JP2010215494A - 合わせガラス用ポリエステルフィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】 屈曲したガラスのようなものと積層して使用する場合においても生産性を著しく落とすことなく、好適に使用することができる合わせガラス用ポリエステルフィルムを提供することにある。
【解決手段】 一方の表面に水系易接着樹脂塗布層を有するポリエステルフィルムであり、当該ポリエステルフィルムの縦方向と横方向の100%伸び時応力が100〜180MPaの範囲であることを特徴とする合わせガラス用ポリエステルフィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、成型性に優れた合わせガラス用ポリエステルフィルムに関する。詳しくは、本発明は、屈曲したガラスと積層する場合にも生産性を落とすことなく、好適に使用することができる合わせガラス用ポリエステルフィルムに関するものである。
従来、自動車用窓ガラスには厳しい光学特性が要求されているが、それに加えて、車内への熱線透過量を減少させた断熱ガラスとしての性能向上が、省エネルギーの見地から求められてきている。この種の断熱ガラスとしては、ガラスをFeリッチとし、熱線を吸収するとともに、微量成分で色調を調整した熱線吸収ガラスや、ポリビニルブチラール(以下、PVBと略記することがある)などの軟質樹脂による中間層を有する合わせガラスのガラス内面に種々の金属薄膜をコーティングした合わせ熱線反射ガラスが一部の高級グレードの車種に適用されてきた。これに対して比較的安価な合わせ熱線反射ガラスを実現する技術として、金属薄膜をコーティングしたポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略記することがある)フィルムを、PVBシート層や、厚さの異なる接着剤層でサンドイッチ状に挟み込んだタイプ等が提案されている(例えば特許文献4)。
しかし、従来のPETフィルムをガラスと積層する場合、積層工程においてPETフィルムを屈曲したガラス形状に追従させることが困難であることが多く、本用途にPETフィルムを使用することができるガラス形状は極めて限定されたものである。
また、PVBなどの軟質樹脂とプラスチックフィルムを接着する必要があるが、PVBはガラスとの接着性に優れる反面、ポリエステル等のプラスチックフィルムとの接着性に劣るため、一般に何らかの易接着処理が必要とされる。この方法として、従来、プラスチックフィルムにアミノ官能性シランを下塗りする方法(特許文献5)、ポリアリルアミンコーティングで下塗りする方法(特許文献6)、PVBと該フィルムの間にエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)よりなる層を設ける方法(特許文献7)等が提案されている。
特開昭56−32352号公報 特開平6−191906号公報 特開平8−217500号公報 特表平11−509794号公報 特開平2−38432号公報 特表2007−513813号公報 特開2003−176159号公報
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであって、その解決課題は、屈曲したガラスと積層する場合にも生産性を落とすことなく、好適に使用することができる合わせガラス用ポリエステルフィルムを提供することにある。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、特定の構成を有するポリエステルフィルムによれば、上記課題を容易に解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、一方の表面に水系易接着樹脂塗布層を有するポリエステルフィルムであり、当該ポリエステルフィルムの縦方向と横方向の100%伸び時応力が100〜180MPaの範囲であることを特徴とする合わせガラス用ポリエステルフィルムに存する。
本発明のフィルムは、形状の複雑な屈曲したガラスと積層する場合にも使用することができ、不具合のない合わせガラス用フィルムを提供することができ、その技術的価値は高い。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明のフィルムを構成するポリエステルは、ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸が好ましく、これらのほかに、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などの公知のジカルボン酸の一種以上を、共重合成分として含んでいてもよい。また、ジオール成分としては、エチレングリコールが好ましく、これらのほかに、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、ネオペンチルグリコールなどの公知のジオールの一種以上を、共重合成分として含んでいてもよい。
また、ポリエステルの構成成分としては、上記のジカルボン酸成分およびジオール成分のほか、種々の酸成分およびアルコール成分を含むことができる。例えば、p−オキシ安息香酸のようなオキシカルボン酸、安息香酸、ベンゾイル安息香酸、メトキシポリアルキレングリコールなどの一官能性化合物は修飾成分として、トリメシン酸、トリメリト酸、グリセリン、ペンタエリスリトールなどの多官能性化合物は共重合成分として、生成物ポリエステルが実質的に線状の高分子を保持し得る範囲内で、使用することができる。
本発明におけるポリエステルは、従来公知の方法で、例えばジカルボン酸とジオールの反応で直接低重合度ポリエステルを得る方法や、ジカルボン酸の低級アルキルエステルとジオールとを従来公知のエステル交換触媒で反応させた後、重合触媒の存在下で重合反応を行う方法で得ることができる。重合触媒としては、アンチモン化合物、ゲルマニウム化合物、チタン化合物等公知の触媒を使用することができる。
なお、ポリエステルは、溶融重合後これをチップ化し、加熱減圧下または窒素等不活性気流中に必要に応じてさらに固相重合を施してもよい。得られるポリエステルの固有粘度は0.40dl/g以上であることが好ましく、0.40〜0.90dl/gであることがさらに好ましい
本発明のフィルムにおけるポリエステル層中には、易滑性付与を主たる目的として粒子を配合してもよい。配合する粒子の種類は、易滑性付与可能な粒子であれば特に限定されるものではなく、具体例としては、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、カオリン、酸化アルミニウム、酸化チタン等の粒子が挙げられる。また、特公昭59−5216号公報、特開昭59−217755号公報等に記載されている耐熱性有機粒子を用いてもよい。この他の耐熱性有機粒子の例として、熱硬化性尿素樹脂、熱硬化性フェノール樹脂、熱硬化性エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等が挙げられる。さらに、ポリエステル製造工程中、触媒等の金属化合物の一部を沈殿、微分散させた析出粒子を用いることもできる。
