℃の加熱ロール群を通過させながら長手方向に3.7倍延伸し、一軸配向フィルムとした。このフィルムの片面に下記表1の実施例1に示すとおりの組成からなる水性塗工液を塗布し、テンター延伸機により100℃で幅方向に4.0倍延伸し、さらに230℃で熱処理を施し、基材フィルム厚みが100μm、塗布量が0.05g/m2の積層二軸延伸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。
下記表1に示すように塗布液の処方を変更した以外は実施例1と同様にして、基材フィルム厚みが100μm、塗布量が0.05g/m2の積層二軸延伸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。
塗布をしないこと以外は実施例1と同様にして、基材フィルム厚みが100μmの二軸延伸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。
下記表1に示すように塗布液の処方を変更した以外は実施例1と同様にして、基材フィルム厚みが100μm、塗布量が0.05g/m2の積層二軸延伸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。
Claims (4)
- ポリエステル樹脂(A)、オキサゾリン基含有ポリマー(B)およびメラミン系化合物(C)を含有する塗布液を塗布し、乾燥して形成された塗布層をポリエステルフィルムの片面に有することを特徴とする塗布フィルム。
- ポリエステル樹脂(A)、オキサゾリン基含有ポリマー(B)およびメラミン系化合物(C)のそれぞれが水溶性または水分散性であることを特徴とする請求項1記載の塗布フィルム。
- 塗布層が延伸されていることを特徴とする請求項1または2に記載の塗布フィルム。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の塗布フィルムの塗布層上にポリビニルブチラール層を有することを特徴とする積層体。
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