一方、使用する粒子の形状に関しても特に限定されるわけではなく、球状、塊状、棒状、扁平状等のいずれを用いてもよい。また、その硬度、比重、色等についても特に制限はない。これら一連の粒子は、必要に応じて2種類以上を併用してもよい。
また、用いる粒子の平均粒径は、通常0.01〜5μmが好ましい。平均粒径が0.01μm未満の場合には、粒子が凝集しやすく、分散性が不十分な場合があり、一方、5μmを超える場合には、フィルムの粒子が起点となり、変形時に破れるなどの不具合が発生することがある。
ポリエステル中に粒子を添加する方法としては、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を採用しうる。例えば、ポリエステルを製造する任意の段階において添加することができるが、好ましくはエステル化の段階、もしくはエステル交換反応終了後、重縮合反応を進めてもよい。また、ベント付き混練押出機を用い、エチレングリコールまたは水などに分散させた粒子のスラリーとポリエステル原料とをブレンドする方法、または、混練押出機を用い、乾燥させた粒子とポリエステル原料とをブレンドする方法などによって行われる。
なお、本発明のポリエステルフィルム中には、上述の粒子以外に必要に応じて従来公知の酸化防止剤、熱安定剤、潤滑剤、帯電防止剤、蛍光増白剤、染料、顔料等を添加することができる。また用途によっては、紫外線吸収剤特にベンゾオキサジノン系紫外線吸収剤等を含有させてもよい。
本発明のフィルムは、共押出法を用いて積層構造とすることができ、例えば最外層を構成するポリエステルを含有オリゴマー量が少ないものとすることで、加工中の熱履歴等によりオリゴマーが析出して生産ラインの汚染やフィルム表面の異物による成型品の表面の品質を悪化させることを防止することができる。かかる効果を得るためには最外層の厚みを3μm以上にすることが好ましい。また、フィルムの粒子が起点になり、成型時に破れるなどの不具合が発生することがある。この不具合を起こさないためには最外層に配合される粒子量を減らすことが必要であり、最外層の厚みを総厚みの1/4以下にすることが好ましい。一方単層で実施する際には、耐溶剤性などの不具合が発生することがあり、後工程の塗布層の選択などに注意が必要である。フィルムには可能な限り粒子を含有させないようにし、表裏の塗布層に粒子を含有させることも好ましい。
本発明のフィルム厚さは、通常50〜200μmであり、好ましくは75〜150μmである。フィルム厚さが50μmよりも小さい場合、合わせガラスを作成する際にシワ等が入りやすい傾向があり、フィルム厚さが200μmよりも大きい場合は、フィルム中の粒子による光の散乱のため、高透明な合わせガラスを得ることが困難となる場合がある。
本発明のフィルムは、ポリエステルフィルムをガラスと積層させる工程において、屈曲したガラス形状にも好適に使用できるという観点から、ポリエステルフィルムの縦横の100%伸び時応力がいずれも100〜180MPaの範囲にあることが必要である。100%伸び応力が100MPaよりも小さい場合には、合わせガラスを作成する工程であるオートクレーブの加圧条件下(120〜150℃、圧力1.0〜1.5MPa)において発生する熱収縮応力のためにフィルムが縮んでしまい、ガラスの端部までポリエステルフィルムが存在しない積層ガラスとなってしまう。また、100%伸び応力が180MPaよりも大きい場合には、合わせガラスを作成する工程において、特に3次元曲げ形状の厳しい部分において追従性が悪く、シワやクラックが入った均一でない積層ガラスとなってしまい好ましくない。
以下、本発明のポリエステルフィルムの製造方法に関して具体的に説明するが、本発明の要旨を満足する限り、本発明は以下の例示に特に限定されるものではない。
まず、公知の手法により乾燥したまたは未乾燥のポリエステルチップを溶融押出装置に供給し、それぞれのポリマーの融点以上である温度に加熱し溶融する。次いで、溶融したポリマーをダイから押出し、回転冷却ドラム上でガラス転移温度以下の温度になるように急冷固化し、実質的に非晶状態の未配向シートを得る。この場合、シートの平面性を向上させるため、シートと回転冷却ドラムとの密着性を高めることが好ましく、本発明においては静電印加密着法および/または液体塗布密着法が好ましく採用される。
本発明においては、このようにして得られたシートを2軸方向に延伸してフィルム化する。延伸条件について具体的に述べると、前記未延伸シートを、好ましくはMD方向に70〜145℃で2〜6倍に延伸し、縦1軸延伸フィルムとした後、TD方向に90〜160℃で2〜6倍延伸を行い、150〜240℃で1〜600秒間熱処理を行うことが好ましい。さらにこの際、熱処理の最高温度ゾーンおよび/または熱処理出口のクーリングゾーンにおいて、縦方向および/または横方向に0.1〜20%弛緩する方法が好ましい。
また、必要に応じて再縦延伸、再横延伸を付加することも可能である。特に100%伸び応力の低減のためには縦横延伸後のフィルムを高温熱処理と同時に幅方向の弛緩率を高めることが有効である。
本発明においては、前記のとおり、ポリエステルの溶融押出機を2台または3台以上用いて、いわゆる共押出法により2層または3層以上の積層フィルムとすることができる。
層の構成としては、A原料とB原料とを用いたA/B構成、またはA/B/C構成またはそれ以外の構成のフィルムとすることができる。例えばA原料として特定の粒子を用いてA層の表面形状を設計し、B原料としては粒子を含有しない原料を用い、A/B構成のフィルムとすることができる。この場合B層の原料を自由に選択できることからコスト的な利点などが大きい。また当該フィルムの再生原料をB層に配合しても表層であるA層により表面粗度の設計ができるので、さらにコスト的な利点が大きくなる。
本発明において、水系易接着樹脂塗布層は、フィルムの少なくとも一方の面に設けられる。もう一方の面には、同様の水系易接着樹脂塗布層を設けてもよいし、別の機能(帯電防止、熱線遮断、滑り性、透明性等)を付与する塗布層を設けてもよい。
水系易接着樹脂層を構成する成分としては、アミドエステル結合、ウレタン結合、アミド結合、ウレア結合の少なくとも1種を含有してなることが好ましい。当該結合を水系易接着樹脂層中に含有させる方法は、特に限定されるものではないが、例えば、当該結合を有する化合物からなる水系易接着樹脂層を設けたり、架橋性官能基を有する樹脂と架橋剤の組み合わせ、あるいは架橋性官能基を有する樹脂同士の組み合わせで、架橋反応によって当該結合を有する水系易接着樹脂層を設けたりする方法などを用いることができる。特に、架橋性官能基を有する樹脂と架橋剤を組み合わせ、架橋反応によって当該結合を有する水系易接着樹脂層を設ける方法は、架橋剤使用による架橋密度向上により、水系易接着樹脂層の強度、耐水性の点で優れ、かつ、接着性も良好になるため、より好適に用いることができるものである。
各結合を得るための官能基の組み合わせとしては、アミドエステル結合を得るためには、カルボン酸基とオキサゾリン基の反応などを用いることができ、ウレタン結合を得るためには、水酸基とイソシアネート基の反応などを用いることができ、アミド結合を得るためには、カルボン酸基とイソシアネート基の反応、あるいはカルボン酸とイミノ基の反応などを用いることができ、ウレア結合を得るためには、アミノ基とイソシアネート基の反応などをそれぞれ用いることができるが、これらの反応に限定されるものではない。
上述したカルボン酸基、水酸基、アミノ基、オキサゾリン基、イソシアネート基、イミノ基などの架橋性官能基を、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、ゴム系樹脂、ワックス系樹脂などの樹脂に導入することにより用いることができるが、その導入方法としては、架橋性官能基を有するモノマーを上述した樹脂に共重合する方法を好適に用いることができる。さらに、本発明においては、上述した樹脂から選ばれる少なくとも1種を用いることができる。
これらの中でも、基材フィルムとの接着性および軟質樹脂層との接着性の点で、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂を用いることが好ましく、異なる2種の樹脂、例えば、アクリル樹脂とポリエステル樹脂、アクリル樹脂とウレタン樹脂、あるいはポリエステル樹脂とウレタン樹脂を組み合わせて用いることによれば、両者の特性が発現し、接着性がさらに向上するなどの利点がある。
本発明において、水系易接着樹脂塗布層の構成成分として用いられるアクリル樹脂は、カルボン酸基、水酸基、アミノ基、オキサゾリン基、イソシアネート基、イミノ基などの架橋性官能基をアクリル樹脂の共重合モノマー中に含有していることが好ましい。
アクリル樹脂を構成するモノマー成分としては、例えば、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート(アルキル基としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、ラウリル基、ステアリル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ベンジル基、フェニルエチル基など)、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートなどのヒドロキシ基含有モノマー、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N,N−ジメチロールアクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−メトキシメチルメタクリルアミド、N−フェニルアクリルアミドなどのアミド基含有モノマー、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレートなどのアミノ基含有モノマー、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートなどのエポキシ基含有モノマー、アクリル酸、メタクリル酸およびそれらの塩(リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩など)などのカルボキシル基またはその塩を含有するモノマーなどを用いることができ、これらは1種もしくは2種以上を用いて共重合される。さらに、これらは他種のモノマーと併用することができる。
他種のモノマーとしては、例えば、アリルグリシジルエーテルなどのエポキシ基含有モノマー、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸およびそれらの塩(リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩など)などのスルホン酸基またはその塩を含有するモノマー、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸およびそれらの塩(リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩など)などのカルボキシル基またはその塩を含有するモノマー、無水マレイン酸、無水イタコン酸などの酸無水物を含有するモノマー、ビニルイソシアネート、アリルイソシアネート、スチレン、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルトリスアルコキシシラン、アルキルマレイン酸モノエステル、アルキルフマール酸モノエステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アルキルイタコン酸モノエステル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、塩化ビニルなどを用いることができる。
また、本発明の水系易接着樹脂塗布層に用いることができるアクリル樹脂としては、変性アクリル共重合体、例えば、ポリエステル、ウレタン、エポキシなどで変性したブロック共重合体、グラフト共重合体なども可能である。
本発明の水系易接着樹脂塗布層に用いられるアクリル樹脂のガラス転移点(Tg)は特に限定されるものではないが、好ましくは0〜90℃、より好ましくは10〜80℃である。Tgが低いアクリル樹脂を用いる場合は、高温高湿下での接着性が劣る傾向があり、逆に高すぎる場合は延伸時に亀裂を生じることがある。また、アクリル樹脂の分子量は10万以上が好ましく、30万以上とするのが接着性の点で特に望ましい。このような水系アクリル樹脂は、親水性基を有するモノマー(アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、ビニルスルホン酸およびその塩など)との共重合や反応性乳化剤や界面活性剤を用いた乳化重合、懸濁重合、ソープフリー重合などの方法によって作成することができる。
本発明の水系易接着樹脂塗布層に用いられる好ましいアクリル樹脂としては、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、グリシジルメタクリレート、アクリル酸から選ばれる共重合体などである。
本発明において、水系易接着樹脂塗布層の構成成分として用いられるポリエステル樹脂は、主鎖あるいは側鎖にエステル結合を有するもので、ジカルボン酸とジオールから重縮合して得られるものであり、カルボン酸基、水酸基、アミノ基、オキサゾリン基、イソシアネート基、イミノ基などの架橋性官能基を該ポリエステル樹脂の共重合成分として含有していればよい。
ポリエステル樹脂を構成するカルボン酸成分としては、芳香族、脂肪族、脂環族のジカルボン酸や3価以上の多価カルボン酸が使用できる。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、フタル酸、2,5−ジメチルテレフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,2−ビスフェノキシエタン−p,p’−ジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸などを用いることができる。これらの芳香族ジカルボン酸は、水系易接着樹脂層の強度や耐熱性の点で、好ましくは全ジカルボン酸成分の30モル%以上、より好ましくは35モル%以上、最も好ましくは40モル%以上のものを用いるのがよい。脂肪族および脂環族のジカルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジオン酸、ダイマー酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸など、およびそれらのエステル形成性誘導体を用いることができる。
ポリエステル樹脂のグリコール成分としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、2,4−ジメチル−2−エチルヘキサン−1,3−ジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−イソブチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール、4,4’−チオジフェノール、ビスフェノールA、4,4’−メチレンジフェノール、4,4’−(2−ノルボルニリデン)ジフェノール、4,4’−ジヒドロキシビフェノール、o−,m−,およびp−ジヒドロキシベンゼン、4,4’−イソプロピリデンフェノール、4,4’−イソプロピリデンビンジオール、シクロペンタン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジオールなどを用いることができる。
また、ポリエステル樹脂を水系樹脂とした塗液として用いる場合、ポリエステル樹脂の接着性を向上させるため、あるいはポリエステル樹脂の水溶性化を容易にするため、スルホン酸塩基を含む化合物や、カルボン酸塩基を含む化合物を共重合することが好ましい。
カルボン酸塩基を含む化合物としては、例えば、トリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸、4−メチルシクロヘキセン−1,2,3−トリカルボン酸、トリメシン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、1,2,3,4−ペンタンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフルフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフルフリル)−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸、エチレングリコールビストリメリテート、2,2’,3,3’−ジフェニルテトラカルボン酸、チオフェン−2,3,4,5−テトラカルボン酸、エチレンテトラカルボン酸など、あるいはこれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
スルホン酸塩基を含む化合物としては、例えば、スルホテレフタル酸、5−スルホイソフタル酸、4−スルホイソフタル酸、4−スルホナフタレン−2,7−ジカルボン酸、スルホ−p−キシリレングリコール、2−スルホ−1,4−ビス(ヒドロキシエトキシ)ベンゼンなどあるいはこれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩を用いることができるが、これに限定されるものではない。
また、本発明において、水系易接着樹脂塗布層に用いられるポリエステル樹脂は、変性ポリエステル共重合体、例えば、アクリル、ウレタン、エポキシなどで変性したブロック共重合体、グラフト共重合体なども可能である。
好ましいポリエステル樹脂としては、酸成分としてテレフタル酸、イソフタル酸、セバシン酸、5−ソジウムスルホイソフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフルフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、グリコール成分としてエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコールから選ばれる共重合体などである。
本発明において、水系易接着樹脂塗布層に用いられるポリエステル樹脂は、以下の製造法によって製造することができる。例えば、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸、イソフタル酸、5−ソジウムスルホイソフタル酸、グリコール成分としてエチレングリコール、1,4ブタンジオールからなるポリエステル樹脂について説明すると、テレフタル酸、イソフタル酸、5−ソジウムスルホイソフタル酸とエチレングリコール、1,4ブタンジオールとを直接エステル化反応させるか、テレフタル酸、イソフタル酸、5−ソジウムスルホイソフタル酸およびエチレングリコール、1,4ブタンジオールとをエステル交換反応させる第一段階と、この第一段階の反応生成物を重縮合反応させる第二段階とによって製造する方法などにより製造することができる。
この際、反応触媒として、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、マンガン、コバルト、亜鉛、アンチモン、ゲルマニウム、チタン化合物などを用いることができる。
また、本発明において、水系易接着樹脂塗布層に用いられるポリエステル樹脂の固有粘度は特に限定されないが、接着性の点で0.3dl/g以上であることが好ましく、より好ましくは0.35dl/g以上、最も好ましくは0.4dl/g以上であることである。水系ポリエステル樹脂のガラス転移点(以後、「Tg」と略称する)は、0〜90℃であることが好ましく、より好ましくは10〜80℃である。Tgが0℃未満では、耐湿接着性が劣り、逆に90℃を越える場合、樹脂の造膜性に劣るようになる傾向がある。
また、水系ポリエステル樹脂の酸価は好ましくは20mgKOH/g以上、より好ましくは30mgKOH/g以上であり、酸価が高いほど、接着性、特に耐湿接着性の点で良好となる。
本発明において、水系易接着樹脂塗布層に用いられるポリエステル樹脂のジオール成分として、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコールが共重合されていることが好ましい。また、ジカルボン酸成分として、セバチン酸、アジピン酸、アゼライン酸が共重合されていることが接着性の点で好ましい。
また、ポリエチレングリコールの共重合は、ポリエステル樹脂を水溶性化するのに有効であり、中でも、分子量が600〜20000のものが好ましく、より好ましくは1000〜6000であり、その共重合比は、ジオール成分中、0.2〜10モル%が好ましく、より好ましくは、0.4〜5モル%である。さらに、上述の共重合比はポリエチレングリコールの分子量によってその共重合比が同じでも大きく変わるため、ポリエチレングリコールの共重合量は、ポリエステル樹脂中の重量%に換算して、1〜20重量%が好ましく、より好ましくは2〜15重量%である。
本発明において、水系易接着樹脂塗布層の構成成分として用いられるウレタン樹脂は、アニオン性基を有する水溶性あるいは水分散性のウレタン樹脂であれば特に限定されるものではなく、主要構成成分としては、ポリオール、ポリイソシアネートを共重合して得られるものである。ウレタン樹脂は、ウレタン結合を有するものであるが、本発明においては、カルボン酸基、水酸基、アミノ基、オキサゾリン基、イソシアネート基、イミノ基などの架橋性官能基を該ウレタン樹脂の共重合モノマー中に含有させることにより、さらに、接着性が向上するので好ましい。
ウレタン樹脂としては、カルボン酸塩基、スルホン酸塩基、または硫酸半エステル塩基により水への親和性が高められたものなどを用いることができる。カルボン酸塩基、スルホン酸塩基、または硫酸半エステル塩基などの含有量は、0.5〜15重量%が好ましい。
ポリオール化合物としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレン・プロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、テトラメチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリカプロラクトン、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリテトラメチレンアジペート、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、グリセリン、アクリル系ポリオール、ポリカーボネート系ポリオールなどを用いることができる。
ポリイソシアネート化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンの付加物、ヘキサメチレンジイソシアネートとトリメチロールエタンの付加物などを用いることができる。
ここで、ウレタン樹脂の主要な構成成分は、上記ポリオール化合物、ポリイソシアネート化合物の他に、鎖長延長剤、架橋剤などを含んでいてもよい。
鎖延長剤あるいは架橋剤としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ジエチレングリコール、エチレンジアミン、ジエチレントリアミンなどを用いることができる。
アニオン性基を有するウレタン樹脂は、例えば、ポリオール、ポリイソシアネート、鎖延長剤などに、アニオン性基を有する化合物を用いる方法、生成したウレタン樹脂の未反応イソシアネート基とアニオン性基を有する化合物を反応させる方法、ウレタン樹脂の活性水素を有する基と特定の化合物を反応させる方法などを用いて製造することができるが、特に限定されるものではない。
また、分子量300〜20000のポリオール、ポリイソシアネート、反応性水素原子を有する鎖長延長剤およびイソシアネート基と反応する基、およびアニオン性基を少なくとも1個有する化合物からなる樹脂が好ましい。
ウレタン樹脂中のアニオン性基は、好ましくはスルホン酸基、カルボン酸基およびこれらのアンモニウム塩、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩あるいはマグネシウム塩として用いられ、特に好ましくは、スルホン酸塩基である。
ポリウレタン樹脂中のアニオン性基の量は、0.05〜8重量%の範囲が好ましい。0.05重量%未満では、ウレタン樹脂の水分散性が悪くなる傾向があり、8重量%を超えると、樹脂の耐水性や耐ブロッキング性が劣る傾向がある。
本発明において、水系易接着樹脂塗布層は、上記樹脂以外にビニル系樹脂、ポリエーテル樹脂、セルロース系樹脂、エポキシ樹脂、ナイロン系樹脂、ゼラチン類等からなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂を含むことができる。
ビニル樹脂は、スチレン、α−メチルスチレン、スチレンスルホン酸ソーダ、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、ビニルエーテル、ビニルスルホン酸ソーダ、メタリル酸ソーダ、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等を主成分とする分子内に不飽和二重結合を有する単量体から得られる重合体あるいは共重合体であり、数平均分子量が5,000〜250,000のものが好ましい。
ポリエーテル樹脂としては、例えばポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、フェノキシ樹脂等を挙げることができ、数平均分子量が800〜400,000のものが好ましい。
セルロース系樹脂とは、メチルセルロース、ニトロセルロース等分子内にセルロース構造を有する樹脂である。
エポキシ樹脂は、分子内に2官能以上のグリシジル基を有する化合物から得られる重合体あるいは共重合体であり、数平均分子量が150〜30,000のものが好ましい。上記の化合物としては例えばビスフェノールグリシジルエーテル、グリセリンポリグリシジルエーテル、アミノグリシジルエーテル等を挙げることができる。
ナイロン樹脂としては、6ナイロン、6,6ナイロン等をメトキシメチル化樹脂およびこれらにアクリル酸などの共重合体を挙げることができる。
ゼラチンとは、高分子量のポリペプチドのことであり、コラーゲン等のタンパク質原料から得られるものを用いることができる。
本発明の水系易接着樹脂塗布層においては、上記した架橋性官能基を有する樹脂と架橋反応する架橋剤を併用することにより、高温高湿下での接着性が向上することを見いだした。特に、水系易接着樹脂層に用いる樹脂として、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂の少なくとも1種から選ばれた樹脂に、架橋剤を併用することが好ましい。
用いられる架橋剤は、上記した樹脂に存在する官能基、例えば、ヒドロキシル基、カルボキシル基、メチロール基、アミド基などと架橋反応しうるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、メラミン系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、(ブロック)イソシアネート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、エポキシ系架橋剤、メチロール化あるいはアルキロール化した尿素系、アクリルアミド系、ポリアミド系樹脂、カルボジイミド樹脂、各種シランカップリング剤、各種チタネート系カップリング剤などを用いることができる。
特に、架橋反応により、アミドエステル結合、ウレタン結合、アミド結合、ウレア結合を生じるものが、本発明においては好適である。
用いられる架橋剤の中でも、オキサゾリン系架橋剤、メラミン系架橋剤、エポキシ系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、アジリジン系架橋剤が架橋性や接着性の点で好ましく、特に、オキサゾリン系架橋剤と他架橋剤を併用することにより、常態下での接着性が向上すると同時に、高温高湿下での接着性が飛躍的に向上する。
本発明において、水系易接着樹脂塗布層において用いられるメラミン系架橋剤は、特に限定されないが、メラミン、メラミンとホルムアルデヒドを縮合して得られるメチロール化メラミン誘導体、メチロール化メラミンに低級アルコールを反応させて部分的あるいは完全にエーテル化した化合物、あるいはこれらの混合物などを用いることができる。また、メラミン系架橋剤としては単量体、2量体以上の多量体からなる縮合物、あるいはこれらの混合物などを用いることができる。エーテル化に使用する低級アルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、イソブタノールなどを用いることができる。官能基としては、イミノ基、メチロール基、あるいはメトキシメチル基やブトキシメチル基などのアルコキシメチル基を1分子中に有するもので、イミノ基型メチル化メラミン樹脂、メチロール基型メラミン樹脂、メチロール基型メチル化メラミン樹脂、完全アルキル型メチル化メラミン樹脂などである。その中でも、イミノ基型メラミン樹脂、メチロール化メラミン樹脂が好ましく、最も好ましくは、イミノ基型メラミン樹脂である。さらに、メラミン系架橋剤の熱硬化を促進するため、例えば、p−トルエンスルホン酸などの酸性触媒を用いてもよい。
本発明において、水系易接着樹脂塗布層に用いられるオキサゾリン系架橋剤は、当該化合物中に官能基としてオキサゾリン基を有するものであれば特に限定されるものではないが、オキサゾリン基を含有するモノマーを少なくとも1種以上含むオキサゾリン基含有共重合体からなるものが好ましい。
かかるオキサゾリン系架橋剤としては、特開平2−60941号公報、特開平2−99537号公報、特開平2−115238号公報、特公昭63−48884号公報などに記載の共重合体あるいはその誘導体を用いることができる。
オキサゾリン化合物としては、2−オキサゾリン、3−オキサゾリン、4−オキサゾリン化合物があり、いずれを用いてもよいが、特に2−オキサゾリン化合物が反応性に富みかつ工業的にも実用化されている。
例えば、2−ビニル−2−オキサゾリン(VOZO),5−メチル−2−ビニル−2−オキサゾリン(MVOZO)、4,4−ジメチル−2−ビニル−2−オキサゾリン(DMVOZO)、4,4−ジメチル−2−ビニル−5,6−ジヒドロ−4H−1,−オキサジン(DMVOZI)、4,4,6ートリメチル−2−ビニル−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン(TMVOZI)、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン(IPOZO),4,4−ジメチル−2−イソプロペニル−2−オキサゾリン(DMIPOZO),4−アクリロイル−オキシメチル−2,4−ジメチル−2−オキサゾリン(AOZO),4−メタクリロイル−オキシメチル−2,4−ジメチル−2−オキサゾリン(MAOZO)、4−メタクリロイル−オシメチル−2−フェニル−4−メチル−2−オキサゾリン(MAPOZO),2−(4−ビニルフェニル)−4,4−ジメチル−2−オキサゾリン(VPMOZO),4−エチル−4−ヒドロキシメチル−2−イソプロペニル−2−オキサゾリン(EHMIPOZO)、4−エチル−4−カルボエトキシメチル−2−イソプロペニル−2−オキサゾリン(EEMIPOZO)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ビニルオキサゾリン類は、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)や過酸化ベンゾイル(BPO)により容易にラジカル重合し、側鎖にオキサゾリン環を有するポリマーを生成する。ビニルオキサゾリン類は、n−ブチルリチウム等を触媒としたアニオン重合でも同様のポリ(ビニルオキサゾリン)類を生成する。なお、ポリ(ビニルオキサゾリン)類の合成にオキサゾリン環をもつモノマーによらない方法もある。例えば、ポリ(メタクリロイルアジリジン)の異性化反応による方法が挙げられる。
本発明で用いる、オキサゾリン系架橋剤は、他の共重合可能な任意のモノマーと共重合されていてよい。(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合されていることが好ましく、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチルのいずれかまたは複数との共重合であることがさらに好ましい。
オキサゾリン基の密度は高いことが好ましく、オキサゾリン価が300g(固形分)/当量未満であることが好ましく、さらに好ましくは180g(固形分)/当量未満である。
本発明において、水系易接着樹脂塗布層は、樹脂と架橋剤とを任意の比率で混合して用いることができるが、本発明の効果をより顕著に発現させるには、塗布層全体を100重量部としたときの有効成分比において、架橋剤は、塗布層中に10〜80樹脂に対し0.2〜20重量部添加することが常態下での接着性向上の点で好ましく、より好ましくは20〜800.5〜15重量部添加、最も好ましくは40〜701〜10重量部添加である。架橋剤の添加量が100.2重量部未満添加の場合、その添加効果が小さくなる傾向があり、また、8020重量部添加を超える場合は、接着性が低下する傾向がある。
さらに、本発明において特筆すべきは、オキサゾリン基含有共重合体からなるオキサゾリン系架橋剤を上記した範囲とし、かつ第2架橋剤(メラミン系架橋剤またはエポキシ架橋剤等の低分子量多官能架橋剤)との添加重量比([オキサゾリン系架橋剤]/[第2架橋剤]、括弧は各架橋剤の添加重量を表す)を0.1〜10の範囲とすることにより、接着性に著しい効果がある。本発明者らの知見によれば、添加重量比を0.5〜5とすることにより、特に接着性に優れたものとなる。
また、本発明において、水系易接着樹脂塗布層中には、本発明の効果が損なわれない範囲内で各種の添加剤、例えば、界面活性剤、消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、有機の易滑剤、顔料、染料、有機または無機の微粒子、充填剤、帯電防止剤、有機系潤滑剤、核剤などが配合されていてもよい。これらの添加剤は単独で用いてもよいが、必要に応じて二種以上を併用してもよい。
特に、水系易接着樹脂層中に無機粒子を添加したものは、易滑性や耐ブロッキング性が向上するのでさらに好ましい。この場合、添加する無機粒子としては、シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、アルミナゾル、カオリン、タルク、マイカ、炭酸カルシウムなどを用いることができる。用いられる無機粒子は、平均粒径0.01〜5μmが好ましく、より好ましくは0.05〜3μm、最も好ましくは0.08〜2μmであり、水系易接着樹脂層中の樹脂に対する混合比は特に限定されないが、固形分重量比で0.05〜8重量部が好ましく、より好ましくは0.1〜3重量部である。
ポリエステルフィルムに塗布液を塗布する方法は、例えば、原崎勇次著、槙書店、1979年発行、「コーティング方式」に示されるような塗布技術を用いることができる。具体的には、エアドクターコータ、ブレードコータ、ロッドコータ、ナイフコータ、スクイズコータ、含浸コータ、リバースロールコータ、トランスファロールコータ、グラビアコータ、キスロールコータ、キャストコータ、スプレイコータ、カーテンコータ、カレンダコータ、押出コータ等のような技術が挙げられ、これら以外の塗布装置を使用することもできる。
ポリエステルフィルムに塗布層を設ける場合、ポリエステルフィルムを製造する工程中で塗布液を塗布する方法、すなわちインラインコートが好適に採用される。例えば、未延伸フィルムに塗布した後延伸する方法、一軸延伸フィルムに塗布した後延伸する方法、二軸延伸フィルムに塗布した後延伸する方法等がある。特に、未延伸または一軸延伸フィルムに塗布液を塗布した後、テンターにおいて乾燥および延伸を同時に行う方法が経済的である。特に、結晶配向が完了する前のポリエステルフィルムに水系易接着樹脂を塗布し、延伸、熱処理により結晶配向を完了させる方法によることが、高温での熱処理が可能であることや、より均一で薄膜の水系易接着樹脂層を得ることができるので特に好ましい。なお、必要に応じて、フィルムの製造後に塗布するオフラインコートと呼ばれる方法で処理してもよい。
本発明の水系易接着樹脂塗布層における塗布液は、上記インラインコート方法によって水系易接着樹脂塗布層を形成する場合、水溶液または水分散液(乳化・懸濁)であることが環境汚染や防爆性の点で望ましいが、水を主たる媒体としている範囲であれば、有機溶剤を含有していてもよい。オフラインコートの場合は水系および/または溶剤系いずれでもよい。
本発明において、水系易接着樹脂塗布層を形成するための塗布液の固形分濃度に特に制限はないが、通常0.3〜65重量%、好ましくは0.5〜30重量%、さらに好ましくは1〜20重量%である。また、塗布量は乾燥後で、通常0.003〜1.5g/m、好ましくは0.005〜0.5g/m、さらに好ましくは0.01〜0.3g/mである。塗布量が0.003g/m未満の場合は十分な接着性能が得られない恐れがあり、1.5g/mを超えるとフィルム同士のブロッキングが起こりやすくなったり、特にフィルムの高強度化のために塗布処理フィルムを再延伸する場合は、工程中のロールに粘着しやすくなったりする傾向がある。上記の固着の問題は、特にフィルムの両面に同一の塗布層を形成する場合に顕著に現れる。
なお、塗布剤のフィルムへの塗布性や接着性を改良するため、塗布前にフィルムに化学処理や放電処理を施してもよい。また、表面特性をさらに改良するため、塗布層形成後に放電処理を施してもよい。
合わせガラスに用いる軟質樹脂としては、ポリビニルブチラール(PVB)またはエチレン―酢酸ビニル共重合体(EVA)が好適に用いられる。
合わせガラスに用いるガラスとしては、建築用または自動車用等に用いられるものであればいずれも使用可能である。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。また、本発明で用いた測定法は次のとおりである。
(1)極限粘度
測定試料をフェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量部)の溶媒に溶解させて濃度c=0.01g/cmの溶液を調製し、30℃にて溶媒との相対粘度ηを測定し、極限粘度[η]を求めた。
(2)厚さ
マイクロメータにより求めた。
(3)融解ピーク温度Tm
TA Instruments社製の示差走査熱量計「DSC−2920型」を使用し、試料5mgを0℃から300℃まで20℃/minの速度で昇温させた際に得られる吸熱ピークの温度をTmとした。上記の方法にて複数のピークが得られる場合はそれぞれを融解ピーク温度として記載した。
(4)100%伸び応力
(株)インテスコ製引張試験機インテスコモデル2001型を用いて、温度25℃において長さ50mm,幅15mmの試料フィルムを、200mm/分の速度で引張試験を行い、縦方向および横方向の100%伸び時の応力を求めた。
(5)合わせガラス用フィルムとしての耐熱性
ポリエステルフィルムの両側からポリエステルフィルムと同じ大きさのポリビニルブチラールによる樹脂シートで挟み、さらにその積層体の両側からポリエステルフィルムと同じ大きさのガラスで挟んだ合計5層からなる積層体を作成した。その積層体を130℃、1.0MPaの条件下で30分保持し降温後、下の基準にて耐熱性の評価を行った。
○:ポリエステルフィルムとガラスの大きさが等しい
△:ポリエステルフィルムが収縮し、わずかにガラスより小さい
×:ポリエステルフィルムが大きく収縮し、明らかにガラスより小さい
(6)合わせガラス用フィルムとしての成形性
曲面ガラスを想定した実験をするためにガラスとして直径120mmφの石英時計皿を使用し、上記(5)と同様の条件で作製した積層体を下の基準にて評価を行った。
○:ポリエステルフィルムはガラスの形状に完全に追従する
△:一部曲率の大きい部位においてポリエステルフィルムがガラスに追従しない
×:ポリエステルがガラスに追従せずシワが発生するために、良好な積層体が採取できない
(7)PVBとの接着性
・評価用PVBシートの作成
粉末状のPVB(分子量約11万、ブチラール化度65mol%、水酸基量約34mol%)6重量部、トリ(エチレングリコール) ビス(2−エチルヘキサノエート)(可塑剤)4重量部を45重量部のトルエンと混合し膨潤させた後、45重量部のエタノールを加え溶解させた。この溶液をテフロン(登録商標)製シャーレに深さ4mmになるように入れ、熱風オーブンにて100℃、1時間乾燥して厚さ約0.4mmのPVBシートを作成した。
・接着性評価
上記PVBシートを幅1cm、長さ10cmに切り出し、2枚の供試フィルムで易接着面が該シートに向くように挟み、ヒートシールテスター(テスター産業(株)製 TP−701)で熱圧着する。条件は以下のとおりである。
荷重:1000N(接着面におおよそ1MPaの圧力がかかる);温度:140℃;時間:1分
放冷後、圧着部分を手で剥離し下記の基準により接着性を判定した。
◎:極めて良好(無理に剥がすと供試フィルムまたはPVBシートが損傷するほど接着している)
○:良好(接着界面で剥離するが強い力を要する)
△:普通(接着界面で剥離するが軽い手応えがある)
×:不良(接着界面でほとんど手応えがなく、簡単に剥離する)
実施例および比較例において、水系易接着樹脂塗布液を構成する成分として使用した化合物は、以下のとおりである。
・ポリエステル樹脂:A1
テレフタル酸56モル%、イソフタル酸40モル%、5−ソジウムスルホイソフタル酸4モル%、エチレングリコール70モル%、1,4ブタンジオール17モル%およびジエチレングリコール13モル%からなるポリエステルの水分散体
・ポリエステル樹脂:A2
テレフタル酸50モル%、イソフタル酸50モル%、エチレングリコール73モル%、ジエチレングリコール27モル%からなるポリエステルを、無水ピロメリット酸と反応させ、分子量15000、カルボン酸基量87mgKOH/gのポリエステルを得た。このポリエステルをアンモニアで中和させることにより、水分散させた。この水分散液中でMMAを乳化重合させてアクリルグラフトポリエステルを得た(水分散体)。ポリエステルとMMAの仕込み量比は、50/50重量%であった。
・オキサゾリン基含有ポリマー:B1
(メタ)アクリル系モノマーとの共重合タイプ。オキサゾリン価 220g(固形分)/当量((株)日本触媒製 エポクロス WS−700)
・オキサゾリン基含有ポリマー:B2
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとの共重合タイプ。オキサゾリン価 130g(固形分)/当量((株)日本触媒製 エポクロス WS−300)
・メラミン系化合物:C1
アルキロールメラミン(DIC(株)製 ベッカミンJ101)
・不活性粒子:D1
平均粒径0.05μmのシリカゾル(日産化学工業(株)製 スノーテックス)
・ポリアクリレート系ポリマー:E1
メチルメタクリレート41モル%、エチルアクリレート46モル%、アクリロニトリル7モル%、N−メチロールアクリルアミド5モル%、メタクリル酸1モル%からなるアクリレートの水分散体
Figure 2010215494

〈ポリエステルの製造〉
(ポリエステルAの製造方法)
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム・四水塩0.09重量部を反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物にエチルアシッドフォスフェート0.04部を添加した後、三酸化アンチモン0.03部を加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.680に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させた。得られたポリエステルAの極限粘度は0.680で
あった。
(ポリエステルBの製造方法)
ジカルボン酸成分としてイソフタル酸およびテレフタル酸、多価アルコール成分としてエチレングリコールをそれぞれ使用し、定法の溶融重縮合法で製造したものを使用した。
得られたポリエステルBの極限粘度は0.700、ジカルボン酸成分中のイソフタル酸の含有量は22モル%であった。
(ポリエステルCの製造方法)
ポリエステルAの製造方法において、エチルアシッドフォスフェート0.04部を添加後、エチレングリコールに分散させた平均粒子径2.5μmのシリカ粒子を3部、三酸化アンチモン0.03部を加えて、極限粘度0.650に相当する時点で重縮合反応を停止した以外は、ポリエステルAの製造方法と同様の方法を用いてポリエステルCを得た。得られたポリエステルCは、極限粘度0.650であった。
〈ポリエステルフィルムの製造〉
実施例1:
前述のポリエステルA、Cをそれぞれ97重量部、3重量部の割合で混合した混合原料をA層、ポリエステルAを100重量部としたものをB層の原料として、2台のベント式二軸押出機に各々を供給し、それぞれ285℃で溶融し、A層を最外層(表層)、B層を中間層とする2種3層(A/B/A)の層構成で共押出して、40℃に冷却したキャスティングドラム上で冷却固化させて未延伸フィルムを得た。次いで、ロール周速差を利用して縦延伸温度80℃で縦方向に3.5倍延伸した後、両面に水系易接着塗布液1をそれぞれの面で5g/m2の塗布量で塗布した。その後テンターに導き、横方向に120℃で3.8倍延伸し、245℃で10秒間の熱処理を行うと同時に幅方向に10%弛緩をし、厚み100μmのポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの各層の厚みは5/90/5μmであった。得られた結果を下記表1に記載した。この結果より、耐熱性、成形性ともに良好な結果が得られた。
実施例2:
実施例1において、縦方向に3.1倍に延伸し、横方向に4.0倍に延伸した以外は実施例1と同様にして厚み100μmのポリエステルフィルムを得た。本フィルムを使用した積層体は僅かにフィルムの横方向のサイズが小さく、また、一部曲率の大きい部位に対するフィルムの追従性には劣るものであったが、ガラスの形状によっては十分に使用できるものであった。
実施例3:
ポリエステルフィルムの水系易接着塗布液1を水系易接着塗布液2とする以外は実施例1と同様の方法により合わせガラスを得た。得られた合わせガラスには光学歪みがなく、良好な外観だった。
実施例4:
ポリエステルフィルムの水系易接着塗布液1を水系易接着塗布液3とする以外は実施例1と同様の方法により合わせガラスを得た。得られた合わせガラスには光学歪みがなく、良好な外観だった。
実施例5:
ポリエステルフィルムの水系易接着塗布液1を水系易接着塗布液4とする以外は実施例1と同様の方法により合わせガラスを得た。得られた合わせガラスには光学歪みがなく、良好な外観だった。
実施例6:
ポリエステルフィルムの水系易接着塗布液1を水系易接着塗布液5とする以外は実施例1と同様の方法により合わせガラスを得た。得られた合わせガラスには光学歪みがなく、良好な外観だった。
比較例1:
前述のポリエステルA、Cをそれぞれ97重量部、3重量部の割合で混合した混合原料をA層、ポリエステルAを100重量部としたものをB層の原料として、2台のベント式二軸押出機に各々を供給し、それぞれ285℃で溶融し、A層を最外層(表層)、B層を中間層とする2種3層(A/B/A)の層構成で共押出して、40℃に冷却したキャスティングドラム上で冷却固化させて未延伸フィルムを得た。次いで、ロール周速差を利用して縦延伸温度80℃で縦方向に3.5倍延伸した。その後テンターに導き、横方向に120℃で3.8倍延伸し、235℃で10秒間の熱処理を行った後に170℃で幅方向に3%弛緩をし、厚み100μmのポリエステルフィルムを得た。本フィルムを使用した積層体はフィルムの縮みはなく、耐熱性は良好であったが、フィルムがガラスに追従せず、成形性に関しては劣るものであった。
比較例2:
比較例1において、B層の原料配合をポリエステルA、Bをそれぞれ20重量部、80重量部にし、200℃で10秒間の熱処理を行った以外は比較例1と同様にして厚み100μmのポリエステルフィルムを得た。本フィルムを使用した積層体はフィルムの縮みが大きく、劣るものであった。尚成形性に関しては良好であった。
比較例3:
ポリエステルフィルムを製膜する際に縦方向に延伸した後に塗布層を設けない以外は実施例1と同様の方法により合わせガラスを得た。得られた合わせガラスではポリエステルフィルムとPVBとの密着性不十分であった。
得られたフィルムの物性値及び合わせガラス用ポリエステルフィルムとしての適性について表2〜3にまとめた。本発明の要件を満たすフィルムは、合わせガラス用としての適性が高いことがわかる。
Figure 2010215494
Figure 2010215494
本発明のフィルムは、例えば、建材、自動車等の合わせガラス用のフィルムとして好適に利用することができる。

Claims (1)

  1. 一方の表面に水系易接着樹脂塗布層を有するポリエステルフィルムであり、当該ポリエステルフィルムの縦方向と横方向の100%伸び時応力が100〜180MPaの範囲であることを特徴とする合わせガラス用ポリエステルフィルム。
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